JP2020143692A - ブレーキ摩擦材 - Google Patents
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すなわち、黒鉛は、異方性の高い材料であるため、ブレーキパッドの成形時に粒子が配向したり、偏析が生じると、ブレーキの利き具合にムラが生じやすくなるという問題がある。また、結晶子をランダムに配向させるため、膨張黒鉛を使用すると、他の繊維基材、充填剤、結合材と比べて密度が軽くなるため、偏析をおこしやすくなるという問題もある。
本発明のブレーキ摩擦材において、上記等方性黒鉛材の真密度が2.10〜2.18g/cm3であると、完全な黒鉛構造をとっておらず、層状構造は余り発達していないので、粒子の方向による異方性が発生せず、適度な摺動性を確保することができる。
なお、黒鉛の真密度は、黒鉛化の進行度合いを示し、完全に黒鉛化が進行した黒鉛であれば2.26g/cm3となり、黒鉛化が不完全であれば、真密度が低下する。また、真密度とは、物質の真実の状態の密度をいい、物体の表面や内部の気孔の部分を除いた物体そのものの体積で物体の質量を割った値が真密度となる。
本発明のブレーキ摩擦材において、上記等方性黒鉛材のみかけ密度が1.70〜1.80g/cm3であると、ブレーキ摩擦材中の他の成分である繊維基材、充填剤などとの密度差が小さくなり、ブレーキ摩擦材製造時の偏析を小さくすることができるので、安定したブレーキの利きが得られる。
なお、みかけ密度とは、物体の表面の気孔の体積は除くが、内部の気孔の体積を含めて求めた密度を意味し、液中ひょう量法(天秤法)と呼ばれる密度がわかっている液体(例えば、水など)中に天秤をセットし、その中に試料を入れ、質量と浮力を測定し、密度を算出することにより得られる。
本発明のブレーキ摩擦材において、等方性黒鉛材の平均細孔半径は、等方性黒鉛材の粒子を構成する微粒子の間にできる隙間の大きさを反映しているが、本発明で用いる等方性黒鉛材は、平均細孔半径が1.5〜2.5μmであり、微粒子間の隙間が小さく、小さな微粒子が集合していると考えられるので、粒子自体に方向性がなく、ブレーキ摩擦材として使用した際、初期の摩擦抵抗が変動しにくい。
<r>=2v/S・・・(1)
[ブレーキ摩擦材]
まず、本発明のブレーキ摩擦材について説明する。
図1は、等方性黒鉛材を潤滑剤として用いたブレーキ摩擦材の一例を模式的に示す断面図であり、図2は、従来から用いられている黒鉛粒子を潤滑剤として用いたブレーキ摩擦材の一例を模式的に示す断面図である。
本発明のブレーキ摩擦材において、上記等方性黒鉛材の真密度は、2.10〜2.18g/cm3であるので、完全な黒鉛構造をとっておらず、層状構造は余り発達していないので、等方的特性を有し、適度な摺動性を確保することができる。
等方性黒鉛材中の気孔率(%)は、下記の(2)式により得られる。
[(真密度−みかけ密度)/真密度]×100・・・(2)
本発明のブレーキ摩擦材では、上記(2)式により得られる気孔率は、14〜22%であるので、本発明で用いられる等方性黒鉛材は、黒鉛粒子中に微細な気孔を上記の割合で有する黒鉛粒子であり、上記のように気孔率が大きいと、激しい摩擦が生じた際に、発生するガスの逃げ道を確保することができ、フェード現象等を防止することができる。
本発明のブレーキ摩擦材では、潤滑剤としての特性を損なわない範囲で他の潤滑性を有する成分、例えば、三硫化アンチモン、二硫化モリブデン等を含んでいてもよい。
本発明のブレーキ摩擦材を構成する繊維基材は、特に限定されるものではないが、例えば、セラミック繊維、金属繊維、有機繊維、又は、上記繊維の混合繊維が挙げられる。
上記バインダの種類は、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ゴム等が挙げられる。これらのバインダは、2種類以上を併用してもよい。これらのなかでは、フェノール樹脂がより望ましい。
本発明のブレーキ摩擦材中の上記バインダの配合量は、特に限定されるものではないが、5〜40vol%が望ましく、10〜30vol%がより望ましい。
本発明のブレーキ摩擦材を製造する際には、上記の等方性黒鉛材からなる潤滑剤の他、繊維基材、バインダ、潤滑剤、充填剤及びpH調整剤等の各材料を、強度、接着性、摩擦特性、摩耗特性、鳴き性能などのブレーキ性能を満足する配合となるように配合量を調整して混合し、次いで、常温にて圧縮成形(予備成形)し、次いで、予め接着剤を塗布した裏金とともに加熱圧縮成形し、さらに熱処理を行った後、溝加工や表面研磨を施すことにより、作製することができる。
11、31 潤滑剤
12、32 他の材料からなる粉末
13 金型
Claims (4)
- 繊維基材、バインダ、潤滑剤及び充填剤を含むブレーキ摩擦材であって、
前記潤滑剤は、等方性黒鉛材からなることを特徴とするブレーキ摩擦材。 - 前記等方性黒鉛材は、真密度が2.10〜2.18g/cm3であることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ摩擦材。
- 前記等方性黒鉛材は、みかけ密度が1.70〜1.80g/cm3であることを特徴とする請求項1又は2に記載のブレーキ摩擦材。
- 前記等方性黒鉛材は、平均細孔半径が1.5〜2.5μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のブレーキ摩擦材。
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WO2016013078A1 (ja) * | 2014-07-24 | 2016-01-28 | 日清紡ブレーキ株式会社 | 摩擦材 |
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