JP2020129027A - 吸音構造体 - Google Patents

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宏行 宮武
Hiroyuki Miyatake
宏行 宮武
輝鷹 木村
Terutaka Kimura
輝鷹 木村
文人 竹内
Fumito Takeuchi
文人 竹内
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Abstract

【課題】空気の吸音性を利用して良好な吸音効果が得られるとともに、安定的に保持することができる吸音構造体を提供する。【解決手段】吸音構造体1が、多孔体2と、多孔体2に積層された気泡緩衝材3と、を有する。多孔体2は、厚さが1〜100mmで目付量が10〜10000g/m2である。気泡緩衝材3は、1枚または複数枚の気泡緩衝材シートで構成され、気泡緩衝材3が1枚の気泡緩衝材シートで構成されている場合の当該気泡緩衝材シートの空気を内包する粒状部3aの高さが1〜50mmで目付量が10〜1000g/m2であり、気泡緩衝材3が複数枚の気泡緩衝材シートで構成されている場合の、重なり合う全ての気泡緩衝材シートの粒状部の高さの合計が1〜50mmで、個々の気泡緩衝材シートの目付量がそれぞれ10〜1000g/m2である。【選択図】図1

Description

本発明は吸音構造体に関する。
建物や乗物の居室等において、例えば外部からの騒音の進入を抑制するために音の伝達を遮断または低減する吸音材が用いられている。特許文献1には、自動車の室内の内装材と組み合わせて用いられるシート状の吸音材が開示されている。特許文献2には、建物の天井や壁などに取り付けられるパネル状の吸音材が開示されている。シート状やパネル状の吸音材の設置時に、吸音材の背後に空間を設けて、この空間に存在する空気層を利用して吸音効果を向上させることがある。
特開2000−238157号公報 特許5956786号公報
前述したように吸音効果を向上させるために吸音材の背後に空間を設ける場合があるが、背後に空間を設けると、シート状やパネル状の吸音材の全面を背後から支えることができない。吸音材の外周部や、背面の一部のみにおいて吸音材を支持することができるが、それだけでは、長期間に亘ってしっかりと吸音材を支持することが困難である。吸音材の背面の支持部分を大きくすると、空気層が小さくなって吸音効果が低くなる。空気層を小さくせず、高い吸音効果を得ようとすると、吸音材の背面の支持部分を小さくせざるを得ず、吸音材の保持の安定性が乏しくなる。吸音材が安定的に支持されないと、その背後の空気層も長期間に亘って一様な厚さに保持されず、高い吸音効果を長期間に亘って安定して得ることは困難である可能性がある。
そこで、本発明の目的は、吸音材の背後に位置する空気を利用して、吸音の対象とする周波数における良好な吸音効果が得られるとともに、安定的に保持することができる吸音構造体を提供することにある。
本発明の吸音構造体は、多孔体と、多孔体に積層された気泡緩衝材で構成されている。気泡緩衝材は、1枚または複数枚の気泡緩衝材シートで構成されている。
本発明の一態様では、多孔体の厚みは、1〜100mmの範囲内で、好ましくは1〜50mmの範囲内、より好ましくは1〜25mmの範囲内である。多孔体が厚すぎると重量が大きくなり、気泡緩衝材で支えることができなくなる。多孔体が薄すぎると吸音性能が悪くなる。また、本発明の一態様では、多孔体の目付量は10〜10000g/m2の範囲内で、好ましくは50〜5000g/m2の範囲内、より好ましくは50〜3000g/m2の範囲内、特に好ましくは100〜1000g/m2の範囲内である。多孔体の目付量が大きすぎると気泡緩衝材で支えることができなくなる。多孔体の目付量が小さすぎると吸音性能が悪くなる。
本発明の一態様では、気泡緩衝材の空気を内包する粒状部の高さは1〜50mmの範囲内、好ましくは2〜30mmの範囲内、より好ましくは2〜10mmの範囲内である。これらの数値範囲は、気泡緩衝材が1枚の気泡緩衝材シートで構成されている場合には、その気泡緩衝材シートの粒状部の高さに関するものであり、気泡緩衝材が複数枚の気泡緩衝材シートで構成されている場合には、重なり合う全ての気泡緩衝材シートの粒状部の高さの合計に関するものである。気泡緩衝材の粒状部の高さが大きすぎると高周波の吸音性能が悪くなる。粒状部の高さが小さすぎると多孔体を支えることが難しくなる。
本発明の一態様では、気泡緩衝材の目付量は、10〜1000g/m2の範囲内、好ましくは25〜200g/m2の範囲内、より好ましくは50〜100g/m2の範囲内である。これらの数値範囲は、個々の気泡緩衝材シートの目付量に関するものである。気泡緩衝材の目付量が大きすぎると吸音構造体の全体の重量が重くなり、扱いにくくなる。気泡緩衝材の目付量が小さすぎると、多孔体を支えることが難しくなる。このように、気泡緩衝材は、必要な高さにするために、複数枚の気泡緩衝材シートが重ねられた構造の集積物状であってもよい。
気泡緩衝材が、吸音性を付与すべき対象物に接するように取り付けられ、多孔体が音の入射面になるようにしてもよい。
気泡緩衝材の、多孔体との接合面と反対側の面に補助層が積層されてもよく、補助層が、吸音性を付与すべき対象物に接するように取り付けられ、多孔体が音の入射面になるようにしてもよい。
気泡緩衝材の、多孔体との接合面と反対側の面に補助層が積層されてもよく、多孔体が、吸音性を付与すべき対象物に接するように取り付けられ、補助層が音の入射面になるようにしてもよい。
本発明の一態様では、気泡緩衝材の面方向における、個々の粒状部の最大面積は10〜5000mm2の範囲内であり、好ましくは25〜1000mm2の範囲内であり、より好ましくは50〜500mm2の範囲内である。
本発明の一態様では、気泡緩衝材の1m2あたりの粒状部の数は10〜100000個の範囲内、好ましくは100〜50000個の範囲内、より好ましくは1000〜20000個の範囲内である。
個々の粒状部の面積が小さすぎる場合や、単位面積当たりの粒状部の数が多すぎる場合には、吸音性能を効率良く向上させることが難しくなり、個々の粒状部の面積が大きすぎる場合や、単位面積当たりの粒状部の数が少なすぎる場合には、多孔体を気泡緩衝材で安定的に支えることが難しくなることが考えられる。従って、前述したように、個々の粒状部の最大面積も、単位面積当たりの粒状部の数も、より好ましい条件を求めるほど数値範囲は狭くなる。結果的に、より好ましい条件になるほど、数値範囲の下限値は高く上限値は低くなっている。
多孔体の例としては、不織布、樹脂発泡体、発泡ゴム、ポリウレタンフォームおよびフェルトのうちの1種以上の材料が挙げられる。不織布の例としてはスパンボンド不織布、メルトブローン不織布、サーマルボンド不織布、ケミカルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、ステッチボンド不織布などが挙げられる。また多孔体としての不織布は複数種の不織布が積層されたものであってもよい。
樹脂発泡体の例としては発泡ポリエチレン、発泡ポリプレプレン、発泡エチレン−酢酸ビニル共重合体、メラミンフォームなどが挙げられる。発泡ゴムの原料例としては、天然ゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム、スチレンブタジエンゴムなどが挙げられる。
また、多孔体は、平均繊維径が0.1〜10μmの熱可塑性樹脂からなる不織布であってもよい。ここでいう平均繊維径は、電子顕微鏡で1000倍に拡大して観察し、任意の繊維100本の幅を測定し、数平均を取ったものである。さらに、多孔体はメルトブローン不織布であってもよい。
多孔体が不織布であり、不織布が熱可塑性樹脂を原料とする場合、熱可塑性樹脂としては、不織布を形成し得る熱可塑性樹脂であれば、特に限定はされず、種々公知のものを用いることができる。このような熱可塑性樹脂としては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテン等のα−オレフィンの単独重合体若しくは共重合体であるポリオレフィン〔高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1−ブテンランダム共重合体等のエチレンの単独重合体あるいはエチレン・α−オレフィン共重合体等のエチレン系重合体;プロピレンの単独重合体(所謂ポリプロピレン)、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体(所謂ランダムポリプロピレン)、プロピレンブロック共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体等のプロピレン系重合体;1−ブテン単独重合体、1−ブテン・エチレン共重合体、1−ブテン・プロピレン共重合体等の1−ブテン系重合体;ポリ4−メチル−1−ペンテン単独重合体、4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体あるいは4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体等の4−メチル−1−ペンテン系重合体〕などのポリオレフィン系重合体が挙げられる。また、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマーあるいはこれらの混合物等を例示することができる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、成形時の紡糸安定性や不織布の加工性及び通気性、柔軟性、軽量性、耐熱性の観点から、ポリオレフィン系重合体が好ましく、ポリオレフィン系重合体の中でも、耐熱性、軽量性の面から、プロピレン系重合体が好ましく、プロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合体またはプロピレン・α−オレフィン共重合体が好ましい。本発明において、熱可塑性樹脂として好適なプロピレン系重合体としては、通常、融点(Tm)が125℃以上、好ましくは130〜165℃の範囲にあるプロピレンの単独重合体、もしくはプロピレンと極少量のエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2以上(但し、プロピレンを除く)、好ましくは2〜8の1種または2種以上のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。
本発明の吸音構造体によると、吸音材の背後に位置する空気を利用して、吸音の対象とする周波数における良好な吸音効果が得られるとともに、安定的に保持することができる。
本発明の一実施形態の吸音構造体を示す側面図である。 (a)は図1に示す吸音構造体の気泡緩衝材を示す斜視図、(b)はその断面図である。 図1に示す吸音構造体の使用状態を示す側面図である。 本発明の他の実施形態の吸音構造体を示す側面図である。 気泡緩衝材の変形例を示す断面図である。 図1に示す吸音構造体の吸音効果を求める実験の結果を示すグラフである。 図1に示す吸音構造体の吸音効果を求める他の実験の結果を示すグラフである。 本発明の吸音構造体の他の例の吸音効果を求める実験の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に本発明の吸音構造体1を示している。この吸音構造体1は、多孔体2と気泡緩衝材(エアパッキン)3との積層体である。多孔体2は、厚さが1〜100mmで目付量が10〜10000g/m2である。多孔体2は、不織布、樹脂発泡体、発泡ゴム、ポリウレタンフォームおよびフェルトのうちの1種以上の材料を含む。多孔体2が不織布からなる場合には、平均繊維径が0.1〜10μmの熱可塑性樹脂からなることが好ましく、メルトブローン不織布であってもよい。
気泡緩衝材3は、空気を内包した微小な粒状部3aが規則的または不規則に配列されたものである。具体的には、図2に示すように、少なくとも2枚の樹脂フィルム4,5が貼り合わせられ、一方の樹脂フィルム4に、他方の樹脂フィルム5との接合面と反対側に突出する中空の突起部が形成され、この突起部の根元部分が他方の樹脂フィルム5によって塞がれて、突起部の内部に空気(気泡)が閉じ込められたものである。このように空気を内包して塞がれた突起部を粒状部3aと称する。この粒状部3aが多数形成されて、衝撃を吸収することができる。個々の粒状部3aの最大面積、すなわち両フィルム4,5の接合部における開口面積は、10〜5000mm2の範囲内であることが好ましい。より好ましくは25〜1000mm2の範囲内、特に好ましくは50〜500mm2の範囲内である。粒状部3aは、気泡緩衝材3を構成するフィルム4,5の面積1m2あたり10〜100000個形成されていることが好ましい。好ましくは100〜50000個の範囲内であり、より好ましくは1000〜20000個の範囲内である。粒状部3aは、図2(a)に示すような中空の円筒状であってもよく、図2(b)に示すような中空の円錐台形状であってもよい。
本発明の吸音構造体1は、このような構成であるため、吸音効果を有する多孔体2の背後に、気泡緩衝材3の多数の粒状部3aにそれぞれ内包された空気が、実質的な空気層として存在し、吸音効果を向上させている。すなわち、吸音材の背後の空気を利用して、吸音の対象とする周波数における良好な吸音効果を得ることができる。そして、多孔体2の背後に空気層を形成するための空間を設けるのではなく、空気を内包した部材である気泡緩衝材3を配置するため、気泡緩衝材3を介して多孔体2を背後から全面的に支えることができる。それにより、吸音構造体1を安定的に支持することができる。しかも、気泡緩衝材3の多数の粒状部3aにそれぞれ内包された空気を用いて、実質的な空気層としての吸音効果を得ることができる。
この吸音構造体1の使用方法の一例では、図3に示すように、気泡緩衝材3に接着剤層6を設けて、建物の壁や天井や床などの対象物7に貼り付ける。このように、多孔体2と対象物7との間に気泡緩衝材3が介在する構成にする。多孔体2が音の入射面になり、多孔体2に入射する音は、多孔体2自体と、気泡緩衝材3が構成する実質的な空気層とによって吸収され、反射音が軽減される。
なお、吸音構造体1を取り外し可能に対象物7に取り付けることが望まれる場合には、図示しないが、接着剤層6を設けずに、フック等の係止部材を用いて吸音構造体1を対象物7に取り付けることもできる。
図4に示す他の実施形態のように、樹脂や不織布等からなる補助層8を気泡緩衝材3に接合して、気泡緩衝材3が多孔体2と補助層8とに挟まれた構成にすることもできる。その場合、比較的剛性が低く柔軟な部材である気泡緩衝材3を保護して、吸音構造体1全体を強固な構造にすることができる。それにより、吸音構造体1を安定して保持する信頼性が向上する。さらに、気泡緩衝材3の粒状部3aが経時的に収縮したり変形したり強度低下したりすることを抑制できる。本実施形態の吸音構造体1では、多孔体2側を対象物7に取り付けてもよく、補助層8側を対象物に取り付けてもよい。
また、図示しないが、多孔体2や気泡緩衝材3を複数枚重ねた構成にすることもできる。その場合、多孔体2や気泡緩衝材3を重ねる順序は問わない。すなわち、複数枚の多孔体シートが重ね合わせられた多層構造の多孔体2や、複数枚の気泡緩衝材シートが重ね合わせられた多層構造の気泡緩衝材3を用いることができる。本発明の吸音構造体1の少なくとも一部において複数枚の多孔体シートと気泡緩衝材シートが交互に重ね合わせられた構造であってもよい。いずれの場合であっても、好ましくは多孔体シートと対象物7との間に少なくとも1枚の気泡緩衝材シートが存在するように重ねる。さらに好ましくは多孔体シートと対象物7との間に気泡緩衝材シートを入れた上で、多孔体シートが表面(外部に露出する面)に現れるように配置する。多孔体シートや気泡緩衝材シートの枚数は問わない。好ましくは多孔体シートと気泡緩衝材シートがそれぞれ5枚以下であり、より好ましくは多孔体シートと気泡緩衝材シートがそれぞれ3枚以下である。使用するシート材の枚数が多すぎると吸音構造体1の柔軟性が損なわれる。もちろん、図1〜4に示すように多孔体2と気泡緩衝材3はそれぞれ1枚のシート材からなる単層構造であってもよく、多孔体2および気泡緩衝材3はそれぞれ少なくとも1枚のシート材から構成されていると言える。単層構造であっても、複数の多孔体シートからなる場合であっても、多孔体2の厚さの合計は1〜100mmの範囲内で、好ましくは1〜50mmの範囲内、より好ましくは1〜25mmの範囲内である。また、単層構造であっても、複数の気泡緩衝材シートからなる場合であっても、気泡緩衝材3の空気を内包する粒状部3aの高さの合計は1〜50mmの範囲内で、好ましくは2〜30mmの範囲内、より好ましくは2〜10mmの範囲内である。
多孔体シートの目付量は10〜10000g/m2、好ましくは50〜5000g/m2、より好ましくは50〜3000g/m2、特に好ましくは100〜1000g/m2である。気泡緩衝材シートの目付量は、10〜1000g/m2、好ましくは25〜200g/m2、より好ましくは50〜100g/m2である。
また、気泡緩衝材3を構成する1枚または複数枚の気泡緩衝材シートの各々は、図2に示すように2枚の樹脂フィルム4,5からなる2層構造に限られない。図5に示すように3枚の樹脂フィルム4,5,9からなる3層構造、すなわち突起部(粒状部3a)を有する樹脂フィルム4が平坦な2枚の樹脂フィルム5,9に挟まれる構成であってもよい。その場合にも、高い吸音効果を維持しつつ、吸音構造体1全体を強固な構造にして、吸音構造体1を安定して保持する信頼性を向上させることができる。さらに、粒状部3aの経時的な収縮や変形や強度低下を抑制できる。
このような吸音構造体1の吸音効果について、具体的な実験結果に基づいて説明する。多孔体2としてメルトブローン法で作製した厚さ4.5mm、目付量200g/m2、平均繊維径7μmの、ポリプロピレン製不織布(三井化学株式会社製)である第1の不織布を用いて、背後に空間を設けなかった場合(空気層の厚さ0mm)と、背後に空間を設けた場合(空気層の厚さ10mm)と、背後に第1の気泡緩衝材(厚さ8mm、粒状部の最大直径20mm、粒状部の高さ8mm、目付量70g/m2)3を積層した場合と、背後に第2の気泡緩衝材(厚さ3mm、粒状部の最大直径10mm、粒状部の高さ3.5mm、目付量90g/m2)3を積層した場合とについて、残響室法吸音率を求めて、図6のグラフに示した。残響室法吸音率は、JIS A 1409に準拠する方法で測定した。図6を見ると、特に1/3オクターブバンド周波数500Hz〜4kHzにおいて、多孔体2と第1の気泡緩衝材3との積層構造の吸音構造体1が、とても高い残響室法吸音率を示している。多孔体2と第2の気泡緩衝材3との積層構造の吸音構造体1が、次に高い残響室法吸音率を示している。多孔体2の背後に気泡緩衝材3を持たず、厚さ10mmの空間(空気層)を設けた構造では、気泡緩衝材3を有する吸音構造体1に比べて残響室法吸音率が低い。そして、多孔体2の背後に気泡緩衝材3も空間(空気層)も持たない構造では、残響室法吸音率がさらに低い。
また、多孔体2としてメルトブローン法で作製した厚さ0.4mmで目付量40g/m2、平均繊維径2μmの、ポリプロピレン製不織布(三井化学株式会社製)である第2の不織布を用いて、背後に空間を設けなかった場合(空気層の厚さ0mm)と、背後に第1の気泡緩衝材3を積層した場合と、背後に第2の気泡緩衝材3を積層した場合とについて、残響室法吸音率を求めて、図7のグラフに示した。図7を見ると、特に1/3オクターブバンド周波数500Hz〜4kHzにおいて、多孔体2と第1の気泡緩衝材3との積層構造の吸音構造体が高い残響室法吸音率を示している。4kHz〜10kHzでは、多孔体2と第2の気泡緩衝材3との積層構造の吸音構造体1が高い残響室法吸音率を示している。これに対し、多孔体2の背後に気泡緩衝材3も空間(空気層)も持たない構造では、残響室法吸音率がさらに低い。この実験結果を基に、特に吸収することが望まれる音の周波数に応じて、最適な気泡緩衝材3を選択して用いることができる。
図6,7のグラフに示されている実験結果を見ると、第1の気泡緩衝材3と第2の気泡緩衝材3のいずれを用いる場合でも、気泡緩衝材3を持たない構造に比べて明らかに吸音率が向上している。多孔体2の寸法等が異なる場合であっても、気泡緩衝材3を用いることにより吸音率が向上する。多孔体2の背後に気泡緩衝材3よりも厚い空気層を設けた場合と比べても、気泡緩衝材3を有する構成の方が高い吸音効果が得られる。
また、図6に示す例と同様に多孔体2として第1の不織布を含む吸音構造体1の吸音効果について、図8に示している。図8のグラフには、多孔体2である第1の不織布の背後に空間も気泡緩衝材も設けなかった場合(空気層の厚さ0mm)と、背後に1枚の気泡緩衝材シート(厚さ8mm、粒状部の最大直径20mm、粒状部の高さ8mm、目付量70g/m2)からなる単層構造の第1の気泡緩衝材3を積層した場合の残響室法吸音率を示した。これらの2つの場合を示す線は、図6のグラフに示す線と同じである。そして、図8には、多孔体2である第1の不織布の背後に気泡緩衝材シート(厚さ8mm、粒状部の最大直径20mm、粒状部の高さ8mm、目付量70g/m2)を2枚重ねた多層(2層)構造の第1の気泡緩衝材3を積層した場合の残響室法吸音率を示した。この図8を見ると、特に1/3オクターブバンド周波数315Hz〜1.6kHzにおいて、2枚の気泡緩衝材シートからなる2層構造の第1の気泡緩衝材3を含む吸音構造体1が高い残響室法吸音率を示している。一方、1/3オクターブバンド周波数1.6kHz〜5kHzにおいて、1枚の気泡緩衝材シートからなる単層構造の第1の気泡緩衝材3を含む吸音構造体1が高い残響室法吸音率を示している。すなわち、複数枚の気泡緩衝材シートからなる多層構造の気泡緩衝材3を用いると、単層構造の気泡緩衝材3を用いる場合に比べて、吸音率がピークになる周波数が低周波側へシフトしている。この傾向を利用して、気泡緩衝材シートの枚数、言い換えると空気を内包する粒状部の高さの合計を調整することによって、狙った周波数を良好に吸音できるように吸音構造体1の設計および最適化を行うことができる。すなわち、吸音の対象とする周波数に合わせて、気泡緩衝材3を構成する気泡緩衝材シートの枚数を適宜に設定すればよい。
なお、以上説明した例では、図1,3,4に示すように、気泡緩衝材3の粒状部3aと反対側の面が多孔体2に接合されているが、粒状部3a側が多孔体2に接合された構成にしてもよい。
1 吸音構造体
2 多孔体
3 気泡緩衝材
3a 粒状部
4,5,9 樹脂フィルム
6 接着剤層
7 対象物
8 補助層

Claims (9)

  1. 多孔体と、前記多孔体に積層された気泡緩衝材と、を有し、
    前記多孔体は、厚さが1〜100mmで目付量が10〜10000g/m2であり、前記気泡緩衝材は、1枚または複数枚の気泡緩衝材シートで構成され、前記気泡緩衝材が1枚の気泡緩衝材シートで構成されている場合の当該気泡緩衝材シートの空気を内包する粒状部の高さが1〜50mmで目付量が10〜1000g/m2であり、前記気泡緩衝材が複数枚の気泡緩衝材シートで構成されている場合の、重なり合う全ての気泡緩衝材シートの前記粒状部の高さの合計が1〜50mmで、個々の気泡緩衝材シートの目付量がそれぞれ10〜1000g/m2であることを特徴とする、吸音構造体。
  2. 前記気泡緩衝材が、吸音性を付与すべき対象物に接するように取り付けられ、前記多孔体が音の入射面になることを特徴とする、請求項1に記載の吸音構造体。
  3. 前記気泡緩衝材の、前記多孔体との接合面と反対側の面に補助層が積層され、前記補助層が、吸音性を付与すべき対象物に接するように取り付けられ、前記多孔体が音の入射面になることを特徴とする、請求項1に記載の吸音構造体。
  4. 前記気泡緩衝材の、前記多孔体との接合面と反対側の面に補助層が積層され、前記多孔体が、吸音性を付与すべき対象物に接するように取り付けられ、前記補助層が音の入射面になることを特徴とする、請求項1に記載の吸音構造体。
  5. 前記気泡緩衝材の面方向における、個々の前記粒状部の最大面積は10〜5000mm2であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の吸音構造体。
  6. 前記気泡緩衝材の1m2あたりの前記粒状部の数は10〜100000個であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の吸音構造体。
  7. 前記多孔体は、不織布、樹脂発泡体、発泡ゴム、ポリウレタンフォームおよびフェルトのうちの1種以上の材料を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の吸音構造体。
  8. 前記多孔体は、平均繊維径が0.1〜10μmの熱可塑性樹脂からなる不織布であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の吸音構造体。
  9. 前記多孔体はメルトブローン不織布であることを特徴とする、請求項8に記載の吸音構造体。
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