JP2020145972A - 栽培装置および植物保持具 - Google Patents
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Abstract
【課題】栽培環境の温度および光を適切に調整することができる栽培装置を提供する。【解決手段】栽培装置100は、植物1の育成のために使用される被収納物2を収納する栽培槽と、栽培槽の開口の少なくとも一部を覆い、植物1の根の周りに被収納物2が配置された状態で植物1を保持する保持部材120とを備え、保持部材120には、光の反射機能を有する凹部122が形成され、光源140からの光は、凹部122で反射し、凹部122の底面に保持されている植物1に向かう。【選択図】図4
Description
本開示は、例えば葉菜類などの植物を栽培するための栽培装置と、その植物を保持する植物保持具に関する。
従来、光反射板を備えた植物栽培装置が提案されている(特許文献1参照)。このような光反射板は、照明器具から照射される光を反射して植物に当てることができる。したがって、植物により多くの光を当てて植物の成長を促すことができる。
しかしながら、上記特許文献1の植物栽培装置では、栽培環境の温度が上昇しやすいという課題がある。一方、光反射板がなければ、十分な光を植物に照射することが難しいという課題がある。
そこで、本開示は、栽培環境の温度および光を適切に調整することができる栽培装置を提供する。
本開示の一態様に係る栽培装置は、植物の育成のために使用される被収納物を収納する栽培槽と、前記栽培槽の開口の少なくとも一部を覆い、前記植物の根の周りに前記被収納物が配置された状態で前記植物を保持する保持部材とを備え、前記保持部材には、光の反射機能を有する凹部が形成され、光源からの光は、前記凹部で反射し、前記凹部の底面に保持されている前記植物に向かう。
本開示の一態様に係る植物保持具は、栽培槽の開口部に当接する当接部と、前記当接部の前記開口部への当接によって前記栽培槽の開口内に配置され、植物を保持する凹部とを備え、前記凹部は、光の反射機能を有し、光源からの光は、前記凹部で反射し、前記凹部の底面に保持されている前記植物に向かう。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システムまたは方法で実現されてもよく、システムおよび方法の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の植物栽培方法は、栽培環境の温度および光を適切に調整することができる。
(本開示の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した上記特許文献1に関し、以下の課題が生じることを見出した。
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した上記特許文献1に関し、以下の課題が生じることを見出した。
上記特許文献1の植物栽培装置は、上述のように、光反射板を備えている。この光反射板は、栽培容器と蓋体とからなる栽培トレーの両端にそれぞれ設置される。そして、照明器具からの光は、この光反射板によって反射されて、栽培トレーの植物に照射される。したがって、照明器具からの光が植物から逸れて植物栽培装置の外に出てしまうことを抑えて、十分な光をその植物に当てることができる。
しかしながら、その光反射板によって栽培トレーの上部の空間が遮蔽されるため、照明装置が発する熱を逃し難く、栽培環境の温度が上昇し易くなってしまう。また、植物栽培装置が設置されている部屋の空調をエアコンなどで制御しようとしても、光反射板がその空調制御を妨げ、栽培トレーの植物の周辺環境の温度を調整することが難しい。また、多くの植物栽培装置を大きな部屋に設置することによって、栽培設備を大規模化した場合には、部屋の温度に対する栽培環境の温度のばらつきが大きくなり、その温度の制御が難しくなる。
逆に、光反射板がない場合には、温度を適切に保つことが容易になるが、植物に照射される光量が少なくなってしまう。その結果、植物の成長が遅くなり、生産効率が悪化してしまう。また、その光量を確保するために、照明器具などの光源の数を増やしたり、光の強度を高めたりすると、設備費用の増加および電気代の増加など、コストが増大してしまうという課題がある。
このような課題を解決するために、本開示の一態様に係る栽培装置は、植物の育成のために使用される被収納物を収納する栽培槽と、前記栽培槽の開口の少なくとも一部を覆い、前記植物の根の周りに前記被収納物が配置された状態で前記植物を保持する保持部材とを備え、前記保持部材には、光の反射機能を有する凹部が形成され、光源からの光は、前記凹部で反射し、前記凹部の底面に保持されている前記植物に向かう。例えば、前記凹部は、前記栽培槽の底側に凹んだ形状である。
これにより、栽培槽および保持部材の他に、光反射板などの構造物を設けることなく、保持部材に保持されている植物に光源からの光を効率的に当てることができる。その結果、光源の数および強度を増すことなく、コストを抑えて植物の成長を促進させることができる。また、その光反射板などの構造物がないため、植物の周囲の空間がその構造物によって遮られることを防ぐことができ、光源の熱を栽培装置の外に逃がしやすくすることができる。その結果、栽培環境の温度が上昇してしまうことを抑えて、適切な温度に保つことができる。つまり、植物周囲の空間を開放することができ、栽培装置が設置されている部屋のエアコンなどによって、栽培環境の温度を容易に調整することができ、空調効率の改善を図ることができる。言い換えれば、部屋のエアコンの他にも、植物の周囲に空調設備を備えることなく、栽培環境の温度を容易に調整することができる。したがって、本開示の一態様に係る栽培装置では、栽培環境の温度および光を適切に調整することができる。
また、前記保持部材は、長尺状の部材であって、前記保持部材の長手方向に沿って並ぶ複数の前記植物を保持してもよい。
これにより、多くの植物を水路構造によって効率的に栽培することができる。例えば、複数の栽培装置が鉛直方向に段積みされて成る栽培棚を用いることができ、部屋のスペースが狭くても、多くの植物を効率的に栽培することができる。
また、前記凹部の側面および底面は、白色であってもよい。
これにより、例えば白色の樹脂によって凹部を含む保持部材を生成すれば、凹部に光の反射機能を容易に持たせることができる。
また、前記栽培装置は、さらに、前記光源を備え、前記光源から前記凹部の底面までの第1の距離がL1であり、前記光源から前記保持部材における前記凹部の周縁部までの第2の距離がL2である場合、前記第1の距離L1および前記第2の距離L2は、L2≧L1×1/3の関係を満たしてもよい。
これにより、第2の距離L2が第1の距離L1の1/3以上になるように、光源が保持部材から離されるため、光源からの熱が、凹部に囲まれている空間に溜まることを抑制することができる。したがって、栽培環境の温度をより適切に調整することができる。
また、前記凹部の底面は、平面または曲面であってもよい。
これにより、保持部材の設計の自由度を高めることができる。また、凹部の底面が曲面である場合には、光源からの光を植物に向けて効率的に反射させる可能性を高めることができる。
また、前記保持部材には、それぞれ第1の方向に沿う複数の溝であって、前記第1の方向と交差する第2の方向に配列された前記複数の溝のそれぞれが、前記凹部として形成されていてもよい。
これにより、多くの植物をプール構造によって効率的に栽培することができる。
本開示の一態様に係る植物保持具は、栽培槽の開口部に当接する当接部と、前記当接部の前記開口部への当接によって前記栽培槽の開口内に配置され、植物を保持する凹部とを備え、前記凹部は、光の反射機能を有し、光源からの光は、前記凹部で反射し、前記凹部の底面に保持されている前記植物に向かう。
これにより、上述の栽培装置と同様の効果を奏することができる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態)
[植物栽培システム]
図1は、本実施の形態における植物栽培システムの構成図である。
[植物栽培システム]
図1は、本実施の形態における植物栽培システムの構成図である。
本実施の形態における植物栽培システム1000は、例えばレタスなどの植物1を栽培するためのシステムであって、3つの栽培装置100を有する栽培棚1001と、光源制御部1002と、養液制御部1003と、配管1004とを備える。なお、本実施の形態において、鉛直方向をZ軸方向と称し、水平方向において互いに直交する2つの方向をX軸方向およびY軸方向と称す。また、鉛直方向の上向きを単に上または上側といい、鉛直方向の上向きを単に下または下側という。
栽培棚1001は、3つの栽培装置100がZ軸方向に積み上げられた構成を有する。このような栽培棚1001は、植物栽培工場の建屋内に配置される。なお、本実施の形態では、栽培棚1001は、3つの栽培装置100を備えているが、その栽培装置100の数は3つに限らず、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。また、栽培棚1001には、3つの栽培装置100が積み上げられているだけでなく、水平方向に複数の栽培装置100が配列されていてもよい。つまり、積み上げられた3つの栽培装置100の列が、水平方向に複数配列されていてもよい。また、このような栽培棚1001の周辺は、その栽培棚1001が設置されている部屋のエアコンなどによって空調制御されている。
3つの栽培装置100のそれぞれは、栽培槽110と、保持部材120と、天井板130と、複数の光源140とを備える。
栽培槽110は、植物1の育成のための養液2を被収納物として収納する容器である。このような栽培槽110は、上端部に開口を有する矩形状の容器であって、例えば樹脂成型品として構成されている。また、本実施の形態における栽培槽110のX軸方向の幅は、Y軸方向の奥行きよりも長い。
保持部材120は、栽培槽110の開口部に取り付けられる。そして、この保持部材120は、栽培槽110の開口を覆い、植物1の根が養液2に浸けられた状態で植物1を保持する。つまり、植物1は、その根の周りに被収納物が配置された状態で保持される。このような保持部材120は、例えば樹脂成型品として構成されている。具体的には、保持部材120は、X軸方向に長い長尺状の部材であって、保持部材120の長手方向(すなわちX軸方向)に沿って並ぶ複数の植物1を保持する。なお、保持部材120は、栽培プレートとも呼ばれる。
天井板130は、栽培槽110の底面との間に保持部材120を挟んで、その保持部材120に対向するように配置されている。また、天井板130は、その保持部材120および栽培槽110の開口部から離間して配置されている。
複数の光源140はそれぞれ、LED(light emitting diode)などによって構成され、天井板130の下面側に配置されている。このような光源140は、光源制御部1002から供給される電力に応じて点灯し、保持部材120に保持されている複数の植物1に光を照射する。光は、赤色の光であっても、青色の光であってもよい。また、複数の光源140は、互いに異なる複数種の色の光を植物1に照射してもよい。
光源制御部1002は、栽培棚1001に取り付けられている各光源140に電力を供給することによってそれらの光源140を点灯させる。また、光源制御部1002は、各光源140の点灯と消灯とを周期的に切り替えてもよい。
養液制御部1003は、配管1004を介して、各栽培装置100の栽培槽110に収納されている養液2を循環させる。
このように、本実施の形態における植物栽培システム1000の栽培装置100は、栽培槽110内の養液2が流されるように制御され、いわゆる水路構造として構成されている。
図2は、本実施の形態における保持部材120が取り付けられた栽培槽110の外観図である。なお、図2の(a)は、その栽培槽110の上面図を示し、図2の(b)は、その栽培槽110の側面図を示し、図2の(c)は、図2の(a)に示されるA−A線における断面図を示す。
保持部材120は、2つの当接部123と、凹部122とを有する。2つの当接部123は、保持部材120のY軸方向の両端にそれぞれX軸方向に沿うように細長く形成され、図2の(c)に示すように、栽培槽110における上端の開口部に当接する。つまり、保持部材120は、2つの当接部123が栽培槽110の開口部に当接するようにその栽培槽110に載置される。これにより、保持部材120は、栽培槽110に取り付けられる。なお、栽培槽110の開口部は、栽培槽110の上端の縁部からなる。
凹部122は、その2つの当接部123の開口部への当接によって栽培槽110の開口内に配置され、植物1を保持する。このように配置される凹部122は、栽培槽110の底側に凹んだ形状であって、光の反射機能を有する。例えば、凹部122の側面および底面は、白色である。これにより、凹部122に照射される光はその側面または底面によって反射する。また、本実施の形態における凹部122の底面は、平面であって、水平面に対して平行である。
また、凹部122の底面には、X軸方向に沿って配列されている複数の孔121が形成されている。
孔121は、例えばXY断面において円形であって、下方に向かうほど狭くテーパ状に形成されている。植物1は、この孔121に挿入されて、凹部122における孔121の周縁部分に保持される。保持部材120は、このような複数の孔121によって、その保持部材120の長手方向に沿って並ぶ複数の植物1を保持する。
図3は、本実施の形態における保持部材120が取り付けられた栽培槽110の斜視図である。
植物1は、保持部材120の凹部122の底面に保持される。具体的には、植物1は、上述のように、凹部122に形成されている孔121に挿入されて、凹部122における孔121の周縁部分に保持される。また、植物1の根は、保持部材120の下側に隠され、植物1の根以外の部分、例えば葉の部分のみが、凹部122の底面から露出された状態にある。
図4は、本実施の形態における栽培装置100において光源140からの光が植物1に照射される状態を示す図である。
光源140は、植物1の上からその植物1に光を照射する。光源140からの光の一部は、植物1に直接照射されるが、他の一部は、保持部材120の凹部122に照射される。ここで、凹部122は、光の反射機能を有する。したがって、光源140からの光の一部は、凹部122で反射し、その凹部122の底面に保持されている植物1に向かう。つまり、光源140からの光は、凹部122の側面および底面のうちの少なくとも一方で反射し、植物1に照射される。
このように、本実施の形態における栽培装置100では、栽培槽110の上部の空間を遮るような光反射板が取り付けられていないため、光源140の熱を容易に逃すことができ、栽培環境の温度の上昇を抑制することができる。さらに、保持部材120が光の反射機能を有するため、光源140の数および強度を増すことなく、植物1に十分な光を当てることができる。
図5は、保持部材120の凹部122の深さを説明するための図である。
ここで、光源140から凹部122の底面までの第1の距離L1は、図5の(a)に示す例では、L1aとして示されている。同様に、図5の(b)に示す例では、その第1の距離L1は、L1bとして示され、図5の(c)に示す例では、その第1の距離L1は、L1cとして示されている。また、光源140から保持部材120における凹部122の周縁部までの第2の距離L2は、図5の(a)に示す例では、L2aとして示されている。同様に、図5の(b)に示す例では、その第2の距離L2は、L2bとして示され、図5の(c)に示す例では、その第2の距離L2は、L2cとして示されている。なお、保持部材120における凹部122の周縁部は、保持部材120の当接部123に相当する。
図5の(a)に示す保持部材120では、凹部122の深さ(L1a−L2a)は浅い。図5の(b)に示す保持部材120では、凹部122の深さ(L1b−L2b)は中程度であり、図5の(c)に示す保持部材120では、凹部122の深さ(L1c−L2c)は深い。
具体的には、図5の(a)に示す保持部材120では、例えば、第1の距離L1aは、285mmであり、第2の距離L2aは、265mmであって、凹部122の深さは、20mmである。図5の(b)に示す保持部材120では、例えば、第1の距離L1bは、300mmであり、第2の距離L2bは、265mmであって、凹部122の深さは、35mmである。図5の(c)に示す保持部材120では、例えば、第1の距離L1cは、320mmであり、第2の距離L2cは、265mmであって、凹部122の深さは、55mmである。
このような図5の(a)〜(c)に示すそれぞれの保持部材120を用いた栽培装置100によって、レタスを植物1として栽培する実験を行った。この実験では、図5の(c)に示す保持部材120を用いた栽培装置100によって栽培されたレタスの収量が最も多いことが確認された。具体的には、図5の(c)の保持部材120を用いた場合には、図5の(a)および(b)のそれぞれの保持部材120を用いた場合と比べて、レタスの成長が大きく、収穫量が1.1〜1.3倍に増加している。
つまり、この凹部122を深くすることによって、凹部122の側面の面積が広くなり、凹部122によって反射されて植物1に照射される光の光量が増加し、植物1の育成が増進していることが確認された。
この実験結果により、保持部材120は、植物1に効率よく光を当てる光反射板としての効果を有すると考えられる。言い換えれば、凹部122の凹みによって、その凹部122の側面および底面に当たった光が反射して植物1に当たる確率が格段に向上したと考えられる。
しかし、凹部122の深さが深すぎると、植物1の周辺の風通しが悪くなる可能性があるため、その深さは、植物1の最大成長時の高さの1/2〜1/3であることが望ましい。
また、第1の距離L1および前記第2の距離L2は、L2≧L1×1/3の関係を満たしていてもよい。これにより、光源140の熱が凹部122に溜まって、栽培環境の温度が上昇してしまうことを抑制することができる。
図6は、保持部材120における凹部122の他の例を示す図である。
保持部材120における凹部122の底面は、上述の例では、水平方向に平行な平面であるが、図6に示すように曲面であってもよい。例えば、凹部122の底面は、YZ面における断面において放物線を描くような形状に形成されていてもよい。これにより、光源140からの光をより効率的に植物1に当てることができる。
以上のように、本実施の形態における栽培装置100では、保持部材120に凹部122が形成され、その凹部122は光の反射機能を有する。したがって、栽培槽110および保持部材120の他に、光反射板などの構造物を設けることなく、保持部材120に保持されている植物1に光源140からの光を効率的に当てることができる。その結果、光源140の数および強度を増すことなく、コストを抑えて植物1の成長を促進させることができる。また、その光反射板などの構造物がないため、植物1の周囲の空間がその構造物によって遮られることを防ぐことができ、光源140の熱を栽培装置100の外に逃がしやすくすることができる。その結果、栽培環境の温度が上昇してしまうことを抑えて、適切な温度に保つことができる。つまり、植物周囲の空間を開放することができ、栽培装置100が設置されている部屋のエアコンなどによって、栽培環境の温度を容易に調整することができ、空調効率の改善を図ることができる。言い換えれば、部屋のエアコンの他にも、植物1の周囲に空調設備を備えることなく、栽培環境の温度を容易に調整することができる。したがって、本実施の形態における栽培装置100では、栽培環境の温度および光を適切に調整することができる。
また、本実施の形態における栽培装置100では、保持部材120は長尺状の部材であれるため、多くの植物を水路構造によって効率的に栽培することができる。例えば、本実施の形態のように、複数の栽培装置100が鉛直方向に段積みされて成る栽培棚1001を用いることができ、部屋のスペースが狭くても、多くの植物を効率的に栽培することができる。
また、本実施の形態における栽培装置100では、凹部122の側面および底面は白色であるため、例えば白色の樹脂によって凹部122を含む保持部材120を生成すれば、凹部122に光の反射機能を容易に持たせることができる。
また、本実施の形態における栽培装置100では、第2の距離L2が第1の距離L1の1/3以上になるように、光源140が保持部材120から離されるため、光源140からの熱が、凹部122に囲まれている空間に溜まることを抑制することができる。したがって、栽培環境の温度をより適切に調整することができる。
また、本実施の形態における栽培装置100では、凹部122の底面は、平面または曲面であるため、保持部材120の設計の自由度を高めることができる。また、凹部122の底面が曲面である場合には、光源140からの光を植物1に向けて効率的に反射させる可能性を高めることができる。
また、本実施の形態における保持部材120は、当接部123と凹部122とを備える植物保持具である。このような植物保持具の凹部122は、栽培槽の底側に凹んだ形状であって、光の反射機能を有する。そして、光源140からの光は、その凹部122で反射し、その凹部122の底面に保持されている植物1に向かう。したがって、このような植物保持具を、どのような栽培槽に取り付けても、栽培装置100と同様の効果を奏することができる。
(変形例)
上記実施の形態における植物栽培システム1000の栽培装置100は、いわゆる水路構造であるが、いわゆるプール構造であってもよい。
上記実施の形態における植物栽培システム1000の栽培装置100は、いわゆる水路構造であるが、いわゆるプール構造であってもよい。
図7は、本変形例に係るプール構造の栽培装置100の外観および断面を示す図である。具体的には、図7の(a)は、本変形例に係る栽培装置100の斜視図を示し、図7の(b)は、本変形例に係る栽培装置100のYZ面における断面図である。
本変形例に係る栽培装置100は、奥行き方向の幅が広い栽培槽110と、保持部材120と、複数の光源140とを備えている。なお、図7では、光源140は図示されていない。
栽培槽110は、図7の(a)に示すように、幅方向(すなわちX軸方向)にだけ長く形成されておらず、奥行き方向(すなわちY軸方向)にも長く形成されている。
そして、保持部材120は、このような栽培槽110の開口を覆うように、その栽培槽110に取り付けられる。この保持部材120には、図7の(a)および(b)に示すように、複数の溝が凹部122として形成されている。これらの複数の溝(すなわち凹部122)は、それぞれ第1の方向であるX軸方向に沿い、かつ、その第1の方向と直交する第2の方向(すなわちY軸方向)に配列されている。なお、第2の方向は、第1の方向と交差していれば、直交していなくてもよい。
このような溝として形成されている複数の凹部122のそれぞれは、上記実施の形態と同様に光の反射機能を有する。したがって、保持部材120にマトリクス状に配列された複数の植物1のそれぞれに対して光を効率的に当てることができる。さらに、光反射板などの構造物が配置されていないため、栽培槽110の上部の空間がその構造物によって遮られることなく、光源140からの熱を容易に逃がすことができる。
(その他の変形例)
以上、一つまたは複数の態様に係る栽培装置および植物保持具について、実施の形態およびその変形例に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態および変形例に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態およびその変形例に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
以上、一つまたは複数の態様に係る栽培装置および植物保持具について、実施の形態およびその変形例に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態および変形例に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態およびその変形例に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
例えば、上記実施の形態およびその変形例では、保持部材120は、白色の樹脂成型品として構成されているが、アルミなどの金属によって構成されていてもよい。また、凹部122の側面および底面は、鏡面加工されていてもよい。これにより、より効果的な光の反射機能を凹部122に持たせることができる。また、光の反射機能を有する凹部122は、光源140からの光が例えば50%以上の反射率で反射するような材質で構成されていれば、その材質はどのようなものであってもよい。
また、上記実施の形態およびその変形例では、光源140は植物1の真上(すなわちZ軸方向の上)からその植物1に光を照射するが、真上ではなく、植物1の斜め上からその植物1に光を照射してもよい。これにより、植物1に光をより効果的に当てる可能性を高めることができる。
また、上記実施の形態およびその変形例では、栽培装置100で栽培される植物1としてレタスを例として挙げたが、レタス以外の葉菜類の植物であってもよく、葉菜類以外の植物であってもよい。
また、上記実施の形態およびその変形例では、栽培装置100および植物栽培システム1000による栽培方法は水耕栽培であるが、土耕栽培であってもよい。この場合には、養液2の代わりに土が被収納物として栽培槽110に収納される。また、土の代わりになる代替物または培地を栽培槽110に収納してもよい。
また、上記実施の形態およびその変形例では、保持部材120は、栽培槽110の開口の全てを覆っているが、その開口の一部のみを覆っていてもよい。
また、上記実施の形態およびその変形例では、保持部材120の凹部122は、栽培槽110の底側に凹んだ形状であるが、凹みの向きは底側に限定されず、どのような向きであってもよい。
なお、上記実施の形態およびその変形例において、光源制御部1002および養液制御部1003などの構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
本開示は、栽培環境の温度および光を適切に調整することができ、例えばレタスなどの植物を栽培するシステムまたは装置に利用可能である。
1 植物
2 養液
100 栽培装置
110 栽培槽
120 保持部材
121 孔
122 凹部
123 当接部
130 天井板
140 光源
1000 植物栽培システム
1001 栽培棚
1002 光源制御部
1003 養液制御部
1004 配管
2 養液
100 栽培装置
110 栽培槽
120 保持部材
121 孔
122 凹部
123 当接部
130 天井板
140 光源
1000 植物栽培システム
1001 栽培棚
1002 光源制御部
1003 養液制御部
1004 配管
Claims (8)
- 植物の育成のために使用される被収納物を収納する栽培槽と、
前記栽培槽の開口の少なくとも一部を覆い、前記植物の根の周りに前記被収納物が配置された状態で前記植物を保持する保持部材とを備え、
前記保持部材には、光の反射機能を有する凹部が形成され、
光源からの光は、前記凹部で反射し、前記凹部の底面に保持されている前記植物に向かう、
栽培装置。 - 前記保持部材は、長尺状の部材であって、前記保持部材の長手方向に沿って並ぶ複数の前記植物を保持する、
請求項1に記載の栽培装置。 - 前記凹部の側面および底面は、白色である、
請求項1または2に記載の栽培装置。 - 前記栽培装置は、さらに、
前記光源を備え、
前記光源から前記凹部の底面までの第1の距離がL1であり、前記光源から前記保持部材における前記凹部の周縁部までの第2の距離がL2である場合、
前記第1の距離L1および前記第2の距離L2は、L2≧L1×1/3の関係を満たす、
請求項1〜3の何れか1項に記載の栽培装置。 - 前記凹部の底面は、平面または曲面である、
請求項1〜4の何れか1項に記載の栽培装置。 - 前記保持部材には、
それぞれ第1の方向に沿う複数の溝であって、前記第1の方向と交差する第2の方向に配列された前記複数の溝のそれぞれが、前記凹部として形成されている、
請求項1〜5の何れか1項に記載の栽培装置。 - 前記凹部は、前記栽培槽の底側に凹んだ形状である、
請求項1〜6の何れか1項に記載の栽培装置。 - 栽培槽の開口部に当接する当接部と、
前記当接部の前記開口部への当接によって前記栽培槽の開口内に配置され、植物を保持する凹部とを備え、
前記凹部は、光の反射機能を有し、
光源からの光は、前記凹部で反射し、前記凹部の底面に保持されている前記植物に向かう、
植物保持具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019046560A JP2020145972A (ja) | 2019-03-13 | 2019-03-13 | 栽培装置および植物保持具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019046560A JP2020145972A (ja) | 2019-03-13 | 2019-03-13 | 栽培装置および植物保持具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020145972A true JP2020145972A (ja) | 2020-09-17 |
Family
ID=72429081
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019046560A Withdrawn JP2020145972A (ja) | 2019-03-13 | 2019-03-13 | 栽培装置および植物保持具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020145972A (ja) |
-
2019
- 2019-03-13 JP JP2019046560A patent/JP2020145972A/ja not_active Withdrawn
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