JP2020136326A - 光モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】筐体内で電極同士を接続する金属製ワイヤが空間光の光路を遮断することを防止できる光モジュールを提供すること。【解決手段】光モジュールは、筐体の内部に、空間光が伝搬する光学系と、少なくとも1つの電気配線と、を備え、筐体の内部構造は、1つの電気配線間を接続する第1の電極と第2の電極とを最短で結んだ直線が空間光を横切る構成であり、第1の電極と前記第2の電極とは、金属製ワイヤを用いたワイヤボンディングで接続されており、金属製ワイヤは、空間光を遮らないループ形状に形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、光モジュールに関する。
特許文献1には、筐体の内部に、光素子と、波長ロッカーと、波長ロッカーが取り付けられた台座とを備える光モジュールにおいて、台座の配線パターンを利用して、光素子の光軸(空間光の光路)の下に電気配線を通すことが開示されている。
特開2006−024623号公報
特許文献1に記載された構成のように、光素子と複数の電極とが筐体内に収容された構造では、光モジュールを小型化しようとした場合に、筐体内のスペースが狭くなる。そのため、筐体の内部で、リード側の電極とリードから筐体内に離れた側の電極とを金属製ワイヤを用いたワイヤボンディングで接続した際に、金属製ワイヤが空間光の光路を横切るように配置されてしまい、光路を遮断してしまう虞がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、筐体内で電極同士を接続する金属製ワイヤが空間光の光路を遮断することを防止できる光モジュールを提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る光モジュールは、筐体の内部に、空間光が伝搬する光学系と、少なくとも1つの電気配線と、を備える光モジュールにおいて、前記筐体の内部構造は、1つの電気配線間を接続する第1の電極と第2の電極とを最短で結んだ直線が前記空間光を横切る構成であり、前記第1の電極と前記第2の電極とは、金属製ワイヤを用いたワイヤボンディングで接続されており、前記金属製ワイヤは、前記空間光を遮らないループ形状に形成されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る光モジュールは、前記筐体の内部構造は、前記第1の電極と前記第2の電極とを最短で結んだ直線が1つ以上の前記空間光を横切る構成であり、前記第1の電極と前記第2の電極との間には、ワイヤボンディング端子台が配置され、前記空間光は、前記ワイヤボンディング端子台と前記第1の電極との間、又は前記第2の電極と前記ワイヤボンディング端子台との間、又はその両方を伝搬する構成であり、前記ワイヤボンディング端子台は、前記空間光を遮らない位置に配置されるとともに、当該ワイヤボンディング端子台の上面には、中継電極としての第3の電極が形成され、前記第1の電極と前記第2の電極との間は、前記第3の電極を中継する形で、前記第1の電極と前記第3の電極とが第1の金属製ワイヤを用いたワイヤボンディングにより接続され、かつ前記第3の電極と前記第2の電極とが第2の金属製ワイヤを用いたワイヤボンディングにより接続されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る光モジュールは、前記第3の電極は、前記第1の電極と前記第2の電極とのうちの少なくとも一方よりも高い位置に配置されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る光モジュールは、前記第3の電極は、前記1の電極及び前記第2の電極と同じ高さに形成されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る光モジュールは、前記筐体の内部構造は、前記第1の電極と前記第2の電極とを最短で結んだ直線が1つ以上の前記空間光を横切る構成であり、前記空間光を遮らない位置に絶縁カバーを備え、前記絶縁カバーは、前記第1の電極と第2の電極との間を接続する前記金属製ワイヤが前記空間光を遮らないように防壁となっていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る光モジュールは、前記絶縁カバーは、スリーブであり、前記スリーブの内径は、前記空間光のビーム径よりも大きく、前記スリーブは、前記スリーブの内径が前記ビーム径の周囲を覆うように配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、光モジュールについて、筐体内で電極同士を接続するワイヤが空間光の光路を遮断することを防止できるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る光モジュールの外観を示す模式図である。 図2は、図1に示す光モジュールの内部構成を示す模式図である。 図3は、実施形態1におけるワイヤボンディングを示す模式図である。 図4は、実施形態2に係る光モジュールの内部構成を示す模式図である。 図5は、実施形態2におけるワイヤボンディングを示す模式図である。 図6は、実施形態2の変形例におけるワイヤボンディングを示す模式図である。 図7は、実施形態2の他の変形例におけるワイヤボンディングを示す模式図である。 図8は、実施形態3におけるワイヤボンディングを示す模式図である。 図9は、実施形態3の変形例におけるワイヤボンディングを示す模式図である。 図10は、実施形態3の他の変形例におけるワイヤボンディングを示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載においては、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る光モジュールの外観を示す模式図である。図1において、方向を示すために、互いに直交する長手方向、幅方向及び高さ方向を規定する。この光モジュール100は、筐体1を備えている。筐体1は、信号光出力ポート1aと、信号光入力ポート1bと、側壁部1cと、底板部1dと、上蓋部1eと、端子部1fとを備えている。側壁部1cは、高さ方向と、長手方向又は幅方向に広がる4面を有する枠板状の部材であり、各面は底板部1dと略直交している。信号光出力ポート1aと、信号光入力ポート1bとは、側壁部1cの長手方向前側に設けられている。信号光出力ポート1aには外部に信号光を出力するための光ファイバが接続される。信号光入力ポート1bには外部から信号光を入力するための光ファイバが接続される。底板部1dは、長手方向及び幅方向に広がる板状の部材である。上蓋部1eは、底板部1dと対向して長手方向及び幅方向に広がる板状の部材である。端子部1fは、幅方向で一方側(図1に示す右側)の側壁部1cの長手方向前側以外の部分に設けられている。
底板部1dは、銅タングステン(CuW)、銅モリブデン(CuMo)、酸化アルミニウム(Al)などの熱伝導率が高い材料からなる。筐体1のその他の部分は、Fe−Ni−Co合金、酸化アルミニウム(Al)などの熱膨張係数が低い材料からなる。
図2は、光モジュール100の内部構成を示す模式図であり、上蓋部1eを外した状態で上面視したものである。図2に示すように、端子部1fは光モジュール100の内部及び外部に突出している。端子部1fは絶縁性の材質からなり、その表面及び内部に導体からなる配線パターンが形成されている。端子部1fのうち筐体1の外側部分には、配転パターンに接続された図示しないリード(リードピン)が設けられている。端子部1fの配線パターンは、リードを介して、光モジュール100の外部に設けられて光モジュール100の動作を制御する制御器と電気的に接続されている。制御器は、たとえばIC(Integrated Circuit)を含んで構成されている。
光モジュール100の内部には、以下のコンポーネントが収容されている:チップオンサブマウント2、レンズ3、波長検出器である波長ロッカー4、フォトダイオード(PD)アレイ5、レンズ6、光アイソレータ7、ビームスプリッタ8、レンズ10、変調器11、変調器ドライバ12、終端器13、レンズ14、15、ビームスプリッタ16、偏波ビームコンバイナ17、モニタPD18、19、ビームスプリッタ20及びモニタPD21。さらに、光モジュール100の内部には、以下のコンポーネントが収容されている:レンズ30、コヒーレントミキサ31、レンズ33、モニタPD34、バランスドPDアレイ35、トランスインピーダンスアンプ(TIA)36、モニタPD40、ビームスプリッタ41。
光モジュール100では、筐体1の内部にこれらのコンポーネントが実装され、上蓋部1eを取り付けて気密封止される。また、これらのコンポーネントは、変調器ドライバ12とTIA36を除き、筐体1の内部に配置されたベース又は温度調節素子に実装されている。変調器ドライバ12とTIA36とは端子部1fに実装されている。
光モジュール100は、光出力部である信号光出力ポート1aから出力信号光を出力し、光入力部である信号光入力ポート1bから入力光信号光が入力される光トランシーバとして構成されている。以下、各コンポーネントの構成及び機能について説明する。
(光トランスミッタ)
まず、光トランスミッタとして機能するコンポーネントの構成及び機能について説明する。
チップオンサブマウント2は、レーザ素子2aと、レーザ素子2aを搭載するサブマウント2bとを備える。レーザ素子2aは、たとえば波長可変レーザ素子である。サブマウント2bは、熱伝導性が高い材質からなり、レーザ素子2aが発する熱を、サブマウント2bが搭載されるベースに効率良く放熱する。
レーザ素子2aは、レーザ光L1を筐体1の長手方向後側に出力する。また、レーザ素子2aは、強度モニタ用のレーザ光L2を筐体1の長手方向前側に出力する。モニタPD40は、レーザ光L2を受光し、その受光強度に応じた電流信号を出力する。電流信号は、端子部1fに形成された電極及び配線パターンを通じて制御器に送信され、レーザ素子2aの強度モニタのために使用される。
レンズ6はレーザ光L1をコリメートしてビームスプリッタ41に出力する。ビームスプリッタ41は、レーザ光L1の大部分を光アイソレータ7に向けて透過し、一部を反射してレーザ光L13としてビームスプリッタ8に出力する。
ビームスプリッタ8は、レーザ光L13をレーザ光L14、L15に分岐する。レーザ光L14については後に詳述する。
レンズ3は、レーザ光L15を集光して波長ロッカー4に入力させる。波長ロッカー4は、たとえば平面光波回路(Planar Lightwave Circuit:PLC)からなる公知のものである。波長ロッカー4は、レーザ光L15を3つに分岐し、その一つをPDアレイ5に出力し、他の二つのそれぞれを、波長に対して透過特性が周期的に変化し、波長弁別特性を有する2つのフィルタのそれぞれを通過させてからPDアレイ5に出力する。2つのフィルタはたとえばリング共振器やエタロンフィルタからなり、互いに異なる透過波長特性を有する。
PDアレイ5は、3つのPDがアレイ状に配列されて構成されている。PDアレイ5の3つのPDのそれぞれは、波長ロッカー4が出力する3つのレーザ光のそれぞれを受光し、受光強度に応じた電流信号を出力する。各電流信号は、端子部1fに形成された電極及び配線パターンを通じて制御器に送信され、レーザ光L1の波長の検出と制御のために使用される。
レーザ素子2aと波長ロッカー4とは、幅方向に並列に配置されている。また、レーザ素子2aと波長ロッカー4とは、レーザ素子2aにおける、波長ロッカー4に入力されるレーザ光L15の出力位置、すなわちレーザ光L1の出力位置と、波長ロッカー4におけるレーザ光L15の入力位置とが、幅方向において互いに異なるように配置されており、レーザアセンブリLAを構成している。
光アイソレータ7はレーザ光L1を透過し、レンズ10に入力させる。レンズ10はレーザ光L1を集光して変調器11に入力させる。
変調器11は、略直方体形状のものであり、その長手方向が筐体1の長手方向と略一致するように配置されている。変調器11は、レーザ光L1を変調して変調光を生成するものである。変調器11は、たとえばInP(インジウムリン)を構成材料に用いたMZ(マッハツェンダ)型の位相変調器であり、変調器ドライバ12によって駆動されてIQ変調器として機能する公知のものである。このような位相変調器は、たとえば国際公開第2016/021163に開示されるものと同様のものである。変調器ドライバ12はたとえばICを含んで構成されており、制御器によってその動作を制御されている。変調器11及び変調器ドライバ12は、筐体1の長手方向に略平行に直列に配置されて変調部Mを構成している。また、終端器13は、変調器ドライバ12から高周波変調信号が印加される変調器11を電気的に終端するものである。
変調器11は、偏波面が互いに直交する直線偏波光であり、それぞれがIQ変調された変調光L31、L32を出力する。ここで、変調器11は、入力された光の進行方向が内部で折り返す折り返し構造を有する。その結果、変調器11は、レーザ光L1の入力位置と変調光L31、L32の出力位置とが、同一の側面、本実施形態では変調器11の長手方向前側に位置する側面に配置されている。また、変調器11の長手方向前側に位置する側面は、筐体1の長手方向前側における側壁部1cと略平行である。
レンズ14は、変調光L31をコリメートしてビームスプリッタ16に出力する。ビームスプリッタ16は、変調光L31の大部分を偏波ビームコンバイナ17に向けて反射し、一部を透過してモニタPD18に出力する。レンズ15は、変調光L32をコリメートして偏波ビームコンバイナ17に出力する。偏波ビームコンバイナ17は、変調光L31、L32を偏波合成して変調光L31、L32を含む出力信号光L4を生成する。なお、偏波ビームコンバイナ17は、変調光L32の一部をモニタPD19に出力する。
モニタPD18は、ビームスプリッタ16から入力された変調光L31の一部を受光し、その受光強度に応じた電流信号を出力する。電流信号は、端子部1fに形成された電極及び配線パターンを通じて制御器に送信され、変調光L31の強度モニタのために使用される。モニタPD19は、偏波ビームコンバイナ17から入力された変調光L32の一部を受光し、その受光強度に応じた電流信号を出力する。電流信号は、端子部1fに形成された電極及び配線パターンを通じて制御器に送信され、変調光L32の強度モニタのために使用される。
ビームスプリッタ20は、出力信号光L4の大部分を透過し、一部を反射してモニタPD21に出力する。モニタPD21は、ビームスプリッタ20から入力された出力信号光L4の一部を受光し、その受光強度に応じた電流信号を出力する。電流信号は、端子部1fに形成された電極及び配線パターンを通じて制御器に送信され、出力信号光L4の強度モニタのために使用される。
信号光出力ポート1aは、ビームスプリッタ20を透過した出力信号光L4の入力を受け付け、筐体1の外部に出力する。
(光レシーバ)
つぎに、光レシーバとして機能するコンポーネントの構成及び機能について説明する。
信号光入力ポート1bは、外部から入力信号光L5の入力を受け付け、レンズ30に出力する。入力信号光L5は筐体1内を長手方向前側から後側に進行する。レンズ30は入力信号光L5を集光してコヒーレントミキサ31に入力させる。
一方、ビームスプリッタ8によって分岐されたレーザ光L14は、レンズ33によって集光されて、局所光としてコヒーレントミキサ31に入力される。
コヒーレントミキサ31は、略直方体形状のものであり、その長手方向が筐体1の長手方向と略一致するように配置されている。コヒーレントミキサ31では、入力信号光L5の入力位置とレーザ光L14の入力位置とは、コヒーレントミキサ31の長手方向前側に位置する同一側面に配置されている。コヒーレントミキサ31は、入力信号光L5が入力される側面が、筐体1の長手方向前側における側壁部1cと略平行であり、変調器11における、レーザ光L1の入力位置と変調光L31、L32の出力位置が配置された側面と略平行である。
コヒーレントミキサ31は、入力された局所光としてのレーザ光L14と入力信号光L5とを干渉させて処理し、処理信号光を生成し、バランスドPDアレイ35に出力する。処理信号光は、X偏波のI成分に対応するIx信号光、X偏波のQ成分に対応するQx信号光、Y偏波のI成分に対応するIy信号光、及びY偏波のQ成分に対応するQy信号光、の4つである。コヒーレントミキサ31は、たとえばPLCからなる公知のものである。また、コヒーレントミキサ31は、入力された入力信号光L5の一部を分岐して、モニタPD34に出力するように構成されている。モニタPD34は、入力信号光L5の一部を受光し、その受光強度に応じた電流信号を出力する。電流信号は、端子部1fに形成された電極及び配線パターンを通じて制御器に送信され、入力信号光L5の強度モニタのために使用される。
光電素子であるバランスドPDアレイ35は、4つのバランスドPDを有しており、4つの処理信号光のそれぞれを受光して、電流信号に変換してTIA36に出力する。TIA36は、4つのTIAを有しており、制御器によってその動作を制御されている。TIA36の有するTIAのそれぞれは、4つのバランスドPDのそれぞれから入力された電流信号を電圧信号に変換して出力する。出力された電圧信号は、端子部1fに形成された電極及び配線パターンを通じて制御器又はさらに上位の制御装置に送信され、入力信号光L5の復調のために使用される。
コヒーレントミキサ31、バランスドPDアレイ35及びTIA36は、筐体1の長手方向に略平行に直列に配置されて光処理部OPを構成している。
この光モジュール100では、レーザ素子2a及び波長ロッカー4は、筐体1の幅方向において、コヒーレントミキサ31の幅方向中心線CL1と変調器11の幅方向中心線CL2との間に配置されている。なお、幅方向中心線CL1と幅方向中心線CL2との間に配置されているとは、各中心線を、コヒーレントミキサ31又は変調器11の長手方向の外側まで延長した延長線の間に配置されている状態も含む。また、変調器11は、入力された光の進行方向が内部で折り返す折り返し構造を有する。また、光モジュール100は、2つの光である入力信号光L5とレーザ光L2の光軸が交差するように構成されている。
この光モジュール100では、レーザ素子2aは、筐体1において信号光出力ポート1aが設けられた側(長手方向前側)とは反対の方向(長手方向後側の方向)にレーザ光L1を出力するように配置されている。また、レーザ素子2a及び波長ロッカー4は、筐体1の幅方向において、コヒーレントミキサ31の幅方向中心線CL1と変調器11の幅方向中心線CL2との間に配置されている。
また、レーザ素子2aと波長ロッカー4とは、レーザ素子2aにおける波長ロッカー4に入力されるレーザ光L15(レーザ光L1)の出力位置と、波長ロッカー4におけるレーザ光L15の入力位置とが、幅方向において位置が互いに異なるように配置されている。また、変調部Mと光処理部OPとは筐体1の幅方向において並列に配置されている。
このように構成された光モジュール100では、波長ロッカー4をレーザ素子2aと同一の長手方向上の軸に配置する必要がない。そのため、光モジュール100で採用している部品よりも幅方向に大きい同種部品(たとえばコヒーレントミキサ31)を採用しつつ、筐体1の幅方向におけるサイズである幅Wを15mm以下に保ったまま、長手方向における筐体最後部から光学的参照面までの長さを35mm以下とでき、かつ高さを6.5mm以下とできる。これにより、MSAにおける次世代の規格であるQSFP−DD規格に準拠する光トランシーバを実現できる。
(ワイヤボンディング)
また、筐体1の内部では、サブマウント2bの上面に設けられた第1の電極51と、端子部1fの上面に設けられた第2の電極52とが、金属製ワイヤ60を用いたワイヤボンディングによって電気的に接続されている。この第1の電極51と第2の電極52とは、1つの電気配線間を構成する一対の電極であり、筐体1の幅方向において出力信号光L4の光路を挟む位置に配置されている。第1の電極51は、筐体1の幅方向で出力信号光L4の光路を挟んで端子部1fから離れた位置(リードから筐体1内側に離れた位置)に配置された電極である。第2の電極52は端子部1f(リード側)に配置された電極である。そして、筐体1の内部空間において、リードから離れた位置の第1の電極51とリード側の第2の電極52とを接続する金属製ワイヤ60は、空間光である出力信号光L4の光路を遮らないようにループ形状に形成されている。
図3は、第1実施形態におけるワイヤボンディングを示す模式図である。図3には、出力信号光L4に関して、筐体1の内部を長手方向前側から後側をみた場合の構成が模式的に示されている。図3に示すように、サブマウント2bの上面に設けられた第1の電極51は、端子部1fの上面に設けられた第2の電極52よりも低い位置に配置されている。筐体1の内部は、第1の電極51と第2の電極52と出力信号光L4との位置関係について、第1の電極51と第2の電極52とを最短で結んだ直線Sが出力信号光L4を横切る構成である。そこで、第1実施形態では、サブマウント2b側の第1の電極51と端子部1f側の第2の電極52とを接続する金属製ワイヤ60は、出力信号光L4の光路の上側を跨ぐようにループ形状に形成されている。この場合、出力信号光L4のビーム径に含まれない位置を金属製ワイヤ60が通過している構造となる。出力信号光L4のビーム径は、出力信号光L4の強度がピーク値から1/eになる位置の径で定義される。
また、端子部1f側の第2の電極52は、端子部1fの配線パターンと電気的に接続されている。筐体1の内部に設けられた第2の電極52は配線パターンを介して筐体1の外側に設けられたリードピンと電気的に接続されている。また、筐体1の内部では、レーザ素子2aの上面に設けられた電極71と、サブマウント2bの上面に設けられた別の電極72とは、別の金属製ワイヤ73を用いたワイヤボンディングにより電気的に接続されている。
このように構成された光モジュール100では、筐体1の内部で、1つの電気配線間を接続する第1の電極51と第2の電極52とを最短で結んだ直線Sが出力信号光L4を横切る構成の場合に、第1の電極51と第2の電極52とをワイヤボンディングにより接続する金属製ワイヤ60は、出力信号光L4を遮らない位置に形成される。これにより、光モジュール100の筐体1内部で金属製ワイヤ60が空間光の光路を遮断することを防止できる。
なお、上述した実施形態1では、サブマウント2b側の電極を第1の電極、端子部1f側の電極を第2の電極と記載したが、この表現に限定されない。つまり、1つの電気配線間としてワイヤボンディングの対象となる一対の電極について、どちらか一方を第1、他方を第2と表現すればよい。そのため、端子部1f側の電極を第1の電極と表現することも可能であり、この場合には、サブマウント2b側の電極を第2の電極と表現することができる。
(実施形態2)
図4は、実施形態2に係る光モジュールの内部構成を示す模式図である。図5は、実施形態2におけるワイヤボンディングを示す模式図である。実施形態2に係る光モジュール100Aは、実施形態1に係る光モジュール100の構成において、筐体1の内部にワイヤボンディングの中継部材として、ワイヤボンディング端子台(以下、単に「端子台」という)80が設けられた構成を有する。なお、第2実施形態の説明では、第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、その参照符号を引用する。
光モジュール100Aでは、筐体1内において、サブマウント2bの上面に設けられた第1の電極51と、端子部1fの上面に設けられた第2の電極52とが、中継部材としての端子台80を経由して金属製ワイヤ61,62を用いたワイヤボンディングによって電気的に接続されている。
端子台80は、筐体1の幅方向で、第1の電極51と第2の電極52との間であって、出力信号光L4の光路と第2の電極52との間に設けられている。第1の電極51と第2の電極52とは筐体1の幅方向において出力信号光L4の光路と端子台80とを挟む位置に配置されている。そして、筐体1の内部空間において、端子台80を中継して第1の電極51と第2の電極52とを接続する金属製ワイヤ61,62は、出力信号光L4の光路を遮らないようにループ形状に形成されている。
図5に示すように、端子台80は、直方体形状に構成された部材であり、サブマウント2bの上面、及び端子部1fの上面よりも高い構造を有する。この端子台80の上面には、第1の電極51と第2の電極52との間でワイヤボンディングを中継するための電極(中継電極)として、第3の電極53が設けられている。第3の電極53には、第1の電極51とワイヤボンディングにより接続される第1の中継電極53aと、第2の電極52とワイヤボンディングにより接続される第2の中継電極53bとが含まれる。端子台80では、第1の中継電極53aと第2の中継電極53bとの間が配線パターンにより電気的に接続されている。また、端子台80の表面には黒化処理が施されており、端子台80の近くを出力信号光L4が通過する際の迷光対策がなされている。
第1の中継電極53aは、第1の金属製ワイヤ61によってサブマウント2b側の第1の電極51と電気的に接続されている。第1の金属製ワイヤ61は、第1の電極51と第1の中継電極53aとの間で、出力信号光L4の上側を跨ぐようにしてループ形状に形成されている。第1の中継電極53aは第1の電極51よりも高い位置に配置されている。
第2の中継電極53bは、第2の金属製ワイヤ62によって第2の電極52と電気的に接続されている。第2の金属製ワイヤ62は、第2の電極52と第2の中継電極53bとの間で、端子台80と端子部1fとの間の空間にループ形状に形成されている。第2の中継電極53bは第2の電極52よりも高い位置に配置されている。
このように構成された光モジュール100Aでは、1つの電気配線間を接続する第1の電極51と第2の電極52とを最短で結んだ直線Sが出力信号光L4を横切る構成の場合に、中継部材として端子台80、及び第3の電極53(第1の中継電極53a,第2の中継電極53b)が設けられている。この場合に、端子台80に設けられた第3の電極53としての第1の中継電極53aと、サブマウント2b側の第1の電極51とを接続する第1の金属製ワイヤ61は出力信号光L4を遮らない位置に形成される。これにより、光モジュール100Aの内部で第1の金属製ワイヤ61が空間光の光路を遮断することを防止できる。
また、上述した実施形態2の変形例を構成することが可能である。一例として、図6に示すように、変形例の端子台80Aは、出力信号光L4よりも高い位置まで延びる壁部81と、壁部81の上面が出力信号光L4の上側を覆うように筐体1の幅方向に突出する庇部82と、を有する構造に構成されている。この壁部81と庇部82とは一体的に形成されている。この変形例では、実施形態2の内部構造に比べて、第1の電極51と第1の中継電極53aとの間の距離(幅方向長さ)が短くなる。そのため、変形例における第1の金属製ワイヤ61は、上述した実施形態2における第1の金属製ワイヤ61に比べて短くできる。これにより、第1の電極51と第1の中継電極53aとをワイヤボンディングする際に作業が容易になる。
なお、上述した実施形態2では、出力信号光L4が、端子台80と第1の電極51との間を伝搬する構成例について説明したが、この発明はこれに限定されない。つまり、光学系により伝搬する空間光は、筐体1の幅方向で、第2の電極52と端子台80との間を伝搬するように構成されてもよい。さらに、空間光が、筐体1の幅方向で、第1の電極51と端子台80との間と、第2の電極52と端子台80との間との両方を伝搬するように構成されてれよい。この変形例の一例を図7に示す。
図7に示すように、実施形態2の他の変形例として、二つのレーザ光(第1のレーザ光L4A、第2のレーザ光L4B)の光路をそれぞれに跨ぐようにして端子台80Bによって金属製ワイヤ61,62を中継するようにワイヤボンディングを形成してもよい。この変形例では、第1の金属製ワイヤ61が第1のレーザ光L4Aの上側を跨ぐようにループ形状に形成されているとともに、第2の金属製ワイヤ62が第2のレーザ光L4Bの上側を跨ぐようにループ形状に形成されている。
(実施形態3)
図8は、実施形態3におけるワイヤボンディングを示す模式図である。実施形態3に係る光モジュール100Bは、実施形態1に係る光モジュール100の構成において、筐体1の内部に、空間光の光路を遮らない位置に、金属製ワイヤに対する防壁として機能する絶縁カバーが設けられている。なお、第3実施形態の説明では、第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、その参照符号を引用する。
図8に示すように、出力信号光L4の周りには、絶縁カバーとしてスリーブ91が配置されている。スリーブ91は、絶縁性材料により構成されており、円筒状に形成されている。スリーブ91の内径は、空間光である出力信号光L4のビーム径よりも大きく形成されている。また、スリーブ91の表面には黒化処理が施されており、スリーブ91の内部を通過する出力信号光L4の迷光対策がなされている。このスリーブ91は台座を介して底板部1dに固定されている。第1の電極51と第2の電極52との間を接続する金属製ワイヤ60は、このスリーブ91の上側を跨ぐようにしてループ形状に形成されている。
このように構成された光モジュール100Bでは、スリーブ91により構成された絶縁カバーをレーザ光の周りに配置することにより、金属製ワイヤ60が空間光の光路を遮らないように防壁として機能する。また、絶縁カバーは電気絶縁性を有するため、仮に金属製ワイヤ60がスリーブ91の外周面に接触して短絡を防止することができる。
また、上述した実施形態3の変形例を構成することができる。一例として、図9に示すように、絶縁カバーは、出力信号光L4の上端部よりも上側を覆うように形成された庇部92aと、底板部1dから高さ方向に延びる壁部92bとが一体に形成された構造を有する防壁部92により構成されてもよい。この変形例では、壁部92bは、筐体1の幅方向で出力信号光L4と端子部1Fとの間に配置されている。この壁部92bの高さは出力信号光L4よりも高い位置まで延びている。また、庇部92aは、壁部92bの上部から幅方向でチップオンサブマウント2側に向けて水平に突出する構造を有し、その先端部分は出力信号光L4の中心位置よりも第1の電極51側に位置する。庇部92aの先端部分の幅方向位置は第1の電極51が配置された幅方向位置に近い位置となる。そして、第1の電極51と第2の電極52とを接続する金属製ワイヤ60は、防壁部92の庇部92a及び壁部92bの上側を跨ぐようにループ形状に形成されている。
実施形態3の他の例として、図10に示すように、絶縁カバーは、出力信号光L4の幅方向両側に設けられた二つの壁部93A,93Bによって構成されてもよい。この変形例の絶縁カバーは、幅方向で出力信号光L4に対してサブマウント2b側に設置された第1の壁部93Aと、幅方向で出力信号光L4に対して端子部1f側に設置された第2の壁部93Bとを含んで構成されている。第1の壁部93Aと第2の壁部93Bとは同じ高さに構成されており、その高さは出力信号光L4の上端部よりも高い位置となる。さらに、第1の壁部93Aと第2の壁部93Bとは、筐体1の長手方向に沿って所定長さに形成されているとともに、互いに長手方向に沿って平行に配置されている。また、第1の壁部93Aと第2の壁部93Bとの幅方向での間隔は、出力信号光L4のビーム径よりも広く設定されている。そして、第1の電極51と第2の電極52とを接続する金属製ワイヤ60は、絶縁カバーである二つの壁部93A,93Bの上側を跨ぐようにループ形状に形成されている。
1 筐体
1a 信号光出力ポート
1b 信号光入力ポート
1c 側壁部
1d 底板部
1e 上蓋部
1f 端子部
2 チップオンサブマウント
2a レーザ素子
2b サブマウント
3、6、10、14、15、30、33 レンズ
4 波長ロッカー
5 PDアレイ
7 光アイソレータ
8、16、20、41 ビームスプリッタ
11 変調器
12 変調器ドライバ
13 終端器
17 偏波ビームコンバイナ
18、19、21、34、40 モニタPD
51 第1の電極
52 第2の電極
60 金属製ワイヤ
61 第1の金属製ワイヤ
62 第2の金属製ワイヤ
80、80A 端子台
81 壁部
82 庇部
91 スリーブ
92 防壁部
93A、93B 壁部
100、100A、100B 光モジュール
L1、L2、L13、L14、L15 レーザ光
L31、L32 変調光
L4 出力信号光
L5 入力信号光
LA レーザアセンブリ
M 変調部
OP 光処理部

Claims (6)

  1. 筐体の内部に、空間光が伝搬する光学系と、少なくとも1つの電気配線と、を備える光モジュールにおいて、
    前記筐体の内部構造は、1つの電気配線間を接続する第1の電極と第2の電極とを最短で結んだ直線が前記空間光を横切る構成であり、
    前記第1の電極と前記第2の電極とは、金属製ワイヤを用いたワイヤボンディングで接続されており、
    前記金属製ワイヤは、前記空間光を遮らないループ形状に形成されている
    ことを特徴とする光モジュール。
  2. 前記筐体の内部構造は、前記第1の電極と前記第2の電極とを最短で結んだ直線が1つ以上の前記空間光を横切る構成であり、前記第1の電極と前記第2の電極との間には、ワイヤボンディング端子台が配置され、
    前記空間光は、前記ワイヤボンディング端子台と前記第1の電極との間、又は前記第2の電極と前記ワイヤボンディング端子台との間、又はその両方を伝搬する構成であり、
    前記ワイヤボンディング端子台は、前記空間光を遮らない位置に配置されるとともに、当該ワイヤボンディング端子台の上面には、中継電極としての第3の電極が形成され、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間は、前記第3の電極を中継する形で、前記第1の電極と前記第3の電極とが第1の金属製ワイヤを用いたワイヤボンディングにより接続され、かつ前記第3の電極と前記第2の電極とが第2の金属製ワイヤを用いたワイヤボンディングにより接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
  3. 前記第3の電極は、前記第1の電極と前記第2の電極とのうちの少なくとも一方よりも高い位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の光モジュール。
  4. 前記第3の電極は、前記1の電極及び前記第2の電極と同じ高さに配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の光モジュール。
  5. 前記筐体の内部構造は、前記第1の電極と前記第2の電極とを最短で結んだ直線が1つ以上の前記空間光を横切る構成であり、前記空間光を遮らない位置に絶縁カバーを備え、
    前記絶縁カバーは、前記第1の電極と第2の電極との間を接続する前記金属製ワイヤが前記空間光を遮らないように防壁となっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
  6. 前記絶縁カバーは、スリーブであり、
    前記スリーブの内径は、前記空間光のビーム径よりも大きく、
    前記スリーブは、前記スリーブの内径が前記ビーム径の周囲を覆うように配置されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の光モジュール。
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