JP2020138932A - Abca12遺伝子発現促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、新規かつ有用であり、脂質恒常性維持に重要な役割を果たす脂質トランスポータータンパク質:ABCA12遺伝子発現促進剤の提供を目的とする。ABCA12遺伝子発現促進剤は、様々な内的・外的要因の低下によって生じる表皮や胃粘膜の過角化等を防止し、脂質恒常性維持を期待する薬剤として使用することができる。利用性が高く、医薬品、食品(美容や健康志向の飲食品を含む)のみならず、飲料、化粧料等外用剤といった産業上における広い範囲での利用が可能である。【解決手段】シャクヤク抽出物を有効成分とするABCA12遺伝子発現促進剤。【選択図】なし

Description

本発明は、シャクヤク抽出物を有効成分とする、ABCA12遺伝子発現促進剤に関するものである。
細胞は、自身の機能を維持するために、チャネル、トランスポーターと呼ばれる膜輸送タンパク質により、イオンや栄養素の輸送及び老廃物や毒素の排出を選択的に行っている。その膜輸送タンパク質の1つとして、ATP−Binding Cassette(ABC)タンパク質が知られている。このタンパク質は、主にATPの加水分解エネルギーを用いて様々な脂溶性の低分子化合物を能動輸送するトランスポーターとして機能することが報告されている。ABCタンパク質は細菌から哺乳類に至るまで幅広く生物に存在し、チャネル、受容体だけでなく、脂質、胆汁酸塩、抱合体、薬物などあらゆる輸送に関与している。それゆえに、ABCタンパク質遺伝子の異常が病気と関連していることが知られている。特にヒトにおいて、ABCタンパク質の異常が様々な疾病で引き起こされることから、生理的に非常に重要であると考えられる。
ABCタンパク質はヒトの染色体上には48あるいは49のABC蛋白質遺伝子が存在することが明らかになっている。それらのABC蛋白質はATP結合領域のアミノ酸配列の相同性からAからGまでの7つのサブグループに分けられる。中でも、ABCA12はヒトにおいて脂質恒常性維持に重要な役割を果たし、脂質を運ぶタンパク質として、胃、皮膚、大腸、胎盤、精巣、胎児期の脳などでの発現が報告されている(非特許文献1)。
また、げっ歯類等においてもABCA12(以下「ABCA12」、という)は、胎生18.5日では主に胃や皮膚に発現が認められ、成熟後でも皮膚や胃はもちろん、心臓、腸、腎臓などで強く発現し、脳、肝臓、肺にも発現が認められる(非特許文献2)。特に、ABCA12ノックアウトマウスにおける障害として、表皮や胃粘膜の過角化が認められる。またヒトにおけるABCA12の異常によって引き起こされる代表的な疾患として、先天的に皮膚のバリアの要である脂質が十分に運ばれず、脂質層がうまく作られないことによって、全身の皮膚が非常に厚い板状の角層に覆われ、まぶたや唇がめくれあがる等の症状を示す道化師様魚鱗癬という皮膚疾患が報告されている(非特許文献3)。
Identification and characterization of a novel ABA subfamily member, ABCA12, located in the lamellar ichtyosis region on 2q34. Annilo T. et al. Cytogenet. Genome Res.,98:169−176(2002) Endogenous β−glucocerebrosidase activity in Abca12 epidermis elevates ceramide levels after topical lipid application but does not restore barrier function. Haller J.F. et al. J. Lipid Res.,55(3):493−503(2014) Mutations in lipid transporter ABCA12 in harlequin ichthyosis and functional recovery by corrective gene transfer. Akiyama M. et al. J. Clin. Invest.,115(7):1777−1784(2005)
これらのことから、ABCA12が様々な内的・外的要因により低下し、その機能が破綻すると、表皮や胃などに種々の異常が起こることが考えられる。そのため、皮膚などの角質層をターゲットとし、直接ABCA12遺伝子の発現を促進させることにより、それらの皮膚などに認められる異常を改善することが可能であると考えられる。
従って、本発明が解決しようとする課題は、新規かつ有用で、産業上における広い範囲で利用が可能であり、脂質恒常性維持に重要な役割を果たす脂質トランスポータータンパク質ABCA12遺伝子発現促進剤を提供することである。
本発明者は、シャクヤク抽出物がABCA12遺伝子発現を促進する優れた効果があることを見出した。
すなわち本発明は、以下の項を含む。
[項1]シャクヤク抽出物を有効成分とするABCA12遺伝子発現促進剤。
本発明により、様々な内的・外的要因の低下によって生じる表皮や胃粘膜の過角化等を防止し、皮膚などの角質層をターゲットとして、脂質恒常性維持に重要な役割を果たす脂質トランスポータータンパク質:ABCA12遺伝子発現促進剤を提供することができる。本発明による剤は、極めて利用性が高く、例えば、にと広い分野での利用が可能である。
(ABCA12遺伝子発現促進剤)
ABCA12遺伝子発現促進剤は、細胞内のABCA12遺伝子発現を促進するための剤である。この剤は、液体だけでなく、例えば固形等々も挙げられ、例えば皮膚外用剤だけでなく、経口組成物(例えば、固体でも液体でも作製可能)とも考えられる。ABCA12タンパク質は、皮膚の最外層(表皮)を構成する細胞内で脂肪(脂質)を輸送する役割を果たす。この脂質を輸送することは、表皮内の脂質の層を維持しつつ水分の喪失(脱水)を防ぐためおよび皮膚の正常な発達のために必要であると考えられている。
本発明で使用する「シャクヤク」とは、ボタン科(Paeoniaceae)ボタン属(Paeonia)の植物:シャクヤク(Paeonia lactiflora)の、望ましくは根を乾燥したものであるが、部位については必ずしも丁寧に分別されたものだけでなく、花、花穂、果皮、果実、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根茎、根皮、種子等が混入しているものを用いてもよく、また乾燥していない生のものであってもよい。
本発明で使用するシャクヤク抽出物は、前記の植物体をそのまま或いは粉砕後、溶媒で抽出したもの、又は、そのまま或いは粉砕後、搾取したものである。
抽出溶媒としては、水,親水性有機溶媒,または含水親水性有機溶媒を使用することができる。その際、抽出物の変性を避けるため、室温に近い温度(20〜30℃)で3日から1週間かけ浸漬抽出することが好ましい。
抽出溶媒として使用可能な水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本発明において抽出溶媒として使用可能な水には、精製水、熱水、イオン交換水も含まれる。
抽出溶媒として使用しえる親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の炭素数1〜3の低級脂肪族アルコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜4の多価アルコール等が挙げられる。
含水親水性有機溶媒を使用する場合、その混合比は適宜調整することができるが、後述する実施例の結果から、30〜60%1,3−ブチレングリコール溶液が好適である。また含水エタノールを使用する場合は、30〜90%エタノール溶液が好ましい。
抽出は、シャクヤクに含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させえる限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、シャクヤクを2〜15倍量(質量比)の抽出溶媒に浸漬し、常温で可溶性成分を抽出した後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出物を得ることができる。必要であれば、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を行ってもよい。このようにしてABCA12遺伝子発現促進剤を得ることができる。
(経口組成物の形態)
本発明によるABCA12遺伝子発現促進剤の用途として、経口組成物では、例えば、飲料、食品、医薬品、医薬部外品が挙げられる。
(皮膚外用剤の形態)
また皮膚外用剤では、アンプル、カプセル、粉末、顆粒、液体、ゲル、気泡、エマルジョン、シート、ミスト、スプレー剤等利用上の適当な形態の1)医薬品類、2)医薬部外品類、3)局所用又は全身用の皮膚外用剤類(例えば、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、ローション、オイル、パック等の基礎化粧料、固形石鹸、液体ソープ、ハンドウォッシュ等の洗顔料や皮膚洗浄料、マッサージ用剤、クレンジング用剤、除毛剤、脱毛剤、髭剃り処理料、アフターシェーブローション、プレショーブローション、シェービングクリーム、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ等のメークアップ化粧料、香水類、美爪剤、美爪エナメル、美爪エナメル除去剤、パップ剤、プラスター剤、テープ剤、シート剤、貼付剤、エアゾール剤等)、4)頭皮・頭髪に適用する薬用又は/及び化粧用の製剤類(例えば、シャンプー剤、リンス剤、ヘアートリートメント剤、プレヘアートリートメント剤、パーマネント液、染毛料、整髪料、ヘアートニック剤、育毛・養毛料、パップ剤、プラスター剤、テープ剤、シート剤、エアゾール剤等)、5)浴湯に投じて使用する浴用剤、6)その他、腋臭防止剤や消臭剤、制汗剤、衛生用品、衛生綿類、ウエットティシュ等が挙げられる。
(皮膚外用剤の構成成分)
また、このような皮膚外用剤には、さらに必要に応じて、本発明の効果を損ねない範囲で以下に例示する成分や添加剤を任意に選択・併用して製造することができ、これらの処方系中への配合量は、特に規定するものではないが、通常、0.0001〜50%程度が好ましいと考えられる。
(1)各種油脂類
アボカド油、アーモンド油、ウイキョウ油、エゴマ油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラファー油、ゴマ油、カカオ脂、カミツレ油、カロット油、キューカンバー油、牛脂脂肪酸、ククイナッツ油、サフラワー油、シア脂、液状シア脂、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ヒマシ油、綿実油、落花生油、タートル油、ミンク油、卵黄油、パーム油、パーム核油、モクロウ、ヤシ油、牛脂、豚脂、スクワレン、スクワラン、プリスタン又はこれら油脂類の水素添加物(硬化油等)等。
(2)ロウ類
ミツロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、カンデリラロウ、モンタンロウ、セラックロウ、ライスワックス等。
(3)鉱物油
流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、オゾケライド、セレシン、マイクロクリスタンワックス等。
(4)脂肪酸類
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール油、ラノリン脂肪酸等の天然脂肪酸、イソノナン酸、カプロン酸、2−エチルブタン酸、イソペンタン酸、2−メチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソペンタン酸等の合成脂肪酸。
(5)アルコール類
エタノール、イソプロパノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、フェノキシエタノール等の天然アルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール等の合成アルコール。
(6)多価アルコール類
酸化エチレン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、酸化プロピレン、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリトリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、ガラクチトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、マルチトール等。
(7)エステル類
ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、酢酸ラノリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール等。
(8)金属セッケン類
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等。
(9)ガム質、糖類又は水溶性高分子化合物
アラビアゴム、ベンゾインゴム、ダンマルゴム、グアヤク脂、アイルランド苔、カラヤゴム、トラガントゴム、キャロブゴム、クインシード、寒天、カゼイン、乳糖、果糖、ショ糖又はそのエステル、トレハロース又はその誘導体、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、カラギーナン、カルボキシメチルキチン又はキトサン、エチレンオキサイド等のアルキレン(C2〜C4)オキサイドが付加されたヒドロキシアルキル(C2〜C4)キチン又はキトサン、低分子キチン又はキトサン、キトサン塩、硫酸化キチン又はキトサン、リン酸化キチン又はキトサン、アルギン酸又はその塩、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸又はその塩、ヘパリン、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド又はその架橋重合物、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン等。
(10)界面活性剤
アニオン界面活性剤(アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩)、カチオン界面活性剤(アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩)、両性界面活性剤:カルボン酸型両性界面活性剤(アミノ型、ベタイン型)、硫酸エステル型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル型両性界面活性剤、非イオン界面活性剤(エーテル型非イオン界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤)、その他の界面活性剤(天然界面活性剤、タンパク質加水分解物の誘導体、高分子界面活性剤、チタン・ケイ素を含む界面活性剤、フッ化炭素系界面活性剤)等。
(11)各種ビタミン類
ビタミンA群:レチノール、レチナール(ビタミンA1)、デヒドロレチナール(ビタミンA2)、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、ビタミンB群:チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ピリドキシン(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、コリン、イノシトール類、ビタミンC群:ビタミンC酸又はその誘導体、ビタミンD群:エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、ジヒドロタキステロール、ビタミンE群:ビタミンE又はその誘導体、ユビキノン類、ビタミンK群:フィトナジオン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)、メナジオン(ビタミンK3)、メナジオール(ビタミンK4)、その他、必須脂肪酸(ビタミンF)、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、オロット酸、ビタミンP類(ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン)、ビタミンU等。
(12)各種アミノ酸類
バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジン等や、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、或いはピロリドンカルボン酸のごときアミノ酸誘導体等。
(13)植物又は動物系原料由来の種々の添加物
これらは、添加しようとする製品種別、形態に応じて常法的に行われる加工(例えば、粉砕、製粉、洗浄、加水分解、醗酵、精製、圧搾、抽出、分画、ろ過、乾燥、粉末化、造粒、溶解、滅菌、pH調整、脱臭、脱色等を任意に選択、組み合わせた処理)を行い、各種の素材から任意に選択して供すれば良い。
尚、抽出に用いる溶媒については、供する製品の使用目的、種類、或いは後に行う加工処理等を考慮した上で選択すれば良いが、通常では、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等の低級アルコール或いは含水低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール或いは含水多価アルコール、アセトン、酢酸エチル等の各種有機溶媒の中から選ばれる1種若しくは2種以上の混液を用いるのが望ましい。但し、用途により有機溶媒の含有が好ましくない場合においては、水のみを使用したり、若しくは抽出後に除去しやすいエタノールを採用し、単独又は水との任意の混液で用いたりすれば良く、又、搾取抽出したものでも良い。
尚、植物又は動物系原料由来の添加物を、全身用又は局所用の外用剤、化粧品類に供する場合、皮膚や頭髪の保護をはじめ、保湿、感触・風合いの改善、柔軟性の付与、刺激の緩和、芳香によるストレスの緩和、細胞賦活(細胞老化防止)、炎症の抑制、肌質・髪質の改善、肌荒れ防止及びその改善、発毛、育毛、脱毛防止、光沢の付与、清浄効果、疲労の緩和、血流促進、温浴効果等の美容的効果のほか、香付け、消臭、増粘、防腐、緩衝等の効果も期待できる。
さらにこの他にも、これまでに知られている各原料素材の様々な美容的、薬剤的効果を期待し、これらを組み合わせることによって、本発明の目的とする効果の増進を図り、多機能的な効果を期待した製品とすることも可能である。
(実施例で挙げる実験で用いた試料)
シャクヤク根乾燥物(100g)に、溶媒として50%1,3−ブチレングリコール溶液(1.5kg)を加え、常温にて7日間浸漬抽出し、次いで吸引濾過して、下記評価で用いる抽出液(約1.3kg)を得た。この抽出液の固形分濃度は1.9〜2.0w/v%であった。
(Bmal1遺伝子、HMGCS1遺伝子及びABCA12遺伝子の発現促進効果の評価)
定量PCR(ポリメラーゼ連鎖反応法)法を用い、Bmal1遺伝子、HMGCS1遺伝子及びABCA12遺伝子の発現促進効果を評価した。
なお、Bmal1遺伝子は、時計遺伝子の一つであり、脂肪細胞を作る酵素を増やす機能を持つ。Bmal1は、哺乳類の体内において、時間帯によって増減し、午後3時ごろが最も少なく、午後10時頃から午前2時頃に最も多くなると考えられている。HMGCS1は、コレステロール合成関連酵素の一つである。
「評価方法」
ヒト表皮細胞HaCaTを培養プレートに播種し、5%FBS含有DMEM上培地中でサブコンフルエントまで37℃、5%CO2雰囲気下で培養した。次いで1%FBS含有DMEM培地に交換し、16時間培養後、前記実施例で製造した試料を培地に添加し、2時間培養を行なった。その後、培地を1%FBS含有DMEM培地に交換してさらに6時間培養し、細胞からRNA抽出キット(QIAGEN社)を用いてRNAの抽出を行い、得られたRNAを鋳型にPrimeScript RT reagent Kit(タカラバイオ社)を用いてcDNAを合成した。なお、コントロール(比較対照)は、試料の溶媒と同等液を相当量用いた。このcDNAを用いて、定量PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)にて、遺伝子の発現量を測定した。定量PCR法にはSYBR Premix Ex Taq(タカラバイオ社)を用いた。内部標準としては、ハウスキーピング遺伝子であるRPS18の発現量を定量し、RPS18に対する相対発現量比を算出して、ABCA12遺伝子相対発現量比とした。PCR用プライマーには、市販の、Bmal1のRPS18用プライマー、HMGCS1のRPS18用プライマー及びABCA12のRPS18用プライマー(いずれも、QuantiTect Primer:キアゲン社)を用いた。
(試験結果)
シャクヤク抽出物の添加による、Bmal1遺伝子の相対発現量比、HMGCS1遺伝子の相対発現量比及びABCA12の遺伝子相対発現量比は、表1に示すとおりであった。
表1の標記について説明する。「コントロール」は、シャクヤク抽出物を添加せず所定量の抽出溶媒(50%1,3−ブチレングリコール溶液)を添加した群である。「0.5%シャクヤク」は、シャクヤク抽出物を終濃度で0.5%添加した群である。「1%シャクヤク」は、シャクヤク抽出物を終濃度で1%添加した群である。「Bmal1」は、Bmal1遺伝子の発現量を評価した群である。「HMGCS1」は、HMGCS1遺伝子の発現量を評価した群である。「ABCA12」は、ABCA12遺伝子の発現量を評価した群である。各遺伝子の評価において、「コントロール」の群の発現量を1として、「0.5%シャクヤク」の群と「1%シャクヤク」の群の発現量を評価した。「(*)」は、p値を測定することにより、「コントロール」の群と比べ、有意差があったことを示している。
表1の結果から、シャクヤク抽出物を濃度依存的に添加することにより、Bmal1遺伝子、HMGCS1遺伝子及びABCA12遺伝子の発現量が高くなった。
(考察)
このBmal1遺伝子、HMGCS1遺伝子及びABCA12遺伝子の発現量が高くなった結果から、シャクヤク抽出物の添加により、Bmal1の遺伝子の発現結果から体内時計を活性化させ、その結果、細胞間脂質の関連遺伝子(HMGCS1遺伝子、ABCA12遺伝子)の発現を亢進させ、細胞間脂質を誘導することにより、ヒト等の動物の肌などの保湿機能を高めることが考えられる。
以上、本発明の実施の形態(実施例も含め)について、図面を参照して説明してきたが、本発明の具体的構成は、これに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、設計変更等があっても本発明に含まれるものである。
本発明は、例えば、ヒトなどの動物用の様々な内的・外的要因の低下によって生じる表皮等の過度の角化等を防止し、皮膚などを含めた角質層をターゲットとして、脂質恒常性維持に重要な役割を果たす脂質トランスポータータンパク質(ABCA12)に係る遺伝子発現を促進するための組成物(剤など)として利用される。

Claims (1)

  1. シャクヤク抽出物を有効成分とする、ABCA12遺伝子発現促進剤。
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