JP2020137936A - 乗物用シート - Google Patents

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紀人 早川
Norito Hayakawa
紀人 早川
和典 田橋
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和典 田橋
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Abstract

【課題】シートカバーの端部に取付けられているフック部材を、比較的シンプルな構成によって、シートフレームの周縁に位置決めしつつ係止しておくことにある。【解決手段】シートフレーム(10)には、シートフレーム(10)の周縁を着座面側に向けて部分的に切欠くことで形成された切欠き部(20)が設けられており、シートフレーム(10)の周縁一部にフック部材(40)を係止した状態を基準として、フック部材(40)には、シートフレーム(10)側に突出する突出部(44)が設けられているとともに、突出部(44)は、シートフレーム(10)の周縁の延びる方向において切欠き部(20)の縁(20b)に係合可能に配置されている。【選択図】図9

Description

本発明は、シート骨格をなすシートフレームと、シートフレームを被覆しているシートカバーとを備え、シートカバーの端部が、フック部材を介してシートフレームの周縁に係止されている乗物用シートに関する。
この種の乗物用シートでは、シートの着座面側がシートカバーで被覆され、このシートカバーによってシートの意匠面が構成されている。そしてシートカバーは、見栄え等を考慮して適度に張った状態とされ、この仕上がり性を安定化させるためにシートカバーの端部がフック部材にてシートフレームの周縁に係止されている。例えば特許文献1に開示の自動車用座席シートでは、座部となるシートクッションが、基本構成として、本発明のシートフレームに相当するクッションパンと、本発明のシートカバーに相当するトリムカバーとを備えている。クッションパンは、シート骨格をなす概ね矩形の枠体であり、その上方にはパッドが配置されている。そしてクッションパンの前部は、シート幅方向(左右方向)に延びているとともに、適宜の間隔をあけて三対の係止爪が設けられている。これら三対の係止爪は、それぞれクッションパンの前面一部を上方且後方に向けて切り起こすことで形成された板状部位であり、一部の係止爪は後方への突出量が相対的に大きくなっている。すなわち中央に配置する係止爪は、フック部材の位置決め用の部位であり、その両側に配置する他の係止爪に比して相対的に後方に大きく突出している。
またトリムカバーは、クッションパン及びその上側に配置されたパッドを覆う袋状の面材であり、トリムカバーの下端部にはフック部材が縫合されて取付けられている。そしてフック部材は、トリムカバーの下端部に縫合された断面J字状の平板材であり、クッションパンの前部を概ね網羅する長さ寸法を有してシート幅方向に延長している。このフック部材は、先端の曲げ返し部分で他の係止爪に係止可能とされているとともに、位置決め用の係止爪に対峙する部分には可撓部が設けられている。この可撓部は、フック部材の先端から下方に延びる左右一対のスリットにて囲まれている部分であり、後方に向けて大きく撓み変形することができる。そしてトリムカバーによってクッションパン等を覆いつつ、トリムカバーの下端部を、クッションパンの下方からその後側に回り込ませる。つぎにフック部材の曲げ返し部分をクッションパンの他の係止爪の上縁側に係止しておくことで、シートカバーを、適度に張った状態として仕上がり性良く配置することができる。このとき位置決め用の係止爪は、フック部材の可撓部が後方に撓み変形することで、他の係止爪よりも後方に配置される。こうして位置決め用の係止爪を後方に配置することで、他の係止爪に係止されたフック部材部分がシート幅方向(左右方向)に移動しようとしても、その移動が位置決め用の係止爪にて阻止されることとなる。
特許第5272187号公報
ところで上述のシート構成では、製造コストの低減等の観点から、フック部材の位置決め用の構成を極力シンプル化したいとの要請があり、特にシートの基本構成となるシートフレームの構造が過度に複雑化しないことが望まれる。しかし公知技術の構成では、位置決め用の係止部を設ける必要上、クッションパン(シートフレーム)の一部を切り起こし、さらに後方に大きく突出させるように加工している。このため公知技術の構成は、シートクッションの構成をシンプル化するには不向きの構成であり、加工に伴う製造コストの増加を考慮すると、すんなり採用できる構成ではなかった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シートカバーの端部に取付けられているフック部材を、比較的シンプルな構成によって、シートフレームの周縁に位置決めしつつ係止しておくことにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートは、シート骨格をなすシートフレームと、シートフレームの着座面側を被覆するシートカバーとを備えている。そしてシートカバーの端部に取付けられているフック部材が、シートフレームの周縁に位置決めされて係止されている。この種のシート構成では、フック部材を、比較的シンプルな構成によって、シートフレームの周縁に位置決めしつつ係止できることが望ましい。
そこで本発明のシートフレームには、シートフレームの周縁を着座面側に向けて部分的に切欠くことで形成された切欠き部が設けられている。そしてシートフレームの周縁一部にフック部材を係止した状態を基準として、フック部材には、シートフレーム側に突出する突出部が設けられているとともに、突出部は、シートフレームの周縁の延びる方向において切欠き部の縁に係合可能に配置されている。本発明では、シートフレームにフック部材を係止して、フック部材の突出部を切欠き部の縁に係合可能な状態で配置することにより、シートフレームに対するフック部材の位置決めがなされる。こうして本発明では、比較的構成がシンプルな切欠き部を利用してフック部材の位置決めがなされるため、シートフレームの構成を極力シンプル化することができる。
第2発明の乗物用シートは、第1発明の乗物用シートにおいて、フック部材は、断面J字をなすように曲げ返された板材であって、その曲げ返し部分をなす一対の板部の間に、シートフレームの周縁が配置された状態で係止されている。そして一対の板部は、互いに離れる向きに撓み変形可能とされているとともに、一対の板部のうちで剛性の低い一方には、その撓み変形の際に持ち手として利用可能な状態で突出部が設けられている。本発明では、突出部を持ち手として一対の板部を離間させることにより、シートフレームの周縁からフック部材を係脱可能な構成となっている。そして相対的に剛性が低く撓みやすい一方の板部に突出部を設けたことで、この一方の板部をスムーズに撓ませて他方の板部から離間させることができる。
第3発明の乗物用シートは、第1発明又は第2発明の乗物用シートにおいて、シートフレームには、シートフレームの周縁の延びる方向における一端側に配置する第一の切欠き部と、一端側とは反対の他端側に配置する第二の切欠き部とが設けられている。そしてシートカバーには、各切欠き部に対応するように一対のフック部材が取付けられているとともに、一対のフック部材の一方に設けられた突出部が第一の切欠き部の縁に係合され、一対のフック部材の他方に設けられた突出部が第二の切欠き部の縁に係合されている。本発明では、シートフレームの両端に切欠き部をそれぞれ設け、各切欠き部に、シートカバーの対応するフック部材が係止されて位置決めされている。このようにシートカバーを、対応するフック部材にてシートフレームの両端に位置決めしておくことで、両フック部材の間に配置されたシートカバーの中央部分に適度なテンションをかけておくことが可能となり、仕上がり性の向上に資する構成となっている。
第4発明の乗物用シートは、第1発明〜第3発明のいずれかの乗物用シートにおいて、シートフレームは、着座面側から見た平面視において部分的に曲げ変形していることにより、シートフレームの周縁の延びる方向において中央をなす一般領域と、シートフレームの周縁の延びる方向において端部をなす曲げ領域とに区分けされている。また曲げ領域は、一般領域から弓なりに曲がっているとともに、曲げ領域の中央領域側の部分に切欠き部が形成されている。また平面視において直線状のフック部材は、断面J字をなすように曲げ返された板材であって、その曲げ返し部分に、シートフレームの周縁が配置された状態で係止可能である。そして曲げ領域の延長方向における端部にフック部材を係止した状態において、切欠き部の形成されたシートフレームの周縁部分が、フック部材の曲げ返し部分から突出部に向かう方向に曲がっていることにより、切欠き部の中央領域側の縁に突出部が当接可能な位置に配置されている。本発明では、シートフレームの曲げ領域に切欠き部が設けられ、この切欠き部は、フック部材の曲げ返し部分から突出部に向かう方向に曲がっている。そしてフック部材の突出部を、シートフレームの曲がりを利用して切欠き部の中央領域側の縁に当接可能に配置することで、切欠き部と突出部をより確実に係合させることが可能となっている。
第5発明の乗物用シートは、第1発明〜第4発明のいずれかの乗物用シートにおいて、乗物用シートの座部となるシートクッションは、シートフレームの前部をなしてシート幅方向に延びるフロントフレームと、フロントフレームの下周縁に形成された切欠き部とを有している。そしてフロントフレームの下周縁一部にフック部材を係止した状態を基準として、フック部材には、フロントフレーム側に突出する突出部が設けられているとともに、突出部は、フロントフレームの下周縁の延びる方向において切欠き部の縁に係合可能に配置されている。本発明のシートクッションでは、フロントフレームに、比較的構成がシンプルな切欠き部を設け、この切欠き部を利用してフック部材の位置決めがなされるため、フロントフレームの構成のシンプル化に資する構成となっている。
本発明に係る第1発明によれば、シートカバーの端部に取付けられているフック部材を、比較的シンプルな構成によって、シートフレームの周縁に位置決めしつつ係止しておくことができる。また第2発明によれば、フック部材を、比較的スムーズに係脱可能な状態で、シートフレームの周縁に位置決めしつつ係止しておくことができる。また第3発明によれば、シートカバーの優れた仕上がり性を確保しつつ、フック部材を、シートフレームの周縁に位置決めしつつ係止しておくことができる。また第4発明によれば、フック部材を、シートフレームの周縁により確実に位置決めしつつ係止しておくことができる。そして第5発明によれば、シートクッションにおいて、フック部材を、比較的シンプルな構成によって、フロントフレームの周縁に位置決めしつつ係止しておくことができる。
乗物用シートの概略斜視図である。 シートクッションの概略透視上面図である。 シートカバーとフック部材の概略断面図である。 シートクッションの概略透視前面図である。 フック部材を係止する前のフロントフレームの前面図である。 フック部材の斜視図である。 フック部材を係止したシートフレームの拡大前面図である。 フック部材を係止したシートフレームの拡大裏面図である。 図7のIX−IX線断面図である。 図9のX−X線断面図である。 図9のXI−XI線断面図である。 変形例1のフック部材の側面図である。 変形例2のフック部材の分解側面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図13を参照して説明する。各図には、便宜上、乗物用シートの前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を適宜図示する。図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8を有する。これらシート構成部材は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、シート外形をなすシートパッド(4P,6P,8P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。そしてシートクッション4(詳細後述)の後部にシートバック6の下部が起倒可能に連結されているとともに、起立状態のシートバック6の上部にヘッドレスト8が配設されている。
[シートクッション]
シートクッション4は、座部となる上方視で概ね矩形の部材であり、図1及び図2を参照して、上述の基本構成(4F,4P,4S)と、シートカバー4Sの付属部材である左右一対のフック部材40,50を有している。このシートクッション4では、シートフレーム4F上にシートパッド4Pが配置され、さらにこれらの着座面(各図の上面)がシートカバー4Sで被覆されている。そしてシートカバー4Sの下端部が、優れた仕上がり性を確保する観点から、後述する各フック部材40,50を介してシートフレーム4Fの周縁一部に位置決めされて係止される。この種のシート構成では、各フック部材40,50の位置決め用の構成を極力シンプル化したいとの要請があり、とりわけ基本構成となるシートフレーム4Fの構成が過度に複雑化しないことが望まれる。そこで本実施例では、シートカバー4Sの下端部に取付けられた各フック部材40,50を、後述のシンプルな構成(各切欠き部20,30、各突出部44,54)にて、シートフレーム4Fの周縁に位置決めしつつ係止しておくこととした。以下、各構成について詳述する。
[基本構成]
ここで図2を参照して、シートパッド4Pは、シート外形をなす上面視で略矩形の部材であり、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)等の発泡樹脂で形成されている。またシートカバー4Sは、シートの意匠面を構成する面材であり、天然繊維又は合成繊維からなる布帛(織物,編物,不織布)や皮革(天然皮革,合成皮革)等にて形成されている。このシートカバー4Sは、図3に示すように複数の表皮ピースを縫合することで形成されているとともに、シートフレーム4Fとシートパッド4Pの着座面(上面)から周縁にかけての部分を被覆することができる。そして図3及び図4に示すシートカバー4Sの前側は、後述するシートフレーム4Fのフロントフレーム10を被覆する部分であり、その下縁部分には、後述する左右一対のフック部材40,50が取付けられている。なおシートカバー4Sの下端部の適宜の箇所にはJフックFMが取付けられている(図3では、便宜上、一つのJフックのみ図示する)。そしてJフックFMは、シートフレーム4Fの適宜の箇所に係止でき、例えば図3に示す後部側のJフックFMは、図2に示すシートフレーム4Fの後部側に係止可能である。
[シートフレーム]
また図2及び図4に示すシートフレーム4Fは、上方視で概ね矩形の枠体であり、剛性に優れる金属や硬質樹脂で形成されている。このシートフレーム4Fは、前部骨格をなすフロントフレーム10(詳細後述)と、側部骨格をなす左右一対のサイドフレーム11,12と、後部骨格をなすリアフレーム13を有している。ここでシートフレーム4Fの枠内には、図示しないSバネや面材などの支持部材が張り渡されており、この支持部材によってシートパッド4Pが下支えされている。そして右側のサイドフレーム11と左側のサイドフレーム12は、それぞれ前後方向に延びる平板状の部材であり、左右に適宜の間隔をあけて対面状に配置されている。これら各サイドフレーム11,12の前端側は、後述のフロントフレーム10の右左端側にそれぞれ溶接や締結などの手法で固定されている。またリアフレーム13は、各サイドフレーム11,12の後部側に掛け渡されて固定されているパイプ状の部材である。
[フロントフレーム]
また図2、図4及び図5に示すフロントフレーム10は、概ねシート幅方向である左右方向に延びる板材であり、後述する左右一対の切欠き部20,30を有している。このフロントフレーム10は、断面視で概ね逆L字状に形成され、上面となる上面部10aと、前面となる前面部10b(係止部位10c)とで構成されている。そしてフロントフレーム10は、図2に示すように着座面側から見た平面視(上面視)においてシート幅方向の端部側が弓なりに曲げられており、シート幅方向の中央をなす一般領域A1と、右端部をなす右側曲げ領域A2と、左端部をなす左側曲げ領域A3とに区分けすることができる。
[一般領域、曲げ領域]
図2、図4及び図5に示す一般領域A1は、左右方向に概ね直線的に延びている部位であり、各曲げ領域A2,A3よりも左右の長さ寸法が大きくなっている。また右側曲げ領域A2は、一般領域A1の右端に一体的に設けられた領域であり、平面視(上面視)において右側に向かうにつれて次第に後方に向けて弓なりに湾曲している。また左側曲げ領域A3は、一般領域A1の左端に一体的に設けられた領域であり、平面視において左側に向かうにつれて次第に後方に向けて弓なりに湾曲している。そして各曲げ領域A2(A3)の上下の高さ寸法は、一般領域A1に対して一段高くなっており、各曲げ領域A2(A3)の後端側の内部に、対応するサイドフレーム11(12)を配置して固定しておくことができる。また一般領域A1の下縁部と、各曲げ領域A2,A3の下縁部(後述の切欠き部を除く部分)には係止部位10cが設けられており、この係止部位10cは、対応する前面部10bの下縁部を上方且つ前方に曲げ返すことで形成されている。
[切欠き部]
そして図5を参照して、左右一対の切欠き部(右側切欠き部20,左側切欠き部30)は、各々、対応するフック部材40,50(詳細後述)を位置決めする箇所であり、フロントフレーム10の下周縁に設けられている。本実施例では、一対の切欠き部20(30)が、左右対称となるように対応する曲げ領域A2(A3)に形成されているため、以下に、右側曲げ領域A2に形成された右側切欠き部20を一例にその詳細を説明する。図5に示す右側曲げ領域A2の一般領域側(前側)の部分には右側切欠き部20が設けられている。この右側切欠き部20は、右側曲げ領域A2の前面部10bの下周縁を着座側(図5の上側)に向けて部分的に切欠くことで形成されている。そして右側切欠き部20は、前面視において矩形状に形成されており、右側曲げ領域A2に沿って延びている上縁部20aと、上縁部20aの前端から下方に延びている前縁部20bと、上縁部20aの後端から下方に延びている後縁部20cとで囲まれている。また左側曲げ領域A3に形成された左側切欠き部30も、前面視において矩形状に形成されており、別の上縁部30aと、別の前縁部30bと、別の後縁部30cとで囲まれている。そして本実施例では、右側切欠き部20が、本発明の第一の切欠き部に相当し、シートフレームの周縁の延びる方向における一端側である右端側に配置されている。また左側切欠き部30が、本発明の第二の切欠き部に相当し、一端側とは反対の他端側である左端側に配置されている。そして各切欠き部20(30)の対応する前縁部20b(30b)が、本発明の切欠き部の一般領域側の縁に相当する。
そして本実施例では、図5に示す右側曲げ領域A2の下周縁が、右側切欠き部20にて前後に分割されている。すなわち右側曲げ領域A2の下周縁は、右側切欠き部20の前側の右前部A21と、右側切欠き部20の後側の右後部A22と、両部A21,A22の間に形成された右中央部A23とに区分けされる。そして右前部A21と右後部A22とにはそれぞれ係止部位10cが形成されているとともに、右後部A22が、本発明の曲げ領域の延長方向における端部に相当して、後述の右フック部材40を係止する箇所となっている。なお右後部A22の後端側は、後方に向かうにつれて次第に上側に向けて切欠かれている。また右中央部A23は、本発明の切欠き部の形成されたシートフレームの周縁部分に相当し、右側切欠き部20にてその他の部A21,A22よりも着座側に凹状とされている。また左側曲げ領域A3も、左前部A31と、左後部A32と、左中央部A33に分けられている。
ここで図5に示すフロントフレーム10では、各切欠き部20,30に相当する位置に別の目的の切欠き部が予め形成されていることがある。このような場合には、別の目的で使用される切欠き部を、本実施例の各切欠き部20,30として使用することが可能であり、フロントフレーム10の従来構成を概ねそのまま利用することができる。例えば別の目的の切欠き部として、図3に示すJフックFMを、フロントフレーム10に沿わせて曲げやすくするための切欠き部や、図示しないブラケットを装着するための切欠き部を想定できる。
[フック部材]
図4及び図5に示す左右一対のフック部材(右フック部材40,左フック部材50)は、それぞれフロントフレーム10の下周縁に係止可能な部材であり、シートカバー4Sの適宜の位置に取付けられている。ここで各フック部材40,50の基本的な構成は概ね同一であるため、右フック部材40を一例にその詳細を説明する。図6に示す右フック部材40は、自由状態において平面視(上面視)で直線状に延びる板状の部材であり、後述するように、一対の板部41,42と、突出部44とを有している。ここで右フック部材40は、適度な剛性を有して撓み変形可能な素材で構成することができる。この種の素材として、ポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂やエラストマを用いることができ、剛性確保の観点などから少なくとも一部に金属を使用することも可能である。そして右フック部材40の長尺方向である前後の寸法は、図4に示すフロントフレーム10の全長に比して短寸とされており、フロントフレーム10の下周縁の一部に係止しておくことができる。例えば本実施例の右フック部材40は、図4及び図5に示す右側曲げ領域A2に収まる寸法に設定されており、より具体的には、右中央部A23及び右後部A22を概ね網羅する寸法を有している。
[一対の板部]
また図6に示す右フック部材40は、断面J字をなすように曲げ返されており、長尺板部41と短尺板部42とを一体で有している。そして右フック部材40は、その下端側の曲げ返し部分が、長尺板部41(後述の基板部位41a)と、長尺板部41の下端から上方に曲げ返されている短尺板部42とで形成されている。ここで長尺板部41(後述の基板部位41a)と短尺板部42とは、自由状態において互いの内側面IS同士を対面させた状態で配置され、これら両板部41,42の間のクリアランスCは、図10に示すフロントフレーム10の下周縁(係止部位10c)を配置可能な寸法に設定されている。そして右フック部材40は、各板部41,42のいずれかを撓ませて互いに離間させることにより、フロントフレーム10の下周縁(係止部位10c)から係脱可能とされている。
そして図6に示す長尺板部41は、上下の寸法が相対的に大きい部位であり、上下方向の概ね中央を境として基板部位41aと可動板部位41bとに区分けされている。これら基板部位41aと可動板部位41bとは、溝状のインテグラルヒンジ41cで連結されており、このインテグラルヒンジ41cは、長尺板部41の全長に渡って形成されている。そしてインテグラルヒンジ41cを基点として、可動板部位41bを、基板部位41aの外側面OSに向けて折り返すことができ、折り返し状態の両板部位41a,41bの間には、図10に示すようにシートカバー4Sの下端部を挟み付けることができる。なお折り返された可動板部位41bの先端部411bは、後述する短尺板部42の下側の湾曲形状に沿う向きに傾斜しており、シートカバー4Sの下端部を安定的に挟み付けておくことができる。また基板部位41aは、図6及び図10を参照して、後述する短尺板部42に対面配置される部分であり、その内側面ISの下部には係止爪41dが突出して形成されている。この係止爪41dは、基板部位41aの全長に渡って形成された板状の部位である。そして係止爪41dは、先端に向かうにつれて次第に下方に傾斜しており、右側曲げ領域A2の係止部位10cに係止することができる。そして短尺板部42は、断面視で概ねJ字をなす板状の部位であり、その下端部が、下方に向けて凸の湾曲形状をなして長尺板部41の下端部につながって一体化されている。この短尺板部42は、上下の寸法が基板部位41aに比して小さく剛性の低い部位であり、本発明の一対の板部のうちで剛性の低い一方に相当する。すなわち短尺板部42は、相対的に低剛性で撓みやすい部位であり、その外側面OSには後述の突出部44が設けられている。そして長尺板部41は、本発明の他方の板部に相当し、相対的に優れた剛性を有している。
[突出部]
図6に示す突出部44は、図7〜図9に示すように右側切欠き部20の前縁部20bに係合可能な部位であり、長尺板部41と短尺板部42を離間させる際に持ち手として利用することもできる。この突出部44は、図6に示すように短尺板部42の全長に渡って形成された上方視で概ね矩形の板状部位であり、先端(後端)側の縁をなす先端縁44aと、前側の縁をなす前縁44bと、後側の縁をなす後縁44cとを有している。そして突出部44は、短尺板部42の外側面OSの上部から突出し且つ先端縁44aに向かうにつれて次第に下方に傾斜している。ここで突出部44の前後の突出寸法L1は、対応する切欠き部に係合可能である限り特に限定しないが、本実施例では、両板部41,42のクリアランスC以上に設定されて持ち手として好適に使用可能な寸法に設定されている。また図5に示す左フック部材50も、曲げ返し部分が、別の長尺板部51と別の短尺板部52とで形成され、さらに別の短尺板部52の外側面には別の突出部54が設けられている。そして別の突出部54も、図5に示すように短尺板部52の全長に渡って形成された上方視で概ね矩形の板状部位であり、別の先端縁54aと、別の前縁54bと、別の後縁54cとを有している。
[フック部材の取付け作業]
図1〜図4を参照して、シートカバー4Sの前側の下端部に、左右一対のフック部材40,50をそれぞれ取付けておく。すなわち右フック部材40を、シートカバー4Sの下端部右側に取付けて、フロントフレーム10の右側曲げ領域A2に係止可能に配置する。また左フック部材50を、シートカバー4Sの下端部左側に取付けて、フロントフレーム10の左側曲げ領域A3に係止可能に配置する。ここで各フック部材40,50の取付け手法は概ね同一であるため、以下に右フック部材40を一例にその取付け手法を説明する。この右フック部材40の取付け作業に際しては、図2及び図10を参照して、その長尺板部41を折り曲げて、可動板部位41bと基板部位41aの間にシートカバー4Sの下端部右側を挟み付けておく。そして可動板部位41bと基板部位41aとこれらの間のシートカバー4S部分を縫合糸Yで縫合することにより、右フック部材40が、シートカバー4Sの下端部右側に取付けられる。また図4に示す左フック部材50も、同様の手法によって、シートカバー4Sの下端部左側に取付けることができる。
[シートカバーの被覆作業]
図2〜図4を参照して、シートフレーム4F上にシートパッド4Pを配置したのち、これらの着座面側をシートカバー4Sで被覆し、このときシートカバー4Sを適度に張った状態としておく。そしてシートカバー4Sの下端部を、仕上がり性を安定化させるために、各フック部材40,50を介してフロントフレーム10の下周縁一部に位置決めしつつ係止する。この種のシート構成では、各フック部材40,50を、比較的シンプルな構成にてフロントフレーム10の下周縁に位置決めしつつ係止しておくことが望まれ、とりわけシートフレーム4Fの構成が過度に複雑化しないことが望まれる。
そこで本実施例のフロントフレーム10には、図4及び図5を参照して、その下周縁を着座面側に向けて部分的に切欠くことで形成された左右一対の切欠き部20,30が設けられている。またフロントフレーム10に各フック部材40,50を係止した状態を基準として、各フック部材40(50)には、フロントフレーム10側(シートフレーム側)に突出する突出部44(54)がそれぞれ設けられている。そして各突出部44(54)は、フロントフレーム10の下周縁の延びる方向において対応する切欠き部20(30)の前縁部20b(30b)に係合可能に配置されている。すなわち本実施例では、各突出部44(54)を対応する切欠き部20(30)の前縁部20b(30b)に係合可能な状態で配置しておくことで、フロントフレーム10に対する各フック部材40,50の位置決めがなされる。ここで右フック部材40と左フック部材50は、概ね同一の手法で対応する曲げ領域A2,A3と各切欠き部20,30に位置決めされて係止される。そこで以下に、右側曲げ領域A2と右側切欠き部20と右フック部材40を一例にその係止手法と位置決め手法を具体的に説明する。
[フック部材の係止]
図6に示す自由状態の右フック部材40は、平面視(上面視)において概ね直線状となっているが、図5に示す右側曲げ領域A2に沿うように曲げ変形可能な可撓性を有している。そこで図7〜図9を参照して、右フック部材40を、右側曲げ領域A2の右中央部A23から右後部A22にかけての部分にあてがいつつ、右フック部材40の後側(突出部44の後縁44c)を右側のサイドフレーム11に突き当てる。そして右側曲げ領域A2の右後部A22側(係止部位10c)に、図9及び図10に示すように右フック部材40の後部側を係止させる。このとき右フック部材40の後部側は、図9に示すように右側曲げ領域A2の右後部A22に沿うように撓み変形した状態となる。そして図10に示す右フック部材40の曲げ返し部分をなす短尺板部42と長尺板部41の間に、右後部A22の係止部位10cが配置される。この状態で係止部位10cの上端側に長尺板部41の係止爪41dが係止されることにより、右フック部材40が、右側曲げ領域A2の右後部A22に係止された状態となる。なお図10に示す係止状態の右フック部材40の後部側では、フロントフレーム10の下周縁を表裏から挟み付けるように各板部41,42が配置されている。そして短尺板部42の突出部44は、持ち手として利用可能なようにフロントフレーム10の裏側に向けて突出した状態となっている。
[フック部材の位置決め]
また右フック部材40の前部側は、図9に示すように平面視(上面視)において概ね直線状のまま、右側曲げ領域A2の右中央部A23(図9で破線で示す部分)にあてがわれる。この右中央部A23は、平面視において前側の一般領域A1に近づくにつれて次第に左側に曲がっている。このため右中央部A23に右フック部材40の前部側をあてがった状態では、これらが前後方向に交差した状態で配置されることとなる。そして右中央部A23の下周縁部は、右側切欠き部20にて凹状とされていることから、短尺板部42を跨ぎながら、右フック部材40の曲げ返し部分(41,42)から突出部44に向けて曲がっていく。こうして突出部44の前縁44bには、右側切欠き部20の前縁部20bが隣接して配置され、これにより右側切欠き部20に突出部44が係合可能な位置に配置されることとなる。なお右側切欠き部20に突出部44が係合可能な位置に配置するとは、これらを隣接して(予め係合させて)配置する場合のほか、これらを近接して配置する場合を含む趣旨である。例えば右側切欠き部20の前縁部20bと突出部44の前縁44bとの間に、設計誤差等が原因となって若干の隙が生じることがある。このような若干の隙(設計誤差又はそれに類する隙)をあけて右側切欠き部20に突出部44が近接した場合、これらは比較的速やかに係合すると予想されることから係合可能な位置に配置されているとみなすことができる。
そして図7〜図9に示す右フック部材40が、シートカバー4Sのテンションなどで、一般領域A1側である前側に動こうとすることがある。このとき本実施例では、図9及び図11を参照して、右フック部材40の動きを、右側切欠き部20と突出部44の係合によって極力阻止することができ、右フック部材40を、右側曲げ領域A2の適所に位置決めして配置しておくことができる。こうして本実施例では、比較的構成がシンプルな右側切欠き部20を利用して右フック部材40の位置決めがなされるため、フロントフレーム10の構成を極力シンプル化することができる。さらに本実施例では、右側曲げ領域A2に右側切欠き部20を設けて、この右側切欠き部20を、右フック部材40の曲げ返し部分(41,42)から突出部44に向かう方向に曲げている。こうすることで右フック部材40の突出部44を、右側曲げ領域A2の曲がりを利用して右側切欠き部20の前縁部20bに当接可能に配置でき、右側切欠き部20と突出部44をより確実に係合させることが可能となっている。
また図4及び図5に示す左フック部材50も、右フック部材40と同様の手法で左側曲げ領域A3の左後部A32に係止させておく。さらに左側曲げ領域A3の左中央部A33において、左フック部材50の別の突出部54の別の前縁54bを、左側切欠き部30の別の前縁部30bに隣接等させておく。こうすることで左フック部材50が、一般領域A1側である前側に動こうとしても、その動きが左側切欠き部30と別の突出部54の係合によって極力阻止されることとなる。こうして本実施例では、フロントフレーム10に右側切欠き部20と左側切欠き部30を設け、各切欠き部20(30)に、シートカバー4Sの対応するフック部材40(50)が係止されて位置決めされる。このようにシートカバー4Sの左右端側を各フック部材40(50)にて位置決めしておくことで、シートカバー4Sの左右方向中央に適度なテンションをかけて張った状態としておくことができ、仕上がり性の向上に資する構成となる。なおシートカバー4Sの左右方向中央の下端部は、図示しないJフックを介してフロントフレーム10の一般領域A1の下周縁に係止したり、シートフレーム4Fの下側に回り込ませて適宜の位置に係止したりすることができる。そして本実施例では、左右一対のフック部材40,50によって、シートカバー4Sの仕上がり性を安定化している。このため本実施例の構成によれば、各フック部材40,50を必要以上に長尺化する必要がなく、さらに図3に示すJフックFMの使用量を低減することも可能となっている。
[フック部材の係脱]
ここで本実施例では、図4に示す各フック部材40,50を、概ね同一の手法でフロントフレーム10から係脱させることが可能となっている。例えば図10に示す右フック部材40の係脱に際しては、長尺板部41と短尺板部42を互いに離れる方向に撓ませることで、フロントフレーム10から右フック部材40を係脱させることができる。そして本実施例では、相対的に剛性が低く撓みやすい短尺板部42に突出部44を設け、この突出部44を持ち手として、長尺板部41から離れる方向に短尺板部42をスムーズに撓み変形させることが可能となっている。すなわち突出部44を後方に引っ張ることで、剛性の低い短尺板部42を、長尺板部41との連結箇所を基点として後方且下方にスムーズに撓ませることができる。このとき突出部44が、フロントフレーム10の後側で後方且つ下方に傾斜していることで、作業者がフロントフレーム10の下側から掴みやすくなっており、操作性に優れる構成となっている。さらに本実施例では、比較的短尺な各フック部材40,50を用いているため、これら各フック部材40,50をフロントフレーム10から比較的簡単に係脱させることが可能である。このため本実施例によれば、シートカバー4Sの仕上がり性を考慮して各フック部材40,50を付け直す際に、各フック部材40,50をスムーズに係脱させることが可能となり、シートカバー4Sの優れた仕上がり性の確保に資する構成となる。また各フック部材40,50をスムーズに係脱可能な構成とすることで、メンテナンス作業やシートカバー4Sの付け変え作業の作業性向上に資する構成ともなっている。なお公知技術のように長尺なフック部材を設け、さらに持ち手となる部分がない場合には、フック部材の係脱に手間取る構成となりがちである。
以上説明した通り本実施例では、各フック部材40(50)の突出部44(54)を各切欠き部20(30)の前縁部20b(30b)に係合可能な状態で配置することにより、フロントフレーム10に対する各フック部材40,50の位置決めがなされる。そして本実施例では、フロントフレーム10に比較的構成がシンプルな各切欠き部20(30)を設け、この各切欠き部20(30)を利用して各フック部材40(50)の位置決めがなされるため、フロントフレーム10の構成を極力シンプル化することができる。このため本実施例によれば、シートカバー4Sの端部に取付けられている各フック部材40,50を、比較的シンプルな構成によって、フロントフレーム10の周縁に位置決めしつつ係止しておくことができる。
さらに本実施例では、各突出部44(54)を持ち手として一対の板部41,42(51,52)を離間させることにより、フロントフレーム10の周縁から各フック部材40(50)を係脱可能な構成となっている。そして各突出部44(54)を相対的に剛性が低く撓みやすい各短尺板部42(52)に設けたことで、この各短尺板部42(52)をスムーズに撓ませて各長尺板部41(51)から離間させることができる。また本実施例では、フロントフレーム10の(シート幅方向)両端に各切欠き部20,30をそれぞれ設け、各切欠き部20(30)に、シートカバー4Sの対応する各フック部材40(50)が係止されて位置決めされている。このようにシートカバー4Sの両端を対応する各フック部材40,50にて位置決めしておくことで、両フック部材40,50の間に配置されたシートカバー4Sの中央部分に適度なテンションをかけておくことが可能となり、仕上がり性の向上に資する構成となっている。また本実施例では、フロントフレーム10の各曲げ領域A2(A3)に各切欠き部20(30)が設けられている。これら各切欠き部20(30)は、各フック部材40(50)の曲げ返し部分から各突出部44(54)に向かう方向に曲がっている。そして各フック部材40(50)の突出部44(54)を、フロントフレーム10の曲がりを利用して各切欠き部20(30)の中央領域側の前縁部20b(30b)に当接可能に配置することで、各切欠き部20(30)と各突出部44(54)をより確実に係合させることが可能となっている。
[変形例1]
ここでフック部材の構成は、上述の構成のほか、各種の構成をとり得る。例えば図12に示す変形例1のフック部材40Aは、実施例と概ね同一の基本構成を有しているが、別体の突出部44Aを着脱可能に取付けることができる点が実施例と異なっている。すなわちフック部材40Aは、基本構成として長尺板部41と短尺板部42Aを有し、さらに短尺板部42Aの外側面には、一対の案内凸部46a,46bと、これらの間に形成された凹み部分46cとがレール状に設けられている。これら各案内凸部46a,46bは、短尺板部42Aの外側面から突出する板状の部位であり、断面円形状をなしている先端側に、後述する突出部44Aの係止板部45を係止しておくことができる。そして各案内凸部46a,46bは、上下に適宜の間隔をあけた状態で、短尺板部42Aの全長に渡って連続的に形成することができ、これらの間に形成された凹み部分46cも、短尺板部42Aの全長に渡って連続的に形成されている。
また突出部44A(本体部分)の基本的な構成は実施例と同様であるが、この突出部44Aの根本側には、縦板状の係止板部45が一体的に設けられている。この係止板部45は、一対の案内凸部46a,46bの間に挟み付けられた状態で、両案内凸部46a,46bの間の凹み部分46cに摺動可能な状態で対面配置される。そして本変形例では、突出部44Aを後方に向けつつ、その前側の係止板部45を、一対の案内凸部46a,46bの端側から差し込んで短尺板部42Aの延長方向にスライドさせていく。そして一対の案内凸部46a,46bによって係止板部45が把持されて係止されることにより、短尺板部42Aに突出部44Aを取付けておくことができる。本変形例のフック部材40Aでは、切欠き部に位置決めする必要がある場合に、短尺板部42Aに突出部44Aを取付けておく。また位置決めを要さない場合には、短尺板部42Aから突出部44Aを取外しておくことができ、この場合のフック部材40Aは、従来のJフックとして使用できる。
[変形例2]
また図13に示す変形例2のフック部材40Bは、短尺板部42Bと長尺板部41Bとを有しているが、長尺板部41Bの厚みが、短尺板部42Bよりも小さくされて剛性が低下している。そこで本変形例では、長尺板部41Bに突出部44Bを設け、この突出部44Bを、対応する切欠き部の縁に係合可能な位置に配置することが可能となっている。そしてフック部材40Bは、例えば短尺板部42Bをシートフレーム4Fの前側に配置し、長尺板部41Bをシートフレーム4Fの裏側に配置した状態で係止することができる。
本実施形態の乗物用シート2は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、フック部材40等の構成(形状,寸法,係止位置,配置数など)を例示したが、フック部材の構成を限定する趣旨ではない。例えばフック部材は、フロントフレームやサイドフレームなどの各種のシートフレーム部分に位置決めして係止しておくことができ、例えばフロントフレームの左右端や中央などの適宜の位置に位置決めすることが可能である。そしてフック部材は、シートカバーの適宜の位置に複数又は単数取付けておくことができ、従来のJフックの代わりに用いることが可能である。またシートカバーは、一対の板部のいずれかに対して接着や融着や縫合などの手法や、クリップやステープルやボルトなどの別部材を介して取り付けることができ、一対の板部の構成も適宜変更可能である。またフック部材は、J字状のほか、U字状やV字状等の各種の断面形状を取り得るとともに、自由状態において少なくとも一部分(例えば後部)が平面視で曲がっていてもよい。
また本実施形態では、突出部44等の構成を例示したが、突出部の構成を限定する趣旨ではない。例えば突出部は、対応する板部の全長にわたって連続的に形成されていてもよく、断続的に形成されていてもよい。また突出部の先端縁に切欠きや貫通孔を設けて撓みやすくすることで、フック部材の撓み変形を助長することができる。また突出部は、フック部材の側面(例えば図6の前側面)に設けることもできる。また別体の突出部は、変形例1のように板状の部材のほか、ボルト状などの棒状部材で構成することもでき、棒状部材は、対応する板部の挿通孔に挿通して固定しておくことができる。また突出部は、一対の板部のいずれかに設けることができ、必ずしも剛性の低い板部に設ける必要はない。また突出部に、持ち手としての索状の部材を取り付けることも可能である。また実施例と各変形例のフック部材の構成は適宜組み合わせて用いることが可能である。
また本実施形態では、切欠き部20等の構成を例示したが、切欠き部の構成を限定する趣旨ではない。例えば一対の切欠き部をシートフレームに設け、これら両切欠き部の間にフック部材を係止する。そしてフック部材の突出部の両縁を対応する切欠き部の縁に係合して位置決めすることも可能である。また切欠き部は、シートカバー及びフック部材の構成に応じてシートフレーム(一般領域や曲げ領域)の適宜の位置に複数又は単数設けることが可能である。なお切欠き部の形状や寸法は適宜設定可能であり、複数の切欠き部を設ける場合には、各切欠き部の形状や寸法をそれぞれ独立に設定することができる。なおシートフレームの係止部位は、その下周縁を曲げることで形成することができ、その下周縁の一部を切り起こすことでも形成できる。
また本実施形態では、シートクッション4を一例に説明したが、本実施例の構成は、シートバックやアームレストやヘッドレストなどの各種シート構成部材に適用できる。そしてシートフレームとシートパットとシートカバーの構成は、適用されるべきシート構成部材に応じて適宜変更可能である。また乗物用シートの構成も適宜変更可能であり、本実施形態の構成は、車両や航空機や電車や船舶などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
4S シートカバー
4P シートパッド
4F シートフレーム
10 フロントフレーム
10a 上面部
10b 前面部
10c 係止部位
A1 一般領域
A2 右側曲げ領域(本発明の曲げ領域)
A21 右前部
A22 右後部(本発明の曲げ領域の延長方向における端部)
A23 右中央部(本発明の切欠き部の形成されたシートフレームの周縁部分)
A3 左側曲げ領域(本発明の曲げ領域)
A31 左前部
A32 左後部(本発明の曲げ領域の延長方向における端部)
A33 左中央部(本発明の切欠き部の形成されたシートフレームの周縁部分)
11,12 サイドフレーム
13 リアフレーム
20 右側切欠き部(本発明の第一の切欠き部)
20a 上縁部
20b 前縁部(本発明の切欠き部の一般領域側の縁)
20c 後縁部
30 左側切欠き部(本発明の第二の切欠き部)
30a 別の上縁部
30b 別の前縁部(本発明の切欠き部の一般領域側の縁)
30c 別の後縁部
40 右フック部材(本発明の一対のフック部材の一方)
IS 内側面
OS 外側面
41 長尺板部(本発明の他方の板部)
41a 基板部位
41b 可動板部位
411b 先端部
41c インテグラルヒンジ
41d 係止爪
42 短尺板部(本発明の一対の板部のうちで剛性の低い一方)
44 突出部
44a 先端縁
44b 前縁
44c 後縁
50 左フック部材(本発明の一対のフック部材の他方)
51 長尺板部
52 短尺板部
54 突出部
54a 別の先端縁
54b 別の前縁
54c 別の後縁
40A 変形例1のフック部材
42A 短尺板部
44A 突出部
45 係止板部
46a,46b 案内凸部
46c 凹み部分
40B 変形例2のフック部材
41B 長尺板部
42B 短尺板部
44B 突出部
FM Jフック
Y 縫合糸

Claims (5)

  1. シート骨格をなすシートフレームと、前記シートフレームの着座面側を被覆するシートカバーとを備え、前記シートカバーの端部に取付けられているフック部材が、前記シートフレームの周縁に位置決めされて係止されている乗物用シートにおいて、
    前記シートフレームには、前記シートフレームの周縁を着座面側に向けて部分的に切欠くことで形成された切欠き部が設けられており、
    前記シートフレームの周縁一部に前記フック部材を係止した状態を基準として、前記フック部材には、シートフレーム側に突出する突出部が設けられているとともに、前記突出部は、前記シートフレームの周縁の延びる方向において前記切欠き部の縁に係合可能に配置されている乗物用シート。
  2. 前記フック部材は、断面J字をなすように曲げ返された板材であって、その曲げ返し部分をなす一対の板部の間に、前記シートフレームの周縁が配置された状態で係止されており、
    前記一対の板部は、互いに離れる向きに撓み変形可能とされているとともに、前記一対の板部のうちで剛性の低い一方には、その撓み変形の際に持ち手として利用可能な状態で前記突出部が設けられている請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記シートフレームには、前記シートフレームの周縁の延びる方向における一端側に配置する第一の切欠き部と、前記一端側とは反対の他端側に配置する第二の切欠き部とが設けられており、
    前記シートカバーには、各切欠き部に対応するように一対のフック部材が取付けられているとともに、前記一対のフック部材の一方に設けられた突出部が前記第一の切欠き部の縁に係合され、前記一対のフック部材の他方に設けられた突出部が前記第二の切欠き部の縁に係合されている請求項1又は2に記載の乗物用シート。
  4. 前記シートフレームは、着座面側から見た平面視において部分的に曲げ変形していることにより、前記シートフレームの周縁の延びる方向において中央をなす一般領域と、前記シートフレームの周縁の延びる方向において端部をなす曲げ領域とに区分けされ、前記曲げ領域は、前記一般領域から弓なりに曲がっているとともに、前記曲げ領域の中央領域側の部分に前記切欠き部が形成されており、
    平面視において直線状の前記フック部材は、断面J字をなすように曲げ返された板材であって、その曲げ返し部分に、前記シートフレームの周縁が配置された状態で係止可能であり、
    前記曲げ領域の延長方向における端部に前記フック部材を係止した状態において、前記切欠き部の形成された前記シートフレームの周縁部分が、前記フック部材の曲げ返し部分から前記突出部に向かう方向に曲がっていることにより、前記切欠き部の中央領域側の縁に前記突出部が当接可能な位置に配置されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  5. 前記乗物用シートの座部となるシートクッションは、前記シートフレームの前部をなしてシート幅方向に延びるフロントフレームと、前記フロントフレームの下周縁に形成された前記切欠き部とを有し、
    前記フロントフレームの下周縁一部に前記フック部材を係止した状態を基準として、前記フック部材には、フロントフレーム側に突出する前記突出部が設けられているとともに、前記突出部は、前記フロントフレームの下周縁の延びる方向において前記切欠き部の縁に係合可能に配置されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の乗物用シート。
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