JP2020133774A - ピアスナット - Google Patents

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Abstract

【課題】回転抗力及び引き抜き抗力を向上できるピアスナットを提供する。【解決手段】本発明によるピアスナットは、中央部にねじ孔20が設けられたナット本体2と、ナット本体2の厚み方向2aに係る一端に設けられた締結座面3と、ナット本体2の中央部において締結座面3から突出されたパイロット部4と、パイロット部4の根本周囲において締結座面3から突出された隆起部5とを備え、締結座面3は、隆起部5の外周縁からナット本体2の外周縁まで延在された平坦面とされており、隆起部5は、締結座面3から突出された隆起外周面51と、隆起外周面51の先端とパイロット部4の外周面との間に延在され隆起外周面51の高さH2により締結座面3から離れて位置されている隆起端面52とを有している。【選択図】図1

Description

本発明は、打ち込みかしめ結合により金属板に固着されるピアスナットに関する。
ピアスナットは、自動車産業や家電製品の組み立てに古くから大量に用いられている。ピアスナットには、金属板に固着したときの回転抗力及び引き抜き抗力が要求される。従来用いられていたこの種のピアスナットとしては、例えば下記の特許文献1等に示されている構成を挙げることができる。すなわち、従来構成では、ナット本体の中央部から突出されたパイロット部の根本周辺に傾斜面からなる隆起部が設けられている。この従来のピアスナットが金属板に固着されるとき、金属板がパイロット部により打ち抜かれる。また、パイロット部の打ち抜きにより形成された開口の周縁部が隆起部により押圧される。その結果、パイロット部の外周面に密着するように開口の周縁部が圧入変形されて、回転抗力及び引き抜き抗力が向上される。
特開2013−122283号公報
上記のような従来のピアスナットでは、傾斜面からなる隆起部によって開口の周縁部が押圧されることにより回転抗力及び引き抜き抗力の向上が図られている。しかしながら、回転抗力及び引き抜き抗力の更なる向上が求められている。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、回転抗力及び引き抜き抗力を向上できるピアスナットを提供することである。
本発明に係るピアスナットは、中央部にねじ孔が設けられたナット本体と、ナット本体の厚み方向に係る一端に設けられた締結座面と、ナット本体の中央部において締結座面から突出されたパイロット部と、パイロット部の根本周囲において締結座面から突出された隆起部とを備え、締結座面は、隆起部の外周縁からナット本体の外周縁まで延在された平坦面とされており、隆起部は、締結座面から突出された隆起外周面と、隆起外周面の先端とパイロット部の外周面との間に延在され隆起外周面の高さにより締結座面から離れて位置されている隆起端面とを有している。
本発明のピアスナットによれば、隆起部の隆起端面が隆起外周面の高さにより締結座面から離れて位置されているので、ピアスナットを金属板に固着する際に、パイロット部の打ち抜きにより金属板に形成される開口の周縁部に位置するより多くの材料をパイロット部の外周面に密着するように圧入変形することができ、回転抗力及び引き抜き抗力を向上できる。
本発明の実施の形態によるピアスナットを示す一部断面正面図である。 図1のピアスナットを示す平面図である。 図1のピアスナットを用いたピアスナット固着構造体の製造方法を示す説明図である。 図1の隆起部の作用について説明するための説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。本発明は各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
図1は本発明の実施の形態によるピアスナット1を示す一部断面正面図であり、図2は図1のピアスナット1を示す平面図である。図1及び図2に示すピアスナット1は、打ち込みかしめ結合により金属板に固着される部材である。金属板に向かう側をピアスナット1の裏側と呼び、その反対側をピアスナット1の表側と呼ぶことがある。ピアスナット1は、冷間圧造等の成形方法により普通鋼等の素材を成形することで製造することができる。
図1及び図2に示すように、ピアスナット1は、ナット本体2、締結座面3、パイロット部4及び隆起部5を有している。これらナット本体2、締結座面3、パイロット部4及び隆起部5は互いに一体に設けられている。
ナット本体2は、ピアスナット1の表側に設けられた多角柱状の部分である。本実施の形態のナット本体2は、八角柱状とされている。しかしながら、ナット本体2は、四角柱等の他の多角柱状又は円柱状とされていてもよい。ナット本体2の中央部には、ねじ孔20が設けられている。ねじ孔20は、ナット本体2の厚み方向2aに係る一端から他端までナット本体2を貫通している。ナット本体2の厚み方向2aは、ピアスナット1の表側から裏側に向かう方向(又は裏側から表側に向かう方向)であり、ねじ孔20の延在方向と並行な方向である。
締結座面3は、ナット本体2の厚み方向2aに係る一端(ピアスナット1の裏側)に設けられたナット本体2の端面である。ピアスナット1が金属板に固着されるとき、その金属板の表面に締結座面3が密接される。本実施の形態の締結座面3は、隆起部5の外周縁50(図2参照)からナット本体2の外周縁21(図2参照)まで延在された平坦面とされている。換言すると、隆起部5の外周縁50からナット本体2の外周縁21までの領域には凹部又は凸部が設けられていない。
本実施の形態の締結座面3は、ナット本体2の厚み方向2aに直交する面に沿って延在されている。しかしながら、締結座面3は、ナット本体2の外周縁21に比べて隆起部5の外周縁50がピアスナット1の裏側に向けて突出されるように、ナット本体2の厚み方向2aに直交する面に対して傾斜して延在されていてもよい。締結座面3がナット本体2の厚み方向2aに直交する面に対して傾斜して延在される場合、ナット本体2の厚み方向2aに直交する面に対する締結座面3の傾斜角度は、0°より大きくかつ10°以下であることが好ましく、0°より大きくかつ5°以下であることがさらに好ましい。
パイロット部4は、ナット本体2の中央部において締結座面3からピアスナット1の裏側に向けて突出された円柱状の部分である。但し、パイロット部4の外形は、多角柱状等の他の形状であってもよい。ナット本体2のねじ孔20は、パイロット部4の先端までパイロット部4の内部を貫通している。ピアスナット1が金属板に固着されるとき、その金属板をパイロット部4が打ち抜く。パイロット部4が金属板を打ち抜くとき、パイロット部4の先端外周縁40がせん断刃として機能する。
パイロット部4の高さH1は、ピアスナット1が固着される金属板(ワーク)の板厚と同程度とされることが好ましい。より具体的には、パイロット部4の高さH1は、ピアスナット1が固着される金属板の板厚の80%以上かつ100%未満であることが好ましい。80%未満では、打ち抜きが完全に行われずにカス抜き不良となるためである。一方、100%を超えると、ピアスナット1のパイロット部4の先端が金属板の裏面より外側へ突出することになるためである。パイロット部4の高さH1は、ナット本体2の厚み方向2aに係るパイロット部4の基端から先端までの距離である。ナット本体2の厚み方向2aに係るパイロット部4の基端の位置は、隆起部5の外周縁50に隣接する場所における締結座面3の位置とすることができる。
本実施の形態のパイロット部4の外周面41は、パイロット部4の先端側が基端側に比べて広がるようにナット本体2の厚み方向2aに対して傾斜して延在されている。ナット本体2の厚み方向2aに対するパイロット部4の外周面41の傾斜角度は、0°より大きくかつ5°以下とすることが好ましい。これは、傾斜角度をマイナス側にすると、すなわちパイロット部4の先端側が基端側に比べて狭くなっていると、パイロット部4と打ち抜き面との間に隙間ができる領域が発生してクリンチ力が低下するためである。一方、5°を超えるピアスナット打込みにより金属板が大きく反るためである。
本実施の形態のパイロット部4の外周面41には、複数の凹部42が設けられている。ピアスナット1が金属板に固着されるとき、金属板の金属が凹部42に食い込む。金属板を構成する金属を材料と呼ぶことがある。材料が凹部42に食い込むことにより、凹部42がピアスナット1の回り止めとして機能する。本実施の形態の凹部42は、パイロット部4の先端側から隆起部5の近傍まで延在されている。
隆起部5は、パイロット部4の根本周囲において締結座面3からピアスナット1の裏側に向けて突出された部分である。本実施の形態の隆起部5は、隆起外周面51と隆起端面52とを有している。
隆起外周面51は、締結座面3から突出された隆起部5の周面である。実施の形態の隆起外周面51は、ナット本体2の厚み方向2aに沿って延在されている。但し、隆起外周面51は、ナット本体2の厚み方向2aに対して傾斜されていてもよい。
隆起外周面51は、ナット本体2の厚み方向2aに所定の高さH2を有している。隆起外周面51の高さH2は、ナット本体2の厚み方向2aに係る隆起外周面51の基端から先端までの距離である。隆起外周面51の高さH2は、0.20mm以上であることが好ましい。また、パイロット部4の高さH1に対する隆起外周面51の高さH2の比率H2/H1は、0.05以上かつ0.23以下であることが好ましい。これは、後に詳しく説明するように、十分なクリンチ強度及びトルク強度をより確実に確保しつつ、ピアスナット1が固着される金属板(ワーク)の変形を抑えることができるためである。上述のように、パイロット部4の高さH1はピアスナット1が固着される金属板(ワーク)の板厚の関係で決定される。比率H2/H1は、対象となる金属板(ワーク)の板厚と隆起外周面51の高さH2との関係を表す。
隆起端面52は、隆起外周面51の先端とパイロット部4の外周面41との間に延在された隆起部5の端面であり、隆起外周面51の高さH2により締結座面3から離れて位置されている。本実施の形態の隆起端面52は、ナット本体2の厚み方向2aに直交して延在されている。但し、隆起端面52は、隆起外周面51側に比べてパイロット部4の外周面41側がピアスナット1の表側に向けて後退されるように、ナット本体2の厚み方向2aに直交する面に対して傾斜して延在されていてもよい。
パイロット部4の外周面41からナット本体2の外周縁21までの距離D2は、2.0mm以上かつ3.5mm以下であることが好ましい。距離D2が2.0mm未満であると、締結座面3が過小となる虞がある。距離D2が3.5mmより大きいと、ピアスナット1のサイズが過大となる虞がある。パイロット部4の外周面41から隆起部5の外周縁50までの距離D1は、1.00mm以上かつ1.5mm以下であることが好ましい。距離D1が1.00mm未満であると、圧造による隆起部5が難しくなる虞がある。距離D1が1.5mmより大きいと、後述の隆起部5の作用(金属板8に形成された開口80の周縁部の材料を圧入変形する作用)が小さくなる虞がある。これら距離D1,D2は、パイロット部4の外周面41の先端部を基準として計測できる。また、距離D1は、隆起部5の隆起端面52の外周縁を基準として計測できる。さらに、距離D2は、ナット本体2の締結座面3の外周縁を基準として計測できる。
本実施の形態のピアスナット1は、比較的肉厚の金属板に固着されることがある。比較的肉厚の金属板としては、板厚が3.0mm以上かつ10.0mm以下の金属板、より詳細には肉厚が4.5mm以上かつ6.0mm以下の金属板が考えられる。また、本実施の形態のピアスナット1は、比較的大径のナットであり得る。比較的大径のナットとしては、ナット本体2内のねじの呼びがM8からM20(JIS B 0205:2001)までのナット、より詳細にはナット本体2内のねじの呼びがM12からM16までのナットが考えられる。
次に、図3は、図1のピアスナット1を用いたピアスナット固着構造体の製造方法を示す説明図である。図3の(a)〜(e)に示すように、ピアスナット1はパンチ6及びダイ7を用いて金属板8に固着される。金属板8にピアスナット1が固着された構造体をピアスナット固着構造体9(図3(e)を参照)と呼ぶことができる。
ダイ7は穴部70を有する部材であり、金属板8はダイ7の上に載置される。穴部70の内径は、パイロット部4の外径に所定のクリアランスを加えた大きさとされている。パンチ6は、上下動可能に構成されており、ピアスナット1を支持するための爪部60を有している。
ピアスナット1を金属板8に固着させるとき、図3の(a)に示すように、ピアスナット1は、金属板8の上方でパイロット部4を下方に向けた状態でパンチ6に支持される。図3の(b)に示すように、パイロット部4の先端が金属板8に接触した状態からパンチ6及びピアスナット1がさらに降下されることにより、パイロット部4の先端外周縁40による金属板8のせん断が始まる。図3の(b)の状態からパンチ6及びピアスナット1がさらに降下されることにより、図3の(c)に示すように金属板8が打ち抜かれて、金属板8に開口80が形成される。
図3の(d)に示すように、金属板の表面に締結座面3が密接されるまでパンチ6及びピアスナット1が降下される。この位置までパンチ6及びピアスナット1が降下されるとき、開口80の周縁部に隆起部5が押し当てられて、パイロット部4の外周面に密着するように開口80の周縁部が圧入変形される。これにより、ピアスナット1の回転抗力及び引き抜き抗力が向上される。図3の(e)に示すように、金属板8に固着されたピアスナット1を残してパンチ6が上昇されることにより、ピアスナット固着構造体9の製造が完了する。
次に、図4は、図1の隆起部5の作用について説明するための説明図である。図4の(a)は図1に示す本実施の形態の隆起部5を有するピアスナット1を用いたピアスナット固着構造体9の断面図であり、図4の(b)は比較例としての従来の傾斜面からなる隆起部500を有するピアスナット100を用いたピアスナット固着構造体900の断面図である。
上述のように本実施の形態の隆起部5の隆起端面52は、隆起外周面51の高さH2により締結座面3から離れて位置されている。このため、金属板8に形成された開口80の周縁部の多くの材料を圧入変形することができる。これに対して、図4の(b)に示すように隆起部500を傾斜面のみにより形成した場合、本実施の形態の隆起部5と比較して圧入変形できる材料は少ない。すなわち、本実施の形態の隆起部5を採ることにより、回転抗力及び引き抜き抗力を向上できる。
図4(a)では、ナット本体2の厚み方向2aに直交して隆起端面52が延在されている態様を示しているが、隆起外周面51側に比べてパイロット部4の外周面41側がピアスナット1の表側に向けて後退されるように隆起端面52が傾斜されていると、より多くの材料を圧入変形することができる。但し、ナット本体2の厚み方向2aに直交して延在する隆起端面52を有するピアスナット1は、上述のように傾斜する隆起端面52を有するピアスナット1よりも圧造による製造が容易である。
開口80の奥には、せん断面80aと破断面80bとが形成されている。せん断面80aは、パイロット部4の先端外周縁40によるせん断により形成された面であり、開口80に続いて形成されている。破断面80bは、パイロット部4の押し込みにより材料が破断された面であり、ピアスナット1の径方向に関してせん断面80aよりもピアスナット1から離れた位置に形成されている。せん断面80aは、破断面80bよりも平滑である。パイロット部4の外周面により広いせん断面80aを密着させることで、回転抗力及び引き抜き抗力を向上できる。
図4の(b)の比較例では、開口80の入側の一部しかパイロット部4の外周面に密着させることができず、せん断面80aの一部しか有効に活用できていない。しかしながら、本実施の形態の隆起部5では、より広くせん断面80aをパイロット部4の外周面に密着させることができ、回転抗力及び引き抜き抗力を向上できる。
次に、実施例を挙げる。本発明者らは、隆起部5の大きさが異なる複数のピアスナット1を準備して、それらピアスナット1を金属板に固着して複数のピアスナット固着構造体9を試作した。また、ピアスナット1は、ピアスナット1の軸中心を金属板の中心に一致させた状態で金属板に固着させた。金属板としては、公称板厚4.5mmかつ50mm四方の外形を有する400MPa級のZn−Al−Mg合金めっき鋼板を使用した。また、それらのピアスナット固着構造体9に対してクリンチ強度試験、トルク強度試験及びワーク(鋼板)変形の観察を行った。その結果を表1に示す。
なお、表1の金属板板厚Tは、ワークの板厚の実測値を示している。ワークの実測板厚が4.40mmであるところ、パイロット部4の高さH1が4.30mmのピアスナット1を使用している。ピアスナット1は、M12の大きさを有している。
クリンチ強度試験は、JIS B 0205:2001の付属書A(参考)に記載されている「押込みはく離強さ及びその試験方法」に準拠して行った。試験により測定されたクリンチ強度が5kN以上である場合を好ましいと評価した。すなわち、表1では、クリンチ強度が5kN以上である場合を〇で示し、クリンチ強度が5kN未満である場合を×で示している。
トルク強度試験は、JIS B 1196:2010の付属書B(参考)に記載されている「トルクはく離強さ及びその試験方法」に準拠して行った。試験により測定されたトルク強度が50N・m以上である場合を好ましいと評価した。すなわち、表1では、トルク強度が50N・m以上である場合を〇で示し、トルク強度が50N・m未満である場合を×で示している。
ワーク(鋼板)変形の観察は、ワークの中心と端部との間のワークの反りの大きさを測定した。上述のように、ピアスナット1の軸中心を金属板の中心に一致させている。また、ワークは50mm四方の大きさを有している。ワークの中心に対する端部の変位が1mm未満(1mm/25mm未満)である場合を好ましいと評価した。すなわち、ワークの中心に対する端部の変位が1mmである場合を〇で示し、ワークの中心に対する端部の変位が1mm以上である場合を×で示している。
表1の総合判定は、クリンチ強度、トルク強度及びワーク変形のすべてが好ましいと評価できる場合を〇で示し、これらクリンチ強度、トルク強度及びワーク変形のいずれかが好ましくないと評価した場合を×で示している。なお、クリンチ強度、トルク強度及びワーク変形のいずれかが×であっても、ピアスナット固着構造体9の使用用途によっては許容される場合もある。
表1のNo.1〜7のサンプルは、隆起外周面51の高さH2のみを変えたサンプルである。なお、パイロット部4の高さH1を固定した状態で隆起外周面51の高さH2を変えることにより、パイロット部4の高さH1に対する隆起外周面51の高さH2の比率H2/H1も変わっている。表1のNo.1〜7に示すように、隆起外周面51の高さH2を0.20mm以上としつつ、比率H2/H1を0.05以上かつ0.23以下とすることで、クリンチ強度、トルク強度及びワーク変形のすべてが好ましいと評価できた(総合判定〇)。隆起外周面51の高さH2が0.20mm未満の場合、クリンチ強度及びトルク強度の評価が×になっている。これは、隆起外周面51の高さH2が低いことに起因して、開口80の周縁部の材料を十分に圧入変形できなかったためと考えられる。一方、比率H2/H1が0.23を超えると、ワーク変形の評価が×になっている。これは、ワークの板厚に対して隆起部5が大きすぎたためと考えられる。
表1のNo.8〜14及びNo.15〜21のサンプルは、No.1〜7のように隆起外周面51の高さH2を変更しつつ、パイロット部4の外周面41からナット本体2の外周縁21までの距離D2をNo.1〜7よりも大きくしたサンプルである。パイロット部4の外周面41から隆起部5の外周縁50までの距離D1を固定しつつ、パイロット部4の外周面41からナット本体2の外周縁21までの距離D2を変更することにより、距離D2に対する距離D1の比率D2/D1が変わっている。比率D2/D1を変更しても、比率H2/H1を0.05以上かつ0.23以下とすることの有用性(クリンチ強度、トルク強度及びワーク変形のすべてが好ましい結果が得られること)が確認できた。なお、距離D2が2.0mm未満であると、締結座面3が過小となる虞がある。また、距離D2が3.5mmより大きいと、ピアスナット1のサイズが過大となる虞がある。
また、本発明者らは、公称板厚6.0mmかつ50mm四方の外形を有する400MPa級のZn−Al−Mg合金めっき鋼板にワークを変更して同様の試験を行った。ワークの実測板厚が5.90mmであったところ、パイロット部4の高さH1が5.80mmのピアスナット1を使用している。試験条件及び評価結果を表2に示す。表に示されていない条件は表1の試験と同様である。
表2のNo.1〜7のサンプルは、隆起外周面51の高さH2のみを変えたサンプルである。なお、パイロット部4の高さH1を固定した状態で隆起外周面51の高さH2を変えることにより、パイロット部4の高さH1に対する隆起外周面51の高さH2の比率H2/H1も変わっている。公称板厚6.0mmのワークに対しても、比率H2/H1を0.05以上かつ0.23以下とすることで、クリンチ強度、トルク強度及びワーク変形のすべてが好ましくなることが確認できた。
表2のNo.8〜14及びNo.15〜21のサンプルは、No.1〜7のように隆起外周面51の高さH2を変更しつつ、パイロット部4の外周面41からナット本体2の外周縁21までの距離D2をNo.1〜7よりも大きくしたサンプルである。公称板厚6.0mmのワークに対しても、比率D2/D1に拘わらず比率H2/H1を0.05以上かつ0.23以下とすることの有用性(クリンチ強度、トルク強度及びワーク変形のすべてが好ましい結果が得られること)が確認できた。
このようなピアスナットでは、隆起部5の隆起端面52が隆起外周面51の高さH2により締結座面3から離れて位置されているので、ピアスナット1を金属板8に固着する際に、パイロット部4の打ち抜きにより金属板8に形成される開口80の周縁部に位置するより多くの材料をパイロット部の外周面に密着するように圧入変形することができ、回転抗力及び引き抜き抗力を向上できる。
また、隆起端面52はナット本体2の厚み方向2aに直交して延在されているので、金属板8に形成された開口80の周縁部の多くの材料を圧入変形することができるとともに、圧造による製造をより容易に行うことができる。
さらに、隆起外周面51の高さH2が0.20mm以上であり、パイロット部4の高さH1に対する隆起外周面51の高さH2の比率H2/H1が0.05以上かつ0.23以下であるので、クリンチ強度、トルク強度及びワーク変形を好ましくすることができる。
さらにまた、パイロット部4の外周面41からナット本体2の外周縁21までの距離D2は、2.0mm以上かつ3.5mm以下であるので、締結座面3が過小となる虞を回避しつつ、ピアスナット1のサイズが過大となる虞を回避することができる。
1 ピアスナット
2 ナット本体
20 ねじ孔
21 外周縁
3 締結座面
4 パイロット部
41 外周面
5 隆起部
50 外周縁
51 隆起外周面
52 隆起端面

Claims (4)

  1. 中央部にねじ孔が設けられたナット本体と、
    前記ナット本体の厚み方向に係る一端に設けられた締結座面と、
    前記ナット本体の前記中央部において前記締結座面から突出されたパイロット部と、
    前記パイロット部の根本周囲において前記締結座面から突出された隆起部と
    を備え、
    前記締結座面は、前記隆起部の外周縁から前記ナット本体の外周縁まで延在された平坦面とされており、
    前記隆起部は、前記締結座面から突出された隆起外周面と、前記隆起外周面の先端と前記パイロット部の外周面との間に延在され前記隆起外周面の高さにより前記締結座面から離れて位置されている隆起端面とを有している、
    ピアスナット。
  2. 前記隆起端面は、前記ナット本体の厚み方向に直交して延在されている、
    請求項1記載のピアスナット。
  3. 前記隆起外周面の高さ(H2)は、0.20mm以上であり、
    前記パイロット部の高さ(H1)に対する前記隆起外周面の高さ(H2)の比率(H2/H1)は、0.05以上かつ0.23以下である、
    請求項1又は請求項2に記載のピアスナット。
  4. 前記パイロット部の外周面から前記ナット本体の外周縁までの距離(D2)は、2.0mm以上かつ3.5mm以下である、
    請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のピアスナット。
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