JP2020146003A - サンプリング機能付き容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に、内容物が収納された収納容器内を閉鎖空間に維持しながら、その内容物の一部をサンプリングできるサンプリング機能付き容器を提供する。【解決手段】収納容器と、一端に連通口が設けられ、連通口を介して収納容器と連通し、他端が閉塞端となったサンプリング流路とを備えるサンプリング機能付き容器であって、サンプリング流路は、連通口を介して収納容器と連通する一端側の小径部と、閉塞端を含む他端側の大径部とを有し、サンプリング機能付き容器内を閉鎖空間に維持しながら、収納容器に収納された内容物の一部をサンプリング流路の連通口及び小径部を介して大径部に流入させた後に、サンプリング流路の大径部を切り出すことにより、内容物の一部をサンプリングできる構造を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、サンプリング機能付き容器に関する。
従来、異物や菌等によるコンタミネーションを防ぐ必要がある細胞懸濁液、医薬関係の液体、食品関係の液体等の内容物が収納された収納容器から、その内容物の検査等を目的として、その収納容器を含む装置内を外部環境に対して閉鎖された閉鎖系に維持しながら、その内容物の一部をサンプリングする技術が知られている。
例えば、特許文献1には、細胞を培養する培養容器及び培地を培養容器に追加する培地供給容器を接続することで構築され、培養容器等の収納容器に末端が閉塞した管状のサンプル取り出し流路を設けた閉鎖系の細胞培養用装置であって、収納容器に収納された内容物の一部をサンプル取り出し流路に流入させ、流路を内容物で満たした状態において、流路を熱融着しつつ切断することにより、細胞培養用装置内を閉鎖系に維持しながら、その内容物の一部をサンプリングできる装置が記載されている。
また、特許文献2には、細胞を培養する培養容器と、培地等を貯蔵しておく培地貯蔵容器と、細胞を注入する細胞注入容器と、培養後の細胞懸濁液を回収する細胞回収容器とが管によって連結され、さらにサンプリング専用容器が培養容器に管によって連結された閉鎖系の細胞培養用装置であって、培養容器に収納された細胞懸濁液の一部を、管経由でサンプリング専用容器に移送することにより、細胞培養用装置内を閉鎖系に維持しながらサンプリングできる装置が記載されている。
特開2017−12051号公報 特開2018−61519号公報
しかしながら、特許文献1に記載された細胞培養用装置の構造では、サンプル取り出し流路の末端が閉塞しているため、収納容器内の内容物の一部をサンプル取り出し流路に流入させる際には、流路内に成行きで入り込んでいる空気等を、流路を押し潰すことにより収納容器に移動させてから、収納容器に対して流路を開放するといった煩わしい操作を行う必要があり、その操作を行う手作業が煩雑となり、その操作を行うための特殊な補助具が必要であった。
一方、特許文献2に記載された細胞培養用装置の構造は、培養容器のような収納容器に収納された内容物の一部をサンプリングするためのサンプリング専用容器が培養容器のような収納容器とは別に設置され、サンプリング専用容器及びその他の容器を含む複数の容器が管によって連結された複雑な構造となっている。このような構造では、培養容器のような収納容器に収納された内容物の一部をサンプリング専用容器に取り出す際には、チューブポンプを用いて管経由でサンプリング専用容器にその内容物の一部を移送するので、その内容物の一部を移送する流路の制御が複雑になるおそれがあった。従って、煩わしい操作や複雑な制御等を必要とせずに、容易に、内容物が収納された収納容器を含む装置内を閉鎖系に維持しながら、その内容物の一部をサンプリングできる技術が求められていた。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、容易に、内容物が収納された収納容器内を外部環境に対して閉鎖された閉鎖空間に維持しながら、その内容物の一部をサンプリングできるサンプリング機能付き容器を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明に係るサンプリング機能付き容器は、収納容器と、一端に連通口が設けられ、上記連通口を介して上記収納容器と連通し、他端が閉塞端となったサンプリング流路とを備えるサンプリング機能付き容器であって、上記サンプリング流路は、上記連通口を介して上記収納容器と連通する上記一端側の小径部と、上記閉塞端を含む上記他端側の大径部とを有し、上記サンプリング機能付き容器内を閉鎖空間に維持しながら、上記収納容器に収納された内容物の一部を上記サンプリング流路の上記連通口及び上記小径部を介して上記大径部に流入させた後に、上記サンプリング流路の上記大径部を切り出すことにより、上記内容物の一部をサンプリングできる構造を有することを特徴とする。
本発明によれば、容易に、内容物が収納された収納容器内を閉鎖空間に維持しながら、その内容物の一部をサンプリングできる。
本実施形態に係るサンプリング機能付き容器の一例を示す概略図である。 図1に示されるサンプリング機能付き容器を用いたサンプリング方法の一例を示す概略工程図である。 本実施形態に係るサンプリング機能付き容器の他の例におけるサンプリング管の中心軸を含む断面図である。 本実施形態に係るサンプリング機能付き容器の他の例におけるサンプリング管の中心軸を含む断面図である。 本実施形態に係るサンプリング機能付き容器の他の例を示す概略図である。 図5に示されるサンプリング機能付き容器を用いたサンプリング方法における容器の固定方法の一例を示す模式図である。 本実施形態に係るサンプリング機能付き容器の他の例を示す概略図である。 本実施形態に係るサンプリング機能付き容器を作製するために使用されるキットの一例を示す概略図である。
以下、本発明に係るサンプリング機能付き容器の実施形態について説明する。
本実施形態に係るサンプリング機能付き容器は、収納容器と、一端に連通口が設けられ、上記連通口を介して上記収納容器と連通し、他端が閉塞端となったサンプリング流路とを備えるサンプリング機能付き容器であって、上記サンプリング流路は、上記連通口を介して上記収納容器と連通する上記一端側の小径部と、上記閉塞端を含む上記他端側の大径部とを有し、上記サンプリング機能付き容器内を閉鎖空間に維持しながら、上記収納容器に収納された内容物の一部を上記サンプリング流路の上記連通口及び上記小径部を介して上記大径部に流入させた後に、上記サンプリング流路の上記大径部を切り出すことにより、上記内容物の一部をサンプリングできる構造を有することを特徴とする。
ここで、「閉鎖空間」とは、サンプリング機能付き容器の外部環境の異物や菌等によるコンタミネーションを防ぐことができるようにその外部環境に対して閉鎖された空間を意味し、例えば、その外部環境に対して密閉された密閉空間である。
まず、本実施形態に係るサンプリング機能付き容器の一例を図示して説明する。
図1(a)は、本実施形態に係るサンプリング機能付き容器の一例を示す概略図であり、図1(b)は、図1(a)のX部分の一例を示す写真である。
本例のサンプリング機能付き容器1は、図1(a)及び図1(b)に示されるように、収納容器2と、サンプリング管4とを備えている。収納容器2は、内容液及び空気の界面を外部から目視で認識できる程度の透明性を有しており、力を加えることにより変形する柔軟性を有している。サンプリング管4は、分岐がない略環状の構造を有し、一端に連通口4aが設けられ、連通口4aが収納容器2内に挿し込まれ、連通口4aを介して収納容器2と連通し、他端が閉塞端4bとなっている。サンプリング管4は、連通口4aが設けられた一端を含み、連通口4aを介して収納容器2と連通する一端側の小径部4Sと、閉塞端4bを含む他端側の大径部4Lとを有している。小径部4S及び大径部4Lは内部の空洞が円柱状となっており、大径部4Lの内径は小径部4Sよりも大きくなっている。小径部4S及び大径部4Lは直接接続され、小径部4S及び大径部4Lの間で内径は不連続に変化している。サンプリング管4の小径部4Sは、挿入部に収納容器2の縁部2aの内側が接着することで収納容器2に接続され固定されている。
サンプリング機能付き容器1内は、収納容器2及びサンプリング管4の接着箇所を含めてその外部環境に通じる隙間がないように構成され、密閉された密閉空間となっている。サンプリング管4は、小径部4Sにおける軸方向の所望の箇所で熱融着しつつ切断することができる。サンプリング管4の大径部4Lは、力を加えることで容積が変化するように変形する柔軟性を有している。これらの構成を備えることにより、サンプリング機能付き容器1は、サンプリング機能付き容器1内を密閉空間に維持しながら、収納容器2に収納された内容液の一部をサンプリング管4の連通口4a及び小径部4Sを介して大径部4Lに流入させた後に、サンプリング管4の大径部4Lを切り出すことにより、その内容液の一部をサンプリングできる構造を有している。
なお、サンプリング管4の小径部4Sは、内容液及び空気の界面を外部から目視で認識できる程度の透明性を有しており、力を加えることにより変形する柔軟性を有している。サンプリング管4の大径部4Lも、内容液及び空気の界面を外部から目視で認識できる程度の透明性を有している。また、大径部4Lには、後述する図2(a)及び図2(b)に示されるように、目盛4cが設けられている。
続いて、図1に示されるサンプリング機能付き容器を用いたサンプリング方法の一例を説明する。図2(a)及び図2(b)は、図1に示されるサンプリング機能付き容器を用いたサンプリング方法の一例を示す概略工程図である。
本例のサンプリング方法においては、まず、図2(a)に示されるように、サンプリング機能付き容器1内を密閉空間に維持しながら、収納容器2に収納された内容液の所望の微少量をサンプリング管4の連通口4a及び小径部4Sを介して大径部4Lに流入させる。サンプリング機能付き容器1では、表面張力の影響により、その内容液の一部を小径部4Sで空気とすれ違うように移動させにくいために、その内容液の一部をその自重だけで小径部4Sを介して大径部4Lに流入させにくく、かつ大径部4Lに流入させたその内容液の一部を大径部4Lで空気とすれ違うように移動させ易いために、大径部4Lに流入させたその内容液の一部をその自重だけで閉塞端4bまで移動させ易い。よって、この場合には、大径部4Lを押し潰して、大径部4L内の空気を小径部4Sを介して収納容器2に押し出した後に、収納容器2の連通口4a側に内容液を寄せた状態として、押し潰した大径部4Lを元に戻すといった簡単な操作を行うことにより、その内容液の一部を少しずつ吸引するように連通口4a及び小径部4Sを介して大径部4Lに流入させることができる。また、このような操作を行う回数又はこのような操作で大径部4Lを押し潰す時の変形量を調整するといった簡単な方法により、内容液の大径部4Lへの流入量を所望の微少量に微調整できる。なお、大径部4Lへの流入量は目盛4cで測定できる。
次に、小径部4Sに流入している内容液を空気で収納容器2に押し出した後に、収納容器2内の空気を連通口4aを介して小径部4Sに導入する。サンプリング機能付き容器1では、表面張力の影響により、その内容液の一部を小径部4Sで空気とすれ違うように移動させにくく、かつその内容液の一部を大径部4Lで空気とすれ違うように移動させ易い。よって、この場合には、大径部4Lを押し潰すことで小径部4Sに流入している内容液を空気で収納容器2に押し出した後に、収納容器2の連通口4a側に空気を寄せた状態として、押し潰した大径部4Lを元に戻すといった簡単な操作を行うことにより、収納容器2内の空気を連通口4aを介して小径部4Sに導入することができる。
次に、図2(b)に示されるように、サンプリング機能付き容器1内を密閉空間に維持しながら、サンプリング管4を小径部4Sにおける軸方向の空気が存在する箇所で熱融着しつつ切断することで大径部4Lを切り出すことにより、その内容液の所望の微少量をサンプルとして取り出すことができる。
従って、本実施形態に係るサンプリング機能付き容器では、上記を特徴とすることによって、上記の例のように、表面張力の影響により、収納容器に収納された内容物の一部を小径部で空気とすれ違うように移動させにくいために、その内容物の一部をその自重だけで小径部を介して大径部に流入させにくく、かつ大径部に流入させたその内容物の一部を大径部で空気とすれ違うように移動させ易いために、大径部に流入させたその内容物の一部をその自重だけで閉塞端まで移動させ易い。このため、サンプリング機能付き容器内を閉鎖空間に維持しながら、特殊な補助具を使用することなく、例えば、大径部を押し潰して元に戻すといった簡単な操作を行うことにより、その内容物の一部を連通口及び小径部を介して大径部に流入させて、サンプルとして取り出すことができる。よって、容易に、内容物が収納された収納容器内を閉鎖空間に維持しながら、その内容物の一部をサンプリングできる。
また、本実施形態に係るサンプリング機能付き容器では、上記の例のように、例えば、大径部を押し潰して元に戻す操作を行う回数又はその操作で大径部を押し潰す時の変形量を調整するといった簡単な方法により、内容物の大径部への流入量を微調整できる。よって、特許文献1に記載された構造では、サンプル取り出し流路の押し潰し方を変える等の操作により、サンプリング量を微調整することが困難であり、特許文献2に記載された構造でも、培養容器のような収納容器からサンプリング専用容器にサンプリングする量を微調整することは困難であったのに対し、本実施形態では、容易に、サンプリング量を微調整できる。また、これにより、微少量を高い精度でサンプリングすることが容易になるので、収納容器に収納された内容物が、例えば、細胞懸濁液のような貴重なものである場合に、その内容物をサンプリングで無駄に使用せずに済む。
さらに、本実施形態に係るサンプリング機能付き容器では、上記の例のように、例えば、その内容物の一部を大径部に流入させた後に、大径部を押し潰して元に戻すといった簡単な操作を行うことにより、収納容器内の空気を連通口を介して小径部に導入した上で、サンプリング流路を小径部における軸方向の空気が存在する箇所で熱融着しつつ切断することで大径部を切り出すことにより、その内容物の一部をサンプルとして取り出すことができる。よって、特許文献1に記載された構造では、サンプリングする内容物で満たした状態の流路を熱融着しつつ切断する際にサンプル内の培地や細胞等が熱でダメージを受け、それらの正確な検査に支障をきたすおそれがあるのに対し、本実施形態では、容易に、サンプルが熱でダメージを受けることを抑制できる。
続いて、本実施形態に係るサンプリング機能付き容器の各構成を詳細に説明する。
1.サンプリング流路
サンプリング流路は、一端に連通口が設けられ、上記連通口を介して上記収納容器と連通し、他端が閉塞端となった中空の流路部材であって、上記連通口を介して上記収納容器と連通する上記一端側の小径部と、上記閉塞端を含む上記他端側の大径部とを有するものである。なお、大径部は、内径が小径部よりも大きいものである。
また、サンプリング流路は、上記サンプリング機能付き容器内を閉鎖空間に維持しながら、上記収納容器に収納された内容物の一部を上記連通口及び上記小径部を介して上記大径部に流入させることができる構造を有するものである。サンプリング流路は、このような構造を有するものであれば特に限定されないが、通常は、図1に示されるサンプリング管4のように、大径部が力を加えることで容積が変化するように変形する柔軟性を有するものである。このようなものである場合には、大径部を押し潰して元に戻すといった簡単な操作を行うことにより、収納容器に収納された内容物の一部を連通口及び小径部を介して大径部に流入させることができ、その操作を行う回数又はその操作で大径部を押し潰す時の変形量を調整するといった簡単な方法により、内容物の大径部への流入量を微調整できる。
さらに、サンプリング流路は、上記サンプリング機能付き容器内を閉鎖空間に維持しながら、上記大径部を切り出すことができる構造を有するものである。ここで、「上記サンプリング機能付き容器内を閉鎖空間に維持しながら、上記大径部を切り出すことができる構造」とは、具体的には、大径部を切り出すことで残るサンプリング流路の残部内及び収納容器内を閉鎖空間に維持しながら、大径部を切り出すことができる構造を指す。サンプリング流路は、このような構造を有するものであれば特に限定されないが、図1に示されるサンプリング管4のように、小径部における軸方向の所望の箇所で熱融着しつつ切断することができるものが好ましい。
小径部の内径は、大径部よりも小さければ特に限定されないが、1mm以上10mm未満の範囲内が好ましく、中でも1mm以上5mm未満の範囲内が好ましい。小径部の内径がこれらの範囲の下限以上である場合には、収納容器に収納された内容物の一部を、例えば、大径部を押し潰して元に戻すといった簡単な操作により、小径部を介して大径部に流入させることが容易となるからである。また、小径部の内径がこれらの範囲の上限未満である場合には、表面張力の影響により、収納容器に収納された内容物の一部を小径部で空気とすれ違うように移動させにくい作用が効果的に得られるために、例えば、大径部を押し潰して元に戻すといった簡単な操作を行うことにより、その内容物の一部を連通口及び小径部を介して大径部に流入させて、サンプルとして取り出すことが容易となるからであり、例えば、大径部を押し潰して元に戻す操作を行う回数又はその操作で大径部を押し潰す時の変形量を調整するといった簡単な方法により、その内容物の大径部への流入量を微調整することが容易となるからである。
大径部の内径は、小径部よりも大きければ特に限定されないが、5mm以上30mm以下の範囲内が好ましく、中でも10mm以上30mm以下の範囲内が好ましい。大径部の内径がこれらの範囲の下限以上である場合には、大径部に流入させたその内容物の一部を大径部で空気とすれ違うように移動させ易い作用が効果的に得られるために、例えば、大径部を押し潰して元に戻すといった簡単な操作を行うことにより、その内容物の一部を連通口及び小径部を介して大径部に流入させて、サンプルとして取り出すことが容易となるからである。また、大径部の内径がこれらの範囲の上限以下である場合には、作業性を向上できるからである。
なお、大径部の内径とは、大径部の軸方向に垂直な断面の開口部を同一面積の真円に換算した場合の直径を指す。同様に、小径部の内径とは、小径部の軸方向に垂直な断面の開口部を同一面積の真円に換算した場合の直径を指す。
ここで、図3は、本実施形態に係るサンプリング機能付き容器の他の例におけるサンプリング管の中心軸を含む断面図である。本例におけるサンプリング管4の大径部4Lは、閉塞端4bに薄肉部4tを有しており、閉塞端4bの表面4sが大径部4Lの軸方向に垂直な平坦面となっている。さらに、大径部4Lの内部の底面4uが大径部4Lの軸方向に垂直な平坦面となっており、大径部4Lの内部の側面4pが底面4uに垂直となっている。
大径部は、図3に示される大径部4Lのように、上記閉塞端に薄肉部4tを有するものが好ましく、中でも薄肉部の肉厚が100μm以下の範囲内であるものが好ましい。大径部に取り出したサンプルのうちの一部を分析用に採取するために大径部の閉塞端に注射針を刺す場合に薄肉部に刺すことで、容易に刺せるようになり、採取時の作業性が向上するからである。また、大径部は、図3に示される大径部4Lのように、閉塞端の表面が大径部の軸方向に垂直な平坦面であるものが好ましい。大径部に取り出したサンプルのうちの一部を分析用に採取するために閉塞端の表面に注射針を刺す場合に、大径部の軸方向に垂直な平坦面に刺せるので、注射針を軸方向に沿って大径部内に挿し込むことが容易となり、採取時の作業性が向上するからである。さらに、大径部は、図3に示される大径部4Lのように、内部の底面4uが大径部の軸方向に垂直な平坦面となっており、大径部の内部の側面が底面に垂直であるものが好ましい。大径部への流入量を正確に測定できるからである。
小径部の形状は、特に限定されないが、例えば、図1に示される小径部4Sのように、内部の空洞が円柱状、楕円柱状、又は多角柱状となっている管状等が挙げられる。小径部は、肉厚にすることで柔軟な変形し易いものとなり、肉薄にすることで硬く変形しにくいものとなる。また、小径部は、図1に示される小径部4Sのように、内容物及び空気の界面を外部から目視で認識できる程度の透明性を有するものが好ましい。作業性を向上できるからである。
大径部の形状は、特に限定されないが、例えば、図1に示される大径部4Lのように、内部の空洞が円柱状、楕円柱状、又は多角柱状となっている管状等が挙げられる。大径部は、肉厚にすることで柔軟な変形し易いものとなり、肉薄にすることで硬く変形しにくいものとなる。また、大径部は、図1に示される大径部4Lのように、内容物及び空気の界面を外部から目視で認識できる程度の透明性を有するものが好ましい。作業性を向上できるからである。また、大径部は、図2に示される大径部4Lのように、目盛4cが設けられているものが好ましい。大径部への流入量を正確に測定できるからである。
小径部の材料は、特に限定されないが、例えば、熱融着しつつ切断できるような材料が好ましく、中でも、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、又はC−FLEX等が好ましい。溶融温度が低く、かつ柔軟性が高いため、容易に熱融着しつつ切断できるからであり、容易に変形できるため、作業性を向上できるからである。また、小径部の材料は、例えば、低温凍結保存に適した材料が好ましく、中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂等が好ましい。低温耐久性に優れているからである。
大径部の材料は、特に限定されないが、通常は、力を加えることで容積が変化するように変形する柔軟性を有するものであり、中でも、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、又はC−FLEX等が好ましい。柔軟性が高く、容易に容積が変化するように変形できるからである。また、大径部の材料は、例えば、低温凍結保存に適した材料が好ましく、中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂等が好ましい。低温耐久性に優れているからである。
ここで、図4は、本実施形態に係るサンプリング機能付き容器の他の例におけるサンプリング管の中心軸を含む断面図である。本例におけるサンプリング管4は、小径部4Sから大径部4Lまでの間に内径が小径部4Sの内径から大径部4Lの内径まで連続的に変化する中間部4Mをさらに有している。
サンプリング流路は、例えば、図1に示されるサンプリング管4のように、小径部及び大径部が直接接続され、小径部及び大径部の間で内径が不連続に変化するものでもよいが、例えば、図4に示されるサンプリング管4のように、小径部から大径部までの間に内径が小径部の内径から大径部の内径まで連続的に変化する中間部をさらに有するものでもよい。このような中間部により、大径部に流入させた内容物の一部を収納容器に戻す操作が容易になる。中間部は、内容物及び空気の界面を外部から目視で認識できる程度の透明性を有するものが好ましい。また、中間部の材料は、特に限定されないが、例えば、大径部又は小径部と同様である。
なお、サンプリング流路は、通常は、図1に示されるサンプリング管4のように、小径部が、連通口が設けられた一端を含み、連通口の径が小径部の内径と一致するものとなる。また、サンプリング流路は、小径部及び大径部を含む全体、又は小径部、中間部、及び大径部を含む全体が、同一の材料から一体成形されたものでもよいし、小径部及び大径部を含む構成部材、又は小径部、中間部、及び大径部を含む構成部材が、別々に成形され接続されたものでもよい。
サンプリング流路は、内容物がサンプリング流路から収納容器に戻ることを防止する逆流防止弁が、例えば、連通口の箇所等に設けられているものが好ましい。サンプリング流路で内容物を移動させる場合等に内容物がサンプリング流路から収納容器に戻ることを防止できるので作業性を向上できるからである。また、サンプリング流路は、内容物がサンプリング流路から収納容器に戻ることを防止するクランプバルブや電磁弁等が、例えば、連通口の箇所等に設けられているものが好ましい。クランプバルブや電磁弁等でサンプリング流路の開閉を行ってサンプリング流路内の内容物の流れを制御することで、内容物がサンプリング流路から収納容器に意図せず戻ることを防止できるので、作業性が高まるからである。
2.収納容器
収納容器は、サンプリング流路が上記連通口を介して連通したものである。また、収納容器は、サンプリング機能付き容器内を閉鎖空間に維持でき、内容物を無菌的に収納できるものである。このような収容容器としては、収容容器の内部と外部環境とが無菌フィルターを介して通じているものでもよい。外部環境から収容容器の内部への菌の混入を防止でき、また無菌フィルターの孔径よりも大きな異物の外部環境から収容容器の内部への混入を防止できるため、サンプリング機能付き容器内を閉鎖空間に維持でき、内容物を無菌的に収納できるからである。
収納容器は、上記のようなものであれば特に限定されないが、柔軟性を有するものが好ましい。収納容器に収納された内容物の一部を大径部に流入させる場合等に変形できるので作業性を向上できるからである。
収納容器は、内容物及び空気の界面を外部から目視で認識できる程度の透明性を有するものが好ましい。収納容器に収納された内容物を目視で認識しながらサンプリングを行うことができるので作業性を向上できるからである。
収納容器は、例えば、樹脂フィルムを周縁部で貼り合わせることで作製されたバッグ、プラスチック成型品等が挙げられるが、中でもバッグ等が好ましい。柔軟性が高いため作業性を向上できるからである。
収納容器の材料は、内容物を無菌的に収納できるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、C−FLEX、又はポリスチレン等が挙げられる。
収納容器の材料は、例えば、低温凍結保存に適した材料が好ましく、中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂等が好ましい。低温耐久性に優れているからである。さらに、収納容器の材料は、例えば、サンプリング流路と同一であるか、又はサンプリング流路と融着できるものが好ましい。サンプリング流路を収納容器に接続する場合に接着剤を用いる必要がないので、接着剤による内容物のコンタミネーションを回避できるからである。
3.サンプリング機能付き容器
サンプリング機能付き容器は、収納容器と、一端に連通口が設けられ、上記連通口を介して上記収納容器と連通し、他端が閉塞端となったサンプリング流路とを備え、上記サンプリング流路は、上記連通口を介して上記収納容器と連通する上記一端側の小径部と、上記閉塞端を含む上記他端側の大径部とを有し、上記サンプリング機能付き容器内を閉鎖空間に維持しながら、上記収納容器に収納された内容物の一部を上記サンプリング流路の上記連通口及び上記小径部を介して上記大径部に流入させた後に、上記サンプリング流路の上記大径部を切り出すことにより、上記内容物の一部をサンプリングできる構造を有する。
サンプリング機能付き容器内は、収納容器及びサンプリング管の接続箇所を含めてその外部環境に対して閉鎖された閉鎖空間となっており、例えば、その接続箇所を含めてその外部環境に通じる隙間がないように構成され、密閉された密閉空間となっている。また、サンプリング機能付き容器の上記の構造は、具体的には、サンプリング機能付き容器内を閉鎖空間に維持しながら、収納容器に収納された内容物の一部を連通口及び小径部を介して大径部に流入させることができ、かつその内容物の一部を大径部に流入させた後に大径部を切り出すことで残るサンプリング流路の残部内及び収納容器内を閉鎖空間に維持しながら、大径部を切り出すことができる構造を指す。このようなサンプリング機能付き容器の構造としては、収容容器の内部と外部環境とが無菌フィルターを介して通じているものでもよい。外部環境から収容容器の内部への菌の混入を防止でき、また無菌フィルターの孔径よりも大きな異物の外部環境から収容容器の内部への混入を防止できるため、サンプリング機能付き容器内を閉鎖空間に維持でき、内容物を無菌的に収納できるからである。
図5は、本実施形態に係るサンプリング機能付き容器の他の例を示す概略図である。図6(a)は、図5に示されるサンプリング機能付き容器を用いたサンプリング方法における容器の固定方法の一例を示す模式図であり、図6(b)は、図6(a)に示された固定方法において、サンプリング機能付き容器の固定用部材を固定治具に嵌め込む方法を模式的に示す上面図である。
本例のサンプリング機能付き容器1について、図1に示されるサンプリング機能付き容器1とは異なる点を中心に説明する。このため、特に説明しない点は、図1に示されるサンプリング機能付き容器1と同様である。本例のサンプリング機能付き容器1は、図5に示されるように、収納容器2におけるサンプリング管4の小径部4Sと接続する箇所に設けられた固定用部材6をさらに備えている。固定用部材6は、収納容器2及びサンプリング管4の小径部4Sより硬く、小径部4Sより外径が大きい円柱状の成型品であり、サンプリング管4の小径部4Sを収納容器2に連通するための挿入孔6hが設けられている。固定用部材6は、端が収納容器2内に挿し込まれており、挿入部に収納容器2の縁部2aの内側が接着することで収納容器2に接続され固定されている。サンプリング管4の小径部4Sは、連通口4aが固定用部材6の挿入孔6hに挿し込まれ、連通口側の端部に挿入孔6hの内側が接着することで固定用部材6に接続され固定されている。このようにして、サンプリング管4の小径部4Sは、固定用部材6を介して連通口4a側で収納容器2に接続され固定されている。また、サンプリング管4の小径部4Sの連通口4aが収納容器2内に挿し込まれ、サンプリング管4の小径部4Sが連通口4aを介して収納容器2と連通している。なお、サンプリング機能付き容器1は、収納容器2における固定用部材6とは別の箇所に設けられた取り出しポート8をさらに備えている。取り出しポート8も、固定用部材6と同様の成型品であり、固定用部材6と同様に収納容器2に接続され固定されている。
本例のサンプリング機能付き容器1を用いたサンプリング方法では、図6(a)及び図6(b)に示されるように、一組の固定治具30を用いて、一組の固定治具30の凹部30aに固定用部材6及び取り出しポート8を嵌め込むことで、収納容器2やサンプリング管4の小径部4Sより硬い固定用部材6及び取り出しポート8を固定することにより、サンプリング管4を固定できる。よって、収納容器2に収納された内容液の一部を大径部4Lに流入させる場合やサンプリング管4を小径部4Sにおける軸方向の所望の箇所で熱融着しつつ切断する場合等に作業性を向上できる。
図7は、本実施形態に係るサンプリング機能付き容器の他の例を示す概略図である。
本例のサンプリング機能付き容器1は、2つのサンプリング管4を備え、2つのサンプリング管4の小径部4Sが単一の固定用部材6を介して連通口4a側で収納容器2に接続され固定されており、2つのサンプリング管4の小径部4Sの連通口4aが固定用部材6の挿入孔6hに挿し込まれることで収納容器2内に挿し込まれ、2つのサンプリング管4の小径部4Sが連通口4aを介して収納容器2と連通している点において、図5に示されるサンプリング機能付き容器1とは異なる。これにより、1つのサンプリング管4でサンプリングに失敗したとしても、他のサンプリング管4でサンプリングをやり直すことができる。また、2つのサンプリング管の小径部が2つの固定用部材を介してそれぞれ連通口側で収納容器に接続され固定されている場合と比較すると、単一の固定用部材6は2つの固定用部材よりも固定治具の凹部に嵌め込み易いので、固定する作業が容易になる。
サンプリング機能付き容器は、図5及び図7に示されるサンプリング機能付き容器1のように、上記収納容器における上記サンプリング流路の上記小径部と接続する箇所に設けられた固定用部材をさらに備え、上記サンプリング流路の上記小径部が上記固定用部材を介して上記収納容器に接続されているものが好ましい。収納容器やサンプリング流路より硬い固定用部材を固定することでサンプリング流路を固定できるので、収納容器に収納された内容物の一部を大径部に流入させる場合やサンプリング流路を小径部における所望の箇所で熱融着しつつ切断する場合等に作業性を向上できるからである。なお、収納容器がバックやブロー成形で形成された薄肉容器等の柔軟な変形し易い容器である場合には、このような効果が顕著となる。さらに、例えば、固定用部材の外径がサンプリング流路の小径部より大きく、固定用部材が、端が収納容器内に挿し込まれ、挿入部に収納容器の縁部の内側が接着することで収納容器に接続されている場合等に、サンプリング流路の小径部が収納容器に接続される強度が高くなるからである。
固定用部材は、収納容器やサンプリング流路より硬いものであれば特に限定されないが、例えば、プラスチック成型品である。さらに、固定用部材は、サンプリング流路と一体成形されたものでもよい。固定用部材の形状としては、外径がサンプリング流路の小径部より大きいものであれば特に限定されないが、例えば、円柱状、断面が舟形の柱状等が挙げられる。
サンプリング機能付き容器は、図7に示されるサンプリング機能付き容器1のように、2つ以上のサンプリング流路を備え、2つ以上のサンプリング流路の小径部が連通口を介して収納容器を連通するものが好ましい。1つのサンプリング流路でサンプリングに失敗したとしても、他のサンプリング流路でサンプリングをやり直すことができるからである。なお、2つ以上のサンプリング流路を備える場合、やり直し用のサンプリング流路の色や長さを他の流路と異なるものにすることで、判別し易くしてもよい。
また、サンプリング機能付き容器は、図7に示されるサンプリング機能付き容器1のように、固定用部材が単一の固定用部材であり、2つ以上のサンプリング流路の小径部が単一の固定用部材を介して収納容器に接続されているものが好ましい。固定する作業が容易になるからである。
ここで、図8は、本実施形態に係るサンプリング機能付き容器を作製するために使用されるキットの一例を示す概略図である。本例のキット10は、本体部10Aとサンプリング管部10Bとを備えている。本体部10Aは、収納容器2と容器側小径部4S1とを有している。容器側小径部4S1は、一端に連通口4aが設けられ、連通口4aが収納容器2内に挿し込まれ、連通口4aを介して収納容器2と連通し、他端が接続端4c1となっている。サンプリング管部10Bは、接続端4c2となった一端を含む一端側の大径部側小径部4S2と、閉塞端4bとなった他端を含む他端側の大径部4Lとを有している。本例のキット10を用いて、サンプリング管部10Bの大径部側小径部4S2の接続端4c2を本体部10Aの容器側小径部4S1の接続端4c1に無菌接続することにより、大径部側小径部4S2及び容器側小径部4S1が接続された小径部を有する図1に示されるサンプリング機能付き容器1と同様のサンプリング機能付き容器を作製することができる。
サンプリング機能付き容器は、例えば、図8に示されるキット10を用いて作製されるサンプリング機能付き容器のように、本体部と、例えば、サンプリング管部10Bのようなサンプリング流路部とを備え、本体部が、収納容器と、一端に連通口が設けられ、連通口を介して収納容器と連通し、他端が接続端となった容器側小径部とを有し、サンプリング流路部が、接続端となった一端を含む一端側の大径部側小径部と、閉塞端となった他端を含む他端側の大径部とを有するキットを用いて、サンプリング流路部の大径部側小径部の接続端を本体部の容器側小径部の接続端に無菌接続することにより作製されるものでもよい。
4.サンプリング機能付き容器の用途等
サンプリング機能付き容器を用いてサンプリングする内容物としては、特に限定されず、通常は、無菌的な取り扱いを必要とする溶液であり、例えば、細胞懸濁液、食品関係の液体、医薬関係の液体等が挙げられる。食品関係の液体としては、例えば、飲料、調味料等が挙げられる。医薬関係の液体としては、生理食塩水等の電解質輸液、ブドウ糖等の糖質注射液、血液製剤、抗生物質、抗体等の蛋白質性医薬品、低分子蛋白質、ホルモン等のペプチド性医薬品、核酸医薬品、細胞医薬品、各種感染症を予防するワクチン、ステロイド剤、インスリン、抗がん剤、蛋白質分解酵素阻害剤、鎮痛剤、解熱鎮痛消炎剤、麻酔剤、脂肪乳剤、血圧降下剤、血管拡張剤、ヘパリン塩化ナトリウムや乳酸カリウム等の電解質補正用注射液、ビタミン剤、造影剤等が挙げられる。内容物としては、中でも細胞懸濁液が好ましい。容易に、サンプリング量を微調整でき、又はサンプルの熱によるダメージを軽減できることにより、特に有利な効果が得られるからである。
サンプリング機能付き容器の用途としては、特に限定されないが、溶液を収容し、かつ封止した容器において、外部環境からの異物や菌等によるコンタミネーションを防ぐために容器内を閉鎖空間に維持しながら、内容液を、簡便に、大きなダメージを与えずに、少量でも高い精度でサンプリングして検査する用途等が好ましい。具体的には、例えば、細胞を培養するための培養容器、培地を供給する培地供給容器、培養後の細胞懸濁液を回収する細胞回収容器、培養中若しくは培養後の培地を回収する廃液容器、若しくは細胞の一時保管容器等の細胞に関する容器全般、又は細胞培養用システム等が挙げられるが、中でも細胞培養用システムが好ましい。
細胞培養用システムは、例えば、培養容器、培地供給容器、細胞回収容器、又は廃液容器等の複数容器が無菌的に接続され、コンタミネーションのリスクを低減するために外部環境から閉鎖された閉鎖系のシステムである。サンプリング機能付き容器が細胞培養用システムに用いられる場合には、細胞培養用システムは、例えば、その複数容器のいずれかに、サンプリング機能付き容器が無菌的に接続されているシステム、サンプリング機能付き容器に無菌的に接続可能な接続口が設けられているシステム、その複数容器のいずれか自体が、サンプリング機能付き容器と同一の構成を備え、サンプリング機能付き容器として兼用されるシステム等になる。
5.サンプリング方法
サンプリング機能付き容器を用いたサンプリング方法は、上記サンプリング機能付き容器内を閉鎖空間に維持しながら、上記収納容器に収納された内容物の一部を上記サンプリング流路の上記連通口及び上記小径部を介して上記大径部に流入させた後に、上記サンプリング流路の上記大径部を切り出すことにより、上記内容物の一部をサンプリングする方法である。
サンプリング方法は、特に限定されないが、例えば、図2(a)及び図2(b)に示される方法のように、収納容器に収納された内容物の一部を大径部に流入させた後に、空気を小径部に導入した上で、サンプリング流路を小径部における軸方向の空気が存在する箇所で熱融着しつつ切断することで大径部を切り出す方法でもよいし、収納容器に収納された内容物の一部を大径部に流入させた後に、空気を小径部に導入せずに、サンプリング流路を小径部における軸方向の内容物が存在する箇所で熱融着しつつ切断することで大径部を切り出す方法でもよい。これらの方法のうち、サンプリング流路を小径部における軸方向の空気が存在する箇所で熱融着しつつ切断することで大径部を切り出す方法が好ましい。容易に、サンプルが熱でダメージを受けることを抑制できるからである。
サンプリング流路の大径部を切り出す方法は、特に限定されないが、例えば、サンプリング流路を小径部における軸方向の所望の箇所で熱融着しつつ切断する方法等が挙げられる。なお、サンプリング流路を小径部における軸方向の所望の箇所で熱融着しつつ切断する方法は、全てを手作業で行ってもよいが、サンプリング流路を固定しながら、小径部における軸方向の所望の箇所で熱融着しつつ切断する作業を行う治具を用いて行ってもよい。
サンプリング方法は、特に限定されないが、サンプリング機能付き容器を用いてサンプリングを少なくとも1回を行った後に、サンプリング流路を小径部における所望の箇所で切断することで残った容器側小径部の切断箇所である接続端に対して、図8に示されるサンプリング管部10Bのような、新たなサンプリング流路部の大径部側小径部の接続端を無菌接続することにより、サンプリング機能付き容器を再生し、再生後の容器を用いてサンプリングを行う方法でもよい。1つの容器で複数回のサンプリングを行うことができるからである。
なお、容器側小径部の切断箇所である接続端に対して、新たなサンプリング流路部の大径部側小径部の接続端を無菌接続する方法は、特に限定されないが、例えば、一般的な無菌接続ポートや無菌接続装置を使用する方法等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて、本実施形態に係るサンプリング機能付き容器をさらに、具体的に説明する。
[実施例]
実施例のサンプリング機能付き容器は、図1に示されるサンプリング機能付き容器1であって、収納容器2が生産日本社製ユニパックF−4のフィルムを熱シールすることにより構成され、サンプリング管4の小径部4SがQOSINA社製T4306から構成され、内径を3mmとしたものであり、サンプリング管4の大径部4Lが射出成形によって作製したポリエチレン素材の管から構成され、内径を10mmとしたものである。
実施例のサンプリング機能付き容器1をサンプリング管4が鉛直方向にくるように配置した場合に、収納容器2に収納された内容液(水)が自重により小径部4Sに流入することはほとんどなかった。
実施例のサンプリング機能付き容器1を用いたサンプリング方法は、図2(a)及び図2(b)の概略工程図に示される方法である。
このサンプリング方法においては、まず、図2(a)に示されるように、サンプリング機能付き容器1内を密閉空間に維持しながら、収納容器2に収納された内容液(水)の所望の微少量をサンプリング管4の連通口4a及び小径部4Sを介して大径部4Lに流入させた。具体的には、大径部4Lを押し潰して、大径部4L内の空気を小径部4Sを介して収納容器2に押し出した後に、収納容器2の連通口4a側に内容液を寄せた状態として、押し潰した大径部4Lを元に戻すといった簡単な操作を行うことにより、その内容液の一部を少しずつ吸引するように連通口4a及び小径部4Sを介して大径部4Lに流入させた。この際には、その内容液の一部は小径部4Sで空気とすれ違うことなく移動し、大径部4Lに流入させたその内容液の一部は大径部4Lで空気とすれ違うように移動し、自重だけで閉塞端4bまで移動した。また、このような操作を行う回数を調整するといった簡単な方法により、内容液の大径部4Lへの流入量を300μlに微調整した。なお、大径部4Lへの流入量は目盛4cで測定した。
次に、小径部4Sに流入している内容液を空気で収納容器2に押し出した後に、収納容器2内の空気を連通口4aを介して小径部4Sに導入した。具体的には、大径部4Lを押し潰すことで小径部4Sに流入した内容液を空気で収納容器2に押し出した後に、収納容器2の連通口4a側に空気を寄せた状態として、押し潰した大径部4Lを元に戻すといった簡単な操作を行うことにより、収納容器2内の空気を連通口4aを介して小径部4Sに導入した。
次に、図2(b)に示されるように、サンプリング機能付き容器1内を密閉空間に維持しながら、サンプリング管4を小径部4Sにおける軸方向の空気が存在する箇所で熱融着しつつ切断することで大径部4Lを切り出すことにより、その内容液の300μlをサンプルとして取り出した。
以上、本発明に係るサンプリング機能付き容器の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1 サンプリング機能付き容器
2 収納容器
4 サンプリング管
4a 連通口
4b 閉塞端
4S 小径部
4L 大径部

Claims (4)

  1. 収納容器と、一端に連通口が設けられ、前記連通口を介して前記収納容器と連通し、他端が閉塞端となったサンプリング流路とを備えるサンプリング機能付き容器であって、
    前記サンプリング流路は、前記連通口を介して前記収納容器と連通する前記一端側の小径部と、前記閉塞端を含む前記他端側の大径部とを有し、
    前記サンプリング機能付き容器内を閉鎖空間に維持しながら、前記収納容器に収納された内容物の一部を前記サンプリング流路の前記連通口及び前記小径部を介して前記大径部に流入させた後に、前記サンプリング流路の前記大径部を切り出すことにより、前記内容物の一部をサンプリングできる構造を有することを特徴とするサンプリング機能付き容器。
  2. 前記小径部の内径が1mm以上5mm未満の範囲内であり、前記大径部の内径が5mm以上30mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のサンプリング機能付き容器。
  3. 前記大径部は前記閉塞端に薄肉部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のサンプリング機能付き容器。
  4. 前記収納容器における前記サンプリング流路の前記小径部と接続する箇所に設けられた固定用部材をさらに備え、前記サンプリング流路の前記小径部が前記固定用部材を介して前記収納容器に接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のサンプリング機能付き容器。
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