JP2020134731A - 画像形成装置 - Google Patents

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正典 田中
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友紀 山本
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Abstract

【課題】潤滑剤の帯電極性側のΔVb−dを設けることができない電源構成の場合においても、現像装置の使用を開始する際に潤滑剤が規制部材に融着することを抑制することのできる画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置100は、潤滑剤が塗布された現像剤担持体41と、規制部材43と、現像剤担持体41及び規制部材43に電圧を印加する共通電源70と、画像形成時に共通電源70から絶対値が所定値より大きい電圧が出力されることでΔVb−dを現像剤の帯電極性側である第1の電位差に保持する電圧保持部ZD1と、現像剤担持体41の使用を開始する際に所定の動作を実行させることが可能な制御部50と、を有し、制御部50は、上記所定の動作において、共通電源70から絶対値が上記所定値より小さい電圧を出力してΔVb−dを現像剤の帯電極性側で絶対値が上記第1の電位差よりも小さい第2の電位差とした状態を維持することを行わせる構成とする。【選択図】図7

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、あるいはこれらの機能のうち複数の機能を備えた複合機などの画像形成装置に関するものである。
電子写真方式などを用いた画像形成装置には、像担持体上の静電像にトナーを付着させて現像する現像装置が設けられている。この現像装置は、単独で、又は感光体などの他の部材と共に、画像形成装置の装置本体に対して着脱可能なカートリッジとされることがある。また、新品のカートリッジは、輸送中の衝撃や振動などによりトナー収容室に収容されているトナーがカートリッジ外にこぼれ出さないように、使用が開始されるまでトナー収容室がシール部材によりシールされることがある。そして、このシール部材は、新品のカートリッジの使用が開始される際に、ユーザーなどの操作者により、あるいは画像形成装置に設けられた開封機構により自動的に開封される。その後、新品のカートリッジは、現像ローラに十分な量のトナーが供給されると、現像に使用することが可能となる。このとき、シール部材の開封後に、現像ローラの回転が開始され、現像ローラに十分な量のトナーが供給されるまでには、一定の時間がかかる。現像ローラに十分な量のトナーが供給されていない間は、現像ローラと現像ブレードとの間の摩擦抵抗が大きくなる。この現象に対して何らの対策もとらない場合には、現像ブレードが捲れ上がったり、現像ローラに駆動を伝達する駆動伝達系のギアが破損したりする可能性がある。そこで、この現象に対して、次のような対策が提案されている。
特許文献1では、新品の現像装置の現像ローラの表面に潤滑剤として作用する粉体を塗布しておく方法が提案されている。また、特許文献2では、現像装置の初期使用段階における画像濃度の低下を抑制するために、新品の現像装置の現像ローラの表面に塗布する潤滑剤としてトナーとは逆極性に帯電する潤滑剤を用いることが提案されている。さらに、特許文献3では、トナーとは逆極性に帯電する潤滑剤を用いる構成において、潤滑剤が現像ブレードに融着することを抑制するために、現像装置の使用を開始する際に次のような潤滑剤吐き出しモードを行うことが提案されている。つまり、潤滑剤吐き出しモードでは、現像ブレードに印加される電圧から現像ローラに印加される電圧を引いた電位差が潤滑剤の帯電極性側又は0になるように制御を行う。
なお、ここでは、規制部材(現像ブレード)に印加される電圧から現像剤担持体(現像ローラ)に印加される電圧を引いた電位差を「規制部材−現像ローラ間電位差」ともいう。また、この「規制部材−現像ローラ間電位差」を「ΔVb−d」と表すことができる。
特開平8−227212号公報 特許4261941号公報 特開2018−180379号公報
しかしながら、画像形成装置の電源構成によっては、潤滑剤の帯電極性側のΔVb−dを設けることができないことがある。具体的には、現像ローラ及び現像ブレードに電圧を印加する電源を共通化した場合などである。このような構成において、現像装置の使用を開始する際に、画像形成時と同等のトナーの帯電極性側のΔVb−dを設けてしまうと、現像ブレードへの潤滑剤の融着が発生し、スジ状の画像不良などを引き起こしてしまう可能性がある。
したがって、本発明の目的は、潤滑剤の帯電極性側のΔVb−dを設けることができない電源構成の場合においても、現像装置の使用を開始する際に潤滑剤が規制部材に融着することを抑制することのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、現像剤を担持する現像剤担持体であって、現像剤を担持する前に潤滑剤が塗布されており、前記潤滑剤は摺擦されることで現像剤の帯電極性とは逆極性に帯電するものである現像剤担持体と、前記現像剤担持体に当接し前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、前記現像剤担持体及び前記規制部材に現像剤の帯電極性と同極性の電圧を印加する共通電源と、画像形成時に、前記共通電源から絶対値が所定値より大きい電圧が出力されることで、前記規制部材に印加される電圧から前記現像剤担持体に印加される電圧を引いた電位差であるΔVb−dを、現像剤の帯電極性側である第1の電位差に保持する電圧保持部と、前記現像剤担持体の使用を開始する際に所定の動作を実行させることが可能な制御部と、を有し、前記制御部は、前記所定の動作において、前記共通電源から絶対値が前記所定値より小さい電圧を出力して前記ΔVb−dを現像剤の帯電極性側で絶対値が前記第1の電位差よりも小さい第2の電位差とした状態を維持することを行わせることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、潤滑剤の帯電極性側のΔVb−dを設けることができない電源構成の場合においても、現像装置の使用を開始する際に潤滑剤が規制部材に融着することを抑制することができる。
実施例1の画像形成装置の概略断面図である。 新品のプロセスカートリッジの概略断面図である。 画像形成装置の要部の制御態様を示す概略ブロック図である。 実施例1における電源構成を示す概略回路図である。 実施例1における電源出力と各バイアスとの関係を示すグラフ図である。 実施例1の初期設置動作の制御のフローチャート図である。 実施例1の初期設置動作時のタイミングチャート図である。 実施例2の画像形成装置の概略断面図である。 実施例2における電源構成を示す概略回路図である。 実施例2における電源出力と各バイアスとの関係を示すグラフ図である。 実施例2の初期設置動作のタイミングチャート図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いたカートリッジ方式のレーザビームプリンタである。
画像形成装置100は、像担持体としての回転可能なドラム型(円筒形)の感光体(電子写真感光体)である感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、感光体駆動手段としてのドラム駆動モータ20(図3)により図中矢印で示す時計回り方向に回転駆動される。感光ドラム1は、アルミニウムなどの導電性材料で形成された基材の上に電荷発生層と電荷輸送層とをこの順番で形成して構成された有機感光体である。
回転する感光ドラム1の表面は、帯電手段としてのローラ型の帯電部材である帯電ローラ2により、所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に一様に帯電処理される。帯電ローラ2は、感光ドラム1の表面に接触して配置されており、感光ドラム1の回転に伴って従動して回転する。帯電工程時に、帯電ローラ2には、帯電電源(高圧電源)80により、現像時のトナーの帯電極性であるトナーの正規の帯電極性(ここでは、単に「帯電極性」ともいう。)と同極性(本実施例では負極性)の直流電圧である所定の帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。これにより、感光ドラム1上に一様に負極性の暗電位が形成される。本実施例では、画像形成時には、帯電ローラ2に、帯電電圧として−1000Vの直流電圧が印加され、感光ドラム1の表面は−500Vの暗電位に一様に帯電処理される。なお、帯電ローラ2に関して画像形成時とは、より詳細には、感光ドラム1の表面を静電像の形成に適するように所定の暗電位に一様に帯電処理する時である。
帯電処理された感光ドラム1の表面は、露光手段としての露光装置(レーザ露光ユニット)3により画像データに応じて露光され、感光ドラム1上に画像データに応じた静電像(静電潜像)が形成される。露光装置3は、画像データに応じて変調したレーザビームを、感光ドラム1の回転軸線方向(主走査方向)に走査しながら照射することを、感光ドラム1の回転に伴い感光ドラム1の周方向(副走査方向)において繰り返し行う。これにより、感光ドラム1上のレーザビームが照射された部分の電荷の少なくとも一部が除去されて明電位が形成される。このようにして、感光ドラム1上に暗電位と明電位とからなる静電像が形成される。本実施例では、画像形成時に、一様に帯電処理された後に露光装置3により露光された箇所の感光ドラム1の明電位は−100Vとなる。
感光ドラム1上に形成された静電像は、現像手段としての現像装置4により現像剤としてのトナーが供給されて現像(可視化)され、感光ドラム1上にトナー像(現像剤像)が形成される。現像工程時に、現像装置4が備える現像ローラ41には、後述する共通電源(高圧電源)70により、トナーの帯電極性と同極性の直流電圧である所定の現像電圧(現像バイアス)が印加される。本実施例では、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム1上の露光部(イメージ部)に、感光ドラム1の帯電極性と同極性に帯電したトナーが付着する(反転現像)。現像装置4については後述して更に詳しく説明する。
感光ドラム1と対向して、転写手段としてのローラ型の転写部材である転写ローラ5が配置されている。転写ローラ5は、感光ドラム1に向けて押圧され、感光ドラム1と転写ローラ5との接触部である転写部(転写ニップ)Nを形成する。感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写部Nにおいて、転写ローラ5の作用により、感光ドラム1と転写ローラ5とに挟持されて搬送されている紙などの記録材(シート、転写材)P上に転写される。転写工程時に、転写ローラ5には、転写電源(高圧電源)81により、トナーの帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である所定の転写電圧(転写バイアス)が印加される(2kV程度)。記録材Pは、記録材収容部としてのカセットなどに収容されており、感光ドラム1上のトナー像とタイミングが合わされて転写部Nに搬送される。なお、転写ローラ5に関して画像形成時とは、より詳細には、感光ドラム1上のトナー像を記録材Pに転写する時である。
トナー像が転写された記録材Pは、定着手段としての定着装置9に送られる。定着装置9は、未定着のトナー像を担持した記録材Pに熱及び圧力を加え、トナー像を記録材Pに定着(溶融、固着)させる。トナー像が定着された記録材Pは、画像形成装置100の装置本体110の外部に排出される。
一方、転写工程時に記録材Pに転写されずに感光ドラム1上に残ったトナー(転写残トナー)は、クリーニング手段としてのクリーニング装置6により感光ドラム1上から除去されて回収される。クリーニング装置6は、感光ドラム1の表面に当接して配置されたクリーニング部材としてのクリーニングブレード61により、回転する感光ドラム1の表面から転写残トナーを掻き取って、廃トナー容器62内に収容する。
本実施例では、感光ドラム1と、感光ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像装置4及びクリーニング装置6と、は一体的に画像形成装置100の装置本体110に対して着脱可能なプロセスカートリッジ10を構成する。プロセスカートリッジ(以下、単に「カートリッジ」ともいう。)10は、例えば現像装置4に収容されたトナーの量が所定量以下になった場合などに新品と交換される。なお、装置本体110とは、画像形成装置100の構成から少なくとも着脱可能な構成を除いた装置構成部分のことである。例えば、カートリッジ10が装置本体110に着脱可能な構成の場合は、画像形成装置100の構成からカートリッジ10を除いた装置構成部分を装置本体110とする。
2.現像装置
次に、本実施例における現像装置4について更に説明する。現像装置4は、感光ドラム1と対向する位置に開口部を有する現像容器44を有する。現像容器44内には、現像剤として非磁性一成分現像剤である重合トナーtが収容されている。また、現像装置4は、現像剤担持体としての現像ローラ41と、現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ42と、を有する。現像ローラ41及びトナー供給ローラ42は、それぞれ回転可能に現像容器44に支持されている。現像ローラ41は、トナーtを担持して感光ドラム1と対向する位置(現像位置)まで搬送する。トナー供給ローラ42は、現像ローラ41上にトナーtを供給すると共に、現像に供されなかったトナーtを現像ローラ41から剥ぎ取る。現像ローラ41は、感光ドラム1の表面(外周面)に接触して配置されており、駆動手段としての現像駆動モータ21(図3)からの駆動力が伝達されて図中矢印で示す反時計回り方向に回転駆動される。トナー供給ローラ42は、現像ローラ41の表面(外周面)に接触して配置されており、現像駆動モータ21からの駆動力が伝達されて図中矢印で示す反時計回り方向に回転駆動される。つまり、現像ローラ41の回転方向とトナー供給ローラ42の回転方向とは同一の方向(接触部において互いに逆方向に移動する方向)である。また、現像装置4は、規制部材としての現像ブレード43を有する。現像ブレード43は、現像ローラ41上に担持されるトナーtの量(層厚)を規制して現像ローラ41上に所定の層厚のトナーtの薄層を形成すると共に、現像ローラ41上のトナーtを摩擦帯電させる。また、現像装置4は、現像容器44の内部にトナー搬送部材45を有する。トナー搬送部材45は、回転軸を中心に回転可能に現像容器44に支持されている。トナー搬送部材45は、現像駆動モータ21からの駆動力が伝達されて図中時計回り方向に回転駆動される。トナー搬送部材45の回転により、現像容器44内でトナーtが撹拌されると共に、トナー供給ローラ42に向けてトナーtが搬送される。
現像ローラ41は、金属製の芯金(芯材)の周囲に、導電性弾性体層として所定の体積抵抗率を有する導電性弾性ゴム層が設けられて構成されている。トナー供給ローラ42は、金属製の芯金(芯材)の周囲に、発泡弾性体層として発泡ウレタン層が設けられて構成されている。この発泡ウレタン層の表層では発泡セルが開口しており、トナーtを保持及び搬送し易くなっている。現像ブレード43は、可撓性を有するSUSなどの導電性弾性体で構成されている。現像ブレード43は、現像ローラ41の回転軸線方向と略平行に配置される長手方向と、該長手方向と直交する短手方向と、にそれぞれ所定の長さを有し、所定の厚さを有する板状部材である。現像ブレード43は、短手方向の一端部が現像容器44に固定されており、短手方向の他端部の先端(自由端)の近傍の板面が現像ローラ41の表面に当接させられている。現像ブレード43は、自由端側の先端が固定端部よりも現像ローラ41の回転方向の上流側に位置するように、現像ローラ41の回転方向に対してカウンター方向にて現像ローラ41に当接させられている。
トナー供給ローラ42により現像ローラ41上に供給されたトナーtは、現像ブレード43により現像ローラ41上で均一なトナーコートを形成する。また、この均一に形成されたトナーコートのトナーtは、現像ブレード43により摺擦されて摩擦帯電される。
画像形成時には、共通電源70により、現像ローラ41に現像電圧(現像バイアス)として−350Vの直流電圧が印加されると共に、現像ブレード43に規制部材電圧(ブレードバイアス)として−550Vの直流電圧が印加される。なお、現像装置4に関して画像形成時とは、より詳細には、感光ドラム1上の静電像をトナーで現像する時である。つまり、本実施例では、画像形成時には、トナーの帯電極性側(本実施例では負極性側)のΔVb−dが設けられる。このように、現像ローラ41の電位に対する現像ブレード43の電位を負極性側にしておくことで、負帯電性を有するトナーへの電荷付与性が向上する。これによって、トナーコートが安定化し、帯電量の低いトナーが塊となって落ちてしまうボタ落ちや、白地へのトナー飛散(所謂、かぶり)を抑制することができる。
ここでは、前述のように、現像ブレード(規制部材)43に印加される電圧から現像ローラ(現像剤担持体)41に印加される電圧を引いた電位差を「現像ブレード−現像ローラ間電位差(あるいはΔVb−d)」としている。本実施例では、この「現像ブレード−現像ローラ間電位差」が負極性であることは、現像ブレード43に印加される電圧(現像ブレード43の電位)の方が現像ローラ41に印加される電圧(現像ローラ41の電位)よりもトナーの帯電極性側に高いことを意味する。
なお、本実施例では、現像ローラ41及び現像ブレード43に印加する電圧は共通の電源トランス(共通電源70)から生成される。これにより、画像形成装置100の低コスト化と小型化を図ることができる。電源の共通化の詳細については後述する。
また、本実施例では、画像形成装置100は、感光ドラム1と現像ローラ41との当接又は離間の状態を切り替える機構を有していない。そのため、カートリッジ10が装置本体110に装着された状態では、現像ローラ41は常に感光ドラム1に接触している。このような構成により、画像形成装置100の構成の簡素化を図ることができる。
3.新品のカートリッジ
次に、新品のカートリッジ10(現像装置4)について説明する。図2は、新品のカートリッジ10の概略断面図である。
現像装置4の現像容器44は、トナー収容室44aと、現像室44bと、を有する。トナー搬送部材45はトナー収容室44a内に設けられている。現像ローラ41、トナー供給ローラ42及び現像ブレード43は現像室44bに設けられており、現像ローラ41は現像室44bの感光ドラム1と対向する位置に設けられた開口部から一部が外部に露出するようにして配置されている。カートリッジ10が使用されている状態では、トナー収容室44aと現像室44bとは互いに連通している。新品のカートリッジ10の出荷状態では、現像容器44に接着されたシール部材46によってトナー収容室44aと現像室44bとは隔離されており、トナーtはトナー収容室44a内のみに存在する。カートリッジ10の使用を開始する際にシール部材46が除去されることで、トナー収容室44aと現像室44とが一体の空間となり、トナーtが現像ローラ41へ到達し、トナーtによる現像が可能となる。
シール部材46を設けることで、新品のカートリッジ10が出荷されてからユーザーに届けられるまでの物流工程において、現像室44bの開口部の隙間からトナーtが飛散することを抑制することができる。これにより、ユーザーなどの操作者や装置本体110がトナーtで汚れることを抑制することができる。シール部材46は、カートリッジ10の使用を開始する前にユーザーなどの操作者によって開封される構成としてもよいし、カートリッジ10の使用を開始する際に画像形成装置100に設けられた開封機構によって自動的に開封される構成としてもよい。シール部材46は、例えば、現像ローラ41の回転軸線方向に沿って引き抜いて開封する構成とすることができる。そして、開封機構は、例えば、画像形成装置100の電源ON後に現像装置4の駆動を開始するタイミングで自動的にシール部材46を引き抜く構成などとすることができる。本実施例では、カートリッジ10は、ユーザーなどの操作者がシール部材46を引き抜いて開封する構成とされている。
シール部材46によってトナーtの飛散を抑制した一方で、未使用状態のカートリッジ10では現像ローラ41上にトナーtが存在しないため、現像ブレード43と現像ローラ41との接触部での摩擦力が大きくなる。その結果、初期に現像ローラ41を駆動させるためには多大なトルクが必要となる。この状態で無理に駆動を掛けると、駆動を伝達するギア(図示せず)が破損する可能性がある他、現像ローラ41と現像ブレード43との摩擦により現像ブレード43が現像ローラ41の回転方向に捲れ上がる可能性がある。本実施例では、これらの問題を抑制するために、新品のカートリッジ10の現像ローラ41の表面には、予め粉体の潤滑剤が塗布される。現像ローラ41の表面に潤滑剤を塗布することで、現像ローラ41と現像ブレード43との間に発生する摩擦力を下げることができる。
4.潤滑剤
次に、本実施例において用いられる潤滑剤について説明する。潤滑剤には、現像ローラ41の駆動トルクの低減の他にも、現像ローラ41や現像ブレード43などのいずれの部材とも反応性を示さないことや、現像ローラ41への付着力が高すぎないことなどが求められる。また、潤滑剤は、現像ローラ41とトナー供給ローラ42との間、現像ローラ41と感光ドラム1との間に介在し、互いに悪影響を与えない役割も担っている。また、潤滑剤は、現像装置4の使用初期段階におけるトナーの帯電性を向上するために、現像ブレード43と現像ローラ41との間で摺擦された際にトナーの帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)に帯電する帯電特性を有することが望まれる。
本実施例では、上述の観点から、潤滑剤としてポリウレタン樹脂の真球状架橋微粒子であるダイミックビーズUCN−5070Dクリヤー(大日精化工業社製)を用いた。本実施例では、潤滑剤の粒径は質量平均粒子径が7μmであり、潤滑剤の電荷量は+20〜50μC/mgに調整されており、新品のカートリッジ10の現像ローラ41の表面に30mg程度の潤滑剤が塗布される。電荷量は、現像ローラ41上において現像ブレード43による摺擦によって電荷が飽和するまで付与された状態で測定した。また、電荷量は、ファラデーケージ内に粉体を堰き止めるフィルター付きの吸引器を設置した機器を用い、吸引した粉体の重量と電荷量とを測定することで算出した。なお、潤滑剤の材料、形状、電荷量、塗布量は、本実施例のものに限定されるものではなく、各種構成に応じて適切に選定されるべきものである。
5.制御態様
図3は、本実施例の画像形成装置100の要部の制御態様を示す概略ブロック図である。制御手段としての制御部50は、演算制御処理を行う中心的素子である演算制御手段としてのCPU51、記憶手段としてのROM、RAMなどのメモリ(記憶媒体)52などを有して構成される。ROMには、制御プログラム、予め求められたデータテーブルなどが格納されており、書き換え可能なメモリであるRAMには、制御部50に入力された情報、検知された情報、演算結果などが格納される。CPU51とROM、RAMなどのメモリ52とは互いにデータの転送や読込みが可能となっている。
制御部50には、前述の画像形成を行う機構部であるエンジンの各部が接続されている。例えば、制御部50には、ドラム駆動モータ20、現像駆動モータ21、共通電源70、帯電電源80、転写電源81などが接続されている。また、本実施例では、カートリッジ10には、不揮発性メモリで構成された記憶部としてのカートリッジメモリ11が取り付けられている。カートリッジメモリ11には、カートリッジ10の識別情報、カートリッジ10の製造時の情報、現像装置4の使用履歴情報としてのトナー残量や現像ローラ41の回転回数(あるいは回転時間)の情報などが記憶される。制御部50は、カートリッジメモリ11と通信することで、カートリッジ11に対する情報の読み書き込みを行うことができる。カートリッジメモリ11は、装置本体110の電源がOFFされた場合にも、書き込まれている情報を保持することができる。本実施例との関係では、制御部50は、カートリッジ10が使用されると、現像装置4内のトナー残量や現像ローラ41の回転回数(あるいは回転時間)などのカートリッジ10の使用履歴情報を逐次更新してカートリッジメモリ11に記憶させる。また、制御部50は、カートリッジメモリ11に記憶されている情報を読み込んで、カートリッジ10の使用履歴情報(カートリッジ10が使用開始済みであることを示す情報)が記憶されていない場合に、カートリッジ10が新品であると判断することができる。なお、新品であることを示す情報が記憶されていること、あるいは使用開始済みであることを示す特別の情報が記憶されていないことに基づいて、カートリッジ10が新品であるか否かを判断するようにしてもよい。
制御部50には、画像形成信号が入力される。画像形成信号は、画像形成装置100の操作部や画像形成装置100に接続されたパーソナルコンピュータなどの外部機器からの制御指令と、画像形成装置100に接続された画像読取り装置や上記外部機器からの画像データと、を含む。制御部50は、上記画像形成信号に従って、画像形成装置100の各部を統括的に制御して、ジョブを実行させる他、後述する初期設置動作を実行させることができる。なお、ジョブとは、一の開始指示により開始される、単数又は複数の記録材Pに画像を形成して出力する一連の動作である。
6.現像電圧、規制部材電圧の生成
次に、本実施例における現像電圧(現像バイアス)、規制部材電圧(ブレードバイアス)の生成について説明する。図4は、本実施例における現像ローラ41及び現像ブレード43に電圧を印加する電源構成を示す回路図である。前述のように、本実施例では、現像ローラ41及び現像ブレード43には、1つの共通電源70から電圧が印加される。このように電源を共通化することで、画像形成装置100の低コスト化と小サイズ化を図ることができる。
共通電源70は、現像ブレード43に接続されるブレードバイアス出力部(ブレードバイアス出力接点)71、及び現像ローラ41に接続される現像バイアス出力部(現像バイアス出力接点)72に、電圧を出力する。共通電源70には、ブレードバイアス出力部71が接続されており、共通電源70とブレードバイアス出力部71との間に電圧保持部としての定電圧素子であるツェナーダイオードZD1が接続されている。
また、共通電源70側から見てツェナーダイオードZD1の下流側に抵抗Rが接続されて、接地されている。この抵抗Rは、共通電源70から、ツェナーダイオードZD1に流れる電流値の大きさを制限する役割を担う。ツェナーダイオードZD1は、負極性の電圧を出力する共通電源70に対して逆バイアスがかかるように接続されており、アノード側にブレードバイアス接点部71、カソード側に現像バイアス出力部72が接続されている。
本実施例では、ツェナーダイオードZD1は、ツェナー電圧が200Vであり、ツェナー電圧以上の逆バイアスが印加され且つツェナーダイオードの電流−電圧特性に従う電流が電源から供給されるという所定の条件下で200Vの電圧降下を維持できる。このような電源構成とすることで、現像バイアスを共通電源70の出力電圧により可変に設定しながら、ΔVb−dを一定に保つことができる。本実施例では、画像形成時には、共通電源70から−550Vの電圧が印加されることで、−550Vのブレードバイアスが出力される。また、画像形成時には、そのブレードバイアスに対しツェナーダイオードZD1のツェナー電圧により200V分が加算された−350Vの現像バイアスが出力される。つまり、画像形成時のΔVb−dは−200Vである。
7.共通電源の出力電圧とブレードバイアス及び現像バイアスとの関係
図5は、図4に示す本実施例の電源構成において共通電源70の出力電圧を変化させた際の、ブレードバイアス及び現像バイアスの変化を示すグラフ図である。ブレードバイアスは共通電源70の出力電圧と同等である。
図5に示すような共通電源70の出力電圧とブレードバイアス及び現像バイアスとの関係になる(共通電源70の出力電圧に対する現像バイアスの傾きが変化する)のは、ツェナーダイオードZD1の素子の特性のためである。つまり、ツェナーダイオードは、ツェナー電圧を上回る電圧(逆バイアス)が印加された場合に、ツェナーダイオードにかかる電圧をツェナー電圧と等しくするように電流を流す性質を有する。しかし、この定電圧動作をする状態(降伏状態)を維持するためにはツェナーダイオードに一定以上の電流を供給する必要がある。仮に、ツェナー電圧以上の電圧がツェナーダイオードに印加されていたとしても、電源から供給される電流が少なすぎると、降伏領域での動作を維持できず、抵抗素子のように振る舞うことになる。そして、この抵抗素子の特性は、逆バイアスが印加される場合で且つ降伏領域で動作しない場合でも、ツェナーダイオードZD1にリーク電流が流れることに起因する。
図4に示す本実施例の電源構成においては、ツェナーダイオードZD1は、共通電源70の出力電圧が絶対値で比較して−250V以下の負極性の電圧になると、ツェナー電流を確保できなくなり、降伏領域での動作を維持できなくなる。そして、このツェナーダイオードZD1は、入力される電圧が絶対値で比較して更に小さくなるに従って、ツェナーダイオードZD1と抵抗Rとの分圧に従う電圧値が、現像バイアス出力部72から出力される。即ち、図5の場合では、入力電圧が絶対値で比較して−250Vよりも小さくなると、ΔVb−dの絶対値も小さくなっていく。尚、上記の降伏電圧が維持できなくなる電圧値は抵抗Rの抵抗値、ツェナーダイオードの特性(漏れ電流値やツェナー電圧値等の組み合わせ)で変わってくる。図4の場合は、一例として−250Vとなっているが、これに限定されない。
8.初期設置動作
次に、本実施例における新品のカートリッジ10の使用を開始する際の所定の動作(ここでは、「初期設置動作」ともいう。)について説明する。
本実施例の画像形成装置100の制御部50は、カートリッジ10が新品であると判断した場合、その新品のカートリッジ10を使用して画像形成を行うことができる状態になるように、初期設置動作を画像形成装置100に実行させる。初期設置動作の最終目的は、トナー収容室44aに収容されていたトナーを現像室44bに送り込み、トナー供給ローラ42にトナーを含ませ現像ローラ41上に均一なトナーコートを形成することである。
図6は、本実施例における初期設置動作の制御のフローチャート図である。また、図7は、本実施例における初期設置動作のタイミングチャート図である。図6におけるS1、S2などは、それぞれステップ番号を示し、図7におけるS1、S2などは、図6における対応するステップ番号の処理のタイミングを示す。
まず、制御部50は、画像形成装置100の電源がONされた場合、あるいはカートリッジ10の着脱のための装置本体110のドアが閉められたことを検出した場合に(S1)、カートリッジ10が新品であるか否かの判断を行う(S2)。制御部50は、例えば、ドアクローズに連動し押圧されるメカセンサの移動を検出することで、装置本体110のドアが閉められたことを検出する。また、制御部50は、前述のように、カートリッジメモリ11に書き込まれた情報に基づいてカートリッジ10が新品であるか否かを判断することができる。制御部50は、S2においてカートリッジ10が新品ではないと判断した場合は、初期設置動作は行わずに、画像形成装置100を画像形成に備えるレディ状態にするための動作に移行する(S7)。一方、制御部50は、S2においてカートリッジ10が新品であると判断した場合は、以下に説明する初期設置動作に移行する。
制御部50は、ドラム駆動モータ20、現像駆動モータ21を制御し、感光ドラム1及び現像ローラ41の駆動をONとする。また、それと共に、制御部50は、共通電源70、帯電電源80、転写電源81を制御する。この電源制御により、各電源は、帯電ローラ2、現像ローラ41、現像ブレード43及び転写ローラ5に、それぞれ初期設置動作の第1の期間における第1のバイアス設定でバイアスを印加する(S3)。初期設置動作の第1の期間では、帯電ローラ2には−700V、現像ローラ41には−20V、現像ブレード43には−100V、転写ローラ5には+300Vのバイアスが印加される。
ここで、初期設置動作の第1の期間における第1のバイアス設定について説明する。まず、第1のバイアス設定におけるブレードバイアス及び現像バイアスの設定は、新品のカートリッジ10の現像ローラ41の表面に塗布されている潤滑剤が現像ブレード43に融着することを抑制するための設定である。ここでは一例として、現像ブレード43に−100V、現像ローラ41に−20Vのバイアスを印加することで、初期設置動作の第1の期間におけるΔVb−dは−80Vとなる。これにより、初期設置動作の第1の期間におけるΔVb−d(第2の電位差)は、画像形成時のΔVb−d(第1の電位差)である−200Vよりも絶対値が小さくなる。つまり、初期設置動作の第1の期間では、共通電源70から出力する電圧の絶対値が小さく、抵抗Rにより制限される電流値が小さくなり、ツェナーダイオードZD1に降伏状態を維持する為の電流を供給できない。結果、ツェナーダイオードZD1は降伏状態を維持できず、ツェナーダイオードが抵抗素子として振る舞い、抵抗Rとの分圧により、ΔVb−dの絶対値がツェナー電圧よりも小さい値となる。このように、初期設置動作の第1の期間では、ΔVb−dを、画像形成時と同極性で画像形成時よりも絶対値が小さい電位差とする。これにより、初期設置動作の第1の期間では、正極性の潤滑剤が現像ローラ41から現像ブレード43に向かう方向へ受ける静電気力を画像形成時よりも小さくすることができる。その結果、初期設置動作時に画像形成時のΔVb−dに比べ、潤滑剤が現像ブレード43に融着することを抑制することができる。
また、第1のバイアス設定における帯電バイアスの設定は、新品のカートリッジ10の現像ローラ41の表面に塗布されている潤滑剤を現像ローラ41から感光ドラム1に転移させて減少させるための設定である。帯電ローラ2に−700Vのバイアスを印加することで、感光ドラム1の表面電位は約−200Vになる。この感光ドラム1の表面電位(−200V)と現像ローラ41の電位(−20V)との関係により、現像ローラ41の表面に塗布されていた正極性の潤滑剤は現像ローラ41から感光ドラム1に向かう方向への静電気力を受けて感光ドラム1の表面に転移する。なお、本実施例では、帯電ローラ2に負極性の直流電圧を印加した場合の帯電ローラ2と感光ドラム1との間の放電開始電圧は約−500Vである。
また、第1のバイアス設定における転写バイアスの設定は、感光ドラム1に転移した潤滑剤をクリーニング装置6へと送り込むための設定である。転写ローラ5に+300Vのバイアスを印加することで、感光ドラム1(−200V)と転写ローラ5(+300V)との電位関係により、正極性の潤滑剤は転写ローラ5から感光ドラム1に向かう方向への静電気力を受けて感光ドラム1上に留まる。
このように、新品のカートリッジ10の現像ローラ41の表面には正極性の潤滑剤が塗布されている。初期設置動作の第1の期間に新品のカートリッジ10の駆動が開始されると、トナー搬送部材45によりトナーが現像ローラ41に供給され始める。このとき、上述のような第1のバイアス設定により、正極性の潤滑剤が現像ブレード43に融着することが抑制される。また、このとき、上述のような第1のバイアス設定により、正極性の潤滑剤が感光ドラム1に静電的に転移する。これにより、現像ローラ41上の潤滑剤は減少する。一方、トナー搬送部材45により現像ローラ41へトナーが供給されるため大幅なトルクの上昇などは発生しない。感光ドラム1に転移した潤滑剤は、感光ドラム1の回転に伴い感光ドラム1と転写ローラ5との接触部である転写部Nに到達するが、上述のような第1のバイアス設定により、正極性の潤滑剤は感光ドラム1上に留まり転写部Nを通過する。転写部Nを通過した潤滑剤は、クリーニング装置6のクリーニングブレード61と感光ドラム1との接触部に到達し、クリーニングブレード61により感光ドラム1上から掻き取られる。
制御部50は、上述の初期設置動作の第1の期間を、現像ローラ41上から潤滑剤が十分に減少するまで継続させる(S4:S3からS5までの期間)。つまり、現像ローラ41上から潤滑剤が十分に減少するまで、制御部50は各電源を制御し、上述の第1のバイアス設定でバイアスを印加しながら感光ドラム1及び現像ローラ41を回転駆動する状態を維持する。ここで、現像ローラ41上から潤滑剤が十分に減少するとは、引き続き行われる初期設置動作の第2の期間において画像形成時のΔVb−dにした際に潤滑剤がブレードに融着しない量まで減少することを意味する。本実施例では、初期設置動作の第1の期間は3秒間継続する。本実施例の構成では、第1のバイアス設定で現像ローラ41を3秒間回転させることで潤滑剤はほぼ全て現像ローラ41から感光ドラム1に転移し、現像ローラ41上の潤滑剤は十分に減少する。また、現像ローラ41上の潤滑剤が十分に減少するのとほぼ同時にトナーが現像ローラ41上に塗布され始める。
制御部50は、初期設置動作の第1の期間を3秒間継続させた後、各電源を制御し、帯電ローラ2、現像ローラ41及び現像ブレード43に印加するバイアスを初期設置動作の第2の期間における第2のバイアス設定に切り替える(S5)。これにより、初期設置動作の第2の期間が開始する。本実施例では、初期設置動作の第2の期間では、帯電ローラ2には画像形成時と同じ−1000V、現像ローラ41には画像形成時と同じ−350V、現像ブレード43には画像形成時と同じ−550Vのバイアスが印加される。また、転写バイアスは、少なくとも初期設置動作の第1の期間において感光ドラム1に転移した潤滑剤が転写部Nを通過し終える時まで第1のバイアス設定と同じ+300Vとされる。該潤滑剤が転写部Nを通過し終えた時以降は、転写バイアスはOFFとしてもよいし、第1のバイアス設定と同じバイアスのまま維持してもよい。現像ブレード43に−550V、現像ローラ41に−350Vのバイアスを印加することで、初期設置動作の第2の期間におけるΔVb−dは−200Vとなり、画像形成時のΔVb−dと同じになる。本実施例では、初期設置動作の第2の期間における共通電源70の出力電圧は−550Vである。共通電源70の出力電圧を−550Vとすることで、現像バイアスは−350V、ブレードバイアスは−550Vとなり、ΔVb−dは−200Vとなる。つまり、初期設置動作の第2の期間では、共通電源70から、ツェナーダイオードZD1の降伏状態を維持してΔVb−dの絶対値をツェナーダイオードZD1のツェナー電圧とする電圧を出力する。また、帯電ローラ2に−1000Vのバイアスを印加することで、感光ドラム1の表面電位は−500Vになる。この感光ドラム1(−500V)と現像ローラ41(−350V)との電位関係により、現像ローラ41上の負極性のトナーは感光ドラム1から現像ローラ41に向かう方向への静電気力を受けて、感光ドラム1には転移せずに現像ローラ41上に留まる。
制御部50は、上述の初期設置動作の第2の期間を、現像ローラ41の回転軸線方向における全域(感光ドラム1上の画像形成領域に対応する領域の全域)において現像ローラ41の表面に十分にトナーが塗布されるまで継続させる(S6)。つまり、現像ローラ41上にトナーが十分に塗布されるまで、上述の第2のバイアス設定でバイアスを印加しながら感光ドラム1及び現像ローラ41を回転駆動する状態を維持する。ここで、現像ローラ41上にトナーが十分に塗布されるとは、後続の画像形成時に所望の品質で静電像の現像を行うことができるように塗布することを意味する。なお、この現像ローラ41上に十分にトナーが塗布されることは、トナー供給ローラ42の回転軸線方向の全域(感光ドラム1上の画像形成領域に対応する領域の全域)に十分にトナーが保持されることと言い換えることができる。本実施例では、初期設置動作の第2の期間は20秒間継続する。
制御部50は、初期設置動作の第2の期間を20秒間継続させた後、引き続き画像形成装置100を画像形成に備えるレディ状態にするための動作(所謂、前多回転動作)に移行する(S7)。この前多回転動作では、例えば画像濃度調整や露光装置3の調整などが行われるが、斯かる動作自体は本発明においては任意であるのでこれ以上の説明は省略する。そして、初期設置動作を終えると、画像形成装置は、外部機器からの画像形成信号を待機する。
新品のカートリッジ10の使用を開始する際には、以上のプロセス(初期設置動作)を経て、カートリッジ10は画像形成が可能な状態になる。なお、本実施例では初期設置動作の第1の期間を3秒間、第2の期間を20秒間としたが、この時間は予め実験などにより求められたものであり、使用環境やその他条件により適宜調整することができる。
なお、画像形成装置100は、画像形成時に現像ローラ41を感光ドラム1の表面に接触させることができるように、感光ドラム1と現像ローラ41との当接又は離間の状態を切り替える機構を有していてもよい。この場合は、初期設置動作の第1の期間において、感光ドラム1の表面の帯電処理された領域が現像位置に到達するタイミングに合わせて、現像ローラ41を感光ドラム1に当接させて、現像ローラ41の駆動及び現像バイアスの印加を開始してもよい。
このように、本実施例では、画像形成装置100は、現像剤担持体41及び規制部材43に現像剤の帯電極性と同極性の電圧を印加する共通電源70を有する。また、画像形成装置100は、画像形成時に共通電源70から絶対値が所定値より大きい電圧が出力されることでΔVb−dを現像剤の帯電極性側である第1の電位差に保持する電圧保持部ZD1を有する。また、画像形成装置100は、現像剤担持体41の使用を開始する際に所定の動作(初期設置動作)を実行させることが可能な制御部50を有する。そして、制御部50は、上記所定の動作において、共通電源70から絶対値が上記所定値より小さい電圧を出力してΔVb−dを現像剤の帯電極性側で絶対値が第1の電位差よりも小さい第2の電位差とした状態を所定時間(第1の期間)にわたり維持することを行わせる。また、本実施例では、制御部50は、上記所定の動作において、ΔVb−dを第2の電位差とした状態を所定時間にわたり維持した後に、共通電源70から絶対値が所定値より大きい電圧を出力してΔVb−dを現像剤の帯電極性側で絶対値が第2の電位差よりも大きい電位差にすることを行わせる。本実施例では、電圧保持部ZD1は、ツェナーダイオードを備え、ツェナーダイオードのカソード側で現像剤担持体41に電圧が印加され、ツェナーダイオードのアノード側で規制部材43に電圧が印加される。また、本実施例では、制御部50は、上記所定の動作において、帯電電源80から帯電手段2に電圧を印加して、第2の電位差が設けられている時に現像剤担持体41との対向部を通過する像担持体1の表面の電位を現像剤担持体41に印加されている電圧よりも現像剤の帯電極性側に高い電位とすることを行わせる。本実施例では、制御部50は、カートリッジ10が備えた記憶部11に記憶された情報に基づいて、新品のカートリッジ10の使用を開始する際に上記所定の動作を実行させる。
以上説明したように、本実施例によれば、潤滑剤の帯電極性側のΔVb−dを設けることができない電源構成の場合においても、現像装置4の使用を開始する際に潤滑剤が現像ブレード43に融着することを抑制することができる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
1.画像形成装置の構成
図8は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例では、帯電ローラ2、現像ローラ41及び現像ブレード43に印加する電圧は共通の電源トランスから生成される。つまり、本実施例では、帯電ローラ2、現像ローラ41及び現像ブレード43には、1つの共通電源73から電圧が印加される。このように帯電ローラ2に電圧を印加する電源も共通化することで、実施例1と比較して画像形成装置100の更なる低コスト化と小サイズ化を図ることができる。
2.帯電電圧、現像電圧、規制部材電圧の生成
本実施例における帯電電圧(帯電バイアス)、現像電圧(現像バイアス)、規制部材電圧(ブレードバイアス)の生成について説明する。図9は、本実施例における帯電ローラ2、現像ローラ41及び現像ブレード43に電圧を印加する電源構成を示す回路図である。
共通電源73は、帯電バイアス出力部(帯電バイアス出力接点)74、ブレードバイアス出力部(ブレードバイアス出力接点)75、及び現像バイアス出力部(現像バイアス出力接点)76に、電圧を出力する。帯電バイアス出力部74は帯電ローラ2に接続され、ブレードバイアス出力部75は現像ブレード43に接続され、現像バイアス出力部76は現像ローラ41に接続される。共通電源73には、帯電バイアス出力部74が接続されており、共通電源73と帯電バイアス出力部74との間に抵抗R2が接続されている。実施例1と同様に、抵抗R2は、共通電源73から、下記のツェナーダイオードZD2、ZD3に流れる電流値の大きさを制限する役割を担う。また、共通電源70側から見て抵抗R2の下流側に定電圧素子である第1のツェナーダイオードZD2が接続され、その下流側に定電圧素子である第2のツェナーダイオードZD3が接続されて、接地されている。そして、共通電源73側から見て抵抗R2の下流側かつ第1のツェナーダイオードZD2の上流側にブレードバイアス出力部75が接続されている。また、共通電源73側から見て第1のツェナーダイオードZD2の下流側かつ第2のツェナーダイオードZD3の上流側に現像バイアス出力部76が接続されている。第1、第2のツェナーダイオードZD2、ZD3は、負極性の電圧を出力する共通電源73に対して逆バイアスがかかるように接続されている。そして、第1のツェナーダイオードZD2のアノード側にブレードバイアス接点部73が接続され、第1のツェナーダイオードZD2のカソード側かつ第2のツェナーダイオードZD3のカソード側に現像バイアス出力部76が接続されている。
本実施例では、第1のツェナーダイオードZD2は、ツェナー電圧が200Vであり、第2のツェナーダイオードZD3は、ツェナー電圧が350Vである。本実施例では、画像形成時には、共通電源73から−1000Vの電圧が印加されることで−1000Vの帯電バイアスが出力される。
図9の回路では、共通電源73による−1000Vの電圧印加と、抵抗R2との組み合わせによる、供給電流の制限下では、ツェナー電圧以上の逆電圧が各ツェナーダイオードに印加されている限り、各ツェナーダイオードは降伏領域で動作する。そしてこの場合、第2のツェナーダイオードZD3によりツェナー電圧分(350V)が保持されて−350Vの現像バイアスが出力される。また、同時に、第1のツェナーダイオードZD2により更にツェナー電圧分(200V)が保持されるため、第2のツェナーダイオードZD3のツェナー電圧分(350V)と合わせて−550Vのブレードバイアスが出力される。
3.共通電源の出力電圧とブレードバイアス及び現像バイアスとの関係
図10は、図9に示す本実施例の電源構成において共通電源73の出力を変化させた際の、ブレードバイアス及び現像バイアスの変化を示すグラフ図である。帯電バイアスは共通電源73の出力電圧と同等であるため図示していない。
共通電源73の出力電圧が−1000Vの際は上述した通りである。また共通電源73の出力電圧を絶対値で比較して画像形成時の−1000Vから低下させても、ある出力電圧までは現像バイアス及びブレードバイアスは一定に保たれる。即ち、各ツェナーダイオードZDが夫々の降伏領域で動作するに十分な電流が供給されており、夫々のツェナーダイオードZDが降伏領域で動作している。
しかし、共通電源73の出力電圧が絶対値で比較してある値以下(図10中では−800V以下)の負極性の電圧になると、現像バイアス及びブレードバイアスの絶対値が低下し始める。これは共通電源73から供給される電流が小さくなり、第2のツェナーダイオードZD3が降伏領域での動作を維持できなくなり、抵抗素子として振る舞うためである。一方、ツェナーダイオードZD2は依然として降伏領域で動作しており、ブレードバイアス出力部75と現像バイアス出力部76との間の電位差は200Vに保たれている。言い換えると、共通電源73の出力電圧が絶対値で比較して約−300Vよりも大きい負極性の電圧の場合は、ブレードバイアスは、現像バイアスに対し200V分だけ絶対値が大きい負極性の電圧に維持される。
なお、共通電源73の出力電圧を絶対値で比較して−800V以下の負極性の電圧にした場合にもツェナー電圧を確保するためには、抵抗R2の抵抗値を小さくし、回路に流れる電流を大きくすればよい。しかし、その場合には画像形成時の共通電源73の出力電圧時における必要電流が多くなり、電源のコストアップになる。このような観点から、本実施例では適正な抵抗値の抵抗R2を用いており、上述のように共通電源73の出力電圧を絶対値で比較して−800V以下の負極性の電圧にした場合にツェナー電圧が確保できなくなる構成となっている。また、ツェナーダイオードZD3がどの共通電源73の出力電圧で抵抗素子として振る舞うかは、ツェナーダイオードZD3の特性(漏れ電流値やツェナー電圧値等の組み合わせ)で変わってくる。−800Vに限定されるものではない。
一方、共通電源73の出力電圧が絶対値で比較して約−300V以下の電圧になると、第1のツェナーダイオードZD2のツェナー電圧を確保するための電流も確保できなくなる。これにより、ツェナーダイオードZD2及びZD3の双方が抵抗素子として動作し、抵抗値の比に従い、ブレードバイアス出力部75と現像バイアス出力部76の出力値が決まる。そのため、共通電源73の出力電圧に対する現像バイアスの傾きが変化し(傾きが小さくなる)、ΔVb−dは−200Vよりも絶対値が小さくなる。
4.初期設置動作
次に、本実施例における新品のカートリッジ10の使用を開始する際の所定の動作である初期設置動作について説明する。
実施例1と同様、本実施例の画像形成装置100の制御部50は、カートリッジ10が新品であると判断した場合、その新品のカートリッジ10を使用して画像形成を行うことができる状態になるように、初期設置動作を画像形成装置100に実行させる。
本実施例における初期設置動作の制御のフローは、実施例1で説明した図6のものと同様である。図11は、本実施例における初期設置動作のタイミングチャート図である。図11におけるS1、S2などは、図6における対応するステップ番号の処理のタイミグを示す。ここでは、特に、初期設置動作における実施例1と異なる点について、図6、図11を参照して説明する。
実施例1では、帯電バイアスを印加する独立した電源が設けられていたため、帯電バイアスが自由に選ぶことができた。そのため、現像ローラ41上の正極性の潤滑剤を、感光ドラム1に静電的に転移させることで減少させることができた。これに対し、本実施例では、帯電バイアスも現像バイアス及びブレードバイアスに連動しているため、帯電バイアスを自由に選ぶことができない。そのため、本実施例では、現像ローラ41上の潤滑剤は、感光ドラム1に静電的に転移させて減少させるのではなく、トナー供給ローラ42により剥ぎ取って減少させる。しかし、潤滑剤が、現像ローラ41とトナー供給ローラ42との間、現像ローラ41と感光ドラム1との間に介在する点や、現像ローラ41と現像ブレード43との間に発生する摩擦力を低下させる点については、実施例1と同様の効果が得られる。
本実施例では、初期設置動作の第1の期間(S4:S3からS5までの期間)における第1のバイアス設定では、帯電バイアスは−100V、現像バイアスは−20V、ブレードバイアスは−80V、転写バイアスは−300Vとされる。
制御部50が電源を制御し、現像ブレード43に−80V、現像ローラ41に−20Vのバイアスを印加することで、初期設置動作の第1の期間におけるΔVb−dは−60Vとなる。これにより、初期設置動作の第1の期間におけるΔVb−d(第2の電位差)は、画像形成時のΔVb−d(第1の電位差)である−200Vよりも絶対値が小さくなる。この第1のバイアス設定におけるブレードバイアス及び現像バイアスの設定は、図10を参照して説明した図9に示す本実施例の電源構成における共通電源73の出力電圧とブレードバイアス及び現像バイアスとの関係を利用して実現している。つまり、初期設置動作の第1の期間では、共通電源73から、第1のツェナーダイオードZD2の降伏状態を維持できずにΔVb−dの絶対値が第1のツェナーダイオードZD2のツェナー電圧よりも小さい値となる領域の電圧を出力する。このように、初期設置動作の第1の期間では、ΔVb−dを、画像形成時と同極性で画像形成時よりも絶対値が小さい電位差とすることで、潤滑剤が現像ブレード43に融着することを抑制することができる。
また、帯電ローラ2に−100Vを印加しても、感光ドラム1の表面電位はほぼ0Vである。つまり、本実施例では、帯電ローラ2に負極性の直流電圧を印加した場合の帯電ローラ2と感光ドラム1との間の放電開始電圧は約−500Vである。したがって、該放電開始電圧よりも絶対値が小さい負極性の帯電バイアス(−100V)を帯電ローラ2に印加しても、感光ドラム1の表面はほとんど帯電されない。そのため、感光ドラム1の表面電位(0V)と現像ローラ41の電位(−20V)との関係により、現像ローラ41の表面に塗布されている正極性の潤滑剤は感光ドラム1から現像ローラ41に向かう方向の静電気力を受けて感光ドラム1には転移しない。本実施例では、現像ローラ41上の潤滑剤は、現像ローラ41と共に回転駆動されているトナー供給ローラ42により現像ローラ41上から掻き取られる。一方、トナー搬送部材45により現像ローラ41にトナーが供給され始めるが、上記感光ドラム1の表面電位と現像スリーブ41の電位との関係により、負極性のトナーは感光ドラム1に転移する。感光ドラム1に転移したトナーは感光ドラム1と転写ローラ5との接触部である転写部Nに到達するが、転写ローラ5にはトナーの帯電極性と同極性(画像形成時とは逆極性)の−300Vのバイアスが印加されている。そのため、このトナーは転写ローラ5には転移せずに感光ドラム1上に留まる。感光ドラム1上に留まったトナーは、クリーニング装置6のクリーニングブレード61と感光ドラム1との接触部に到達し、クリーニングブレード61により感光ドラム1上から掻き取られる。
本実施例では、上述の初期設置動作の第1の期間は3秒間継続される(S4)。これは、実施例1と同様に、現像ローラ41上の潤滑剤が十分に少なくなり、かつ、トナーがある程度現像ローラ41上に供給され始めるのにかかる時間である。
初期設置動作の第1の期間が3秒間継続された後、帯電バイアス、現像バイアス、ブレードバイアスが初期設置動作の第2の期間における第2のバイアス設定に切り替えられて、初期設置動作の第2の期間が開始される(S5)。この第2のバイアス設定は、画像形成時と同等であり、帯電バイアスは−1000V、現像バイアスは−350V、ブレードバイアスは−550Vとされる。なお、転写バイアスは、少なくとも初期設置動作の第1の期間において感光ドラム1に転移したトナーが転写部Nを通過し終える時まで第1のバイアス設定と同じ−300Vとされる。該トナーが転写部Nを通過し終えた時以降は、転写バイアスはOFFとしてもよいし、第1のバイアス設定と同じバイアスのまま維持してもよいし、画像形成時と同じ設定のバイアスとしてもよい。この第2のバイアス設定に切り替えるのは、現像ローラ41上のトナーの消費を抑えるためである。つまり、正極性の潤滑剤が現像ローラ41に塗布されている状態では、第1のバイアス設定によりΔVb−dの絶対値を小さくし、現像ブレード43に潤滑剤が融着することを抑制する。しかし、第1のバイアス設定では、負極性のトナーが感光ドラム1へ転移してしまう。そのため、現像ローラ41上の潤滑剤の量が少なくなり、現像ブレード43への潤滑剤の融着がし難い状態になった後には、画像形成時と同等の第2のバイアス設定とすることによりトナーの消費を抑える。本実施例では、上述の初期設置動作の第2の期間は20秒間継続される(S6)。これにより、現像ローラ41上及びトナー供給ローラ42へのトナーの供給が十分に行われる。その後、画像形成装置100を画像形成に備えるレディ状態にするための動作(所謂、前多回転動作)に移行する(S7)。
なお、画像形成装置100は、画像形成時に現像ローラ41を感光ドラム1の表面に接触させることができるように、感光ドラム1と現像ローラ41との当接又は離間の状態を切り替える機構を有していてもよい。この場合は、初期設置動作の第1の期間において、感光ドラム1にトナーが転移しないように、現像ローラ41を感光ドラム1から離間させた状態で回転駆動してもよい。この場合は、初期設置動作の第1の期間において、転写ローラ5にトナーの帯電極性と同極性のバイアスを印加しなくてもよい。
このように、本実施例では、共通電源73は、現像剤担持体41、規制部材43及び帯電手段2に、現像剤の帯電極性と同極性の電圧を印加する。そして、本実施例では、制御部50は、所定の動作(初期設置動作)において、共通電源73から帯電手段と像担持体1との間の放電開始電圧よりも絶対値が小さい電圧を出力して第2の電位差を設ける。なお、第2の電位差は、画像形成時の第1の電位差よりも絶対値が小さいΔVb−dである。また、制御部50は、それと共に、第2の電位差が設けられている時に現像剤担持体41との対向部を通過した像担持体1の表面が転写部Nを通過している時に、転写電源81から転写部材5に現像剤の帯電極性と同極性の電圧を印加することを行わせる。
以上説明したように、本実施例によれば、実施例1と同様の効果が得られると共に、帯電ローラ2用の電源も現像ローラ41及び現像ブレード43用の電源と共通化することで、画像形成装置100の更なる小サイズ化と低コスト化を図ることができる。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
上述の実施例では、現像装置はプロセスカートリッジとして画像形成装置の装置本体に対して着脱可能とされていたが、現像装置が単独で画像形成装置の装置本体に対して着脱可能とされていてもよい。
また、上述の実施例では、現像剤は正規の帯電極性が負極性の非磁性一成分現像剤(トナー)であったが、現像剤としては正規の帯電極性が正極性のトナーや磁性トナーを用いることもできる。また、現像剤はトナー(非磁性トナー粒子)とキャリア(磁性キャリア粒子)とを備えた二成分現像剤であってもよい。当業者は、本発明の開示に基づいて画像形成装置を上記各現像剤に応じて適宜構成することができる。
また、現像装置は、現像装置自体が現像剤を収容する枠体を有する構成の他、現像装置とは別個の現像剤を収容する現像剤容器が現像装置に対して着脱可能とされた構成であってもよい。この場合、現像装置は、現像剤担持体を支持する枠体の現像剤を収容できる空間に現像剤容器から現像剤を補給できる構成になる。
また、上述の実施例では、画像形成装置は感光体や現像装置を備えた画像形成部を1つだけ有するモノクロ画像形成装置であったが、本発明は複数の画像形成部を有するカラー画像形成装置にも適用できるものである。この場合、各画像形成部の現像装置に関して上述の実施例と同様の初期設置動作を行うことで、各現像装置に関して上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 露光装置
5 転写ローラ
6 クリーニング装置
10 プロセスカートリッジ
41 現像ローラ
43 現像ブレード
50 制御部
70 共通電源
ZD1 ツェナーダイオード

Claims (8)

  1. 現像剤を担持する現像剤担持体であって、現像剤を担持する前に潤滑剤が塗布されており、前記潤滑剤は摺擦されることで現像剤の帯電極性とは逆極性に帯電するものである現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に当接し前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、
    前記現像剤担持体及び前記規制部材に現像剤の帯電極性と同極性の電圧を印加する共通電源と、
    画像形成時に、前記共通電源から絶対値が所定値より大きい電圧が出力されることで、前記規制部材に印加される電圧から前記現像剤担持体に印加される電圧を引いた電位差であるΔVb−dを、現像剤の帯電極性側である第1の電位差に保持する電圧保持部と、
    前記現像剤担持体の使用を開始する際に所定の動作を実行させることが可能な制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記所定の動作において、前記共通電源から絶対値が前記所定値より小さい電圧を出力して前記ΔVb−dを現像剤の帯電極性側で絶対値が前記第1の電位差よりも小さい第2の電位差とした状態を維持することを行わせることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御部は、前記所定の動作において、前記ΔVb−dを前記第2の電位差とした状態を維持した後に、前記共通電源から絶対値が前記所定値より大きい電圧を出力して前記ΔVb−dを現像剤の帯電極性側で絶対値が前記第2の電位差よりも大きい電位差にすることを行わせることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記電圧保持部は、ツェナーダイオードを備え、前記ツェナーダイオードのカソード側で前記現像剤担持体に電圧が印加され、前記ツェナーダイオードのアノード側で前記規制部材に電圧が印加されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記現像剤担持体に担持された現像剤により現像される静電像が形成される像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電手段と、前記帯電手段に電圧を印加する帯電電源と、を有し、
    前記制御部は、前記所定の動作において、前記帯電電源から前記帯電手段に電圧を印加して、前記第2の電位差が設けられている時に前記現像剤担持体との対向部を通過する前記像担持体の表面の電位を前記現像剤担持体に印加されている電圧よりも現像剤の帯電極性側に高い電位とすることを行わせることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記現像剤担持体に担持された現像剤により現像される静電像が形成される像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電手段と、を有し、
    前記共通電源は、前記現像剤担持体、前記規制部材及び前記帯電手段に、現像剤の帯電極性と同極性の電圧を印加することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記像担持体に接触して転写部を形成する転写部材と、前記転写部材に電圧を印加する転写電源と、を有し、
    前記制御部は、前記所定の動作において、前記共通電源から前記帯電手段と前記像担持体との間の放電開始電圧よりも絶対値が小さい電圧を出力して前記第2の電位差を設けると共に、前記第2の電位差が設けられている時に前記現像剤担持体との対向部を通過した前記像担持体の表面が前記転写部を通過している時に、前記転写電源から前記転写部材に現像剤の帯電極性と同極性の電圧を印加することを行わせることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記現像剤担持体と、前記規制部材と、情報を記憶する記憶部と、を備えたカートリッジが前記画像形成装置の装置本体に対して着脱可能であり、
    前記制御部は、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、新品の前記カートリッジの使用を開始する際に前記所定の動作を実行させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記カートリッジは、前記現像剤担持体に担持された現像剤により現像される静電像が形成される像担持体を備えていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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