JP2020139327A - ピン支承体、支承装置、構造物の支承構造、および、ピン支承体の製造方法 - Google Patents

ピン支承体、支承装置、構造物の支承構造、および、ピン支承体の製造方法 Download PDF

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将信 岩永
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【課題】簡易な構造でありながら、優れた剪断強度を有するピン支承体、同ピン支承体の製造方法、同ピン支承体を用いた支承装置、および、構造物の支承構造を提供する。【解決手段】ピン支承体1は、軸周方向に回転可能な棒状の一体成形物であり、軸方向中央領域に設けられた径大部101と、径大部101の両端に径大部101よりも径小な軸径で設けられた一対の径小部102と、各径小部102と径大部101との間に設けられた段部103とを有するピン本体100と、ピン本体100を軸支する筒状の部材で、各々が略同寸法に設けられた、一対の軸受体120とを備えている。各軸受体120は、外径が径大部101の外径と略同一であると共に、両端面の中央に開口した貫通穴である嵌挿穴121が形成されている。また、嵌挿穴121は、各径小部102を支圧接合可能な内径に形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ピン支承体、支承装置、構造物の支承構造、および、ピン支承体の製造方法に関する。詳しくは、簡易な構造でありながら、優れた剪断強度を有するピン支承体、同ピン支承体の製造方法、同ピン支承体を用いた支承装置、および、構造物の支承構造に関する。
従来から、橋梁や建築物等の構造物において、基礎や柱等の下部構造体と、屋根や天井等上部構造体の間には、これらを直接剛結せず、変形を吸収可能に接続する支承装置が配設されている。支承装置の一例として、下記特許文献1に記載されているような支承装置が提案されており、同支承装置を図10に支承装置9として図示する。
支承装置9は、下沓91に横置きしたピン92で上沓93を可動支承し、左右側端面それぞれで上沓93と下沓91とピン92とをキャップ94で纏めて覆うことで上沓93の上揚を防止するものであり、左右のキャップ94がそれぞれフランジ95を有し、フランジ95同士を、ピン92を挟んだ前後それぞれで連結する連結部98を備えた構成である。
特許文献1に記載された支承装置9によれば、ピン支承に作用する引っ張り力を、ピン92とキャップ94同士を連結する制限構造とで分担して受けることができ、耐震性の向上を実現することができるとされている。
特許第6195534号公報
ところで、支承装置9では、ピン92に径が太い部分とその両端の径が細い部分96とがあり、両端部の細い部分96に雄ネジが切ってあり、キャップ94を被せた後にナット97を締め付けることで両者が結合された構造である。つまり、細い部分96は単なる接合部材であって、ピン92の太い部分によって剪断力に対抗しようと企図されている。
しかしながら、当該構造では、地震等の際にピン92の細い部分96に想定外の応力が集中し、また、外周に雄ネジが切ってあることから剪断強度も低く、荷重に対する脆弱部分となりうるおそれがある。そして、細い部分96が破断した場合、キャップ94が外れ、フランジ95とこれを連結する連結部98の位置もずれてしまい、支承装置9が上下に分離して壊れ、機能しなくなるおそれもある。
また、細い部分96を嵌挿し固定するにあたっては、抜け止めのためにキャップ94の取り付けやナット97の締め付けを要し、部品点数が増えて構造が複雑化すると共に、ピン92自体の剪断強度を向上させる構造とも言い難い。なお、このような構造は、支承装置9にのみならず、この種の製品(以下「従来品」という)で一般的に見受けられ、即ち、従来品の課題というべきものである。
本発明は、以上の点を鑑みて創案されたものであり、簡易な構造でありながら、優れた剪断強度を有するピン支承体、同ピン支承体の製造方法、同ピン支承体を用いた支承装置、および、構造物の支承構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のピン支承体は、軸方向中央領域に設けられた径大部と、該径大部の両端に同径大部よりも径小な軸径で、各々が略同寸法に設けられた一対の径小部と、該各径小部と前記径大部との間に設けられた段部とを有する棒状の一体成形物であるピン本体と、外径が前記径大部の外径と略同一であり、少なくとも一方の端面の略中央に前記径小部を支圧接合可能な嵌挿穴が形成された筒状であると共に、前記一方の端面が前記段部と当接または嵌合可能な形状で、各々が略同寸法に設けられた一対の軸受体とを備える。
ここで、ピン本体は、径大部が、軸方向中央領域に設けられていることにより、支承装置等に組み込まれた際に、上沓から垂下するリブ等の上部構造体との接合部分にすることできる。上沓等には天井構造等の重量が大きな上部構造体の基部が取り付けられることから、この接合箇所には大きな荷重が加わることになるが、接合箇所がピン本体の最も太い部分である径大部であれば、ピン本体が有する最大の剪断強度を以て荷重に対抗することができる。そして、径大部が軸方向中央領域にあることで、荷重により生じる応力がピン本体の軸方向の一方側のみに集中しないように分散させることができる。
ピン本体は、一対の径小部が、径大部の両端に径大部よりも径小な軸径で設けられていることにより、径大部を挟む態様で軸受体を取り付ける部分とすることができる。また、各径小部は、径大部よりも径小な軸径であることにより、各径小部と径大部の間に径差が生じ、当該部分に段部が生じることとなる。
ところで、各径小部の長さあるいは軸径が異なる寸法で形成された場合には、寸法の不均衡に起因する脆弱部が生じ、脆弱部に極端な応力集中が起きる可能性がある。しかしながら、本願発明では、各径小部は各々が略同寸法であることにより、応力を各径小部へ略均等に分散させることができる。なお、「略同寸法」の語は、軸長および軸径がほぼ同一の寸法である場合のほか、完全に同一の寸法である場合も含む意味で使用している。
更に、ピン本体は、段部が設けられていることにより、ピン本体が軸方向に振れた際に、軸支状態で対向位置にある軸受体の一方の端面に段部が当たって、ピン本体がそれ以上軸方向へ移動しないように止める(即ち、当止構造の一部を構成する)ことができる。なお、「段部」としては、例えば、形成した各径小部と径大部の間の径差により生じた段付形状が挙げられるが、これに限定するものではなく、先部方向に向かって徐々に径が窄まる形状(テーパー形状)等であってもよい。
そして、ピン本体は、棒状の一体成形物であることにより、径大部と各径小部が回転軸を同じくし(同一軸線上に配置され)、軸周方向に回転可能な構造となっている。これにより、ピン本体の回転時に、径大部と各径小部が一体的かつ軸ブレが生じない態様で円滑に回転することができる。つまり、ピン本体は、組み込まれる支承装置等において、軸体としてピン支承を行い得る。
なお、本発明のピン支承体は、支承装置のほか、各種構造物の関節部や屈曲部にも適用可能なものであるため、組み込み対象について「支承装置等」と表現している。
更に、ピン本体は一体成形物であることにより、例えば、二種類の太さの棒体を溶接加工等して得られた成形物とは異なり、脆弱部となり得る接合箇所が存在しないので、優れた剪断強度を有する構造になっている。
一対の軸受体は、外径が径大部の外径と略同一であることにより、軸受体によるピン本体の軸支状態において、ピン本体と軸受体の各々の外周面を略面一に連結することができる。つまり、ピン本体に取り付けられることにより一体化した軸受体は、略同一径のピン支承体を構成することができ、ピン支承体全体に所定の剛性を付加することができる。なお、「略同一」の語は、ほぼ同一である場合のほか、完全同一の場合も含む意味で使用している。
なお、各軸受体は、例えば、ピン本体を軸支した状態で下沓のリブ等に固着されるが、このとき、従来品のようにピン本体の端部に締着構造を設けたり、キャップ等の部材を取り付けたりする脱落ないし離脱を防止する手段を設けなくても、下沓のリブ等に固着された各軸受体でピン本体の径大部を挟んで保持するものであるため、各軸受体からピン本体が脱落しない構造になっている。すなわち、構成部品の点数が少ない簡易な構造でありながらも、堅牢な構造にすることができる。
各軸受体は、少なくとも一方の端面の略中央に径小部を支圧接合可能な嵌挿穴が形成された筒状であることにより、嵌挿穴にピン本体の径小部を嵌挿すると、嵌挿穴と径小部とが隙間無くかつ滑動可能に嵌合し、自ずと軸受体の中心軸とピン本体(径小部)の回転軸とを一致させることができる。
これにより、各軸受体は、略同径に設けられたピン本体と軸受体の各々の外周面を略面一に連結することができ、そして、ピン本体が円滑に回動するように軸受することができる。この結果、ピン本体の静止時および回動時のいずれの場合でも、ピン支承体全体の外周面が略面一となり、段差部分がある場合に生じる可能性がある剪断力の集中が抑制され、ピン支承体全体として剪断強度が向上している。
加えて、嵌挿穴が一方の端面の略中央に形成されていることにより、軸受体の肉厚が均等となり、肉厚が不均等で薄肉部分がある場合に生じうる剪断力の集中が抑制され、軸受体のみならず、ピン支承体全体としての剪断強度が向上している。なお、「嵌挿穴」は、軸受体の両方の端面に開口した貫通穴であってもよいし、軸受体のピン向き端面部にのみ開口した未貫通穴であってもよい。
更に、嵌挿穴は、径小部を支圧接合可能に形成されていることにより、嵌挿穴内面と径小部外面の支圧接合により応力が伝達される構造になっており、特にこの構造部分が、ピン支承体全体としての剪断強度向上に寄与している。
各軸受体は、一方の端面が段部と当接または嵌合可能な形状であることにより、ピン本体が軸方向に振れた際に、段部が対向位置にある軸受体の一方の端面に当たって、ピン本体がそれ以上軸方向へ移動しないように止める(即ち、当止構造の一部を構成する)ことができる。なお、「当接または嵌合可能な形状」としては、例えば、段部が段付形状であれば、同様の段付形状であってもよいし、段部が先部方向に向かって徐々に径が窄まる形状(テーパー形状)であれば、段部を受けて嵌合可能な擂り鉢形状(逆テーパー形状)等であってもよい。
ところで、各軸受体の外径あるいは軸方向の長さが異なる寸法で形成された場合には、寸法の不均衡に起因する脆弱部が生じ、脆弱部に極端な応力集中が起きる可能性がある。しかしながら、本発明では、軸受体は各々が略同寸法であることにより、各径小部に生じる応力を略均等に分散させることができる。なお、「略同寸法」の語は、軸方向の長さおよび外径がほぼ同一の寸法である場合のほか、完全に同一の寸法である場合も含む意味で使用している。
材料が金属の場合、ピン本体の加工は、各径小部を所定の長さおよび軸径で削成(削り出して形成)することが好適である。これにより、例えば、二種の太さの鋼棒を溶接等した態様のピン等と比較して剛性が高く、また、高い寸法精度や表面の平滑性を得ることができる。加えて、金属結晶生成の差による部品強度の低下を回避することができる。更に、強度が全体的に均一であるため、内部の密度差や傷などに伴い発生しうる応力集中で部品破損を起こしにくいものとなる。加えて、機械加工による冷間加工によって形成されることで、熱影響による材料の劣化(材料強度の低下)を避けることができる。
同様に材料が金属の場合、軸受体の加工は、ピン本体を形成する材料の一部を所定長さに切断し、切離した部材の端面に開口した嵌挿穴を削成(削り出して形成)することが好適である。これにより、嵌挿穴を、所望する内径かつ内面を平滑にし、軸受体の肉厚が均等となるような寸法精度の高い加工を施すことができ、支圧接合が実現されるにあたり、径小部を嵌挿穴に嵌挿した状態で隙間が生じない軸受体を得ることができる。また、ピン本体と同じ材料を使用することにより、金属結晶生成の差による部品強度の低下を回避することができる。更に、強度が全体的に均一であるため、内部の密度差や傷などに伴い発生しうる応力集中で部品破損を起こしにくいものとなる。加えて、機械加工による冷間加工によって形成されることで、熱影響による材料の劣化(材料強度の低下)を避けることができる。
加えて、削成加工であれば、既製の鋼棒等を使用する場合と異なり、回転軸となる径小部を所望する軸径にすることができ、かつ、軸支状態において嵌挿穴内面との間に隙間が生じないような、精度の高い加工を施すことができる。
なお、ピン本体の構成材および軸受体の構成材としては、各種金属材が挙げられるが、これに限定するものではなく、例えば、所定の剪断強度を有し、充分な耐候性や耐蝕性を有する素材であれば、合成樹脂材や炭素繊維材、セラミック材、その他の材料、または、複合材等であってもよい。また、高い加工精度と充分な剛性が得られるのであれば、ピン支承体の構成部品(ピン本体、軸受体)の形成方法は特に限定されるものではなく、鋳造成形等であってもよいし、鋳造成形品を更に削成して加工精度を向上させる方法であってもよい。
本発明のピン支承体は、前述の通り、ピン本体と一対の軸受体とを備える簡易な構造でありながら、軸受体の嵌挿穴の内面でピン本体の径小部を軸支し、面支持で支圧接合する構造であるため、径小部の剪断抵抗と嵌挿穴の内面との間の支圧によって応力伝達がなされ、さながら一本の棒のように一体化し、材料が本来有する剪断強度を以て荷重に対抗することができる。
ところで、支圧接合のためには、嵌挿するピン本体の径小部と軸受体の嵌挿穴との間に隙間が生じない構造である必要があるが、一般的な規格の鋼管と鋼棒を適当に組み合わせただけでは充分な精度が得られず、効果的な支圧接合が困難である。しかしながら、本発明のピン支承体では、嵌挿穴が径小部を支圧接合可能(すなわち、前述の隙間がほぼ無い)な内径であるため、理想的な支圧接合を実現することができ、優れた剪断強度を発揮することができる。
更に、従来品では、高い剪断強度を確保すべく、支承体で使用されるピンが高価な高規格鋳鋼等によって製造されているが、本発明のピン支承体は、構造的に優れた剪断強度を有するものであるため、一般的な規格の鋼材等でも構成することができ、材料の調達が容易であると共に、製造コストを抑制することができる。
また、各軸受体が、嵌挿穴が径小部の軸方向の長さと略同一の貫通穴であると共に、一方の端面が段部と当接する態様でピン本体に取り付けられている場合は、ピン本体と軸受体との間に間隔が空かない態様のピン支承体を構成することができる。そして、軸受体が、一方の端面が段部と当接する態様でピン本体に取り付けられることより、ピン本体がその軸方向へ不動となり、軸受体とピン本体との一体性が更に向上している。
軸受体は、嵌挿穴が径小部の軸方向の長さと略同一の貫通穴であることにより、例えば、嵌挿穴が未貫通穴である場合と比較すると、嵌挿穴の内面と径小部の外面が当接する面支持部分をより広く確保することができ、支圧接合の効果を更に高めることができる。また、嵌挿穴が貫通穴であることにより、例えば、夏期の高温により径小部が熱膨張で若干伸長したとしても、嵌挿穴の先部から径小部が突き出ることで伸長分を許容可能であり、当接状態にある一方の端面と段部とが離れないようにすることができる。
また、各軸受体が、嵌挿穴が径小部の軸方向の長さよりも短尺な貫通穴であると共に、軸受体間に配置されたピン本体が、軸方向へスライド可能な態様で取り付けられている場合は、ピン本体と、少なくとも一方の軸受体との間に、間隔が空く態様でピン支承体を構成することができる。
本構成のピン支承体によれば、地震等により水平力が加わった際に、軸受体間において、ピン本体が軸方向へスライドすることができる構造であるので、鉛直力のみならず水平力に対しても対抗することができ、つまり、一のピン支承体を以てピン支承およびローラ支承の作用効果を奏することができる。
軸受体は、嵌挿穴が径小部の軸方向の長さよりも短尺な貫通穴であることにより、嵌挿穴の内面と径小部の外面が当接する面支持部分を広く確保することができ、支圧接合の効果を更に高めることができる。また、同構成の嵌挿穴であることにより、軸受体間においてピン本体が軸方向へスライドしたとしても、ピン本体の移動方向側先端が嵌挿穴の先に突き出すので、ピン本体の充分な移動量を確保することができる。更に、嵌挿穴が貫通穴であることにより、例えば、夏期の高温により径小部が熱膨張で若干伸長したとしても、伸長分を許容可能な構造となっている。
上記の目的を達成するために、本発明の支承装置は、取着対象を取り付け可能な取付部と、該取付部の背部側に、所定の間隔を空けて複数が平行に突設したリブ部とを有する第1沓体と、軸方向中央領域に設けられると共に、前記各リブ部が軸方向に固着された径大部と、該径大部の両端に同径大部よりも径小な軸径で、各々が略同寸法に設けられた一対の径小部と、該各径小部と前記径大部との間に設けられた段部とを有する棒状の一体成形物であるピン本体と、該ピン本体の前記各径小部に取り付けられ、外径が前記径大部の外径と略同一であり、少なくとも一方の端面の略中央に前記径小部を支圧接合可能な嵌挿穴が形成された筒状であると共に、前記一方の端面が前記段部と当接または嵌合可能な形状で、各々が略同寸法に設けられた一対の軸受体と、取着対象を取り付け可能な取付部と、該取付部の背部側に、前記径大部および前記第1沓体のリブ部を間に挟むように突設され、前記軸受体が個別に固着された一対のリブ部とを有する第2沓体とを備える。
ここで、第1沓体は、取着対象を取り付け可能な取付部を有することにより、取着対象を取り付けることができる。なお、第1沓体の「取着対象」としては、例えば、建造物の屋根部分等が挙げられるが、これに限定するものではなく、建造物の柱梁部分や基礎部分等であってもよい。
ところで、第1沓体の「取着対象」が建造物の屋根部分である場合、第2沓体の「取着対象」は建造物の柱梁部分や基礎部分等となり、反対に、第2沓体の「取着対象」が建造物の屋根部分である場合は、第1沓体の「取着対象」が建造物の柱梁部分や基礎部分等となる。つまり、本発明の支承装置は、支承物と被支承物の間に配置され、第1沓体と第2沓体は、各々の取付部を以て、支承物または被支承物のいずれかを取着対象とする。
そして、第1沓体は、リブ部を有することにより、ピン本体に取り付けることができる。これにより、第1沓体は、ピン本体の軸周方向に回動することができる。また、リブ部は、取付部の背部側に突設しているので、第1沓体がピン本体の軸周方向に回動する動きを阻害せず、所定の回動角度を確保した構造となっている。加えて、リブ部は、所定の間隔を空けて複数が平行に突設しているので、取付部方向から加わる荷重を複数箇所に分散させ、応力集中が生じにくい構造となっている。
ピン本体は、径大部が、軸方向中央領域に設けられると共に、前記各リブ部が軸方向に固着されていることにより、第1沓体とピン本体とが連結され、第1沓体の回動に伴ってピン本体も回動することができる。これにより、例えば、第1沓体に鉛直力が加わった際にピン本体が回動し、鉛直方向荷重を支承することができる。
なお、径大部は、ピン本体が有する最大の剪断強度を以て荷重に対抗することができる部分であるため、径大部に固着された第1沓体には、第2沓体が取着される取着対象よりもより重量が大きなもの(例えば、屋根や天井構造等の重量が大きな上部構造体)を取着することが推奨される。そして、径大部が軸方向中央領域にあることで、荷重により生じる応力がピン本体の軸方向の一方側のみに集中しないように分散させることができる。
ピン本体は、一対の径小部が、径大部の両端に径大部よりも径小な軸径で設けられていることにより、径大部を挟む態様で軸受体を取り付ける部分とすることができる。また、各径小部は、径大部よりも径小な軸径であることにより、各径小部と径大部の間に径差が生じ、当該部分に段部が生じることとなる。この段部は、ピン本体が軸方向に振れた際に、軸支状態で対向位置にある軸受体の一方の端面に段部が当たって、ピン本体がそれ以上軸方向へ移動しないように止める(即ち、当止構造の一部を構成する)ことができる。更に、各径小部は、各々が略同寸法であることにより、応力を各径小部へ略均等に分散させることができる。
そして、ピン本体は、棒状の一体成形物であることにより、径大部と各径小部が回転軸を同じくし(同一軸線上に配置され)、軸周方向に回転可能な構造となっている。これにより、ピン本体の回転時に、径大部と各径小部が一体的かつ軸ブレが生じない態様で円滑に回転することができる。つまり、ピン本体は、本発明において、軸体としてピン支承を行い得る。更に、ピン本体は一体成形物であることにより、溶接加工等による成形物とは異なり、脆弱部となり得る接合箇所が存在しないので、優れた剪断強度を有する構造になっている。
第2沓体は、第2沓体が有する一対の軸受体が、外径が径大部の外径と略同一であることにより、軸受体によるピン本体の軸支状態において、ピン本体と軸受体の各々の外周面を略面一に連結することができる。つまり、ピン本体に取り付けられることにより一体化した軸受体は、略同一径のピン支承体を構成することができ、本発明におけるピン支承構造全体に所定の剛性を付加することができる。
各軸受体は、少なくとも一方の端面の略中央に径小部を支圧接合可能な嵌挿穴が形成された筒状であることにより、嵌挿穴にピン本体の径小部を嵌挿すると、嵌挿穴と径小部とが隙間無くかつ滑動可能に嵌合し、自ずと軸受体の中心軸とピン本体(径小部)の回転軸とを一致させることができる。
これにより、各軸受体は、略同径に設けられたピン本体と軸受体の各々の外周面を略面一に連結することができ、そして、ピン本体が円滑に回動するように軸受することができる。この結果、ピン本体の静止時および回動時のいずれの場合でも、ピン支承構造全体の外周面が略面一となり、段差部分がある場合に生じる可能性がある剪断力の集中が抑制され、ピン支承体全体として剪断強度が向上している。
加えて、嵌挿穴が一方の端面の略中央に形成されていることにより、軸受体の肉厚が均等となり、肉厚が不均等で薄肉部分がある場合に生じうる剪断力の集中が抑制され、軸受体のみならず、ピン支承構造全体としての剪断強度が向上している。
更に、嵌挿穴は、径小部を支圧接合可能に形成されていることにより、嵌挿穴内面と径小部外面の支圧接合により応力が伝達される構造になっており、特にこの構造部分が、ピン支承構造全体としての剪断強度向上に寄与している。
各軸受体は、一方の端面が段部と当接または嵌合可能な形状であることにより、ピン本体が軸方向に振れた際に、段部が対向位置にある軸受体の一方の端面に当たって、ピン本体がそれ以上軸方向へ移動しないように止める(即ち、当止構造の一部を構成する)ことができる。そして、軸受体は、各々が略同寸法であることにより、各軸受体に生じる応力を略均等に分散させることができる。
第2沓体は、取着対象を取り付け可能な取付部を有することにより、取着対象を取り付けることができる。なお、第2沓体の「取着対象」は、前述のように、第1沓体の「取着対象」が建造物の屋根部分であれば、建造物の柱梁部分や基礎部分等である。
第2沓体は、軸受体が個別に固着されたリブ部を有することにより、各リブ部間を横架する態様でピン本体を取り付けることができる。これにより、第2沓体は、ピン本体の軸周方向に回動することができる。つまり、ピン本体を回転軸として、第1沓体と第2沓体のいずれもがピン本体の軸周方向に回動可能な構造になっている。
リブ部は、取付部の背部側に、径大部および第1沓体のリブ部を間に挟むように突設されているので、第2沓体がピン本体の軸周方向に回動する動きを阻害せず、回動角度を確保した構造となっている。また、各リブ部は、径大部および第1沓体のリブ部を間に挟むことができる間隔を空けて突設しているので、取付部方向から加わる荷重を2箇所に分散させ、応力集中が生じにくい構造となっている。
なお、第2沓体の各リブ部に軸受体が個別に固着され、かつ、軸受体がピン本体を両側から軸支する構造であるので、従来品が備えていたキャップ等の部材無しでも、各軸受体からピン本体が脱落しない、すなわち、構成部品の点数が少ない簡易な構造となっている。このように、本発明では、軸支状態に組み立てられた後は、ピン本体が折れ曲がるか、リブが座屈しない限り、ピン本体と軸受体が外れることがない、堅牢な構造になっている。
本発明は、前述の通り、ピン支承構造がピン本体と一対の軸受体とを備えるものでありながら、軸受体の嵌挿穴の内面によってピン本体の径小部を受ける面支持で支圧接合される構造であるため、径小部の剪断抵抗と嵌挿穴の内面との間の支圧によって応力伝達がなされ、さながら一本の棒のように一体化し、材料が本来有する剪断強度を以て荷重に対抗することができる。
更に、本発明では、ピン支承構造において、嵌挿穴が径小部を支圧接合可能(すなわち、前述の隙間がほぼ無い)な内径であるため、理想的な支圧接合を実現することができ、優れた剪断強度を発揮することができる。なお、本発明の支承装置は、従来品のようにピン本体の端部に締着構造を設ける等しなくても、第2沓体のリブに固着された各軸受体でピン本体の径大部を挟んで保持する構造であるため、各軸受体からピン本体が脱落しない構造になっている。すなわち、構成部品の点数が少ない簡易な構造でありながらも、堅牢な構造にすることができる。
加えて、本発明は、ピン支承構造が構造的に優れた剪断強度を有するものであるため、一般的な規格の鋼材等でも構成することができ、材料の調達が容易であると共に、高価な高規格鋳鋼等を使用した従来品と比較して、製造コストを抑制することができる。
上記の目的を達成するために、本発明の構造物の支承構造は、構造物の上部を構成し、下端領域に被支承部を有する上部構造体と、該上部構造体の下方に配置され、前記被支承部が取り付けられた取付部と、該取付部の背部側に、所定の間隔を空けて複数が平行に突設したリブ部とを含む第1沓体と、軸方向中央領域に設けられると共に、前記各リブ部が軸方向に固着された径大部と、該径大部の両端に同径大部よりも径小な軸径で、各々が略同寸法に設けられた一対の径小部と、該各径小部と前記径大部との間に設けられた段部とを含む棒状の一体成形物であるピン本体と、該ピン本体の前記各径小部に取り付けられ、外径が前記径大部の外径と略同一であり、少なくとも一方の端面の略中央に前記径小部を支圧接合可能な嵌挿穴が形成された筒状であると共に、前記一方の端面が前記段部と当接または嵌合可能な形状で、各々が略同寸法に設けられた一対の軸受体と、取着対象を取り付け可能な取付部と、該取付部の背部側に、前記径大部および前記第1沓体のリブ部を間に挟むように突設され、前記軸受体が個別に固着された一対のリブ部とを含む第2沓体とを有する、所定数の支承装置と、該支承装置の下方に位置し、前記第2沓体の取付部が上部領域に取り付けられた下部構造体とを備える。
ここで、本発明では、上部構造体が、構造物の上部を構成し、下端領域に被支承部を有することにより、構造物の上部構造体(例えば、屋根や天井)を構成し、被支承部を介して支承装置で支承できる構造になっている。
本発明では、第1沓体が、上部構造体の下方に配置され、被支承部が取り付けられた取付部を有することにより、取着対象である上部構造体を取り付けることができる。また、第1沓体は、リブ部を有することにより、ピン本体に取り付けることができる。これにより、第1沓体は、ピン本体の軸周方向に回動することができる。
そして、第1沓体は、リブ部が取付部の背部側に突設しているので、第1沓体がピン本体の軸周方向に回動する動きを阻害せず、回動角度を確保した構造となっている。加えて、リブ部は、所定の間隔を空けて複数が平行に突設しているので、取付部方向から加わる鉛直荷重を複数箇所に分散させ、応力集中が生じにくい構造となっている。
本発明では、ピン本体の径大部が、軸方向中央領域に設けられると共に、前記各リブ部が軸方向に固着されていることにより、第1沓体とピン本体とが連結され、第1沓体の回動に伴ってピン本体も回動することができる。これにより、第1沓体に上部構造体からの鉛直力が加わった際にピン本体が回動し、鉛直方向荷重を支承することができる。そして、径大部が軸方向中央領域にあることで、荷重により生じる応力がピン本体の軸方向の一方側のみに集中しないように分散させることができる。
更に、ピン本体は、一対の径小部が、径大部の両端に径大部よりも径小な軸径で設けられていることにより、径大部を挟む態様で軸受体を取り付ける部分とすることができる。また、各径小部は、径大部よりも径小な軸径であることにより、各径小部と径大部の間に径差が生じ、当該部分に段部が生じることとなる。この段部は、ピン本体が軸方向に振れた際に、軸支状態で対向位置にある軸受体の一方の端面に段部が当たって、ピン本体がそれ以上軸方向へ移動しないように止める(即ち、当止構造の一部を構成する)ことができる。更にまた、各径小部は、各々が略同寸法であることにより、応力を各径小部へ略均等に分散させることができる。
そして、ピン本体は、棒状の一体成形物であることにより、径大部と各径小部が回転軸を同じくし(同一軸線上に配置され)、軸周方向に回転可能な構造となっている。これにより、ピン本体の回転時に、径大部と各径小部が一体的かつ軸ブレが生じない態様で円滑に回転することができる。つまり、ピン本体は、本発明の支承装置において、軸体としてピン支承を行い得る。更に、ピン本体は一体成形物であることにより、溶接加工等による成形物とは異なり、脆弱部となり得る接合箇所が存在しないので、優れた剪断強度を有する構造になっている。
第2沓体は、第2沓体が有する一対の軸受体が、外径が前記径大部の外径と略同一であることにより、軸受体によるピン本体の軸支状態において、ピン本体と軸受体の各々の外周面を略面一に連結することができる。つまり、ピン本体に取り付けられることにより一体化した軸受体は、略同一径のピン支承体を構成することができ、本発明におけるピン支承構造全体に所定の剛性を付加することができる。
各軸受体は、少なくとも一方の端面の略中央に径小部を支圧接合可能な嵌挿穴が形成された筒状であることにより、嵌挿穴にピン本体の径小部を嵌挿すると、嵌挿穴と径小部とが隙間無くかつ滑動可能に嵌合し、自ずと軸受体の中心軸とピン本体(径小部)の回転軸とを一致させることができる。
これにより、各軸受体は、略同径に設けられたピン本体と軸受体の各々の外周面を略面一に連結することができ、そして、ピン本体が円滑に回動するように軸受することができる。この結果、ピン本体の静止時および回動時のいずれの場合でも、ピン支承構造全体の外周面が略面一となり、段差部分がある場合に生じる可能性がある剪断力の集中が抑制され、ピン支承構造全体として剪断強度が向上している。
加えて、嵌挿穴が一方の端面の略中央に形成されていることにより、軸受体の肉厚が均等となり、肉厚が不均等で薄肉部分がある場合に生じうる剪断力の集中が抑制され、軸受体のみならず、ピン支承構造全体としての剪断強度が向上している。また、嵌挿穴は、径小部を支圧接合可能に形成されていることにより、嵌挿穴内面と径小部外面の支圧接合により応力が伝達される構造になっており、特にこの構造部分が、ピン支承構造全体としての剪断強度向上に寄与している。
更に、各軸受体は、一方の端面が段部と当接または嵌合可能な形状であることにより、ピン本体が軸方向に振れた際に、段部が対向位置にある軸受体の一方の端面に当たって、ピン本体がそれ以上軸方向へ移動しないように止める(即ち、当止構造の一部を構成する)ことができる。そして、軸受体は、各々が略同寸法であることにより、各軸受体に生じる応力を略均等に分散させることができる。
第2沓体は、取着対象を取り付け可能な取付部を有することにより、取着対象を取り付けることができる。ここで、第2沓体の「取着対象」は、下部構造体(構造物の柱梁部分や基礎部分等)の上部領域である
第2沓体は、軸受体が個別に固着されたリブ部を有することにより、各リブ部間を横架する態様でピン本体を取り付けることができる。これにより、第2沓体は、ピン本体の軸周方向に回動することができる。つまり、ピン本体を回転軸として、第1沓体と第2沓体のいずれもがピン本体の軸周方向に回動可能な構造になっている。
リブ部は、取付部の背部側に、径大部および第1沓体のリブ部を間に挟むように突設されているので、第2沓体がピン本体の軸周方向に回動する動きを阻害せず、回動角度を確保した構造となっている。また、各リブ部は、径大部および第1沓体のリブ部を間に挟むことができる間隔を空けて突設しているので、取付部方向から加わる荷重を2箇所に分散させ、応力集中が生じにくい構造となっている。
なお、第2沓体の各リブ部に軸受体が個別に固着され、かつ、軸受体がピン本体を両側から軸支する構造であるので、従来品が備えていたキャップ等の部材無しでも、各軸受体からピン本体が脱落しない、すなわち、構成部品の点数が少ない簡易な構造となっている。このように、本発明では、軸支状態に組み立てられた後は、ピン本体が折れ曲がるか、リブが座屈しない限り、ピン本体と軸受体が外れることがない、堅牢な構造になっている。
本発明では、下部構造体は、支承装置の下方に位置し、第2沓体の取付部が上部領域に取り付けられていることにより、支承装置を介して、構造物の上部構造体を支える構造になっている。
本発明は、前述の通り、ピン支承構造がピン本体と一対の軸受体とを備えるものでありながら、軸受体の嵌挿穴の内面によってピン本体の径小部を受ける面支持で支圧接合される構造であるため、径小部の剪断抵抗と嵌挿穴の内面との間の支圧によって応力伝達がなされ、さながら一本の棒のように一体化し、材料が本来有する剪断強度を以て荷重に対抗することができる。
更に、本発明では、ピン支承構造において、嵌挿穴が径小部を支圧接合可能(すなわち、前述の隙間がほぼ無い)な内径であるため、理想的な支圧接合を実現することができ、優れた剪断強度を発揮することができる。なお、本発明の支承装置は、従来品のようにピン本体の端部に締着構造を設ける等しなくても、第2沓体のリブに固着された各軸受体でピン本体の径大部を挟んで保持する構造であるため、各軸受体からピン本体が脱落しない構造になっている。すなわち、構成部品の点数が少ない簡易な構造でありながらも、堅牢な構造にすることができる。
このように、本発明の構造物の支承構造は、上部構造体、上部構造体の下方に配置された所定数の支承装置、および、支承装置の下方に位置した下部構造体を備えることにより、簡易な構造でありながらも優れた剪断強度を有し、構造物全体として高い剛性を有すると共に、耐震性にも優れた構造となっている。
加えて、本発明は、ピン支承構造が構造的に優れた剪断強度を有するものであるため、一般的な規格の鋼材等でも構成することができ、材料の調達が容易であると共に、高価な高規格鋳鋼等を使用した従来品と比較して、製造コストを抑制することができる。
上記の目的を達成するために、本発明のピン支承体の製造方法は、ピン支承体を構成するピン本体および一対の軸受体の材料とすべく、所定の長さの一の丸棒材を径方向に切断し、前記ピン本体となる第1部材と、各々が略同寸法で前記軸受体となる2つの第2部材とに切離する、切離工程と、該切離工程で切離された前記第1部材の軸方向両端に切削加工を施して径小部を削成する、ピン本体形成ステップと、前記切離工程で切離された前記各第2部材において、少なくとも一方の端面の略中央に切削加工を施して、前記径小部を支圧接合可能な嵌挿穴を穿孔する、軸受体形成ステップとを有する、加工工程とを備える。
ここで、切離工程では、ピン支承体を構成するピン本体および一対の軸受体の材料とすべく、所定の長さの一の丸棒材を径方向に切断し、ピン本体となる第1部材と、各々が略同寸法で軸受体となる2つの第2部材とに切離することにより、略同径の第1部材と一対の第2部材を得ることができると共に、各第2部材が略同寸法である第2部材を得ることができる。
前述の切離工程により、ピン支承体を構成するピン本体および一対の軸受体は、丸棒状鋼材の外径そのものであるため、形成されるピン本体と軸受体の各々の外周面が段差無く、各々が面一な態様で連結されることになる。
加工工程は、切離工程で切離された第1部材の軸方向両端に切削加工を施して径小部を削成する、ピン本体形成ステップを有することにより、軸方向両側に各軸受体の嵌挿穴に嵌挿可能な径小部を有するピン本体を得ることができる。また、径小部が削成される際に、径大部との間に径差が生じ、段部も形成されることになる。
ピン本体は、削成によって径小部を径大部と一体に設けることにより、機械加工による冷間加工で形成されることになり、熱影響による材料の劣化(材料強度の低下)を避けることができ、加えて、二種の太さの鋼棒を溶着等した態様のピン等と比較して剛性が高いものとなっている。更に、強度が全体的に均一であるため、内部の密度差や傷などに伴い発生しうる応力集中で部品破損を起こしにくいものとなる。
更にまた、削成によって径小部が設けられることにより、嵌挿状態において嵌挿穴の内面との間に隙間が生じないような精度の高い加工を施すことができ、高い寸法精度や表面の平滑性を得ることができる。
そして、加工工程は、切離工程で切離された各第2部材において、少なくとも一方の端面の略中央に切削加工を施して、径小部を支圧接合可能な嵌挿穴を穿孔する、軸受体形成ステップとを有することにより、径小部を支圧接合可能な嵌挿穴を有する一対の軸受体を得ることができる。
更に、軸受体120も、既製の鋼管を使用する場合と異なり、嵌挿穴121を所望する穴径となるように、削成によって精度の高い加工を施すことができ、高い寸法精度や表面の平滑性を得ることができる。加えて、機械加工による冷間加工によって形成されることで、熱影響による鋼材の劣化(材料強度の低下)を避けることができる。
このような高い精度で加工された部材を以てする支圧接合構造であれば、ピン本体と軸受体とが、さながら一本の棒のように一体化し、嵌挿穴内面と径小部外面の支圧接合により応力が伝達され、ピン支承体全体としての剪断強度向上に寄与すると共に、材料が本来有する剪断強度を以て荷重に対抗することができる。軸受体は、各々が略同寸法であることにより、各径小部に生じる応力を略均等に分散させることができる。
軸受体形成ステップにより得られた各軸受体は、少なくとも一方の端面の略中央に嵌挿穴が形成されていることにより、嵌挿穴にピン本体の径小部を嵌挿すると、嵌挿穴と径小部とが隙間無くかつ滑動可能に嵌合し、自ずと軸受体の中心軸とピン本体(径小部)の回転軸とを一致させることができる。
これにより、各軸受体は、略同径に設けられたピン本体と軸受体の各々の外周面を略面一に連結することができ、そして、ピン本体が円滑に回動するように軸受することができる。この結果、ピン本体の静止時および回動時のいずれの場合でも、ピン支承体全体の外周面が略面一となり、段差部分がある場合に生じる可能性がある剪断力の集中が抑制され、ピン支承体全体として剪断強度が向上している。
加えて、嵌挿穴が一方の端面の略中央に形成されていることにより、軸受体の肉厚が均等となり、肉厚が不均等で薄肉部分がある場合に生じうる剪断力の集中が抑制され、軸受体のみならず、ピン支承体全体としての剪断強度が向上している。
本発明によれば、簡易な構造でありながら、優れた剪断強度を有するピン支承体、同ピン支承体の製造方法、同ピン支承体を用いた支承装置、および、構造物の支承構造を提供することができる。
本発明のピン支承体を示しており、(a)はピン支承体(第1実施形態)を示す説明図、(b)はピン支承体(第3実施形態)を示す説明図である。 図1(a)に示すピン支承体の製造工程を示す概略図であり、(a)は丸棒状鋼材Aの切断前で、切断予定部分の一例を一点鎖線で示した図、(b)は(a)の部分から切離された丸棒状鋼材Aを示す図、(c)は(b)の各切離部材の切削予定部分を一点鎖線で示した図、(d)はピン支承体の完成図である。 本発明の支承装置(第2実施形態)を示す斜視図である。 図3に示す支承装置の正面図である。 図3に示す支承装置の分解斜視図である。 本発明の支承装置(第4実施形態)を示す斜視図である。 図5に示す支承装置の正面図である。 図5に示す支承装置の分解斜視図である。 本発明の支承構造(第5実施形態)を示す概略図である。 特許文献1に記載された支承装置である。
図1−9を参照して、本発明の実施の形態を更に詳細に説明する。なお、以下の説明は、〔第1実施形態〕、〔第2実施形態〕、〔第3実施形態〕、〔第4実施形態〕、〔第5実施形態〕の順序により行う。また、図面各図における符号は、煩雑さを軽減し理解を容易にする範囲内で付しており、同一符号が付される複数の同等物についてはその一部にのみ符号を付す場合がある。
〔第1実施形態〕
図1(a)、図2を参照して、本発明のピン支承体(第1実施形態)について説明する。ピン支承体1は、ピン本体100と、ピン本体100を軸支する一対の軸受体120とを備えており、各部については以下詳述する。
(ピン本体100)
ピン本体100は、丸棒状鋼材(SS400規格品)で形成された軸周方向に回転可能な棒状の一体成形物である。ピン本体100は、軸方向中央領域に設けられた径大部101と、径大部101の両端に径大部101よりも径小な軸径で設けられた一対の径小部102と、各径小部102と径大部101との間に設けられた段部103とを有する。
径大部101は、図2(a)に示す丸棒状鋼材Aの最大直径部分D1と略同一な外径であり、即ち、丸棒状鋼材Aをほぼ無加工で使用した部分である(図1(a)、図2(a)−(d)参照)。径小部102は、径大部101と回転軸(図1(a)に示す回転軸B)が一致し、かつ、径大部101よりも径小な軸径(図1(a)に示す軸径D2)に形成されている。そして、各径小部102は、各々が略同寸法である。
段部103は、各径小部102と径大部101との径差により形成された部分であり、本実施形態においては、段部103は、側面視で、径大部101から径小部102の方向に向かって垂直な端面であり、ピン本体100における、いわゆる段付部分である(図1(a)参照)。
本実施形態において、径大部101が130Φ、径小部102が70Φであり、径小部102は径大部101の約54%の軸径で形成されているが、これに限定するものではなく、例えば、径小部の軸径は径大部の軸径の43%以上65%以下の範囲内であることが好ましく、50%以上56%以下の範囲内であることが更に好ましい。
径小部の軸径が径大部の軸径の43%未満になると、ピン本体の剪断強度の低下が著しいため好ましくなく、一方で、径小部の軸径が径大部の軸径の65%を超えると、軸受体の肉厚を薄く形成せざるを得なくなり、やはり好ましくない。また、径小部の軸径が径大部の軸径の65%を超える場合、ピン本体の剪断強度は向上するが、大荷重が加わった際に、ピン本体が降伏点に達する前に、軸受体が降伏点に達し、軸受体が先に変形または破断する可能性があり、支圧接合によりピン本体と軸受体で荷重を分散する本願発明の構成上、バランスを欠く点も好ましくない。
(軸受体120)
一対の軸受体120は、各径小部102に取り付けられ、ピン本体100を回動可能に軸受けする(即ち、軸支する)筒状の部材である。また、各軸受体120は、各々が略同寸法に設けられている。
本実施形態において、軸受体120は、外径が径大部101の外径と略同一であると共に、両端面の中央に開口した貫通穴である嵌挿穴121が形成されている。また、嵌挿穴121は、各径小部102を支圧接合可能な内径に形成されている。
なお、各軸受体120の両方の端面のうち、ピン本体100に向く一方の端面を、以下「ピン向き端面部123」として説明を行う。本実施形態において、ピン向き端面部123は、外径側周面122から嵌挿穴121の方向に向かう垂直な端面で、段部103と隙間無く当接可能な形状に形成されている。
(作 用)
ピン支承体1の作用効果について説明する。ピン本体100は、軸周方向に回転可能な棒状であることにより、径大部101と各径小部102が回転軸Bを同じくした(同一軸線上に配置可能な)構造となり、ピン本体100の回転時に、径大部101と各径小部102が一体的かつ軸ブレが生じない態様で円滑に回転することができ、これにより、ピン本体100が組み込まれる支承装置等において、軸体としてピン支承を行い得る。
更に、ピン本体100は一体成形物であることにより、例えば、二種類の太さの棒体を溶接加工等して得られた成形物とは異なり、脆弱部となり得る接合箇所が存在しないので、優れた剪断強度を有する構造になっている。
ピン本体100は、径大部102が、軸方向中央領域に設けられていることにより、支承装置等に組み込まれた際に、上沓から垂下するリブ等の上部構造体との接合部分にすることできる。上沓等には天井構造等の重量が大きな上部構造体の基部が取り付けられることから、この接合箇所には大きな荷重が加わることになるが、接合箇所がピン本体100の最も太い部分である径大部101であれば、ピン本体100が有する最大の剪断強度を以て荷重に対抗することができる。そして、径大部101が軸方向中央領域にあることで、荷重により生じる応力がピン本体100の軸方向の一方側のみに集中しないように分散させることができる。
ピン本体100は、各径小部102が、径大部101の両端に径大部101よりも径小な軸径で設けられていることにより、径大部101を挟む態様で軸受体120を取り付ける部分とすることができる。また、各径小部102は、径大部101よりも径小な軸径であることにより、各径小部102と径大部101の間に径差が生じ、当該部分に段部103が生じることとなる。各径小部102は各々が同寸法であることにより、応力を各径小部102へ略均等に分散させることができる。
更に、ピン本体100は、段部103が設けられていることにより、ピン本体100が軸方向に振れた際に、軸支状態で対向位置にある軸受体120のピン向き端面部123に段部103が当たって、ピン本体100がそれ以上軸方向へ移動しないように止める(即ち、当止構造の一部を構成する)ことができる。
各軸受体120は、外径が径大部101の外径と同一であることにより、軸受体120によるピン本体100の軸支状態において、ピン本体100と軸受体120の各々の外周面を略面一に連結することができる。つまり、ピン本体100に取り付けられることにより一体化した軸受体120は、同一径のピン支承体1を構成することができ、ピン支承体1全体に所定の剛性を付加することができる。
各軸受体120は、両端面の中央に開口した嵌挿穴121が形成された筒状であることにより、嵌挿穴121に径小部102を挿入させたピン本体100との取着状態で、軸受体120の中心軸とピン本体100の回転軸とを一致するように嵌挿させることができる。
これにより、各軸受体120は、同径に設けられたピン本体100の外周面と軸受体120の外径側周面122の各々を面一に連結することができ、そして、ピン本体100が円滑に回動するように軸受することができる。この結果、ピン本体100の静止時および回動時のいずれの場合でも、ピン支承体1全体の外周面が面一となり、段差部分がある場合に生じる可能性がある剪断力の集中が抑制され、ピン支承体1全体として剪断強度が向上している。
加えて、嵌挿穴121が両方の端面の中央に形成されていることにより、軸受体120の肉厚が均等となり、肉厚が不均等で薄肉部分がある場合に生じうる剪断力の集中が抑制され、軸受体120のみならず、ピン支承体1全体としての剪断強度が向上している。
更に、嵌挿穴121は、径小部102を支圧接合可能な内径であることにより、嵌挿穴121内面と径小部102外面の支圧接合により応力が伝達される構造になっており、特にこの構造部分が、ピン支承体1全体としての剪断強度向上に寄与している。
そして、軸受体120は、ピン本体100を両側から軸支する構造であることにより、ピン本体100を回動可能な態様で軸受することができると共に、キャップ等の部材無しでも各軸受体120からピン本体100が脱落しない構造になっている。
各軸受体120は、ピン本体100の軸支状態で、ピン向き端面部123が、対向する段部103と当接可能な形状に設けられていることにより、ピン本体100が軸方向に振れた際に、段部103が対向位置にある軸受体120のピン向き端面部123に当たって、ピン本体100がそれ以上軸方向へ移動しないように止める(即ち、当止構造の一部を構成する)ことができる。
各軸受体120は、各々が同寸法であることにより、各径小部120に生じる応力を略均等に分散させることができる。
ピン支承体1は、前述の通り、ピン本体100と各軸受体120とを備える簡易な構造でありながら、軸受体120の嵌挿穴121の内面でピン本体100の径小部102を軸支し、面支持で支圧接合する構造であるため、径小部102の剪断抵抗と嵌挿穴121の内面との間の支圧によって応力伝達がなされ、さながら一本の棒のように一体化し、材料が本来有する剪断強度を以て荷重に対抗することができる。そして、ピン支承体1では、嵌挿穴121が径小部102を支圧接合可能(すなわち、前述の隙間がほぼ無い)な内径であるため、理想的な支圧接合を実現することができ、優れた剪断強度を発揮することができる。
更に、従来品では、高い剪断強度を確保すべく、支承体で使用されるピンが高価な高規格鋳鋼等(例えば、SNR490やSUS304N2A等)によって製造されているが、ピン支承体1は、ピン支承体1全体として剪断強度が向上した構造であるため、一般的な規格の鋼材(例えばSS400等)でも構成することができ、製造コストを抑制することができる。
(ピン支承体1の製造方法)
図2を参照して、ピン支承体1の製造方法を説明する。
(切離工程)
図2(a)は切断前の丸棒状鋼材Aを示し、図2(b)は切離された丸棒状鋼材Aを示している。図2(a)の一点鎖線は切断予定部分の一例を示している。切離後の丸棒状鋼材Aの長尺部分(図2(b)の中央)がピン本体100に加工され、切離後の丸棒状鋼材Aの短尺部分(図2(b)の両側)が軸受体120に加工される。なお、後述するように径大部101と外径側周面122はほぼ無加工であり、すなわち、丸棒状鋼材Aの外径そのものであるため、形成されるピン本体100と軸受体120の各々の外周面が段差無く、各々が面一な態様で連結されることになる。
(加工工程)
図2(c)は各切離部材の切削予定部分を一点鎖線で示し、図2(d)は完成したピン支承体1を示している。
ピン本体となる切離部材(100)は、その両端に、旋盤またはフライス盤(以下「旋盤等」といい、必要に応じて研削加工機も含む)で切削加工を施し、径小部102を削成する。なお、径小部102が削成(削り出して形成)される際に、径大部101との間に径差が生じ、段部103も形成されることになる。
また、径大部101は、丸棒状鋼材Aの最大直径部分D1と略同一な外径であり、即ち、丸棒状鋼材Aをほぼ無加工で使用してなる。なお、ここで「ほぼ無加工」とは、表面の微細な凹凸や汚れを落とす研磨加工を除外するものではなく、丸棒状鋼材Aの最大直径を減じる(細く削成する)ような、本質的な加工を除外する趣旨で使用している。
軸受部となる切離部材(120)は、その端面中央に、旋盤またはフライス盤(以下「旋盤等」といい、必要に応じて研削加工機も含む)で穿孔加工を施し、嵌挿穴121が削成する。なお、軸受体120は、その外径が丸棒状鋼材Aの最大直径部分D1と略同一で、外径側周面122についてはほぼ無加工である。
また、ピン本体100は、削成によって径小部102を径大部101と一体に設けることにより、例えば、二種の太さの鋼棒を溶接等した態様のピン等と比較して剛性が高い。そして、既製の鋼棒等を使用する場合と異なり、回転軸となる径小部102を所望する軸径に形成することができ、かつ、嵌挿状態において嵌挿穴の内面との間に隙間が生じないような、精度の高い加工を施すことができる。そして、軸受体120も、既製の鋼管を使用する場合と異なり、嵌挿穴121を所望する穴径となるように、削成によって精度の高い加工を施すことができる。加えて、機械加工による冷間加工によって形成されることで、熱影響による鋼材の劣化(材料強度の低下)を避けることができる。
このように、ピン支承体1は、同一の丸棒状鋼材Aからピン本体100と軸受体120を構成すると共に、ピン本体100の径小部102と軸受体120の嵌挿穴121を削成していることにより、支圧接合可能な高い精度の加工を実現することができる。このような高い精度で加工された部材を以てする支圧接合構造であれば、ピン本体100と軸受体120とが、さながら一本の棒のように一体化し、材料が本来有する剪断強度を以て荷重に対抗することができる。
〔第2実施形態〕
(支承装置2)
図3−図5を参照して、本発明の支承装置(第2実施形態)について説明する。
支承装置2は、第1沓体210と、第1沓体210に取り付けられたピン本体100と、ピン本体100を軸受する一対の軸受体120を有する第2沓体220とを備える。なお、ピン本体100と各軸受体120は、前述したピン支承体1と同じ物であるため、共通する部分の説明は省略する。
(第1沓体210)
第1沓体210は、取着対象を取り付け可能な取付部211と、取付部211の背部側に、所定の間隔を空けて複数が平行に突設したリブ部212を有する構造である。なお、本実施形態において、リブ部212の数は2つであるが、これに限定するものではなく、例えば、3以上であってもよい。
本実施形態において、各リブ部212は、その間の幅方向(図3−5で図正面側から見た奥行き方向)中央にウェブ部213を架設している。ウェブ部213を設けたことにより、各リブ部212の厚みを増加させる(ひいては、第1沓体210全体の重量を過度に増加させる)ことなく、鉛直方向からの圧縮荷重に対する剛性が補強されている。
本実施形態において、第1沓体210は、支承装置2の上方に向けて配置されており、従来の支承装置において上沓と称されるものと同等物である。また、本実施形態において、第1沓体210は、組み立て状態において、取付部211が板状であって、上面が上部構造体を支承し、下面に各リブ部212とウェブ部213が溶接されて垂設した構造となっている(図3−図5参照)。
本実施形態において、各リブ部212は略逆三角形であり、下端角部が角取りされて円弧状になっている。また、各リブ部212は、その下端近傍(先部)に、板厚方向に貫通した貫通穴(符号省略)が形成されており、この貫通穴にピン本体100を挿通させて径大部120の所定箇所に配置し、ピン本体100の軸方向において各リブ部212が重なるように整列させ、当該箇所で溶接することにより、各リブ部212とピン本体100とを固着している。
更に、本実施形態においては、ウェブ部213とピン本体100の接触箇所も溶接して固着し、かつ、各リブ部212とウェブ部213の接触箇所も溶接して固着しており、これにより、第1沓体210とピン本体100は一体化した構造となっている。
(第2沓体220)
第2沓体220は、取着対象を取り付け可能な取付部221と、取付部221の背部側に突設され、軸受体120が固着された一対のリブ部222とを有する。
各リブ部222は、径大部101および第1沓体210の各リブ部212を間に挟む間隔で配設され、軸受体120がリブ部222毎に個別に固着されている。
本実施形態において、各リブ部222は、その間の幅方向(図3−図5で図正面側から見た奥行き方向)中央にウェブ部223を架設している。更に、ウェブ部223の正面および背面側には、ウェブ部223に直交方向から支える一対のウェブ補強部224が設けられている。ウェブ部223は、前述したウェブ部213と同様に、鉛直方向からの圧縮荷重に対する剛性を補強し、加えて、第2沓体220には荷重が集中することから、ウェブ補強部224を設けることで、更なる剛性の補強がなされている。
本実施形態において、第2沓体220は、支承装置2の下方に向けて配置されており、従来の支承装置において下沓と称されるものと同等物である。また、本実施形態において、第2沓体220は、組み立て状態において、取付部221が板状であって、取付部221を下部構造体に当てて設置し、上面に各リブ部222、ウェブ部223および各ウェブ補強部224が溶接されて立設した構造となっている(図3−図5参照)。
本実施形態において、各リブ部222は略三角形であり、上端角部が角取りされて円弧状になっている。また、各リブ部222は、その上端近傍(先部)に、板厚方向に貫通し、穴径が軸受体120の外周よりも僅かに径大な貫通穴225が形成されている。この貫通穴225に軸受体120を嵌挿し、貫通穴225の口縁と外径側周面122を溶接することにより、各リブ部222にピン本体100を挿着可能な軸受部120が設けられることとなる。
更に、本実施形態においては、ウェブ部223と各ウェブ補強部224の接触箇所も溶接して固着し、各ウェブ補強部224と取付部221の接触箇所も溶接して固着し、かつ、各リブ部212とウェブ部213の接触箇所も溶接して固着しており、これにより、第2沓体210と軸受体120は一体化した構造となっている。
支承装置2は、前述の通り、ピン本体100と一対の軸受体120とを備える簡易なピン支承構造でありながら、軸受体120の嵌挿穴121の内面によってピン本体100の径小部102を受ける面支持で支圧接合される構造であるため、径小部102の剪断抵抗と嵌挿穴121の内面との間の支圧によって応力伝達がなされ、さながら一本の棒のように一体化し、材料である丸棒状鋼材Aが本来有する剪断強度を以て荷重に対抗することができる。
そして、支承装置2では、同一の丸棒状鋼材Aからピン本体100と軸受体120を構成すると共に、ピン本体100の径小部102と軸受体120の嵌挿穴121を削成していることにより、支圧接合可能な高い精度の加工を実現することができる。また、支承装置2は、一般的な規格の鋼材でも構成することができ、ピン支承構造全体として剪断強度が向上した構造であるため、従来品のように高価な高規格鋳鋼等によって製造されたピンを要さず、製造コストを抑制することができる。
〔第3実施形態〕
図1(b)を参照する。同図に示す支承体1aは、支承体1の他の態様(第3実施形態)であり、図面に基づいて相違点について説明する。なお、後述する相違点を除き、各部における構造および作用効果は、支承体1と概ね同じであるため、その説明を省略する。また、図2で示す支承体1の製造工程は、支承体1aについても同様である。
ピン支承体1aは、ピン本体100と、ピン本体100を軸支する一対の軸受体120とを備えている。そして、ピン本体100aは、ピン本体100と同様の丸棒状鋼材で形成された軸周方向に回転可能な棒状の一体成形物である。ピン本体100は、軸方向中央領域に設けられた径大部101と、径大部101の両端に径大部101よりも径小な軸径で設けられた一対の径小部102aと、各径小部102aと径大部101との間に設けられた段部103とを有する。なお、ピン本体100aの径大部101および段部103、軸受体120については、ピン支承体1と同様であるため、その説明を省略する。
径小部102aは、径大部101と回転軸(図1(b)に示す回転軸B)が一致し、かつ、径大部101よりも径小な軸径(図1(b)に示す軸径D2)に形成されている。そして、径小部102aは、軸方向の長さが径小部102よりも長尺に形成されており、ピン支承体1aの各軸受体120は、ピン支承体1の各軸受体120と同じ長さに形成されている。また、各径小部102bは、各々が略同寸法である。
即ち、各軸受体120は、嵌挿穴121が径小部102aの軸方向の長さよりも短尺な貫通穴であると共に、軸受体120間に配置されたピン本体101aが、軸方向へスライド可能な態様で取り付けられる構造となっている。
つまり、本実施形態では、ピン支承体1aは、ピン本体100aと、少なくとも一方の軸受体102との間に、間隔が空く態様で構成されている。このピン支承体1aによれば、地震等により水平力が加わった際に、軸受体102間において、ピン本体100aが軸方向へスライドすることができる構造であるので、鉛直力のみならず水平力に対しても対抗することができ、つまり、一のピン支承体を以てピン支承およびローラ支承の作用効果を奏することができる。
〔第4実施形態〕
(支承装置2a)
図6−図8を参照する。同図に示す支承装置2aは、支承装置2の他の態様(第4実施形態)であり、図面に基づいて相違点について説明する。なお、後述する相違点を除き、各部における構造および作用効果は、支承装置2と概ね同じであるため、その説明を省略する。
支承装置2aは、第1沓体210と、第1沓体210に取り付けられたピン本体100aと、ピン本体100aを軸受する一対の軸受体120を有する第2沓体220とを備える。なお、第1沓体210、軸受体120、および、第2沓体220は、前述した支承装置2aと同じ物であるため、共通する部分の説明は省略する。また、ピン本体100aの構造については、第3実施形態で説明しているため、説明を省略する。
本実施形態において、支承装置2aは、第2沓体220の各リブ部222に貫通穴225が形成されている。そして、この貫通穴225に軸受体120を各々嵌挿し、貫通穴225の口縁と外径側周面122を溶接する際に、軸受体120のピン向き端面部123と、ピン本体100aの段部103の間に、所定の隙間が空くように溶接を行う。
ここで、ピン本体100aの径小部102aは、軸方向の長さが径小部102よりも長尺に形成されていると共に、各軸受体120は、嵌挿穴121が径小部102aの軸方向の長さよりも短尺な貫通穴であり、軸受体120間に配置されたピン本体101aが、軸方向へスライド可能な態様で取り付けられる構造となっている。
支承装置2aによれば、地震等により水平力が加わった際に、軸受体102間において、ピン本体100aが軸方向へスライドすることができる構造であるので、鉛直力のみならず水平力に対しても対抗することができ、つまり、ピン本体100aを以てピン支承およびローラ支承の作用効果を奏することができる。
〔第5実施形態〕
(構造物の支承構造3)
図9を参照して、本発明の構造物の支承構造(第5実施形態)について説明する。
構造物の支承構造3は、構造物の上部を構成する上部構造体C1と、所定数の支承装置と、支承装置の下方に位置した下部構造体C2とを備える。なお、本実施形態において、支承装置は、前述した支承装置2であってもよいし、支承装置2aであってもよい。このため、以下の説明および図9では、支承装置2(2a)と記載し、また、支承装置2(2a)の説明は既述の通りであるため、説明は省略する。
本実施形態において、上部構造体C1は、構造物(以下「建造物」という)の屋根である。そして、下部構造体C2は、建造物の柱である。支承装置2(2a)は、第1沓体210の取付部211と、上部構造体C1の下端にある梁等が接続され、第2沓体220の取付部221と、下部構造体C2の上面が接続されている。
なお、前述の「梁等」としては、例えば、単純梁、トラス梁、鉄骨造、木造、鉄筋コンクリート梁等の各種梁、あるいは筋交い部分が挙げられる。また、前述の「下部構造体」としては、例えば、鉄骨造、木造、鉄筋コンクリート等の各種躯体が挙げられる。
構造物の支承構造3では、前述の通り、支承装置2(2a)が、ピン本体100(100a)と一対の軸受体120とを備える簡易なピン支承構造でありながら、軸受体120の嵌挿穴121の内面によってピン本体100の径小部102を受ける面支持で支圧接合される構造であるため、径小部102の剪断抵抗と嵌挿穴121の内面との間の支圧によって応力伝達がなされ、さながら一本の棒のように一体化し、材料である丸鋼棒が本来有する剪断強度を以て荷重に対抗することができる。
そして、支承装置2(2a)が、同一の丸棒状鋼材Aからピン本体100(100a)と軸受体120を構成すると共に、ピン本体100(100a)の径小部102(102a)と軸受体120の嵌挿穴121を削成していることにより、支圧接合可能な高い精度の加工が実現されている。このように、構造物の支承構造3は、上部構造体C1、上部構造体C1の下方に配置された所定数の支承装置2(2a)、および、支承装置2(2a)の下方に配置された下部構造体C1を備えることにより、簡易な構造でありながらも優れた剪断強度を有し、構造物3全体として高い剛性を有すると共に、耐震性にも優れた構造となっている。
更に、支承装置2(2a)が、一般的な規格の鋼材でも構成することができ、ピン支承構造全体として剪断強度が向上した構造であるため、従来品のように高価な高規格鋳鋼等によって製造されたピンを要しない。この結果、構造物の支承構造3も、建造コストを抑制することができる。
更にまた、支承装置が支承装置2aである場合は、地震等により水平力が加わった際に、軸受体120間において、ピン本体100aが軸方向へスライドすることができる構造であるので、鉛直力のみならず水平力に対しても対抗することができ、つまり、一のピン支承構造を以てピン支承およびローラ支承の作用効果を奏することができ、更に優れた耐震性を有する構造となる。
本明細書および特許請求の範囲で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書および特許請求の範囲に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。また、第一、第二等の言葉は、等級や重要度を意味するものではなく、一つの要素を他の要素から区別するために使用したものである。
1、1a ピン支承体
100、100a ピン本体
101 径大部
102、102a 径小部
103 段部
120 軸受体
121 嵌挿穴
122 外径側周面
123 ピン向き端面部
2、2a 支承装置
210 第1沓体
211 取付部
212 リブ部
213 ウェブ部
220 第2沓体
221 取付部
222 リブ部
223 ウェブ部
224 ウェブ補強部
225 貫通穴
A 丸棒状鋼材
B 回転軸
C1 上部構造体
C2 下部構造体
D1 最大直径部分
D2 径小部の軸径
9 支承装置
91 下沓
92 ピン
93 上沓
94 キャップ
95 フランジ
96 細い部分
97 ナット
98 連結部

Claims (6)

  1. 軸方向中央領域に設けられた径大部と、該径大部の両端に同径大部よりも径小な軸径で、各々が略同寸法に設けられた一対の径小部と、該各径小部と前記径大部との間に設けられた段部とを有する棒状の一体成形物であるピン本体と、
    外径が前記径大部の外径と略同一であり、少なくとも一方の端面の略中央に前記径小部を支圧接合可能な嵌挿穴が形成された筒状であると共に、前記一方の端面が前記段部と当接または嵌合可能な形状で、各々が略同寸法に設けられた一対の軸受体とを備える
    ピン支承体。
  2. 前記各軸受体が、前記嵌挿穴が前記径小部の軸方向の長さと略同一の貫通穴であると共に、前記一方の端面が前記段部と当接する態様で前記ピン本体に取り付けられている
    請求項1に記載のピン支承体。
  3. 前記各軸受体が、前記嵌挿穴が前記径小部の軸方向の長さよりも短尺な貫通穴であると共に、前記軸受体間に配置された前記ピン本体が、軸方向へスライド可能な態様で取り付けられている
    請求項1に記載のピン支承体。
  4. 取着対象を取り付け可能な取付部と、該取付部の背部側に、所定の間隔を空けて複数が平行に突設したリブ部とを有する第1沓体と、
    軸方向中央領域に設けられると共に、前記各リブ部が軸方向に固着された径大部と、該径大部の両端に同径大部よりも径小な軸径で、各々が略同寸法に設けられた一対の径小部と、該各径小部と前記径大部との間に設けられた段部とを有する棒状の一体成形物であるピン本体と、
    該ピン本体の前記各径小部に取り付けられ、外径が前記径大部の外径と略同一であり、少なくとも一方の端面の略中央に前記径小部を支圧接合可能な嵌挿穴が形成された筒状であると共に、前記一方の端面が前記段部と当接または嵌合可能な形状で、各々が略同寸法に設けられた一対の軸受体と、取着対象を取り付け可能な取付部と、該取付部の背部側に、前記径大部および前記第1沓体のリブ部を間に挟むように突設され、前記軸受体が個別に固着された一対のリブ部とを有する第2沓体とを備える
    支承装置。
  5. 構造物の上部を構成し、下端領域に被支承部を有する上部構造体と、
    該上部構造体の下方に配置され、前記被支承部が取り付けられた取付部と、該取付部の背部側に、所定の間隔を空けて複数が平行に突設したリブ部とを含む第1沓体と、軸方向中央領域に設けられると共に、前記各リブ部が軸方向に固着された径大部と、該径大部の両端に同径大部よりも径小な軸径で、各々が略同寸法に設けられた一対の径小部と、該各径小部と前記径大部との間に設けられた段部とを含む棒状の一体成形物であるピン本体と、該ピン本体の前記各径小部に取り付けられ、外径が前記径大部の外径と略同一であり、少なくとも一方の端面の略中央に前記径小部を支圧接合可能な嵌挿穴が形成された筒状であると共に、前記一方の端面が前記段部と当接または嵌合可能な形状で、各々が略同寸法に設けられた一対の軸受体と、取着対象を取り付け可能な取付部と、該取付部の背部側に、前記径大部および前記第1沓体のリブ部を間に挟むように突設され、前記軸受体が個別に固着された一対のリブ部とを含む第2沓体とを有する、所定数の支承装置と、
    該支承装置の下方に位置し、前記第2沓体の取付部が上部領域に取り付けられた下部構造体とを備える
    構造物の支承構造。
  6. ピン支承体を構成するピン本体および一対の軸受体の材料とすべく、所定の長さの一の丸棒材を径方向に切断し、前記ピン本体となる第1部材と、各々が略同寸法で前記軸受体となる2つの第2部材とに切離する、切離工程と、
    該切離工程で切離された前記第1部材の軸方向両端に切削加工を施して径小部を削成する、ピン本体形成ステップと、前記切離工程で切離された前記各第2部材において、少なくとも一方の端面の略中央に切削加工を施して、前記径小部を支圧接合可能な嵌挿穴を穿孔する、軸受体形成ステップとを有する、加工工程とを備える
    ピン支承体の製造方法。
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