<第1実施形態>
図1〜図7を参照して、第1実施形態に係るカラオケシステムについて説明する。
==カラオケシステム==
カラオケシステム1は、歌唱動画をライブ配信するためのシステムである。歌唱動画は、カラオケ歌唱を行う歌唱者を撮影して得られた動画像に、カラオケ演奏の演奏音及び歌唱音声を合成したものである。図1に示すように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、カラオケ装置K、複数の視聴者端末M2〜Mn、及びサーバ装置Sを備える。
カラオケ装置Kは、カラオケ演奏及び歌唱者がカラオケ歌唱を行うための装置である。また、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、サーバ装置Sに対し、歌唱動画をストリーミング送信することができる(詳細は後述)。
視聴者端末は、カラオケシステム1で配信される歌唱動画を視聴する視聴者が所有するスマートフォンやパーソナルコンピュータである。本実施形態に係る視聴者端末には、ライブ配信される歌唱動画を視聴するための専用アプリケーションソフトウェア(以下、「ライブ視聴アプリ」)がインストールされている。ライブ視聴アプリは、サーバ装置Sや、サーバ装置Sが提供するWebサイトからダウンロードすることで入手できる。
図1の例によると、カラオケ装置Kは、利用者U1が行っているカラオケ歌唱に基づく歌唱動画をサーバ装置Sにストリーミング送信する。不特定多数の利用者U2〜利用者Unは、自己の視聴者端末M2〜視聴者端末Mnにより、サーバ装置Sがライブ配信する歌唱動画を視聴する。すなわち、利用者U1は「歌唱者」に相当し、利用者U2〜利用者Unは「視聴者」に相当する。
サーバ装置Sは、各種情報や各視聴者端末から送信される情報を管理したり、各利用者端末に対して歌唱動画をライブ配信するコンピュータである。
==カラオケ装置==
カラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。図2に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、リモコン装置50、及びカメラ60を備える。
カラオケ本体10は、選曲された楽曲の演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20はカラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は歌唱者の歌唱音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。カメラ60は、カラオケ歌唱を行う歌唱者を撮影するための構成である。マイク40は「集音手段」の一例であり、カメラ60は「撮影手段」の一例である。
図3に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、及び制御手段10dを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。記憶手段10aは、カラオケ装置Kによりカラオケ演奏を行うための複数の楽曲データを記憶する。
楽曲データは、個々のカラオケ楽曲を特定するための楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ等を含む。伴奏データは、カラオケ演奏音の元となるMIDI形式のデータである。リファレンスデータは、歌唱者によるカラオケ歌唱を採点する際の基準として用いられるデータである。
また、記憶手段10aは、カラオケ装置Kの装置識別情報を記憶する。装置識別情報は、カラオケ装置を識別するための装置ID等、各カラオケ装置に固有の情報である。
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、サーバ装置Sやリモコン装置50との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、歌唱者が各種の指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
[制御手段]
制御手段10dは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10dは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10dは、投票用楽曲リスト生成部100、演奏処理部200、転送部300、及び決定部400として機能する。
(投票用楽曲リスト生成部)
投票用楽曲リスト生成部100は、セットリストからカラオケ演奏を行う楽曲を削除することにより、当該セットリストを更新した投票用楽曲リストを生成し、サーバ装置Sに送信する。
セットリストは、カラオケ歌唱を行う複数の楽曲から構成されている。セットリストに含まれる楽曲は、歌唱者自らが選曲を行った楽曲である。すなわち、歌唱者がカラオケ歌唱できる楽曲である。
たとえば、ライブ配信を行う場合、利用者U1は、リモコン装置50を介してカラオケシステム1にログインする。カラオケシステム1にログインすることにより、利用者U1は、視聴者からのコメント等(後述)を受け取ることが可能となる。
その後、利用者U1は、表示装置30に表示されるライブ配信用のセットリスト作成画面において、カラオケ歌唱を行いたい楽曲を複数選択する。投票用楽曲リスト生成部100は、選択された複数の楽曲をまとめた一つのセットリストを生成する。セットリストには、たとえば、利用者U1が選曲した楽曲名や楽曲IDが含まれる。
投票用楽曲リストは、歌唱者が選択した楽曲から構成されるセットリストの中から、既に演奏することが決定した楽曲を削除したものである。
たとえば、利用者U1により選択された楽曲X1〜楽曲X5がセットリストに含まれているとする。カラオケ装置Kは、セットリストの最初に登録されている楽曲X1からカラオケ演奏を行う。
楽曲X1のカラオケ演奏を行う場合、投票用楽曲リスト生成部100は、セットリストから楽曲X1を削除することによりセットリストを更新する。その結果、楽曲X2〜楽曲X5を含む投票用楽曲リストが生成される。投票用楽曲リスト生成部100は、通信手段10bを介し、更新したセットリスト(すなわち投票用楽曲リスト)を、カラオケ装置Kを識別するための装置識別情報と併せてサーバ装置Sに送信する。投票用楽曲リスト生成部100は、セットリストが更新される都度、サーバ装置Sに最新の投票用楽曲リストを送信する。
(演奏処理部)
演奏処理部200は、楽曲の演奏データに基づいてカラオケ演奏を行う。具体的に、演奏処理部200は、記憶手段10aから演奏データを読み出し、当該演奏データに基づいて演奏音を生成し、スピーカ20から放音させる。
利用者U1は、演奏音に併せてカラオケ歌唱を行う。マイク40は、利用者U1のカラオケ歌唱による歌唱音声を集音する。また、カメラ60は、少なくとも利用者U1がカラオケ歌唱を行っている間、利用者U1の姿(具体的には顔や上半身)を撮影する。
なお、一般に、カラオケ歌唱が可能な楽曲には、演奏データと併せて、楽曲の歌詞を表示させるための歌詞テロップデータが準備されている。この場合、演奏処理部200は、歌詞テロップデータに基づいて歌詞を生成し、演奏音と同期して表示装置30に歌詞を表示させることができる。
また、本実施形態における演奏処理部200は、セットリストに含まれる全ての楽曲のカラオケ演奏を行う。たとえば、セットリストに楽曲X1〜楽曲X5が含まれる場合、演奏処理部200は、投票結果(後述)に基づいて、楽曲X1〜楽曲X5のカラオケ演奏を順次行う。
(転送部)
転送部300は、演奏処理部200が行うカラオケ演奏の演奏音と、マイク40により集音されたカラオケ歌唱の歌唱音声と、カメラ60によりカラオケ歌唱を行う歌唱者を撮影して得られる動画像とに基づいて歌唱動画を生成し、サーバ装置Sにストリーミング送信する。
転送部300は、演奏音、歌唱音声、及び歌唱者の動画像を合成し、歌唱動画を生成する。各音声と動画像の合成は、公知の手法を用いることができる。転送部300は、通信手段10bを介し、生成する歌唱動画を順次サーバ装置Sにストリーミング送信する。
(決定部)
決定部400は、サーバ装置Sから受信した投票結果に基づいて、投票用楽曲リストに含まれる楽曲の中から、演奏処理部200がカラオケ演奏する次の楽曲を決定する。
投票結果は、投票用楽曲リストに含まれる楽曲のうち、歌唱者にカラオケ歌唱を行って欲しい楽曲として視聴者が選択した楽曲を示す投票情報を集計したものである(詳細は後述)。
たとえば、上記例で投票用楽曲リストに含まれる楽曲X2〜楽曲X5のうち、投票結果として楽曲X4が選ばれたとする。この場合、決定部400は、サーバ装置Sから受信した楽曲X4を特定するための情報(たとえば楽曲ID)に基づいて、演奏処理部200がカラオケ演奏する次の楽曲として楽曲X4を決定する。
==視聴者端末==
図4を参照して、視聴者端末の構成について説明する。以下、視聴者端末として、図1における利用者端末M2を例に説明する。なお、利用者端末M3〜利用者端末Mnも同様の構成を有する。
図4に示すように、利用者端末M2は、記憶手段70、通信手段71、表示手段72、入力手段73、放音手段74、及び制御手段75を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
記憶手段70は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。通信手段71は、サーバ装置Sとの通信を行うためのインターフェースを提供する。表示手段72は、各種情報を表示させるディスプレイである。入力手段73は、利用者が各種指示入力を行うための構成である。なお、一般的なスマートフォンでは、表示手段72がタッチパネル形式で構成されており、入力手段73として機能する。放音手段74は、音声を放音するためのイヤホン等である。制御手段75は、利用者端末M2の各種制御を行う。
ここで、ライブ視聴アプリを起動した場合、制御手段75は、第1の表示制御部75a、第2の表示制御部75b、及び投票部75cとして機能する。
(第1の表示制御部)
第1の表示制御部75aは、サーバ装置Sがライブ配信する歌唱動画を表示手段72に表示させる。
たとえば、利用者U2は、表示手段72に表示される検索画面で視聴したい歌唱動画を選択する。利用者U1がストリーミング送信中の歌唱動画を選択した場合、第1の表示制御部75aは、サーバ装置Sにアクセスし、利用者U1がストリーミング送信中の歌唱動画のライブ配信を受け、表示手段72に表示させる。よって、利用者U2は利用者U1がストリーミング送信中の歌唱動画を視聴することができる。また、歌唱動画を視聴する利用者U2は、入力手段73を用いてコメントを入力したり、利用者U1に対してギフトを提供することができる。
(第2の表示制御部)
第2の表示制御部75bは、サーバ装置Sが公開した投票用楽曲リストを表示手段72に表示させる。
たとえば、利用者U1がストリーミング送信中の歌唱動画を利用者U2が視聴している場合、第2の表示制御部75bは、利用者U1の投票用楽曲リストを利用者端末M2の表示手段72に表示させる。表示手段72への表示は、音声出力はそのままで歌唱動画と投票用楽曲リストを切替えて表示してもよいし、画面を分割して歌唱動画と投票用楽曲リストを同時に表示してもよい。
(投票部)
投票部75cは、投票用楽曲リストに含まれる楽曲のうち、歌唱者にカラオケ歌唱を行って欲しい楽曲として視聴者が選択した楽曲を示す投票情報をサーバ装置Sに送信する。
投票情報は、たとえば楽曲名や楽曲識別情報である。表示手段72に表示された投票用楽曲リストを確認した視聴者は、次に歌唱動画を視聴したい楽曲を選択することができる。具体的に、視聴者は、入力手段73により、表示手段72に表示された投票用楽曲リストの中から、任意の楽曲を選択する。この選択を受けて、投票部75cは、当該楽曲の楽曲識別情報を投票情報としてサーバ装置Sに送信する。
なお、投票部75cは、一度に複数の楽曲の選択を受け付けてもよいし、逆に、一の視聴者毎に選択できる回数を制限してもよい。
==サーバ装置==
図5に示すように、サーバ装置Sは、記憶手段80、通信手段81、及び制御手段82を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
記憶手段80は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。通信手段81は、各視聴者端末との通信を行うためのインターフェースを提供する。
制御手段82は、サーバ装置Sにおける各種の制御を行う。図5に示すように、本実施形態に係る制御手段82は、公開部82a、配信部82b、及び集計部82cとして機能する。
[公開部]
公開部82aは、カラオケ装置Kから受信した投票用楽曲リストを公開する。
たとえば上記例において、カラオケ装置Kから楽曲X2〜楽曲X5を含む投票用楽曲リストが送信されたとする。この場合、公開部82aは、受信した投票用楽曲リストを視聴者に対して公開する。
視聴者は、投票用楽曲リストを参照し、次にカラオケ歌唱をして欲しい楽曲を選択する。視聴者端末の投票部75cは、選択された楽曲の楽曲識別情報を投票情報としてサーバ装置Sに送信する。
[配信部]
配信部82bは、カラオケ装置Kがストリーミング送信中の歌唱動画を視聴者端末にライブ配信する。
歌唱動画をライブ配信する方法は公知の手法を利用することができる。たとえば、上記例で述べたように、利用者U1が利用するカラオケ装置Kからストリーミング送信されている歌唱動画を利用者U2が選択したとする。この場合、配信部82bは、利用者U2が操作する利用者端末M2に対し、利用者U1がストリーミング送信中の歌唱動画のライブ配信を行う。
[集計部]
集計部82cは、複数の視聴者端末から送信され、サーバ装置Sの記憶手段80に記憶された投票情報を集計して投票結果を算出し、カラオケ装置Kに送信する。
投票情報の集計は、投票用楽曲リストに含まれる楽曲毎に投票情報の数を合計することにより行う。集計部82cは、集計を開始するまで、受信した投票情報を記憶手段80に記憶しておく。なお、投票情報の受信開始は、たとえば投票用楽曲リストの公開と同時のタイミングで行う。
具体例として、利用者U1が利用するカラオケ装置Kからストリーミング送信されている楽曲X1の歌唱動画を視聴している利用者U2〜利用者Unが、投票用楽曲リストに含まれる楽曲X2〜楽曲X5に対して投票を行ったとする。この場合、集計部82cは、楽曲X2〜楽曲X5それぞれについて投票情報の数を合計し、投票結果を算出する。
なお、集計は、カラオケ装置Kからの指示に基づいて開始される。具体的に、カラオケ装置Kは、カラオケ演奏中の楽曲の演奏時間の残りが所定時間に達したことを契機として、集計部82cに対し、投票情報の集計を指示する。集計部82cは、当該指示に基づいて投票情報の集計を開始する。
所定時間は、投票情報の集計を開始する時点を規定するための時間であり、予め任意の時間(たとえば、楽曲の演奏終了時刻の5秒前)が設定されている。なお、集計部82cは、集計の開始以降に受信した投票情報は無効とするか、投票情報の受信を中止することができる。
また、集計部82cは、投票情報の集計を行った後、サーバ装置Sの記憶手段80に記憶されている当該投票情報を消去してもよい。たとえば、集計結果を出力した後、集計部82cは、その集計に利用した投票情報を記憶手段80から消去する。一方、視聴者数が少ない場合等には、投票情報の数も少なくなる。このような場合、集計部82cは、記憶手段80に記憶されている投票情報を削除しなくともよい。
集計部82cは、集計が完了した後、カラオケ装置Kに投票結果を送信する。送信される投票結果は、投票用楽曲リストに含まれる全ての楽曲ID及び投票数であってもよいし、最も投票数の多かった楽曲の楽曲IDのみであってもよい。
==カラオケシステムにおける処理について==
次に、図6A及び図6Bを参照して本実施形態に係るカラオケシステム1における処理について述べる。図6A及び図6Bは、カラオケシステム1における処理を示すフローチャートである。この例では、楽曲X1を含む複数の楽曲で構成されるセットリストが予め生成されているとする。歌唱者は、セットリストの中から最初に楽曲X1のカラオケ歌唱を行うとする。また、カラオケ装置Kからストリーミング送信されている歌唱動画を複数の視聴者で視聴するものとする。更に、この例では、投票用楽曲リストに含まれる楽曲の中から、次の楽曲が決定されるまでの処理について説明を行う。
カラオケ装置Kの投票用楽曲リスト生成部100は、セットリストから楽曲X1を削除した投票用楽曲リストを生成し、サーバ装置Sに送信する(投票用楽曲リストを送信。ステップ10)。
サーバ装置Sの公開部82aは、ステップ10で送信された投票用楽曲リストを公開する(投票用楽曲リストを公開。ステップ11)。
一方、カラオケ装置Kの演奏処理部200は、楽曲の演奏データに基づいてカラオケ演奏を行う(カラオケ演奏を開始。ステップ12)。
マイク40は、カラオケ歌唱の歌唱音声を集音する。また、カメラ60は、カラオケ歌唱を行う歌唱者を撮影し、動画像を得る。
転送部300は、カラオケ演奏の演奏音、歌唱音声、及び動画像に基づいて歌唱動画を生成し、サーバ装置Sにストリーミング送信する(歌唱動画をストリーミング送信。ステップ13)。
サーバ装置Sの配信部82bは、ストリーミング送信中の歌唱動画を視聴者端末にライブ配信する(歌唱動画をライブ配信。ステップ14)。
各視聴者端末の第1の表示制御部75aは、ライブ配信中の歌唱動画を表示手段12に表示させる(歌唱動画を表示。ステップ15)。視聴者は、歌唱者の歌唱動画を視聴することができる。
また、各視聴者端末の第2の表示制御部75bは、サーバ装置Sが公開している投票用楽曲リストを表示手段12に表示させる(投票用楽曲リストを表示。ステップ16)。視聴者は、自己の視聴者端末を介し、投票用楽曲リストの中から、次に歌唱者にカラオケ歌唱を行って欲しい楽曲を選択する。
投票部75cは、視聴者の選択に基づいて、投票情報をサーバ装置Sに送信する(投票情報を送信。ステップ17)。集計部82cは、集計を開始するまで、受信した投票情報を記憶手段20に記憶する。
カラオケ演奏中の楽曲の演奏時間の残りが所定時間に達したことを契機として、カラオケ装置Kは、投票情報の集計を指示する(投票情報の集計を指示。ステップ18)
集計部82cは、各視聴者端末から送信された投票情報を集計して投票結果を算出する(投票結果を算出。ステップ19)。その後、集計部82cは、ステップ19で算出した投票結果をカラオケ装置Kに送信する(投票結果を送信。ステップ20)。
決定部400は、サーバ装置Sから受信した投票結果に基づいて、投票用楽曲リストに含まれる楽曲の中から、演奏処理部200がカラオケ演奏する次の楽曲を決定する(次の楽曲を決定。ステップ21)。
==カラオケシステムにおける処理の具体例==
ここで、カラオケシステム1における処理をより具体的に説明する。この例では、カラオケ装置Kの投票用楽曲リスト生成部100が、楽曲X1〜楽曲X5を含むセットリストL0を生成したとする。また、カラオケ装置Kは、カラオケ演奏中の楽曲の演奏時間の残りが所定時間に達したことを契機として、投票情報の集計を開始するよう集計部82cに指示するものとする。集計部82cは、当該指示に基づいて投票情報の集計を行うものとする。更に、集計部82cは、投票情報の集計を行った後、サーバ装置Sの記憶手段80に記憶されている当該投票情報を消去するものとする。
カラオケ装置Kは、セットリストL0の先頭に置かれた楽曲X1をカラオケ演奏の1曲目とする。
投票用楽曲リスト生成部100は、セットリストL0から楽曲X1を削除することによりセットリストを更新し、投票用楽曲リストL1をサーバ装置Sに送信する。投票用楽曲リストL1には、楽曲X2〜楽曲X5が含まれている。サーバ装置Sの公開部82aは、投票用楽曲リストL1を公開し、投票情報の受付を開始する。
一方、演奏処理部200は、楽曲X1の演奏データを記憶手段10aから読み出し、カラオケ演奏を開始する。歌唱者は、カラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。
カラオケ装置Kの転送部300は、楽曲X1のカラオケ演奏の演奏音、歌唱者の歌唱音声、及び歌唱者を撮影して得られる動画像に基づいて歌唱動画V1を生成し、サーバ装置Sにストリーミング送信する。
この際、転送部300は、楽曲X1のカラオケ演奏を開始した時刻(演奏開始時刻)を記憶する。図7に示したように、この例において、楽曲X1の演奏開始時刻は、12:15:00である。
配信部82bは、ストリーミング送信されている歌唱動画V1を視聴者端末にライブ配信する。視聴者は、視聴者端末を介して、歌唱動画V1を視聴する。
また、視聴者は、視聴者端末を介して、公開されている投票用楽曲リストL1を閲覧する。視聴者は、視聴者端末を介して、投票用楽曲リストL1に含まれる楽曲X2〜楽曲X5のうち、歌唱者にカラオケ歌唱を行って欲しい楽曲を選択する。各視聴者端末の投票部75cは、選択された楽曲を示す投票情報をサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sの記憶手段80は、受信した投票情報を記憶する。
カラオケ装置Kは、カラオケ演奏中の楽曲X1の演奏時間(04:55)の残りが所定時間に達したことを契機として、集計部82cに対し、投票情報の集計を指示する。この例では、所定時間を「5秒」であるとする。すなわち、カラオケ装置Kは、12:19:50となったことを契機として、投票情報の集計を指示する。集計部82cは、それまでに各視聴者端末から送信された投票情報を集計して投票結果を算出する。
ここで、投票結果が楽曲X2:3000票、楽曲X3:2500票、楽曲X4:5000票、楽曲X5:1000票であったとする。
集計部82cは、投票用楽曲リストL1に含まれる楽曲の中から、投票数が最も多い楽曲X4の楽曲IDをカラオケ装置Kに送信する。決定部400は、投票用楽曲リストL1に含まれる楽曲の中から、楽曲X4を次にカラオケ演奏する楽曲として決定する。
集計部82cは、集計時点で記憶手段80に記憶されている投票情報を消去し、投票情報の受付を一旦中断する。また、カラオケ装置Kの演奏処理部200は、楽曲X1のカラオケ演奏を終了する(演奏終了時刻は12:19:55。図7参照)。転送部300は、歌唱動画V1のサーバ装置Sへのストリーミング送信を終了する。サーバ装置Sの配信部82bは、歌唱動画V1のライブ配信を終了する。視聴者は、歌唱動画V1の視聴を終了する。
投票用楽曲リスト生成部100は、セットリストL0からカラオケ演奏を行った楽曲X1及び次にカラオケ演奏する楽曲に決定した楽曲X4を削除することによりセットリストを更新し、投票用楽曲リストL2を生成する。公開部82aは、投票用楽曲リストL2を公開し、投票情報の受付を再開する。投票用楽曲リストL2には、楽曲X2、楽曲X3、及び楽曲X5が含まれている。
カラオケ装置Kの演奏処理部200は、受信した楽曲X4の楽曲IDに基づいて演奏データを読み出し、カラオケ演奏を開始する。歌唱者は、カラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。
カラオケ装置Kの転送部300は、楽曲X4のカラオケ演奏の演奏音、歌唱者の歌唱音声、及び歌唱者を撮影して得られる動画像に基づいて歌唱動画V2を生成し、サーバ装置Sにストリーミング送信する。
この際、転送部300は、楽曲X4のカラオケ演奏を開始した時刻(演奏開始時刻)を記憶する。図7に示したように、この例において、楽曲X4の演奏開始時刻は、12:20:00である。
配信部82bは、ストリーミング送信されている歌唱動画V2を視聴者端末にライブ配信する。視聴者は、視聴者端末を介して、歌唱動画V2を視聴する。
また、視聴者は、視聴者端末を介して、公開されている投票用楽曲リストL2を閲覧する。視聴者は、視聴者端末を介して、投票用楽曲リストL2に含まれる楽曲X2、楽曲X3、及び楽曲X5のうち、歌唱者にカラオケ歌唱を行って欲しい楽曲を選択する。各視聴者端末の投票部75cは、選択された楽曲を示す投票情報をサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sの記憶手段80は、受信した投票情報を記憶する。
カラオケ装置Kは、カラオケ演奏中の楽曲X4の演奏時間(05:55)の残りが所定時間に達したことを契機として、集計部82cに対し、投票情報の集計を指示する。すなわち、カラオケ装置Kは、12:25:50となったことを契機として、投票情報の集計を指示する。集計部82cは、それまでに各視聴者端末から送信された投票情報を集計して投票結果を算出する。
ここで、投票結果が楽曲X2:2000票、楽曲X3:3000票、楽曲X5:2500票であったとする。
集計部82cは、投票用楽曲リストL2に含まれる楽曲の中から、投票数が最も多い楽曲X3の楽曲IDをカラオケ装置Kに送信する。決定部400は、投票用楽曲リストL2に含まれる楽曲の中から、楽曲X3を次にカラオケ演奏する楽曲として決定する。
集計部82cは、集計時点で記憶手段80に記憶されている投票情報を消去し、投票情報の受付を一旦中断する。また、カラオケ装置Kの演奏処理部200は、楽曲X4のカラオケ演奏を終了する(演奏終了時刻は12:25:55。図7参照)。転送部300は、歌唱動画V2のサーバ装置Sへのストリーミング送信を終了する。サーバ装置Sの配信部82bは、歌唱動画V2のライブ配信を終了する。視聴者は、歌唱動画V2の視聴を終了する。
投票用楽曲リスト生成部100は、セットリストL0からカラオケ演奏を行った楽曲X1、楽曲X4、及び次にカラオケ演奏する楽曲に決定した楽曲X3を削除することによりセットリストを更新し、投票用楽曲リストL3を生成する。公開部82aは、投票用楽曲リストL3を公開し、投票情報の受付を再開する。投票用楽曲リストL3には、楽曲X2及び楽曲X5が含まれている。
カラオケ装置Kの演奏処理部200は、受信した楽曲X3の楽曲IDに基づいて演奏データを読み出し、カラオケ演奏を開始する。歌唱者は、カラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。
カラオケ装置Kの転送部300は、楽曲X3のカラオケ演奏の演奏音、歌唱者の歌唱音声、及び歌唱者を撮影して得られる動画像に基づいて歌唱動画V3を生成し、サーバ装置Sにストリーミング送信する。
この際、転送部300は、楽曲X3のカラオケ演奏を開始した時刻(演奏開始時刻)を記憶する。図7に示したように、この例において、楽曲X3の演奏開始時刻は、12:26:00である。
配信部82bは、ストリーミング送信されている歌唱動画V3を視聴者端末にライブ配信する。視聴者は、視聴者端末を介して、歌唱動画V3を視聴する。
また、視聴者は、視聴者端末を介して、公開されている投票用楽曲リストL3を閲覧する。視聴者は、視聴者端末を介して、投票用楽曲リストL3に含まれる楽曲X2及び楽曲X5のうち、歌唱者にカラオケ歌唱を行って欲しい楽曲を選択する。各視聴者端末の投票部75cは、選択された楽曲を示す投票情報をサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sの記憶手段80は、受信した投票情報を記憶する。
カラオケ装置Kは、カラオケ演奏中の楽曲X3の演奏時間(03:55)の残りが所定時間に達したことを契機として、集計部82cに対し、投票情報の集計を指示する。すなわち、カラオケ装置Kは、12:29:50となったことを契機として、投票情報の集計を指示する。集計部82cは、それまでに各視聴者端末から送信された投票情報を集計して投票結果を算出する。
ここで投票結果が楽曲X2:1000票、楽曲X5:2000票であったとする。
集計部82cは、投票用楽曲リストL3に含まれる楽曲の中から、投票数が多い方の楽曲X5の楽曲IDをカラオケ装置Kに送信する。決定部400は、投票用楽曲リストL3に含まれる楽曲の中から、楽曲X5を次にカラオケ演奏する楽曲として決定する。なお、この段階において、セットリストL0に含まれる5曲のうち、既に4曲目の楽曲が楽曲X5として決定されている。よって、これ以降は投票情報の集計処理が不要となる。
集計部82cは、集計時点で記憶手段80に記憶されている投票情報を消去し、投票情報の受付を終了する。投票用楽曲リスト生成部100は、セットリストの更新を終了する。公開部82aは、投票用楽曲リストの公開を終了する。また、カラオケ装置Kの演奏処理部200は、楽曲X3のカラオケ演奏を終了する(演奏終了時刻は12:29:55。図7参照)。転送部300は、歌唱動画V3のサーバ装置Sへのストリーミング送信を終了する。サーバ装置Sの配信部82bは、歌唱動画V3のライブ配信を終了する。視聴者は、歌唱動画V3の視聴を終了する。
その後、カラオケ装置Kの演奏処理部200は、受信した楽曲X5の楽曲IDに基づいて演奏データを読み出し、カラオケ演奏を開始する。歌唱者は、カラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。
カラオケ装置Kの転送部300は、楽曲X5のカラオケ演奏の演奏音、歌唱者の歌唱音声、及び歌唱者を撮影して得られる動画像に基づいて歌唱動画V4を生成し、サーバ装置Sにストリーミング送信する。なお、この例において、楽曲X5の演奏開始時刻は、12:30:00である。また、楽曲X5の演奏時間は04:25である。
配信部82bは、ストリーミング送信されている歌唱動画V4を視聴者端末にライブ配信する。視聴者は、視聴者端末を介して、歌唱動画V4を視聴する。
その後、カラオケ装置Kの演奏処理部200は、楽曲X5のカラオケ演奏を終了する(演奏終了時刻は12:34:25。図7参照)。転送部300は、歌唱動画V4のサーバ装置Sへのストリーミング送信を終了する。サーバ装置Sの配信部82bは、歌唱動画V4のライブ配信を終了する。視聴者は、歌唱動画V4の視聴を終了する。
最後に、カラオケ装置Kの演奏処理部200は、セットリストL0に含まれる楽曲のうち、残っている楽曲X2の演奏データを読み出し、カラオケ演奏を開始する。歌唱者は、カラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。
カラオケ装置Kの転送部300は、楽曲X2のカラオケ演奏の演奏音、歌唱者の歌唱音声、及び歌唱者を撮影して得られる動画像に基づいて歌唱動画V5を生成し、サーバ装置Sにストリーミング送信する。なお、この例において、楽曲X2の演奏開始時刻は、12:34:30である。また、楽曲X2の演奏時間は05:30である。
配信部82bは、ストリーミング送信されている歌唱動画V5を視聴者端末にライブ配信する。視聴者は、視聴者端末を介して、歌唱動画V5を視聴する。
その後、カラオケ装置Kの演奏処理部200は、楽曲X2のカラオケ演奏を終了する(演奏終了時刻は12:40:00。図7参照)。転送部300は、歌唱動画V5のサーバ装置Sへのストリーミング送信を終了する。サーバ装置Sの配信部82bは、歌唱動画V5のライブ配信を終了する。視聴者は、歌唱動画V5の視聴を終了する。
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、カラオケ装置Kと、歌唱動画を視聴する視聴者が操作する複数の視聴者端末(利用者端末M2〜利用者端末Mn)と、カラオケ装置K及び視聴者端末と通信可能なサーバ装置Sと、を含む。カラオケ装置Kは、カラオケ歌唱を行う複数の楽曲により構成されたセットリストからカラオケ演奏を行う楽曲を削除することにより、当該セットリストを更新した投票用楽曲リストを生成し、サーバ装置Sに送信する投票用楽曲リスト生成部100と、楽曲の演奏データに基づいてカラオケ演奏を行う演奏処理部200と、演奏処理部200が行うカラオケ演奏の演奏音と、マイク40により集音されたカラオケ歌唱の歌唱音声と、カラオケ歌唱を行う歌唱者をカメラ60により撮影して得られる動画像とに基づいて歌唱動画を生成し、サーバ装置Sにストリーミング送信する転送部300と、サーバ装置Sから受信した投票結果に基づいて、投票用楽曲リストに含まれる楽曲の中から、演奏処理部200がカラオケ演奏する次の楽曲を決定する決定部400と、を有する。視聴者端末は、サーバ装置Sがライブ配信する歌唱動画を表示手段72に表示させる第1の表示制御部75aと、サーバ装置Sが公開した投票用楽曲リストを表示手段72に表示させる第2の表示制御部75bと、投票用楽曲リストに含まれる楽曲のうち、歌唱者にカラオケ歌唱を行って欲しい楽曲として視聴者が選択した楽曲を示す投票情報をサーバ装置Sに送信する投票部75cと、を有する。サーバ装置Sは、カラオケ装置Kから受信した投票用楽曲リストを公開する公開部82aと、カラオケ装置Kがストリーミング送信中の歌唱動画を視聴者端末にライブ配信する配信部82bと、複数の視聴者端末から送信され、サーバ装置Sの記憶手段80に記憶された投票情報を集計して投票結果を算出し、カラオケ装置Kに送信する集計部82cと、を有する。
このようなカラオケシステム1によれば、視聴者が投票用楽曲リストを参照しながら、聴きたいと思う楽曲を選ぶことができる。よって、視聴者が流動的な場合(たとえば歌唱動画の途中から視聴を開始する視聴者)であっても、その都度、自らが聴きたいと思う楽曲を選ぶことができる。また、このようなカラオケシステム1によれば、視聴者からの投票によって、次にカラオケ歌唱をする楽曲(歌唱動画をストリーミング送信する楽曲)が自動的に決定される。よって、不特定多数の視聴者が居る場合であっても、多くの視聴者が聴きたいと思う楽曲から優先的にカラオケ演奏がなされ、歌唱動画がストリーミング送信される。また、歌唱者は楽曲を選曲する手間がかからないため、視聴者からのコメント等への対応も行い易くなる。更に、カラオケ装置Kを利用することにより、演奏音や歌唱音声が高品質の歌唱動画を取得することができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケシステム1によれば、カラオケ装置を利用して歌唱動画をライブ配信する際に、視聴者が聴きたい楽曲を容易に決定することができる。
また、本実施形態に係るカラオケシステム1におけるカラオケ装置Kは、カラオケ演奏中の楽曲の演奏時間の残りが所定時間に達したことを契機として、集計部82cに対し、投票情報の集計を指示することができる。このようなカラオケシステム1によれば、ライブ配信されている歌唱動画毎に、投票情報の集計を行うタイミングを設定することができる。
また、本実施形態に係るカラオケシステム1における集計部82cは、投票情報の集計を行った後、サーバ装置Sの記憶手段80に記憶されている当該投票情報を消去することができる。このようなカラオケシステム1によれば、投票情報を都度消去するため、投票結果に過去の視聴者(現時点では視聴していない視聴者)の投票情報が反映されることが無い。従って、視聴者の流動性が高いような場合であっても、現時点で視聴している視聴者が聴きたいと思う楽曲をより的確に決定することができる。
また、本実施形態に係るカラオケシステム1における演奏処理部200は、セットリストに含まれる全ての楽曲のカラオケ演奏を行うことができる。この場合、カラオケ装置Kは、歌唱者がカラオケ歌唱を希望する楽曲全てについて、歌唱動画をストリーミング送信することができる。
<第2実施形態>
次に、図8を参照して、第2実施形態に係るカラオケシステムについて説明する。本実施形態では、セットリストに含まれる楽曲の一部について歌唱動画をストリーミング送信する例について述べる。第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
[演奏処理部]
本実施形態に係る演奏処理部200は、歌唱者からの操作入力に基づいて楽曲のカラオケ演奏を開始する。
歌唱者によっては、任意のタイミングでカラオケ歌唱を開始したいと考える者もいる。或いは、ライブ配信においては、これからカラオケ歌唱する楽曲の解説をしたり、視聴者からのコメントに応えるといった、カラオケ歌唱を行っていない動画(以下、トーク動画という)が配信されることもある。このような場合、カラオケ演奏の開始タイミングを歌唱者が指示できることが望ましい。
そこで、本実施形態に係る演奏処理部200は、リモコン装置50を介して歌唱者から演奏開始の指示があるまではカラオケ演奏を行わない。演奏処理部200は、歌唱者からの操作入力があった場合に、カラオケ演奏を開始する。
なお、トーク動画の取得やストリーミング送信については、歌唱動画の取得やストリーミング送信と同様に行うことができる。すなわち、マイク40は、歌唱者が話している音声を集音する。カメラ60は、歌唱者が話している姿を撮影し、動画像を得る。転送部300は、音声及び動画像を合成することでトーク動画を生成し、サーバ装置Sにストリーミング送信する。
更に、本実施形態に係る演奏処理部200は、カラオケ演奏を行うことを決定した次の楽曲のカラオケ演奏が、設定された配信時間中または配信終了時刻までに終了できない場合には、当該次の楽曲のカラオケ演奏を行わない。
配信時間は、ライブ配信を行う時間(歌唱動画等をストリーミング送信する時間)である。配信終了時刻は、ライブ配信を終了する時刻(歌唱動画等のストリーミング送信を止める時刻)である。配信時間または配信終了時刻は、たとえば歌唱動画等のストリーミング送信を開始する前に、リモコン装置50を介して歌唱者が任意の時間(30分、1時間等)または任意の時刻(15:00:00まで等)を設定できる。なお、配信時間または配信終了時刻を設定する際、歌唱者は配信開始時刻を併せて設定してもよい。また、配信時間または配信終了時刻の設定は、ライブ配信の途中(たとえば、いくつかの歌唱動画をストリーミング送信した時点)で行ってもよい。
たとえば、歌唱者が設定した配信終了時刻が16:00:00であり、現在時刻が15:55:00であり、次の楽曲として決定された楽曲の演奏時間が06:00であるとする。この場合、次の楽曲をカラオケ演奏している最中(歌唱動画をストリーミング送信している最中)に、配信終了時刻が到来する。このような場合には、次の楽曲のカラオケ演奏が不要となる。よって、演奏処理部200は、次の楽曲の演奏データを記憶手段10aから読み出さない。このような場合、セットリストに含まれる楽曲の一部のみについて歌唱動画がストリーミング送信されることとなる。
==カラオケシステムにおける処理の具体例==
ここで、本実施形態に係るカラオケシステム1における処理をより具体的に説明する。この例では、カラオケ装置Kの投票用楽曲リスト生成部100が、楽曲X1〜楽曲X5を含むセットリストL0を生成したとする。また、セットリストL0の先頭に置かれた楽曲X1をカラオケ演奏の1曲目とする。また、歌唱者が予め配信開始時刻として12:14:00、配信終了時刻として12:34:00を設定したとする。なお、配信開始時刻から配信終了時刻まで(配信時間)は、少なくともセットリストの1曲目の演奏時間よりも十分に長いものとなるよう設定される。更に、カラオケ装置Kは、カラオケ演奏中の楽曲の演奏時間の残りが所定時間に達したことを契機として、投票情報の集計を開始するよう集計部82cに指示するものとする。集計部82cは、当該指示に基づいて投票情報の集計を行うものとする。更に、集計部82cは、投票情報の集計を行った後、サーバ装置Sの記憶手段80に記憶されている当該投票情報を消去するものとする。
配信開始時刻(12:14:00)が到来した場合、歌唱者は、まずトークT1を開始する。この場合、カラオケ装置Kの転送部300は、トークT1の音声、及び歌唱者を撮影して得られる動画像に基づいてトーク動画W1を生成し、サーバ装置Sにストリーミング送信する。
配信部82bは、ストリーミング送信されているトーク動画W1を視聴者端末にライブ配信する。視聴者は、視聴者端末を介して、トーク動画W1を視聴する。
トークT1を終えた歌唱者は、リモコン装置50によりカラオケ演奏の開始の操作入力を行う。カラオケ演奏開始の操作入力に伴い、転送部300は、トーク動画W1のサーバ装置Sへのストリーミング送信を終了する。サーバ装置Sの配信部82bは、トーク動画W1のライブ配信を終了する。視聴者は、トーク動画W1の視聴を終了する。
投票用楽曲リスト生成部100は、セットリストL0から楽曲X1を削除することによりセットリストを更新し、投票用楽曲リストL1をサーバ装置Sに送信する。投票用楽曲リストL1には、楽曲X2〜楽曲X5が含まれている。サーバ装置Sの公開部82aは、投票用楽曲リストL1を公開し、投票情報の受付を開始する。
一方、カラオケ演奏の開始の操作入力に基づき、カラオケ装置Kの演奏処理部200は、楽曲X1の演奏データに基づいてカラオケ演奏を開始する。歌唱者は、カラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。カラオケ装置Kの転送部300は、楽曲X1のカラオケ演奏の演奏音、歌唱者の歌唱音声、及び歌唱者を撮影して得られる動画像に基づいて歌唱動画V1を生成し、サーバ装置Sにストリーミング送信する。
この際、転送部300は、楽曲X1のカラオケ演奏を開始した時刻(演奏開始時刻)を記憶する。図8に示したように、この例において、楽曲X1の演奏開始時刻は、12:15:00である。
配信部82bは、ストリーミング送信されている歌唱動画V1を視聴者端末にライブ配信する。視聴者は、視聴者端末を介して、歌唱動画V1を視聴する。
また、視聴者は、視聴者端末を介して、公開されている投票用楽曲リストL1を閲覧する。視聴者は、視聴者端末を介して、投票用楽曲リストL1に含まれる楽曲X2〜楽曲X5のうち、歌唱者にカラオケ歌唱を行って欲しい楽曲を選択する。各視聴者端末の投票部75cは、選択された楽曲を示す投票情報をサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sの記憶手段80は、受信した投票情報を記憶する。
カラオケ装置Kは、カラオケ演奏中の楽曲X1の演奏時間(04:55)の残りが所定時間に達したことを契機として、集計部82cに対し、投票情報の集計を指示する。この例では、所定時間を「5秒」であるとする。すなわち、カラオケ装置Kは、12:19:50となったことを契機として、投票情報の集計の開始を指示する。集計部82cは、それまでに各視聴者端末から送信された投票情報を集計して投票結果を算出する。
ここで、投票結果が楽曲X2:3000票、楽曲X3:2500票、楽曲X4:5000票、楽曲X5:1000票であったとする。
集計部82cは、投票用楽曲リストL1に含まれる楽曲の中から、投票数が最も多い楽曲X4の楽曲IDをカラオケ装置Kに送信する。決定部400は、投票用楽曲リストL1に含まれる楽曲の中から、楽曲X4を次にカラオケ演奏する楽曲として決定する。
集計部82cは、集計時点で記憶手段80に記憶されている投票情報を消去し、投票情報の受付を一旦中断する。また、カラオケ装置Kの演奏処理部200は、楽曲X1のカラオケ演奏を終了する(演奏終了時刻は12:19:55。図8参照)。転送部300は、歌唱動画V1のサーバ装置Sへのストリーミング送信を終了する。サーバ装置Sの配信部82bは、歌唱動画V1のライブ配信を終了する。視聴者は、歌唱動画V1の視聴を終了する。
ここで、演奏処理部200は、これまで行われたトークの平均時間と次の楽曲(2曲目)として決定された楽曲X4の演奏時間を現在時刻に加算し、配信終了時刻との差分が残りの3曲それぞれの演奏時間より長いか否かを確認することにより、次の楽曲X4を最後の楽曲とするか否かを判断する。なお、この際、楽曲X4の演奏終了後にトークを行うための予備時間を加味してもよい。
図8に示したように、これまで行われたトークT1の時間は01:00であり、楽曲X4の演奏時間は05:55であり、現在時刻(すなわち楽曲X1のカラオケ演奏終了時刻)は12:19:55である。よって、楽曲X4をカラオケ歌唱する前に行うトークT2の予備時間を含めた楽曲X4の演奏終了推定時刻は、12:26:10となり、配信終了時刻(12:34:00)との差分は07:50となる。ここで残り3曲の演奏時間のうち、最長の演奏時間は楽曲X2の05:30である。従って、いずれの楽曲もカラオケ演奏が可能であるため、演奏処理部200は、楽曲X4を最後の楽曲とはしない。
以上のように、決定部400は、投票用楽曲リストL1に含まれる楽曲の中から、楽曲X4を次にカラオケ演奏する楽曲として決定する。投票用楽曲リスト生成部100は、セットリストL0からカラオケ演奏を行った楽曲X1及び次にカラオケ演奏する楽曲に決定した楽曲X4を削除することによりセットリストを更新し、投票用楽曲リストL2をサーバ装置Sに送信する。投票用楽曲リストL2には、楽曲X2、楽曲X3、楽曲X5が含まれている。
ここで、楽曲X1のカラオケ歌唱の後、歌唱者がトークT2を開始したとする。この場合、カラオケ装置Kの転送部300は、トークT2の音声、及び歌唱者を撮影して得られる動画像に基づいてトーク動画W2を生成し、サーバ装置Sにストリーミング送信する。
配信部82bは、ストリーミング送信されているトーク動画W2を視聴者端末にライブ配信する。視聴者は、視聴者端末を介して、トーク動画W2を視聴する。
トークT2を終えた歌唱者は、リモコン装置50によりカラオケ演奏の開始の操作入力を行う。カラオケ演奏開始の操作入力に伴い、転送部300は、トーク動画W2のサーバ装置Sへのストリーミング送信を終了する。サーバ装置Sの配信部82bは、トーク動画W2のライブ配信を終了する。視聴者は、トーク動画W2の視聴を終了する。
一方、カラオケ演奏の開始の操作入力に基づき、カラオケ装置Kの演奏処理部200は、楽曲X4の演奏データに基づいてカラオケ演奏を開始する。歌唱者は、カラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。カラオケ装置Kの転送部300は、楽曲X4のカラオケ演奏の演奏音、歌唱者の歌唱音声、及び歌唱者を撮影して得られる動画像に基づいて歌唱動画V2を生成し、サーバ装置Sにストリーミング送信する。
この際、転送部300は、楽曲X4のカラオケ演奏を開始した時刻(演奏開始時刻)を記憶する。図8に示したように、この例において、楽曲X4の演奏開始時刻は、12:22:00である。
配信部82bは、ストリーミング送信されている歌唱動画V2を視聴者端末にライブ配信する。視聴者は、視聴者端末を介して、歌唱動画V2を視聴する。また、サーバ装置Sの公開部82aは、投票用楽曲リストL2を公開し、投票情報の受付を開始する。
視聴者は、視聴者端末を介して、公開されている投票用楽曲リストL2を閲覧する。視聴者は、視聴者端末を介して、投票用楽曲リストL2に含まれる楽曲X2、楽曲X3、及び楽曲X5のうち、歌唱者にカラオケ歌唱を行って欲しい楽曲を選択する。各視聴者端末の投票部75cは、選択された楽曲を示す投票情報をサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sの記憶手段80は、受信した投票情報を記憶する。
カラオケ装置Kは、カラオケ演奏中の楽曲X4の演奏時間(05:55)の残りが所定時間に達したことを契機として、集計部82cに対し、投票情報の集計を指示する。すなわち、カラオケ装置Kは、12:27:50となったことを契機として、投票情報の集計の開始を指示する。集計部82cは、それまでに各視聴者端末から送信された投票情報を集計して投票結果を算出する。
ここで、投票結果が楽曲X2:2000票、楽曲X3:3000票、楽曲X5:2500票であったとする。
集計部82cは、投票用楽曲リストL2に含まれる楽曲の中から、投票数が最も多い楽曲X3の楽曲IDをカラオケ装置Kに送信する。決定部400は、投票用楽曲リストL2に含まれる楽曲の中から、楽曲X3を次にカラオケ演奏する楽曲として決定する。
集計部82cは、集計時点で記憶手段80に記憶されている投票情報を消去し、投票情報の受付を一旦中断する。また、カラオケ装置Kの演奏処理部200は、楽曲X4のカラオケ演奏を終了する(演奏終了時刻は12:27:55。図8参照)。転送部300は、歌唱動画V2のサーバ装置Sへのストリーミング送信を終了する。サーバ装置Sの配信部82bは、歌唱動画V2のライブ配信を終了する。視聴者は、歌唱動画V2の視聴を終了する。
ここで、演奏処理部200は、これまで行われたトークの平均時間と次の楽曲(3曲目)として決定された楽曲X3の演奏時間を現在時刻に加算し、配信終了時刻との差分が残りの2曲それぞれの演奏時間より長いか否かを確認することにより、次の楽曲X3を最後の楽曲とするか否かを判断する。
図8に示したように、これまで行われたトークT1及びトークT2の平均時間は01:33であり、楽曲X3の演奏時間は03:55であり、現在時刻(すなわち楽曲X4のカラオケ演奏終了時刻)は12:27:55である。よって、楽曲X3をカラオケ歌唱する前に行うトークT3の予備時間を含めた楽曲X3の演奏終了推定時刻は、12:33:13となり、配信終了時刻(12:34:00)との差分は00:47となる。ここで残り2曲の演奏時間はいずれも00:47より長いため、これ以上のカラオケ演奏はできない。従って、演奏処理部200は、楽曲X3を最後の楽曲とする。最後の楽曲の決定に伴い、セットリストの更新、投票用楽曲リストの公開、投票情報の集計等に関わる処理は終了する。
楽曲X4のカラオケ歌唱の後、歌唱者は、トークT3を開始したとする。この場合、カラオケ装置Kの転送部300は、トークT3の音声、及び歌唱者を撮影して得られる動画像に基づいてトーク動画W3を生成し、サーバ装置Sにストリーミング送信する。
配信部82bは、ストリーミング送信されているトーク動画W3を視聴者端末にライブ配信する。視聴者は、視聴者端末を介して、トーク動画W3を視聴する。
トークT3を終えた歌唱者は、リモコン装置50によりカラオケ演奏の開始の操作入力を行う。カラオケ演奏開始の操作入力に伴い、転送部300は、トーク動画W3のサーバ装置Sへのストリーミング送信を終了する。サーバ装置Sの配信部82bは、トーク動画W3のライブ配信を終了する。視聴者は、トーク動画W3の視聴を終了する。
一方、カラオケ演奏の開始の操作入力に基づき、カラオケ装置Kの演奏処理部200は、楽曲X3の演奏データに基づいてカラオケ演奏を開始する。歌唱者は、カラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。カラオケ装置Kの転送部300は、楽曲X3のカラオケ演奏の演奏音、歌唱者の歌唱音声、及び歌唱者を撮影して得られる動画像に基づいて歌唱動画V3を生成し、サーバ装置Sにストリーミング送信する。なお、図8に示したように、この例において、楽曲X3の演奏開始時刻は、12:29:00である。
配信部82bは、ストリーミング送信されている歌唱動画V3を視聴者端末にライブ配信する。視聴者は、視聴者端末を介して、歌唱動画V3を視聴する。
その後、カラオケ装置Kの演奏処理部200は、楽曲X3のカラオケ演奏を終了する(演奏終了時刻は12:32:55。図8参照)。転送部300は、歌唱動画V3のサーバ装置Sへのストリーミング送信を終了する。サーバ装置Sの配信部82bは、歌唱動画V3のライブ配信を終了する。視聴者は、歌唱動画V3の視聴を終了する。
楽曲X3のカラオケ歌唱の後、歌唱者は、配信終了時刻(12:34:00)までトークT4を行う。この場合、カラオケ装置Kの転送部300は、トークT4の音声、及び歌唱者を撮影して得られる動画像に基づいてトーク動画W4を生成し、サーバ装置Sにストリーミング送信する。
配信部82bは、ストリーミング送信されているトーク動画W4を視聴者端末にライブ配信する。視聴者は、視聴者端末を介して、トーク動画W4を視聴する。
配信終了時刻(12:34:00)が到来した場合、転送部300は、トーク動画W4のサーバ装置Sへのストリーミング送信を終了する。サーバ装置Sの配信部82bは、トーク動画W4のライブ配信を終了する。視聴者は、トーク動画W4の視聴を終了する。この例の場合、セットリストL0に含まれている楽曲のうち、楽曲X2及び楽曲X5については、カラオケ演奏が行われない。
このように、本実施形態に係るカラオケシステム1において、演奏処理部200は、歌唱者からの操作入力に基づいて楽曲のカラオケ演奏を開始し、カラオケ演奏を行うことを決定した次の楽曲のカラオケ演奏が、設定された配信時間中または配信終了時刻までに終了できない場合には、当該次の楽曲のカラオケ演奏を行わない。このようなカラオケシステム1によれば、歌唱者が希望する時間または時刻において、セットリストに含まれる楽曲の中から視聴者が聴きたい楽曲を優先的にカラオケ演奏し、歌唱動画をライブ配信することができる。
<その他>
上記実施形態においてカラオケ装置K及びサーバ装置Sが有する構成は一例である。たとえば、集計部82cをカラオケ装置Kに設けることができる。この場合、サーバ装置Sは、視聴者端末から受信した投票情報をカラオケ装置Kに転送する。或いは、決定部400をサーバ装置Sに設けることもできる。この場合、カラオケ装置Kは、サーバ装置Sによって決定された次の楽曲を識別するための楽曲IDを受信し、当該楽曲IDに応じて演奏データを読み出し、カラオケ演奏を行う。
また、第2実施形態の例において、トーク動画をストリーミング送信する例について述べたが、トーク動画のストリーミング送信は必須ではない。逆に、第1実施形態の構成においてトーク動画をストリーミング送信してもよい。この場合、演奏処理部200は、第2実施形態と同様、歌唱者からの操作入力に基づいて楽曲のカラオケ演奏を開始することが好ましい。
第1実施形態の処理と第2実施形態の処理を併用してもよい。たとえば、カラオケシステム1は、セットリストに含まれる楽曲の総演奏時間と、歌唱者が設定した配信時間とを比較する。そして、総演奏時間が配信時間よりも短い場合、カラオケシステム1は、第1実施形態の処理を実行する。逆に、総演奏時間が配信時間よりも長い場合、カラオケシステム1は、第2実施形態の処理を実行する。
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。