JP2020146948A - フィラメントワインディング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フープ巻き端部の繊維束位置のバラツキを低減できるフィラメントワインディング装置を提供する。【解決手段】フィラメントワインディング装置1は、樹脂を含浸した繊維束7が巻回されるボビン2と、繊維束7をライナー100に繰り出す繰出部4と、ライナー100の表面温度を測定する温度測定部6と、ボビン2から繊維束7を巻き出す際の繊維束7の張力を測定する張力測定部5と、繰出部4の動作を制御する制御部8とを備える。制御部8は、温度測定部6で測定したライナー100の表面温度と、張力測定部5で測定した繊維束7の張力に基づいて、繰出部4の動作を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、ライナーの外周に繊維束を巻き付けてタンクを製造するフィラメントワインディング装置に関する。
従来、このような分野の技術として、フィラメントワインディング装置を利用し、円筒状の胴体部と胴体部の両端に設けられたドーム部とを有するライナーを回転させながら、樹脂が含浸された繊維束を一定の張力(すなわち、繊維束を巻き付ける力)で該ライナーの外周に繰り返し巻き付けることでフープ層とヘリカル層からなる補強層を形成し、タンクを製造することが知られている。
しかし、胴体部の外周に複数のフープ層を順次に積層していくときに、外側(すなわち、ライナーの外周に遠い側)フープ層の繊維束を巻き付ける力によって、内側(すなわち、ライナーの外周に近い側)フープ層の繊維束に圧力が加わるので、内側フープ層の繊維束が押し出される。これによって、フープ巻き端部において内側フープ層の繊維束は、ドーム部側に移動(横滑りともいう)してしまう。
また、繊維束に含浸された樹脂の粘度が温度等の条件によって変化しやすいので、フープ巻き端部における繊維束の移動量のバラツキが発生する。特に樹脂の粘度が低いほど、フープ巻き端部における繊維束の移動量が大きくなる傾向がある。その結果、フープ巻き端部の繊維束の位置にバラツキが生じ、タンクの品質に影響を及ぼす問題があった。
上述の問題を解決するために、様々な技術が提案されている。例えば下記特許文献1には、突起部を有する固定手段をライナーのドーム部に配置させ、該固定手段の突起部を利用してフープ巻き端部における繊維束の移動を抑制することで、フープ巻き端部の繊維束位置のバラツキを低減することが開示されている。
特開平11−82888号公報
しかし、上述した場合は、固定手段を設ける必要があるので、部品点数の増加を招くのみならず、固定手段をライナーのドーム部に配置させることに伴ってフィラメントワインディング装置自体が複雑になる問題も新たに発生してしまう。このため、改善の余地が残されている。
本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、フープ巻き端部の繊維束位置のバラツキを低減できるフィラメントワインディング装置を提供することを目的とする。
本発明に係るフィラメントワインディング装置は、ライナーの外周に繊維束を巻き付けてタンクを製造するフィラメントワインディング装置であって、樹脂を含浸した繊維束が巻回されるボビンと、繊維束を前記ライナーに繰り出す繰出部と、前記ライナーの表面温度を測定する温度測定部と、前記ボビンから繊維束を巻き出す際の繊維束の張力を測定する張力測定部と、少なくとも前記繰出部の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記温度測定部で測定した前記ライナーの表面温度と、前記張力測定部で測定した繊維束の張力に基づいて、前記繰出部の動作を制御することを特徴としている。
本発明に係るフィラメントワインディング装置では、制御部は、温度測定部で測定したライナーの表面温度と、張力測定部で測定した繊維束の張力に基づき、フープ巻き端部における繊維束の移動量を予測し、その予測した結果で繰出部の動作を制御することで、フープ巻き端部の繊維束位置のバラツキを低減することができる。その結果、フープ巻き端部を安定化することができる。
本発明によれば、フープ巻き端部の繊維束位置のバラツキを低減することができる。
ライナーの構造を示す概略図である。 実施形態に係るフィラメントワインディング装置を示す概略構成図である。 (a)はヘリカル巻きを説明する模式図であり、(b)はフープ巻きを説明する模式図である。 フィラメントワインディング方法を示すフローチャートである。 ボビンから繊維束を巻き出す際の繊維束の張力と樹脂の粘度との関係を示す図である。 温度と樹脂の粘度との関係を示す図である。 樹脂の粘度と繊維束の移動量との関係を示す図である。
以下、図面を参照して本発明に係るフィラメントワインディング装置の実施形態について説明する。本実施形態のフィラメントワインディング装置は、水素タンク等のタンクを製造する際に使用され、ライナーの外周に繊維束を複数巻き付けることによって補強層を形成するための装置である。ここで、まず、フィラメントワインディング装置の巻き付け対象であるライナーを簡単に説明する。
[ライナーについて]
図1はライナーの構造を示す概略図である。ライナー100は、タンクのコアを構成するものであって、円筒状の胴体部101と、胴体部101の左右両端にそれぞれ配置された略半球状のドーム部102,103とを有する中空の容器である。ライナー100は、例えば、ポリエチレンやナイロン等の樹脂部材を用いて回転・ブロー成形法によって一体的に形成されている。また、ライナー100は、樹脂部材に代えてアルミニウム等の軽金属によって形成されても良い。更に、ライナー100は、回転・ブロー成形法のような一体成形の製造方法に代えて、射出・押出成形等により複数に分割された部材を接合することで形成されても良い。
ドーム部102,103の頂部には開口部(図示せず)がそれぞれ形成され、開口部には口金部104,105が装着されている。具体的には、図1に示すように、左側のドーム部102の開口部に口金部104、右側のドーム部103の開口部に口金部105がそれぞれ内挿されている。口金部104は例えばバルブ側口金として機能し、口金部105は例えばエンド側口金として機能する。これらの口金部104,105は、金属材料によって円筒状に形成されており、一端部がドーム部102,103の開口部に内挿され、他端部がドーム部102,103からライナー100の中心軸Lに沿って外部に突出している。
[フィラメントワインディング装置について]
図2は実施形態に係るフィラメントワインディング装置を示す概略構成図である。フィラメントワインディング装置1は、例えば、ボビン2から繊維束7を巻き出し、繊維束7にかかる張力を調整しつつライナー100側に繊維束7を搬送し、更にライナー100に繊維束7を巻き付けるように構成されている。このため、フィラメントワインディング装置1は、ボビン2と、搬送部3と、繰出部4とを備えている。
ボビン2は、円柱状を呈している。ボビン2には、樹脂を含浸した繊維束7が巻回されている。このボビン2は、図示しない電動モータによって駆動されて回転し、巻回された繊維束7を巻き出すように形成されている。
樹脂を含浸した繊維束7は、例えば直径が数μm程度の単繊維を束ねて構成されたものに、未硬化の熱硬化性樹脂が含浸されている。単繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、スチール繊維、PBO繊維、天然繊維、又は高強度ポリエチレン繊維などの繊維を挙げることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂に代表される変性エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂を挙げることができる。
なお、本実施形態では、繊維束に含浸する樹脂として、未硬化の熱硬化性樹脂を挙げたが、例えば、ライナー100に巻き付ける際に、樹脂を軟化点(ガラス転移点)以上に加熱することができるのであれば、繊維束に含浸する樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ナイロン系樹脂(例えば6−ナイロン樹脂または6,6−ナイロン樹脂)、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、またはABS系樹脂等を挙げることができる。
搬送部3は、ボビン2に巻回された繊維束7を繰出部4側に搬送するためのものであり、複数のローラ等によって形成されている。より具体的には、搬送部3は、ボビン2側から繰出部4側に向かって順に配置されたタッチローラ31、第1案内ローラ部32、巻き出しダンサー部33、アクティブダンサー部34、ニップローラ部35、巻き取りダンサー部36、第2案内ローラ部37、収束ローラ部38、Z字状ローラ部39を有するように構成されている。
タッチローラ31は、その軸線がボビン2の軸線と平行になるようにボビン2と近接した位置に配置され、ボビン2から巻き出された繊維束7を弛みなくスムーズに搬送する。第1案内ローラ部32は、例えば所定の間隔で離れて配置された一対の案内ローラからなり、ボビン2から巻き出された繊維束7に90°ひねりを加えながら巻き出しダンサー部33側に向けて搬送する。
巻き出しダンサー部33は、搬送される繊維束7に張力を付与する機能を有するように構成されている。この巻き出しダンサー部33は、ダンサーアーム33aと、ダンサーアーム33aに固定されたダンサーローラ33b,33cと、複数の搬送ローラとを有する。ダンサーアーム33aは、繊維束7に付与する張力を一定にするために、図示矢印のように左右に回動可能に形成されている。ダンサーローラ33b,33cには、繊維束7が引っ掛けるように巻き付いている。
アクティブダンサー部34は、アクティブコントローラ34aと、アクティブコントローラ34aの左右両側(すなわち、上流側及び下流側)に配置された一対の搬送ローラ34b,34cとを有する。アクティブコントローラ34aは、例えば昇降装置(図示せず)に連結されており、該昇降装置によって図示矢印のように昇降可能に形成されている。このようにすることで、例えば繊維束7の巻き付けが停止した場合、或いは巻き付け速度が変化した場合に、繊維束7の張力を一定に維持することができる。
ニップローラ部35は、繊維束7をV字状に掛けるように3つのローラからなり、且つ隣接するローラ同士が繊維束7を挟むように近接している。このようにすることで、ニップローラ部35より上流側の繊維束7の張力が、ニップローラ部35より下流側の繊維束7の張力に影響を与えないようにできる。
巻き取りダンサー部36は、ダンサーアーム36aと、ダンサーアーム36aに固定されたダンサーローラ36b,36cと、複数の搬送ローラとを有する。ダンサーアーム36aは、図示矢印のように左右に回動可能と形成されている。ダンサーローラ36b,36cには、繊維束7が引っ掛けるように巻き付いている。
第2案内ローラ部37は、例えば所定の間隔で離れて配置された一対の案内ローラからなり、搬送される繊維束7に90°ひねりを加えながら収束ローラ部38側に向けて搬送する。
収束ローラ部38は、繊維束7の収束を行う複数の収束ローラからなる。Z字状ローラ部39は、繊維束7をZ字状に掛けるように、上下方向において所定の間隔で離れて配置された2つの搬送ローラからなる。
繰出部4は、いわゆるアイクチと呼ばれるものであり、繊維束7をライナー100に向けて繰り出す。この繰出部4は、図示しない移動装置によって、ライナー100に接近又は離間する前後方向a、及び、ライナー100の中心軸Lに沿うトラバース方向bに移動できるように構成されている。更に、繰出部4は、図示しない移動装置によって、前後方向aを中心に矢印cに示す方向に回転可能と構成されている。
なお、ライナー100は、支持部(図示せず)に軸支されるとともに、回転モータ(図示せず)によってその中心軸L周りに回転される。
本実施形態では、上述した繰出部4の移動と、ライナー100の回転との協働により、繊維束7の巻き付け態様を変更できるようになっている。そして、繊維束7の巻き付け態様としては、ヘリカル巻きとフープ巻きとが挙げられる。
ヘリカル巻きとは、図3(a)に示すように、ライナー100の中心軸Lと繊維束7の巻き付け方向とがなす角度(いわゆる巻き角度)が0°より大きく90°未満になるように、繊維束7を螺旋状に巻き付ける態様である。このヘリカル巻きによって、ヘリカル層が形成される。
また、ヘリカル巻きは、巻き角度の大きさによって低角度ヘリカル巻きと高角度ヘリカル巻きに更に分けられる。低角度ヘリカル巻きは、すなわち巻き角度が小さい(例えば0°より大きく30°以下)場合のヘリカル巻きであり、繊維束7がライナー100の中心軸Lを一周する前にドーム部102,103における繊維束7の巻き付け方向の折返しが生じる巻き付け態様である。
高角度ヘリカル巻きは、すなわち巻き角度が大きい(例えば30°より大きく90°未満)場合のヘリカル巻きであり、ドーム部102,103における繊維束7の巻き付け方向の折返しが生じるまでに、胴体部101において繊維束7がライナー100の中心軸Lを少なくとも一周する巻き付け態様である。なお、図3(a)は低角度ヘリカル巻きを示す。
一方、フープ巻きとは、図3(b)に示すように、ライナー100の中心軸Lと繊維束7の巻き付け方向とがなす巻き角度が略垂直になるように、繊維束7をライナー100の周方向に巻き付ける態様である。ここで、「略垂直」とは、90°と、隣接する繊維束7同士が重ならないように繊維束7の巻き付け位置をずらすことによって生じ得る90°前後の角度との両方を含むことを意味する。そして、フープ巻きによって、フープ層が形成される。なお、本実施形態で述べる「フープ巻き端部」は、フープ巻きで各フープ層を形成する際に、胴体部101とドーム部102,103との境界部又はその付近に最初に巻き付けられた繊維束7の端部のことである。
ここで、本発明に至った経緯を説明する。上述したように、フープ巻き端部における繊維束移動量のバラツキの発生要因は、繊維束に含浸された樹脂の粘度の変化にあると考えられる。すなわち、繊維束に含浸される樹脂は、調合時点から実際に使用するまでの間に、条件などによってその粘度が変化する。例えば、エポキシ樹脂の場合は、調合時点から実際に使用するまでの間に、エポキシ樹脂の硬化反応が徐々に進行するが、その進行度合いがボビンの管理条件(すなわち、ボビンの入熱量)によって変化する。また、エポキシ樹脂の粘度は、使用温度(例えば、ライナーの表面温度)によっても変化する。
従って、ボビンの入熱量及び使用温度が分かれば、繊維束に含浸された樹脂の粘度を把握することで、粘度変化による繊維束の移動量への影響も把握することが可能になる。更に、粘度変化による繊維束の移動量への影響を考慮して巻き付けを行うことで、フープ巻き端部における繊維束の移動量のバラツキを減少することができる。そして、ボビンの入熱量は、ボビンの保管温度及び保管時間に関係しており、ボビンから繊維束を巻き出す際の繊維束の張力を代替特性とし、ボビンの回転トルク負荷によりリアルタイムで測定することができる。
そして、樹脂の粘度は、ボビンから繊維束を巻き出す際の繊維束の張力と関係しており、双方の相関関係をあらかじめ測定しておけば、ボビンから繊維束を巻き出す際の繊維束の張力を測定し、その測定結果から樹脂の粘度を予測することができる。そうすれば、インラインで樹脂の粘度を把握することが可能になる。
また、樹脂の粘度は、繊維束の使用温度によって変化するので、使用温度と樹脂の粘度との相関関係をあらかじめ測定しておけば、ライナーの胴体部の表面温度を測定し、その測定結果から樹脂の粘度を予測することができる。これによって、インラインで樹脂の粘度を把握することも可能になる。
更に、上述のように、フープ巻き時における繊維束の移動量は、樹脂の粘度と関係しており、双方の相関関係をあらかじめ測定しておけば、把握した樹脂の粘度に基づいて繊維束の移動量を予測することができる。そして、例えば繊維束の移動量に基づき、繰出部のトラバース方向bの折り返しポイントを補正することで、バラツキを抑制することが可能になる。なお、ここでいう「繰出部のトラバース方向bの折り返しポイント」は、フープ巻きで各フープ層を形成する際に、フープ巻きの開始位置のことである。
このため、本実施形態のフィラメントワインディング装置1は、ボビン2から繊維束7を巻き出す際の張力を測定する張力測定部5と、ライナー100の表面温度を測定する温度測定部6と、フィラメントワインディング装置1全体の各制御を行う制御部8と、を更に備えている。
張力測定部5は、ボビン2の回転トルクを測定し、測定したボビン2の回転トルクに基づいてボビン2から繊維束7を巻き出す際の繊維束7の張力を測定する。より具体的には、張力測定部5は、測定したボビン2の回転トルク及びボビン2の外径から回転力を算出し、さらに算出した回転力から、巻き出しダンサー部33が繊維束7付与した張力を差し引いた値をボビン2から繊維束7を巻き出す際の繊維束7の張力とする。なお、ここでいう「ボビンから繊維束を巻き出す際の繊維束の張力」は、いわゆるボビン巻き剥し力である。この張力測定部5は、制御部8と電気的に接続されており、測定した繊維束7結果を制御部8に送信する。
温度測定部6は、例えば非接触の放射温度計であり、ライナー100の近傍に配置され、胴体部101の表面温度を測定し、その測定結果を制御部8に送信する。
制御部8は、例えば、演算を実行するCPU(Central processing unit)と、演算のためのプログラムを記録した二次記憶装置としてのROM(Read only memory)と、演算経過の保存や一時的な制御変数を保存する一時記憶装置としてのRAM(Random access memory)とを組み合わせてなるマイクロコンピュータにより構成されており、記憶されたプログラムの実行によってフィラメントワインディング装置1を構成する各部品に対する制御を行う。
例えば、制御部8は、ボビン2の回転、巻き出しダンサー部33のダンサーアーム33aの回転、ニップローラ部35の動作等を制御する。また、制御部8は、温度測定部6で測定した胴体部101の表面温度と、張力測定部5で測定した繊維束7の張力に基づいて、繰出部4のトラバース方向bの折り返しポイントを含む繰出部4の各動作を制御する。
以上のように構成されたフィラメントワインディング装置1では、制御部8は、温度測定部6で測定したライナー100の胴体部101の表面温度と、張力測定部5で測定した繊維束7の張力に基づき、フープ巻き端部における繊維束7の移動量を予測し、その予測した結果で繰出部4の動作を制御することで、フープ巻き端部の繊維束位置のバラツキを低減することができる。その結果、フープ巻き端部を安定化することができる。
以下、フィラメントワインディング方法の説明に併せて、制御部8による繰出部4の具体的な制御を説明する。
[フィラメントワインディング方法について]
本実施形態のフィラメントワインディング方法は、主に、ライナー100の温度、及びボビン2から繊維束7を引き出す際の繊維束7の張力を測定する測定工程と、測定したライナー100の温度と測定した繊維束7の張力に基づいて、繰出部4の動作を制御する制御工程とを含む。
図4に示すように、まず、ステップS11では、繊維束7を巻き出す際における繊維束7の張力の測定が行われる。このとき、張力測定部5は、ボビン2の回転トルクを測定し、測定したボビン2の回転トルク及びボビン2の外径から回転力を算出する。さらに、張力測定部5は、算出した回転力から巻き出しダンサー部33が繊維束7付与した張力を差し引き、その差し引いた値をボビン2から繊維束7を巻き出す際の繊維束7の張力(以下、単に「繊維束7の張力」と略する)とし、その結果を制御部8に送信する。
ステップS11に続くステップS12では、ライナー100の表面温度の測定が行われる。このとき、温度測定部6は、ライナー100の胴体部101の表面温度を測定し、その結果を制御部8に送信する。なお、ステップS11で述べた繊維束7の張力測定と、ステップS12で述べた胴体部101の表面温度測定は、その順序を入れ替えても良く、又は同時に行われても良い。
なお、ステップS11及びステップS12は、上述の測定工程で実行されるものである。
ステップS12に続くステップS13では、樹脂の粘度の予測が行われる。このとき、制御部8は、張力測定部5で測定した繊維束7の張力、及び、温度測定部6で測定した胴体部101の表面温度の結果に基づいて、繊維束7に含浸された樹脂の粘度を予測する。より具体的には、制御部8は、記憶された繊維束の張力と樹脂の粘度との相関関係(図5参照)を利用し、繊維束7の張力の測定結果から樹脂の粘度を予測する。図5に示す例では、繊維束7の張力の測定結果が2Nの場合、それに対応する樹脂の粘度が30Pa・sと予測される。
次に、制御部8は、記憶された温度と樹脂の粘度との相関関係(図6参照)を利用し、胴体部101の表面温度の測定結果から樹脂の粘度を予測する。図6に示す例では、胴体部101の表面温度の変化範囲が5℃(すなわち、25℃→20℃)の場合、樹脂粘度の変化が+20Pa・s(すなわち、30Pa・s→50Pa・s)と予測される。
ステップS13に続くステップS14では、フープ巻き端部における繊維束7の移動量の予測が行われる。このとき、制御部8は、ステップS13で予測した樹脂の粘度に基づいて、フープ巻き端部における繊維束7の移動量を予測する。より具体的には、制御部8は、記憶された樹脂の粘度と繊維束の移動量との相関関係(図7参照)を利用し、フープ巻き端部における繊維束7の移動量を予測する。図7に示す例では、例えば樹脂の粘度が50Pa・sの場合、フープ巻き端部における繊維束7の移動量が10mmと予測される。
ステップS14に続くステップS15では、トラバース折り返しポイントの補正が行われる。このとき、制御部8は、ステップS14で予測したフープ巻き端部における繊維束の移動量を基に、トラバース方向bにおける繰出部4の折り返しポイント(すなわち、フープ巻き端部の位置)を補正し、その補正した結果を繰出部4に送信する。例えば、ステップS14において繊維束7の移動量が10mmと予測した場合、制御部8は、繰出部4の折り返しポイントの基準値から10mmを差し引いて得た値を繰出部4の折り返しポイントの補正値とし、それに関する制御指令を繰出部4に送信する。
なお、ステップS13〜S15は、上述の制御工程で実行されるものである。
ステップS15に続くステップS16では、繊維束7の巻き付けが行われる。このとき。繰出部4は、制御部8からの補正指令に従い、繰出部4の折り返しポイントの基準値に当たる位置より胴体部101の中心側に10mmずらした位置(すなわち、補正値に当たる位置)からフープ巻きを開始する。
以上のようなステップS11〜ステップS16は、フープ層毎に行われる。
本実施形態に係るフィラメントワインディング方法によれば、フープ巻き端部の繊維束位置のバラツキを低減することができ、フープ巻き端部を安定化することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1 フィラメントワインディング装置
2 ボビン
3 搬送部
4 繰出部
5 張力測定部
6 温度測定部
7 繊維束
8 制御部
31 タッチローラ
32 第1案内ローラ部
33 巻き出しダンサー部
33a ダンサーアーム
33b,33c ダンサーローラ
34 アクティブダンサー部
34a アクティブコントローラ
34b,34c 搬送ローラ
35 ニップローラ部
36 巻き取りダンサー部
36a ダンサーアーム
36b,36c ダンサーローラ
37 第2案内ローラ部
38 収束ローラ部
39 Z字状ローラ部
100 ライナー
101 胴体部

Claims (1)

  1. ライナーの外周に繊維束を巻き付けてタンクを製造するフィラメントワインディング装置であって、
    樹脂を含浸した繊維束が巻回されるボビンと、
    繊維束を前記ライナーに繰り出す繰出部と、
    前記ライナーの表面温度を測定する温度測定部と、
    前記ボビンから繊維束を巻き出す際の繊維束の張力を測定する張力測定部と、
    少なくとも前記繰出部の動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記温度測定部で測定した前記ライナーの表面温度と、前記張力測定部で測定した繊維束の張力に基づいて、前記繰出部の動作を制御することを特徴とするフィラメントワインディング装置。
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