JP2020131638A - 複合構造体、センサ及びセンサシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】所望の光学物性と必要な機械的特性との両立を可能にする。【解決手段】開示の複合構造体は、コレステリック液晶エラストマー11と、前記コレステリック液晶エラストマー11との組み合わせにおいて、前記コレステリック液晶エラストマー11単体とは異なる機械的特性を生じさせるように前記コレステリック液晶エラストマー11に設けられた機械的特性制御材21,22と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、複合構造体、センサ及びセンサシステムに関する。
コレステリック液晶(CLC)は、液晶分子がらせん状に配向した構造を有する(特許文献1参照)。コレステリック液晶は、特定波長の円偏光を選択的に反射する。また、液晶エラストマー(LCE)は、液晶としての性質とゴム弾性とを併せ持つハイブリッド材料である。
特開2018−172572号公報
液晶エラストマーにおいて液晶分子のらせん状配向を実現することで、コレステリック液晶エラストマー(CLCE)が得られる。コレステリック液晶エラストマーは、例えば、液晶モノマー、キラル剤、架橋剤、及び可塑剤により調製される。コレステリック液晶エラストマーは、ゴム弾性を有し、加えられた外力に応じて、反射色(構造色)が変化する。
コレステリック液晶エラストマーは、外力に応じて反射色(構造色)が変化する特性から、様々な産業的応用が期待される。例えば、コレステリック液晶エラストマーは、加えられた外力を反射色(反射波長)によって示す応力/ひずみセンサとして利用可能である。また、センサ以外の外力が加えられる製品において、コレステリック液晶エラストマーは、加えられた外力に応じて色が変化する機能を、その製品に付与することができる。
コレステリック液晶エラストマーを産業的に応用する場合、コレステリック液晶エラストマーは、コレステリック液晶エラストマーとして所望される光学物性(例えば、ひずみ変化に対する応答としての反射波長の変化特性)を持つだけでなく、利用される製品において必要とされる機械的特性を持つことが必要となる。
しかし、所望の光学物性を得つつ、必要な機械的特性(力学特性)を持つコレステリック液晶エラストマーを製造することは必ずしも容易ではないことがある。例えば、コレステリック液晶エラストマーの光学物性は、主に、液晶モノマーとキラル剤の化学構造と組成比で決定される。一方、力学特性は、主に、液晶モノマー、架橋剤、及び可塑剤の化学構造と組成比で決定される。このため、光学物性と力学特性をそれぞれ独立して制御することは非常に困難である。したがって、所望の光学物性が得られるように各成分の化学構造と組成を選定すると必要とされる力学特性が得られない、あるいは所望の力学特性が得られるように各成分の化学構造と組成を選定すると必要とされる光学特性が得られないことが多い。これにより,コレステリック液晶エラストマーの産業的応用が制限される場合がある。
したがって、コレステリック液晶エラストマーの産業的応用等を考慮すると、所望の光学物性と必要な機械的特性との両立が可能であることが望まれる。
本開示のある側面は、複合構造体である。開示の複合構造体は、コレステリック液晶エラストマーと、前記コレステリック液晶エラストマーとの組み合わせにおいて、前記コレステリック液晶エラストマー単体とは異なる機械的特性を生じさせるように前記コレステリック液晶エラストマーに設けられた機械的特性制御材と、を備える。
本開示の他の側面は、複合構造体を用いたセンサ又はセンサシステムである。更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
図1は、第1実施形態に係る複合構造体の斜視図である。 図2は、コレステリック液晶エラストマーの原料を示す図である。 図3は、複合構造体の製造装置の説明図である。 図4は、複合構造体の製造工程を示す説明図である。 図5は、複合構造体及びコレステリック液晶エラストマー単体の引張試験結果である。 図6は、引張・収縮に伴うらせんピッチ変化の説明図である。 図7は、コレステリック液晶エラストマー単体における反射波長の変化の遅延を示す図である。 図8は、コレステリック液晶エラストマー単体における反射波長の変化(クリープ回復時)の遅延を示す図である。 図9は、コレステリック液晶エラストマー単体の応力−ひずみ曲線である。 図10は、複合構造体における反射波長の変化の遅延が解消されていることを示す図である。 図11は、複合構造体の応力−ひずみ曲線である。 図12は、複合構造体の波長−ひずみ曲線である。 図13は、第2実施形態に係る複合構造体の側面図である。 図14は、R811の化学構造を示す。 図15は、コレステリック液晶エラストマーにおける反射の説明図である。 図16は、ポリオレフィンと複合構造体(積層構造体)の応力−ひずみ曲線である。 図17は、第2実施形態に係る複合構造体の反射スペクトルと複合構造体の写真である。 図18は、複合構造体の他の例を示す斜視図である。 図19は、センサシステムの構成図である。 図20は、色相−荷重のプロット結果である。
<1.複合構造体、センサ及びセンサシステムの概要>
(1)実施形態に係る複合構造体は、コレステリック液晶エラストマーと、前記コレステリック液晶エラストマーとの組み合わせにおいて、前記コレステリック液晶エラストマー単体とは異なる機械的特性を生じさせるように前記コレステリック液晶エラストマーに設けられた機械的特性制御材と、を備える。機械的特性制御材は、コレステリック液晶エラストマー単体とは異なる機械的特性を複合構造体に生じさせる。したがって、所望の光学物性と必要な機械的特性との両立が可能となる。
(2)前記コレステリック液晶エラストマーは、ひずみが開放されたときの反射波長の変化を遅延させる粘性を有することができる。粘性は、例えば、コレステリック液晶エラストマーに添加された可塑剤によって生じる。このような粘性は、必要な機械的特性上、好ましくないことがあるが、機械的特性制御材は、必要な機械的特性を複合構造体に生じさせることができる。
(3)前記機械的特性制御材は、前記遅延を抑制する弾性を、前記コレステリック液晶エラストマーとの組み合わせに付与する弾性体であってもよい。この場合、機械的特性制御材によって、反射波長の変化の遅延が抑制される。
(4)前記機械的特性制御材は、前記遅延が実質的に生じない程度の弾性を、前記コレステリック液晶エラストマーとの組み合わせに付与する弾性体であってもよい。この場合、機械的特性制御材によって、反射波長の変化の遅延を実質的になくすことができる。
(5)前記コレステリック液晶エラストマーは、ひずみが開放されたときの反射波長の変化を遅延させる粘性を有し、前記機械的特性制御材と前記コレステリック液晶エラストマーとの組み合わせは、前記機械的特性制御材の弾性によって前記粘性が打ち消されているのが好ましい。この場合、コレステリック液晶エラストマーとしては粘性が生じるように製作されても、機械的特性制御材の弾性によって、複合構造体全体としては粘性が打ち消される。
(6)前記機械的特性制御材は、前記コレステリック液晶エラストマーの弾性変形を、塑性変形によって保持するよう構成されていてもよい。この場合、コレステリック液晶エラストマーの弾性変形により変化した構造色を、機械的特性制御材の塑性変形によって保持することができる。
(7)前記コレステリック液晶エラストマーは、前記機械的特性制御材によって束縛された制限場内に配置されているのが好ましい。この場合、コレステリック液晶エラストマーの挙動を、機械的特性制御材によって容易に制御することができる。なお、ここで、制限場とは、コレステリック液晶エラストマーの機械的挙動(変形など)が、専ら、機械的特性制御材の機械的特性に依存するように束縛された空間をいい、好適には、機械的特性制御部材によって概ね囲まれた空間である。
(8)前記コレステリック液晶エラストマーは、第1層と、前記第1層とは異なる特性を有する第2層と、を有する積層構造を持っていてもよい。この場合、第1層及び第2層により複合的な特性が得られる。
(9)前記第1層は、左巻らせん状の配向構造を有し、前記第2層は、右巻らせん状の配向構造を有することができる。この場合、反射光が増大する。
(10)実施形態に係るセンサは、ひずみが開放されたときの反射波長の変化を遅延させる粘性を有するコレステリック液晶エラストマーと、前記遅延を抑制する弾性を、前記コレステリック液晶エラストマーとの組み合わせに付与する弾性体と、を備え、ひずみの大きさを前記コレステリック液晶エラストマーの構造色により示すセンサである。
(11)他の実施形態に係るセンサは、コレステリック液晶エラストマーと、前記コレステリック液晶エラストマーの弾性限界を超えない応力で塑性変形する塑性変形材と、を備え、前記塑性変形材は、前記コレステリック液晶エラストマーのひずみの大きさに応じた構造色を、ひずみを生じさせた外力が失われた後においても塑性変形により保持するセンサである。
(12)実施形態に係るセンサシステムは、(10)又は(11)に記載のセンサと、前記センサの前記構造色を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像された画像に基づき、前記構造色を数値化したセンサ検出として求める処理装置と、を備える。
(13)前記処理装置は、前記センサにおける前記構造色の分布から、前記センサ検出値の分布を求めてもよい。
<2.複合構造体、センサ及びセンサシステムの例>
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る複合構造体10を示している。図1に示す複合構造体10は、積層構造(積層フィルム構造)を持つ。複合構造体10は、コレステリック液晶エラストマー11からなる内層を有する。コレステリック液晶エラストマー11は、一例として、厚さ約50μmのフィルム状である。
コレステリック液晶エラストマー11の両面には、それぞれ、機械的特性制御材21,22が設けられている。機械的特性制御材21,22は、例えば、シリコーンゴムである。ここでは、シリコーンゴムの一例として、それぞれ、厚さ約100μmのフィルム状のPDMS(ポリジメチルシロキサン)を機械的特性制御材21,22として用いた。機械的特性制御材21,22は、コレステリック液晶エラストマーと一体的になっており、コレステリック液晶エラストマー11とともに積層構造を構成している。すなわち、複合構造体10は、内層であるコレステリック液晶エラストマー11を機械的特性制御材21,22が両面側から挟み込んだサンドイッチ構造を有している。機械的特性制御材21,22は、サンドイッチ構造における表面層を構成し、コレステリック液晶エラストマー11単独とは異なる機械的特性を複合構造体10に付与する。機械的特性制御材は、一部又は全部が光透過性を有しているのが好ましい。機械的特性制御材は、一部又は全部が透明であるのがより好ましい。機械的特性制御材は、可視光を透過可能であるのが好ましいが、赤外線又は紫外線のような非可視光を透過可能であってもよい。
図2は、コレステリック液晶エラストマー11の原料となるモノマー混合物の構造とモル比の一例を示している。原料となるモノマーは、アクリレート誘導体の液晶性モノマー(基材)LC、らせん配向誘起のためのキラル剤(キラルモノマー)CD、及び架橋剤HDDAである。また、原料には、可塑剤5CBとして低分子液晶を添加した。可塑剤を添加することで、外力に応じた変化が生じる程度のゴム弾性を持つコレステリック液晶エラストマー11を得ることができる。また、光重合を行うため光重合開始剤Irgacure651を用いた。
図2に示すように、液晶モノマーLC、キラルモノマーCD、及び可塑剤5CBを、モル比の合計が100になるように混合した。また、液晶モノマーLC、キラルモノマーCD、及び可塑剤5CBの混合物へ、架橋剤を7%、光開始剤を1%となるように添加し、重合に用いた。図2に示すように、キラルドーパント濃度の異なる3種類のサンプルを作製し、キラルドーパント濃度に応じて、サンプル名をそれぞれCD20,CD30,CD40とした。
図3は複合構造体10の製造装置100を示し、図4は複合構造体10の製造装置100を用いた製造工程を示している。製造装置100は、第1基板(第1ガラス基板)111及び第2基板(第2ガラス基板)121を備えている。第1基板111上に、複合構造体10の表面層となるPDMS21が貼付される(図3のS2A参照)。PDMSの両側に、スペーサ112,113が配置される。同様に、第2基板121上にも、PDMSが貼付され、スペーサ122,123が配置される。
図3のS3B及びS3Cに示すように、第1基板111及び第2基板121は、PDMS21が貼付された面が対向するように重ね合わされる。図3のS3Cの側面視であるS3Dに示すように、重ね合わされた第1基板111及び第2基板121は、スペーサ112,113,122,123によって、間隔が保たれる。第1基板111と第2基板121との間には、PDMS21,22によって挟まれた空間(隙間)130が形成される。この空間の厚さ(PDMS21からPDMS22までの長さ)は、約50μmとなるように、スペーサ112,113,122,123の大きさが設定されている。
複合構造体10の製造においては、図2に示すモノマー混合物(CD20,CD30,CD40)が、空間130へ浸透される(図4のS4A)。その後、コレステリック液晶相を示した状態で第1基板111を面方向へスライドさせ,剪断応力(shear stress)を加えることで、液晶の配向処理が行われる(図4のS4B)。そして、紫外線を照射することで、光重合が行われる(図4のS4C)。
光重合後、第1基板111及び第2基板121から、PDMS21,22ごとコレステリック液晶エラストマー11を剥離させる。これにより、PDSM21,22にコレステリック液晶エラストマー11が挟まれた積層フィルム(複合構造体10)が得られる(図4のS4D)。複合構造体10の各サンプルCD20,CD30,CD40は、キラルドーパント濃度の違いに応じて、それぞれ異なる構造色を示す。
上記のようにして得られた複合構造体10及びコレステリック液晶エラストマー11単体の機械的特性を評価するため、引張試験を行った。図5は、引張試験結果(2mm/min)である応力−ひずみ曲線を示している。図5において、“PDMS/Elastomer/PDMS”は、複合構造体10の結果を示し、“Elastomer”は、コレステリック液晶エラストマー11単体の結果を示している。
図5の曲線から、コレステリック液晶エラストマー11単体のヤング率は、0.46MPaであった。コレステリック液晶エラストマー11単体は、可塑剤5CBのため柔軟になっており、粘性が大きい。一方、複合構造体10のヤング率は3.5Mpaであった。複合構造体10のヤング率の値は、一般的なPDMSフィルムと同程度である。すなわち、複合構造体10全体の機械的特性は、概ねPDMS21,22に由来している。つまり、PDMS21,22は、コレステリック液晶エラストマー11の粘性を打ち消して、十分に優位な弾性を複合構造体10に付与する機械的特性制御材として機能している。
複合構造体10(コレステリック液晶エラストマー11)に引張ひずみを加えると、構造色が変化した。例えば、CD20の複合構造体10に引張ひずみを加えると、構造色が、赤色から青緑色へ変化し、元に戻すと青緑色から赤色へと変化する様子が目視で確認された。
図6に示すように、実施形態のコレステリック液晶エラストマー11のらせん状液晶分子は、らせん軸が、フィルム状のコレステリック液晶エラストマー11表面に対して垂直に向くように配向している。フィルム状のコレステリック液晶エラストマー11を引張変形させると、フィルムの厚みが減少し、らせんが軸方向に収縮し、らせんピッチが小さくなる。コレステリック液晶における反射波長は、らせんピッチに比例するため、フィルムの厚みの減少によりらせんピッチが小さくなると、反射波長が短波長側へシフトする。
また、引張ひずみを開放させると、引張変形していたコレステリック液晶エラストマー11は、収縮して、厚さが元に戻る。したがってらせんは、軸方向に拡大し、らせんピッチが大きくなる。これにより、反射波長が長波長側へシフトする。
また、キラルドーパント濃度が大きくなるほど、反射波長は短波長側へとシフトする。これは、キラルドーパント濃度を大きくすると、ひずみを加えていない状態でのらせんピッチ長が短くなったためであると考えられる。したがって、キラルドーパント濃度を任意の値で調整して重合を行うことで,反射波長を自由に決定できる。
図7及び図8は、コレステリック液晶エラストマー11のフィルム単体における、伸縮によるピーク波長変化を示している。図7及び図8は、5%の引張ひずみが与えられている状態と、30%の引張ひずみが与えられている状態と、を30秒ごとに切り替え、そのときの反射スペクトル(反射波長λmax)を測定した結果である。
図7及び図8に示すように、5%の引張ひずみが与えられている状態から、30%の引張ひずみが生じるまで、コレステリック液晶エラストマー11を引張変形させると、反射波長λmaxは、ひずみ(Applied Strain)の変化に即座に追従してほぼ遅延なく、変化する。すなわち、コレステリック液晶エラストマー11の構造色は、ひずみの変化に追従してほぼ遅延なく変化する。
一方、30%の引張ひずみの状態から、引張ひずみが5%になるまで、ひずみを開放させて圧縮変形させると、反射波長λmaxは、ひずみ(Applied Strain)の変化に遅延して変化する。つまり、ひずみ変化の応答としての反射波長の変化は遅延する。したがって、遅延期間においては、コレステリック液晶エラストマー11の構造色の変化は、ひずみの変化に遅延する。このように、コレステリック液晶エラストマー11単体では、色の変化の応答性が低い。この結果、開放(戻り)時において、引張時と同じひずみの値になった時点の構造色は、引張時の構造色とは異なるものとなる。
図7及び図8の結果は、コレステリック液晶エラストマー11のフィルム単体は、粘性が優位な粘弾性体であることを示している。すなわち、コレステリック液晶エラストマー11のフィルム単体は、粘性が優位であるため、引張ひずみを取り除いて開放させたときに緩やかに収縮する。この結果、反射波長の変化も緩やかに生じる。粘性が優位であるのは、可塑剤の添加のためである。可塑剤は、室温におけるゴム弾性を得るために有用であるが、粘性も増大させる。エラストマーの粘性を抑えて弾性を優位にするには、架橋剤の組成を増やすことが考えられる。しかし、コレステリック液晶エラストマー11の調製に用いられる架橋剤の組成を増やすと、コレステリック液晶としての性質が消失するおそれがある。このように、コレステリック液晶エラストマー11単体では、光学特性と力学特性の両立が困難である。
図9は、コレステリック液晶エラストマー11のフィルム単体における、引張時と圧縮(戻り)時との応力−ひずみ曲線を示している。図9からも、コレステリック液晶エラストマー11のフィルム単体は、粘性が優位であることがわかる。図9に示すように、コレステリック液晶エラストマー11単体では、応力−ひずみ特性が、引張時と圧縮時とで異なり、ヒステリシスが生じている。
コレステリック液晶エラストマー11は、加えられた外力に応じて構造色が変化するため、色によって外力の大きさを示すセンサとして利用可能である。しかし、コレステリック液晶エラストマー11の粘性が大きいことは、歪センサとしてコレステリック液晶エラストマー11を用いる場合に不利である。つまり、収縮時における色の変化は、生じたひずみの変化よりも遅延する。このような遅延は、ひずみの変化に対する応答性を低下させ、不感帯を生じさせる。また、構造色がひずみの大きさを正しく示さない原因となる。このような遅延は、特定の構造色が、特定のひずみを示すことを保証できなくなる。
これに対して、第1実施形態に係る複合構造体10は、色の変化の遅延が抑制されている。図10は、複合構造体10における、伸縮によるピーク波長変化を示している。図10は、図7と同様に、5%の引張ひずみが与えられている状態と、30%の引張ひずみが与えられている状態と、を30秒ごとに切り替え、そのときの反射スペクトル(反射波長λmax)を測定した結果である。
図10では、引張変形したときも、収縮変形したときも、反射波長λmaxは、ひずみ(Applied Strain)の変化に即座に追従してほぼ遅延なく、変化する。すなわち、コレステリック液晶エラストマー11の構造色は、引張時も収縮時も、ひずみの変化に追従してほぼ遅延なく変化する。このように、複合構造体10では、コレステリック液晶エラストマー11の粘性が打ち消され、弾性が十分に優位である。つまり、複合構造体10は、概ね、完全弾性体になっているといえる。したがって、複合構造体10は、ひずみの変化に追従して色が変化するセンサとして好適である。
図11は、複合構造体10における、引張時と圧縮(戻り)時との応力−ひずみ曲線を示している。図11から、複合構造体10は、応力−ひずみ特性が、引張時と圧縮時とでほぼ共通しており、ヒステリシスが抑制されている。図11からも、複合構造体10は、粘性が十分に抑えられ、弾性が優位であることがわかる。
図12は、複合構造体10の引張時における波長−ひずみ特性と、収縮時における波長−ひずみ特性と、を示している。図12は、複合構造体10が、引張時だけでなく、収縮時においても、色の変化を生じさせる可逆性を有することを示している。
また、図12に示すように、複合構造体10は、波長−ひずみ特性が引張時と収縮時とにおいてほぼ一致している。つまり、複合構造体10においては、ひずみと波長との対応が、ほぼ1対1対応となり、特定の色が特定のひずみを示すことが保証される。特に、図12に示すように、複合構造体10が弾性変形する領域(例えば、ひずみが50%までの領域)において、複合構造体10を変形させると、波長−ひずみ特性が線形となり、ひずみの大きさの変化と色の変化との対応が線形となって好適である。
以上のように、第1実施形態によれば、コレステリック液晶エラストマー11自体の機械的特性を調整しなくても、コレステリック液晶エラストマー11を内包する機械的特性制御材21,22によって、複合構造体10の機械的特性を制御することができる。これは、コレステリック液晶エラストマー11を、PDMS21,22のような弾性が優位である弾性体によって挟み込むことで得られる。すなわち、コレステリック液晶エラストマー11の機械的挙動は、PDMS21,22によって束縛されているため、複合構造体10全体としての機械的特性は、主に、PDMS21,22によって規定される。このように、PDMS21,22は、コレステリック液晶エラストマー11を束縛する制限場を形成している。
<第2実施形態>
図13は第2実施形態に係る複合構造体10を示している。第1実施形態では、複合構造体10中のコレステリック液晶エラストマー11は、単層であったが、第2実施形態においては、複数層である。すなわち、第2実施形態において、コレステリック液晶エラストマー11は、積層構造を有する。図13では、コレステリック液晶エラストマー11は、第1層11Aと、第2層11Bと、を有する。第1層11A及び第2層11Bのコレステリック液晶としての光学物性を異ならせることで、複合的な光学物性が得られる。
例えば、第1層11Aと第2層11Bとで、らせんの巻きの向きを異ならせることができる。より具体的には、第1層11Aは、左巻らせん状の配向構造を有し、第2層11Bは、右巻きらせん状の配向構造を有する。らせんの巻きの向きが異なる複数の層11A,11Bを設けることで、反射光を増大させることができる。このようなコレステリック液晶におけるらせん構造の巻き方向は、キラルドーパントの掌性により一意的に決定される。例えば、代表的なキラルドーパントとしてMerck社製の「R811」と「S811」は鏡像異性体であり分子構造中のキラル部位の掌性が異なっている。液晶モノマーと混合することで「R811」は右巻きらせん状の配向構造を、「S811」は左巻きらせん状の配向構造を形成することが知られている。図14にR811の分子構造を例示する。
図15は、コレステリック液晶における光の反射と透過を示している。コレステリック液晶は、らせんの巻きと同じ向きの掌性を持つ円偏光を反射する。例えば、らせんが左巻き(LH)の単層コレステリック液晶エラストマー11は、左円偏光を反射し、右円偏光を透過させる。したがって、反射光は最大でも入射光の50%となる。これに対して、らせんの巻の異なる複数の層11A,11Bが設けられていると、左巻きの第1層11Aにおいて、左円偏光を反射し、右巻きの第2層11Bにおいて、右円偏光を反射する。したがって、反射光が増大し、センサとしての視認性が向上する。
<第3実施形態>
第3実施形態に係る複合構造体10は、図1に示す第1実施形態と同様に3層の積層構造(サンドイッチ構造)を有する。第3実施形態において、内層となるコレステリック液晶エラストマー11は、一例として、厚さ50μmのフィルム状である。表面層となる機械的特性制御材21,22は、それぞれ、厚さ8μmポリオレフィンにより構成した。
ポリオレフィン21,22は、塑性変形しやすい塑性変形材である。ポリオレフィン21,22は、コレステリック液晶エラストマー11の変形状態を、ポリオレフィン21,22の塑性変形によって保持する。つまり、コレステリック液晶エラストマー11が、外力によって引張変形されて、色が変化すると、その引張変形は、ポリオレフィン21,22の塑性変形によって保持される。したがって、コレステリック液晶エラストマー11の構造色は、外力が失われた後も保持される。このように、第3実施形態の複合構造体10は、生じたひずみの大きさを、色によって記録するセンサとして利用できる。
構造色を保持するには、コレステリック液晶エラストマー11が弾性変形可能であって破断しないひずみ範囲において、機械的特性制御材21,22が塑性変形すればよい。換言すると、第3実施形態の機械的特性制御材21,22が、応力−ひずみ曲線において、降伏点を超えて塑性変形する範囲において、コレステリック液晶エラストマー11が弾性変形可能であればよい。
図16は、ポリオレフィン21,22単体における応力−ひずみ曲線と、第3実施形態に係る複合構造体(積層構造体)10における応力−ひずみ曲線と、を示している。ポリオレフィン21,22単体及び複合構造体10ともに、最初に極大応力を示した後に、塑性変形する領域が生じ、応力が大きくなると破断する。なお、複合構造体10において、破断時の極大応力以外に、極大応力が2度生じているが、これは、内層のコレステリック液晶エラストマー11が破断したためである。
図17は、第3実施形態に係る複合構造体10を引張変形させたときの反射スペクトルを示している。この反射スペクトルは、ひずみを0%から50%まで変化させたときの構造色の波長(ピーク波長)を示している。また、図17は、引張変形前後の写真25A,25Bを示している。写真25Aは、引張前の複合構造体10を示し、写真25Bは、引張後(100%strain)の複合構造体10を示している。写真25Bに示すように、引張後の複合構造体10は、外力が与えられていなくても、引張変形した状態を保ち、写真25Aの初期状態には戻らない。また、引張前の複合構造体10は、赤色の構造色を示したが、引張後の複合構造体10は、青緑色の構造色を示した。外力が与えられていなくても、青緑色の構造色は保持され、赤色には戻らなかった。
以上のように、第3実施形態においても、コレステリック液晶エラストマー11自体の機械的特性を調整しなくても、コレステリック液晶エラストマー11を内包する機械的特性制御材21,22によって、複合構造体10の機械的特性を制御することができる。
つまり、第3実施形態においては、コレステリック液晶エラストマー11自体はゴム弾性を有していても、コレステリック液晶エラストマー11と機械的特性制御材21との組み合わせである複合構造体10全体としてみると、塑性変形しやすい材料となっている。
<複合構造体の設計指針>
以上の第1実施形態及び第3実施形態によれば、複合構造体10の設計指針は、例えば、次のとおりである。まず、製品(センサなど)の仕様に応じて、製品において生じるひずみの大きさが決定される。例えば、ひずみセンサであれば、計測すべきひずみ範囲(機械的特性)がセンサ仕様として決定される。なお、コレステリック液晶エラストマー11自体の製作においては、計測すべきひずみ範囲(機械的特性)を考慮する必要はない。
計測すべきひずみ範囲において、弾性変形を得たい場合、計測すべきひずみ範囲において弾性変形する材料を機械的特性制御材21,22として採用すればよい(第1実施形態参照)。つまり、機械的特性制御材21,22の応力−ひずみ曲線の降伏点よりも手前(弾性変形範囲)に、計測すべきひずみ範囲が存在すればよい。
一方、計測すべきひずみ範囲において、塑性変形を得たい場合、計測すべきひずみ範囲において塑性変形する材料を機械的特性制御材21,22として採用すればよい(第3実施形態参照)。つまり、機械的特性制御材21,22の応力−ひずみ曲線の降伏点よりも大きい範囲(塑性変形範囲)に、計測すべきひずみ範囲が存在すればよい。
<複合構造体の応用>
本実施形態によれば、光学物性と機械的特性とを独立して制御できるため、産業的な応用に有利である。例えば、同一のコレステリック液晶エラストマー11を、第1の機械的特性を有する複合構造体10の製造に用いることもできるし、第1の機械的特性とは異なる第2の機械的特性を有する複合構造体10の製造に用いることもできる。
また、機械的特性制御材21,22は、複合構造体10の表層を構成しているため、内層であるコレステリック液晶エラストマー11の保護にもなり、複合構造体10全体として化学的安定性も得られる。
前述のように、複合構造体10は、ひずみセンサなどのセンサとして利用できる。複合構造体10がフィルム状又はシート状などの面状体である場合、複合構造体10の面内における応力またはひずみの分布が、色の分布として生じる(応力/ひずみマッピング)。すなわち、複合構造体10の面内において、ひずみ等が大きい箇所と、ひずみ等が小さい箇所とでは、異なる色が示される。したがって、人体など、圧力が生じ得る箇所に、複合構造体を貼付すると、貼付箇所における圧力分布を、複合構造体10における色の分布としてマッピングすることができる。したがって、複合構造体10は、感圧シートとして用いることもできる。複合構造体10を利用した感圧シートは、圧力の大きさを、色で示すことができる。
このような複合構造体10のセンサ機能は、センサそのものとして利用される場合に限られず、ひずみ又は応力の発生を色によって示す機能が付加された製品としても利用できる。例えば、複合構造体10を、シューズの底又はタイヤに取り付けることで、シューズの底又はタイヤへの圧力の加わり方を色で示すことができる。
複合構造体10によってテーピングなどのテープ状部材を構成すると、テープ状部材に加えられた力を色で示すことができる。例えば、テーピングを扱う際には、適切な強さでテーピングを引張ることを求められることがある。テーピングが複合構造体10を持つ場合、テーピングが呈する構造色によって、テーピングを引張る強さを示すことができる。
複合構造体10は、シート状又はフィルム状の面状部材として構成されている必要はなく、図18に示すように、線状又は棒状の長尺部材として構成されてもよい。このように複合構造体10の全体形状は特に限定されない。図18では、中空円筒状の機械的特性制御材41によって表層が構成され、中空円筒状の機械的特性制御材41に囲まれた内層(内芯)として、コレステリック液晶エラストマー31が設けられている。なお、図18では、コレステリック液晶エラストマー31は円筒状であるが、平面状であってもよい。
図18の機械的特性制御材41も、コレステリック液晶エラストマー11を包み込んでおり、コレステリック液晶エラストマー11の機械的挙動を束縛する。すなわち、複合構造体10全体としての機械的特性は、主に、機械的特性制御材41によって規定される。このように機械的特性制御材41は、コレステリック液晶エラストマー11を束縛する制限場を形成している。
図18に示す複合構造体10は、例えば、釣り糸などの糸状部材又はロープ状部材として利用できる。この場合、機械的特性制御材41は、糸状部材又はロープ状部材として用いられる材料が採用される。複合構造体10を利用した糸状部材又はロープ状部材は、複合構造体10に加わる力の変化を色の変化によって示すことができる。図18に示す複合構造体10が釣り糸として構成されている場合、魚が釣れた時の反応を釣り糸の色の変化によって示すことができる。
<センサシステム>
図10は、複合構造体10を利用したセンサを備えるセンサシステムを示している。このセンサシステムは、複合構造体10(センサ)が示す構造色を撮像する撮像部200と、撮像部200により撮像された画像を処理する処理装置300と、を備える。
処理装置300は、コンピュータによって構成される。図19に示すように、コンピュータは、プロセッサ310及びプロセッサ310に接続されたメモリ320を備える。プロセッサ310は、複合構造体10の構造色が示すひずみ又は外力を数値に変換する処理311を実行する。メモリ320には、ひずみ又は外力を数値化する処理装置300としてコンピュータを機能させるコンピュータプログラム400が格納されている。プロセッサ310は、コンピュータプログラム400を読み出して実行する。コンピュータプログラム400は、プロセッサ310に、ひずみ又は外力を数値化する処理を実行させる。なお、実施形態のメモリ320は、一次記憶装置及び二次記憶装置を含むことができる。
撮像部200は、複合構造体10が示す色を監視する。撮像部200により撮像された画像は、処理装置300に与えられる。処理装置300は、画像中の複合構造体10の色相を、色相以外の数値(例えば、ひずみ又は外力の大きさ)として数値化したセンサ検出値を生成する。具体的には、プロセッサ310は、画像において複合構造体10の領域(構造色が現れている領域)を抽出し、その領域中の色相の分布を得る。図19に示すように、プロセッサ310は、色相をひずみの大きさに変換する処理311を実行する。処理311においては、メモリ320に格納された変換テーブル321が用いられる。変換テーブル321は、例えば、色相とひずみの大きさとが対応付けられている。また、変換テーブル321は、色相と力(荷重)の大きさとが対応付けられていてもよい。プロセッサ310は、変換テーブル321を参照することで、色相の分布を、ひずみの大きさ又は力の大きさなどのセンサ検出値の分布に変換することができる。
例えば、図19では、複合構造体10の上部は明るく、下部は暗くなっている(実際には、上部と下部の色が異なる分布が生じる)。処理装置300は、この複合構造体10を撮像した画像に基づいて、複合構造体10の上部のひずみと下部のひずみとが異なる値を示すひずみ値分布又は外力値分布を生成することができる。
このセンサシステムにおいては、センサ10は、例えば、センサ10が貼り付けられた領域にかかった力の分布を、構造色の分布で示す力(荷重センサ)として機能する。また、このセンサシステムにおいては、処理装置は、センサ10が貼り付けられた領域にかかった力の分布を、数値化されたセンサ検出値の分布としても示すことができる。したがって、センサ10が貼り付けられた領域のどの部分に、どれだけの力が加わったかをモニターすることができる。
図20は、ガラス板500上に載置されたセンサ10に上方から荷重をかけ、ガラス板500の下方から撮像部200にて、センサ10が示す構造色を撮像し、構造色の色相と荷重(Load)との対応を確認した実験結果を示している。図20に示す実験結果では、荷重に対して色相がプロットされている。図20から明らかなように、荷重と色相は相関している。図20に示す色相−荷重関係を、変換テーブル321として用いることで、センサ10の色相から、荷重の大きさを求めることができる。なお、実験において、荷重は、0[N]、20[N]、40[N]、60[N]、80[N]、100[N]とした。図20には、各荷重における撮像画像も示されている。
センサ10は、ロボットの指などに取り付けられる触覚センサとして用いられてもよい。指の表面に貼り付けられたセンサ10における色変化により、指にどれくらいの力がかかっているかを判別できる。
実施形態のセンサ10は、構造色によって、ひずみ又は加えられた力をセンサ外部に提示するため、センサ10を処理装置300に対して有線又は無線で電気的に接続しなくても、処理装置300は、センサ10の検出結果を利用した処理を行える。すなわち、センサ10が示す色は、センサ10から離間して存在する撮像部200によって検出することができるため、センサ10自体は外部装置に接続されている必要がない。したがって、センサ10と処理装置300との間の配線を省略したり、センサ10が処理装置300と無線通信するための通信装置を省略したりすることができる。以上より、実施形態のセンサ10は、処理装置300などの外部装置との電気的な接続(無線又は有線)が困難な環境における利用に適している。
<3.付記>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
10 :複合構造体
11 :コレステリック液晶エラストマー
11A :第1層
11B :第2層
21 :機械的特性制御材
22 :機械的特性制御材
31 :コレステリック液晶エラストマー
41 :機械的特性制御材
100 :製造装置
111 :第1基板
112 :スペーサ
113 :スペーサ
121 :第2基板
122 :スペーサ
123 :スペーサ
130 :空間
200 :撮像部
300 :処理装置
310 :プロセッサ
311 :処理
320 :メモリ
321 :変換テーブル
400 :コンピュータプログラム

Claims (13)

  1. コレステリック液晶エラストマーと、
    前記コレステリック液晶エラストマーとの組み合わせにおいて、前記コレステリック液晶エラストマー単体とは異なる機械的特性を生じさせるように前記コレステリック液晶エラストマーに設けられた機械的特性制御材と、
    を備える複合構造体。
  2. 前記コレステリック液晶エラストマーは、ひずみが開放されたときの反射波長の変化を遅延させる粘性を有する
    請求項1に記載の複合構造体。
  3. 前記機械的特性制御材は、前記遅延を抑制する弾性を、前記コレステリック液晶エラストマーとの組み合わせに付与する弾性体である
    請求項2に記載の複合構造体。
  4. 前記機械的特性制御材は、前記遅延が実質的に生じない程度の弾性を、前記コレステリック液晶エラストマーとの組み合わせに付与する弾性体である
    請求項2又は3に記載の複合構造体。
  5. 前記コレステリック液晶エラストマーは、ひずみが開放されたときの反射波長の変化を遅延させる粘性を有し、
    前記機械的特性制御材と前記コレステリック液晶エラストマーとの組み合わせは、前記機械的特性制御材の弾性によって前記粘性が打ち消されている
    請求項2から4のいずれか1項に記載の複合構造体。
  6. 前記機械的特性制御材は、前記コレステリック液晶エラストマーの弾性変形を、塑性変形によって保持するよう構成されている
    請求項1から5のいずれか1項に記載の複合構造体。
  7. 前記コレステリック液晶エラストマーは、前記機械的特性制御材によって束縛された制限場内に配置されている
    請求項1から6のいずれか1項に記載の複合構造体。
  8. 前記コレステリック液晶エラストマーは、第1層と、前記第1層とは異なる特性を有する第2層と、を有する積層構造を持つ
    請求項1から7のいずれか1項に記載の複合構造体。
  9. 前記第1層は、左巻らせん状の配向構造を有し、
    前記第2層は、右巻らせん状の配向構造を有する
    請求項8に記載の複合構造体。
  10. ひずみが開放されたときの反射波長の変化を遅延させる粘性を有するコレステリック液晶エラストマーと、
    前記遅延を抑制する弾性を、前記コレステリック液晶エラストマーとの組み合わせに付与する弾性体と、
    を備え、ひずみの大きさを前記コレステリック液晶エラストマーの構造色により示すセンサ。
  11. コレステリック液晶エラストマーと、
    前記コレステリック液晶エラストマーの弾性限界を超えない応力で塑性変形する塑性変形材と、を備え、
    前記塑性変形材は、前記コレステリック液晶エラストマーのひずみの大きさに応じた構造色を、ひずみを生じさせた外力が失われた後においても塑性変形により保持する
    センサ。
  12. 請求項10又は11に記載のセンサと、
    前記センサの前記構造色を撮像する撮像部と、
    前記撮像部により撮像された画像に基づき、前記構造色を数値化したセンサ検出値として求める処理装置と、
    を備えるセンサシステム。
  13. 前記処理装置は、前記センサにおける前記構造色の分布から、前記センサ検出値の分布を求める
    請求項12に記載のセンサシステム。
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