JP2020139797A - 片側開放型磁気共鳴装置のための磁気回路 - Google Patents

片側開放型磁気共鳴装置のための磁気回路 Download PDF

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Abstract

【課題】片側開放型磁気共鳴装置のための磁気回路において、コストを抑えつつより好ましい感度領域を実現できるようにする。【解決手段】本発明に係る、片側開放型磁気共鳴装置のための磁気回路は、(A)所定の軸方向に磁化された第1の磁石と、(B)第1の磁石を囲うように配置され、第1の磁石と同一方向に磁化されている複数の第2の磁石とを有する。そして、第1の磁石は、当該第1の磁石の先端が、複数の第2の磁石の先端よりも所定の軸方向とは逆方向に所定のオフセットをもって配置される。また、複数の第2の磁石の少なくとも一部の第2の磁石は、第1の磁石の囲いより外側に突き出た部分を有する。【選択図】図7

Description

本発明は、片側開放型磁気共鳴装置のための磁気回路に関する。
片側開放型核磁気共鳴法(例えば非特許文献1を参照のこと)は、非破壊、非侵襲且つ原位置で、対象物の内部の水、油、ゴム又はゲルの物理化学的状態を計測する手法であり、油田の検層、生きた牛の脂肪交雑度計測(例えば非特許文献2を参照のこと)、マグロの大トロの脂肪含有率計測などに応用可能である。
片側開放型核磁気共鳴装置の重要な開発要素として、永久磁石と高周波コイルとを含むセンサから離れた空間にできるだけ均一で高い磁束密度の領域(感度領域、スイートスポット(sweet spot)とも呼ぶ)をつくる磁気回路のデザインがある。
例えば、以下に示す特許文献1及び非特許文献2では、二重円筒タイプの磁気回路が採用されているが、指定された曲率又は半径と肉厚の永久磁石を用いているため、コスト面で問題がある。
一方、特許文献2には、円筒型の磁石を複数の矩形磁石ブロックで代替することが開示されている。
このように、従来から片側開放型磁気共鳴装置のための磁気回路については様々な検討がなされているが、必ずしも、コストを抑えつつより好ましい感度領域を実現できているわけではない。
特開2008−226606号公報 米国特許第6489872号公報
Casanova, Federico, Juan Perlo, and Bernhard Bluemich, (Eds.) 2011,"Single-sided NMR", Springer-Verlag Berlin Heidelberg, ISBN: 978-3-642-16306-7 Nakashima, Yoshito. 2015. "Development of a single-sided nuclear magnetic resonance scanner for the in vivo quantification of live cattle marbling." Applied magnetic resonance 46, 593-606
よって、本発明の目的は、一側面としては、片側開放型磁気共鳴装置のための磁気回路において、コストを抑えつつより好ましい感度領域を実現できるようにするための新たな技術を提供することである。
本発明の第1の態様に係る、片側開放型磁気共鳴装置のための磁気回路は、(A)所定の軸方向に磁化された第1の磁石と、(B)第1の磁石を囲うように配置され、第1の磁石と同一方向に磁化されている複数の第2の磁石とを有する。そして、第1の磁石は、当該第1の磁石の先端が、複数の第2の磁石の先端よりも所定の軸方向とは逆方向に所定のオフセットをもって配置される。また、複数の第2の磁石の少なくとも一部の第2の磁石は、第1の磁石の囲いより外側に突き出た部分を有する。
本発明の第2の態様に係る、片側開放型磁気共鳴装置のための磁気回路は、(C)所定の軸方向に磁化された第1の磁石と、(D)第1の磁石を囲うように配置され、第1の磁石と同一方向に磁化されている複数の第2の磁石と、(E)複数の第2の磁石より外側に配置され、第1の磁石と同一方向に磁化されており、複数の第2の磁石の数以下の数の複数の第3の磁石とを有する。そして、第1の磁石は、当該第1の磁石の先端が、複数の第2の磁石の先端よりも所定の軸方向とは逆方向に所定のオフセットをもって配置されるものである。
一側面によれば、片側開放型磁気共鳴装置のための磁気回路において、コストを抑えつつより好ましい感度領域を実現できるようになる。
図1は、従来例である二重円筒タイプの磁気回路の正面図及び側面図を示す。 図2は、実施の形態における基本的な磁石形状を表す図である。 図3は、実施の形態における基本形1に係る磁気回路の正面図及び側面図を示す。 図4は、実施の形態における基本形2に係る磁気回路の正面図を示す。 図5は、実施の形態における基本形3に係る磁気回路の正面図を示す。 図6は、実施の形態における基本形4に係る磁気回路の正面図を示す。 図7は、実施の形態における発展形1に係る磁気回路の正面図を示す。 図8は、発展形1のシミュレーション結果(X1−Z平面におけるBz値の分布)を示す図である。 図9は、発展形1のシミュレーション結果(Bz値の一次元空間分布)を示す図である。 図10は、実施の形態における応用例1に係る磁気回路の正面図を示す。 図11は、実施の形態における応用例2に係る磁気回路の正面図を示す。 図12は、実施の形態における応用例3に係る磁気回路の正面図を示す。 図13は、実施の形態における応用例4に係る磁気回路の正面図を示す。 図14は、実施の形態における応用例5に係る磁気回路の正面図を示す。
図1に、特許文献1等に記載された二重円筒タイプの磁気回路の一例を示す。図1の左側は、この磁気回路の正面図を示しており、同心円で半径が小さい円筒型の磁石(内側円筒磁石と呼ぶ)と半径が大きい円筒型の磁石(外側円筒磁石と呼ぶ)とが配置されている。正面図においてX1軸とX1軸に垂直なY軸とが定義されている。また、図1の右側は、例えばX1−Z平面で切断した場合における側面図を示しており、図において垂直にZ軸が定義されている。内側円筒磁石と外側円筒磁石は、共にZ軸に沿って正の方向(図で上方向)にN極、Z軸に沿って負の方向(図で下方向)にS極となるように磁化されている。また、内側円筒磁石は、そのN極側の端部が、外側円筒磁石のN極側の端部より、Z軸に沿って負の方向(図の下方向)にオフセットされて配置されている。オフセット幅については、感度領域が適切なものになるように調整される。
図1では、外側円筒磁石の外径が160mmで内径が80mmとなっており、高さは40mmとなっている。また、内側円筒磁石の外径は40mmで内径は10mmとなっており、高さは同じく40mmとなっている。上記のオフセット幅は6.3mmとなっている。
このような数値は一例であるが、以下で、図1に示した従来の磁気回路と比較するために示している。
[本発明の実施の形態における基本的な考え方]
本実施の形態では、単純な構造を有する磁石パーツ(例えば立方体、直方体。磁石ブロックとも呼ぶ。)を複数用いて特徴のある配置を行うことで、二重円筒タイプの磁気回路と同程度の探査深度(すなわち、センサ表面と感度範囲の中心との距離)、同程度の磁束密度及び同程度の大きさを有する感度領域を実現する。
立方体や直方体の磁石パーツは、既製品の磁石商品市場から廉価かつ手軽に入手できるので、片側開放型核磁気共鳴装置において重要なセンサユニットである磁気回路を、廉価且つ短時間で作成できるようになる。
以下では、例えば図2に示すような磁気パーツを組み合わせて磁気回路を構成する。図2(a)は、立方体(一辺40mm)の例を示しており、(b)は、正方形(一辺40mm)を伸ばした(200mm)直方体の例を示しており、(c)は、正方形(一辺40mm)を伸ばした(80mm)直方体の例を示しており、(d)は、正方形(一辺40mm)を伸ばした(120mm)直方体の例を示している。以下では、それぞれAブロック、Bブロック、Cブロック、Dブロックという言い方をする場合がある。当然ながら、サイズは一例である。
なお、図2に示すような立方体や直方体だけではなく、容易に作成できる他の形状の磁気パーツを採用するようにしても良い。
[基本形1]
図3に、本実施の形態で示す磁気回路の第1の基本形を示す。図3の左側は、この磁気回路の正面図を示しており、8つのAブロックで、中央のAブロックを、一辺160mmの正方形で囲うように配置している。但し、中央のAブロックを囲う8つのAブロックは、隙間をあけて配置されている。Aブロック間の間隔は20mmとなっている。ここで、中央のAブロックの中心を原点に設定し、X1軸とX1軸と垂直なY軸とを設定している。また、中央のAブロックの中心を通り、右上のAブロックの中心を通る直線方向にX2軸を設定している。これは、図1のような磁気回路でない限り、X1軸とX2軸方向では、感度領域が異なるからである。
図3の右側は、この磁気回路のX1−Z平面の断面における側面図を示しており、図において垂直にZ軸が定義されている。9つのAブロックの磁化方向はZ軸の正の方向と同じである。すなわち、N極が上方に、S極が下方になるように磁化されている。Z軸は、中央のAブロックの中心を通り、中央のAブロックを囲う8つのAブロックの上端面を含む平面との交点のz座標がゼロと定義されている。中央のAブロックは、その上端面がこの平面からZ軸に沿って負の方向にオフセットを設けてるように配置される。このオフセットの値は、磁気回路の上方に生じる感度領域をできるだけ大きくするようにそれぞれのケースで決定する。
感度領域の中心Pは、Z軸方向の磁束密度Bzの勾配が最小(好ましくは0)となる点である。また、感度領域のサイズは、Z軸方向のdZと、X1軸方向のdX1と、X2軸方向のdX2とで定義される。図3では、X1軸方向のdX1しか示されていないが、dX2についても決定する。なお、磁束密度ベクトルBのZ軸成分Bzが点Pを中心として±所定値になる幅を、dX1、dX2、dZとして決定する。
[基本形2]
図4に、本実施の形態で示す磁気回路の第2の基本形を示す。図4は、この磁気回路の正面図を示しており、8つのAブロックを、それらの中心が半径60mmの円の円周上に均等間隔に載るように配置して、当該円の中心に1つのAブロックを配置している。これによって全体は一辺160mmの正方形に収まるようになっている。図4では、円周上に配置されている8つのAブロックに大きな間隔が設けられているように示されているが、これはあくまで形状を把握しやすくするためで、実際に設けられる間隔は図に示されているように非常に小さい。なお、9つのAブロックの磁化方向は、この例でもZ軸の正方向と同じである。
このように正八角形の各頂点と周辺のAブロックの中心とが一致するように配置することで、中央のAブロックを、他のAブロックにて隙間をあけて囲っている。
なお、中央のAブロックについてオフセットを設けること、感度領域の定義については、図3の例と同じである。
[基本形3]
図5に、本実施の形態で示す磁気回路の第3の基本形を示す。図5は、この磁気回路の正面図を示しており、中央にAブロックを1つ配置し、それを囲うように4つのDブロックを組み合わせて配置している。4つのDブロックは、隙間なく中央のAブロックを囲んでいる。これによって、第3の基本形でも、全体は一辺160mmの正方形に収まるようになっている。なお、1つのAブロック及び4つのDブロックの磁化方向は、この例でもZ軸の正方向と同じである。
なお、中央のAブロックについてオフセットを設けること、感度領域の定義については、図3の例と同じである。
[基本形4]
図6に、本実施の形態で示す磁気回路の第4の基本形を示す。図6は、この磁気回路の正面図を示しており、中央にAブロックを1つ配置し、それを囲うように4つのCブロックを組み合わせて配置している。第4の基本形でも、全体は一辺160mmの正方形に収まるようになっているが、Cブロックは、Dブロックより小さいので、四隅にAブロック1つ分欠けた部分が生じている。この四隅において囲いが薄くなるが、中央のAブロックは、4つのCブロックによって隙間なく囲われている。なお、1つのAブロック及び4つのCブロックの磁化方向は、この例でもZ軸の正方向と同じである。
なお、中央のAブロックについてオフセットを設けること、感度領域の定義については、図3の例と同じである。
[発展形1]
図7に、本実施の形態で示す磁気回路の第1の発展形を示す。図7は、この磁気回路の正面図を示しており、中央にAブロックを1つ配置し、それを囲うように4つのBブロックを組み合わせて配置している。但し、囲うだけではなく、4つのBブロックの各々に、突起部(T1乃至T4)が設けられている。図7では、全体は一辺160mmの正方形に収まらないが、中央のAブロックを囲う部分は160mmの正方向に収まるようになっており、各Bブロックについて、Cブロック分だけ外側に突き出ている。なお、基本形4と比較すれば、突起部T3に示したように、Dブロック分だけ追加された形になっている。
基本形4でも、中央のAブロックは隙間なくDブロックによる矩形の囲いによって囲われていて、突起部T1乃至T4を併せて見ても、正面図では、中央のAブロックを対称の中心とした点対称の図形となっている。なお、突起部T1乃至T4は、中央のAブロックから放射状に延びているわけではないが、中央のAブロックの囲いの辺に沿ってこの囲いより外側に延びている。
なお、1つのAブロック及び4つのBブロックの磁化方向は、この例でもZ軸の正方向と同じである。
また、中央のAブロックについてオフセットを設けること、感度領域の定義については、図3の例と同じである。
[シミュレーション結果]
図1に示した従来例と、基本形1乃至4と、発展形1とについて、静磁場シミュレーションを行って、磁石端面から離れた空間の静磁場ベクトルのz軸成分(Bz)を記録した。なお、永久磁石の物性としては、保持力1000000A/m、残留磁束密度1.3Tとした。
また、中央のAブロックのオフセットについては、それぞれのケースについて、感度領域をできるだけ大きく確保できる値を見つけて採用した。
また、片側開放型核磁気共鳴装置のセンサに含まれる高周波コイルから放出される核スピン励起用高周波磁気のパルス幅が0.1msと想定して、それによって励起される空間的な広がりとして、点Pを中心として±2.3ガウス内となる範囲を、Z軸、X1軸及びX2軸方向に探索して、その幅dZ、dX1及びdX2を測定した。以下に結果をまとめる。
Figure 2020139797
総体積[cm3]は小さい方がコスト的には好ましい。但し、ここでは点PのBz値[ガウス]と、磁石端面から点Pへの距離である探査深度[mm]と、dZ[mm]と、dX1[mm]と、dX2[mm]とによって磁気回路の性能を評価する。これらの値は、すべて大きいほど優れていることになるが、トレードオフの関係になっているものもあるので、すべてを大きくするのは難しい。なお、オフセット値[mm]は上で述べたように感度領域のサイズを最大化するために選択された値である。
従来例を基準にすれば、点PのBz値を超える例はないが、探査深度、dZ、dX1及びdX2については、基本形1乃至4及び発展形1については、従来例と遜色のない値になっている。
基本形2は、従来例を簡略化したものとも言えるが、その簡易な構成を鑑みれば十分な性能が得られている。基本形2の変形とも言える基本形1は、dX1及びdX2については基本形2より若干劣っているが、探査深度及びdZについては基本形2より若干優れている。
一方、中央のAブロックを完全に囲ってしまう基本形3及び4と発展形1については、基本形3及び発展形1であれば、探索深度、dZ、dX1及びdX2の全てについて従来例より優れていることがわかる。なお、基本形4も、従来例より劣っているのはdX1だけである。
なお、完全に囲うケースと間隔をあけて囲うケースとでの差については、必ずしも明らかではない。
また、基本形3及び4と発展形1とを比較すれば、突起部T1乃至T4は、dX1及びdX2と探査深度とに好影響を与えていることがわかる。基本形3は基本形4に四隅の角を追加した形であるが、これによっても、dX1及びdX2と探査深度とに好影響を与えていることがわかる。
以上のように、上で述べた基本形1乃至3及び発展形1については、単純な形状の磁石ブロックの配置を工夫することで、二重円筒タイプと遜色のない効果を得ることができる。
なお、特徴的な配置を行う発展形1についてX1−Z平面におけるBz値の分布(シミュレーション結果)を図8に示す。図8では、Bz値が大きい領域は白く、低い領域は黒くなるようにグレースケールで示している。なお、Bz値の絶対値が大きくても磁場の符号が反転している領域も黒色で示している。図8からは、中央に、中央のAブロックの影響で白い領域が設けられ、左右に、中央のAブロックを囲うBブロックの影響で白い領域が縦方向に延びていることがわかる。
また、図9に、発展形1について、感度領域の中心P(X1=X2=Y=0mm、Z=36mm)を含む空間においてBz値の一次元空間分布を表す図を示す。図9において縦軸は、磁束密度Bzを表し、横軸(下)は、Z方向の原点からの距離を表し、横軸(上)は、X1又はX2軸方向の原点からの距離を表している。磁束密度BzのZ軸方向の変化は太線で示されており、およそZ=36mmにおいて勾配が最小となり感度領域の中心Pが設定される。また、約719ガウス±2.3ガウスの幅(2本の水平の一点鎖線の間)で、dZが示されている。
同様に、磁束密度BzのX1軸方向の変化は細い実線で示されており、約719ガウス±2.3ガウスの幅に入る範囲が、dX1として示されている。また、磁束密度BzのX2軸方向の変化は点線で示されており、約719ガウス±2.3ガウスの幅に入る範囲が、dX2として示されている。
[応用例1]
発展形1の知見を基本形1に適用すると、図10に示した応用例1に係る磁気回路が得られる。図10は、正面図を示したものであって、中央のAブロックを、8つのAブロックで矩形をなすように隙間を空けて囲うのは基本形1と同じである。これに加えて、突起部となるAブロックP1乃至P4を、8つのAブロックで構成する矩形の各角に、8つのAブロックによる囲いより外側に突き出るように隙間をあけて設けている。隙間は空いているが、概形は発展形1と同様であり、矩形の各辺に沿って、突起部P1乃至P4がそれぞれ延びている。応用例1も、正面図においては、中央のAブロックを対称の中心とする点対称の図形となっている。
また、中央のAブロックについてオフセットを設けることは、図3の例と同じである。さらに、13個のAブロックの磁化方向は、この例でもZ軸方向に平行とする。

このように大きな磁石ブロックの一部ではなく、独立した磁石ブロックを用いた突起部であっても、同様の効果が期待される。
なお、基本形2についても、中央のAブロックを8つのAブロックで円をなすように隙間をあけて囲っていたが、応用例1のように独立したAブロックの突起部を追加することもさらに考えられる。
[応用例2]
発展形1の知見を基本形3に適用すると、図11に示した応用例2に係る磁気回路が得られる。図11は、正面図を示しており、中央のAブロックを4つのDブロックにより隙間なく囲うのは基本形3と同じである。これに加えて、突起部となるAブロックP1乃至P4を、4つのDブロックで構成する矩形の各角に、4つのDブロックによる囲いより外側に突き出るように隙間をあけて設けている。隙間は空いているが、概形は発展形1と同様であり、矩形の各辺に沿って、突起部P1乃至P4がそれぞれ延びている。応用例2も、正面図においては、中央のAブロックを対称の中心とする点対称の図形となっている。
また、中央のAブロックについてオフセットを設けることは、図3の例と同じである。さらに、5個のAブロックと4つのDブロックの磁化方向は、この例でもZ軸の正方向と同じである。
このように大きな磁石ブロックの一部ではなく、独立した磁石ブロックを用いた突起部であっても、同様の効果が期待される。
なお、図示しないが、突起部を構成するAブロックP1乃至P4を隙間をあけずにDブロックに接するように設けるようにしても良い。また、発展形1については4つのBブロックを用いていたが、Bブロックではなくより小さい磁石ブロックを用いて同様の形状を実現するようにしても良い。
[応用例3]
発展形1をさらに変形することも考えられる。図12に応用例3に係る磁気回路の正面図を示す。この例では、中央のAブロックを、4つのBブロックではなく、2つのBブロックB1及びB3と2つのDブロックD1及びD2を組み合わせて囲う。但し、DブロックB1及びB2については、組み合わせるとその一部が突起部T5及びT6となる。一方、Dブロックについては、突起部になる部分がないので、代わりに間隔をあけて、Dブロックそれぞれに、Aブロックからなる突起部P2又はP4を設ける。
このように、Bブロックの一部分である突起部T5及びT6と突起部P2及びP4は、2つのDブロック及び2つのBブロックによる中央のAブロックに対する囲いより外側に突き出るように設けられている。これらは、中央のAブロックの囲いである矩形の各辺に沿って延びている。応用例3も、正面図においては、中央のAブロックを対称の中心とする点対称の図形となっている。
また、中央のAブロックについてオフセットを設けることは、図3の例と同じである。さらに、3個のAブロックと2つのDブロックと2つのBブロックの磁化方向は、この例でもZ軸の正方向と同じである。
このように、大きな磁石ブロックの一部と独立した磁石ブロックとによる突起部であっても、同様の効果が期待される。
[応用例4]
発展形1を別の形態に変形することも考えられる。図13に応用例4に係る磁気回路の正面図を示す。この例では、中央のAブロックを、4つのBブロックで、隙間をあけて囲うものである。これまでは、Bブロックをそれぞれ隣接する他の2つのBブロックと接するように配置して隙間を作らないようにしていたが、応用例4では、隙間を設けている。これによって、発展形1よりも突起部T7乃至T9の長さが長くなる。
このように、Bブロックの一部分である突起部T7乃至T10は、4つのBブロックによる中央のAブロックに対する囲いより外側に突き出るように設けられている。これらは、中央のAブロックの囲いである矩形の各辺に沿って延びている。応用例4も、正面図においては、中央のAブロックを対称の中心とする点対称の図形となっている。
また、中央のAブロックについてオフセットを設けることは、図3の例と同じである。さらに、1つのAブロックと4つのBブロックの磁化方向は、この例でもZ軸方向に平行とする。
基本形1を鑑みれば、応用例4でも、同様の効果が期待される。
[応用例5]
上では単純な形状として直方体及び立方体の磁石ブロックを用いる例を示したが、単純な形状としてL字の磁石ブロックを採用するようにしても良い。
図14(a)は、応用例5に係る磁気回路の正面図であって、DブロックとBブロックとをL字に連結したL字の磁石ブロックを2つ組み合わせて、中央のAブロックを隙間をあけずに囲うように配置する。このようにすれば、L字の磁石ブロックL1には、中央のAブロックに対する囲いより外側に延びる突起部T11ができ、L字の磁石ブロックL2には、同様な突起部T12ができる。
また、図14(b)は、応用例5に係る他の磁気回路の正面図であって、同じL字の磁石ブロックを2つ組み合わせて、中央のAブロックを隙間をあけて囲うように配置する。この例でも、L字の磁石ブロックL1には、中央のAブロックに対する囲いより外側に延びる突起部T11ができ、L字の磁石ブロックL2には、同様な突起部T12ができる。
このように、Bブロックの一部分である突起部T11及びT12は、2つのL字の磁石ブロックによる中央のAブロックに対する囲いより外側に突き出るように設けられている。これらは、中央のAブロックの囲いである矩形の各辺に沿って延びている。応用例5も、正面図においては、中央のAブロックを対称の中心とする点対称の図形となっている。
また、中央のAブロックについてオフセットを設けることは、図3の例と同じである。さらに、1つのAブロックと2つのL字の磁石ブロックの磁化方向は、この例でもZ軸の正方向と同じである。
このように立方体や直方体でない磁石ブロックでも同様の形状を構成することが可能であり、同様の効果を得ることが期待される。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、上で述べたサイズは一例に過ぎず、片側開放型磁気共鳴装置のためのセンサのサイズに応じて変更することができる。
また、上で述べたが、単純な形状は、立方体や直方体に限られず、例えばAブロックの代わりに円柱などを用いるようにしても良い。
さらに、同じ形状の磁石ブロックを多く用いるような例を示しているが、異なる形状の磁石ブロックを多種類組み合わせるようにしてもよい。例えば、Bブロックの代わりに、CブロックとDブロックを組み合わせて使用しても良い。
以上述べた実施の形態をまとめると以下のようになる。
本実施の形態の第1の態様に係る、片側開放型磁気共鳴装置のための磁気回路は、(A)所定の軸方向に磁化された第1の磁石と、(B)第1の磁石を囲うように配置され、第1の磁石と同一方向に磁化されている複数の第2の磁石とを有する。そして、第1の磁石は、当該第1の磁石の先端が、複数の第2の磁石の先端よりも所定の軸方向とは逆方向に所定のオフセットをもって配置される。また、複数の第2の磁石の少なくとも一部の第2の磁石は、第1の磁石の囲いより外側に突き出た部分を有する。
このようにすることで、複雑な形状の磁石を用いることがないのでコストを抑えることができ、第2の磁石によって好ましい感度領域を実現できるようになる。
なお、上で述べた複数の第2の磁石は、第1の磁石を対称の中心とする点対称となるように配置される場合もある。このようにすれば、好ましい感度領域が得られやすい。
さらに、上で述べた複数の第2の磁石は、少なくとも一部に隙間を設けて、又は隙間なく第1の磁石を囲うように配置されるようにしても良い。これによって感度領域を調整しやすくなる。
なお、上で述べた複数の第2の磁石は、四辺以上の多辺形又は円形で囲うように配置されるようにしてもよい。複雑な形状の磁石を用いずとも、良好な感度領域を得ることができるようになる。
また、第1の態様に係る磁気回路は、(C)複数の第2の磁石より外側に配置され、第1の磁石と同一方向に磁化されており、複数の第2の磁石の数より少ない数の複数の第3の磁石をさらに有するようにしてもよい。第2の磁石における第1の磁石の囲いより外側に突き出た部分と組み合わせて、好ましい感度領域を実現できるようになる。
本実施の形態の第2の態様に係る、片側開放型磁気共鳴装置のための磁気回路は、(A)所定の軸方向に磁化された第1の磁石と、(B)第1の磁石を囲うように配置され、第1の磁石と同一方向に磁化されている複数の第2の磁石と、(C)複数の第2の磁石より外側に配置され、第1の磁石と同一方向に磁化されており、複数の第2の磁石の数以下の数の複数の第3の磁石とを有する。そして、第1の磁石は、当該第1の磁石の先端が、複数の第2の磁石の先端よりも所定の軸方向とは逆方向に所定のオフセットをもって配置される。
複雑な形状の磁石を用いることがなくコスト抑制が可能であり、第3の磁石によって好ましい感度領域を実現できるようになる。
なお、上で述べた複数の第3の磁石は、複数の第2の磁石による第1の磁石の囲いから外側に突き出るように、複数の第2の磁石の少なくともいずれかとの間に隙間を設けて又は隙間なく配置されている場合もある。このようにすることで、感度領域を調整しやすくなる。
また、上で述べた複数の第2の磁石及び複数の第3の磁石は、第1の磁石を対称の中心とする点対称となるように配置される場合もある。好ましい感度領域が得られやすい。
さらに、上で述べた複数の第2の磁石は、少なくとも一部に隙間を設けて、又は隙間なく第1の磁石を囲うように配置されるようにしてもよい。これによって感度領域を調整しやすい。
さらに、上で述べた複数の第2の磁石は、四辺以上の多辺形又は円形で囲うように配置されるようにしてもよい。複雑な形状の磁石を用いずとも、良好な感度領域を得ることができるようになる。
T1−T12,P1−P4 突起部

Claims (10)

  1. 所定の軸方向に磁化された第1の磁石と、
    前記第1の磁石を囲うように配置され、前記第1の磁石と同一方向に磁化されている複数の第2の磁石と、
    を有し、
    前記第1の磁石は、当該第1の磁石の先端が、前記複数の第2の磁石の先端よりも前記所定の軸方向とは逆方向に所定のオフセットをもって配置され、
    前記複数の第2の磁石の少なくとも一部の第2の磁石は、前記第1の磁石の囲いより外側に突き出た部分を有する
    片側開放型磁気共鳴装置のための磁気回路。
  2. 前記複数の第2の磁石は、前記第1の磁石を対称の中心とする点対称となるように配置される
    請求項1記載の磁気回路。
  3. 前記複数の第2の磁石は、少なくとも一部に隙間を設けて、又は隙間なく前記第1の磁石を囲うように配置される
    請求項1又は2記載の磁気回路。
  4. 前記複数の第2の磁石は、四辺以上の多辺形又は円形で囲うように配置される
    請求項1乃至3のいずれか1つ記載の磁気回路。
  5. 前記複数の第2の磁石より外側に配置され、前記第1の磁石と同一方向に磁化されており、前記複数の第2の磁石の数より少ない数の複数の第3の磁石
    をさらに有する請求項1乃至4のいずれか1つ記載の磁気回路。
  6. 所定の軸方向に磁化された第1の磁石と、
    前記第1の磁石を囲うように配置され、前記第1の磁石と同一方向に磁化されている複数の第2の磁石と、
    前記複数の第2の磁石より外側に配置され、前記第1の磁石と同一方向に磁化されており、前記複数の第2の磁石の数以下の数の複数の第3の磁石と、
    を有し、
    前記第1の磁石は、当該第1の磁石の先端が、前記複数の第2の磁石の先端よりも前記所定の軸方向とは逆方向に所定のオフセットをもって配置される
    片側開放型磁気共鳴装置のための磁気回路。
  7. 前記複数の第3の磁石は、前記複数の第2の磁石による前記第1の磁石の囲いから外側に突き出るように、前記複数の第2の磁石の少なくともいずれかとの間に隙間を設けて又は隙間なく配置されている
    請求項6記載の磁気回路。
  8. 前記複数の第2の磁石及び前記複数の第3の磁石は、前記第1の磁石を対称の中心とする点対称となるように配置される
    請求項6又は7記載の磁気回路。
  9. 前記複数の第2の磁石は、少なくとも一部に隙間を設けて、又は隙間なく前記第1の磁石を囲うように配置される
    請求項6乃至8のいずれか1つ記載の磁気回路。
  10. 前記複数の第2の磁石は、四辺以上の多辺形又は円形で囲うように配置される
    請求項6乃至9のいずれか1つ記載の磁気回路。
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