JP2020129074A - 心臓モデル及び心臓モデルの製造方法、並びに心臓モデル分割部 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の心臓モデルは、分割面により複数の分割部に分割可能な心臓モデルであって、前記複数の分割部のうちの一の分割部が、前記心臓モデルにおける少なくとも2つの視認可能な弁を有し、前記分割面が、前記心臓モデルにおける第一の弁の表面に位置する点を最大に含む第一の仮想平面と、前記心臓モデルにおける第二の弁の表面に位置する点を最大に含む第二の仮想平面と、のそれぞれに対して略平行な面を含み、更に必要に応じてその他の構成を有する。
心臓弁は、右心房と右心室の境界にある三尖弁と、右心室と肺動脈幹との間にある肺動脈弁と、肺静脈と左心房との間にある僧帽弁と、左心房と左心室の境界にある大動脈弁の4つからなる。この心臓弁が正常に機能しなくなる心臓弁膜症の治療方法の1つとして、弁置換術や弁形成術が知られている。弁置換術は、患者の心臓弁を、人工的な材料を用いた機械弁、又はブタなど動物の心臓弁から作成した生体弁、などの人工弁に置換する方法である。弁形成術は、人工弁輪と呼ばれる環状の補強部材を心臓弁の近傍に固定し、崩れた心臓弁の構造を整える方法である。
これらのような手術の場合、心臓内部の構造を模した心臓モデルを用いて、人工弁又は人工弁輪をどのように取り付けるのかを事前に練習したり、患者などへの説明を行うことがある。ここで、従来の心臓モデルについて図面を参照して説明する。図6に、従来の心臓モデルの概略図の一例を示す。図6に示すように、手技練習用の従来の心臓モデルは、心臓全体を一体成型しているため、外観から心臓内部に位置する模擬心臓弁の表面形状を視認することや、模擬心臓弁の位置に人工弁や人工弁輪を装着することが難しいという問題がある。さらに、この心臓モデルに、人工弁や人工弁輪を仮に装着したとしても、その装着状態を外観から視認することが難しく、医療器具の開発現場及び展示での利用や手術前の患者への手術内容の説明などに利用しにくいという問題がある。
本発明の心臓モデルは、上述の分割面を有することによって、弁に対して最も視認しやすい断面を形成しているため、外観から複数の弁を視認することができる。そのため、医療器具メーカーが人工弁や人工弁輪の性能及び特徴を展示するのに好適であり、また、患者などへの手術内容の説明などにも好適な心臓モデルとすることができる。
前記分割部は、心臓モデルにおける2以上の弁の位置(箇所)を視認可能な形状を有する。
前記弁としては、生体の心臓における弁を模した模擬心臓弁、その模擬心臓弁に対応する人工弁などが挙げられる。
なお、前記模擬心臓弁が心臓モデルに形成されていない場合においては、前記分割面を規定するために、心臓モデルに模擬心臓弁が心臓モデルにあるものと仮定して分割面を規定することができる。
模擬心臓弁の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する心臓モデルの材質と同じもの等が挙げられる。
人工弁としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、実際の手術などに用いられている市販品などを用いることができる。
前記分割面は、心臓モデルを複数の分割部に分割する境界を意味し、第一の弁の表面に位置する点を最大に含む第一の仮想平面と、第二の弁の表面に位置する点を最大に含む第二の仮想平面と、のそれぞれに対して略平行な面を含む。
ここで、図1Aから図1Gを参照して、本発明の心臓モデルにおける分割面について説明する。
図1Aは、開口している弁の状態の一例を示す模式図であり、図1Bは閉口している弁の状態の一例を示す模式図であり、図1Cは、図1Aの状態から図1Bの状態に移行する状態の一例を示す模式図であり、図1Dは、図1Bの点線200で囲まれた領域の一例を示す拡大図であり、図1Eは、図1Dの面202における上面図の一例を示す図であり、図1Fは、図1Dの面203における上面図の一例を示す図であり、図1Gは、図1Dの面204における上面図の一例を示す図である。
図1Aから図1Cに示すように、弁101は心臓の拍動によって運ばれる血流Aによって、その状態が開口状態、閉口状態、開口状態と閉口状態の間の状態の3種類に分類できる。この場合、図1Bに示す弁101が閉口している状態が弁表面に位置する点を最大に含む仮想平面を形成しやすい。さらに、弁101の閉口状態において、弁は完全な平面を形成するわけではないため、閉口状態における弁101における基準面(仮想平面)を規定する必要がある。図1Bで示す弁の状態の拡大図である図1Dに示すとおり、弁101の表面に位置(存在)すると仮定する任意の点102が存在する仮想的な同一平面(仮想平面)は、例えば、面202〜面204のようになる。図1E〜図1Gは、図1Dに示す点線で示す範囲の面201〜面203における上面図である。図1E〜図1Gにおいて、実線及び塗りつぶしの領域は、各面上に存在する弁101に位置する点201を示し、点線は弁101の外縁を示す。図1E〜図1Gに示すとおり、図1Dに示すような弁の場合、弁の表面に位置する点を最大に含む仮想平面は、弁101上に位置する点201の分布密度が最大となる図1Gに示す面204で示される仮想平面であることがわかる。
このように、模擬心臓弁の内の第一の弁の表面に位置する点を最大に含む面を第一の仮想平面とし、その他の第二の弁においても、同様にして第二の弁の表面に位置する点を最大に含む面である第二の仮想平面を決定する。
分割面としては、上記の条件を満たせば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平面、曲面、平面及び曲面の組み合わせなどが挙げられる。これらの分割面の中でも、曲面が好ましく、曲面の中でも球面を含むことがより好ましい。分割面が球面を含むことにより、複数の弁に対応する仮想平面に対して略平行な面を同時に含む面を形成しやすくなる。
前記人工弁としては、僧帽弁の人工弁、三尖弁の人工弁、大動脈弁の人工弁及び肺動脈弁の人工弁などが挙げられる。前記人工弁としては、特に制限はなく、上述した人工弁と同様のものを用いることができる。
前記人工弁輪としては、僧帽弁の人工弁輪、三尖弁の人工弁輪、大動脈弁の人工弁輪及び肺動脈弁の人工弁輪などが挙げられる。前記人工弁輪としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、実際の手術などに用いられている市販品などを用いることができる。
前記人工弁及び前記人工弁輪を固定する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、糸による縫合、接着剤による接着などが挙げられる。前記糸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、手術用の縫合糸などが挙げられる。前記接着剤としては、特に制限はなく、当該技術分野において通常用いられているものを、目的に応じて適時選択することができ、例えば、エポキシ系・ウレタン系・ユリア/メラミン系などの熱硬化接着剤や、アクリル系・酢酸ビニルエマルジョン系などの熱可塑性接着剤、シリコーンゴム・スチレンブタジエンゴム・ニトリルゴムなどのゴムの溶液/ラテックス/ペースト、ホットメルト接着剤、膠・大豆たんぱく・カゼイン・デキストリンなどの天然物、などが挙げられる。また、前記接着剤としては、心臓モデルの組成と同じ熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、ハイドロゲルを用いることもできる。
前記硬質材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられる。
前記軟質材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、ハイドロゲルなどが挙げられる。前記軟質材料であると、心臓モデルに外力を加えた場合に、拍動を模した動作を行うことができ、さらに、心臓モデルに装着した人工弁及び人工弁輪などの医療器具の動作の様子、例えば心臓モデルの拍動の動作に追従することができるか否かや、拍動に伴って開閉するか否かなどを視認(確認)することができる。
前記熱硬化性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、それらの原料の共重合樹脂などが挙げられる。前記熱硬化性樹脂が、シリコーン樹脂、シロキサン結合やウレタン構造を有するアクリル樹脂などであると、心臓モデルを柔軟にすることができる。
前記光硬化性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル基やメタクリル基などの紫外線(UV)照射による光重合によって重合する官能基を有する樹脂などが挙げられる。光重合性樹脂が、ウレタン構造を有するアクリル樹脂であると、心臓モデルを柔軟にすることができる。
前記ハイドロゲルとしては、水と、ポリマーと、鉱物とを含み、更に必要に応じて、有機溶媒、その他の成分を含む。前記心臓モデルの材質がハイドロゲルであると、心臓モデルを柔軟にすることができ、さらに、手術練習に用いた場合に、触感やメスによる切れ味が実際の臓器に近い心臓モデル得ることができる。
前記ハイドロゲルの好ましい態様としては、水に分散された鉱物と、重合性モノマーが重合したポリマーとが複合化して形成された三次元網目構造の中に、水が包含されている態様などが挙げられる。
前記ポリマーとしては、例えば、アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有するポリマーなどが挙げられる。前記ポリマーは、水溶性を示すものであることが好ましい。
前記ポリマーの水溶性としては、例えば、30℃の水100gに前記ポリマーを1g混合して撹拌したとき、その90質量%以上が溶解するものを意味する。前記ポリマーが水溶性を示すポリマーであると、ハイドロゲルの強度を好適に保つことができる。
前記ポリマーの形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホモポリマー(単独重合体)、ヘテロポリマー(共重合体)、それらを変性したポリマー、それらに公知の官能基が導入したポリマー、またそれらの塩などが挙げられる。
前記ポリマーは、重合性モノマーを重合させることにより得られる。前記重合性モノマーについては、後述する心臓モデルの製造方法の欄で詳細を説明する。
前記鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水膨潤性層状粘土鉱物などが挙げられる。
例えば、図2は、鉱物としての水膨潤性層状粘土鉱物(図2上部)と、水膨潤性層状粘土鉱物を水中で分散させた状態(図2下部)の一例を示す模式図である。
図2の上部に示すように、水膨潤性層状粘土鉱物は、単一層の状態で存在しており、単位格子を結晶内に持つ二次元円盤状の結晶が積み重なった状態を呈している。更に、図2の上図の水膨潤性層状粘土鉱物を水中で分散させると、図2の下部に示すように、各単一層が分離して、複数の二次元円盤状の結晶となる。
水膨潤性層状粘土鉱物としては、例えば、水膨潤性スメクタイト、水膨潤性雲母などが挙げられる。より具体的には、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリナイト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性合成雲母などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、高弾性の心臓モデルが得られる点から、水膨潤性ヘクトライトが好ましい。
水膨潤性ヘクトライトは、適宜合成したものであってもよいし、市販品であってもよい。市販品としては、例えば、合成ヘクトライト(ラポナイトXLG、RockWood社製)、SWN(Coop Chemical Ltd.製)、フッ素化ヘクトライトSWF(Coop Chemical Ltd.製)などが挙げられる。これらの中でも、心臓モデルの適切な弾性率が得られる点から、合成ヘクトライトが好ましい。
水膨潤性とは、図2に示すように層状粘土鉱物の各単一層の間に水分子が挿入され、水中に分散されることを意味する。
鉱物の含有量は、ハイドロゲルの弾性率及び硬度の点から、ハイドロゲル構造体(本体部分)の全量に対して、1質量%以上40質量%以下が好ましく、1質量%以上25質量%以下がより好ましい。
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
水には、保湿性付与、抗菌性付与、導電性付与、硬度調整などの目的に応じて有機溶媒等のその他の成分を溶解乃至分散させてもよい。
前記有機溶媒は、ハイドロゲルの保湿性を高めるために含有されるとよい。
前記有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルコールエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保湿性の点から、多価アルコールが好ましく、グリセリン、プロピレングルコールがより好ましい。
前記有機溶媒の含有量は、ハイドロゲルの全量に対して、10質量%以上50質量%以下が好ましい。有機溶媒の含有量が10質量%以上であると、乾燥防止の効果が十分に得られる。また、有機溶媒の含有量が50質量%以下であると、層状粘土鉱物が均一に分散される。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸等のホスホン酸化合物、安定化剤、表面処理剤、重合開始剤、着色剤、粘度調整剤、接着性付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、紫外線吸収剤、可塑剤、防腐剤、分散剤などが挙げられる。
前記その他の構成としては、本発明の目的を阻害しない範囲で、例えば、防腐剤、着色剤、香料、酸化防止剤等のその他の成分を含有することができる。
前記防腐剤としては、例えば、デヒドロ酢酸塩、ソルビン酸塩、安息香酸塩、ぺンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、2,4−ジメチル−6−アセトキシ−m−ジオキサン、1,2−ベンズチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
前記着色剤を用いることにより、心臓モデルを人体の臓器に近似した色に着色することができる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば染料、顔料が挙げられる。
ブラック染料としては、例えば、MS BLACK VPC(三井化学株式会社製)、AIZEN SOT BLACK−1、AIZEN SOT BLACK−5(保土谷化学株式会社製)、RESORIN BLACK GSN 200%、RESOLIN BLACK BS(バイエルジャパン社製)、KAYASET BLACK A−N(日本化薬株式会社製)、DAIWA BLACK MSC(ダイワ化成株式会社製)、HSB−202(三菱ケミカル株式会社製)、NEPTUNE BLACK X60、NEOPEN
BLACK X58(BASFジャパン社製)、Oleosol Fast BLACK RL(田岡化学工業株式会社製)、Chuo BLACK80、Chuo BLACK80−15(中央合成化学株式会社製)などが挙げられる。
緑顔料としては、例えば、Pigment Green 7、26、36、50などが挙げられる。
黄顔料としては、例えば、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94、95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193などが挙げられる。
黒顔料としては、例えば、Pigment Black 7、28、26などが挙げられる。
前記着色剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゲル用組成液全量に対して、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。
図7は、本発明の心臓モデルの一例を示す模式図であり、図8は、図7に示す心臓モデルの心室側の心臓モデルの一例を示す拡大図であり、図9は、図8に示す心室側の心臓モデルの角度をずらした模式図であり、図10は、図9の心臓モデルにおいて人工弁を装着した心臓モデルの一例を示す図であり、図11は、心臓モデルに人工弁輪を糸で装着した一例を示す模式図である。
図7に示すように、心臓モデルは、おおよそ心室全体を含む部位(図7下部)と、心房全体を含む部位(図7上部)とに2分割されている。この図7における心室全体を含む部分は、図8〜図10に示すように、各心臓弁が位置する部位が視認できるような断面になっている。そのため、このような心臓モデルに人工弁を装着する際には、弁を装着する部位への視野が広く、さらには、複数の弁を同時に視認することができる。
本発明の心臓モデルの製造方法としては、分割面により複数の分割部に分割可能な心臓モデルを3次元プリンターを用いて製造する方法であって、前記複数の分割部のうちの一の分割部が、前記心臓モデルにおける少なくとも2つの視認可能な弁を有するように、心臓の3次元データに基づき前記一の分割部を製造する工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記分割部を製造する工程としては、得られた心臓の3次元データに基づき、心臓弁の仮想平面をコンピュータでシミュレーションにより見つけ出し、前記仮想平面と略平行な分割断面を決定する。決定した分割断面を有する3次元データに基づき、分割部としての心臓モデルを、後述する3次元プリンターや型を用いて製造する。
その他の工程としては、上述した分割部とは異なる分割部の心臓モデルを、上述の分割部の3次元データとは異なる3次元データに基づいて製造する工程などが挙げられる。
なお、この場合においては、最初に心室側の分割部を製造した後に、心房側の分割部を製造することが好ましい。
前記心臓モデル形成用液体材料は、心臓モデルの材質が樹脂である場合には、その樹脂を液状化したものを用い、心臓モデルの材質が樹脂である場合には、ゲル用組成液を用いる。
前記心臓モデルの材質が樹脂である場合の樹脂については、本発明の心臓モデルと同様のものであるため、説明を省略する。
前記ゲル用組成液は、モノマーと、水に分散可能な鉱物とを含み、水を含むことが好ましく、更に必要に応じて有機溶剤、その他の成分を含有する。
水、鉱物、有機溶媒、及びその他の成分については、本発明の心臓モデルで説明したものと同様であるため説明を省略する。
モノマーは、不飽和炭素−炭素結合を1つ以上有する化合物であり、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。更に、多官能モノマーとして、2官能モノマー、3官能モノマー、4官能以上のモノマーなどが挙げられる。
単官能モノマーは、不飽和炭素−炭素結合を1つ有する化合物であり、例えば、アクリルアミド、N−置換アクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換アクリルアミド誘導体、N−置換メタクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換メタクリルアミド誘導体、その他の単官能モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
N−置換アクリルアミド誘導体、N,N−ジ置換アクリルアミド誘導体、N−置換メタクリルアミド誘導体、又はN,N−ジ置換メタクリルアミド誘導体としては、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、N−イソプロピルアクリルアミドなどが挙げられる。
その他の単官能モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート(EHA)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEA)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(HPA)、アクリロイルモルホリン(ACMO)、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
単官能モノマーを重合させることにより、アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する水溶性有機ポリマーが得られる。
アミド基、アミノ基、水酸基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する水溶性有機ポリマーは、ハイドロゲル構造体、もしくは後述する臓器モデルの強度を保つために有利な構成成分である。
単官能モノマーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゲル用組成液の全量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。単官能モノマーの含有量が、1質量%以上10質量%以下の範囲であると、ゲル用組成液中の層状粘土鉱物の分散安定性が保たれ、かつ心臓モデルの延伸性を向上させるという利点がある。延伸性とは、ハイドロゲル構造体を引っ張った際に伸び、破断しない特性のことを言う。
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。
熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤、レドックス(酸化還元)開始剤などが挙げられる。
アゾ系開始剤としては、例えば、VA−044、VA−46B、V−50、VA−057、VA−061、VA−067、VA−086、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 33)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(VAZO 50)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(VAZO 52)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO 64)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(VAZO 67)、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO 88)(いずれもDuPont Chemical社から入手可能)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)(V−601)(和光純薬工業株式会社より入手可能)などが挙げられる。
レドックス(酸化還元)開始剤としては、例えば、過硫酸塩開始剤とメタ亜硫酸水素ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤との組み合わせ、有機過酸化物と第3級アミンに基づく系(例えば、過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンに基づく系)、有機ヒドロパーオキシドと遷移金属に基づく系(例えば、クメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートに基づく系)などが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、p,p−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、テトラメチルエチレンジアミンは、アクリルアミドをポリアクリルアミドゲルとする重合・ゲル化反応の開始剤として用いられる。
以下、これら2つの方法について説明する。
型を用いて形成する方法は、心臓モデル形成用液体材料を型に流し込み、硬化させることにより、心臓モデルを形成する方法である。
所望の形状の心臓モデルを作製するために、狙いの形状の型を準備する。
光重合開始剤を用いて硬化する場合には、硬化手段として、紫外線等のエネルギー線を心臓モデル形成用液体材料に照射する必要がある。このため、使用する型はエネルギー線に対して透明な材質で構成される。このような型に注入し、密閉して空気(酸素)を遮断した後、型の外側からエネルギー線を照射する。このようにして重合が完了した後、型から取り出すことにより、心臓モデルを得る。
三次元プリンターとしては、特に方式を限定するものではないが、心臓モデル形成用液体材料を注入して硬化させるものであるから、心臓モデル形成用液体材料の漏れの無いような材質や方式で形成することが好ましい。インクジェット(マテリアルジェット)方式、光造形方式、レーザー焼結方式などの三次元プリンターが好適に用いられる。
例えば、心臓形状に合わせた型を作製する場合、心臓のCTデータを取得し、これを元にオスメスの型を作製できるように三次元(3D)データに変換する。この3Dデータを基に、三次元プリンターにて、心臓モデルを作製するための型を作製する。
患者個人に合わせ、患者の疾患部位形状を再現する場合には、三次元データの元データとして、DICOMと呼ばれる医用データに基づいて作成することができる。
このようにして、所望の形状データに基づき三次元プリンターにて作製した型に、心臓モデル形成用液体材料を流し込み、心臓モデル形成用液体材料を硬化させると、所望の形状の心臓モデルを得ることができる。
三次元プリンターを用いた造形は、心臓モデル形成用液体材料を用い、三次元プリンターにて直接造形するものである。
三次元プリンターが、インクジェット方式の三次元プリンター、又は光造形方式の三次元プリンターであることが好ましい。これらの方法を用いると、組成分布や形状制御を行うことができ、所望の形状や物性を有するハイドロゲルを形成することができる。
三次元プリンターは、心臓モデル形成用液体材料を印字できる方式が好ましい。インクジェット(マテリアルジェット)方式、あるいはディスペンサー方式にて心臓モデル形成用液体材料からなるインクを吐出し、UV光により硬化する方式が有効に用いられる。こちらの方法の場合、例えば、心臓モデルを形成する材料を複数用いることができるため、心臓モデル全体を同一組成ではなく、組成に分布を設けることが可能になる。特に、超音波の伝搬速度をコントロールできるような組成分布を設けることができる。これは、正常細胞でない部分を再現する場合に、有効な手法である。
液体材料噴射ヘッドユニット11、12及び紫外線照射機13と、造形体(心臓モデル)17及び支持体18とのギャップを一定に保つため、積層回数に合わせて、ステージ15を下げながら積層する。
三次元プリンター10では、紫外線照射機13、13は矢印A、Bいずれの方向に移動する際も使用し、その紫外線照射に伴って発生する熱により、積層された支持体形成用液体材料表面が平滑化され、結果として心臓モデルの寸法安定性が向上できる。
造形終了後、図4に示すように心臓モデル17と支持体18を水平方向に引っ張り剥離したところ、支持体18は一体として剥離され、心臓モデル17を容易に取り出すことができる。
本発明の心臓モデル分割部は、分割面を有する心臓モデルにおける心臓モデル分割部であって、前記心臓モデルにおける少なくとも2つの視認可能な弁を有し、前記分割面が、前記心臓モデルにおける第一の弁の表面に位置する点を最大に含む第一の仮想平面と、前記心臓モデルにおける第二の弁の表面に位置する点を最大に含む第二の仮想平面と、のそれぞれに対して略平行な面を含む。
本発明の心臓モデル分割部における「弁」及び「分割面」などについては、本発明の心臓モデルと同様であるため、説明を省略する。
<心臓モデルの3Dデータの作製>
3D CADソフト(Objet Studio、丸紅情報システムズ株式会社製)を用いて、ヒトの心臓のCTデータに基づき、心臓の各弁を取り除いたヒトの心臓の3DデータH1(図6参照)を作製した。この心臓の3DデータH1において、閉口時の僧帽弁、三尖弁及び大動脈弁に対してそれぞれ略平行であり、かつ心室を切断する面を含む曲面(球面)に沿って心臓の3DデータH1を分割する断面D1〜D3を有する心房側の3DデータH11(図7参照)と心室側の3DデータH12(図7参照)を得た。分割断面は断面D1〜D3を全て含む面である(図13参照)。図13は、切断面と同じ面を持つ曲面(球面)と、僧房弁、三尖弁、大動脈弁及び肺静脈弁の位置関係を示す一例の図である。図13に示すように、分割断面D1〜D3は、僧房弁/三尖弁/大動脈弁については、閉口時の僧帽弁、三尖弁及び大動脈弁に対してそれぞれ略平行であることがわかった。ただし、D1〜D3は同一平面上にはない面である。
得られた心室側の3DデータH12に基づき、3Dプリンター(装置名:Object 30 Pro、丸紅情報システムズ株式会社製、材料:VeroClear)を用いて、断面D1〜D3を有する心室側の心臓モデルF11を直接造形した。得られた心臓モデルF11に、人工弁輪(Medtronic社製)を僧帽弁及び三尖弁の位置に取り付け、人工弁輪付き心臓モデルF12を製造した。
<心臓モデルの製造>
実施例1において作製した心臓の各弁を取り除いたヒトの心臓の3DデータH1(図6参照)に基づき、3Dプリンター(装置名:Object 30 Pro、丸紅情報システムズ株式会社製、材料:VeroClear)を用いて、心臓全体の形状を模した心臓モデルF101を直接造形した。得られた心臓モデルF101に、人工弁輪(Medtronic社製)を僧帽弁及び三尖弁の位置に取り付け、人工弁輪付き心臓モデルF102を製造した。
<心臓モデルの3Dデータの作製>
実施例1において作製した心臓の各弁を取り除いたヒトの心臓の3DデータH1(図6参照)において、閉口時の僧帽弁のみに対して略平行である面を含む平面に沿って心臓の3DデータH1を分割し、断面Dのみを有する心房側の3DデータH201と心室側の3DデータH202を得た(図12A〜図12C参照)。分割断面は断面Dのみを含む面である。図12A〜図12Cは、僧房弁の仮想平面と平行になるように平面で分断した心臓モデルを示す模式図であり、図12Aは、心臓モデルを断面側から見た模式図であり、図12Bは、図12Aの心臓モデルの斜視図であり、図12Cは、図12Aの心臓モデルの断面を上とした正面図である。
得られた心室側の3DデータH202に基づき、3Dプリンター(装置名:Object 30 Pro、丸紅情報システムズ株式会社製、材料:VeroClear)を用いて、断面Dを有する心室側の心臓モデルF201を直接造形した。得られた心臓モデルF201に、人工弁輪(Medtronic社製)を僧帽弁及び三尖弁の位置に取り付け、人工弁輪付き心臓モデルF202を製造した。
<心臓モデルの3Dデータの作製>
実施例1の心室側の3DデータH12を、Magics(Materialise社製)を用い、球体と組み合わせてブーリアン演算することにより、断面D1〜D3を有する心室側の3DデータH12の中空構造を有する型3DデータH21を得た。分割断面は断面D1〜D3を全て含む面である。ただし、D1〜D3は同一平面上にはない面である。
得られた型3DデータH21に基づき、3Dプリンター(装置名:Object 30 Pro、丸紅情報システムズ株式会社製、材料:VeroClear)を用いて、断面D1〜D3を有する心室側の型1を造形した。造形した型1にシリコーン樹脂(製品名:KE−12、信越シリコーン株式会社製)を十分量流し込み、硬化後、取り出して、心室側の心臓モデルF21を造形した。得られた心臓モデルF21に人工弁輪(Medtronic社製)を僧帽弁及び三尖弁の位置に縫合糸で固定し、人工弁輪付き心臓モデルF22を製造した。分割断面は断面D1〜D3を全て含む面である。ただし、D1〜D3は同一平面上にはない面である。
<心臓モデルの3Dデータの作製>
実施例1の心室側の3DデータH12(図7参照)に、僧帽弁及び三尖弁を有する弁付き心室側の3DデータH31(図10参照)を作製した。得られた弁付き心室側の3DデータH31を、Magics(Materialise社製)を用い、球体と組み合わせてブーリアン演算することにより、断面D1〜D3を有する心室側の3DデータH12の中空構造を有する型3DデータH32を得た。分割断面は断面D1〜D3を全て含む面である。ただし、D1〜D3は同一平面上にはない面である。
得られた型3DデータH32に基づき、3Dプリンター(装置名:Object 30 Pro、丸紅情報システムズ株式会社製、材料:VeroClear)を用いて、断面D1〜D3を有する心室側の型2を造形した。造形した型2にシリコーン樹脂(製品名:KE−12、信越シリコーン株式会社製)を十分量流し込み、硬化後、取り出して、弁付き心室側の心臓モデルF31を造形した。得られた心臓モデルF31に人工弁輪(Medtronic社製)を僧帽弁及び三尖弁の位置に縫合糸で固定し、さらに、僧帽弁用のモザイク生体弁(Medtronic社製)を前記人工弁輪に縫合糸で固定し、人工弁及び人工弁輪付き心臓モデルF32を製造した。
実施例3において作製した僧帽弁及び三尖弁を取り付けた弁付き心室側の3DデータH31(図10参照)に基づき、3Dプリンター(装置名:Object 30 Pro、丸紅情報システムズ株式会社製、材料:TangoGray)を用いて、断面D1〜D3を有する心室側の心臓モデルF41を直接造形した。得られた心臓モデルF41に、人工弁輪(Medtronic社製)を僧帽弁及び三尖弁の位置に縫合糸で固定し、さらに、僧帽弁用のモザイク生体弁(Medtronic社製)を前記人工弁輪に縫合糸で固定し、人工弁及び人工弁輪付き心臓モデルF42を製造した。分割断面は断面D1〜D3を全て含む面である。ただし、D1〜D3は同一平面上にはない面である。
<1> 分割面により複数の分割部に分割可能な心臓モデルであって、
前記複数の分割部のうちの一の分割部が、前記心臓モデルにおける少なくとも2つの視認可能な弁を有し、
前記分割面が、前記心臓モデルにおける第一の弁の表面に位置する点を最大に含む第一の仮想平面と、前記心臓モデルにおける第二の弁の表面に位置する点を最大に含む第二の仮想平面と、のそれぞれに対して略平行な面を含むことを特徴とする心臓モデルである。
<2> 前記分割面が、前記弁の近傍であって、前記弁に対して心房側に位置する前記<1>に記載の心臓モデルである。
<3> 前記分割面により形成される前記心臓モデルの分割断面が、球面の一部を少なくとも含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の心臓モデルである。
<4> 前記心臓モデルにおける弁が、心臓における、僧帽弁に対応する模擬僧帽弁、三尖弁に対応する模擬三尖弁、大動脈弁に対応する模擬大動脈弁、及び肺動脈弁に対応する模擬肺動脈弁である前記<1>から<3>のいずれかに記載の心臓モデルである。
<5> 前記模擬僧帽弁、前記模擬三尖弁、前記模擬大動脈弁及び前記模擬肺動脈弁の少なくともいずれかに対応した位置に取り付けられる人工弁及び人工弁輪の少なくともいずれかを装着している前記<1>から<4>のいずれかに記載の心臓モデルである。
<6> 前記人工弁及び前記人工弁輪の少なくともいずれかが、糸及び接着剤の少なくともいずれかで前記心臓モデルに固定されている前記<5>のいずれかに記載の心臓モデルである。
<7> 前記模擬僧帽弁、前記模擬三尖弁、及びこれらの人工弁の少なくともいずれかが、前記心臓モデルにおける心室部に存在する前記<2>から<5>のいずれかに記載の心臓モデルである。
<8> 軟質材料を含む前記<1>から<7>のいずれかに記載の心臓モデルである。
<9> 硬質材料を含む前記<1>から<7>のいずれかに記載の心臓モデルである。
<10> 外力が印加されると模擬拍動が可能である前記<1>から<9>のいずれかに記載の心臓モデルである。
<11> 外力が印加されると前記人工弁輪が模擬拍動に追従可能である前記<1>から<10>のいずれかに記載の心臓モデルである。
<12> 外力が印加されると前記模擬僧帽弁、前記模擬三尖弁、前記模擬大動脈弁及び前記模擬肺動脈弁が模擬拍動に伴い開閉可能である前記<4>から<12>のいずれかに記載の心臓モデルである。
<13> 外力が印加されると前記模擬僧帽弁、前記模擬三尖弁、前記模擬大動脈弁及び前記模擬肺動脈弁が模擬拍動に伴い開閉可能である前記<4>から<12>のいずれかに記載の心臓モデルである。
<14> 前記<1>から<13>のいずれかに記載の心臓モデルにおいて、前記分割断面に対して心室側のみからなることを特徴とする心臓モデルである。
<15> 前記<1>から<13>のいずれかに記載の心臓モデルにおいて、前記分割断面に対して心房側のみからなることを特徴とする心臓モデルである。
<16> 分割面により複数の分割部に分割可能な心臓モデルを3次元プリンターを用いて製造する方法であって、
前記複数の分割部のうちの一の分割部が、前記心臓モデルにおける少なくとも2つの視認可能な弁を有するように、心臓の3次元データに基づき前記一の分割部を製造する工程を含むことを特徴とする心臓モデルの製造方法である。
<17> 前記分割面が、第一の弁の表面に位置する点を最大に含む第一の仮想平面と、第二の弁の表面に位置する点を最大に含む第二の仮想平面と、のそれぞれに対して略平行な面を含む前記<16>に記載の心臓モデルの製造方法である。
<18> 前記分割面が、前記弁の近傍であって、前記弁に対して心房側に位置する前記<16>から<17>のいずれかに記載の心臓モデルの製造方法である。
<19> 前記分割面が、球面の一部を少なくとも含む前記<16>から<18>のいずれかに記載の心臓モデルの製造方法である。
<20> 前記心臓の3次元データが、患者個人の医用データに基づいて作製されたものである前記<16>から<19>のいずれかに記載の心臓モデルの製造方法である。
<21> 前記心臓の3次元データが、心臓の一部のデータに基づく前記<16>から<20>のいずれかに記載の心臓モデルの製造方法である。
<22> 分割面を有する心臓モデルにおける心臓モデル分割部であって、
前記心臓モデルにおける少なくとも2つの視認可能な弁を有し、
前記分割面が、前記心臓モデルにおける第一の弁の表面に位置する点を最大に含む第一の仮想平面と、前記心臓モデルにおける第二の弁の表面に位置する点を最大に含む第二の仮想平面と、のそれぞれに対して略平行な面を含むことを特徴とする心臓モデル分割部である。
31 縫合糸
32 心臓モデル本体
101 弁
102 点
204 仮想平面
Claims (13)
- 分割面により複数の分割部に分割可能な心臓モデルであって、
前記複数の分割部のうちの一の分割部が、前記心臓モデルにおける少なくとも2つの視認可能な弁を有し、
前記分割面が、前記心臓モデルにおける第一の弁の表面に位置する点を最大に含む第一の仮想平面と、前記心臓モデルにおける第二の弁の表面に位置する点を最大に含む第二の仮想平面と、のそれぞれに対して略平行な面を含むことを特徴とする心臓モデル。 - 前記分割面が、前記弁の近傍であって、前記弁に対して心房側に位置する請求項1に記載の心臓モデル。
- 前記分割面により形成される前記心臓モデルの分割断面が、球面の一部を少なくとも含む請求項1から2のいずれかに記載の心臓モデル。
- 前記心臓モデルにおける弁が、心臓における、僧帽弁に対応する模擬僧帽弁、三尖弁に対応する模擬三尖弁、大動脈弁に対応する模擬大動脈弁、及び肺動脈弁に対応する模擬肺動脈弁である請求項1から3のいずれかに記載の心臓モデル。
- 前記模擬僧帽弁、前記模擬三尖弁、前記模擬大動脈弁及び前記模擬肺動脈弁の少なくともいずれかに対応した位置に取り付けられる人工弁及び人工弁輪の少なくともいずれかを装着している請求項1から4のいずれかに記載の心臓モデル。
- 前記人工弁及び前記人工弁輪の少なくともいずれかが、糸及び接着剤の少なくともいずれかで前記心臓モデルに固定されている請求項5に記載の心臓モデル。
- 分割面により複数の分割部に分割可能な心臓モデルを3次元プリンターを用いて製造する方法であって、
前記複数の分割部のうちの一の分割部が、前記心臓モデルにおける少なくとも2つの視認可能な弁を有するように、心臓の3次元データに基づき前記一の分割部を製造する工程を含むことを特徴とする心臓モデルの製造方法。 - 前記分割面が、第一の弁の表面に位置する点を最大に含む第一の仮想平面と、第二の弁の表面に位置する点を最大に含む第二の仮想平面と、のそれぞれに対して略平行な面を含む請求項7に記載の心臓モデルの製造方法。
- 前記分割面が、前記弁の近傍であって、前記弁に対して心房側に位置する請求項7から8のいずれかに記載の心臓モデルの製造方法。
- 前記分割面が、球面の一部を少なくとも含む請求項7から9のいずれかに記載の心臓モデルの製造方法。
- 前記心臓の3次元データが、患者個人の医用データに基づいて作製されたものである請求項7から10のいずれかに記載の心臓モデルの製造方法。
- 前記心臓の3次元データが、心臓の一部のデータに基づく請求項7から11のいずれかに記載の心臓モデルの製造方法。
- 分割面を有する心臓モデルにおける心臓モデル分割部であって、
前記心臓モデルにおける少なくとも2つの視認可能な弁を有し、
前記分割面が、前記心臓モデルにおける第一の弁の表面に位置する点を最大に含む第一の仮想平面と、前記心臓モデルにおける第二の弁の表面に位置する点を最大に含む第二の仮想平面と、のそれぞれに対して略平行な面を含むことを特徴とする心臓モデル分割部。
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WO2023286755A1 (ja) * | 2021-07-15 | 2023-01-19 | 国立大学法人大阪大学 | カテーテル・シミュレータ、及び、カテーテル・シミュレータ用の心臓モデル |
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2019
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