JP2020145540A - 制御装置、制御プログラム、制御方法、通信装置および通信システム - Google Patents

制御装置、制御プログラム、制御方法、通信装置および通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】ネットワークの負荷を低減して、送信元端末から宛先端末への通信経路を切り替える。【解決手段】基地局と複数の無線通信装置とがマルチホップ通信を行うネットワークの制御装置であって、複数の経路情報を記憶する記憶部、データの宛先端末である無線通信装置への第1通信経路を設定する第1経路決定部、基地局に第1通信経路を用いて宛先端末へデータを送信させる通信制御部、応答情報を受信しなければ宛先端末へのデータ送信を失敗と判定する第1判定部、第1判定部が失敗と判定すると第1通信経路に含まれる通信区間毎に通信品質情報を導出する導出部、通信品質の基準値と通信品質情報とを用いて通信区間毎の通信品質を判定する第2判定部、第2判定部が通信区間の通信品質が基準値を満たさないと判定すると宛先端末への通信経路を、通信品質が基準値を満たさないと判定された通信区間を含まない第2通信経路に切り替える第2経路決定部、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、制御装置、制御プログラム、制御方法、通信装置および通信システムに関し、特に、マルチホップ通信ネットワークにおける送信元端末と宛先端末とを結ぶ通信経路を切り替える制御装置に関する。
分散して配置された無線通信装置同士の通信を可能とする技術として、マルチホップ通信がある。マルチホップ通信が用いられた通信システムでは、複数の無線通信装置でメッシュ型ネットワークが形成され、複数の無線通信装置が無線で相互にデータを中継することにより、分散して配置された無線通信装置同士の通信が可能である。
マルチホップ通信は産業において次のように利用される。例えば、無線通信装置として多数の利用者のそれぞれが所有する携帯端末が利用され、無線通信装置の位置関係が変動する環境でマルチホップ通信ネットワークが構築される。このような形態は、災害情報を多数の利用者へ伝達する用途や、交通情報を車両間で伝達する用途で用いられる。また例えば、複数の無線通信装置が一定の場所に設置され、無線通信装置の位置関係が変動しない環境でマルチホップ通信ネットワークが構築される。このような形態は、センサーを備えた複数の無線通信装置が施設の敷地内や構造物に設置され、無線通信装置が設置された場所の状態を監視する用途で用いられる。
マルチホップ通信においては、送信元である無線通信装置(送信元端末)から送信されたデータは、複数の無線通信装置によって中継されて宛先の無線通信装置(宛先端末)へ到達する。データが中継される通信経路に障害が生じると、無線通信装置によるデータの中継ができなくなり、送信元端末と宛先端末との通信が失敗する。送信元端末と宛先端末との通信が失敗した場合は、通信経路の障害が発生した区間が特定され、障害が発生した区間を含まない他の通信経路へ切り替えられて、送信元端末と宛先端末との通信を復旧する必要がある。
このような技術を開示する先行技術として、次の特許文献1がある。
特許文献1に開示されるネットワークは複数の無線通信装置で構成され、当該無線通信装置のそれぞれはマルチホップ通信が可能である。無線通信装置は、通信経路上で隣接する他の無線通信装置との通信障害を検出する。無線通信装置は通信障害を検出すると、送信元端末から宛先端末への通信を復旧するために、通信障害が発生した無線通信装置を回避する通信経路を探索すると共に新たな通信経路に切り替える。通信経路の探索にあたり、無線通信装置は経路探索パケットをネットワークへブロードキャスト送信する。この経路探索パケットは、ネットワーク中の複数の無線通信装置をマルチホップで伝達される。この経路探索パケットの送信によって、送信元端末と宛先端末とを結ぶ新たな通信経路が探索され、通信障害が発生した無線通信装置を含む通信経路が、探索された通信経路に切り替えられる。
特開2005−269623号公報
特許文献1に開示されるネットワークは、ネットワークを構成する複数の無線通信装置が移動し、無線通信装置の位置関係が変動し得る。このようなネットワークでは、無線通信装置が移動することでデータの中継が不可能となって通信障害が発生する可能性がある。またこのようなネットワークでは、無線通信装置の位置関係が変動し得るので、送信元端末から宛先端末への切り替え後の通信経路を、通信障害が生じる以前に把握しておくことが難しい。
そのため、ネットワークに含まれる複数の無線通信装置の位置関係が変動し得る環境でマルチホップ通信ネットワークが利用される場合は、特許文献1のように、通信障害の検出に伴って新たな通信経路が探索され、探索された通信経路へ切り替えられるのが効果的である。
しかしながら、複数の無線通信装置が一定の場所に設置されて運用されるマルチホップ通信ネットワークにおいては、無線通信装置の位置関係が変動する可能性は低い。そのため、特許文献1のような通信経路の切り替えが効果的とは限らない。
また特許文献1のように、通信経路の切り替えに際し、経路探索パケットを無線通信装置からネットワークへブロードキャスト送信すると、通信に障害が生じた通信経路と関係のない無線通信装置にも経路探索パケットが送信される。しかし、通信に障害が生じた通信経路とは関係のない無線通信装置へ経路探索パケットを送信するために、各無線通信装置は余計な電力を消費する。また、マルチホップ通信ネットワークに利用される無線通信装置は、単位時間あたりの電波送信において送信時間の総和に制限が設けられる。そのため、通信に障害が生じた通信経路とは関係のない無線通信装置へ経路探索パケットが送信されると、ネットワークに流れる情報量が増え、無線通信装置が電波を送信可能な時間が圧迫される。つまり、無線通信装置の位置関係が変動する可能性が低い運用形態において、通信経路の切り替えに際して経路探索パケットを無線通信装置からネットワークへブロードキャスト送信すると、ネットワーク全体の負荷が高まってしまう。
本発明は以上の事情を鑑み、マルチホップ通信ネットワークに係る負荷を低減して、送信元端末と宛先端末とを結ぶ通信経路を切り替えることが可能な制御装置、制御プログラム、制御方法、通信装置および通信システムを提案するものである。
第一の本発明は、基地局装置と複数の無線通信装置とがマルチホップ通信を行うメッシュネットワークにおける、前記基地局装置を制御する制御装置であって、前記マルチホップ通信の複数の通信経路に関する複数の経路情報を記憶する記憶部と、前記複数の無線通信装置のうち一つをデータ送信先の宛先端末として決定し、前記複数の経路情報のうち一つを、前記基地局装置から前記宛先端末への第1通信経路として設定する第1経路決定部と、前記基地局装置に、前記第1通信経路を用いて前記宛先端末へデータ送信するよう指示し、前記宛先端末から前記基地局装置に送信される、前記データ送信に対する応答情報の入力を受け付ける通信制御部と、前記通信制御部に前記応答情報が入力されないならば、前記基地局装置から前記宛先端末への前記データ送信を失敗と判定する第1判定部と、前記第1判定部が失敗と判定すると、前記第1通信経路に含まれる前記無線通信装置と前記基地局装置とが隣接する第1通信区間、および前記第1通信経路に含まれる前記無線通信装置同士が隣接する第2通信区間のそれぞれに対し、通信品質情報を導出する導出部と、前記第1通信区間および前記第2通信区間の通信品質の基準値を保持し、前記導出部から入力された前記通信品質情報を用いて前記第1通信区間および前記第2通信区間の通信品質を判定する第2判定部と、前記第2判定部が、前記第1通信区間または前記第2通信区間のいずれかの通信品質が前記基準値を満たさないと判定すると、前記複数の経路情報のうち、前記基地局装置から前記宛先端末への通信経路であって、かつ通信品質が前記基準値を満たさないと判定された前記第1通信区間または前記第2通信区間を含まない経路情報を、第2通信経路として設定する第2経路決定部と、を備えることを特徴とする
第二の本発明は、制御プログラムであって、基地局装置と複数の無線通信装置とがマルチホップ通信を行うメッシュネットワークにおける、前記基地局装置を制御する制御装置のコンピュータを、前記マルチホップ通信の複数の通信経路に関する複数の経路情報を記憶する記憶手段、前記複数の無線通信装置のうち一つをデータ送信先の宛先端末として決定し、前記複数の経路情報のうち一つを、前記基地局装置から前記宛先端末への第1通信経路として設定する第1経路決定手段、前記基地局装置に、前記第1通信経路を用いて前記宛先端末へデータ送信するよう指示し、前記宛先端末から前記基地局装置へ送信される、前記データ送信に対する応答情報の入力を受け付ける通信制御手段、前記通信制御手段に前記応答情報が入力されないならば、前記基地局装置から前記宛先端末への前記データ送信を失敗と判定する第1判定手段、前記第1判定手段が失敗と判定すると、前記第1通信経路に含まれる前記無線通信装置と前記基地局装置とが隣接する第1通信区間、および前記第1通信経路に含まれる前記無線通信装置同士が隣接する第2通信区間のそれぞれに対し、通信品質情報を導出する導出手段、前記第1通信区間および前記第2通信区間の通信品質の基準値を保持し、前導出手段から入力された前記通信品質情報を用いて前記第1通信区間および前記第2通信区間の通信品質を判定する第2判定手段、前記第2判定手段が、前記第1通信区間または前記第2通信区間のいずれかの通信品質が前記基準値を満たさないと判定すると、前記複数の経路情報のうち、前記基地局装置から前記宛先端末への通信経路であって、かつ通信品質が前記基準値を満たさないと判定された前記第1通信区間または前記第2通信区間を含まない経路情報を、第2通信経路として設定する第2経路決定手段、として機能させることを特徴とする。
第三の本発明は、制御方法であって、基地局装置と複数の無線通信装置とがマルチホップ通信を行い、前記マルチホップ通信の複数の通信経路に関する複数の経路情報を記憶し、前記基地局装置を制御する制御装置を含むメッシュネットワークにおいて、前記制御装置が、前記複数の無線通信装置のうち一つをデータ送信先の宛先端末として決定し、前記複数の経路情報のうち一つを、前記基地局装置から前記宛先端末への第1通信経路として設定する第1のステップと、前記制御装置が、前記基地局装置に前記第1通信経路を用いて前記宛先端末へデータ送信するよう指示し、前記宛先端末から前記基地局装置へ送信される、前記データ送信に対する応答情報の入力を受け付ける第2のステップと、前記制御装置に前記応答情報が入力されないならば、前記制御装置が、前記基地局装置から前記宛先端末への前記データ送信を失敗と判定する第3のステップと、前記第3のステップにおいて失敗と判定されると、前記制御装置が、前記第1通信経路に含まれる前記無線通信装置と前記基地局装置とが隣接する第1通信区間、および前記第1通信経路に含まれる前記無線通信装置同士が隣接する第2通信区間のそれぞれに対し、通信品質情報を導出する第4のステップと、前記制御装置が、前記通信品質情報と、前記制御装置に保持される前記第1通信区間および前記第2通信区間の通信品質の基準値とを用いて、前記通信区間毎の通信品質を判定する第5のステップと、前記第5のステップにおいて、前記第1通信区間または前記第2通信区間のいずれかの通信品質が前記基準値を満たさないと判定されると、前記制御装置が、前記複数の経路情報のうち、前記基地局装置から前記宛先端末への通信経路であって、かつ通信品質が前記基準値を満たさないと判定された前記第1通信区間または前記第2通信を含まない経路情報を、第2通信経路として設定する第6のステップと、を含むことを特徴とする。
第四の本発明は、複数の無線通信装置がマルチホップ通信を行うネットワークにおいて基地局装置として動作し、第一の本発明である制御装置を備える通信装置である。
第五の本発明は、第一の本発明である制御装置を含み、当該制御装置と接続された基地局装置と、複数の無線通信装置との間でマルチホップ通信が行われる通信システムである。
マルチホップ通信ネットワークに係る負荷を低減して、送信元端末と宛先端末とを結ぶ通信経路を切り替えることが可能な制御装置、制御プログラム、制御方法、通信装置および通信システムが提供される。
実施形態の通信システムの構成を示す図である。 制御装置の構成を示すブロック図である。 無線通信装置および基地局装置の構成を示すブロック図である。 実施形態の通信システムの構成を示す第2の図である。 制御装置が記憶する通信経路の情報を示すテーブルである。 制御装置がデータ送信の成否を判定する動作を示すフローチャートである。 制御装置が通信経路の通信品質を判定し、通信経路を切り替える動作を示すフローチャートである。 制御装置の第1の判定動作を示すフローチャートである。 制御装置の第2の判定動作を示すフローチャートである。 制御装置の記憶部に記憶された、受信強度の情報を示す第1のテーブルである。 制御装置の記憶部に記憶された、受信強度の情報を示す第2のテーブルである。 基地局装置から送信される調査信号の内容を示す模式図、およびノードから送信される応答信号の内容を示す模式図である。
(A)実施形態
本発明の実施形態を図1から図12を参照して説明する。なお本実施形態では、通信システムにIEEE802.15.4(LR−WPANs:Low−Rate Wireless Personal Area Networks)に準拠したZigBee規格(ZigBeeは登録商標)で規定されるマルチホップ通信が適用される例を説明する。
(A−1)構成
(A−1−1)通信システムの構成
図1は実施形態の通信システムの構成を示す図である。図1に示される通信システム1は制御装置2、複数の無線通信装置3、基地局装置4、管理装置5を含む。無線通信装置3の数は3以上であれば任意でよい。本実施形態では、通信システム1は無線通信装置3−1、無線通信装置3−2、無線通信装置3−3の3つを含むものとする。以降の説明において無線通信装置3−1から無線通信装置3−3を区別せずに説明する際は、単に無線通信装置3と述べる。
無線通信装置3と基地局装置4とは同一の構成を持つ。ただし、基地局装置4の動作は無線通信装置3の動作と異なる。そのため、以降の説明において、無線通信装置3と基地局装置4とを区別して呼称する。なお本実施形態の通信システム1は複数の無線通信装置3で構築され、無線通信装置3の一つが制御装置2に接続されて基地局装置4として機能してもよい。また以降の説明において、無線通信装置3と基地局装置4のそれぞれをノードと述べることもある。
図1において各装置を結ぶ実線は有線による接続を示し、各装置を結ぶ点線は無線による接続を示す。図1では制御装置2と管理装置5は有線で接続され、また制御装置2と基地局装置4は有線で接続される。基地局装置4は無線通信装置3−1と無線通信装置3−2とに無線で接続される。無線通信装置3−1から無線通信装置3−3は相互に無線で接続される。
無線通信装置3は設置環境の物理量を検出するセンサーを搭載し、施設の敷地内や建築物などに設置され、設置環境の計測データを管理装置5へ送信する。無線通信装置3の詳細な内部構成については後述する。
無線通信装置3のそれぞれはマルチホップ通信を行うことができる。無線通信装置3のそれぞれは、自装置から他装置へのデータ送信に加え、他の無線通信装置3からのデータ中継を行う。基地局装置4から無線通信装置3への方向の下りデータ送信において、例えば基地局装置4から無線通信装置3−3へデータが送信される場合、無線通信装置3−1と無線通信装置3−2の少なくとも一つが無線通信装置3−3へデータを中継する。また無線通信装置3から基地局装置4への方向の上りデータ送信において、例えば無線通信装置3−3から基地局装置4へデータが送信される場合、無線通信装置3−1と無線通信装置3−2の少なくとも一つが基地局装置4へデータを中継する。
本実施形態の説明では、基地局装置4から宛先端末である無線通信装置3へデータを送信するために必要な、データの送信回数をホップ数と定義する。ただし、本実施形態の説明における「データの送信回数」は、基地局装置4から宛先端末である無線通信装置3へデータを送信する際に発生する、データの再送信に係る回数を含まない。例えば基地局装置4から無線通信装置3−1を経由して無線通信装置3−3へデータが送信される場合、基地局装置4から無線通信装置3−1へデータ送信が1回行われ、さらに無線通信装置3−1から無線通信装置3−3へデータ送信(データ中継)が1回行われ、計2回のデータ送信が行われる。この場合、基地局装置4を起点とした無線通信装置3−1へのホップ数は1であり、無線通信装置3−1を1ホップ目のノードと呼ぶ。また基地局装置4を起点とした無線通信装置3−3へのホップ数は2であり、無線通信装置3−3を2ホップ目のノードと呼ぶ。また基地局装置4を0ホップ目のノードと呼ぶ。
例えば、基地局装置4から無線通信装置3−1と無線通信装置3−2とを経由して無線通信装置3−3へデータが送信される場合、基地局装置4から無線通信装置3−1へデータ送信が1回行われ、無線通信装置3−1から無線通信装置3−2へデータ送信(データ中継)が1回行われ、さらに無線通信装置3−2から無線通信装置3−3へデータ送信(データ中継)が1回行われ、計3回のデータ送信が行われる。この場合、基地局装置4を起点とした無線通信装置3−1へのホップ数は1であり、無線通信装置3−1を1ホップ目のノードと呼ぶ。また基地局装置4を起点とした無線通信装置3−2へのホップ数は2であり、無線通信装置3−2を2ホップ目のノードと呼ぶ。また基地局装置4を起点とした無線通信装置3−3へのホップ数は3であり、無線通信装置3−3を3ホップ目のノードと呼ぶ。また基地局装置4を0ホップ目のノードと呼ぶ。
このように、基地局装置4を起点とした無線通信装置3のホップ数nの値は、基地局装置4と宛先端末である無線通信装置3とを結ぶ通信経路に応じて決まる。また全ての通信経路において起点である基地局装置4は、0ホップ目のノードである。
二つのノードについて、ノード間のホップ数の差分が1であるとき、それら二つのノードは隣接していると言う。例えば、基地局装置4から無線通信装置3−1を経由して無線通信装置3−3へデータが送信される場合、無線通信装置3−1と隣接するノードは基地局装置4と無線通信装置3−3である。基地局装置4から無線通信装置3−1と無線通信装置3−2を経由して無線通信装置3−3へデータが送信される場合、無線通信装置3−1と隣接するノードは基地局装置4と無線通信装置3−2である。
基地局装置4は制御装置2に有線で接続され、また基地局装置4は隣接する無線通信装置3の少なくとも一つに無線で接続される。図1において基地局装置4は無線通信装置3−1と無線通信装置3−2とに接続される。基地局装置4は、無線通信装置3から制御装置2へ送信される上りデータを中継し、制御装置2から無線通信装置3へ送信される下りデータを中継する。
制御装置2は基地局装置4および管理装置5に接続される。制御装置2は、基地局装置4から無線通信装置3への方向の下りデータ送信に用いられる通信経路を決定する。また制御装置2は、基地局装置4から無線通信装置3への下りデータ送信に用いる通信経路の切り替えを行う。また制御装置2は、無線通信装置3から管理装置5へ送信されるデータを中継する。制御装置2は管理装置5と無線通信装置3との間における上りデータと下りデータの中継に際し、通信プロトコルの変換を行ってもよい。制御装置2の詳細な内部構成および詳細な動作については後述する。
管理装置5は、無線通信装置3で計測された計測データを制御装置2から受信し、計測データを蓄積したり管理したりする。管理装置5は、通信システム1の使用者が操作可能なパーソナルコンピュータやサーバなどの機器で実現される。
(A−1−2)制御装置の構成
次に、図1における制御装置2の構成を、図2を参照して説明する。図2は制御装置の構成を示すブロック図である。
図2に示されるように制御装置2は、制御部21、記憶部22、入出力インタフェース23、LANインタフェース24を有する。
制御部21は制御装置2の動作を制御し、CPU(Central Processing Unit)で実現される。制御部21は記憶部22、入出力インタフェース23、LANインタフェース24のそれぞれに接続される。
制御部21はさらに第1経路決定部211、第2経路決定部212、第1判定部213、第2判定部214、通信制御部215、導出部216を有する。
第1経路決定部211は、基地局装置4から送信されるデータの宛先端末として無線通信装置3の一つを設定する。また第1経路決定部211は、宛先端末である無線通信装置3へのデータ送信に用いられる第1通信経路を決定する。
第1判定部213は、基地局装置4から無線通信装置3への第1通信経路を用いたデータ送信が成功したか、失敗したかを判定する。第1判定部213は、基地局装置4が、宛先端末である無線通信装置3からデータ送信に対する受信応答を受信したか否かをもって、データ送信が成功したか失敗したかを判定する。第1判定部213は、基地局装置4が、宛先端末である無線通信装置3から受信応答を受信したならばデータ送信は成功したと判定し、基地局装置4が、宛先端末である無線通信装置3から受信応答を受信しないならばデータ送信は失敗したと判定する。第1判定部213の当該判定を、以降の説明で「データ送信の成否判定」と呼ぶことがあり、また第1判定部213の当該判定に関する詳細な動作は後述する。
第2判定部214は、第1判定部213が、基地局装置4から無線通信装置3への第1通信経路を用いたデータ送信が失敗したと判定すると(第1判定部213がデータ送信の成否判定において失敗と判定すると)、第1通信経路における無線通信装置3を対象とし、無線通信装置3の間にある各区間の、通信品質が予め定められる基準値を満たすか否かを判定する。第2判定部214による判定結果は、区間の通信品質が基準値を満たすならば肯定判定となり、区間の通信品質が基準値を満たさないならば否定判定となる。第2判定部214の詳細な動作は後述する。また以降の説明において、第2判定部214が、区間の通信品質が予め定められる基準値を満たすか否かを判定することを「通信品質を判定する」と表すことがある。
第2経路決定部212は、第2判定部214が第1通信経路における区間の通信品質が基準値を満たさないと判定すると、基地局装置4から宛先端末である無線通信装置3への通信経路を、第1通信経路と異なる第2通信経路に切り替える。
通信制御部215は、基地局装置4の通信を制御する。通信制御部215は、宛先端末である無線通信装置3へ第1通信経路を用いてデータを送信するように基地局装置4に指示を出し、基地局装置4にデータを送信させる。また通信制御部215は、基地局装置4から第1通信経路に含まれる無線通信装置3のそれぞれへ、通信品質を調査するための調査信号を送信するように基地局装置4に指示を出し、基地局装置4に調査信号を送信させる。
導出部216は、基地局装置4が無線通信装置3から受信した、調査信号に対する応答信号に基づき、第2判定部214が通信品質を判定するために用いる情報を導出する。
第1経路決定部211、第2経路決定部212、第1判定部213、第2判定部214、通信制御部215、導出部216の動作の詳細は後述する。
記憶部22は、制御装置2を動作させる各種プログラムを記憶する。また記憶部22は、通信システム1における基地局装置4から無線通信装置3への通信経路の情報を記憶する。記憶部22はEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリなどの不揮発メモリ、およびRAM(Random Access Memory)などのメモリで実現される。
入出力インタフェース23は、制御装置2と基地局装置4とを接続するインタフェースである。入出力インタフェース23は既存のインタフェースであり、例えば既存のUSB(Universal Serial Bus)規格に準拠したインタフェースである。
LAN(Local Area Network)インタフェース24は、制御装置2と管理装置5とを接続するインタフェースである。例えば既存のEthernet規格に準拠したネットワークアダプタで実現され、制御装置2と管理装置5との接続にLANケーブルが用いられる。
(A−1−3)無線通信装置および基地局装置の構成
次に、図1における無線通信装置3および基地局装置4の構成を、図3を参照して説明する。図3は無線通信装置および基地局装置の構成を示すブロック図である。
なお上述のとおり、基地局装置4と、無線通信装置3−1から無線通信装置3−3との構成は同一である。
図3に示されるように無線通信装置3および基地局装置4は、制御部31、記憶部32、センサー33、無線インタフェース34、アンテナ35、入出力インタフェース36、内部電源37を有する。
制御部31は無線通信装置3および基地局装置4の動作を制御し、CPUで実現される。制御部31は記憶部32、センサー33、無線インタフェース34、入出力インタフェース36のそれぞれに接続される。
制御部31はさらに通信部311、測定部312を有する。
通信部311は、無線インタフェース34を用いて、他の無線通信装置3または基地局装置4に対して通信を行う。無線通信装置3および基地局装置4が行う通信とは、自装置から他装置へのデータ送信や、他の無線通信装置3からのデータ受信や、他の無線通信装置3へのデータ中継である。
測定部312は、無線通信装置3(自装置)が隣接する他の無線通信装置3または基地局装置4から受信した調査信号の受信強度を測定する。測定された受信強度の情報は、通信部311により制御装置2へ送信される。なお測定部312は、測定した受信強度をRSSI値(Receive Signal Strength Indication)に変換してもよい。
記憶部32は、無線通信装置3または基地局装置4を動作させる各種プログラムを記憶する。記憶部32はEEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発メモリで実現される。
センサー33は、無線通信装置3の設置環境における各種物理量を計測する。センサー33の種類(換言すると計測する物理量の種類)は限定されず、例えば温度センサーや照度センサー、加速度センサーなど各種センサーを、無線通信装置3の設置目的に応じて用いてよい。なお基地局装置4は、センサー33が機能せず未使用状態となる(あるいはセンサー33が搭載されない)。無線通信装置3がセンシング用(図1の無線通信装置3−1から無線通信装置3−3)として使用される場合はセンサー33が機能する。
無線インタフェース34は、無線通信装置3と基地局装置4とを相互に、あるいは無線通信装置3同士を相互に無線接続する。無線通信装置3および基地局装置4は無線インタフェース34を経由して他の無線通信装置3との間でデータの送受信を行う。なお無線インタフェース34はアンテナ35に接続される。無線インタフェース34は、例えばIEEE802.15.4に準拠したマルチホップ通信に対応し、IEEE802.15.4に準拠したデータの送受信を行う。
無線インタフェース34は単位時間あたりの送信時間を考慮したデータの送受信を行う。例えば単位時間を1時間とすると、無線インタフェース34は、アンテナ35で周波数920.5〜923.5MHzで送信出力250mW以下の電波を送出する場合、送信時間の総和を400ms(360s/h以下)となるようデータの送受信を行う。また無線インタフェース34はアンテナ35を用いて周波数920.5〜923.5MHzで送信出力20mW以下の電波を送出する場合、送信時間の総和が400ms(360s/h以下)となるようデータの送受信を行う。また無線インタフェース34は、アンテナ35を用いて周波数923.5〜928.1MHzで送信出力20mW以下の電波を送出する場合、送信時間の総和が400ms(360s/h以下)となるようデータの送受信を行う。また無線インタフェース34はアンテナ35を用いて周波数915.9〜929.7MHzで送信出力1mW以下の電波を送出する場合、送信時間の総和が100ms(3.6/h以下)となるようデータの送受信を行う。
入出力インタフェース36は、基地局装置4と制御装置2とを接続するインタフェースである。入出力インタフェース36は既存のインタフェースであり、例えば既存のUSB規格に準拠したインタフェースである。なお基地局装置4は入出力インタフェース36が使用され、無線通信装置3(図1の無線通信装置3−1から無線通信装置3−3)は、入出力インタフェース36は使用されない。
アンテナ35は無線インタフェース34に接続され、電波の送受信を行う。
内部電源37は一般的な電池であり、無線通信装置3および基地局装置4の各機能ブロックに電力を供給する。無線通信装置3および基地局装置4は施設の敷地内や建築物などに複数かつ分散して設置される。そのため無線通信装置3および基地局装置4は外部電源から電力の供給を受けることが難しいので、無線通信装置3および基地局装置4は内部電源37を有する。
(A−1−4)管理装置の構成
管理装置5は、通信システム1の使用者が操作可能なパーソナルコンピュータやサーバなどの機器である。管理装置5は、制御装置2から無線通信装置3で計測された計測データを受信するためのLANインタフェースや、使用者が管理装置5を操作するための入力機器や表示機器を備える。なお、管理装置5の構成は図示しない。
(A−2)動作
次に図4から図12を用いて、制御装置2による通信経路の切り替え動作を説明する。
以降、図4に示す通信システム1を例として動作を説明する。図4は実施形態の通信システムの構成を示す第2の図である。図4に示す通信システム1は、図1に示す通信システム1と同一であるが、図4では無線通信装置3のそれぞれ、および基地局装置4の名称を変更し、基地局装置4と無線通信装置3とを結ぶ区間、および無線通信装置3同士を結ぶ区間に名称を付している。
以降の説明においては、基地局装置4をノードa、無線通信装置3−1をノードb、無線通信装置3−2をノードc、無線通信装置3−3をノードdと呼ぶことがある。
さらに、基地局装置4と無線通信装置3−1との区間を区間ab、基地局装置4と無線通信装置3−2との区間を区間ac、無線通信装置3−1と無線通信装置3−2との区間を区間bc、無線通信装置3−1と無線通信装置3−3との区間を区間bd、無線通信装置3−2と無線通信装置3−3との区間を区間cdと呼ぶ。
(A−2−1)通信経路の記憶
制御装置2は予め、基地局装置4と無線通信装置3とを結ぶ、複数の通信経路の情報を記憶部22に記憶する。
図5は制御装置が記憶する通信経路の情報を示すテーブルである。制御装置2は図5に示すテーブルを用いて、基地局装置4と無線通信装置3とを結ぶ、複数の通信経路の情報を記憶する。
制御装置2が記憶する通信経路の情報は、通信システム1における各ノードの位置関係や、各ノード間の通信品質に基づいて定められる。ただし、制御装置2が通信経路の情報を取得する手段は任意である。例えば制御装置2は、管理装置5から通信経路の情報を取得してもよい。また例えば制御装置2が基地局装置4を制御し、基地局装置4に無線通信装置3への通信経路を探索させることで、通信経路の情報を取得してもよい。制御装置2が通信経路の情報を取得する手段については後述する。
図5に示すテーブルは、「ノード」、「通信経路」、「最大ホップ数」、「優先順位」を項目として有する。基地局装置4(ノードa)をデータの送信元端末とし、無線通信装置3(ノードbからノードd)の一つをデータの宛先端末とした場合の通信経路が、当該テーブルに記憶される。
「ノード」の項目は、図1に示す通信システム1の無線通信装置3のうち、データの宛先端末となり得る無線通信装置3の識別子が記憶される。無線通信装置3の識別子は、各無線通信装置3に割り振られた「ノードb」といった名称でもよいし、無線通信装置3に固有に割り振られた64ビットアドレス、あるいは16ビットアドレス(ショートアドレス)でもよい。
「通信経路」の項目は、基地局装置4(ノードa)をデータの送信元端末とし、「ノード」欄のノードを宛先端末とした場合の通信経路が記憶される。例えばノードbを宛先端末とした場合の通信経路は三つ記憶される。一つ目は、ノードaからノードbへ直接にデータが送信される通信経路abである。二つ目は、ノードaからノードcを経由してノードbへデータが送信される通信経路acbである。三つ目は、ノードaからノードcおよびノードdを経由してノードbへデータが送信される通信経路acdbである。ノードcとノードdについても、これらノードを宛先端末とした場合の通信経路が、ノードbと同様に記憶される。
「最大ホップ数」の項目は、「通信経路」欄に記憶された通信経路の最大ホップ数が記憶される。本実施形態では、基地局装置4(ノードa)から宛先端末である無線通信装置3へデータを送信するために必要な、データの送信回数をホップ数と定義する。したがって、例えばノードbに関して、1回のデータ送信でノードbへデータが到達する通信経路abの最大ホップ数は1である。ノードcを経由し、2回のデータ送信でノードbへデータが到達する通信経路acbの最大ホップ数は2である。ノードcおよびノードdを経由し、3回のデータ送信でノードbへデータが到達する通信経路acdbの最大ホップ数は3である。ノードcとノードdについても、これらに対応する通信経路毎に最大ホップ数が記憶される。
「優先順位」の項目は、「通信経路」欄に記憶された通信経路が使用される優先順位が記憶される。優先順位は、各通信経路を用いて宛先端末へデータが送信される際のコストを考慮して決定される。コストとは、通信経路における最大ホップ数や、通信経路に含まれる各ノード間の通信品質である。
通信経路の最大ホップ数が小さいほど、データを宛先端末へ到達させるのに必要なデータの送信回数は少ない。そのため、最大ホップ数が小さいほど通信システム1における消費電力は少ない。したがって、最大ホップ数が小さい通信経路の優先順位を上位とするのがよい。例えばノードbに関して、最大ホップ数が1である通信経路abの優先順位が最上位の1に設定され、最大ホップ数が2である通信経路acbの優先順位が2に設定され、最大ホップ数が3である通信経路acdbの優先順位が最下位の3に設定される。
最大ホップ数が同じである通信経路がある場合、優先順位の決め方は任意である。例えば、通信経路に含まれる各ノード間の通信品質を予め把握することができれば、通信品質が良好である通信経路の優先順位を上位するのがよい。例えばノードdに関して、最大ホップ数が2である通信経路abdと通信経路acdとにおいて、通信経路abdの優先順位が「1」に設定され、通信経路abdの優先順位が「2」に設定される。
(A−2−2)データ送信の成否判定と、通信品質の判定への移行
次に、制御装置2が、基地局装置4から宛先端末へのデータ送信の成否を判定し、通信経路の通信品質の判定動作へ移行する動作を説明する。
図6は制御装置がデータ送信の成否を判定する動作を示すフローチャートである。
制御装置2は、通信システム1に含まれるノード(無線通信装置3)のうち一つを宛先端末に決定し、宛先端末であるノードへのデータ送信に用いる第1通信経路を決定する(S10)。具体的には、制御装置2の第1経路決定部211が、記憶部22に記憶される通信経路の情報(図5)を参照して、宛先端末であるノードに対応する通信経路のうち最も優先順位の高い通信経路を、第1通信経路とする。
宛先端末は任意に決定される。例えば、制御装置2が宛先端末を決定する、あるいは、管理装置5の使用者が宛先端末を決定し、制御装置2は管理装置5から宛先端末の指定を受けてもよい。
制御装置2は、基地局装置4(ノードa)を制御して、第1通信経路を用いて宛先端末であるノードへデータを送信する(S12)。データは基地局装置4(ノードa)から送信され、第1通信経路に含まれるノードを経由して、宛先端末であるノードへ送信される。送信されるデータは、宛先端末であるノードから基地局装置4(ノードa)へ、データの受信応答を送信させる指示情報を含む。
制御装置2は、宛先端末であるノードへデータを送信すると、宛先端末であるノードから受信応答を受信したかを判定する(S14)。具体的には、制御装置2の第1判定部213(図2)は予め定められる待機時間を計時し(S16)、待機時間内に宛先端末であるノードから受信応答を受信した場合は、データ送信の成否判定の処理を終了し(S14:Yes)、待機時間内に受信応答を受信しない場合は(S14:NoかつS16:Yes)、通信品質の判定動作へ移行する(S18)。なお、制御装置2が宛先端末であるノードから、待機時間内に受信応答を受信しない場合(S14:NoかつS16:Yes)とは、基地局装置4から宛先端末であるノードへのデータ送信が失敗したことを意味する。対して、制御装置2が宛先端末であるノードから、待機時間内に受信応答を受信した場合(S14:Yes)とは、基地局装置4から宛先端末であるノードへのデータ送信が成功したことを意味する。なおデータ送信の成否判定は、制御装置2の通信制御部215が行ってもよい。
第1判定部213が計時する待機時間は、第1通信経路における送信元端末から宛先端末までの最大ホップ数の2倍の数に、所定の時間を乗算したものである。所定の時間は例えば50ms(ミリ秒)から70msであり、この時間は基地局装置4(ノードa)とノードbのような、隣接するノードへのデータ送信に要する時間である。つまり待機時間は、基地局装置4(ノードa)と宛先端末であるノードとの間で、第1通信経路を用いてデータを送受信するのに要する時間である。
(A−2−3)通信品質の判定と、通信経路の切り替え
次に、制御装置2が、第1通信経路における区間の通信品質を判定し、通信品質が予め定められる基準値を満たさないことを検出した場合に、第1通信経路を第2通信経路に切り替える動作を説明する。
図7は、制御装置が通信経路の通信品質を判定し、通信経路を切り替える動作を示すフローチャートである。
制御装置2は、判定動作に用いる変数nの値を0にセットする(S20)。nは整数である。次いで制御装置2は変数nを1だけインクリメントする(S22)。は、制御装置2の制御部21が変数nを管理する。
制御装置2は、通信制御部215により基地局装置4(ノードa)を制御して、第1通信経路に含まれるnホップ目のノードへ調査信号を送信する(S24)。調査信号は、調査信号の送信先であるnホップ目のノードを示す宛先アドレスと、nホップ目のノードに調査信号の受信に係る受信強度を測定させ、測定された受信強度の情報を含む応答信号を送信させる送信指示の情報とを含む(図12(a))。なお制御装置2は、記憶部22に記憶されるテーブルを参照して、第1通信経路に含まれるnホップ目のノードを特定する。
制御装置2は、基地局装置4(ノードa)を介して、nホップ目のノードから調査信号に対する応答信号を受信する(S26)。応答信号は、基地局装置4(ノードa)を示す宛先アドレスを含み、さらにnホップ目のノードを示す識別子と、n−1ホップ目のノードを示す識別子と、受信強度の情報を含む(図12(b))。なおnホップ目のノードはn−1ホップ目のノードから調査信号を受信し、nホップ目のノードの測定部312が、受信した調査信号の受信強度を測定する。
制御装置2は、nホップ目のノードから応答信号を受信すると、通信品質を判定する(S28)。具体的には、制御装置2の導出部216が、応答信号を用いて通信品質の判定に用いられる情報を導出する。そして第2判定部214が当該情報を用いて、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間における通信品質を判定する。なお、制御装置2による通信品質の判定動作(図7のフローチャートS24からS28)は、第1の判定動作と第2判定動作の二つに分かれる。制御装置2は第1の判定動作において、上述の応答信号を用いてnホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間における通信の成功率を示す情報を導出する。また制御装置2は第2の判定動作において、上述の応答信号を用いてnホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間における受信強度を示す情報を導出する。これら制御装置2による通信品質の判定動作の詳細は節(A−2−5)で後述する。
制御装置2は、第2判定部214の判定が否定判定であれば(S210:Yes)、第1通信経路を、通信品質が基準値を満たさないと判定された区間を含まない第2通信経路へ切り替える(S212)。第2判定部214の判定が否定判定であるとは、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間における通信品質が基準値を満たさないことを意味する。制御装置2の第2経路決定部212(図2)が、通信経路を第2通信経路へ切り替える。
制御装置2は、第1通信経路を第2通信経路に切り替えるにあたり、記憶部22を参照する。制御装置2は、宛先端末であるノードへの通信経路のうち、第2判定部214が否定判定とした区間を含まず、かつ優先順位が相対的に高い通信経路を、第2通信経路として選択する。
制御装置2は、第2判定部214の判定が否定判定でなければ(S210:No)、変数nの値が第1通信経路の最大ホップ数と等しいかを判定する(S214)。第2判定部214の判定が否定判定でないとは、第2判定部214の判定が肯定判定であることを意味する。これは、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間における通信品質が基準値を満たすことを意味する
制御装置2は、変数nの値が第1通信経路の最大ホップ数と等しいならば(S214:Yes)、第1通信経路の使用を維持する(S216)。制御装置2は、変数nの値が第1通信経路の最大ホップ数と等しくないならば(S214:No)、処理を戻し、変数nを1だけインクリメントし(S22)、処理を継続する。
制御装置2は、第2判定部214の判定結果が否定判定となるか(S210:Yes)、変数nの値が第1通信経路の最大ホップ数と等しくなる(S214:Yes)まで、第1通信経路の各区間に対して、順次に通信品質を判定する。
なお、変数nの値が第1通信経路の最大ホップ数と等しくなる場合(S214:Yes)とは、第1通信経路の各区間に対して順次に通信品質を判定した結果、第1通信経路のいずれの区間も、通信品質が基準値を満たすこと意味する。
(A−2−4)具体例の例示 その1
節(A−2−2)および節(A−2−3)で説明した制御装置2の動作を、具体例を示して説明する。具体例は、図4に示す無線通信装置3のうち無線通信装置3−3(ノードd)がデータの宛先端末として設定され、基地局装置4(ノードa)からノードdへ、通信経路abd(第1通信経路)を用いてデータが送信される。そして、通信経路abd(第1通信経路)において、ノードbとノードdとの区間bdの通信品質は基準値を満たさず、これを受け制御装置2が、ノードdへの通信経路を通信経路abdから通信経路acd(第2通信経路)へ切り替える。
本具体例において、制御装置2は図6に示すフローチャートに従い、次のように動作する。
制御装置2は、通信システム1に含まれるノード(無線通信装置3)のうちノードd(無線通信装置3−3)を宛先端末に決定し、ノードdへのデータ送信に用いる第1通信経路として通信経路abdを選択する(S10)。制御装置2は、記憶部22に記憶される通信経路の情報(図5)を参照して、ノードdに対応する通信経路のうち、最も優先順位の高い通信経路abdを選択する。
制御装置2は、基地局装置4(ノードa)を制御して、ノードdへ第1通信経路を用いてデータを送信する(S12)。データは基地局装置4(ノードa)から送信され、ノードbを経由してノードdへ送信される。送信されるデータは、ノードdからノードaへデータの受信応答を送信させる指示情報を含む。
制御装置2は、ノードdから受信応答を受信したかを判定する(S14)。
本具体例では、ノードbとノードdとの区間bdの通信品質は基準値を満たさないため、制御装置2は、待機時間内にノードdから受信応答を受信しない(S14:NoかつS16:Yes)。制御装置2は、第1通信経路の通信品質を判定する処理へ移行する(S18)。
本具体例において、制御装置2は図7に示すフローチャートに従い、次のように動作する。
制御装置2は、通信品質の判定動作に用いる変数nの値を0にセットする(S20)。次いで制御装置2は変数nを1だけインクリメントし、n=1とする(S22)。
変数nの値はn=1であるから、制御装置2は第1通信経路(通信経路abd)において1ホップ目のノードであるノードbに、調査信号を送信する(S24)。ノードbはノードaから調査信号を受信し、受信した調査信号の受信強度を測定する。
制御装置2は、ノードbから応答信号を受信する(S26)。応答信号は、1ホップ目のノードであるノードbを示す識別子と、0ホップ目のノードであるノードaを示す識別子と、ノードbで測定された受信強度の情報とを含む。
制御装置2は、1ホップ目のノードであるノードbと、0ホップ目のノードであるノードa(基地局装置4)との区間abの通信品質を判定する(S28)。本具体例においては、通信経路abd(第1通信経路)において、ノードbとノードdとの区間bdの通信品質は基準値を満たさず、他の区間の通信品質は基準値を満たす。具体的には、制御装置2はノードbとノードaとの区間abに対し、後述する通信の成功率または受信強度のいずれについても基準値を満たすと判定する。したがって、第2判定部214(図2)は、処理S28において、区間abの通信品質は基準値を満たすと判定する(S210:No)。
制御装置2は、変数nの値であるn=1が、第1通信経路の最大ホップ数と等しいかを判定する(S214)。第1通信経路(通信経路abd)の最大ホップ数は2であるから、当該判定は否定判定となる(S214:No)。
制御装置2は、変数nを1だけインクリメントし、n=2とする(S22)。
変数nの値はn=2であるから、制御装置2は第1通信経路(通信経路abd)において2ホップ目のノードであるノードdに、調査信号を送信する(S24)。ノードdはノードbから調査信号を受信し、受信した調査信号の受信強度を測定する。
制御装置2は、ノードdから応答信号を受信する(S26)。応答信号は、2ホップ目のノードであるノードdを示す識別子と、1ホップ目のノードであるノードbを示す識別子と、ノードdで測定された受信強度の情報とを含む。
制御装置2は、2ホップ目のノードであるノードdと、1ホップ目のノードであるノードbとの区間bdの通信品質を判定する(S28)。本具体例においては、通信経路abd(第1通信経路)において、ノードbとノードdとの区間bdの通信品質は基準値を満たさない。具体的には、制御部2はノードbとノードdとの区間bdに対し、後述する通信の成功率または受信強度の少なくとも一方は基準値を満たさないと判定する。したがって、第2判定部214(図2)は、処理S28において、区間bdの通信品質は基準値を満たさないと判定する(S210:Yes)。
制御装置2は、第1通信経路である通信経路abdを、通信品質が基準値を満たさないと判定された区間bdを含まない第2通信経路へ切り替える(S212)。
制御装置2は、第1通信経路を第2通信経路に切り替えるにあたり、記憶部22を参照する。記憶部22に、ノードdへの通信経路として、通信経路abd、通信経路acd、通信経路abcdおよび通信経路acbdが記憶される。第2判定部214は区間bdの通信品質は基準値を満たさないと判定したので、第2経路決定部212は、通信経路acd、通信経路abcdおよび通信経路acbdのうち、区間bdを含まない通信経路acdと通信経路abcdとを第2通信経路の候補とする。そして第2経路決定部212は、通信経路acdと通信経路abcdとのうち優先順位が相対的に高い通信経路acd(優先順位が2)を、第2通信経路として選択する。
(A−2−5)通信品質の判定動作の詳細
次に、制御装置2が第1通信経路における通信品質を判定する動作(図7のS24からS28)について、その詳細を説明する。
制御装置2が通信品質を判定する動作は、第1の判定動作と第2の判定動作の二つに分かれる。制御装置2の第2判定部214(図2)は、第1の判定動作で、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間における通信の成功率を判定する。また制御装置2の第2判定部214は、第2の判定動作で、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間における受信強度を判定する。
(A−2−5−1)第1の判定動作
図8は制御装置の第1の判定動作を示すフローチャートである。
制御装置2は、基地局装置4(ノードa)を制御して、第1通信経路に含まれるnホップ目のノードへ調査信号を送信する(S30)。処理S30の動作は、図7のフローチャートにおける処理S24を指す。
制御装置2は、nホップ目のノードから調査信号に対する応答信号を受信したか判定する(S32)。具体的には、制御装置2の第2判定部214は、予め定められる待機時間を計時し(S36)、待機時間内にnホップ目のノードから受信応答を受信した場合は(S32:Yes)、受信応答に含まれる受信強度の情報を記憶部22に記憶する(S34)。
待機時間は、第1判定部213(図2)が計時する待機時間と同様である。制御装置2は、待機時間内にnホップ目のノードから受信応答を受信しない場合は(S32:NoかつS36:Yes)、受信応答なしと見做して記憶部22に記憶する(S38)。
制御装置2は、nホップ目のノードへ規定回数のx回、調査信号を送信したかを判定する(S310)。規定回数は任意であり、予め定められる。制御装置2はnホップ目のノードへ規定回数、調査信号を送信していない場合は(S310:No)、処理を戻し、規定回数に達するまでnホップ目のノードへ調査信号を送信し、応答信号を受信して記憶する(S30からS34、あるいはS30からS38が繰り返される)。制御装置2はnホップ目のノードへ規定回数、調査信号を送信した場合は(S310:Yes)、処理を次に進める。
制御装置2は、記憶部22に記憶された受信強度の情報の総数を導出する。記憶部22に記憶された受信強度の情報の総数は、制御装置2がnホップ目のノードから受信応答を受信した回数に等しい。そして制御装置2は、nホップ目のノードから受信応答を受信した回数(記憶部22に記憶された受信強度の情報の総数)が、第1の閾値以上であるかを判定する(S312)。調査信号の送信回数に対する受信応答の受信回数は、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとにおける通信の成功率を示す。第1の閾値は、無線通信装置3が隣接するノードと通信を行う際に要求される、通信の成功率の最低値とするのが好適である。具体的には、第1の閾値は、調査信号の送信回数(上述の規定回数)であるx回の7割から9割とする。なお、記憶部22に記憶された受信強度の情報の総数が、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間における通信の成功率を示す情報である。また第1の閾値は、制御装置2が第1の判定動作を行う際に用いられる、通信の成功率に関する基準値である。
制御装置2は、nホップ目のノードから受信応答を受信した回数が、第1の閾値以上であれば(S312:Yes)、第1の判定動作から第2の判定動作へ移行する(S314)。この場合は、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間において、通信の成功率は基準値を満たすことを意味する。
制御装置2は、nホップ目のノードから受信応答を受信した回数が、第1の閾値より小さければ(S312:No)、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間における通信品質は基準値を満たさないと判定する(S316)。この場合は、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間において通信の成功率は基準値を満たさないことを意味する。
図8の処理S316の結果が、図7のフローチャートにおける処理S28の結果である。nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間において、通信の成功率が基準値を満たさない場合、図8の処理S312が否定判定へ分岐して処理S316に進み、図7のフローチャートにおける処理S210が肯定判定となる(S210:Yes)。
(A−2−5−2)第2の判定動作
続いて、制御装置2の第2の判定動作を説明する。図9は制御装置の第2の判定動作を示すフローチャートである。
制御装置2は、第1の判定動作(図8)で、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間における通信の成功率は基準値を満たすと判定すると(図8のS312:Yes)、第2の判定動作へ移行する(図8のS314)。
制御装置2は、第1の判定動作の時点において、nホップ目のノードから応答信号を受信し、応答信号に含まれる受信強度の情報(値)を記憶部22(図2)に記憶している(図8のS34およびS38)。制御装置2は、受信強度の値のそれぞれを第2の閾値と比較する(S40)。第2の閾値は、無線通信装置3が隣接するノードと通信を行う際に必要とされる、電波の受信強度の最低値とするのが好適である。電波の受信強度の最低値は、例えば−90dBm(dBmW:デシベルミリワットと同義)などであり、これを第2の閾値とする。
制御装置2は、受信強度の値のそれぞれを第2の閾値と比較した結果、受信強度が第2の閾値以上である回数mを導出する(S42)。この受信強度が第2の閾値以上である回数mの情報が、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間における受信強度を示す情報である。
制御装置2は、受信強度が第2の閾値以上である回数mが、nホップ目のノードへ調査信号を送信した回数xの所定の割合以上であるかを判定する(S44)。所定の割合は、例えば50%である。この所定の割合は、制御装置2が第2の判定動作を行う際に用いられる、受信強度に関する基準値である。
制御装置2は、受信強度が第2の閾値以上である回数mが、送信回数xの所定割合以上であれば(S44:Yes)、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間の通信品質は基準値を満たすと判定する(S46)。この場合、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間の通信品質において、通信の成功率は基準値を満たし、(第1の判定動作)、また受信強度も基準値を満たすことを意味する。
制御装置2は、受信強度が第2の閾値以上である回数mが、送信回数xの所定割合より小さいのであれば(S44:No)、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間の通信品質は基準値を満たさないと判定する(S48)。この場合、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間の通信品質は、通信の成功率は基準値を満たすが(第1の判定動作)、受信強度は基準値を満たさないことを意味する。
なお、図9の処理S46または処理S48による結果が、図7のフローチャートにおける処理S28の結果となる。第2の判定動作において、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間の通信品質が基準値を満たさないと判定されると(S48)、図7のフローチャートにおける処理S210が肯定判定となる(S210:Yes)。この場合、制御装置2は宛先端末であるノードへの通信経路を、第1通信経路から第2通信経路へ切り替える(S212)。
第2の判定動作において、nホップ目のノードとn−1ホップ目のノードとの区間の通信品質が基準値を満たすと判定されると(S46)、図7のフローチャートにおける処理S210が否定判定となる(S210:No)。この場合、制御装置2は上述のとおり、変数nの値に応じて、第1通信経路の使用を維持する(S216)か、処理を第1の判定動作に戻し、通信品質の判定動作を継続する。
(A−2−6)具体例の例示 その2
節(A−2−6−1)および節(A−2−6−2)で説明した制御装置2の動作を、具体例を示して説明する。具体例は、節(A−2−5)と同様に、図4に示す無線通信装置3のうち無線通信装置3−3(ノードd)がデータの宛先端末として設定され、基地局装置4(ノードa)からノードdへ、通信経路abd(第1通信経路)を用いてデータが送信される。そして、通信経路abd(第1通信経路)において、ノードbとノードdとの区間bdの通信品質は基準値を満たさない。
本節では、区間bdの通信品質が通信の成功率において基準値を満たさない第1のケースと、区間bdの通信品質が通信の成功率において基準値を満たすが、受信強度において基準値を満たさない第2のケースとの二つを例示する。
なお本節の説明では、図8の処理S310において、制御装置2がnホップ目のノードへ調査信号を送信する規定回数を10回とする(x=10)。さらに、図8の処理S312における第1の閾値を、規定回数である10回の7割(7回)とする。さらに、図9の処理S40における第2の閾値を−90dBmとし、図9の処理S44における所定割合を、規定回数である10回の5割とする。
(A−2−6−1)第1のケース
第1のケースは、区間bdの通信品質が、通信の成功率において基準値を満たさない。
制御装置2は、節(A−2−2)から節(A−2−5)で説明したように、第1通信経路を用いて宛先端末であるノードdへデータ送信を行う。制御装置2は、ノードdからデータの受信応答を受信しないことに伴って、通信品質の判定動作へ移行する(図6のS18)。
制御装置2は、まず図8のフローチャートに示す第1の判定動作を実行する。制御装置2は、基地局装置4(ノードa)を制御して、第1通信経路に含まれる1ホップ目のノードbへ調査信号を送信する(S30)。
制御装置2は、予め定められる待機時間を計時し(S36)、待機時間内にノードbから受信応答を受信した場合は(S32:Yes)、受信応答に含まれる受信強度の情報を記憶部22に記憶する(S34)。ここでは、制御装置2はノードbから待機時間内に受信応答を受信するものとする。
制御装置2は、ノードbへ規定回数の10回、調査信号を送信する(S310:Yes)。制御装置2は、調査信号をノードbへ送信する都度、ノードbから受信応答を受信し、応答信号に含まれる受信強度の値を記憶部22(図2)に記憶する。
図10は、制御装置の記憶部に記憶された、受信強度の情報を示す第1のテーブルである。上述した動作により、制御装置2の記憶部22に、第1のテーブルの1行目に示す情報が記憶される。第1のテーブルの1行目は、「n−1ホップ目のノード」欄にノードaの識別子が記憶される。「nホップ目のノード」欄にノードbの識別子が記憶される。「受信強度」欄に、ノードbが測定した調査信号の受信強度の値が、規定回数の数(10個)、記憶される。
制御装置2は、ノードbから受信応答を受信した回数が、規定回数である10回の7割(第1の閾値)以上であるかを判定する(S312)。制御装置2は、規定回数の10回に対し、ノードbから応答信号を10回受信したので、当該判定は肯定判定となる(S312:Yes)。
制御装置2は、図9のフローチャートに示す第2の判定動作に移行する(S314)。
制御装置2は、記憶部22に記憶される受信強度の値のそれぞれを、第2の閾値である−90dBmと比較する(S40)。
制御装置2は、受信強度が−90dBm以上である回数mを導出し(S42)、回数mがノードdへの調査信号の送信回数10回の5割以上であるかを判定する(S44)。記憶部22に記憶される受信強度の値は、いずれも−90dBm以上であるので、回数mは10であり、これはノードdへの調査信号の送信回数10回の5割以上である(S44:Yes)。
制御装置2は、1ホップ目のノードbと0ホップ目のノードaとの区間abの通信品質は基準値を満たすと判定する(S46)。
制御装置2は、当該判定により区間abの通信品質は基準値を満たすことを把握する(図7のS210:No)。ここで、変数nの値は1であり、これは第1通信経路の最大ホップ数2と等しくないので(図7のS214:No)、制御装置2は変数nを1だけインクリメントし、通信品質を調査する対象のノードを変更して、第1の判定動作へ移行する。
制御装置2は、第1通信経路に含まれる2ホップ目のノードdに対し、1ホップ目のノードbに対する動作と同様に、図8のフローチャートの処理S30から処理S310を実行する。
当該動作により、制御装置2の記憶部22に、第1のテーブルの2行目に示す情報が記憶される。第1のテーブルの2行目は、「n−1ホップ目のノード」欄にノードbの識別子が記憶される。「nホップ目のノード」欄にノードdの識別子が記憶される。「受信強度」欄に、ノードdが測定した調査信号の受信強度の値が記憶される。ただし、制御装置2は、3回目、6回目、8回目および10回目にノードdへ送信した調査信号については、ノードdから応答信号を受信せず(図8のS32:YesかつS36:No)、応答信号なしと見做して記憶部22に記憶している(図8のS38)。第1のテーブルの2行目における斜線部分が、応答信号なしを示す。
制御装置2は、ノードdから受信応答を受信した回数が、規定回数である10回の7割(第1の閾値)以上であるかを判定する(S312)。制御装置2は、規定回数の10回に対し、ノードbから応答信号を6回受信しており、これは規定回数である10回の7割(第1の閾値)より小さい。したがって当該判定は否定判定となる(S312:No)。
制御装置2は、2ホップ目のノードdと1ホップ目のノードbとの区間bdにおける通信品質は基準値を満たさないと判定する(S316)。
制御装置2は、当該判定により区間bdの通信品質は基準値を満たさないことを把握する(図7のS210:Yes)。
制御装置2は、宛先端末であるノードdへの通信経路を、第1通信経路(通信経路abd)から第2通信経路(通信経路acd)へ切り替える(S212)。
(A−2−6−2)第2のケース
第2のケースは、区間bdの通信品質は通信の成功率において基準値を満たすが、区間bdの通信品質は受信強度において基準値を満たさない。
制御装置2は、節(A−2−2)から節(A−2−5)で説明したように、第1通信経路を用いて宛先端末であるノードdへデータ送信を行う。制御装置2は、ノードdからデータの受信応答を受信しないことに伴って、通信品質の判定動作へ移行する(図6のS18)。
制御装置2は、まず図8のフローチャートに示す第1の判定動作を実行する。制御装置2は、基地局装置4(ノードa)を制御して、第1通信経路に含まれる1ホップ目のノードbへ調査信号を送信する。そして制御装置2は、1ホップ目のノードbと0ホップ目のノードaとの区間abについて、受信強度に係る情報を取得する。当該動作は上述した第1のケースと同様である。
図11は、制御装置の記憶部に記憶された、受信強度の情報を示す第2のテーブルである。上述の動作により、制御装置2の記憶部22に、第2のテーブルの1行目に示す情報が記憶される。第2のテーブルの1行目は、「n−1ホップ目のノード」欄にノードaの識別子が記憶される。「nホップ目のノード」欄にノードbの識別子が記憶される。「受信強度」欄に、ノードbが測定した調査信号の受信強度の値が、規定回数の数(10個)、記憶される。
制御装置2は、ノードbから受信した受信強度に係る情報を用いて、第1のケースと同様に、区間abにおける通信の成功率が基準値を満たすか否か判定する(図8のS312)。第2のケースでは、第1のケースと同様に、制御装置2がノードbから受信応答を受信した回数は10回であり、これは規定回数である10回の7割(第1の閾値)以上であるので(S312:Yes)。制御装置2は第2の判定動作に移行する(S314)。
制御装置2は、ノードbから受信した受信強度に係る情報を用いて、第1のケースと同様に、区間abにおける受信強度が基準値を満たすか否か判定する(図9のS44)。第2のケースでは、第1のケースと同様に、記憶部22に記憶される受信強度の値はいずれも−90dBm(第2の閾値)以上である。したがって、受信強度の値が第2の閾値以上である回数は10回であり、ノードdへの調査信号の送信回数10の5割以上である(S44:Yes)。
制御装置2は、1ホップ目のノードbと0ホップ目のノードaとの区間abの通信品質は基準値を満たすと判定する(S46)。
制御装置2は、当該判定により区間abの通信品質は基準値を満たすことを把握する(図7のS210:No)。ここで、変数nの値は1であり、これは第1通信経路の最大ホップ数2と等しくないので、制御装置2は変数nを1だけインクリメントし、通信品質を調査する対象のノードを変更して、第1の判定動作へ移行する。
制御装置2は、第1通信経路に含まれる2ホップ目のノードdに対し、1ホップ目のノードbに対する動作と同様に、図8のフローチャートの処理S30から処理S310を実行する。
当該動作により、制御装置2の記憶部22に、第2のテーブルの2行目に示す情報が記憶される。第2のテーブルの2行目は、「n−1ホップ目のノード」欄にノードbの識別子が記憶される。「nホップ目のノード」欄にノードdの識別子が記憶される。「受信強度」欄に、ノードdが測定した調査信号の受信強度に係る情報が記憶される。ただし、制御装置2は、8回目にノードdへ送信した調査信号についてはノードdから応答信号を受信せず(図8のS32:YesかつS36:No)、応答信号なしと見做して記憶部22に記憶している(図8のS38)。第2のテーブルの2行目における斜線部分が、応答信号なしを示す。
制御装置2は、ノードdから受信応答を受信した回数が、規定回数である10回の7割(第1の閾値)以上であるかを判定する(S312)。制御装置2は、規定回数の10回に対し、ノードbから応答信号を9回受信している。これは規定回数である10回の7割(第1の閾値)以上である。したがって当該判定は肯定判定となり(S312:Yes)、制御装置2は第2の判定動作へ移行する(S314)。
制御装置2は、記憶部22に記憶される受信強度の値のそれぞれを、第2の閾値である−90dBmと比較する(S40)。
制御装置2は、受信強度が−90dBm以上である回数mを導出し(S42)、回数mがノードdへの調査信号の送信回数10回の5割以上であるかを判定する(S44)。記憶部22に記憶される受信強度の値(第2のテーブルの2行目)について、受信強度の値が−90dBm以上であるのは、1回目、4回目、6回目、9回目である。したがって、受信強度が−90dBm以上である回数は4回であり、これはノードdへの調査信号の送信回数10回の5割より小さい。したがって、当該判定は否定判定となる(S44:No)。
制御装置2は、2ホップ目のノードdと1ホップ目のノードbとの区間bdにおける通信品質は基準値を満たさないと判定する(S48)。
制御装置2は、当該判定により区間bdの通信品質は基準値を満たさないことを把握する(図7のS210:Yes)。
制御装置2は、宛先端末であるノードdへの通信経路を、第1通信経路(通信経路abd)から第2通信経路(通信経路acd)へ切り替える(S212)。
(A−2−7)制御装置2の動作に関する補足説明
上述した制御装置2の動作に関し、補足説明を行う。
(A−2−7−1)補足説明1
上述した説明では、図4に示す通信システム1において、無線通信装置3−3(ノードd)がデータの宛先端末である場合を例示した。本実施形態においては、無線通信装置3−1(ノードb)または無線通信装置3−2(ノードc)がデータの宛先端末である場合も、無線通信装置3−3(ノードd)がデータの宛先端末である場合と同様に、制御装置2は図6から図9に示すフローチャートの動作を行い、通信経路を切り替えることができる。
例えば、無線通信装置3−1(ノードb)をデータの宛先端末とする場合、制御装置2は、無線通信装置3−1(ノードb)を宛先端末に設定し、記憶部22を参照してノードbへの第1通信経路を通信経路abに設定する(図6のS10)。
制御装置2は、ノードbからデータ送信に対する応答信号を受信しない場合(図6のS14:NoかかつS16:Yes)、通信品質の判定動作へ移行する(図6のS18)。
制御装置2は、基地局装置4(ノードa)とノードbとの区間abに対し、通信品質の判定動作を行う(図7のS20からS28)。
区間abにおいて通信の成功率が基準値を満たさないのであれば、制御装置2は図8に示すフローチャートの動作(第1の判定動作)により、区間abの通信品質は基準値を満たさないと判定する(図8のS316)。また区間abにおいて受信強度が基準値を満たさないのであれば、制御装置2は図9に示すフローチャートの動作(第2の判定動作)により、区間abの通信品質は基準値を満たさないと判定する(図9のS48)。
制御装置2は、区間abの通信品質は基準値を満たさないと判定すると、ノードbへの通信経路を、区間abを含まない第2の通信経路へ切り替える(図7のS212)。制御装置2は通信経路の切り替えに際し、記憶部22(図2)を参照する。記憶部22によれば、ノードbに関し区間abを含まず最も優先順位の高い通信経路は、通信経路acdである。したがって制御装置2は、ノードbへの第2の通信経路として、通信経路acdを選択する。
無線通信装置3−2(ノードc)がデータの宛先端末である場合も、制御装置2は上述した動作を実行し、ノードcへの通信経路を切り替える。
(A−2−7−2)補足説明2
上述した説明では、図4に示す通信システム1において、無線通信装置3−3(ノードd)をデータの宛先端末とし、制御装置2がノードdへの通信経路を、通信経路abd(第1通信経路)から、区間bdを含まない通信経路acd(第2通信経路)へ切り替える動作を説明した。本実施形態では、切り替え後の通信経路における通信品質が基準値を満たさない場合でも、制御装置2は、図6から図9に示すフローチャートの動作を行い、通信経路を再度切り替えることができる。
例えば、無線通信装置3−3(ノードd)をデータの宛先端末とする場合において、制御装置2は、区間bdの通信品質は基準値を満たさないと判定し、ノードdへの通信経路abd(第1の通信経路)を通信経路acd(第2の通信経路)へ切り替えたとする。
制御装置2は、切り替え後の通信経路acd(第2の通信経路)を用いて、ノードdへデータを送信する(S12)。制御装置2は、ノードdからデータ送信に対する応答信号を受信しない場合(図6のS14:NoかかつS16:Yes)、通信品質の判定動作へ移行する(図6のS18)。
制御装置2は、基地局装置4(ノードa)とノードc(無線通信装置3−2)との区間acに対し通信品質の判定動作を行う(図7のS20からS28)。
区間acにおいて通信の成功率が基準値を満たさないのであれば、制御装置2は図8に示すフローチャートの動作(第1の判定動作)により、区間acの通信品質は基準値を満たさないと判定する(図8のS316)。また区間acにおいて受信強度が基準値を満たさないのであれば、制御装置2は図9に示すフローチャートの動作(第2の判定動作)により、区間acの通信品質は基準値を満たさないと判定する(図9のS48)。
制御装置2は、区間acの通信品質は基準値を満たさないと判定すると、ノードdへの通信経路を第3通信経路へ切り替える(図7のS212、「第2通信経路」を「第3通信経路」に読み替えている)。
制御装置2は、区間acを含まず、かつ第1通信経路(通信経路abd)において通信品質は基準値を満たさないと判定した区間bdを含まない通信経路を、第3通信経路として選択する。
制御装置2は、記憶部22を参照する。記憶部22によれば、ノードdに関し区間acと区間bdとを含まず、最も優先順位の高い通信経路は通信経路abcdである。したがって制御装置2は、ノードdへの第3通信経路として、通信経路abcdを選択する。
(A−2−7−3)補足説明3
本実施形態の制御装置2は、記憶部22に、基地局装置4(ノードa)と無線通信装置3(ノードbからノードd)とを結ぶ複数の通信経路の情報を記憶する。
制御装置2は、例えば制御装置2と接続される管理装置5から、通信経路の情報を取得してもよい。管理装置5の使用者が基地局装置4と無線通信装置3との接続関係を定めて、図1に示す通信システム1を構築する運用形態がある。この場合、使用者が、図5に示す通信経路の情報に関するテーブルを管理装置5で作成し、制御装置2は管理装置5から通信経路の情報を取得する。
制御装置2は、基地局装置4から無線通信装置3への通信経路を探索することで、通信経路の情報を取得してもよい。
制御装置2が通信経路を探索する場合、制御装置2は基地局装置4を制御して、無線通信装置3へ経路探索信号をブロードキャスト送信する。無線通信装置3のそれぞれは経路探索信号を受信し、基地局装置4へ応答信号を送信する。制御装置2は基地局装置4が受信した応答信号を用いて、基地局装置4と無線通信装置3のそれぞれとを結ぶ通信経路の情報を取得し、記憶部22に記憶する。
制御装置2が通信経路を探索する手段として、既存の方法を適用することもできる。例えばメッシュネットワークを対象とした経路制御方式であるAODV方式(Ad hoc On−Demand Distance Vector)を利用して、制御装置2が通信経路の情報を取得してもよい。
(A−2−7−4)補足説明4
上述した実施形態では、図1または図4に示すように、制御装置2と基地局装置4が有線で接続される構成を説明した。
制御装置2が、基地局装置4に組み込まれる構成であってもよい。この場合、制御装置2を内部に備える基地局装置4が、管理装置5と接続される。
(A−3)実施形態における効果
本実施形態の制御装置2は、第1の通信経路を用いてデータの宛先端末である無線通信装置3へデータを送信し、宛先端末からデータの受信応答が得られないならば、第1通信経路に含まれる無線通信装置3へ調査信号を送信する。制御装置2は、第1通信経路における無線通信装置3同士の区間に対して、各区間の通信品質が基準値を満たすか否かを判定する。そして制御装置2は、第1通信経路の区間のいずれかにおいて、通信品質が基準値を満たさないと判定すると、宛先端末への通信経路を、第1通信経路から、通信品質が基準値を満たさないと判定された区間を含まない第2通信経路へ切り替える。
従来技術においては、データの送信元端末(本実施形態における基地局装置4)からデータの宛先端末への通信に障害が発生したことに伴い、経路探索信号がブロードキャストでネットワークへ送信され、切り替え後の通信経路(本実施形態における第2通信経路)が探索される。従来技術においては、通信に障害が生じた通信経路と関係のない無線通信装置にも、通信経路を切り替えるための信号が送信される。そのため、従来技術では通信経路の切り替えに際してネットワーク全体で余計な電力が消費される。
対して本実施形態の制御装置2は、第1の通信経路を用いてデータの宛先端末である無線通信装置3へデータを送信し、宛先端末からデータの受信応答が得られないならば、第1通信経路に含まれる無線通信装置3へ調査信号を送信する。本実施形態の制御装置2は、通信に障害が生じた通信経路と関係のない無線通信装置に調査信号を送信することなく、通信経路の切り替えが可能である。したがって本実施形態の制御装置2は、従来技術に比べ、マルチホップ通信ネットワーク全体に係る負荷を低減して、送信元端末と宛先端末とを結ぶ通信経路を切り替えることが可能である。換言すると、通信に障害が生じた通信経路と関係のない無線通信装置に調査信号を送信しない本実施形態の制御装置2は、マルチホップ通信ネットワーク全体で省電力(信号送受由来の余計な電力の消費をしないこと)を図りつつ、送信元端末と宛先端末とを結ぶ通信経路を切り替えることが可能である。換言すると、通信に障害が生じた通信経路と関係のない無線通信装置に調査信号を送信しない本実施形態の制御装置2は、迅速に通信経路を切り替えることが可能である。
内部電源を備える複数の無線通信装置を一定の場所に設置して運用するマルチホップ通信ネットワークに、本実施形態の制御装置2を適用すると、マルチホップ通信ネットワークの消費電力面での耐用期間が向上し、またマルチホップ通信ネットワークの通信障害に対する耐性が向上する。
(B)変形例
(B−1)変形例1
上述した実施形態における制御装置2に、次の変形例を適用してもよい。
上述した実施形態における制御装置2は、宛先端末へのデータ送信の成否を判定する動作(図6)と、第1通信経路において通信品質が基準値を満たさない区間の特定、および第2通信経路への切り替えの動作(図7、図8、図9)とを自律的に行う。
基地局装置4(ノードa)と宛先端末であるノード(無線通信装置3)とを結ぶ通信経路を用いたデータ送信が失敗したこと、データ通信が失敗したことに伴い制御装置2が通信経路を切り替えたことを、通信システム1の使用者が把握可能とすることが求められる。
そこで、第1通信経路を用いた宛先端末へのデータ送信の成否を判定する動作(図6)と、第1通信経路において通信品質が基準値を満たさない区間の特定、および第2通信経路への切り替えの動作(図7)とに関する制御装置2の動作履歴(動作ログ)を、制御装置2が生成してもよい。
制御装置2が動作履歴を生成するにあたり、図6、図7、図8および図9に示す各処理を行った時刻と処理結果の情報とを関連付けて、動作履歴としてもよい。動作履歴は、通信システム1の使用者が読解可能な、自然言語で表現されたテキストファイルとして生成されるのが好適である。また制御装置2は、生成した動作履歴を管理装置5へ送信するのが好適である。
制御装置2が、第1通信経路における区間の通信品質は基準値を満たさないと判定した場合(図7のS210、または図8のS316、または図9のS48)、制御装置2は、通信品質が基準値を満たさないと判定された区間を識別する情報を含む動作履歴を生成するのが好適である。区間を識別する情報とは、例えば区間の両端にあるノードの識別子である。
制御装置2が第1通信経路を第2通信経路へ切り替えた場合(図7のS212)、制御装置2は、第1通信経路と第2通信経路とを識別する情報を含む動作履歴を生成するのが好適である。第1通信経路と第2通信経路とを識別する情報とは、例えば図5の「通信経路」欄のように、通信経路の名称(通信経路ab)である。
また、制御装置2が第1通信経路を第2通信経路へ切り替えず、第1通信経路の使用を維持した場合(図7のS216)、制御装置2は、第1通信経路の使用を維持したことを示す動作履歴を生成するのが好適である。
制御装置2が第1通信経路の使用を維持する場合(図7のS216)とは、基地局装置4から宛先端末であるノードへの第1通信経路に障害が発生したことを制御装置2が検知したものの、制御装置2は、第1通信経路における通信品質は基準値を満たすと判定したことを意味する。
図1に示すような、複数の無線通信装置3が一定の場所に設置されて運用される通信システム1では、あるノードと他のノードとの間の空間における通信品質が、一時的に基準値を満たさなくなることがある。例えば、あるノードと他のノードとの間を物体が通過すると、電波伝搬が妨げられ、ノード間の通信が失敗することがある。
制御装置2が、第1通信経路の使用を維持したことを示す動作履歴を生成することで、通信システム1の使用者は、基地局装置4から宛先端末であるノードへの第1通信経路において、一時的に電波伝搬が妨げられる事象が発生しうることを認識することができる。
1…通信システム、2…制御装置、3…無線通信装置、4…基地局装置、5…管理装置
21…制御部、22…記憶部、23…入出力インタフェース、
24…LANインタフェース、
211…第1経路決定部、212…第2経路決定部、213…第1判定部、
214…第2判定部、215…通信制御部、216…導出部、
31…制御部、32…記憶部、33…センサー、34…無線インタフェース、
35…アンテナ、36…入出力インタフェース、
311…通信部、312…測定部

Claims (11)

  1. 基地局装置と複数の無線通信装置とがマルチホップ通信を行うメッシュネットワークにおける、前記基地局装置を制御する制御装置であって、
    前記マルチホップ通信の複数の通信経路に関する複数の経路情報を記憶する記憶部と、
    前記複数の無線通信装置のうち一つをデータ送信先の宛先端末として決定し、前記複数の経路情報のうち一つを、前記基地局装置から前記宛先端末への第1通信経路として設定する第1経路決定部と、
    前記基地局装置に、前記第1通信経路を用いて前記宛先端末へデータ送信するよう指示し、前記宛先端末から前記基地局装置に送信される、前記データ送信に対する応答情報の入力を受け付ける通信制御部と、
    前記通信制御部に前記応答情報が入力されないならば、前記基地局装置から前記宛先端末への前記データ送信を失敗と判定する第1判定部と、
    前記第1判定部が失敗と判定すると、前記第1通信経路に含まれる前記無線通信装置と前記基地局装置とが隣接する第1通信区間、および前記第1通信経路に含まれる前記無線通信装置同士が隣接する第2通信区間のそれぞれに対し、通信品質情報を導出する導出部と、
    前記第1通信区間および前記第2通信区間の通信品質の基準値を保持し、前記導出部から入力された前記通信品質情報を用いて前記第1通信区間および前記第2通信区間の通信品質を判定する第2判定部と、
    前記第2判定部が、前記第1通信区間または前記第2通信区間のいずれかの通信品質が前記基準値を満たさないと判定すると、前記複数の経路情報のうち、前記基地局装置から前記宛先端末への通信経路であって、かつ通信品質が前記基準値を満たさないと判定された前記第1通信区間または前記第2通信区間を含まない経路情報を、第2通信経路として設定する第2経路決定部と、
    を備えることを特徴とする制御装置。
  2. 前記通信品質情報は、前記通信区間毎における通信成功率の情報を含み、
    前記第2判定部は、前記通信成功率の情報と、通信成功率を示す前記基準値とを比較することで、前記通信区間毎の通信品質を判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記通信品質情報は、前記通信区間毎における受信信号強度の情報を含み、
    前記第2判定部は、前記受信信号強度の情報と、受信信号強度を示す前記基準値とを比較することで、前記通信区間毎の通信品質を判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  4. 前記通信品質情報は、前記通信区間毎における、通信成功率の情報と受信信号強度の情報とを含み、
    前記第2判定部は、前記通信成功率の情報と、通信成功率を示す前記基準値とを比較し、前記受信信号強度の情報と、受信信号強度を示す前記基準値とを比較することで、前記通信区間毎の通信品質を判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  5. 前記第2判定部は、前記通信成功率の情報を用いた通信品質の判定と、前記受信信号強度の情報を用いた通信品質の判定とを行い、
    前記第2経路決定部は、前記第2判定部が、前記通信成功率の情報を用いた通信品質の判定または前記受信信号強度の情報を用いた通信品質の判定で、前記通信区間の通信品質が前記基準値を満たさないと判定すると、前記第2通信経路を設定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記記憶部は、前記複数の経路情報について優先順位の情報を記憶し、
    前記第1経路決定部は、前記複数の経路情報のうち、前記基地局装置と前記宛先端末とを結ぶ通信経路であって前記優先順位が最も高いものを前記第1通信経路として設定し、
    前記第2経路決定部は、前記複数の経路情報のうち、前記基地局装置と前記宛先端末とを結び、前記第2判定部が前記基準値を満たさないと判定した前記通信区間を含まず、かつ第1通信経路の次に前記優先順位が高いものを第2通信経路とする、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の制御装置。
  7. 前記通信制御部は、前記第1判定部が失敗と判定すると、前記基地局装置に、前記通信区間毎において前記宛先端末の側に位置する前記無線通信装置へ調査信号の送信を指示し、
    前記導出部は、前記調査信号に対する応答信号を用いて、前記通信品質情報を導出する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の制御装置。
  8. 基地局装置と複数の無線通信装置とがマルチホップ通信を行うメッシュネットワークにおける、前記基地局装置を制御する制御装置のコンピュータを、
    前記マルチホップ通信の複数の通信経路に関する複数の経路情報を記憶する記憶手段、
    前記複数の無線通信装置のうち一つをデータ送信先の宛先端末として決定し、前記複数の経路情報のうち一つを、前記基地局装置から前記宛先端末への第1通信経路として設定する第1経路決定手段、
    前記基地局装置に、前記第1通信経路を用いて前記宛先端末へデータ送信するよう指示し、前記宛先端末から前記基地局装置へ送信される、前記データ送信に対する応答情報の入力を受け付ける通信制御手段、
    前記通信制御手段に前記応答情報が入力されないならば、前記基地局装置から前記宛先端末への前記データ送信を失敗と判定する第1判定手段、
    前記第1判定手段が失敗と判定すると、前記第1通信経路に含まれる前記無線通信装置と前記基地局装置とが隣接する第1通信区間、および前記第1通信経路に含まれる前記無線通信装置同士が隣接する第2通信区間のそれぞれに対し、通信品質情報を導出する導出手段、
    前記第1通信区間および前記第2通信区間の通信品質の基準値を保持し、前導出手段から入力された前記通信品質情報を用いて前記第1通信区間および前記第2通信区間の通信品質を判定する第2判定手段、
    前記第2判定手段が、前記第1通信区間または前記第2通信区間のいずれかの通信品質が前記基準値を満たさないと判定すると、前記複数の経路情報のうち、前記基地局装置から前記宛先端末への通信経路であって、かつ通信品質が前記基準値を満たさないと判定された前記第1通信区間または前記第2通信区間を含まない経路情報を、第2通信経路として設定する第2経路決定手段、
    として機能させることを特徴とする制御プログラム。
  9. 基地局装置と複数の無線通信装置とがマルチホップ通信を行い、前記マルチホップ通信の複数の通信経路に関する複数の経路情報を記憶し、前記基地局装置を制御する制御装置を含むメッシュネットワークにおいて、
    前記制御装置が、前記複数の無線通信装置のうち一つをデータ送信先の宛先端末として決定し、前記複数の経路情報のうち一つを、前記基地局装置から前記宛先端末への第1通信経路として設定する第1のステップと、
    前記制御装置が、前記基地局装置に前記第1通信経路を用いて前記宛先端末へデータ送信するよう指示し、前記宛先端末から前記基地局装置へ送信される、前記データ送信に対する応答情報の入力を受け付ける第2のステップと、
    前記制御装置に前記応答情報が入力されないならば、前記制御装置が、前記基地局装置から前記宛先端末への前記データ送信を失敗と判定する第3のステップと、
    前記第3のステップにおいて失敗と判定されると、前記制御装置が、前記第1通信経路に含まれる前記無線通信装置と前記基地局装置とが隣接する第1通信区間、および前記第1通信経路に含まれる前記無線通信装置同士が隣接する第2通信区間のそれぞれに対し、通信品質情報を導出する第4のステップと、
    前記制御装置が、前記通信品質情報と、前記制御装置に保持される前記第1通信区間および前記第2通信区間の通信品質の基準値とを用いて、前記通信区間毎の通信品質を判定する第5のステップと、
    前記第5のステップにおいて、前記第1通信区間または前記第2通信区間のいずれかの通信品質が前記基準値を満たさないと判定されると、前記制御装置が、前記複数の経路情報のうち、前記基地局装置から前記宛先端末への通信経路であって、かつ通信品質が前記基準値を満たさないと判定された前記第1通信区間または前記第2通信を含まない経路情報を、第2通信経路として設定する第6のステップと、
    を含むことを特徴とする制御方法。
  10. 複数の無線通信装置がマルチホップ通信を行うネットワークにおいて基地局装置として動作し、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の制御装置を備える通信装置。
  11. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の制御装置を含み、当該制御装置と接続された基地局装置と、複数の無線通信装置との間でマルチホップ通信が行われる通信システム。
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