JP2020143865A - 送気ダクト及び空調システム - Google Patents

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裕生 加来
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Abstract

【課題】結露を抑制でき、コンパクトに折り畳めるとともに、損傷しにくい送気ダクトを提供する。【解決手段】送気ダクト4は、ダクト本体41と、保護部材42と、を備える。ダクト本体41は、可撓性及び通気性を有し、細長い円筒状に形成される。保護部材42は、ダクト本体41の周囲に配置され、細長い円筒状に形成される。保護部材42は、変形可能である。【選択図】図2

Description

本発明は、主として、曲げて設置することが可能な送気ダクトに関する。
この種の送気ダクトは、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1のフレキシブルダクトは、内面シートと合成樹脂外面シートとの間にグラスウール層を挟み込み、これをコイル状の金属線材で筒状に保形した構成となっている。
特開平8−14638号公報
しかし、上記特許文献1の構成は、ダクトの外面が合成樹脂シートで覆われているため、内部に例えば冷房風を送気した場合に、表面に結露が生じてしまうおそれがある。また、特許文献1のフレキシブルダクトはコイル状の金属線材を備えているため、非使用時には長手方向に縮めて収納できると考えられるが、径方向で小さくすることはできず、よりコンパクトに収納できる構成が求められていた。更に、例えばフレキシブルダクトを屋外に設置する場合に、外部環境との接触により損傷するおそれがあり、耐久性等の点で改善の余地があった。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、結露を抑制でき、コンパクトに折り畳めるとともに、損傷しにくい送気ダクトを提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の送気ダクトが提供される。即ち、送気ダクトは、筒部材と、網部材と、を備える。前記筒部材は、可撓性及び通気性を有する、細長い円筒状に形成される。前記網部材は、前記筒部材の周囲に配置され、細長い円筒状に形成される。前記網部材は、変形可能である。
これにより、筒部材を外部の環境から機械的に保護できるので、筒部材の損傷等を回避することができる。また、筒部材及び網部材を含めた送気ダクトを容易に曲げて設置できるので、空気の経路を柔軟に配置することができる。筒部材が通気性を有しており、網部材も網状に形成されているので、結露が生じにくい。更に、非使用時には筒部材と網部材を一緒に小さく折り畳んで、コンパクトに収納することもできる。
前記の送気ダクトにおいては、前記筒部材は、前記網部材に対して、互いに離れた複数箇所で固定されていることが好ましい。
これにより、筒部材を網部材とともに曲げた場合でも、曲げ箇所において筒部材が潰れにくくすることができる。この結果、空気の円滑な流れを実現できる。
前記の送気ダクトにおいては、前記網部材は、合成樹脂又は合成ゴムから構成されることが好ましい。
これにより、変形可能な網部材を低コストで得ることができる。
前記の送気ダクトにおいては、前記筒部材よりも硬い細長い芯材が前記筒部材に固定されていることが好ましい。
これにより、筒部材の形状を保ち易くすることができる。
前記の送気ダクトにおいては、前記筒部材は、1つの前記網部材の内部に複数配置されていることが好ましい。
これにより、多くの量の空気を円滑に流すことができる。
前記の送気ダクトにおいては、複数の前記筒部材が、編んで束ねられた状態で前記網部材の内部に配置されていることが好ましい。
これにより、複数の筒部材を有しているにもかかわらず、送気ダクトを容易に曲げることができる。
前記の送気ダクトにおいては、長手方向端部に、他の部材に接続するための面ファスナー、線ファスナー、スナップボタン、及びボタンのうち少なくとも何れかが固定されていることが好ましい。
これにより、送気ダクトと他の部材との接続を容易に実現することができる。
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の空調システムが提供される。即ち、この空調システムは、前記の送気ダクトと、発電機と、空調機と、を備える。前記空調機は、前記発電機から供給された電力により駆動される。前記送気ダクトは、前記空調機により放出されてから空調対象空間に吹き出されるまでの空調空気の経路の少なくとも一部を形成する。
これにより、設置/撤去の機動性に優れた空調システムを実現することができる。
前記の空調システムにおいては、前記発電機及び前記空調機のうち少なくとも一方が、自走可能な車両に固定されていることが好ましい。
これにより、空調システムの設置/撤去の作業性を一層高めることができる。
本発明の一実施形態に係る送気ダクトを備える空調システムの全体的な構成を示す概略図。 送気ダクトの構成を詳細に示す斜視図。 送気ダクトと空調ダクトの接続について説明する斜視図。 送気ダクトの他の例を示す斜視図。 分岐ダクトを示す斜視図。 複数のダクト本体を備える送気ダクトの例を示す斜視図。 還気ダクトを示す斜視図。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る送気ダクト4を備える空調システム1の全体的な構成を示す概略図である。
図1に示す空調システム1は、送気ダクト4及び空調ダクト5を介して、空調機3からの空気(即ち、空調風)を目的の空間へ供給することができる。
空調システム1の用途は限定されないが、特に、固定的な空調設備がない施設において短期的な空調のニーズが発生し、空調設備の機動的な設置/撤去が望まれる状況において好適に使用することができる。具体的な例としては、仮設のテント、体育館等がイベント又は災害避難のために用いられる場合を挙げることができる。
空調システム1は、発電機2と、空調機3と、送気ダクト4と、空調ダクト5と、還気ダクト6と、を備える。
発電機2は、例えば公知のディーゼル式発電機とすることができる。発電機2は、ディーゼルエンジンに代えて、例えばガスエンジンを搭載したガス式発電機であっても良い。
空調機3は、発電機2が発電する電力により駆動される。空調機3は、屋外に設置される。空調機3は、外気を導入して、空調空気(つまり、所定の空気質に調整した空気)を放出することができる。空調機3は、例えば、圧縮機、熱交換器等を備える公知の空冷ヒートポンプ式空調機とすることができる。
送気ダクト4は、可撓性のある筒状の細長いダクトとして構成される。送気ダクト4は、空調機3と、空調ダクト5と、を接続する。送気ダクト4は、空調機3から供給された空調空気を空調ダクト5に流すことができる。送気ダクト4は、空調空気の経路の、主に屋外の部分を構成する。送気ダクト4の詳細な構成については後述する。
空調ダクト5は、空調対象の空間に設置される。空調ダクト5には、吹出し口53が形成されている。空調ダクト5は、送気ダクト4を介して送られてきた空調空気を吹出し口53から噴出することで、空調対象の空間へ流すことができる。
本実施形態では、空調ダクト5は、筒状の織物又は不織布を無端状に繋いだループダクトとして構成されている。空調ダクト5が織物として構成されているので、上述の吹出し口53に加えて、織物の糸の隙間の微細な吹出し口(図略)から空調空気が吹き出される。従って、結露の発生を抑制できる。
空調ダクト5は、ループ部51と、導入管52と、を備える。
ループ部51は、筒状の織物がループ状になっている部分である。ループ部51の形状は、円状、長円状、多角形状等、任意の形状とすることができる。吹出し口53は、ループ部51の下部に多数並べて形成されている。空気の経路がループ状になっているので、吹出し口53又は微細吹出し口からの空気の吹出し量を均一にすることができる。
導入管52は、ループ部51の適宜の場所に固定される。導入管52は、ループ部51に空調空気を導入することができる。
空調対象の空間に空調空気を吹き出す吹出し口の構成は、これに限定されない。例えば、空調対象の空間に、空調ダクト5の代わりに図略のプレナムチャンバーを設置し、このプレナムチャンバーに送気ダクト4を接続することができる。この場合、プレナムチャンバーの吹出し口から空調空気が吹き出すことになる。また、空調ダクト5を省略して、空調対象の空間に送気ダクト4を引き込み、この端部をそのまま吹出し口として用いても良い。
還気ダクト6は、空調対象空間と空調機3とを接続するように配置されている。還気ダクト6は、空調対象の空間から空気を吸入して、空調機3に戻すことができる。還気ダクト6の詳細な構成については後述する。
空調システム1は、自走可能な車両であるトラック8を備える。発電機2及び空調機3は、屋外に停止したトラック8に固定された状態で、空調のために利用される。従って、様々な場所へ発電機2及び空調機3を搬送することができるとともに、目的地に到着すれば、発電機2及び空調機3の荷下ろしを行うことなく、直ちに使用を開始することができる。
次に、送気ダクト4について詳細に説明する。図2は、送気ダクト4の構成を詳細に示す斜視図である。
送気ダクト4は、ダクト本体(筒部材)41と、網状の保護部材(網部材)42と、を備える。
ダクト本体41は、円筒状に形成されており、その内部に空調空気を通過させることができる。ダクト本体41は、可撓性を有する筒状の織物から形成することができる。従って、ダクト本体41を適度に曲げることができるので、空調空気の経路の自由度を向上させることができる。更に、ダクト本体41は、非使用時には折り畳むことができるので、トラック8での搬送等における取扱いが容易である。また、織物は一般的に軽いので、送気ダクト4の搬送等の負担も軽減できる。
ダクト本体41を構成する織物としては、例えば、帆布を挙げることができる。ただし、織物は帆布に限定されず、例えば、合成繊維を使った織物を用いることもできる。織物は、難燃性又は不燃性を有していることが好ましい。
ダクト本体41を織物で構成することにより、ダクト本体41には、微細吹出し孔45が形成される。この微細吹出し孔45は、織物の織り目(織物の糸の間の隙間)に対応している。
微細吹出し孔45は、ダクト本体41の全面に形成されている。このように、本実施形態では、ダクト本体41の全体が通気性を有しているので、空調風がダクト本体41の全面を透過するように低速で流れる。従って、ダクト本体41の外周面等に結露が生じにくい構成となっている。
ダクト本体41は、化学繊維の不織布から構成することもできる。この場合も上記と同様に、ダクト本体41の全面に微細吹出し穴を形成することができる。
保護部材42は、合成樹脂又は合成ゴム等により細長い円筒状に形成されている。保護部材42は、ダクト本体41よりも硬い素材から構成されているが、同様に可撓性を有している。従って、ダクト本体41の外側に保護部材42が配置された状態で、非使用時には保護部材42をダクト本体41とともに折り畳むことができる。保護部材42は、軸を曲げるように変形させることもできるし、径方向に押し潰すように変形させることもできる。従って、保護部材42をコンパクトに折り畳むことができる。
保護部材42はダクト本体41の外側に配置されているので、送気ダクト4を屋外に設置したときに、ダクト本体41が岩等との間で擦れて損傷しないように機械的に保護することができる。この結果、ダクト本体41の耐久性を高めることができる。
保護部材42には、菱形に形成された貫通孔が多数形成されている。これにより、保護部材42が網状となっている。この貫通孔を介して、保護部材42の内部と外部との間で空気が流通できるので、ダクト本体41の微細吹出し孔45から出る風が妨げられることがない。この結果、保護部材42の結露も抑制できる。保護部材42に貫通孔を形成することで、保護部材42の曲げ性が良好になり、また、軽量化も実現できる。貫通孔の形状は菱形に限定されず、矩形、円形、楕円形等に変更することもできる。
保護部材42とダクト本体41とは、複数の箇所(図2の固定部46)で互いに固定されている。固定は、例えば糸での縫い合わせにより行うことができる。これにより、ダクト本体41を保護部材42とともに曲げた場合でも、その曲げ箇所においてダクト本体41が潰れないようにすることができる。
本実施形態では、図2に示すように、細長い形状の芯材43をダクト本体41に固定することで、円筒状のダクト本体41の形状を保ち易くしている。芯材43としては、例えば、ナイロン、フルオロカーボン、ポリエチレン等の合成樹脂からなる線材を用いることができる。芯材43の太さは、ダクト本体41を構成している織物の糸の太さよりも大きい。芯材43の太さは、例えば0.4mm以上とすることが好ましい。
図2には、芯材43をダクト本体41の布に固定する構成が概念的に示されている。図2には詳細に示されていないが、図2の例では芯材43は2重の布(織物)で構成されており、間に芯材43を挟んだ状態で2枚の布が縫い合わせられる。芯材43は、ダクト本体41の軸方向及び周方向に延びるように配置される。以上の構成により、例えば送気ダクト4に送風していない状態でも、ダクト本体41の形状を容易に保持することができる。
次に、送気ダクト4と空調ダクト5の接続について、図3を参照して説明する。
本実施形態では、図3に示すソケット部材91を介して、送気ダクト4と、空調ダクト5が備える導入管52と、が接続される。
ソケット部材91は、合成樹脂等で形成された円筒状の部材である。ソケット部材91の外周面には、面ファスナー92が接着等により固定されている。この面ファスナー92は、リング状に形成されている。一方、導入管52においてループ部51から遠い側の端部の内周面には、ソケット部材91側の面ファスナー92に対応する面ファスナー92が縫い付けられている。導入管52において面ファスナー92が取り付けられた部分には、筒状の織物を周方向で分割するように、直線状の切込みが形成されている。
送気ダクト4において、ダクト本体41の先端部の内周面には、ソケット部材91側の面ファスナー92に対応する面ファスナー92が縫い付けられている。ダクト本体41において面ファスナー92が取り付けられた部分には、筒状の織物を周方向で分割するように、直線状の切込みが形成されている。
以上の構成で、ソケット部材91の一側の端部を、導入管52の端部の内部に差し込み、反対側の端部を、ダクト本体41の先端部の内部に差し込む。導入管52とダクト本体41には切込みが形成されているので、差込作業は容易である。この状態で、面ファスナー92を用いて端部同士を固定する。
固定のための構成としては、面ファスナー92に代えて、線ファスナー、スナップボタン、ボタン等を用いても良い。また、導入管52及びダクト本体41のうち少なくとも一方の外側にベルト等を巻き付けることで、導入管52又はダクト本体41を固定しても良い。
次に、ダクト本体41に芯材43を固定する他の例について説明する。
芯材43は、図2で説明した方法(キルティングに類似した方法)以外でも、ダクト本体41の布に固定することができる。例えば、図4に示すように、細い筒状の布44の内部に芯材43を差し込み、この布44をダクト本体41の外周面に縫い付ける構成とすることもできる。なお、図2では、図を分かり易くするために、保護部材42を鎖線で透視的に描いている。この構成でも、図2の構成と実質的に同様の効果を実現できる。
次に、空調空気を分岐して供給するための構成について説明する。図5は、分岐ダクト71を示す斜視図である。
広い空間を空調する場合には、空調ダクト5が1つだけでは足りず、複数の空調ダクト5が必要になる。この場合、1つの空調機3から複数の空調ダクト5に空調空気を分岐して流すために、図5に示す分岐ダクト71を用いることができる。
図5の分岐ダクト71は、3つの空調ダクト5に空調空気を分岐する構成である。分岐ダクト71の一側の端部には1つの大きい開口72が形成され、他側の端部には3つの小さい開口73が形成される。空調ダクト5側の3つの開口73の大きさは、互いに等しくなっている。また、3つの開口73の開口面積の総和が、空調機3側の開口72の開口面積と等しくなっている。これにより、空調機3で生成した空調風を、3つの空調ダクト5に円滑に分配して流すことができる。
分岐ダクト71は、送気ダクト4のダクト本体41等と同様に、筒状の織物によって構成されている。図5に示すような複雑な形状であっても、円形織機を用いることで、1つの織物として作成することができる。分岐ダクト71と空調ダクト5側(言い換えれば、送気ダクト4側)との接続は、例えば、図2に示すソケット部材91によって行うこともできるし、他の方法で行うこともできる。分岐ダクト71と空調機3側との接続も、任意の方法で行うことができる。
分岐ダクト71の空調機3側の端部、及び、空調ダクト5側の端部のうち少なくとも何れかについて、ゴム等を用いて伸縮可能に構成することもできる。この場合、分岐ダクト71が他の部材と隙間なく接続することが容易になる。
図5では3つに分岐する構成の分岐ダクト71が示されているが、分岐ダクト71の分岐の数は、2つでも4つ以上でも良い。
次に、複数のダクト本体41を束ねて送気ダクト4を構成する例について説明する。図6は、複数のダクト本体41を備える送気ダクト4の例を示す斜視図である。
図6に示す例では、3本のダクト本体41が、3つ編み状に編んで束ねられた状態で、保護部材42の内部に配置されている。なお、図6では、芯材43が省略されている。
1つの送気ダクト4が複数のダクト本体41を有することで、大きな風量の空調空気を容易に流すことができる。また、保護部材42の内部でダクト本体41が編んだ状態で束ねられているので、複数のダクト本体41を平行に配置した場合と比較して、送気ダクト4の曲げのフレキシブル性を向上させることができる。
送気ダクト4が有するダクト本体41の数は、実現したい空調空気の風量等に応じて適宜変更することができる。
次に、還気ダクト6の構成について説明する。図7は、還気ダクト6を示す斜視図である。
還気ダクト6は、筒部材61と、フレーム62と、を備える。
筒部材61は、合成繊維等の難燃材料又は不燃材料を用いて、可撓性を有する筒状に形成されている。この筒部材61は、通気性を有していても良いし、通気性がなくても良い。
フレーム62は、例えば金属により構成される螺旋状の細長い部材である。フレーム62は、例えば還気ダクト6の内周面に固定されている。これにより、筒部材61の円筒形状を容易に保持することができる。フレーム62は、その螺旋ピッチを縮めるように変形させることができる。これにより、非使用時には、還気ダクト6を長手方向に縮めた状態で収納することができる。
還気ダクト6の空調機3に近い側の端部において、筒部材61には複数の貫通孔63が形成されている。貫通孔63は、螺旋状のフレーム62の間の位置に並べて配置されている。これにより、簡単な構成で、空調対象空間から還気ダクト6を通過して戻ってきた空気に新鮮な外気を適度に混合した状態で、空調機3に供給することができる。
以上に説明したように、本実施形態の送気ダクト4は、ダクト本体41と、保護部材42と、を備える。ダクト本体41は、可撓性及び通気性を有する、細長い円筒状に形成される。保護部材42は、ダクト本体41の周囲に配置され、細長い円筒状に形成される。保護部材42は、変形可能である。
これにより、ダクト本体41を外部の環境から機械的に保護できるので、ダクト本体41の損傷等を回避することができる。また、ダクト本体41及び保護部材42を含めた送気ダクト4を容易に曲げて設置できるので、空気の経路を柔軟に配置することができる。また、ダクト本体41が通気性を有しており、保護部材42も網状に形成されているので、結露が生じにくい。更に、非使用時にはダクト本体41と保護部材42を一緒に小さく折り畳んで、コンパクトに収納することもできる。
また、本実施形態の送気ダクト4において、ダクト本体41は、保護部材42に対して、互いに離れた複数箇所で固定されている。
これにより、ダクト本体41を保護部材42とともに曲げた場合でも、曲げ箇所においてダクト本体41が潰れにくくすることができる。この結果、空気の円滑な流れを実現できる。
また、本実施形態の送気ダクト4において、保護部材42は、合成樹脂又は合成ゴムから構成される。
これにより、変形可能な保護部材42を低コストで得ることができる。
また、本実施形態の送気ダクト4において、ダクト本体41よりも硬い細長い芯材43がダクト本体41に固定されている。
これにより、ダクト本体41の形状を保ち易くすることができる。
また、図6に示す例の送気ダクト4では、ダクト本体41は、1つの保護部材42の内部に複数配置されている。
これにより、多くの量の空気を円滑に流すことができる。
また、図6の送気ダクト4において、複数のダクト本体41が、編んで束ねられた状態で保護部材42の内部に配置されている。
これにより、複数のダクト本体41を有しているにもかかわらず、送気ダクト4を容易に曲げることができる。
また、本実施形態の送気ダクト4において、長手方向端部に、空調ダクト5に接続するための面ファスナー92が固定されている。
これにより、送気ダクト4と他の部材との接続を容易に実現することができる。
また、本実施形態の空調システム1は、前記の構成の送気ダクト4と、発電機2と、空調機3と、を備える。空調機3は、発電機2から供給された電力により駆動される。送気ダクト4は、空調機3により放出されてから空調対象空間に吹き出されるまでの空調空気の経路の少なくとも一部を形成する。
これにより、設置/撤去の機動性に優れた空調システムを実現することができる。
また、本実施形態の空調システム1において、発電機2及び空調機3が、自走可能なトラック8に固定されている。
これにより、空調システム1の設置/撤去の作業性を一層高めることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
ダクト本体41に対して保護部材42を取り外して交換可能に構成しても良い。
固定部46を省略することもできる。芯材43を省略することもできる。
芯材43によって形状の保持を補助する構成は、送気ダクト4のダクト本体41だけでなく、空調ダクト5(ループ部51及び導入管52のうち少なくとも何れか)に適用されても良い。
送気ダクト4のダクト本体41の端部に線ファスナーを固定して、他のダクトの端部の線ファスナーと締結することで、2つのダクトを接続可能な構成とすることもできる。
発電機2及び空調機3は、トラック8で搬送した後に、トラック8から降ろして設置した状態で使用する構成としても良い。
空調システム1において、還気ダクト6を省略することもできる。
空調ダクト5の吹出し口53を省略して、微細吹出し口だけから空調風を吹き出す構成とすることもできる。空調ダクト5を、化学繊維の不織布から構成することもできる。
本発明の送気ダクト4及び空調システム1は、上記の用途以外にも、ビニールハウス栽培の空調システム、工場又は建設現場等での仮設空調システム等に幅広く適用することができる。
1 空調システム
2 発電機
3 空調機
4 送気ダクト
8 トラック(車両)
41 ダクト本体(筒部材)
42 保護部材(網部材)
43 芯材
92 面ファスナー

Claims (9)

  1. 可撓性及び通気性を有する、細長い円筒状に形成された筒部材と、
    前記筒部材の周囲に配置され、細長い円筒状に形成される変形可能な網部材と、
    を備えることを特徴とする送気ダクト。
  2. 請求項1に記載の送気ダクトであって、
    前記筒部材は、前記網部材に対して、互いに離れた複数箇所で固定されていることを特徴とする送気ダクト。
  3. 請求項1又は2に記載の送気ダクトであって、
    前記網部材は、合成樹脂又は合成ゴムから構成されることを特徴とする送気ダクト。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載の送気ダクトであって、
    前記筒部材よりも硬い細長い芯材が前記筒部材に固定されていることを特徴とする送気ダクト。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載の送気ダクトであって、
    前記筒部材は、1つの前記網部材の内部に複数配置されていることを特徴とする送気ダクト。
  6. 請求項5に記載の送気ダクトであって、
    複数の前記筒部材が、編んで束ねられた状態で前記網部材の内部に配置されていることを特徴とする送気ダクト。
  7. 請求項6に記載の送気ダクトであって、
    長手方向端部に、他の部材に接続するための面ファスナー、線ファスナー、スナップボタン、及びボタンのうち少なくとも何れかが固定されていることを特徴とする送気ダクト。
  8. 請求項1から7までの何れか一項に記載の送気ダクトと、
    発電機と、
    前記発電機から供給された電力により駆動される空調機と、
    を備え、
    前記送気ダクトは、前記空調機により放出されてから空調対象空間に吹き出されるまでの空調空気の経路の少なくとも一部を形成することを特徴とする空調システム。
  9. 請求項8に記載の空調システムであって、
    前記発電機及び前記空調機のうち少なくとも一方が、自走可能な車両に固定されていることを特徴とする空調システム。
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