JP2020147100A - エアコンディショナ制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このようなエアコンディショナにおいて、ユーザにより設定された設定温度等に応じて、室内温度を設定温度に近付けるようコンプレッサのオンオフや、ブロワの出力等を自動的に変化させるオートモード制御を行うものが知られている。
特許文献2には、冷房能力を確保しつつ圧縮機の焼き付きを防止するため、温度センサによって検知された温度が閾値以上であり、且つ内外気切換ダンパが内気循環位置に位置しているとき、ブロワの風量を減少させることが記載されている。
特許文献3には、冷媒循環量に異常が発生し、冷房能力が不足する場合に、ファン風量を増加させて冷房感を補い、過去の設定による空調フィーリングに近付けることが記載されている。
しかし、冷凍サイクルを構成する配管の経年劣化や、配管の継ぎ手部からの漏れなどにより、冷媒の充填量は徐々に減少する。
ここで、冷媒の減少が顕著であり、冷媒圧センサ等により異常判定がなされた場合には、コンプレッサが停止されるが、異常判定が成立しない程度の冷媒量の減少では、通常のオートモード制御が実行され、最短で室内温度が設定温度に達するようブロワ風量等が制御される。
また、このような状況では、熱風や温風が吹き出されることにより、冷房を求める乗員に不快感を与えることが懸念される。
さらに、このような状態で、目標の室内温度(オートモード制御の設定温度)に到達するまで、長時間にわたって最大能力付近で空調制御を実行すると、消費電力が増大して車両の燃料消費(電動車両の場合は電力消費)が悪化してしまう。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、冷媒量減少時に適切な空調を行うとともにエネルギ消費を抑制したエアコンディショナ制御装置を提供することである。
請求項1に係る発明は、冷媒を加圧するコンプレッサと、前記コンプレッサが吐出した冷媒を凝縮させるコンデンサと、前記コンデンサから出た冷媒を減圧する膨張弁と、前記膨張弁から出た冷媒を蒸発させて前記コンプレッサに循環させるエバポレータと、前記エバポレータにおいて冷媒と熱交換する空気流を発生するブロワと、前記エバポレータを通過した前記空気流を車室内に導入するダクトとを備えるエアコンディショナを制御するエアコンディショナ制御装置であって、ユーザが冷房要求値を設定する冷房要求設定部と、前記冷房要求値に応じて前記ブロワの出力を制御するブロワ制御部と、前記ダクト内における前記空気流の温度を検出する吹出し口温度センサとを備え、前記ブロワ制御部は、所定の判定値に対して前記吹出し口温度センサが検出した前記空気流の温度が高い場合に、前記ブロワの出力を低下させることを特徴とするエアコンディショナ制御装置である。
これによれば、冷媒量が減少したことにより、ブロワの出力が高い状態ではダクトから車室内への吹出し口温度を十分に低くできない場合には、ブロワの出力を低下させて吹出し口温度を低下させることにより、吹出し風に接する乗員に涼感(体感的な涼しさ)を与えて快適性を確保することができる。
また、通常のオートモード制御を行った場合のように、室内温度が設定温度に近付くまで、長時間にわたってブロワを高出力で運転することがないため、ブロワの駆動に消費される電力を抑制し、車両の燃料消費、電力消費を抑制することができる。
これによれば、判定値を現在のエアコンディショナの運転状態に応じて適切に設定し、適切なブロワ出力の制御を行うことができる。
判定値は、例えば、目標温度に対して所定値を加算した値とし、目標温度に対する実際の吹出し温度の偏差(乖離)が所定値以上となった場合に、ブロワの出力を低下させる構成とすることができる。
これによれば、冷媒量が適正である場合の空気流の温度を推定し、目標温度及び判定値の設定に利用することにより、冷媒量減少時に適切にブロワ出力の低下を行うことができる。
この場合、冷媒量が適正である場合の空気流の推定温度を目標温度としてもよい。また、推定された温度に適宜補正を行って目標温度としてもよい。
これによれば、ユーザが設定する冷房要求値(例えば、オートモード制御における設定温度等)に基づいて判定値を設定することにより、ユーザが所望する室内温度よりも吹出し口温度が高温となることを防止し、車室内の快適性を確保することができる。
この場合、設定温度を判定値とすることができる。また、設定温度から所定値だけ低下させる等、設定温度に補正を行った値を判定値とすることができる。
これによれば、現在の室内温度に対して十分に低温でない空気流が吹き出されてユーザの涼感が損なわれることを防止し、車室内の快適性を確保することができる。
この場合、室内温度を判定値とすることができる。また、室内温度から所定値だけ低下させる等、室内温度に補正を行った値を判定値とすることができる。
以下、本発明を適用したエアコンディショナ制御装置の第1実施形態について説明する。
第1実施形態のエアコンディショナ制御装置は、例えば、エンジンを走行用動力源とする乗用車等の自動車に設けられ、乗員等が収容される車室内の空気調和を行うエアコンディショナを制御するものである。
エアコンディショナ1は、コンプレッサ10、コンデンサ20、膨張弁30、エバポレータ40、レシーバタンク50等を有する冷凍空調機を備えている。
冷凍空調機は、例えばR134aを冷媒とする冷凍サイクルを構成する。
コンプレッサ10は、例えば、それぞれ渦巻状に形成された可動スクロール及び固定スクロールを有するスクロールコンプレッサである。
コンプレッサ10は、可動スクロールと固定スクロールとの間で複数の接触点により形成された三日月状の作動室を有する。可動スクロールを固定スクロールに対して自転を拘束された状態で公転させることにより、作動室は、外径側から内径側へ、容積を減少しつつ移動し、冷媒を圧縮する。
コンプレッサ10は、そのオンオフ(稼働・停止)を、後述する空調制御ユニット100により制御されている。
コンデンサ20は、例えば、車両前端部などの車室外に配置されている。
膨張弁30は、エバポレータ40において熱交換が適切に行われるよう、冷媒の流量を調節する機能を有する。
ブロワが送風する空気は、エバポレータ40に対して冷媒の気化熱を与えることによって冷却される。
エバポレータ40において蒸発し、気相となった冷媒は、コンプレッサ10の吸入側へ還流される。
レシーバタンク50は、冷媒中の水分を低減する除湿剤等を有する。
HVACユニット60は、ヒータ、ベンチレーション(換気)、エアコンディショナ(空調)関連の各種部品を、内部に空気流路が形成されたケース(筐体)内に集約し、ユニット化したものである。
HVACユニット60は、エバポレータ40、ブロワ70、ヒータコア80を収容している。
内気取入口62は、車室内の空気(内気)をHVACユニット60に導入する開口部である。
内外気切換ドア63は、内気取入口62が閉塞された外気導入状態と、外気取入口61が閉塞された内気循環状態とを切り換えるフラップ状の扉状体である。
内外気切換ドア63は、エアコンディショナ制御ユニット100により制御されるサーボモータによって、外気導入状態と内気循環状態とを切換可能となっている。
外気取入口61、内気取入口62から導入された空気は、ブロワ70によりエバポレータ40側へ送風される。
ブロワ収容部64から出た空気流は、エバポレータ収容部65の内部でエバポレータ40と熱交換を行った後にヒータ収容部66側へ送出される。
エバポレータ収容部65は、エバポレータ40により空気流が冷却された際に生じる凝縮水を、外部へ排出する機能を有する。
ヒータ収容部66は、エバポレータ収容部65から出た空気流が導入されるとともに、ヒータコア80が収容される空間部である。
エアミックスドア67は、エバポレータ収容部65から出た空気流がヒータコア80に導入される開状態と、ヒータコア80への導入が遮断される閉状態とを切り換えるフラップ状の扉状体である。
エアミックスドア67は、エアコンディショナ制御ユニット100からの指令に応じて、図示しないサーボモータにより開閉駆動される。
ブロワ70は、ファン及びこれを駆動する電動モータを有し、電動モータの出力(ファンの回転速度)は、後述するエアコンディショナ制御ユニット100のブロワ制御部103によって制御される。
ヒータコア80は、暖房時に、冷却水の熱により空気流を加熱する機能を有する。
ダクト90は、センタベントダクト91、シャッタドア92、サイドベントダクト93、吹出し口温度センサ94、デフロスタダクト95、デフロスタドア96、ヒータダクト97、ヒータドア98等を有して構成されている。
シャッタドア92は、センタベントダクト91の入口部を開閉するフラップ状の扉状体である。
吹出し口温度センサ94は、サイドベントダクト93内を流れる空気の温度(吹出し口温度)を検出するものである。
吹出し口温度センサ94の出力は、エアコンディショナ制御ユニット100に伝達される。
デフロスタドア96は、デフロスタダクト95の入口部を開閉するフラップ状の扉状体である。
ヒータドア98は、ヒータダクト97の入口部を開閉するフラップ状の扉状体である。
シャッタドア92、デフロスタドア96、ヒータドア98は、エアコンディショナ制御ユニット100からの指令に応じて、図示しないサーボモータにより開閉駆動される。
エアコンディショナ制御ユニット100は、例えば、CPU等の情報処理部、RAMやROM等の記憶部、入出力インターフェイス及びこれらを接続するバス等を有して構成されている。
オートモード制御部101は、オートモードが選択された場合に、ユーザにより設定される設定温度(冷房要求値)や、後述する室温センサ104、外気温センサ105、日射センサ106の出力等に応じて、コンプレッサ10のオンオフ、ブロワ70の出力(風量)、各ドア類の状態等を決定するものである。
オートモード制御部101は、通常時においては、実際の室内温度が設定温度に早期に収束するようエアコンディショナ1の制御を行う。
目標温度設定部102は、冷媒循環量が正常である場合に、現在のエアコンディショナ1の運転状態において得られるべきエバポレータ40の吸熱量を演算し、エバポレータ40を通過する空気流の流量(流速)や、エバポレータ40の上流側の空気流の温度(外気導入モードにおいては外気温、内気循環モードにおいては室内温に相当する)等に基づいて、エバポレータ40の下流側の空気流の温度を推定する。
目標温度設定部102は、この推定温度に対して所定の補正等を行い、目標温度とする。
ブロワ制御部103は、オートモード制御時においては、オートモード制御部101からの指令に応じてブロワ70の出力を設定し、マニュアルモード制御時においては、ブロワスピードスイッチ114の状態に応じてブロワ70の出力を設定する。
室温センサ104は、車室内部の気温(室内温度)を検出する温度センサである。
外気温センサ105は、車両外部の気温(外気温)を検出する温度センサである。
日射センサ106は、車両に照射される日光の強さを検出するものである。
日射センサ106は、日光の強さを電流の変化に変換するフォトダイオードを備えている。
コントロールパネル110は、車室内のインストルメントパネル等に設けられ、乗員等のユーザがエアコンディショナ1に関する各種操作を行う操作部である。
コントロールパネル110は、メインスイッチ111、オートモードスイッチ112、温度調整スイッチ113、ブロワスピードスイッチ114、吹出しモードスイッチ115、内外気切換スイッチ116等を有する。
オートモードスイッチ112は、オートモードとマニュアルモードとを選択するものである。
温度調整スイッチ113は、オートモードにおいては、ユーザが設定温度(冷房要求値)を入力するものであり、マニュアルモードにおいては、エアミックスドア67の状態を切り換えてHVACユニット60から出る空気流の温度を調節する冷房要求設定部である。
設定温度は、ユーザが所望する室内温度のレベルを示す指標であって、これが低いほど、ユーザからの冷房要求が強いものとみなすことができる。
ブロワスピードスイッチ114は、マニュアルモードにおいて、ブロワ70の出力(風量・風速)を調節するものである。
吹出しモードスイッチ115は、マニュアルモードにおいて、シャッタドア92、デフロスタドア96、ヒータドア98の状態を切り換えて、HVACユニット60から出た空気流が吹き出される箇所を選択するものである。
内外気切換スイッチ116は、マニュアルモードにおいて、内外気切換ドア63の状態を切り換えて、外気導入モードと内気循環モードとを選択するものである。
図2は、第1実施形態のエアコンディショナ制御装置の動作を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
エアコンディショナ制御ユニット100は、メインスイッチ111がオン状態とされているか否かを判別する。
メインスイッチ111がオン状態である場合は、ステップS02に進み、その他の場合は一連の処理を終了(リターン)する。
エアコンディショナ制御ユニット100は、オートモードスイッチ112においてオートモードが選択されているか否かを判別する。
オートモードが選択されている場合はステップS03に進み、その他の場合はステップS08に進む。
エアコンディショナ制御ユニット100は、現在コンプレッサ10がオン(稼働)状態であるか否かを判別する。
例えば、温度調整スイッチ113により設定された設定温度に対して、室内温度が低い場合のように、冷房要求がない場合には、コンプレッサ10はオートモード制御部101によりオフとされる。
コンプレッサ10がオンである場合はステップS04に進み、その他の場合はステップS09に進む。
エアコンディショナ制御ユニット100は、吹出し口温度センサ94により検出された空気流の温度(吹出し口温度)を、温度調整スイッチ113により設定された設定温度と比較する。
吹出し口温度が設定温度よりも高い場合はステップS05に進み、その他の場合はステップS09に進む。
エアコンディショナ制御ユニット100は、吹出し口温度センサ94により検出された吹出し口温度を、室温センサ104により検出された車室内の温度(室内温度)と比較する。
吹出し口温度が室内温度よりも高い場合はステップS06に進み、その他の場合はステップS09に進む。
エアコンディショナ制御ユニット100は、吹出し口温度センサ94により検出された実際の吹出し口温度を、目標温度設定部102が設定する吹出し口の目標温度(冷媒量適正時にとり得る温度)と比較する。
実際の吹出し口温度が目標温度よりも高い場合はステップS07に進み、その他の場合はステップS09に進む。
エアコンディショナ制御ユニット100は、エアコンディショナ1がオンとなり、コンプレッサ10が起動してからの経過時間を、予め設定された所定時間と比較する。
コンプレッサ10の起動後に、所定時間が経過している場合は、冷媒量減少判定を成立させてステップS10に進み、その他の場合はステップS04に戻り、以降の処理を繰り返す。
エアコンディショナ制御ユニット100は、目標温度設定部102の状態に応じてエアミックスドア67の状態を設定し、ブロワスピードスイッチ114の状態に応じてブロワ70の出力を設定し、吹出しモードスイッチ115の状態に応じて各ドア類を制御するマニュアルモード制御を実行する。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
エアコンディショナ制御ユニット100のオートモード制御部101は、冷媒量が適正であることを前提とした通常のオートモード制御を行う。
その後、一連の処理を終了する。
エアコンディショナ制御ユニット100のオートモード制御部101は、冷媒量が減少していることを前提とした冷媒量減少時オートモード制御を行う。
冷媒量減少時オートモード制御については、後に詳しく説明する。
その後、一連の処理を終了する。
図3において、横軸は時間を示し、縦軸は各温度及び風量を示している。(後述する図4,6において同じ)
図3に示す例においては、設定温度は一例として25℃である。
エアコンディショナ1の起動時においては、室内温度が40℃と高く、オートモード制御部101は、短時間で室内温度を設定温度に近づけるため、ブロワ70の出力を100%とする。
低温の空気流をブロワ70の最大出力で送風することにより、室内温度は急速に低下する。
その後、室内温度が設定温度に近づくと、ブロワ70の出力を徐々に低下させるとともに、エアミックスドア67の制御等により吹出し口温度を徐々に増加させ、室内温度の設定温度への収束を図る。
図4に示す例においては、図3の場合と同様に、設定温度は25℃、エアコンディショナ1の起動時における室内温度は40℃である。
通常オートモード制御を行う場合、オートモード制御部101は、図3の場合と同様に、短時間で室内温度を設定温度に近づけるため、ブロワ70の出力を100%とする。
この場合、室内温度の低下は緩慢であり、ブロワ70を長時間高出力で稼働させ続けることになるが、吹出し口温度が設定温度よりも高温であることから、乗員等のユーザは冷房を所望しているにも関わらず熱風、温風を吹き付けられ、不快感や不満を抱く原因となる。
また、ブロワ70を長時間高出力で稼働させることにより、ブロワ70の駆動に要する電力が増大し、エンジンによる発電機(オルタネータ)の駆動損失などにより、車両の燃料消費を悪化させてしまう。
図5は、冷媒量減少時及び冷媒量適正時における風量と吹出し口温度との相関の一例を示す図である。
図5において、横軸はブロワ70の風量(出力)を示し、縦軸は吹出し口温度を示している。
例えば、設定温度が約25℃である場合、風量が10%程度の状態においては、吹出し口温度は、冷媒量適正時、冷媒量減少時ともに約10℃程度となる。
例えば、図5に示す例においては、冷媒量適正時においては、風量が100%(ブロワ70が最大出力)の状態であっても、吹出し口温度は約15℃程度であり、設定温度よりも十分に低い。
このような状態では、ブロワ70の風量を大きくしたほうが室内温度の設定温度への収束を早めることができる。
そこで、第1実施形態の冷媒量減少時オートモード制御においては、冷媒量適正時の吹出し口温度を目標温度Ttとし、吹出し口温度センサ94が検出した実際の吹出し口温度が、判定値Tt+ΔT以上(ΔTは、例えば、所定の定数)となった場合には、吹出し口温度が判定値Tt+ΔT未満となるまで、ブロワ70の風量(出力)を低下させている。
例えば、図5に示す例においては、ブロワ70の風量(出力)は、30%が上限(冷媒量適正時に対して吹出し口温度が過度に高温とならないバランス点)となるように制御される。
図6に示すように、冷媒量減少時オートモード制御時においては、エバポレータ40の冷却能力自体は、図4に示す場合と同等であるため、室内温度の変化は、図4に示す場合と同様に、冷媒量適正時に対して緩慢である。
しかし、図6に示す冷媒量減少時オートモード制御においては、エアコンディショナ1の起動後、ブロワ70の風量(出力)を30%程度で推移させることにより、吹出し口温度を約15℃に維持することが可能である。
これにより、エアコンディショナ1の冷房能力自体は図4と同等であっても、ダクト90から吹き出される空気流がユーザの顔や手などの身体に直接吹き付けられれば、ユーザは低温の空気流との接触による涼感(体感的な涼しさ)を得ることが可能である。
(1)冷媒量の減少によって、ブロワ70の出力が高い状態ではダクト90から車室内への吹出し口温度を十分に低くできない場合には、ブロワ70の出力を低下させて、吹出し口温度を低下させることにより、吹出し風に接する乗員に涼感を与えて快適性を確保することができる。
また、通常のオートモード制御を行った場合のように、室内温度が設定温度となるまで長時間にわたってブロワ70を高出力で運転することがないため、ブロワ70の駆動に消費される電力を抑制し、車両の燃料消費、電力消費を抑制することができる。
(2)ダクト90内における空気流の目標温度を設定し、目標温度に基づいて判定値を設定することにより、判定値を現在のエアコンディショナ1の運転状態に応じて適切に設定し、適切なブロワ70の出力の制御を行うことができる。
(3)冷媒量が適正である場合の空気流の温度を推定し、目標温度及び判定値の設定に利用することにより、冷媒量減少時に適切にブロワ70の出力の低下を行うことができる。
次に、本発明を適用したエアコンディショナ制御装置の第2実施形態について説明する。
以下説明する各実施形態において、上述した第1実施形態と同様の箇所には同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
第2実施形態においては、第1実施形態の目標温度に代えて、温度調整スイッチ113によりユーザが設定した設定温度に基づいて、ブロワ出力の低下要否を判定する判定値を設定している。
例えば、設定温度に応じて設定される所定の温度(設定温度そのものであってもよい)から、所定値を減じた値を判定値とし、吹出し口温度センサ94が検出する吹出し口温度が判定値以上となった場合に、吹出し口温度が判定値未満となるまでブロワ70の出力を低下させる。
以上説明した第2実施形態によれば、ユーザが任意に設定する設定温度に基づいて判定値を設定することにより、ユーザが所望する室内温度よりも吹出し口温度が高温となることを防止し、車室内の快適性を確保することができる。
次に、本発明を適用したエアコンディショナ制御装置の第3実施形態について説明する。
第3実施形態においては、第1実施形態の目標温度に代えて、室温センサ104が検出する室内温度に基づいて、ブロワ出力の低下要否を判定する判定値を設定している。
例えば、室内温度から所定値を減じた値を判定値とし、吹出し口温度センサ94が検出する吹出し口温度が判定値以上となった場合に、吹出し口温度が判定値未満となるまでブロワ70の出力を低下させる。
以上説明した第3実施形態によれば、室内温度に基づいて判定値を設定することにより、現在の室内温度に対して十分に低温でない空気流が吹き出されてユーザの涼感が損なわれることを防止し、車室内の快適性を確保することができる。
本発明は、以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)エアコンディショナ及びエアコンディショナ制御装置の構成は、上述した各実施形態に限定されることなく、適宜変更することが可能である。
例えば、HVACユニット、ダクト等の構成や、各ドア類の配置等は特に限定されない。
(2)各実施形態において、エアコンディショナはエンジンを走行用動力源とする車両に搭載されるものであるが、本発明は、エンジン及び電動モータを走行用動力源とするエンジン電気ハイブリッド車両や、電動モータのみを走行用動力源とするピュアEV、燃料電池自動車等の電動車両にも適用することが可能である。この場合、コンプレッサは電動モータにより駆動する構成とすることができる。
(3)第1乃至第3実施形態においては、それぞれ冷媒量適正時の目標温度、オートモード制御における設定温度、室内温度に基づいて判定値を設定しているが、判定値の設定手法はこれらに限定されず適宜変更することが可能である。
例えば、これらの判定値に対して適宜補正を行う構成とすることができる。
また、複数の手法を組み合わせて判定値を求める構成とすることもできる。
20 コンデンサ 30 膨張弁
40 エバポレータ 50 レシーバタンク
60 HVACユニット 61 外気取入口
62 内気取入口 63 内外気切換ドア
64 ブロワ収容部 65 エバポレータ収容部
66 ヒータ収容部 67 エアミックスドア
70 ブロワ 80 ヒータコア
90 ダクト 91 センタベントダクト
92 シャッタドア 93 サイドベントダクト
94 吹出し口温度センサ 95 デフロスタダクト
96 デフロスタドア 97 ヒータダクト
98 ヒータドア
100 エアコンディショナ制御ユニット
101 オートモード制御部 102 目標温度設定部
103 ブロワ制御部 104 室温センサ
105 外気温センサ 106 日射センサ
110 コントロールパネル 111 メインスイッチ
112 オートモードスイッチ 113 温度調整スイッチ
114 ブロワスピードスイッチ 115 吹出しモードスイッチ
116 内外気切換スイッチ
Claims (5)
- 冷媒を加圧するコンプレッサと、
前記コンプレッサが吐出した冷媒を凝縮させるコンデンサと、
前記コンデンサから出た冷媒を減圧する膨張弁と、
前記膨張弁から出た冷媒を蒸発させて前記コンプレッサに循環させるエバポレータと、
前記エバポレータにおいて冷媒と熱交換する空気流を発生するブロワと、
前記エバポレータを通過した前記空気流を車室内に導入するダクトと
を備えるエアコンディショナを制御するエアコンディショナ制御装置であって、
ユーザが冷房要求値を設定する冷房要求設定部と、
前記冷房要求値に応じて前記ブロワの出力を制御するブロワ制御部と、
前記ダクト内における前記空気流の温度を検出する吹出し口温度センサとを備え、
前記ブロワ制御部は、所定の判定値に対して前記吹出し口温度センサが検出した前記空気流の温度が高い場合に、前記ブロワの出力を低下させること
を特徴とするエアコンディショナ制御装置。 - 現在のエアコンディショナの運転状態に応じて前記ダクト内における前記空気流の目標温度を設定する目標温度設定部を備え、
前記ブロワ制御部は、前記目標温度に基づいて前記判定値を設定すること
を特徴とする請求項1に記載のエアコンディショナ制御装置。 - 前記目標温度設定部は、冷媒量が適正である場合における前記空気流の温度を推定し、推定された温度に基づいて前記目標温度を設定すること
を特徴とする請求項2に記載のエアコンディショナ制御装置。 - 前記ブロワ制御部は、前記冷房要求値に基づいて前記判定値を設定すること
を特徴とする請求項1に記載のエアコンディショナ制御装置。 - 前記車室内の温度を検出する室温センサを備え、
前記ブロワ制御部は、前記車室内の温度に基づいて前記判定値を設定すること
を特徴とする請求項1に記載のエアコンディショナ制御装置。
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2019
- 2019-03-12 JP JP2019044699A patent/JP7265381B2/ja active Active
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