JP2020138628A - 車両構造 - Google Patents
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Abstract
Description
車両のバックドア開口に繋がるサイドアウタパネルと、
前記サイドアウタパネルの車両の内側に設けられるインナパネルとを備える車両構造であって、
前記サイドアウタパネルは、車両の外側から他の部材に覆われる隠蔽領域を有し、
前記インナパネルは、前記サイドアウタパネルにおける前記隠蔽領域の車内側の面に固定される溶接部を有し、
前記溶接部は、前記隠蔽領域において、車両の後方から前方に向かって下方に下がるように設けられている車両構造。
〔車両構造〕
実施形態1の車両構造1は、車両100のバックドア開口50(図2)に繋がるサイドアウタパネル2と、サイドアウタパネル2の車両100の内側に設けられるインナパネル3とを備える。本形態の車両構造1の特徴の一つは、インナパネル3がサイドアウタパネル2の特定の領域に特定の向きに沿って固定される溶接部31を有する点にある。以下、各構成を詳細に説明する。
サイドアウタパネル2は、車両100の後方の外側に配置される。サイドアウタパネル2は、前後に延びる板材で構成されている。サイドアウタパネル2の後端は、本形態ではリアピラーアウタパネル61に固定されている(図4)。リアピラーアウタパネル61は、上下に延びる板材であり、後述するリアピラーインナパネル62(図2)と共にバックドア開口50の側縁を構成する。このリアピラーアウタパネル61(図4)を介して、サイドアウタパネル2はバックドア開口50(図2)に間接的に繋がる。サイドアウタパネル2は、隠蔽領域21を有する。
隠蔽領域21は、他の部材(以下、隠蔽部材ということがある)によって車両100の外側から覆われる領域である(図2)。この隠蔽領域21の外側面は、車外側から見えないように隠蔽部材で隠されている。隠蔽領域21は、本形態では後述するインナパネル3とリアピラーインナパネル62の下方部分とに対向している。隠蔽部材としては、本形態ではバンパ41が用いられている。このバンパ41は、取付ブラケット42(図3)によってサイドアウタパネル2に対して車両100の外側から取り付けられている(図1,図2)。その他、隠蔽部材としては、エアロパーツやスライドドアのスライドレールなどを用いてもよい(いずれも図示略)。例えば、隠蔽部材としてバンパ41とスライドレールの両方を用いてもよい。
インナパネル3は、サイドアウタパネル2の内側に配置される(図2〜図4)。インナパネル3は、サイドアウタパネル2とで中空の閉断面を形成する(図3)。インナパネル3とサイドアウタパネル2とは、上記閉断面によりバックドア開口50の周辺を補強する。インナパネル3は、前後に延びる板材で構成されている(図2)。インナパネル3の上辺は、後方から前方に向かって途中までほぼ水平に延び、その途中から前方に向かうにしたがって上方から下方に下がるように傾斜している。このインナパネル3は、通常、クォーターインナパネル(QTRインナパネル)とも呼ばれる。インナパネル3は、本形態ではリアピラーインナパネル62及びロアバックインナパネル72と共に、車両100の後方かつ下方の角部を構成している。リアピラーインナパネル62は、上下に延びる板材で構成され、上述したようにリアピラーアウタパネル61と共にバックドア開口50の側縁を構成する。リアピラーインナパネル62は、インナパネル3の後方かつ上方に設けられている。ロアバックインナパネル72は、左右に延びる板材で構成され、図示しないロアバックアウタパネルと共にバックドア開口50の下縁を構成する。ロアバックインナパネル72は、インナパネル3の後方かつリアピラーインナパネル62の下方に設けられている。このリアピラーインナパネル62及びロアバックインナパネル72を介してインナパネル3はバックドア開口50に間接的に繋がる(図2)。インナパネル3は、溶接部31を有する。
溶接部31は、インナパネル3の上辺の上記傾斜している部分に設けられ、サイドアウタパネル2における隠蔽領域21の内側面に固定される。溶接部31は、例えばスポット溶接などの溶接により形成される。図2、図3では、説明の便宜上、溶接部31にクロス印を付している。この溶接部31は、マスチック接着剤など弾性を有する構造用接着剤に比較して、インナパネル3とサイドアウタパネル2とを強固に固定できる。そのため、車両100の走行やバックドアの開閉などに伴う衝撃により、溶接部31が剥がれ難く、インナパネル3とサイドアウタパネル2との固定が外れ難い。よって、バックドア開口50の周辺を補強でき、バックドア開口50の周辺の変形を抑制できる。その上、溶接部31の配置箇所がサイドアウタパネル2のうち隠蔽領域21であることで、溶接痕が外部から見えないため、見栄えがよい。溶接部31は、隠蔽領域21において、後方から前方に向かって下方に下がるように設けられている。スポット溶接の場合、複数の溶接部31が後方から前方に向かって下方に下がるように点在している。勿論、一つの連続する線状の溶接部31が後方から前方に向かって下方に下がるように設けられていてもよい。このように溶接部31が設けられていることで、特にバックドアの開閉に伴う衝撃を後述する下方固定部32を介してリアフロア部材に伝達し易く、後述する前方固定部33を介してホイールハウス80に伝達し易い。リアフロア部材は、リアフロアパネル90と、サイドメンバ(図示略)などの骨格部材とを含む。
下方固定部32は、インナパネル3の下方側に設けられ、サイドアウタパネル2とリアフロア部材のリアフロアパネル90との間に介在されている(図3)。下方固定部32の外側面はサイドアウタパネル2に対して固定されていて、下方固定部32の内側面はリアフロアパネル90に対して固定されている。下方固定部32は、溶接部31と同様、スポット溶接などの溶接により形成される。図3では、説明の便宜上、下方固定部32にクロス印を付している。上述のように溶接部31が後方から前方に向かって下方に下がるように設けられていて、下方固定部32がリアフロアパネル90に固定されていることで、上記衝撃をリアフロア部材の上記骨格部材に伝達し易い。リアフロア部材は、上記骨格部材を含むので剛性が比較的高い。そのため、リアフロア部材は衝撃を受けられる。よって、溶接部31が剥がれ難い。
前方固定部33は、インナパネル3の前方側に設けられ、ホイールハウス80に対して固定されている(図4)。ホイールハウス80は、ホイールハウスアウタパネル81とホイールハウスインナパネル82とを有する。ホイールハウスアウタパネル81とホイールハウスインナパネル82とは、溶接部31と同様、スポット溶接などの溶接により互いに固定されている。図4では、説明の便宜上、ホイールハウスアウタパネル81とホイールハウスインナパネル82との固定箇所にクロス印を付している。ホイールハウス80は、リアフロアパネル90(図3)に固定されている。前方固定部33の固定箇所は、本形態ではホイールハウスアウタパネル81である。前方固定部33は、溶接部31と同様、スポット溶接などの溶接により形成される。図4では、説明の便宜上、前方固定部33にクロス印を付している。上述のように溶接部31が後方から前方に向かって下方に下がるように設けられていて、前方固定部33がホイールハウス80に固定されていることで、上記衝撃をホイールハウス80に伝達し易い。ホイールハウス80は、剛性が比較的高いため、衝撃を受けられる。そのため、溶接部31が剥がれ難い。
インナパネル3は、更に、後方固定部34を有する。後方固定部34は、インナパネル3の後方側に設けられ、リアピラーインナパネル62とロアバックインナパネル72とに対して固定されている(図2、図4)。後方固定部34は、溶接部31と同様、スポット溶接などの溶接により形成される。図4では、説明の便宜上、後方固定部34にクロス印を付している。
(リアピラーインナパネル)
リアピラーインナパネル62の下方部分は、上述したように、サイドアウタパネル2の隠蔽領域21に対向している(図2)。この下方部分は、サイドアウタパネル2に対して固定される溶接部621を有する。下方部分の固定は、インナパネル3の溶接部31と同様、スポット溶接などの溶接により行える。図2では、説明の便宜上、溶接部621にクロス印を付している。この溶接部621により、バックドア開口50の周辺をより一層補強し易い。下方部分の溶接部621は、インナパネル3の溶接部31のよりも上方及び後方からインナパネル3の溶接部31に繋がるように設けられている。下方部分の溶接部621により、上記衝撃をインナパネル3の溶接部31を介してリアフロア部材やホイールハウス80に伝達し易い。その上、下方部分の溶接部621は、インナパネル3の溶接部31と同様、バンパ41に隠蔽されているため、溶接痕が外部から見えない。そのため、車両構造1は見栄えが良い。
実施形態1の車両構造1は、バックドア開口50の周辺を補強できる。溶接部31により、サイドアウタパネル2とインナパネル3とが強固に固定される。そのため、車両100の走行やバックドアの開閉などに伴う衝撃により、溶接部31が剥がれ難い。この溶接部31が後方から前方に向かって下方に下がるように設けられていて、インナパネル3が下方固定部32及び前方固定部33を有することで、特にバックドアの開閉に伴う衝撃を比較的剛性の高いリアフロア部材やホイールハウス80に伝達し易い。そのため、溶接部31が剥がれ難い。よって、サイドアウタパネル2とインナパネル3とでバックドア開口50の周辺を補強できるので、上記衝撃に伴うバックドア開口50の周辺の変形を抑制できる。その上、実施形態1の車両構造1は、見栄えが良い。溶接部31がサイドアウタパネル2の隠蔽領域21に設けられていることで、溶接痕が外部から見えないからである。
2 サイドアウタパネル
21 隠蔽領域
3 インナパネル
31 溶接部
32 下方固定部
33 前方固定部
34 後方固定部
41 バンパ
42 取付ブラケット
50 バックドア開口
61 リアピラーアウタパネル
62 リアピラーインナパネル
621 溶接部
72 ロアバックインナパネル
80 ホイールハウス
81 ホイールハウスアウタパネル
82 ホイールハウスインナパネル
90 リアフロアパネル
100 車両
Claims (1)
- 車両のバックドア開口に繋がるサイドアウタパネルと、
前記サイドアウタパネルの車両の内側に設けられるインナパネルとを備える車両構造であって、
前記サイドアウタパネルは、車両の外側から他の部材に覆われる隠蔽領域を有し、
前記インナパネルは、前記サイドアウタパネルにおける前記隠蔽領域の車内側の面に固定される溶接部を有し、
前記溶接部は、前記隠蔽領域において、車両の後方から前方に向かって下方に下がるように設けられている車両構造。
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2019
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