JP2020138965A - 経皮吸収テープ剤及び経皮吸収テープ剤の製造方法 - Google Patents

経皮吸収テープ剤及び経皮吸収テープ剤の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020138965A
JP2020138965A JP2020030034A JP2020030034A JP2020138965A JP 2020138965 A JP2020138965 A JP 2020138965A JP 2020030034 A JP2020030034 A JP 2020030034A JP 2020030034 A JP2020030034 A JP 2020030034A JP 2020138965 A JP2020138965 A JP 2020138965A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyol
agent
group
weight
sensitive adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020030034A
Other languages
English (en)
Inventor
梓平 元藤
Azusahei Motofuji
梓平 元藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Publication of JP2020138965A publication Critical patent/JP2020138965A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

【課題】粘着層に形成された印字物を皮膚に移行させることで、皮膚から剥がした後でも貼付場所が視認できる経皮吸収テープ剤を提供する。【解決手段】支持体上に粘着剤層が形成された経皮吸収テープ剤であって、粘着剤層が粘着剤(U)及び麻酔剤(R)を含有し、粘着剤層の支持体に接しない側の表面にインク組成物(Q)による印字を有し、経皮吸収テープ剤を皮膚に貼り付け後、テープ剤を剥がした際に、この印字の全部又は一部が皮膚に転写される経皮吸収テープ剤。【選択図】なし

Description

本発明は、経皮吸収テープ剤及び経皮吸収テープ剤の製造方法に関する。
従来、血液浄化時は一定量以上の血流が必要であり、その血流を確保するために太い針が使用されるが、針が太いため、穿刺の際の痛みが強く、その痛みを緩和するため、穿刺前に麻酔テープを穿刺予定部に貼付するのが一般的である。そして、局所麻酔効果を短時間で発現させる経皮吸収テープ剤が開発されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、衣類との摩擦による剥がれによって、穿刺時には既に穿刺予定部位に麻酔テープが貼付されていないケースが多く発生し、医療現場での混乱につながっている。また、麻酔テープを穿刺直前に剥がしたものの、貼付していた場所を見失う問題点があった。
特開平8−225448号公報
本発明の課題は、粘着層に形成された印字物を皮膚に移行させることで、皮膚から剥がした後でも貼付場所が視認できる経皮吸収テープ剤を提供することである。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、支持体上に粘着剤層が形成された経皮吸収テープ剤であって、粘着剤層が粘着剤(U)及び麻酔剤(R)を含有し、粘着剤層の支持体に接しない側の表面にインク組成物(Q)による印字を有し、経皮吸収テープ剤を皮膚に貼り付け後、テープ剤を剥がした際に、この印字の全部又は一部が皮膚に転写される経皮吸収テープ剤;前記経皮吸収テープ剤の製造方法であって、粘着剤(U)及び麻酔剤(R)を含有する粘着剤層が支持体上に形成されたテープ剤について、前記粘着剤層の支持体に接しない側の表面にインクジェットプリンタを用いてインク組成物(Q)で印字する工程を含む経皮吸収テープ剤の製造方法である。
なお、本明細書において、「印刷」とは、文字や画像を記録する印刷、印字を含む概念であり、「印刷物」とは、文字や画像が記録された印刷物、印字物を含む概念である。
本発明の経皮吸収テープ剤は、テープ剤を貼付後、剥がした後でも貼付場所が視認できるため、医療従事者や患者の負担を軽減させる効果を有する。
本発明の経皮吸収テープ剤は、支持体上に粘着剤層が形成されたものであり、該粘着剤層は、粘着剤(U)及び麻酔剤(R)を含有する粘着剤組成物から形成される。
上記支持体としては、樹脂フィルムが好適に使用され、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリアミド;ポリウレタン;ポリビニルアルコール;ポリブタジエン;ポリブテン;ポリイソプレン;シリコーン樹脂;可塑化ポリ塩化ビニル、ポリウレタン系可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化(酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体)等の塩化ビニル系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−メクリル酸メチル共重合体等のエチレン系共重合体の他、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエンゴム−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、酢酸セルロース、エチルセルロース等をベースポリマーとするものが挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、上記樹脂フィルムは単独で使用されてもよく、二種以上が積層されて使用されてもよい。
なお、本願において、「(メタ)アクリル」の表記は、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。
上記樹脂フィルムの厚さは、10〜500μmが好ましく、更に好ましくは25〜100μmである。
上記粘着剤層に用いられる粘着剤としては、皮膚や粘膜等に貼付することができる粘着剤であれば制限はなく、ゴム系粘着剤、アクリル粘着剤、ウレタン粘着剤等が挙げられる。これらのうち、粘着性及び臭気性の観点から、ウレタン粘着剤(U0)が好ましく、皮膚刺激性及びハンドリング性の観点から、下記の条件を満たす2液硬化性組成物(PU1)の硬化物(U1)が更に好ましい。
2液硬化性組成物(PU1)は、主剤と硬化剤とを含有する。
上記主剤は、ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させてなる水酸基を有するウレタンプレポリマー(P1)及び/又はポリオール成分(A)を含有する。
上記硬化剤は、ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させてなるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P2)及び/又は有機ポリイソシアネート成分(B)を含有する。
また、水酸基を有するウレタンプレポリマー(P1)に用いられるポリオール成分(A)及び/又は主剤として用いられるポリオール成分(A)は、分子末端に下記一般式(1)で表される基及び/又は下記一般式(2)で表される基を有するポリオール(A1)を含有する。
また、ポリオール(A1)が有する一般式(1)で表される基の合計個数の割合は、ポリオール(A1)が有する一般式(1)で表される基の個数及び一般式(2)で表される基の個数の合計を基準として40%以上である。
一般式(1)及び(2)において、aはそれぞれ独立に0以上の整数である。
Figure 2020138965
Figure 2020138965
上記ウレタンプレポリマー(P1)に用いられるポリオール成分(A1)及び/又は上記主剤として用いられるポリオール成分(A1)としては、一般式(3)で表される分子末端にヒドロキシプロピル基を有するポリオキシアルキレンポリオール(a1)[一般式(1)及び一般式(2)において、aが0である化合物]及びそのエチレンオキサイド付加物(a2)[aが1以上である一般式(1)で表される基及び/又はaが1以上である一般式(2)で表される基を有する化合物]等が挙げられる。
Figure 2020138965
一般式(3)におけるXは、m個の活性水素原子を有する化合物から活性水素原子を除いたm価の残基であり、mは2〜20の整数である。mが20を超えるとポリオキシアルキレンポリオール(a1)の粘度が高くなる場合があり、主剤と硬化剤との混合液の塗工時の粘度が高くなる場合がある。
上記のm個の活性水素原子を有する化合物としては、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物及びチオール等の水酸基、1級又は2級アミノ基、カルボキシル基及びメルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有する化合物等が挙げられる。
上記水酸基含有化合物としては、
水酸基当量が160以下であり水酸基を2個以上有する化合物〔水酸基を2個以上有する脂肪族化合物[炭素数2〜20の脂肪族2価アルコール{アルキレングリコール(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,9−ノナンジオール等)};炭素数3〜8の3〜8価又はそれ以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、キシリトール及びマンニトール等);これらの分子間又は分子内脱水物{例えばジペンタエリスリトール、ポリグリセリン(重合度2〜20)及びソルビタン};糖類及びその誘導体(グリコキシド等){例えばグルコース、フルクトース、ショ糖及びα−メチルグルコシド等};炭素数6〜15の(ビ)シクロアルキレンジオール{例えば1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等}];炭素数8〜15の芳香環含有多価アルコール[m−又はp−キシリレングリコール及び1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等]等〕;
ヒマシ油系ポリオール(ヒマシ油、部分脱水ヒマシ油及び部分アシル化ヒマシ油等);
m個の水酸基を有する数平均分子量(以下、Mnと略記)2,000以下のポリマー又はオリゴマー[ポリアルカジエン(炭素数4〜10)ポリオール(例えばポリブタジエンポリオール及びその水添物);ヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)(メタ)アクリレートの(共)重合体;ポリビニルアルコール(鹸化度60%以上)等];
多価フェノール類[単環多価フェノール類(ピロガロール、カテコール及びヒドロキノン等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)等];
リン酸化合物(燐酸、亜燐酸及びホスホン酸等);
及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
尚、本発明におけるMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、例えば以下の条件で測定することができる。
装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム:「Guardcolumn Super H−L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μl
流量:0.6ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリエチレングリコール
アミノ基含有化合物としては、
1級モノアミン[炭素数1〜20のモノ(シクロ)アルキルアミン類(メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン及びシクロヘキシルアミン等)、炭素数6〜12の芳香族及び芳香脂肪族モノアミン(アニリン、トルイジン及びベンジルアミン等)等];
活性水素を2個以上有するポリアミン類[炭素数2〜12又はそれ以上の脂肪族ジアミン{例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びモノ−又はジ−アルキル(炭素数1〜4)アルキレンジアミン(ジメチルプロピレンジアミン等)等のアルキレンジアミン}、炭素数6〜15の脂環式ジアミン(1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン及び4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン等)、炭素数6〜15の芳香族ジアミン{m−又はp−フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノフェニルメタン及び2,2−ビス(4,4’−ジアミノフェニル)プロパン等}、炭素数8〜15の芳香脂肪族ジアミン(m−又はp−キシリレンジアミン等)、炭素数4〜10の複素環式ポリアミン{ピペラリジン、アミノアルキル(炭素数2〜4)ピペラジン(例えばアミノエチルピペラジン)、アミノアルキル(炭素数2〜4)イミダゾール等}、アルキレン基の炭素数2〜4のポリアルキレンポリアミン{ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、Mnが2,000以下のポリエチレンイミン及びモノ−、ジ−又はトリ−アルキル(炭素数1〜4)ポリアルキレンポリアミン(例えばジメチルジプロピレントリアミン等)}等];
ヒドロキシアルキル基の炭素数2〜4のモノ−又はジ−アルカノールアミン(モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン及びジイソプロパノールアミン等);
アミノ基を1個又は2個以上有するMnが2,000以下のポリマー又はオリゴマー[アミノアルキル(炭素数2〜4)(メタ)アクリレート(共)重合体及びポリエーテル(ポリ)アミン(ポリオキシプロピレンジアミン及びポリオキシプロピレントリアミン等)等];
及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
カルボキシル基含有化合物としては、炭素数2〜36の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸及び二量化リノール酸等)、炭素数8〜15の芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びピロメリット酸等)、不飽和カルボン酸重合体[Mnが2,000以下の(メタ)アクリル酸(共)重合物等]及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
チオールとしては、炭素数が2〜6又はそれ以上の2〜8価のポリチオール(エタンジチオール、プロパンジチオール、1,3−又は1,4−ブタンジチオール、1、6−ヘキサンジチオール及び3−メチル−1,5−ペンタンジチオール等)等が挙げられる。
これらの内で硬化性の観点から好ましいのは、水酸基含有化合物及びアミノ基含有化合物であり、更に好ましいのは水酸基当量が160以下であり水酸基を2個以上有する脂肪族化合物及びヒマシ油系ポリオールであり、特に好ましいのは、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリグリセリン(重合度2〜20)及びヒマシ油である。
一般式(3)におけるAは、水素原子がフェニル基、ハロゲン化フェニル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜12のアルキレン基であり、炭素数2〜12の直鎖又は分岐のアルキレン基、炭素数6〜10のシクロアルキレン基及びこれらの化合物の水素原子がフェニル基、ハロゲン化フェニル基又はハロゲン原子(Cl及びBr等)で置換されたもの等が挙げられる。
Aの具体例としては、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、1,2−、2,3−、1,3−又は1,4−ブチレン基、炭素数5〜12の1,2−アルキレン基(1,2−ドデシレン基等)、1,2−シクロヘキシレン基、クロロプロピレン基、ブロモプロピレン基、フェニルエチレン基及びクロロフェニルエチレン基等が挙げられる。
一般式(3)における(A−O)は、上記のm個の活性水素原子を有する化合物に、アルキレンオキサイド(以下、AOと略記)を付加して得られる。用いられるAOとしては、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,3−プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−、2,3−又は1,4−ブチレンオキサイド(以下、ブチレンオキサイドをBOと略記)、炭素数5〜12のα−オレフィンオキサイド、エピハロヒドリン(エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等)、スチレンオキサイド、1,2−シクロヘキセンオキサイド及びこれらの2種以上の併用が挙げられ、p個の(A−O)が2種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結合様式はブロック又はランダムのいずれでもよい。これらの内で柔軟性の観点から好ましいのはPO及び1,2−BOである。
一般式(3)におけるZはプロピレン基である。
また、pは0〜199の整数、qは1〜200の整数であって、1≦p+q≦200を満たす。
ポリオキシアルキレンポリオール(a1)がヒドロキシプロピル基末端を有することの確認は、例えばH−NMR法により行うことができる。ヒドロキシプロピル基には下記化学式(4)で表される1級水酸基(1級炭素に結合した水酸基)含有基と、化学式(4’)で表される2級水酸基(2級炭素に結合した水酸基)含有基とが含まれるが、1級水酸基含有基と2級水酸基含有基の合計数に対する1級水酸基含有基の数の割合である1級水酸基含有率(以下、1級化率と略記)は、粘着性及び剥離時における粘着剤の凝集破壊抑制の観点から好ましくは40%以上、更に好ましくは60%以上、特に好ましくは70%以上である。
Figure 2020138965
Figure 2020138965
1級化率は、予め試料を前処理(エステル化)した後に、H−NMR法により測定して求めることができる。
H−NMR法の詳細を以下に説明する。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解する。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し分析用試料とする。上記重水素化溶媒としては、例えば、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド及び重水素化ジメチルホルムアミド等から、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
一般的な条件でH−NMR測定を行う。
<1級化率の計算方法>
上に述べた前処理の方法により、ポリオキシアルキレンポリオールの末端の水酸基は、添加した無水トリフルオロ酢酸と反応してトリフルオロ酢酸エステルとなる。その結果、1級水酸基が結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基が結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測される。1級化率は次の計算式により算出する。
1級化率(%)=[x/(x+2×y)]×100[但し、xは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値であり、yは5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値である。]
上記ポリオキシアルキレンポリオール(a1)は、例えば特開2000−344881号公報に記載の方法で製造することができる。ポリオキシアルキレンポリオール(a1)として好ましい例としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン触媒(以下、TPBと略記)の存在下で、下記一般式(5)で表される活性水素含有化合物(a0)に、POを開環付加重合させたもの等が挙げられる。TPBを触媒に用いてPO開環付加重合を実施した場合、末端の水酸基が選択的に化学式(4)の基になるようにPO付加が進行する傾向がある。
Figure 2020138965
一般式(5)におけるX、A及びmは、上記一般式(3)におけるものと同じであり、pは0又は1〜199の整数である。
活性水素含有化合物(a0)の具体例としては、pが0の場合は、一般式(3)の説明においてm個の活性水素原子を有する化合物として例示したものと同様のものが挙げられる。
pが1以上の場合の活性水素含有化合物(a0)は、上記のm個の活性水素原子を有する化合物に、AOを従来公知の触媒(アルカリ金属水酸化物等)を用いて(共)付加させて得られるポリオールであり、好ましい例としてはプロピレングリコールのPO付加物、グリセリンのPO付加物、ポリグリセリンのPO付加物、プロピレングリコールの1,2−BO付加物、グリセリンの1,2−BO付加物、ポリグリセリンの1,2−BO付加物、グリセリンのPO/1,2−BO共付加物(ブロック又はランダム)等が挙げられる。
活性水素含有化合物(a0)にPOを開環付加重合させてポリオキシアルキレンポリオール(a1)を製造する際のTPBの使用量は特に限定されないが、ポリオキシアルキレンポリオール(a1)の重量に基づいて好ましくは0.00005〜10重量%、更に好ましくは0.0001〜1重量%である。
POの付加モル数は、活性水素含有化合物(a0)の活性水素原子1個当たり、1〜200モル、好ましくは2〜100モル、更に好ましくは3〜30モルである。上記のm個の活性水素原子を有する化合物の活性水素原子1個当たりの全AO(第1段階のAO及び第2段階のPOの合計)の付加モル数は、1〜200モル、好ましくは3〜100モルである。これらの付加モル数が200モル以下であるとポリオキシアルキレンポリオール(a1)の粘度が高くなり過ぎず、主剤と硬化剤との混合液の粘度が高くなり過ぎることを抑制できる。
従って、一般式(3)におけるqは、1〜200、好ましくは2〜100、更に好ましくは3〜30である。また、一般式(3)におけるp+qは、1〜200、好ましくは3〜100である。
POを開環付加重合させる際の反応温度は、好ましくは0〜250℃、更に好ましくは20〜180℃である。反応温度制御の観点から活性水素含有化合物(a0)とTPBの混合物にPOを滴下するか、あるいは(a0)にPOとTPBとの混合物を滴下する方法が好ましい。
製造された付加重合物はTPBを含んでいるため、合成珪酸塩(マグネシウムシリケート及びアルミニウムシリケート等)及び活性白土等の吸着剤を用いて吸着除去処理することが好ましい。
本発明におけるポリオール成分(A)を構成するポリオキシアルキレンポリオール(a1)の好ましい具体例としては、プロピレングリコールのPO付加物、ポリプロピレングリコール(末端2級水酸基)のPO付加物、グリセリンのPO付加物、ポリグリセリンのPO付加物、プロピレングリコールの1,2−BO付加物(末端2級水酸基)のPO付加物、グリセリンの1,2−BO付加物(末端2級水酸基)のPO付加物、ポリグリセリンの1,2−BO付加物(末端2級水酸基)のPO付加物及びヒマシ油のPO付加物等が挙げられる。
本発明におけるポリオキシアルキレンポリオール(a1)のEO付加物(a2)は、ポリオキシアルキレンポリオール(a1)に常用される方法でEOを付加させて得ることができる。付加されるオキシエチレン基の量は、湿熱試験後に粘着力が変化することを抑制する観点から、ポリオキシアルキレンポリオール(a1)のEO付加物(a2)が有するオキシアルキレン基の総重量に基づいて40重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは30重量%以下、特に好ましくは20重量%以下、とりわけ好ましくは15重量%以下、最も好ましくは10重量%以下である。
本発明におけるポリオール成分(A)中のポリオキシアルキレンポリオール(a1)及びそのEO付加物(a2)の合計の含有量[(a1)又は(a2)のみを用いる場合はその含有量]は、ポリオール成分(A)の重量に基づいて好ましくは50重量%以上、更に好ましくは70重量%以上である。50重量%未満では本発明の効果が得られ難い場合がある。
ポリオキシアルキレンポリオール(a1)及びそのEO付加物(a2)の水酸基価は、後述のその他のポリオール(a3)併用の有無及び併用するポリオールの種類により異なるが、好ましくは5〜800mgKOH/g、更に好ましくは10〜450mgKOH/g、特に好ましくは30〜300mgKOH/gである。
比較的高分子量(水酸基価400mgKOH/g未満)の他のポリオールと併用する場合には、比較的高い水酸基価例えば400〜1,500mgKOH/g、特に450〜1,200mgKOH/gのものが好ましい。水酸基価は、JIS K1557−1に記載の方法により測定することができる。
ポリオキシアルキレンポリオール(a1)及びそのEO付加物(a2)はそれぞれ2種以上併用してもよい。併用の態様としては、例えば活性水素含有化合物(a0)のタイプの異なるもの[例えば多価アルコール(グリセリン等)をベースとするものとポリアミン(エチレンジアミン等)をベースとするもの]、官能基数[一般式(3)中のm]の異なるもの[例えば2〜3官能化合物(エチレングリコール、グリセリン等)をベースとするものと4〜8官能化合物(ペンタエリスリトール、ソルビトール及びショ糖等)をベースとするもの]、水酸基価又はAO付加モル数[一般式(3)中のp+q]の異なるもの[水酸基価400mgKOH/g以上(例えば450〜700mgKOH/g)のものと400mgKOH/g未満(例えば30〜300mgKOH/g)のもの]の併用が挙げられる。
本発明におけるポリオール成分(A)は、ポリオキシアルキレンポリオール(a1)及びそのEO付加物(a2)以外に、その他のポリオール(a3)を含有することができる。
その他のポリオール(a3)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアルカジエンポリオール及びアクリルポリオール等が挙げられる。
その他のポリオール(a3)におけるポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシアルキレンポリオール(a1)にもそのEO付加物(a2)にも該当しないポリエーテルポリオールであって、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ−3−メチルテトラメチレンエーテルグリコール、共重合ポリオキシアルキレンジオール[テトラヒドロフラン(THF)/EO共重合ジオール及びTHF/3−メチルテトラヒドロフラン共重合ジオール等(重量比は例えば1/9〜9/1)]及びビスフェノール系化合物のAO付加物;3官能以上のポリエーテルポリオール[3価以上の多価アルコールのAO付加物(グリセリンのAO付加物及びトリメチロールプロパンのAO付加物等)];並びにこれらの1種以上をメチレンジクロライドでカップリングしたもの等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、
ヒマシ油脂肪酸エステルポリオール(例えばヒマシ油、部分脱水ヒマシ油及びヒマシ油脂肪酸エステル);
ポリ(n=2〜3又はそれ以上)カルボン酸[脂肪族飽和又は不飽和ポリカルボン酸(炭素数2〜40、例えばシュウ酸、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及び二量化リノール酸)、芳香環含有ポリカルボン酸(炭素数8〜15、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及び2,6−ナフタレンジカルボン酸)及び脂環含有ポリカルボン酸(炭素数7〜15、例えば1,3−ペンタンジカルボン酸及び1,4−ヘキサンジカルボン酸)等]とポリオール[例えば上記水酸基含有化合物、ポリオキシアルキレンポリオール(a1)、そのEO付加物(a2)及びその他のポリオール(a3)等]から形成される線状又は分岐状ポリエステルポリオール;
ポリラクトンポリオール[例えば上記水酸基含有化合物(2〜3価のもの等)の1種又は2種以上の混合物を開始剤としてこれに(置換)カプロラクトン(炭素数6〜10、例えばε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン及びε−メチル−ε−カプロラクトン)を触媒(有機金属化合物、金属キレート化合物及び脂肪酸金属アシル化合物等)の存在下に付加重合させたポリオール(例えばポリカプロラクトンポリオール)];
末端にカルボキシル基及び/又は水酸基を有するポリエステルにAO(EO及びPO等)を付加重合させて得られるポリエーテルエステルポリオールであって、ポリオキシアルキレンポリオール(a1)にも、そのEO付加物(a2)にも該当しないもの;
ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、ポリイソブテンポリオール等が挙げられる。
ポリアルカジエンポリオールとしては、ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添化ポリイソプレンポリオール及び水添化ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。
アクリルポリオールとしては、(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜30)エステル[ブチル(メタ)アクリレート等]と水酸基含有アクリルモノマー[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等]との共重合体等が挙げられる。
本発明の2液硬化性組成物(PU1)に用いられる全てのポリオール成分(A)の総不飽和度の平均値は、硬化物(U1)の強度の観点から、0.010meq/g以下である。
即ち、主剤と硬化剤の一方に複数成分のポリオール成分(A)を用いる場合や主剤と硬化剤の両方に単一又は複数のポリオール成分(A)を用いる場合、総不飽和度が0.010meq/gを超える成分を用いることが可能であるが、主剤と硬化剤に用いる全てのポリオール成分(A)に基づく総不飽和度の平均値は0.010meq/g以下であることが好ましい。
2液硬化性組成物(PU1)に用いられる全てのポリオール成分(A)の総不飽和度の平均値は、硬化物(U1)の強度を更に高める観点から好ましくは0.007meq/g以下、更に好ましくは0.005meq/g以下である。
本発明における総不飽和度は、JIS K1557−3に記載の方法により測定することができる。
ポリオール成分(A)の総不飽和度を低減する方法は特に限定されないが、例えば、分子末端にヒドロキシプロピル基を有するポリオキシアルキレンポリオール(a1)の場合、TPBの存在下で活性水素含有化合物(a0)にPOを開環付加重合させて、更にPO付加反応時の副反応により生じたアリル基含有化合物のアリル基をアルカリ存在下でプロペニル基へ転位させ、アルカリを吸着剤で除去した後、酸存在下でプロペニル基を加水分解させて水酸基に変換する方法が好ましく用いられる。
本発明におけるポリオール成分(A)の水酸基当量(水酸基1個当たりのMn)は200以上であることが好ましい。
また、ポリオール成分(A)の化学式量又はMnは、20,000以下である。
ポリオール成分(A)の化学式量又はMnが上記の範囲である場合、2液硬化性組成物(PU1)に混合する溶剤量が少ない場合でも、2液硬化性組成物(PU1)の粘度を十分低い値(後述の支持体への塗工時に、粘着剤層の厚さを後述の好ましい範囲とすることが可能な粘度)とすることができ、溶剤の量を後述の好ましい量で用いることが可能となる。また、ポリオール成分(A)の化学式量又はMnが上記の範囲である場合、硬化物(U1)の強度の観点からも好ましい。
2液硬化性組成物(PU1)において、また、ポリオール成分(A)の化学式量又はMnは、硬化物(U1)の強度の観点から、200〜12,000であることが好ましく、500〜6,000であることが更に好ましい。
本発明における有機ポリイソシアネート成分(B)としては、2〜3個又はそれ以上のイソシアネート基を有する炭素数4〜22の鎖状脂肪族ポリイソシアネート(b1)、炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b2)、炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b3)、炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)及びこれらのポリイソシアネートの変性物(b5)等が挙げられる。有機ポリイソシアネート成分(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭素数4〜22の鎖状脂肪族ポリイソシアネート(b1)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略記)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート及び2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b2)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、水添MDIと略記)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b3)としては、例えば1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDI略記)、粗製TDI、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記)、粗製MDI、ポリアリールポリイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート及びm−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)としては、例えばm−又はp−キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
(b1)〜(b4)のポリイソシアネートの変性物(b5)としては、上記ポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロハネート基、ウレア基、ビウレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基又はオキサゾリドン基含有変性物等;遊離イソシアネート基含有量が8〜33重量%、好ましくは10〜30重量%、更に好ましくは12〜29重量%のもの)、例えば変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI、HDIのビウレット体、HDIのイソシアヌレート体及びIPDIのイソシアヌレート体等のポリイソシアネートの変性物が挙げられる。
これらの有機ポリイソシアネート成分(B)の内、硬化物(U1)の色相の観点から好ましいのは、炭素数4〜22の鎖状脂肪族ポリイソシアネート(b1)、炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b2)及びこれらの変性物であり、更に好ましいのは炭素数4〜22の鎖状脂肪族ポリイソシアネート(b1)及びその変性物である。
2液硬化性組成物(PU1)において、有機ポリイソシアネート成分(B)の化学式量又はMnは、20,000以下である。
有機ポリイソシアネート成分(B)の化学式量又はMnが上記の範囲である場合、2液硬化性組成物(PU1)に混合する溶剤量が少ない場合でも、2液硬化性組成物(PU1)の粘度を十分低い値(後述の支持体への塗工時に、粘着剤層の厚さを後述の好ましい範囲とすることが可能な粘度)とすることができ、溶剤の量を後述の好ましい量で用いることが可能となる。また、有機ポリイソシアネート成分(B)の化学式量又はMnが上記の範囲である場合、硬化物(U1)の強度の観点からも好ましい。
また、有機ポリイソシアネート成分(B)の化学式量又はMnは、硬化物(U1)の強度の観点から、100〜1,500であることが好ましく、150〜600であることが更に好ましい。
本発明における2液硬化性組成物(PU1)の主剤に用いられる水酸基を有するウレタンプレポリマー(P1)及び硬化剤に用いられるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P2)は、ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを一般的な方法で反応させることにより得ることができる。
ポリオール成分(A)の水酸基の当量と有機ポリイソシアネート成分(B)のイソシアネートの当量の比率を調整することによって、水酸基を有するウレタンプレポリマー(P1)又はイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P2)を製造することができる。
反応には、公知の反応装置(撹拌機を備えた混合槽及びスタティックミキサー等)が使用でき、反応温度は、反応性及び熱劣化抑制の観点から好ましくは10〜160℃、更に好ましくは25〜120℃であり、安定性の観点から気相部を窒素で置換することが好ましい。
水酸基を有するウレタンプレポリマー(P1)を製造する場合、ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させる場合のポリオール成分(A)の水酸基の当量に対する有機ポリイソシアネート成分(B)のイソシアネート基の当量の比率(イソシアネート基の当量/水酸基の当量)は、硬化物(U1)の強度及び粘着力の観点から、0.3〜0.99が好ましく、更に好ましくは0.6〜0.99、特に好ましくは0.9〜0.99である。
また、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P2)を製造する場合、ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させる場合のポリオール成分(A)の水酸基の当量に対する有機ポリイソシアネート成分(B)のイソシアネート基の当量の比率(イソシアネート基の当量/水酸基の当量)は、硬化物(U1)の強度及び粘着力の観点から、1.01〜2.5が好ましく、更に好ましくは1.01〜2.0、特に好ましくは1.01〜1.5である。
本発明におけるウレタンプレポリマー(P1)及び(P2)の重量平均分子量(以下、Mwと略記)は、粘度及び硬化物(U1)の強度及び粘着力の観点から1,000〜100,000、好ましくは2,000〜80,000、更に好ましくは3,000〜40,000である。
本発明におけるMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、例えば以下の条件で測定することができる。尚、試料がイソシアネート基を有する化合物である場合、イソシアネート基をメタノールで封止後に測定する。
装置:「HLC−8120GPC」[東ソー(株)製]
カラム:「Guardcolumn HXL−H」(1本)、「TSKgel GMHXL」(2本)[いずれも東ソー(株)製]
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン
本発明における2液硬化性組成物(PU1)は、上述の通り、主剤と硬化剤とを含有し、主剤は水酸基を有するウレタンプレポリマー(P1)及び/又はポリオール成分(A)を含有し、硬化剤はイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P2)及び/又は有機ポリイソシアネート成分(B)を含有する。
そして、上述の通り、水酸基を有するウレタンプレポリマー(P1)に用いられるポリオール成分(A)及び/又は主剤として用いられるポリオール成分(A)は、分子末端に上記一般式(1)で表される基及び/又は上記一般式(2)で表される基を有するポリオール(A1)を含有し、ポリオール(A1)が有する一般式(1)で表される基の合計個数の割合が、ポリオール(A1)が有する一般式(1)で表される基の個数及び一般式(2)で表される基の個数の合計を基準として40%以上である。言い換えると、以下の条件を満たす。
上記ポリオール(A1)が、上記ポリオキシアルキレンポリオール(a1)のみである場合は、ポリオキシアルキレンポリオール(a1)の1級水酸基含有率が少なくとも40%である必要がある。ポリオキシアルキレンポリオール(a1)が2種以上の場合は、その混合物の1級水酸基含有率が少なくとも40%である必要がある。
また、上記ポリオール(A1)が、上記エチレンオキサイド付加物(a2)のみである場合は、エチレンオキサイド付加前の(a1)の1級水酸基含有率が少なくとも40%である必要がある。エチレンオキサイド付加前の(a1)が2種以上の場合は、その混合物の1級水酸基含有率が少なくとも40%である必要がある。
また、上記ポリオール(A1)が、上記ポリオキシアルキレンポリオール(a1)とエチレンオキサイド付加物(a2)との混合物である場合は、(a2)のエチレンオキサイド付加前の(a1)と、ポリオール(A1)が含有する(a1)との混合物が存在すると仮定した場合に、その混合物の1級水酸基含有率が少なくとも40%である必要がある。
上記ポリオール(A1)が有する一般式(1)で表される基の合計個数の割合が、40%以上であると、粘着性及び剥離時における粘着剤の凝集破壊抑制できるため、好ましい。また、上記ポリオール(A1)が有する一般式(1)で表される基の合計個数の割合は、粘着性及び剥離時における粘着剤の凝集破壊抑制の観点から、60%以上であることが好ましく、70%以上であることが更に好ましい。
本発明の2液硬化性組成物(PU1)が含有する主剤及び硬化剤の合計重量は、硬化物(U1)の強度の観点から、2液硬化性組成物(PU1)の重量を基準として、70〜100重量%であることが好ましく、更に好ましくは80〜100重量%であり、特に好ましくは90〜100重量%である。
また、本発明における2液硬化性組成物(PU1)が含有する溶剤[但し、ポリオール成分(A)及び有機ポリイソシアネート成分(B)を除く]の重量割合は、VOC低減の観点及び人体(肌等)に適用する観点から、2液硬化性組成物(PU1)の合計重量を基準として、5重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは3重量%以下であり、特に好ましくは1重量%以下であり、最も好ましくは0重量%(即ち、2液硬化性無溶剤型組成物)である。
上記溶剤としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。
硬化物(U1)の強度及び粘着力の観点からは、主剤がウレタンプレポリマー(P1)を含有する又は硬化剤がウレタンプレポリマー(P2)を含有するのどちらか一方を少なくとも満たすことが好ましく、主剤がウレタンプレポリマー(P1)を含有しかつ硬化剤がウレタンプレポリマー(P2)を含有することが更に好ましい。
また、主剤中のウレタンプレポリマー(P1)の重量割合は、主剤の重量を基準として、90〜100重量%であることが好ましい。
また、硬化剤中のウレタンプレポリマー(P2)の重量割合は、硬化剤の重量を基準として、90〜100重量%であることが好ましい。
硬化剤が有機ポリイソシアネート成分(B)のみで構成される場合、硬化性の観点から好ましいのは、平均官能基数が2〜6(更に好ましくは2〜5、特に好ましくは2〜4)のものであり、最も好ましいのは炭素数4〜22の鎖状脂肪族ポリイソシアネート(b1)又は炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b2)のビウレット体又はイソシアヌレート体である。
本発明におけるウレタンプレポリマー(P1)、(P2)、2液硬化性組成物(PU1)及び硬化物(U1)を製造する時、用途及び硬化性の要求度に応じて、ウレタン化触媒を用いることができる。
ウレタン化触媒としては、金属触媒及びアミン触媒等が挙げられる。金属触媒としては、錫系触媒(トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート及びジブチルチンマレエート等)、鉛系触媒(オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛及びオクテン酸鉛等)、ビスマス系触媒(ビスマスカルボキシレート、ビスマスアルコキシド及びジカルボニル基を有する化合物とビスマスとのキレート化合物等)、チタン系触媒(イソプロポキシトリN−エチルアミノエチルアミナートチタン、テトラブチルチタネート及びテトライソプロポキシビスジオクチルホスファイトチタン等)、亜鉛系触媒(有機亜鉛錯体等)、ジルコニウム系触媒(ジルコニウムテトラアセチルアセトナート及びジルコニウムトリブトキシアセチルアセトナート等)、アルミ系触媒(アルミニウム錯体等)、鉄系触媒[鉄のカルボキシレート化合物(乳酸鉄及びリシノール酸鉄等)、フェロセン系化合物(フェロセン及びアセチルフェロセン等)及びフタロシアニン鉄等]及びその他の金属触媒(ナフテン酸コバルト等のナフテン酸金属塩及びフェニル水銀プロピオン酸塩等)が挙げられる。
アミン触媒としては、トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ジアザビシクロアルケン〔1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7[DBU(サンアプロ(株)製、登録商標)]等〕、ジアルキル(炭素数1〜3)アミノアルキル(炭素数2〜4)アミン(ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン及びジプロピルアミノプロピルアミン等)、複素環式アミノアルキル(炭素数2〜6)アミン[2−(1−アジリジニル)エチルアミン、4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等]並びにN−メチル及びN−エチルモルホリン等が挙げられる。
これらの内で好ましいのはジアザビシクロアルケン、ビスマス系触媒、錫系触媒及び亜鉛系触媒であり、特に好ましいのはDBU、ビスマスカルボキシレート、ジブチルチンジラウレート及び有機亜鉛錯体である。
ウレタン化触媒の使用量は用途により適宜選択することができるが、高い速硬化性が要求される場合は2液硬化性組成物(PU1)の重量に基づいて好ましくは3,000ppm以下、更に好ましくは1〜2,000ppm、特に好ましくは10〜1,000ppmである。ウレタン化触媒は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明における2液硬化性組成物(PU1)は、本発明の効果を阻害しない範囲で更に酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、粘着付与剤、充填剤、帯電防止剤、ゲル化防止剤(ウレタン化遅延剤)等の添加剤を含有することができる。添加剤は、主剤、硬化剤のいずれに添加しても、主剤と硬化剤の配合時に添加してもよいが、主剤に予め添加しておくことが好ましい。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール化合物〔トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]及び2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等〕及び亜リン酸エステル化合物[トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト及びテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト等]が挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。酸化防止剤の使用量は、2液硬化性組成物(PU1)の重量に基づいて、酸化防止効果及び粘着力の観点から好ましくは5重量%以下、更に好ましくは0.05〜1重量%である。
紫外線吸収剤としては、サリチル酸誘導体(サリチル酸フェニル、サリチル酸−p−オクチルフェニル及びサリチル酸−p−t−ブチルフェニル等)、ベンゾフェノン化合物[2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン・トリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン及びビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等]、ベンゾトリアゾール化合物{2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾ―ル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール及び2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等}、シアノアクリレート化合物(2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート及びエチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等)等が挙げられる。紫外線吸収剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。紫外線吸収剤の使用量は、2液硬化性組成物(PU1)の重量に基づいて、紫外線吸収効果及び粘着力の観点から好ましくは5重量%以下、更に好ましくは0.1〜1重量%である。
可塑剤としては、炭化水素[プロセスオイル、液状ポリブタジエン、液状ポリイソブチレン、液状ポリイソプレン、流動パラフィン、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、エチレンとα−オレフィン(炭素数3〜20)の共重合オリゴマー(重量比0.1/99.9〜99.9/0.1、Mw=5,000〜100,000)及びプロピレンとエチレンを除くα−オレフィン(炭素数4〜20)の共重合オリゴマー(重量比0.1/99.9〜99.9/0.1、Mw=5,000〜100,000)];塩素化パラフィン;エステル〔フタル酸エステル[ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジステアリルフタレート及びジイソノニルフタレート等]、アジピン酸エステル[ジ(2−エチルヘキシル)アジペート(DOA)及びジオクチルアジペート等]及びセバチン酸エステル(ジオクチルセバケート等)等〕;動植物油脂(リノール酸及びリノレン酸等);及びこれらの内の水素添加可能な不飽和二重結合を有するものの水素添加物;脂肪酸エステル(ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、べへニン酸モノグリセライド、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸コレステリル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸イソトリデシル、2−エチルヘキサン酸トリグリセライド、ラウリン酸ブチル及びオレイン酸オクチル)等が挙げられる。可塑剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。可塑剤の使用量は、主剤及び硬化剤の合計重量に基づいて、粘着剤の凝集力の観点から好ましくは43重量%以下、更に好ましくは1〜43重量%、特に好ましくは3〜40重量%、とりわけ好ましくは5〜35重量%、最も好ましくは10〜30重量%である。
粘着性付与剤としては、例えばテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、合成石油樹脂(脂肪族、芳香族又は脂環式合成石油樹脂等)、クマロン−インデン樹脂、キシレン樹脂、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂及びこれらの内の水素添加可能な不飽和二重結合を有するものの水素添加物等が挙げられる。粘着性付与剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの内、粘着力の観点から極性を有するものが好ましく、ロジン樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレン樹脂及びこれらの水素添加物が更に好ましく、テルペンフェノール樹脂及びその水素添加物が特に好ましい。粘着性付与剤の使用量は、主剤及び硬化剤の合計重量に基づいて、粘着力及び耐熱性の観点から好ましくは43重量%以下、更に好ましくは1〜43重量%、特に好ましくは3〜40重量%、とりわけ好ましくは5〜35重量%、最も好ましくは10〜30重量%である。
充填剤としては、炭酸塩(炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウム等)、硫酸塩(硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム及び硫酸バリウム等)、亜硫酸塩(亜硫酸カルシウム等)、二硫化モリブデン、けい酸塩(けい酸アルミニウム及びけい酸カルシウム等)、珪藻土、珪石粉、タルク、シリカ及びゼオライト等が挙げられる。上記充填剤は、体積平均粒径が好ましくは0.01〜5μm程度の微粒子であり、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。充填剤の使用量は、主剤及び硬化剤の合計重量に基づいて、粘着剤の凝集力の観点から好ましくは43重量%以下、更に好ましくは0.5〜43重量%である。
帯電防止剤としては、ポリエーテルポリオール、界面活性剤、金属系導電性充填剤、カーボンブラック、Mwが5,000未満の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
ゲル化防止剤(ウレタン化遅延剤)としては、一般式(6)で表される化合物(C)が挙げられる。
Figure 2020138965
一般式(6)におけるR及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数3〜5の複素環基を表す。
化合物(C)はウレタン化時の副反応によるゲル化防止や、2液硬化時の可使時間の確保及び硬化時の養生時間短縮の効果を奏する。化合物(C)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
化合物(C)の具体例としては、2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトン)、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、2,4−ヘキサンジオン、2,2−ジメチル−3,5−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、2,2,7−トリメチル−3,5−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3−メチル−2,4−ノナンジオン、2−メチル−4,6−ノナンジオン、1−フェニル−1,3−ブタンジオン(ベンゾイルアセトン)、ジベンゾイルメタン及び2−フロイルベンゾイルメタン等のβ−ジケトン;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル、プロピオニル酢酸メチル、プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸プロピル、プロピオニル酢酸イソプロピル、プロピオニル酢酸ブチル、ブチリル酢酸メチル、ブチリル酢酸エチル、ブチリル酢酸プロピル、カプロイル酢酸メチル、カプロイル酢酸エチル、カプロイル酢酸プロピル及びカプロイル酢酸ブチル等のβ−ケトエステル;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸メチルエチル、マロン酸ジイソプロピル及びマロン酸ジブチル等のマロン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
化合物(C)の使用量は、所望する反応速度及び可使時間によって適宜選択されるが、2液硬化性組成物(PU1)の重量に基づいて好ましくは0.01〜5重量%、更に好ましくは0.03〜3重量%、特に好ましくは0.05〜1重量%である。0.01重量%以上であれば、ゲル化防止効果を効果的に得られる傾向があり、5重量%以下であると、化合物(C)のブリードアウトによる被着体への汚染性を抑制できる。
主剤と硬化剤を混合する際のNCO/OH比率(水酸基の当量に対するイソシアネート基の当量)は、硬化物(U1)の強度及び粘着力の観点から、好ましくは0.3〜2.0、更に好ましくは0.5〜1.5、特に好ましくは0.7〜1.3である。
麻酔剤(R)としては、一般的に使用することができる麻酔剤を用いることができ、中でも局所麻酔剤が好ましい。
局所麻酔剤としては、ベンゾカイン、リドカイン、テトラカイン、ブピバカイン、コカイン、エチドカイン、フレカイニド、メピバカイン、プラモキシン、プリロカイン、プロカイン、クロロプロカイン、オキシプロカイン、プロパラカイン、ロピバカイン、ジクロニン、ジブカイン、プロポキシカイン、クロロキシレノール、シンコカイン、デキシバカイン、ジアモカイン、ヘキシルカイン、レボブピバカイン、プロポキシカイン、ピロカイン、リソカイン、ロドカイン、並びにそれらの薬学的に許容される誘導体及び生物学的等価体、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される麻酔剤等が挙げられる。汎用性、適応症例数、低い副作用リスクの関連から、リドカインが好ましい。
前記の粘着剤層中、麻酔剤(R)の量が少なくなると十分な麻酔効果が得られず、多くなると結晶として析出する場合があり、粘着剤層における粘着剤(U)と麻酔剤(R)との重量比率[(U)/(R)]は、粘着性と麻酔効果の観点から、1〜10が好ましい。
粘着剤層は、経皮吸収性を高める観点から経皮吸収助剤(I)を含有してもよい。経皮吸収助剤(I)としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル及びクロタミトンからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。前記の粘着剤層中、経皮吸収助剤(I)の含有量は経皮吸収性と粘着性の観点から、粘着剤(U)の重量に基づいて、5〜150重量%であることが好ましい。
粘着剤層には、麻酔剤(R)の即効性を一層向上させるために、さらに必要に応じて、脂肪酸エステル(脂肪酸一価アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸環状多価アルコールエステル、その他の脂肪酸エステル)、有機酸、界面活性剤(非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤)等が添加されてもよい。
前記の脂肪酸一価アルコールエステルとしては、例えば、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オリーブオレイン酸エチル、ミリスチン酸ミリスチル、イソクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、アジピン酸ジイソプロピル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸レチノール、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、カプロン酸メチル、パルミチン酸メチル等が挙げられる。
前記の脂肪酸多価アルコールエステルとしては、例えば、モノオレイン酸グリセリン、モノカプリン酸グリセリン、ジオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸プロピレングリコール、デカオレイン酸デカグリセリン等が挙げられる。
前記の脂肪酸環状多価アルコールエステルとしては、例えば、モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、パルミチン酸アスコルビル等が挙げられる。
上記以外のその他の脂肪酸エステルとしては、例えば、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、没食子酸n−プロピル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ドデシル等が挙げられる。
前記の有機酸としては、例えば、オレイン酸、パルミチン酸、コハク酸、ミリスチン酸、ウンデシレン酸、パラオキシ安息香酸等が挙げられる。
前記の非イオン系界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンセスキオレート、グリセリンモノステアレート、デカグリセリルモノラウレート、ヘキサグリセリンポリリシノレート、ポリオキシエチレン(9モル等)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(2モル等)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(4,2モル等)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(5モル等)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(7,5モル等)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(10モル等)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(3モル等)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(10モル等)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(10モル等)オイレルアミン、ポリオキシエチレン(5モル等)オレイルアミン、ポリオキシエチレン(5モル等)オレイン酸アミド、ポリオキシエチレン(2モル等)モノラウレート等が挙げられる。
前記のアニオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(10モル等)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(4モル等)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(5モル等)セチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(8モル等)オイレルエーテルリン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記のカチオン系界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等が挙げられる。
前記の両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
上記以外のものとして、ラウロイルジエタノールアミドも使用可能である。
また、本発明の経皮吸収テープ剤において、粘着剤層は、粘着剤層の支持体に接しない側の表面にインク組成物(Q)による印字を有する。
インク組成物(Q)は、色素及び結着剤を含有することが好ましく、必要に応じて水溶性溶剤、水及び他の調整剤等を含んでいてもよい。
前記の色素は、400nm〜700nmの範囲に、極大吸収波長を有する化合物が好ましい。
また、前記の色素は、天然色素であることが好ましく、乳化剤を添加して、分散機にて乳化分散できる食用色素であることが更に好ましい。例えば、疎水性のものとしては、緑色のクロロフィル、オレンジ色のトウガラシ色素、黄色のマリーゴールド色素等が挙げられ、乳化して水中油滴であるO/W型エマルションとなる乳化分散液で使用することが好ましい。親水性のものとしては、黄色のベニバナ黄色素、青色のクチナシ青色素、赤色の赤キャベツ色素等が挙げられ、2重乳化してW/O/W型エマルションとなる乳化分散液で使用することが好ましい。
前記の結着剤は、前記の色素を、前記の粘着剤層及び経皮吸収テープ剤の発布対象(皮膚等)等に結着できる成分を用いることができる。
前記の結着剤としては、水溶性で、医薬品に添加することが可能な多糖類、二糖類及び単糖類等が挙げられる。結着剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
インクにするためには水溶性であることが好ましく、医薬品に添加することが可能な物であることが好ましい。それらを満たす多糖類、二糖類、および、単糖類から選ばれることが好ましい。
多糖類としては、デンプン、セルロース、デキストリン、ペクチン、カラギーナン、アラビアガム等が挙げられ、二糖類としては、マルトース、スクロース、トレハロース等が挙げられ、単糖類としては、マンニトール、グルコース、フルクトース、ガラクトース等が挙げられる。
多糖類、二糖類及び単糖類は、それぞれ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの内、好ましいのは、デキストリン、マルトース、マンニトールである。
インク組成物(Q)中の結着剤の重量割合は、結着剤及び色素の重量に基づいて、90〜95重量%含むことが皮膚への移行の観点から好ましい。90重量%以上であると、結着剤としての効果を充分に発揮しやすく、95重量%以下であると、色素の皮膚への移行が容易になる傾向がある。
前記の水溶性溶剤は、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン等の医薬品に添加することが可能な水溶性溶剤を使用することができる。
調整剤としては、界面活性効果、消泡効果、退色防止効果、防腐効果等を有する医薬品に添加することが可能な物質を使用することができる。
界面活性効果を有する物質として、脂肪酸エステルを添加するのが好ましい。脂肪酸エステルは、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン酸脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等から選ぶことができる。
水としては精製水を用いることが好ましい。
本発明の経皮吸収テープ剤は、皮膚に貼り付け後、テープ剤を剥がした際に、印字の全部又は一部が皮膚に転写される性質を有する。貼付位置の視認性とテープ粘着性の観点から、皮膚への貼付面積全体に占める印字面積割合は5〜90%であることが好ましく、10〜80%であることが更に好ましい。
印字が上記の好ましい面積割合で、皮膚に転写されるためには、印字が粘着層上に適度に結着されている必要があり、結着剤の量を前記の好ましい量で用いることが好ましい。
印字形状は、テープ剤を剥がした際に、貼付位置が視認できる形状であれば特に制限はなく、文字であっても図形であってもよいが、視認性の観点から図形であることが好ましい。
本発明の経皮吸収テープ剤は、印字された粘着層の表面に剥離フィルムを積層した経皮吸収テープ剤であることが好ましい。剥離フィルムとしては、粘着剤層を保護するものであって、テープ製剤を使用するときには剥離して用いるもので、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリウレタン、金属箔の薄いフィルム及びそれらの素材を組合せた積層構造のフィルム、粘着剤層に接着する表面にシリコン処理したフィルム、並びに、フィルム表面にアルミニウム等の金属を蒸着させたフィルム等を用いることができる。さらに、剥離フィルムには、剥離をより容易にするために、連続または非連続の直線あるいは曲線の切れ込みを設けることも可能である。
本発明の経皮吸収テープ剤は、剥離フィルムを有する場合は、支持体と剥離フィルムで麻酔剤(R)を有する粘着剤層を挟持した構造を有することが好ましい。支持体の外表面(粘着剤層に接しない側)には、記入欄を設けることが貼付情報の視認性の観点から、更に好ましい。
次に、本発明の経皮吸収テープ剤の製造方法について、説明する。
経皮吸収テープ剤の製造方法は、本発明の製造方法でもあり、粘着剤(U)及び麻酔剤(R)を含有する粘着剤層が支持体上に形成されたテープ剤について、前記粘着剤層の支持体に接しない側の表面にインクジェットプリンタを用いてインク組成物(Q)で印字する工程を含む。
まず、前記の粘着剤(U)及び麻酔剤(R)を含有する粘着剤層が支持体上に形成されたテープ剤の製造方法について説明する。
前記のテープ剤の製造方法としては、一般的な粘着テープと同様の製造方法が採用可能であり、例えば、溶剤塗工法、ホットメルト塗工法等を用いることができる。
前記の溶剤塗工法としては、粘着剤層を構成する粘着剤組成物〔粘着剤(U)、麻酔剤(R)及び溶剤[2液硬化性組成物(PU1)の説明で例示した溶剤等]を含有する混合物〕を調製し、これを直接支持体上に塗工、乾燥する方法等が挙げられる。
また、前記の粘着剤組成物を一旦剥離紙上に塗工、乾燥した後、剥離して支持体に転写密着させる方法も使用可能である。
前記のホットメルト塗工法としては、粘着剤層を構成する粘着剤組成物[粘着剤(U)及び麻酔剤(R)を含有する混合物]を加熱溶融し、これを直接支持体上に塗工、乾燥する方法等が挙げられる。また、ホットメルト塗工法では、前記の粘着剤組成物を加熱溶融して一旦剥離紙上に塗工、乾燥した後、剥離して支持体に転写密着させる方法も使用可能である。
粘着剤組成物の塗工温度は、塗工性及び熱劣化抑制の観点から好ましくは10〜160℃、更に好ましくは25〜120℃であり、塗工温度における粘着剤組成物の粘度は成形性(厚塗りができ、硬化後に反り及びヒケ等の外観不良がないこと)及び塗工性の観点から好ましくは0.01〜100Pa・s、更に好ましくは0.02〜50Pa・s、特に好ましくは0.03〜10Pa・sである。
また、塗工後、10〜50℃で20〜150時間養生することが好ましい。
前記の剥離紙は粘着剤層の保護を目的として使用され、例えば、ポリエチレンコート上質紙、ポリオレフィンコートグラシン紙、ポリエチレンテレフタレート(以下PETという)フィルム、ポリプロピレンフィルム等の片面をシリコーン処理したものが使用可能である。
前記の溶剤塗工法及びホットメルト塗工法以外の粘着剤層形成方法としては、以下の方法等が挙げられる。
粘着剤層として、前記の硬化物(U1)を含有する粘着剤層を用いる場合は、支持体上に、前記の2液硬化性組成物(PU1)及び麻酔剤(R)を含有する混合物を塗工し、(PU1)を硬化させる方法等が挙げられる。
具体的には、2液硬化性組成物(PU1)及び麻酔剤(R)の混合物を、バーコーター等を用いて基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム、塩ビフィルム及び不織布等)に塗工し、90〜130℃で1〜20分静置することで、混合物中の2液硬化性組成物(PU1)が硬化し、硬化物(U1)を含有する粘着剤層を得ることができる。
必要に応じて、更に20〜50℃で1〜10日静置する養生工程を実施しても良い。
塗工時の粘着剤(U)の塗布量〔固形分[粘着剤(U)から前記の溶剤を除いた重量]〕は好ましくは0.5〜300g/m、更に好ましくは1〜200g/m、特に好ましくは10〜100g/mである。
上記粘着剤層の厚さは、20〜300μmが好ましく、20〜200μmが更に好ましく、20〜100μmが特に好ましく、20〜80μmが最も好ましい。
前記のテープ剤の形状は、シート状、帯状、円形、楕円形、菱形等自由に選択できる。
次に、前記粘着剤層の支持体に接しない側の表面にインクジェットプリンタを用いてインク組成物(Q)で印字する工程について、説明する。
印字の方法としては、非接触印刷の観点から、インク組成物(PQ)を、インクジェットプリンタ(好ましくはピエゾ式インクジェットプリンタ)を用いて印刷し、前記のインク組成物(Q)の印字とする方法が好ましい。
必要に応じて、印刷の後に、更に20〜50℃で1〜10日静置する養生工程を実施しても良い。
前記のインク組成物(PQ)は、色素、結着剤、水溶性溶剤、水を含有することが好ましく、他の調整剤等を含んでもよい。
色素、結着剤、水溶性溶剤、水、他の調整剤としては、インク組成物(Q)の説明で例示した化合物を用いることができ、好ましい態様も同様である。
インク組成物(PQ)における色素(好ましくは天然色素)は、乳化分散されたものであることが好ましい。前記の色素を含有するインク組成物は、色素の乳化分散液に結着剤、水溶性溶剤、水、及び、調整剤等を混合する方法等により、製造することができる。
また、水溶性溶剤はインク組成物(PQ)の重量を基準として、1〜70重量%用いることが好ましい。
また、インク組成物(Q)で説明した脂肪酸エステルを、インク組成物(PQ)に含有させる場合、脂肪酸エステルは、インク組成物(PQ)の固形分重量[インク組成物(PQ)から水溶性溶剤及び水を除いた重量]を基準として、0.1〜5.0重量%含有することが好ましい。
また、水、水溶性溶剤、界面活性効果を有する物質等の量によって、粘度と表面張力等を調整して、前記のピエゾ式に適したインクにすることができる。
前記の粘着剤層への印字方法としては、インク組成物(PQ)を粘着層の表面に吐出して印刷を行うインクジェット印刷工程を有する方法が好ましく、印刷条件は特に限定なく、公知の条件、例えば特開2017−007338号公報の0051〜0053段落の記載の条件が挙げられる。
インク組成物(PQ)が含有する結着剤は、インク組成物(PQ)の重量に基づいて、5〜15重量%含むことが皮膚への移行の観点から好ましく、更に好ましくは、10〜15重量%である。5重量%以上であると、結着剤としての効果を充分に発揮しやすく、15重量%以下であると、色素の皮膚への移行が容易になる傾向がある。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下において部は重量部を表す。
[ポリオキシアルキレンポリオールの製造]
<製造例1>
撹拌装置、温度制御装置、凝縮設備としての熱交換器、原料供給ライン及び排気ラインを備えたステンレス製オートクレーブに、グリセリンのPO付加物[三洋化成工業(株)製「サンニックスGP−1500」:1級化率=2%、水酸基価=112mgKOH/g]510部とTPB 0.09部を仕込んだ後撹拌を開始して、オートクレーブと凝縮設備内を0.005MPaまで減圧した。原料供給ラインを通じてPO 1,190部を、反応温度を70〜80℃に保つように制御しながら12時間かけて連続的に液相に投入した。凝縮設備でPOを凝縮し回収するため−30℃の冷媒を循環させた。続いて70℃で4時間熟成した後、水200部を加えて130〜140℃で1時間加熱した。1時間加熱後、水を2時間かけて常圧留去した後、引き続いてスチームを通入しながら圧力を4〜7kPaに保ち、3時間かけて残りの水及び副生低沸点化合物を減圧留去した。続いて高純度水酸化カリウム(純度96%)12部を加えて、130℃で減圧下に撹拌して均一に溶解、脱水した。続いて昇温し、155〜165℃で20時間加熱することにより、PO付加反応時の副反応により生じたアリル基含有化合物のアリル基をプロペニル基へ転位させ、85〜90℃まで冷却した後、水40部を加えて85〜90℃で30分混合し、次いで吸着剤としてのキョーワード600[協和化学工業(株)製]40部を加えて同温度で30分混合した後、ろ過により吸着剤を取り除いた。次いで、リン酸及び水を添加しpH4.0に調整後、昇温し、150℃で5時間加熱することにより、プロペニル基を加水分解させて水酸基に変換した。続いて110〜130℃まで冷却し、減圧脱水した後、90℃まで冷却し、吸着剤としてのキョーワード1000(協和化学工業(株)製)を40部加えて同温度で30分混合した後、ろ過により吸着剤を取り除いて、ポリオキシアルキレンポリオール(a1−1)を得た。(a1−1)の水酸基価は36mgKOH/g、Mnは4,700、粘度は1,000mPa・s/25℃、1級化率は70%、不飽和度は0.006meq/gであった。
<製造例2>
製造例1におけるグリセリンのPO付加物「サンニックスGP−1500」510部をグリセリンのPO付加物[三洋化成工業(株)製「サンニックスGH−5000」:1級化率=2%、水酸基価=33mgKOH/g]966部に代えて、POの仕込量を34部に代える以外は製造例1と同様にしてポリオキシアルキレンポリオール(a1−2)を得た。(a1−2)の水酸基価は35mgKOH/g、Mnは4,800、粘度は900mPa・s/25℃、1級化率は60%、不飽和度は0.006meq/gであった。
<製造例3>
撹拌装置、温度制御装置、凝縮設備としての熱交換器、原料供給ライン及び排気ラインを備えたステンレス製オートクレーブに、プロピレングリコールのPO付加物[三洋化成工業(株)製「サンニックスPP−400」:1級化率=2%、水酸基価=280mgKOH/g]400部とTPB 0.09部を仕込んだ後撹拌を開始して、オートクレーブと凝縮設備内を0.005MPaまで減圧した。原料供給ラインを通じてPO 600部を、反応温度を70〜80℃に保つように制御しながら12時間かけて連続的に液相に投入した。凝縮設備でPOを凝縮し回収するため−30℃の冷媒を循環させた。続いて70℃で4時間熟成した後、水200部を加えて130〜140℃で1時間加熱した。1時間加熱後、水を2時間かけて常圧留去した後、引き続いてスチームを通入しながら圧力を4〜7kPaに保ち、3時間かけて残りの水及び副生低沸点化合物を減圧留去した。その後30部の合成珪酸塩[協和化学工業(株)製「キョーワード600」]と水40部を加えて60℃で3時間攪拌し、オートクレーブから取り出した後、1ミクロンのフィルターで濾過した後脱水し、ポリオキシアルキレンポリオール(a1−3)を得た。(a1−3)の水酸基価は112mgKOH/g、Mnは1,000、粘度は200mPa・s/25℃、1級化率は70%、不飽和度は0.010meq/gであった。
<製造例4>
プロピレングリコールのPO付加物[三洋化成工業(株)製「サンニックスPP−400」:1級化率=2%、水酸基価=280mgKOH/g]400部と水酸化カリウム4.0部を仕込んだ後、原料供給ラインを通じてPO600部を反応温度が90〜100℃を保つように制御しながら連続的に液相に投入した。続いて100℃で3時間熟成した後、30部の合成珪酸塩[協和化学工業(株)製「キョーワード600」]と水40部を加えて60℃で3時間処理し、オートクレーブから取り出した後、1ミクロンのフィルターで濾過した後脱水し、ポリオキシアルキレンポリオール(a1−4)を得た。(a1−4)の水酸基価は112mgKOH/g、Mnは1,000、粘度は150mPa・s/25℃、1級化率は2%、不飽和度は0.010meq/gであった。
<製造例5>
プロピレングリコールのPO付加物[三洋化成工業(株)製「サンニックスPP−400」:1級化率=2%、水酸基価=280mgKOH/g]670部と水酸化カリウム4.0部を仕込んだ後、原料供給ラインを通じてPO330部を反応温度が90〜100℃を保つように制御しながら連続的に液相に投入した。続いて100℃で3時間熟成した後、30部の合成珪酸塩[協和化学工業(株)製「キョーワード600」]と水40部を加えて60℃で3時間処理し、オートクレーブから取り出した後、1ミクロンのフィルターで濾過した後脱水し、ポリオキシアルキレンポリオール(a1−5)を得た。(a1−5)の水酸基価は188mgKOH/g、Mnは600、粘度は85mPa・s/25℃、1級化率は2%、不飽和度は0.010meq/gであった。
<製造例6>
製造例1において、PO投入後70℃で4時間熟成した後(この時点での1級化率は70%であった。)、更にEO 270部を投入し、130〜140℃で3時間熟成する工程を実施した以外は製造例1と同様にしてポリオキシアルキレンポリオール(a2−1)を得た。(a2−1)の水酸基価は33mgKOH/g、Mnは5,100、粘度は1050mPa・s/25℃、不飽和度は0.007meq/gであった。
[ウレタンプレポリマーの製造]
<製造例7>
還流冷却管、攪拌棒及び温度計をセットした4つ口フラスコに製造例1で得られたポリオキシアルキレンポリオール(a1−1)504.3g、製造例3で得られたポリオキシアルキレンポリオール(a1−3)432.3g、マロン酸ジエチル0.5g及びHDI{ヘキサメチレンジイソシアネート(デュラネート50M;旭化成(株)製)}63.4gを投入し、120℃で8時間反応させて水酸基末端ウレタンプレポリマー(P1−1)を得た。ウレタンプレポリマー(P1−1)の水酸基価は24mgKOH/g、粘度は16,000mPa・s/25℃、Mwは18,000であった。
<製造例8>
還流冷却管、攪拌棒及び温度計をセットした4つ口フラスコに製造例1で得られたポリオキシアルキレンポリオール(a1−1)525.2g、製造例3で得られたポリオキシアルキレンポリオール(a1−3)253.2g、製造例5で得られたポリオキシアルキレンポリオール(a1−5)150.9g、マロン酸ジエチル0.5g及びHDI70.8gを投入し、120℃で8時間反応させて水酸基末端ウレタンプレポリマー(P1−2)を得た。ウレタンプレポリマー(P1−2)の水酸基価は28mgKOH/g、粘度は、23,000mPa・s/25℃、Mwは21,000であった。
<製造例9>
還流冷却管、攪拌棒及び温度計をセットした4つ口フラスコに製造例2で得られたポリオキシアルキレンポリオール(a1−2)511.4g、製造例3で得られたポリオキシアルキレンポリオール(a1−3)426.1g、マロン酸ジエチル0.5g及びHDI{ヘキサメチレンジイソシアネート(デュラネート50M;旭化成(株)製)}62.5gを投入し、120℃で8時間反応させて水酸基末端ウレタンプレポリマー(P1−3)を得た。ウレタンプレポリマー(P1−3)の水酸基価は24mgKOH/g、粘度は、17,000mPa・s/25℃、Mwは18,000であった。
<製造例10>
還流冷却管、攪拌棒及び温度計をセットした4つ口フラスコに製造例3で得られたポリオキシアルキレンポリオール(a1−3)413.3g、製造例6で得られたポリオキシアルキレンポリオール(a2−1)526.0g、マロン酸ジエチル0.5g及びHDI{ヘキサメチレンジイソシアネート(デュラネート50M;旭化成(株)製)}60.7gを投入し、120℃で8時間反応させて水酸基末端ウレタンプレポリマー(P1−4)を得た。ウレタンプレポリマー(P1−4)の水酸基価は23mgKOH/g、粘度は、19,000mPa・s/25℃、Mwは20,000であった。
<製造例11>
還流冷却管、攪拌棒及び温度計をセットした4つ口フラスコに製造例1で得られたポリオキシアルキレンポリオール(a1−1)494.5g、製造例3で得られたポリオキシアルキレンポリオール(a1−3)423.8g、マロン酸ジエチル0.5g及びIPDI(イソホロンジイソシアネート)81.7gを投入し、120℃で10時間反応させて水酸基末端ウレタンプレポリマー(P1−5)を得た。ウレタンプレポリマー(P1−5)の水酸基価は24mgKOH/g、粘度は15,000mPa・s/25℃、Mwは19,000であった。
<製造例12>
還流冷却管、攪拌棒及び温度計をセットした4つ口フラスコに製造例4で得られたポリオキシアルキレンポリオール(a1−4)799.0g、マロン酸ジエチル0.5g、HDI[ヘキサメチレンジイソシアネート(デュラネート50M;旭化成(株)製)]201.0gを投入し、120℃で6時間反応させてイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(P2−1)を得た。ウレタンプレポリマー(P2−1)のイソシアネート基含量は3.4%、粘度は、10,000mPa・s/25℃、Mwは4,000であった。
<製造例13>
還流冷却管、攪拌棒及び温度計をセットした4つ口フラスコに製造例4で得られたポリオキシアルキレンポリオール(a1−4)750.3g、マロン酸ジエチル0.5g、IPDI(イソホロンジイソシアネート)249.7gを投入し、120℃で7時間反応させてイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(P2−2)を得た。ウレタンプレポリマー(P2−2)のイソシアネート基含量は3.1%、粘度は、9,000mPa・s/25℃、Mwは4,500であった。
<製造例14>
天然色素が赤キャベツ色素からなる赤色の乳化分散液は、赤キャベツ色素12重量%、乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステル10重量%とアラビアガム22重量%、プロピレングリコール10重量%、クエン酸1.8重量%、水44.2重量%を分散機にて乳化分散して分散液を作製した。該分散液を7部、結着剤であるデキストリン15部、グリセリン9.3部、イオン交換水68.7部を混合し、インク組成物(PQ−1)を作製した。
なお、インク組成物(PQ−1)中の結着剤の重量割合は、結着剤及び色素の合計重量に基づいて95重量%である。
<製造例15>
結着剤であるデキストリン15部を20部に、イオン交換水68.7部を63.7部に変更する以外は、製造例14と同様にして、インク組成物(PQ−2)を作製した。
なお、インク組成物(PQ−2)中の結着剤の重量割合は、結着剤及び色素の合計重量に基づいて96重量%である。
<製造例16>
結着剤であるデキストリン15部を4部に、イオン交換水68.7部を79.7部に変更する以外は、製造例14と同様にして、インク組成物(PQ−3)を作製した。
なお、インク組成物(PQ−3)中の結着剤の重量割合は、結着剤及び色素の合計重量に基づいて87重量%である。
<製造例17>
結着剤であるデキストリン15部を6部に、イオン交換水68.7部を77.7部に変更する以外は、製造例14と同様にして、インク組成物(PQ−4)を作製した。
なお、インク組成物(PQ−4)中の結着剤の重量割合は、結着剤及び色素の合計重量に基づいて90重量%である。
製造例7〜13で用いた原料と仕込み量、ポリオール(A1)が有する一般式(1)で表される基の個数及び一般式(2)で表される基の個数の合計に対するポリオール(A1)が有する一般式(1)で表される基の合計個数の割合、ウレタンプレポリマーに用いたポリオール成分(A)の総不飽和度、ウレタンプレポリマーの水酸基価、イソシアネート基含量、粘度及びMwを表1に示す。
Figure 2020138965
<製造例14〜25>
主剤としてのプレポリマー(P1−1)〜(P1−5)又はポリオール(a1−1)[製造例1で得られたポリオキシアルキレンポリオール(a1−1)]、硬化剤としてのプレポリマー(P2−1)〜(P2−2)又はデュラネートTLA−100[HDIのイソシアヌレート;旭化成(株)製、化学式量は540]、溶剤としての酢酸エチル及び硬化触媒(D−1)としてのXK−635[楠本化成(株)製]、リドカイン(R−1)を表2の部数で混合し、38μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムに、硬化後の粘着剤層の膜厚が50μmとなるようにバーコーターを用いて塗布し、110℃で10分硬化させ、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に粘着剤層(S−1)〜(S−12)を作成した。
Figure 2020138965
<実施例1〜15>
製造例14〜25で製造した粘着剤層(S)を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを、200mm×25mmの大きさに裁断した後、粘着剤層の支持体に接しない側の表面に、インク組成物(PQ)をピエゾ式インクジェットプリンタにて1辺4mmの正方形ベタ画像を単色で印刷し、25℃で3日間養生して、インク組成物(Q)による印字を有する経皮吸収テープ剤(T−1)〜(T−15)を作製した。粘着剤層(S)とインク組成物(PQ)の組合せは表3に示す。
<比較例1>
製造例14で製造した粘着剤層(S1)を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを、200mm×25mmの大きさに裁断し、25℃で3日間養生して、比較用の経皮吸収テープ剤(T’−1)を製造した。
実施例1〜15得られた経皮吸収テープ剤(T−1)〜(T−15)及び比較例1で得られた比較用の経皮吸収テープ剤(T’−1)を用いて、以下の評価方法で初期粘着力、印字の転写性、膜強度及び湿熱試験後粘着力を評価した結果を、粘着剤の硬化膜のウレタン基濃度及び2液硬化時のNCO/OH比率と共に表3に示す。
Figure 2020138965
(1)初期粘着力の測定方法
実施例1〜15及び比較例1で得られた200mm×25mmの大きさの経皮吸収テープ剤(T−1)〜(T−15)、(T’−1)を、SUS板に貼り合わせ、引張試験機を用い、23℃で引っ張り速度1,000mm/分の条件で180°剥離強度(単位:N/25mm)を測定した。測定は5つの試料について行い、その平均値を表3に示した。経皮吸収テープ剤に使用する場合は、剥離強度は1〜15N/25mmの範囲が好ましく、10〜15N/25mmの範囲が更に好ましい。また、剥離状態についても下記の基準で併せて評価した。
<剥離状態の評価基準>
○:ポリエチレンテレフタレートフィルムと粘着剤との界面剥離
×:粘着剤の凝集破壊
<印字の転写性>
実施例1〜15及び比較例1で得られた経皮吸収テープ剤(T−1)〜(T−15)、(T’−1)の粘着面を上質紙に貼り、25℃、2時間貼付後、テープ剤を剥がした際の上質紙への印字の移行具合を評価した。
<評価基準>
◎:上質紙に1辺4mmの正方形ベタ画像の80%面積が移行されている。
○:上質紙に1辺4mmの正方形ベタ画像の40以上80%未満面積が移行されている。
△:上質紙に1辺4mmの正方形ベタ画像の1以上40%未満面積が移行されている。
×:上質紙に1辺4mmの正方形ベタ画像の1%以上移行されていない。
(2)膜強度の評価方法
実施例1〜15及び比較例1で得られた経皮吸収テープ剤(T−1)〜(T−15)、(T’−1)の粘着面を指で強く10回こすり、粘着剤が剥がれるかを目視で確認した。評価基準は以下の通り。
◎:まったく傷がつかない。
○:傷はつくが、白く曇らない。
△:傷がつき、白く曇る。
×:凝集破壊し、剥がれる。
(3)湿熱試験後粘着力の評価方法
実施例1〜15及び比較例1で得られた200mm×25mmの大きさの経皮吸収テープ剤(T−1)〜(T−15)、(T’−1)を、SUS板に貼り合わせ、65℃95%RHに保った高温恒湿器内で72時間保管したのちに取り出し、23℃常湿で24時間静置した後に、引張試験機を用い、23℃で引っ張り速度1,000mm/分の条件で180°剥離強度(単位:N/25mm)を測定した。測定は5つの試料について行い、その平均値を表3に示した。
経皮吸収テープ剤に使用する場合は、湿熱試験後粘着力と初期粘着力の差が小さい方が麻酔処置後の剥がしやすさにおいて有利であり、差が5N/25mm以内であることが望ましい。
本発明の経皮吸収テープ剤は、麻酔用経皮吸収テープ剤、特に穿刺前に使用される局所麻酔用経皮吸収テープ剤に極めて有用である。

Claims (7)

  1. 支持体上に粘着剤層が形成された経皮吸収テープ剤であって、
    粘着剤層が粘着剤(U)及び麻酔剤(R)を含有し、
    粘着剤層の支持体に接しない側の表面にインク組成物(Q)による印字を有し、
    経皮吸収テープ剤を皮膚に貼り付け後、テープ剤を剥がした際に、この印字の全部又は一部が皮膚に転写される経皮吸収テープ剤。
  2. 粘着剤(U)が、ウレタン粘着剤(U0)である請求項1に記載の経皮吸収テープ剤。
  3. ウレタン粘着剤(U0)が、
    主剤と硬化剤とを含有する2液硬化性組成物(PU1)の硬化物(U1)であって、
    前記主剤は、ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させてなる水酸基を有するウレタンプレポリマー(P1)及び/又はポリオール成分(A)を含有し、
    前記硬化剤は、ポリオール成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させてなるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(P2)及び/又は有機ポリイソシアネート成分(B)を含有し、
    下記(1)〜(4)を満たす請求項2に記載の経皮吸収テープ剤。
    (1)水酸基を有するウレタンプレポリマー(P1)に用いられるポリオール成分(A)及び/又は主剤として用いられるポリオール成分(A)が、分子末端に一般式(1)で表される基及び/又は一般式(2)で表される基を有するポリオール(A1)を含有し、ポリオール(A1)が有する一般式(1)で表される基の合計個数の割合が、ポリオール(A1)が有する一般式(1)で表される基の個数及び一般式(2)で表される基の個数の合計を基準として40%以上である。
    Figure 2020138965
    Figure 2020138965
    [一般式(1)及び(2)において、aはそれぞれ独立に0以上の整数である。]
    (2)2液硬化性組成物(PU1)に用いられる全てのポリオール成分(A)の総不飽和度の平均値が0.010meq/g以下である。
    (3)ウレタンプレポリマー(P1)及びウレタンプレポリマー(P2)の重量平均分子量が、1,000〜100,000である。
    (4)ポリオール成分(A)及び有機ポリイソシアネート成分(B)の化学式量又は数平均分子量が、20,000以下である。
  4. 前記ウレタンプレポリマー(P1)に用いられるポリオール(A1)及び/又は前記主剤として用いられるポリオール(A1)が、一般式(3)で表される分子末端にヒドロキシプロピル基を有するポリオキシアルキレンポリオール(a1)及び/又はそのエチレンオキサイド付加物(a2)である請求項3に記載の経皮吸収テープ剤。
    Figure 2020138965
    [一般式(3)において、Xはm個の活性水素原子を有する化合物から活性水素原子を除いたm価の残基;Aは水素原子がフェニル基、ハロゲン化フェニル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜12のアルキレン基;Zはプロピレン基;mは2〜20の整数;pは0〜199の整数、qは1〜200の整数であって、1≦p+q≦200を満たす。]
  5. インク組成物(Q)が、色素並びに多糖類、二糖類及び単糖類からなる群から選ばれる一種以上の結着剤を含有し、
    インク組成物(Q)中の結着剤の重量割合が、結着剤及び色素の合計重量に基づいて90〜95重量%である請求項1〜4いずれか1項に記載の経皮吸収テープ剤。
  6. 粘着剤(U)と麻酔剤(R)との重量比率[(U)/(R)]が、1〜10である請求項1〜5いずれか1項に記載の経皮吸収テープ剤。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載の経皮吸収テープ剤の製造方法であって、
    粘着剤(U)及び麻酔剤(R)を含有する粘着剤層が支持体上に形成されたテープ剤について、前記粘着剤層の支持体に接しない側の表面にインクジェットプリンタを用いてインク組成物(Q)で印字する工程を含む経皮吸収テープ剤の製造方法。
JP2020030034A 2019-02-27 2020-02-26 経皮吸収テープ剤及び経皮吸収テープ剤の製造方法 Pending JP2020138965A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019034241 2019-02-27
JP2019034241 2019-02-27

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020138965A true JP2020138965A (ja) 2020-09-03

Family

ID=72279897

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020030034A Pending JP2020138965A (ja) 2019-02-27 2020-02-26 経皮吸収テープ剤及び経皮吸収テープ剤の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020138965A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022091457A1 (ja) * 2020-10-27 2022-05-05 東洋インキScホールディングス株式会社 皮膚貼付用粘着剤、硬化物および皮膚貼付用粘着テープ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022091457A1 (ja) * 2020-10-27 2022-05-05 東洋インキScホールディングス株式会社 皮膚貼付用粘着剤、硬化物および皮膚貼付用粘着テープ
CN114698371A (zh) * 2020-10-27 2022-07-01 东洋油墨Sc控股株式会社 皮肤粘贴用粘着剂、硬化物和皮肤粘贴用粘着带
CN114698371B (zh) * 2020-10-27 2023-08-15 东洋油墨Sc控股株式会社 皮肤粘贴用粘着剂、硬化物和皮肤粘贴用粘着带

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6648168B2 (ja) 表面保護フィルム
JP6814781B2 (ja) 2液硬化型ウレタン粘着剤用主剤及び2液硬化型ウレタン粘着剤
JP6892412B2 (ja) 2液硬化型ウレタン粘着剤用主剤及び2液硬化型ウレタン粘着剤
JP7142482B2 (ja) 表面保護フィルム
KR102543788B1 (ko) 2 액 경화성 우레탄 점착제
JP7137961B2 (ja) 表面保護フィルム
JP2020138965A (ja) 経皮吸収テープ剤及び経皮吸収テープ剤の製造方法
JP2015004052A (ja) 2液硬化型接着性皮膜形成用組成物
CN114605931A (zh) 表面保护膜
EP0663430A2 (en) Hot-melt silicone pressure sensitive adhesive with siloxylated allyloxypropane diol copolymers as additives
JP7323644B2 (ja) 2液硬化型ウレタン粘着剤、2液硬化型ウレタン粘着剤の硬化物及びウレタン粘着シート
JP5001135B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性ホットメルト粘着剤組成物
JP2013060583A (ja) 接着性向上剤及びそれを用いてなる接着剤
JP7198943B2 (ja) 粘着剤、粘着シート及び光学部材
TWI840642B (zh) 2液硬化型胺酯黏著劑、2液硬化型胺酯黏著劑之硬化物及胺酯黏著片
TWI835970B (zh) 表面保護膜
JP7092251B1 (ja) 皮膚貼付用粘着剤及び皮膚貼付用粘着テープ
JP6866957B1 (ja) 皮膚貼付用粘着剤、硬化物および皮膚貼付用粘着テープ
TWI837139B (zh) 表面保護膜
WO2022138113A1 (ja) 表面保護フィルム
CN116670242A (zh) 表面保护薄膜