JP2020132794A - Uv硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高温条件下での熱安定性に優れ、かつ硬化性に優れたUV硬化性組成物を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係るUV硬化性組成物は、イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体と、光重合開始剤と、フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤、及びアルコキシアミンラジカル系安定剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の安定剤とを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、UV硬化性組成物に関するものである。
UV硬化性組成物は、種々の用途に用いられ、例えば、光造形法を用いた3Dプリンター用インク等に用いられている。光造形法では、液状の光硬化性樹脂を硬化させ、積層して光造形する。この光造形法を用いた3Dプリンター用インクは、UV等の光硬化により成型体を構成するモデル材と、モデル材を立体的に積み上げる際の支持材として使用するサポート材とを含んでいる。サポート材の上にモデル材を積層することで、オーバーハング構造や中空構造を造形することが可能となる。
特許文献1には、イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体と、光重合開始剤とを含むインクジェット3Dプリンター用光硬化性サポート材組成物が記載されている。
このようなUV硬化性組成物では、例えば60℃で1週間程度といった高温条件下での熱安定性が求められる場合がある。
WO2018/043582
従って、本発明の課題は、高温条件下での熱安定性に優れ、かつ硬化性に優れたUV硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の種類の安定剤を含むことにより、高温条件下での熱安定性に優れ、かつ硬化性に優れたUV硬化性組成物が得られることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明のUV硬化性組成物は、イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体と、光重合開始剤と、フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤、及びアルコキシアミンラジカル系安定剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の安定剤とを含む。
本発明のUV硬化性組成物によれば、高温条件下での熱安定性に優れ、かつ硬化性に優れたUV硬化性組成物を提供できる。
[UV硬化性組成物]
本発明に係るUV硬化性組成物は、イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体と、光重合開始剤と、フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤、及びアルコキシアミンラジカル系安定剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の安定剤とを含む。本発明のUV硬化性組成物は、高温条件下での熱安定性に優れ、かつ硬化性に優れる。上記高温条件下での熱安定性としては、例えば60℃といった高温下で1週間保存した場合に硬化しないレベルが挙げられる。
本発明のUV硬化性組成物は、好ましくは、光造形法を用いた3Dプリンター用インクに使用でき、中でもインクジェット法による3Dプリンター用のインク(インクジェット3Dプリンター用インクともいう)に使用でき、特にサポート材用インクに好ましく使用できる。
1.水溶性エチレン性不飽和単量体
本発明のUV硬化性組成物に含まれる水溶性エチレン性不飽和単量体は、エチレン性不飽和基を分子内に1つ以上有する単量体であり、イオン性基と対イオンとを含有することにより、水溶性が高い単量体である。
エチレン性不飽和基としては、エチレン基、プロペニル基、ブテニル基、ビニルフェニル基、(メタ)アクリル基、アリルエーテル基、ビニルエーテル基、マレイル基、マレイミド基、(メタ)アクリルアミド基、アセチルビニル基およびビニルアミド基などが挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」、「メタクリル」の双方又は何れかを意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又は何れかを意味する。なかでも、(メタ)アクリル基、ビニルエーテル基および(メタ)アクリルアミド基が好ましく、(メタ)アクリル基がより好ましい。
上記イオン性基としては、カルボン酸、リン酸、スルホン酸等が挙げられる。中でもカルボン酸が好ましい。
上記対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン等の1価の対イオン;亜鉛イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、ネオジウムイオン等の多価の金属イオンなどが挙げられる。中でも、1価の対イオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオン、またはアンモニウムイオンがより好ましく用いられ、さらに好ましくはカリウムイオンが用いられる。1価の対イオンに加えて、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、またはネオジウムイオンなどの多価の金属イオンを用いることも好ましい。
対イオンとして、1価の対イオンを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体と、多価の金属イオンを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体とを併用した場合に、UV硬化性組成物を光硬化して得られる硬化物のサポート性をより向上できる。また、これらに加えて、さらに後述の有機酸及び/又はその塩と併用することは本発明の好ましい形態である。多価金属イオンで好ましくは、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンである。
本発明のUV硬化性組成物中に含まれるイオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体の含有量としては、上記組成物100質量%中、上限としては好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、下限としては好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。このようにした場合に、UV硬化性組成物を硬化後の硬化物の硬度をより向上できる。
対イオンとして1価の対イオンを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体と、対イオンとして多価の金属イオンを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体と、の合計含有量としては、UV硬化性組成物100質量%中、上限としては、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。下限としては、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。
対イオンとして1価の金属イオンを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体の含有量は、UV硬化性組成物100質量%中、上限としては、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。下限としては、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。
対イオンとして多価の金属イオンを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体の含有量は、UV硬化性組成物100質量%中、上限としては好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、下限としては好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上である。
上記のようにした場合にUV硬化性組成物を硬化後の硬化物の硬度とともに該硬化物の溶解性をより向上できる。
本発明に係るUV硬化性組成物に含まれる、イオン性基としてのカルボン酸と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−ビニル安息香酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、N−(メタ)アクリロイルアスパラギン酸、ω−(メタ)アクロイルアルカン−1,1ジカルボン酸類の、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩等の1価塩;亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、またはネオジウム塩等の多価塩などが挙げられる。
中でも、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩等の1価塩が好ましく、より好ましくはナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩である。さらに好ましくはカリウム塩である。
カルボン酸の1価塩と多価金属塩を併用した場合に、UV硬化性組成物を光硬化して得られる硬化物の硬度をより向上できる。また、これらに加えて、さらに後述の有機酸及び/又はその塩と併用することは本発明の好ましい形態である。カルボン酸多価金属塩で好ましくは、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩である。
カルボン酸の1価塩と多価金属塩の合計含有量としては、UV硬化性組成物100質量%中、上限としては、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。下限としては、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。
カルボン酸の1価金属塩の含有量は、UV硬化性組成物100質量%中、上限としては、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。下限としては、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。
カルボン酸の多価金属塩の含有量は、UV硬化性組成物100質量%中、上限としては好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、下限としては好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上である。
上記のようにした場合にUV硬化性組成物を硬化後の硬化物の硬度とともに該硬化物の溶解性をより向上できる。
イオン性基としてのカルボン酸と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体としては、カルボン酸に含まれる炭素数が3〜15のナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、及びカルシウム塩が好ましく、炭素数3〜12のナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、及びカルシウム塩がより好ましい。上記炭素数としては、炭素数3〜9がより好ましく、炭素数3〜6がさらに好ましい。中でも、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸カルシウムが特に好ましい。炭素数が少ない単量体を用いることにより、分子中の疎水性部分を小さくすることができ、水溶性エチレン性不飽和単量体の水溶性をより高められる。
本発明に係るUV硬化性組成物に含まれる、イオン性基としてのリン酸と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジフェニル(2−アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、ジフェニル(2−メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート、フェニル(2−アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、メタクロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、アシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコールメタクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ−3−ヒドロキシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアシッドホスフェート、ならびにビニルリン酸、p−ビニルベンゼンリン酸等の分子内にホスホノ基を有する化合物の、ナトリウム塩、カリウム塩、及びアンモニウム塩が挙げられる。
本発明に係るUV硬化性組成物に含まれる、イオン性基としてのスルホン酸と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミドプロピルスルホン酸、4−(メタ)アクリルアミドブチルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、p−ビニルベンゼンスルホン酸、およびビニルスルホン酸等の化合物の、ナトリウム塩、カリウム塩、及びアンモニウム塩が挙げられる。上記例示のイオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のUV硬化性組成物中に含まれるイオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸塩が好ましく、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等、アクリル酸の1価塩がより好ましく、さらに好ましくはアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、特に好ましくはナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩である。最も好ましくはカリウム塩である。
本発明のUV硬化性組成物中に含まれるイオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体としては、上記に加えて、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、またはネオジウム塩等のアクリル酸多価金属塩を含んでいてもよい。アクリル酸多価金属塩で好ましくは、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩である。
アクリル酸の1価塩と多価金属塩を併用した場合に、UV硬化性組成物を光硬化して得られる硬化物のサポート性をより向上できる。アクリル酸の1価塩と多価金属塩を併用する組み合わせとしては、アクリル酸カリウムとアクリル酸亜鉛の組み合わせが好ましい。アクリル酸亜鉛を併用することにより、より高い強度の硬化物を得ることができる。
アクリル酸の1価塩と多価金属塩の合計含有量としては、UV硬化性組成物100質量%中、上限としては、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。下限としては、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。
中でも、アクリル酸カリウムとアクリル酸亜鉛の合計含有量が、UV硬化性組成物100質量%中、10〜30質量%であることが好ましい。このようにすることにより、組成物の粘度を低くすることができ、またアクリル酸塩の使用量を抑制することによりコストも低くできる。
また、アクリル酸の1価塩の含有量は、UV硬化性組成物100質量%中、上限としては、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。下限としては、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。
アクリル酸の多価金属塩の含有量は、UV硬化性組成物100質量%中、上限としては好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、下限としては好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上である。
上記のようにした場合にUV硬化性組成物を硬化後の硬化物の硬度とともに該硬化物の溶解性をより向上できる。
2.他の不飽和単量体
本発明のUV硬化性組成物は、上記イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体以外の他の不飽和単量体を含んでいてもよい。上記他の不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、メチル=2−(ヒドロキシメチル)アクリレート、および2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;フェニルアリルエーテル、o−,m−,p−クレゾールモノアリルエーテル、ビフェニル−2−オールモノアリルエーテル、ビフェニル−4−オールモノアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、およびシクロヘキサンメタノールモノアリルエーテル等のアリルエーテル;ブチルビニルエーテル、ブチルプロペニルエーテル、ブチルブテニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルエトキシビニルエーテル、アセチルエトキシエトキシビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、およびアダマンチルビニルエーテル等のビニルエーテル;フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、およびn−ヘキシルマレイミド等のマレイミド;ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエトキシエチルアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ビス(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ビス(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのEO付加物ビス(メタ)アクリレート等の芳香族基を有するモノマーおよび脂環式基を有するモノマー;ポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート;アクロロイルモルホリン;N−ビニルピロリドン;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド等のアクリルアミド等が挙げられる。
これらは1種で単独使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記他の不飽和単量体の含有量としては、上記組成物100質量%中、50質量%以下であることが好ましい。より好ましくは20〜50質量%、さらに好ましくは25〜45質量%である。また、他の不飽和単量体の含有量が、上記UV硬化性組成物100質量%中、2質量%未満であることも好ましい。このようにした場合に、UV硬化性組成物の臭気をより抑制できる。
3.光重合開始剤
本発明のUV硬化性組成物は、光重合開始剤を含む。上記光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン化合物;2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン化合物;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、[3−(3,4−ジメチル−9−オキソチオキサンテン−2−イル)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−トリメチルアザニウムクロリド等のチオキサントン化合物;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール化合物;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド;およびこれらの混合物等が挙げられる。
これらは1種で単独使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記光重合開始剤の含有量としては、上記組成物100質量%中、好ましくは0.01〜10.0質量%、より好ましくは0.03〜7.0質量%、さらに好ましくは0.05〜5.0質量%である。
4.安定剤
本発明のUV硬化性組成物は、フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤、及びアルコキシアミンラジカル系安定剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の安定剤を含む。本発明のUV硬化性組成物では、上記安定剤を含むことにより、高温条件下での熱安定性に優れながら、且つ、硬化性にも優れたUV硬化性組成物を提供できる。
フェノール系安定剤としては、(アルキル)フェノール、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、p−ベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチル−p−ベンゾキノン、ピクリン酸、トリ−p−ニトロフェニルメチル、ブチル化ヒドロキシトルエン、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール等の化合物;下記式(1)〜(17)で表される化合物等が挙げられる。中でも、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール、p−ベンゾキノンが好ましく、より好ましくは、p−メトキシフェノールである。
Figure 2020132794
Figure 2020132794
上記式(1)〜(17)で表される化合物としては、(1):ANTAGE W−300、(2):ANTAGE W−400、(3):ANTAGE W−500、(4):ANTAGE DAH(以上、川口化学工業株式会社製);(5):Sumilizer BBM−S、(6):Sumilizer GS(F)、(7):Sumilizer GM、(8):Sumilizer WX−R(以上、住友化学株式会社製);(9):IRGANOX 1035、(10):IRGANOX 1076、(11):IRGANOX 1098、(12):IRGANOX 245、(13):IRGANOX 565、(14):IRGANOX 1010、(15):IRGANOX MD1024、(16):TINUVIN 400、(17):TINUVIN 460(以上、BASFジャパン株式会社製)等の市販品が挙げられる。中でも、ANTAGE W−400、ANTAGE W−500、Sumilizer WX−R、IRGANOX 245、IRGANOX MD1024が好ましく、Sumilizer WX−R、IRGANOX 245、IRGANOX MD1024がより好ましく、さらに好ましくは、IRGANOX 245である。
ヒンダードアミン系安定剤としては、フェノチアジン等の化合物、下記式(18)〜(20)で表される化合物等が挙げられる。下記式(18)〜(20)で表される化合物としては、(18):TINUVIN 770NH、(19):TINUVIN 765、(20):TINUVIN 292(以上、BASFジャパン株式会社製)等の市販品が挙げられる。
Figure 2020132794
リン系安定剤としては、トリフェニルホスファイト等が挙げられる。
アルコキシアミンラジカル系安定剤としては、4−ヒドロキシ−TEMPO等が挙げられる。
上記安定剤の含有量としては、上記組成物100質量%中、好ましくは0.05〜0.45質量%であり、より好ましくは0.1〜0.3質量%である。上記安定剤の含有量を上記範囲とした場合に、高温条件下での熱安定性により優れ、且つ、硬化性により優れたUV硬化性組成物とすることができる。
5.有機酸及び/又はその塩
本発明のUV硬化性組成物は、有機酸及び/又はその塩を含んでいてもよい。有機酸及び/又はその塩は、上記水溶性エチレン性不飽和単量体、及び上記他の不飽和単量体以外の化合物である。
有機酸としては、例えば、p−トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸、フェニルホスホン酸などの有機リン酸、有機カルボン酸、リン酸エステルなどが挙げられる。なかでも有機カルボン酸が好ましい。有機カルボン酸としては、例えば、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸が挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、オクチル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、トリデカン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、安息香酸、グリシン、ポリアクリル酸、ポリ乳酸などが挙げられる。芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、フタル酸、サリチル酸などが挙げられる。なかでも、脂肪族カルボン酸がより好ましく、乳酸、プロピオン酸、ポリアクリル酸がさらに好ましい。
有機酸の塩としては、例えば、金属カルボン酸塩が挙げられる。金属カルボン酸塩の金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属;亜鉛;ジルコニウムなどが挙げられる。なかでもカリウムなどのアルカリ金属が好ましい。有機酸の塩としては、乳酸カリウム、プロピオン酸カリウム、ポリアクリル酸ナトリウムが好ましい。
本発明のUV硬化性組成物は、有機酸及び/又はその塩を含んでいる場合に、硬化性がより向上する。
有機酸及び/又はその塩の含有量は、UV硬化性組成物100質量%中、水の含有量が10質量%以下となる範囲で、上限としては好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、下限としては好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。このようにした場合にUV硬化性組成物を硬化後の硬化物の硬度ならびに該硬化物の溶解性とともに貯蔵安定性をより向上できる。
6.溶剤
本発明のUV硬化性組成物は、溶剤を含んでいてもよい。上記溶剤としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール等の1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ポリオキシプロピレングリコールなどのオキシプロピレン基を含むアルキレンオキサイド付加物等のグリコールが挙げられる。上記溶剤は1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記溶剤としては、炭素数2〜6のグリコールが好ましく、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンがより好ましく、ジエチレングリコールが特に好ましい。
上記組成物100質量%中、上記溶剤の含有量は、下限としては、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、上限としては、好ましくは75質量%以下、より好ましくは74質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。
上記炭素数2〜6のグリコールは合計で、上記組成物100質量%中、30〜90質量%含まれていることが好ましく、40〜90質量%含まれていることがより好ましく、55〜90質量%含まれていることがさらに好ましく、70〜90質量%含まれていることが特に好ましい。
中でも、上記組成物100質量%中、ジエチレングリコールの含有量が、30〜90質量%であることが好ましく、40〜90質量%であることがより好ましく、55〜90質量%であることがさらに好ましく、70〜90質量%であることが特に好ましい。
7.添加物
本発明のUV硬化性組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要によりその他の添加剤を含有させることができる。具体的には、例えば、光開始助剤、界面活性剤、着色剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、充填剤等が挙げられる。
光開始助剤としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミンおよびN,N−ジメチルヘキシルアミン等の第3級アミン化合物が挙げられる。
界面活性剤としては、フェノールのエチレンオキサイド(以下EOと略記)1〜40モル付加物、ステアリン酸EO1〜40モル付加物、高級アルコールへのEO1〜40モル付加物、ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸トリエステル等のノニオン界面活性剤;直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、アルキル硫酸塩(AS)、二級アルカンスルホン酸塩(SAS)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(AES)、α−オレフィンスルホン酸塩(AOS)、α−スルホ脂肪酸エステル塩(α−SF)、ポリオキシエチレンアルキルエ−テルカルボン酸塩等のアニオン界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤;アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルベタインなどの両性界面活性剤;パーフルオロアルキルEO1〜50モル付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン等のフッ素含有界面活性剤;ポリエーテル変性シリコーンオイル、(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイル等が挙げられる。
着色剤としては、トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB、ファストイエローG、ジスアゾイエローAAA、ジスアゾオレンジPMP、溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニンブルー、インダントロンブルー、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット、塩基性染料、酸性染料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、無機顔料としての金属酸化物、カーボンブラック等が挙げられる。
酸化防止剤としては、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、トリフェニルホスファイト、オクチル化ジフェニルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
連鎖移動剤としては、ヒドロキノン、ジエチルメチルアミン、ジフェニルアミン、ジエチルジスルフィド、ジ−1−オクチルジスルフィド、トルエン、キシレン、1−ブテン、1−ノネン、ジクロロメタン、四塩化炭素、メタノール、1−ブタノール、エチルチオール、1−オクチルチオール、アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−プロピルアルデヒド、1−ペンチルアルデヒド、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール等が挙げられる。
充填剤としては、アルミナ粉、シリカ粉、タルク、マイカ、クレー、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、アルミニウム粉、銅粉、炭素繊維、ガラス繊維、コットン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、マイクロバルーン、カーボンブラック、金属硫化物、木粉等が挙げられる。
上記添加物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記添加物の含有量としては、上記組成物100質量%中、好ましくは0.05〜30質量%、より好ましくは0.05〜20質量%である。
本発明のUV硬化性組成物は、上述した各種成分を用いて調製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、一般的な撹拌羽根や超音波ホモジナイザー、高速ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、遊星撹拌装置、3本ロール、ボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミル等の混合又は撹拌できる装置を用いて撹拌・混合する方法が挙げられる。溶液調製後に各種フィルターを用いてろ過をしてもよい。
8.UV硬化性組成物の硬化性
本発明のUV硬化性組成物は、硬化性に優れている。硬化性としては、100〜2000mJ/cmの光を照射することにより硬化することが好ましく、100〜1000mJ/cmの光を照射することにより硬化することがより好ましく、100〜600mJ/cmの光を照射することにより硬化することがさらに好ましい。ここで、硬化するとは、液状でなくなり、流動性がなくなることをいう。
本発明のUV硬化性組成物がインクジェット3Dプリンター用インクとして使用される場合には、数μmの厚さで積層後に硬化させて使用されるため、数μmの厚さが硬化していれば良い。この場合、例えば2μm厚の塗膜が、395nm、100mW/cmの光を照射した際に、光を照射してから10秒以内に硬化することが好ましく、6秒以内に硬化することがより好ましく、3秒以内に硬化することがさらに好ましい。
9.UV硬化性組成物の硬化後の硬化物の水溶解性
本発明のUV硬化性組成物は、硬化後の硬化物がサポート材として使用される場合には、サポート材の必須要件として、硬化物の水溶解性が優れていることが好ましい。水溶解性は、例えば、硬化物0.5g(表面積4cm)を金網の上に置き、常温(例えば25℃前後)の水100g中に浸漬した場合に、2時間以内に溶解することが好ましく、1時間以内にほとんど溶解することがより好ましく、1時間以内に溶解して不溶物が目視で観察されないことがさらに好ましい。
10.サポート性
本明細書においてサポート性(サポート力)とは、UV硬化性組成物をサポート材組成物として使用した場合に、その硬化物(サポート材)がモデル材を支える性能であり、後述する方法で測定される、硬化物(サポート材)の硬度(ショワE)で表すことができる。
本発明のUV硬化性組成物では、水の含有量がUV硬化性組成物100質量%中、10質量%以下である場合に、サポート性を向上できる。
[インクジェット3Dプリンター用インク]
本発明のUV硬化性組成物は、好ましくはインクジェット3Dプリンター用インクとして使用できる。インクジェット3Dプリンター用インクに含まれる上記UV硬化性組成物は、媒体で希釈されていてもよい。
上記UV硬化性組成物をそのまま(あるいは直接)インクジェット3Dプリンター用インクとして用いることもできるし、媒体と上記UV硬化性組成物とを混合することによって本発明に係るインクジェット3Dプリンター用インクを製造することもできる。上記媒体としては、親水性媒体が好ましい。この場合にも、インクジェット3Dプリンター用インク100質量%中、水の含有量が10質量%以下となることが好ましい。
上記インクジェット3Dプリンター用インクは必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含んでいてもよい。その他の添加剤としては、例えば、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、キレート剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、着色剤、褪色防止剤、比抵抗調整剤、皮膜調整剤、酸化防止剤、及び界面活性剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、たとえばインク液に直接添加できる。
上記インクジェット3Dプリンター用インク100質量%中、上記UV硬化性組成物の含有量は、下限としては、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、上限としては、100質量%以下が好ましい。
インクジェット3Dプリンター用インクでは、25℃における粘度は5〜300mPa・sが好ましい。また、表面張力は25〜70mN/mが好ましい。
[インクジェット3Dプリンター用カートリッジ]
インクジェット3Dプリンター用カートリッジでは、上記のインクジェット3Dプリンター用インクを充填している。インクジェット3Dプリンター用カートリッジは、上記インクジェット3Dプリンター用インクが充填されていればよく、インクジェット3Dプリンター用カートリッジの形態としては公知のものが使用できる。
[サポート材の製造方法]
本発明のUV硬化性組成物は、好ましくはサポート材の製造に使用できる。サポート材の製造方法は、上記インクジェット3Dプリンター用インクを使用しておればよく、特に限定されないが、該インクをノズルから噴射、印刷等にて造形後、100mJ/cm〜1500mJ/cm程度の紫外線を照射して硬化する等の公知の方法が使用できる。
[光造形物の製造方法]
本発明のUV硬化性組成物は、好ましくは光造形物の製造に使用できる。光造形物の製造方法は、
上記UV硬化性組成物または上記インクジェット3Dプリンター用インクを用いたサポート材の形成工程と;
モデル材の形成工程と;
上記サポート材の除去工程とを含んでいる。
光造形物の製造方法では、サポート材の形成工程において上記UV硬化性組成物または上記インクジェット3Dプリンター用インクを用いる他は、公知の方法が使用できる。
上記UV硬化性組成物または上記インクジェット3Dプリンター用インクは、硬化性に優れ、硬化後の硬化物の硬度が十分であり、且つ、溶媒への溶解性に優れているため、優れた光造形物を容易に製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
<実施例1>
ジエチレングリコール[(株)日本触媒製]83質量部に、水溶性エチレン性不飽和単量体としてアクリル酸カリウム[(株)日本触媒製]12質量部、アクリル酸亜鉛[(株)日本触媒製]5質量部、光重合開始剤としてイルガキュアTPO[BASFジャパン(株)製]0.3質量部、安定剤としてp−メトキシフェノール[富士フイルム和光純薬(株)製]0.15質量部を加えて撹拌混合し、UV硬化性組成物を得た。
<実施例2〜11>
実施例2〜11のそれぞれについて、p−メトキシフェノール0.15質量部を下記表1に記載した安定剤0.15質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、UV硬化性組成物を得た。なお、表1において、ヒドロキノンは富士フイルム和光純薬(株)製、p−ベンゾキノンは富士フイルム和光純薬(株)製、ANTAGE W−400、ANTAGE W−500は川口化学工業(株)製、ブチル化ヒドロキシトルエン、4−ヒドロキシ−TEMPOは東京化成工業(株)製、IRGANOX 245、IRGANOX MD1024はBASFジャパン(株)製、SUMILIZER WX−Rは住友化学(株)製、フェノチアジンは関東化学(株)製のものを使用した。
<比較例1>
比較例1について、p−メトキシフェノール0.15質量部を加えなかった以外は実施例1と同様にして、UV硬化性組成物を得た。
実施例1〜11、比較例1で得たUV硬化性組成物について、以下の評価方法で評価を行った。
(i)DG(ジエチレングリコール)に対する溶解性
実施例1〜11、比較例1で得たUV硬化性組成物について、各試料0.03gのジエチレングリコール20gに対する溶解性を評価した。評価基準は、次の通りである。結果を表1に示す。
○:常温で溶解する。
△:50℃で溶解する。
×:溶解しない。
(ii)熱安定性
実施例1〜11、比較例1で得たUV硬化性組成物を、直径2.7cmの円筒状褐色ガラス瓶に10g入れて密閉し、60℃で1週間静置後、熱安定性を目視で評価した。評価基準は、次の通りである。結果を表1に示す。
○:硬化しておらず、濁りが発生していない。
△:硬化していないが、濁りが発生している。
×:硬化している。
(iii)硬化性評価
実施例1〜11で得たUV硬化性組成物をガラス基板(5.2cm×3.8cm)に2μm厚に塗布し、395nm、100mW/cmの光を照射し、光を照射してから硬化するまでの時間を評価した。結果を表1に示す。
(iv)硬化物のE硬度(ショワE)
実施例1〜11で得たUV硬化性組成物について、デュロメーターE型(高分子計器社製)を用いて、0秒後ならびに15秒後のE硬度を測定した。結果を表1に示す。
(v)硬化物の水溶解性
(iii)硬化性評価で硬化させた硬化物0.3gを水2.7mL(25℃)に浸漬し、硬化物の水溶解性を下記の基準で評価した。結果を表1に示す。
○:30分以内に溶解する。
△:2時間以内に溶解する。
×:溶解しない。
Figure 2020132794
実施例1〜11、比較例1で得たUV硬化性組成物の、25℃における粘度は何れも75〜80mPa・s、25℃における表面張力は何れも44.0〜44.5mN/mであった。上記粘度はJIS Z 8803に準拠し、R100型粘度計により、上記表面張力は全自動平衡式エレクトロ表面張力計ESB−V(共和界面科学社製)により測定した。
表1に示すように、特定の安定剤を含むUV硬化性組成物は、高温条件下での熱安定性に優れ、かつ硬化性に優れていた。
本発明のUV硬化性組成物によれば、高温条件下での熱安定性に優れ、かつ硬化性に優れたUV硬化性組成物を提供できる。

Claims (1)

  1. イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体と、
    光重合開始剤と、
    フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤、及びアルコキシアミンラジカル系安定剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の安定剤とを含む
    UV硬化性組成物。
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