JP2020143021A - 液体皮膚洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】すすぎ時のきしみのなさ、タオルドライ後の肌のしっとり感、及びタオルドライ後の肌のなめらかさが良好で、タオルドライ後の皮膚水分量、及び製剤の安定性を有意に向上する液体皮膚洗浄剤組成物の提供【解決手段】(A)高級脂肪酸塩、(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種のカチオン性ポリマー、(C)糖類、(D)ワセリン、及び(E)ポリオキシエチレンフィトステロールを含有し、前記(C)成分がトレハロースである液体皮膚洗浄剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、液体皮膚洗浄剤組成物に関する
従来から、ハンドソープ、ボディソープ等の液体皮膚洗浄剤組成物には、泡の量の多さ、及び泡のクリーミー性などの泡性能が良好であること、洗浄後の肌の状態を良好にすることが望まれている。特に、最近では、洗浄後の肌にしっとり感を付与し、かつ皮膚水分量を向上できるほどの高い保湿性を有する液体皮膚洗浄剤組成物の提供が強く要望されている。
洗浄中の泡性能と皮膚水分量の向上、肌のしっとり感、及び肌のなめらかさを付与するために、例えば、高級脂肪酸塩、カチオン性ポリマー、炭素数12〜22の高級アルコール、ホホバ油、オリーブ油、一価アルコール脂肪酸エステル、及び炭化水素から選択される少なくとも1種を含有する液体皮膚洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、前記提案では、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の皮膚水分量について十分に満足できるものではなかった。
したがって、タオルドライ後の肌のしっとり感、及びタオルドライ後の肌のなめらかさを満たし、さらにタオルドライ後の皮膚水分量を向上する液体皮膚洗浄剤組成物の提供が望まれている。
WO2017/208541
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、すすぎ時のきしみのなさ、タオルドライ後の肌のしっとり感、及びタオルドライ後の肌のなめらかさが良好で、タオルドライ後の皮膚水分量、及び製剤の安定性を有意に向上する液体皮膚洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らが、鋭意検討を重ねた結果、(A)高級脂肪酸塩、(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種のカチオン性ポリマー、(C)糖類、(D)ワセリン、及び(E)ポリオキシエチレンフィトステロールを含有する液体皮膚洗浄剤組成物が、各成分の相乗効果により、すすぎ時のきしみのなさ、タオルドライ後の肌のしっとり感、及びタオルドライ後の肌のなめらかさに優れ、かつタオルドライ後の皮膚水分量、及び製剤の安定性を有意に向上することを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (A)高級脂肪酸塩、
(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種のカチオン性ポリマー、
(C)糖類
(D)ワセリン
(E)ポリオキシエチレンフィトステロール
を含有することを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物である。
<2> 前記(C)成分がトレハロースである前記<1>に記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、すすぎ時のきしみのなさ、タオルドライ後の肌のしっとり感、及びタオルドライ後の肌のなめらかさが良好で、皮膚水分量、及び製剤の安定性が有意に向上する液体皮膚洗浄剤組成物を提供することができる。
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、(A)高級脂肪酸塩、(B)カチオン性ポリマー、(C)糖類、(D)ワセリン、並びに(E)ポリオキシエチレンフィトステロールを含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
<(A)高級脂肪酸塩>
前記(A)成分の高級脂肪酸塩は、主にタオルドライ後の肌のしっとり感を向上させるために含有されている。
前記(A)成分の高級脂肪酸塩は、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、及びパルミチン酸塩をいずれも含有し、更に必要に応じてステアリン酸塩などのその他の高級脂肪酸塩を含有してもよい。
前記(A)成分の高級脂肪酸塩の対イオンとしては、例えば、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルカノールアミン、塩基性アミノ酸などが挙げられる。
前記アルカリ金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどが挙げられる。
前記アルカノールアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチルプロパンジオールなどが挙げられる。
前記塩基性アミノ酸としては、例えば、リジン、アルギニンなどが挙げられる。
これらの中でも、タオルドライ後の肌のしっとり感の点から、カリウムイオンが好ましい。
なお、前記(A)成分の高級脂肪酸塩は、特に制限はなく、高級脂肪酸塩として配合することも可能であるが、高級脂肪酸と、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等の塩と、を別々に、配合槽中に添加して中和反応させて高級脂肪酸塩としてもよい。
前記(A)成分の高級脂肪酸塩の含有量としては、タオルドライ後の肌のしっとり感の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、10質量%〜32質量%であり、20質量%〜32質量%が好ましい。前記含有量が、10質量%以上であると、タオルドライ後の肌のしっとり感が良好であり、32質量%以下であると、すすぎ時のきしみのなさが良好である。
前記ラウリン酸塩の含有量としては、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、3質量%〜12質量%が好ましく、7質量%〜12質量%がより好ましい。前記ミリスチン酸塩の含有量としては、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、4質量%〜14質量%が好ましく、8質量%〜14質量%がより好ましい。前記パルミチン酸塩の含有量としては、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、1質量%〜9質量%が好ましく、3質量%〜9質量%がより好ましい。前記ラウリン酸塩、前記ミリスチン酸塩、及び前記パルミチン酸塩の含有量が、前記数値範囲内であると、タオルドライ後の肌のしっとり感とすすぎ時のきしみのなさが良好である。
前記その他の高級脂肪酸塩としては、本発明の効果を阻害しない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ステアリン酸塩が好ましい。
前記ステアリン酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記高級脂肪酸塩の全量に対して、すすぎ時のきしみのなさの点から、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。前記ステアリン酸塩の含有量の下限値としては、0質量%が好ましい。
<(B)カチオン性ポリマー>
前記(B)成分のカチオン性ポリマーは、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種であり、主にタオルドライ後の肌のしっとり感、及びタオルドライ後の皮膚水分量を向上させるために含有されている。
前記(B)成分のうちの塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体は、下記一般式(1)で表される。

ただし、前記一般式(1)中、n、及びmは各構造単位のモル比を示し、n+m=100であり、前記mは65モル%以上である。
前記(B)成分のうちの塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体における塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率は、タオルドライ後の肌のしっとり感、すすぎ時のきしみのなさ、タオルドライ後の皮膚水分量の点から、65モル%以上であり、95モル%が好ましい。
前記(B)成分のうちの塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体における構造単位のモル比率は、核磁気共鳴(NMR)により下記測定条件で測定することで決定することができる。
[測定条件]
溶媒:重水(DO)
測定器:JNM−LA300(300MHz、日本電子株式会社製)
前記(B)成分のカチオン性ポリマーの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10,000〜1,000,000が好ましく、15,000〜450,000がより好ましい。
前記(B)成分のカチオン性ポリマーの重量平均分子量は、例えば、SEC−MALLS−RIシステム(測定条件:カラム:東ソー株式会社製TSKgelαシリーズ α−Mカラム30cm、溶媒:硝酸ナトリウム0.3M水溶液)で測定することができる。
前記(B)成分のカチオン性ポリマーにおける固形分30質量%〜44質量%の前記共重合体溶液の25℃での粘度は、10mPa・s〜15,000mPa・sが好ましく、20mPa・s〜12,000mPa・sがより好ましい。
前記粘度は、例えば、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて測定することができる。
前記(B)成分のカチオン性ポリマーとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、以下のものなどが挙げられる。
マーコート100(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、ルーブリゾール社製、固形分39質量%〜44質量%の25℃での粘度:8,000mPa・s〜12,000mPa・s、重量平均分子量:150,000)。前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.3のローターを使用し、6回転/分間の条件において測定することができる。
マーコート106(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、ルーブリゾール社製、固形分30質量%〜36質量%の25℃での粘度:20mPa・s〜65mPa・s、重量平均分子量:15,000)。前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.1のローターを使用し、60回転/分間の条件において測定することができる。
マーコート295(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体、ルーブリゾール社製、固形分35質量%〜40質量%の25℃での粘度:3,500mPa・s〜9,000mPa・s、重量平均分子量:190,000、前記一般式(1)におけるn:m=5:95(モル比)、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が95モル%)。前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.4のローターを使用し、30回転/分間の条件において測定することができる。
マーコート280(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体、ルーブリゾール社製、固形分39質量%〜43質量%の25℃での粘度:3,000mPa・s〜6,000mPa・s、重量平均分子量:450,000、前記一般式(1)におけるn:m=35:65(モル比)、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が65モル%)。前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.4のローターを使用し、60回転/分間の条件において測定することができる。
前記(B)成分のカチオン性ポリマーの含有量としては、タオルドライ後の肌のしっとり感、すすぎ時のきしみのなさ、及び皮膚水分量の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.2質量%〜3質量%であり、0.3質量%〜1質量%が好ましい。前記含有量が、0.2質量%以上であると、タオルドライ後の肌のしっとり感、及び皮膚水分量が良好であり、3質量%以下であると、すすぎ時のきしみのなさが良好である。
<(C)糖類>
前記(C)成分は、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の皮膚水分量を向上させるために含有される。
前記(C)成分の糖類としては、トレハロース、スクロース、ソルビトール、マルチトール、マルトテトラオースなどが挙げられ、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
市販品としては、トレハロース化粧品用(成分名:トレハロース、株式会社林原製)、ソルビットT−70(ソルビトール 三菱商事フードテック株式会社製)、レシス(マルチトール 三菱商事フードテック株式会社製)、テトラップ(マルトテトラオース 株式会社林原製)が挙げられる。
これらの中でも、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のなめらかさ、製剤の安定性、及びタオルドライ後の皮膚水分量の点から、前記(C)成分の糖類としては、トレハロースがより好ましい。
前記(C)成分の含有量としては、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の皮膚水分量、製剤の安定性の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%〜5.0質量%であり、3.0質量%〜5.0質量%が好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上であると、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の皮膚水分量が良好であり、5質量%以下であると、製剤の安定性が良好である。
<(D)ワセリン>
前記(D)成分は、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の皮膚水分量を向上させるために含有される。
前記(D)成分としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、以下のものが挙げられる。
サンホワイトP−200(成分名:ワセリン、日興リカ株式会社製)
前記(D)成分の含有量としては、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の皮膚水分量の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%〜5.0質量%であり、3.0質量%〜5.0質量%が好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上であると、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の皮膚水分量が良好であり、5質量%以下であると、製剤の安定性が良好である。
<(E)ポリオキシエチレンフィトステロール>
前記(E)成分は、製剤の安定性を向上させるために含有される。
前記市販品としては、BPS−5(ポリオキシエチレン(5)フィトステロール 日光ケミカルズ株式会社製)、BPS−10(ポリオキシエチレン(10)フィトステロール 日光ケミカルズ株式会社製)、BPS−20(ポリオキシエチレン(20)フィトステロール 日光ケミカルズ株式会社製、BPS−30(ポリオキシエチレン(30)フィトステロール 日光ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。
これらの中でも、製剤の安定性の点から、前記(E)成分としては、ポリオキシエチレンフィトステロールのポリオキシエチレンの平均鎖長が5〜30が好ましく、10〜30がより好ましい。
前記(E)成分の含有量としては、製剤の安定性の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%〜5.0質量%であり、0.4質量%〜1.0質量%が好ましい。
<その他の成分>
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物には、前記(A)〜前記(E)の各成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、その他の成分を配合することができる。
前記その他の成分としては、例えば、精製水、前記(B)成分以外のカチオン性ポリマー、及び水溶性ポリマー、アーモンド油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ゴマ油、サフラワー油、ダイズ油、ナタネ油、ヒマシ油、パーム油等の前記(C)成分以外の油分、低級アルコール、高級アルコール等のアルコール類、ラノリン誘導体、蛋白誘導体、アクリル樹脂分散液、ビタミンなどの薬剤、殺菌剤、防腐剤、pH調整剤、粘度調整剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、紫外線吸収剤、動植物抽出物又はその誘導体、色素、香料、顔料、無機粉体、粘土鉱物;ナイロン、ポリエチレン等の水不溶性ポリマー粉体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−製造方法−
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記(A)〜(E)成分、及び前記その他の成分、及び前記精製水(液体皮膚洗浄剤組成物全体が100質量%となるように残量配合)を混合して得ることができる。
具体的には、以下のようにして製造することができる。(D)、(E)成分を70℃で加熱溶解する。70℃に加温した精製水に(C)成分、(E)成分、(D)成分の順で添加し、均一に乳化することで油相小物とする。70℃〜80℃に加温した精製水に前記(A)成分の高級脂肪酸塩を溶解し、65℃に冷却してから油相小物を添加する。さらに40℃以下に冷却してから、前記(B)成分のカチオン性ポリマーを添加して製造できる。
前記液体皮膚洗浄剤組成物は、装置を用いて調製してもよい。前記装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断力があり、全体を混合することができる攪拌羽根を備えた攪拌装置などが挙げられる。
前記攪拌羽根としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロペラ、タービン、ディスパーなどが挙げられる。
−pH−
前記液体皮膚洗浄剤組成物の25℃におけるpHとしては、泡の量の点から、9.5〜11.0が好ましく、9.8〜10.6がより好ましい。
前記pHは、例えば、pHメーター(HM−30R、TOA DKK社製)を使用して測定することができる。
−粘度−
前記液体皮膚洗浄剤組成物の25℃における粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mPa・s〜6,000mPa・sが好ましく、50mPa・s〜4,000mPa・sがより好ましい。
前記粘度は、例えば、BM型粘度計(株式会社東京計器製)を用いて、試料温度25℃にて、以下の条件で測定することができる。前記粘度が、1mPa・s〜3,000mPa・sであれば、BMアダプター、回転数30rpm、No.3のローターを用いて1分間後の粘度を測定し、3,000mPa・sを超える場合は、BMアダプター、回転数30rpm、No.4のローターにて1分間後の粘度を測定することにより測定できる。
−容器−
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、特に制限はなく、通常の容器に充填して使用される。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポンプディスペンサー容器、チューブ、フォーマー容器、袋状容器などが挙げられる。これらの中でも、ポンプディスペンサー容器が好ましい。前記ポンプディスペンサー容器としては、例えば、株式会社吉野工業所製のノズル口径(内径)3.5mm、吐出量3mLのポンプディスペンサー容器などが挙げられる。
−用途−
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、すすぎ時のきしみのなさ、製剤の安定性、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の皮膚水分量が良好であるため、例えば、洗顔料、ハンドソープ、ボディソープ、クレンジングフォーム、メイク落としなどに用いられ、特にボディソープに好適に用いられる。
以下に、本発明を実施例、及び比較例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に制限されるものではない。なお、実施例、及び比較例の記載の各成分の含有量は、全て純分換算した値である。
(実施例1〜7、及び比較例1〜5)
下記表1、2に示す組成、及び含有量の液体皮膚洗浄剤組成物を常法により調製した。具体的には、以下の方法により調製した。
(D)、(E)成分を70℃で加熱溶解する。70℃に加温した精製水に(C)成分、(E)成分、(D)成分の順で添加し、均一に乳化することで油相小物とする。
最終的に得られる液体皮膚洗浄剤組成物の全量の95質量%になる量の精製水を、70℃〜80℃に加温した精製水に前記(A)成分の高級脂肪酸塩を溶解し、65℃に冷却してから油相小物を添加する。さらに40℃以下に冷却してから、前記(B)成分のカチオン性ポリマーを添加することにより液体皮膚洗浄剤組成物を調製した。その後、所定のpHに満たない場合は、共通成分である水酸化カリウムを添加し、所定のpHに調整後、全体量が100質量%になるように精製水を加えて、目的とする液体皮膚洗浄剤組成物を得た。また、攪拌羽根としてはプロペラを使用し、スリーワンモーター(HEIDON BL1200、新東化学株式会社製)を用いて攪拌した。なお、pHは、pHメーター(HM−30R、TOA DKK社製)を用いて、25℃で測定した。
得られた実施例1〜7及び比較例1〜5の各液体皮膚洗浄剤組成物は、ポンプディスペンサー付き容器[吐出量3mL、ノズル口径(内径)3.5mm、株式会社吉野工業所製]に充填した。
次に、得られた各液体皮膚洗浄剤組成物について、以下のようにして、「すすぎ時のきしみのなさ」、「タオルドライ後の肌のしっとり感」、「タオルドライ後の肌のなめらかさ」、「タオルドライ後の皮膚水分量」、及び「製剤の安定性」を評価した。結果を下記表1、2に併記した。

<すすぎ時のきしみ感、タオルドライ後の肌のしっとり感、及びなめらかさ評価>専門評価者10名が、容器入りの皮膚洗浄剤組成物2プッシュ(約6g)をナイロンタオルで10回泡立て、全身を洗浄したときの、すすぎ時のきしみのなさ、タオルドライ後の肌のしっとり感、及びタオルドライ後の肌のなめらかさを下記評価基準に基づいて評価した。評価は、22℃、40%RHの部屋で30分間馴化後、評価した。
〔評価基準〕
−すすぎ時のきしみ感−
◎:きしみ感を感じない。
○:きしみ感をやや感じる。
△:きしみ感を感じる。
×:きしみ感を強く感じる
−タオルドライ後の肌のしっとり感−
◎:しっとり感を強く感じる。
○:しっとり感を感じる。
△:しっとり感をやや感じる。
×:しっとり感を感じない

−タオルドライ後の肌のなめらかさ− ◎:なめらかさを強く感じる

○:なめらかさを感じる
△:なめらかさをやや感じる
×:なめらかさを感じない

<タオルドライ後の皮膚水分量評価>皮膚水分量については、皮膚水分量と相関のある皮表コンダクタンスをSkicon−200で測定し、洗浄前の値(X)と洗浄後の値(Y)を用い、下記の式(1)より算出した。専門評価者10名が、皮膚洗浄剤組成物(約1g)を水道水で希釈したものを泡だて器で10回泡立て、前腕内側部を洗浄したときの経時の皮表コンダクタンスを測定した。評価は、22℃、40%RHの部屋で30分間馴化後、洗浄を実施し、同条件の部屋で測定した。結果は下記評価基準に基づいて記載した。
式(1)皮膚水分量(%)=(X−Y)/Y×100
〔評価基準〕
◎:水分量120%以上、130%未満
○:水分量110%以上、120%未満
△:水分量100%以上、110%未満
<製剤の安定化の評価>
皮膚洗浄剤組成物を50mlのガラス容器に入れ、RTで4週間保存した時の外観を下記評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:外観上、全く変化がない
○:油性成分の浮遊が認められるが、分離や沈殿はない。
△:完全に分離が認められる
次に、得られた実施例8の液体皮膚洗浄剤組成物について、実施例1と同様にして、「すすぎ時のきしみのなさ」、「タオルドライ後の肌のしっとり感」、「タオルドライ後の肌のなめらかさ」、「タオルドライ後の皮膚水分量」、及び「製剤の安定性」を評価した。結果を下記表3に併記した。

なお、実施例8において使用したその他の成分の詳細は下記の通りである。
・プロピレングリコール(化粧用プロピレングリコール、株式会社ADEKA)
・流動パラフィン(RNP−16、三光化学工業株式会社)
・ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(ブラウノンCH−320L、青木油脂工業株式会社)
・イソステアリン酸ポリオキシエチレン(3)グリセリル(GWIS−103、青木油脂工業株式会社)
・エチレンジアミン四酢酸(ディゾルビンZ、ライオンスペシャリティケミカルズ株式会社製
・メタクリル酸−アクリル酸エチル−アクリル酸ブチル共重合体(レオアール MS−200)
・ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(アモーゲンSH、第一工業製薬株式会社)
・フェノキシエタノール(ニューポールEFP、三洋化成工業株式会社)
・モノエタノールアミン(株式会社日本触媒製))
・水酸化カリウム(液体苛性カリ、旭硝子株式会社製)
・香料:特開2002−128658号公報の段落[0065]〜[0071] に記載された香料A〜D、又は、特開2 0 0 3 − 7 3 2 4 9 号公報の段落[0076]〜[0088]に記載のA 〜 E、特願2019−023940[0016]〜[0023]に記載の1〜4から適宜選択した。
前記実施例、及び前記比較例で使用した各種成分の詳細について、下記表4に示す。


※1:ラウリン酸カリウムは、ラウリン酸(NAA−122、日油株式会社製)を、水酸化カリウム(液体苛性カリ、旭硝子株式会社製)を用いて100%中和したものである。
※2:ミリスチン酸カリウムは、ミリスチン酸(NAA−142、日油株式会社製)を、水酸化カリウム(液体苛性カリ、旭硝子株式会社製)を用いて100%中和したものである。
※3:パルミチン酸カリウムは、パルミチン酸(NAA−160、日油株式会社製)を、水酸化カリウム(液体苛性カリ、旭硝子株式会社製)を用いて100%中和したものである。
※4:ステアリン酸カリウムは、ステアリン酸(NAA−180、日油株式会社製)を、水酸化カリウム(液体苛性カリ、旭硝子株式会社製)を用いて100%中和したものである。
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の皮膚水分量が良好であるため、例えば、洗顔料、ハンドソープ、ボディソープ、クレンジングフォーム、メイク落としなどに好適に用いられ、特にボディソープに好適に用いられる。

Claims (2)

  1. (A)高級脂肪酸塩、
    (B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種のカチオン性ポリマー、
    (C)糖類
    (D)ワセリン
    (E)ポリオキシエチレンフィトステロール
    を含有することを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物
  2. 前記(C)成分がトレハロースである請求項1に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
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