JP2020128940A - 測定装置、測定システムおよび測定方法 - Google Patents

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Yasuhiro Goshoo
康博 五所尾
泰明 松儀
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泰明 松儀
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順一 伊勢谷
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Masahiko Senzaki
昌彦 千崎
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    • G01N21/45Refractivity; Phase-affecting properties, e.g. optical path length using interferometric methods; using Schlieren methods

Abstract

【課題】水溶液といった各種溶液に溶解する溶質や混合気体における各気体といった測定対象の濃度を簡易な構成で精度良く測定する。【解決手段】本願に係る測定システム(10)は、濃度の測定対象と対応する特定波長を含む光を出射する光源部(11)と、測定対象を介して光源部(11)から出射された光を分光するファブリペロー型の分光部(17)と、分光部(17)により分光された特定波長の光の強度に基づいて、測定対象の濃度を測定する測定部(100)とを有する。【選択図】図13

Description

本発明は、溶液および気体の濃度を測定する測定装置、測定システムおよび測定方法に関する。
従来、光を用いて半導体のエッチング液や洗浄液といった水溶液の濃度を測定する技術が知られている。このような技術の一例として、発光ダイオードが出射した光を水溶液に照射し、水溶液を介して受光した光の強度から水溶液の濃度を測定する技術が知られている。また、光源から、溶質が吸収する波長の光を出射し、水溶液を介する前、あるいは水溶液を介した後に回折格子やカラーフィルタを用いて分光し、分光した光の吸光度に基づいて、水溶液の濃度を測定する技術が知られている。
特開平11−37936号公報 特許第3578470号公報
しかしながら、上述した従来技術では、水溶液の濃度を簡易な構成で精度良く測定しているとは言えない場合がある。
例えば、発光ダイオードが出射する光を用いて水溶液の吸光度を測定した場合、ブロードな波長の光を用いることとなり、水溶液の濃度を精度良く測定することができない。また、回折格子やカラーフィルタを用いて光を分光した場合、光学系が複雑化してしまう。
なお、上述した従来技術と同様の構成により、水溶液の濃度以外にも、各種溶質が溶解した溶液や混合気体における各気体の濃度を測定する態様が考えられる。しかしながら、上述した従来技術では、各種溶液における溶質や気体の濃度を簡易な構成で精度良く測定できるとは言えない。
本願はこのような課題を解決するためのものであり、水溶液といった各種溶液に溶解する溶質や混合気体における各気体等の濃度を簡易な構成で精度良く測定することを目的としている。
本願に係る測定装置は、濃度の測定対象と対応する特定波長を含む光を出射する光源部と、測定対象を介して光源部から出射された光を分光するファブリペロー型の分光部と、分光部により分光された光の強度に基づいて、測定対象の濃度を測定する測定部とを有する。
上記測定装置において、光源部は、特定波長を含む光を出射可能な発光素子を1つ以上有してもよい。
また、上記測定装置において、光源部は、測定対象と対応する複数の特定波長を含む光を出射し、分光部は、測定対象と対応する複数の特定波長を含む光を分光し、測定部は、分光部により分光された複数の特定波長の光の強度に基づいて、測定対象の濃度を測定してもよい。
また、上記測定装置において、光源部は、複数の測定対象のそれぞれと対応する特定波長を含む光を出射し、分光部は、複数の特定波長を含む光を分光し、測定部は、分光部により分光された複数の特定波長の光の強度に基づいて、複数の測定対象の濃度を測定してもよい。
また、上記測定装置において、光源部は、少なくとも、複数の測定対象と同数の特定波長を含む光を出射し、分光部は、光源部が出射した複数の特定波長を含む光を分光し、測定部は、分光部により分光された複数の特定波長の光の強度に基づいて、複数の測定対象の濃度を測定してもよい。
また、上記測定装置において、測定部は、各測定対象の濃度を特定波長における吸光度に変換する吸光係数に基づく行列と、分光部により分光された特定波長の光の強度に基づいた吸光度とに基づいて、各測定対象の濃度を算出してもよい。
また、上記測定装置において、光源部は、測定対象が吸収する光の波長を特定波長とした光を出射してもよい。
また、上記測定装置において、光源部は、所定の溶媒に溶解する測定対象と対応する特定波長を含む光を出射し、分光部は、所定の溶媒に測定対象が溶解した溶液を介して光源部から出射された光を受光してもよい。
上述した測定装置によれば、濃度の測定対象と対応する特定波長を含む光を測定対象を介して受光し、ファブリペロー型の分光部により、受光した光を分光し、分光して得られた特定波長の光の強度に基づいて、測定対象の濃度を測定する。このように、測定装置は、ブロードな波長の光を用いて測定対象の濃度を測定するのではなく、ファブリペロー型の分光器を用いて、受光した光から測定対象と対応する特定波長を分光し、分光した特定波長の光の強度に基づいて、測定対象の濃度を測定する。この結果、測定装置は、回折格子やカラーフィルタ等の複雑な光学系を有さずとも、精度良く測定対象の濃度を推定することができる。
図1は、実施形態における測定手法を説明する図である。 図2は、アンモニア水溶液および過酸化水素水の吸収スペクトルを示すグラフである。 図3は、サンプルの吸収スペクトルを示すグラフである。 図4は、波長λの光における過酸化水素水の濃度と吸光度との関係を示すグラフである。 図5は、波長λの光における過酸化水素水の濃度と吸光度との関係を示すグラフである。 図6は、波長λの光におけるアンモニアの濃度と吸光度との関係を示すグラフである。 図7は、波長λの光におけるアンモニアの濃度と吸光度との関係を示すグラフである。 図8は、吸光度から計算されたアンモニアの濃度と、混合体積比から計算したアンモニアの濃度との関係を示すグラフである。 図9は、吸光度から計算された過酸化水素の濃度と、混合体積比から計算した過酸化水素の濃度との関係を示すグラフである。 図10は、塩酸と過酸化水素水の吸収スペクトルを示すグラフである。 図11は、吸光度から計算された塩酸の濃度と、混合体積比から計算した塩酸の濃度との関係を示すグラフである。 図12は、吸光度から計算された過酸化水素の濃度と、混合体積比から計算した過酸化水素の濃度との関係を示すグラフである。 図13は、実施形態における測定システムの概要を示す図である。 図14は、実施形態に係る分光装置の一例を示す図である。 図15は、実施形態に係る測定装置が有する機能構成の一例を示す図である。 図16は、実施形態に係る測定システムの動作タイミングの一例を示すフローチャートである。
次に、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
[原理]
従来、半導体の洗浄液やエッチング液として、塩酸、硝酸、リン酸、水酸化アンモニウム、過酸化水素等の水溶液が用いられており、水溶液の吸光度に基づいて、水溶液の濃度を測定する技術が知られている。単純には、水溶液に照射する光の波長領域を狭くすることで、水溶液中における各種溶質の濃度を簡易な構成で精度良く測定できると考えられる。
ここで、LED(Light Emitting Diode)等の半導体発光素子を採用した場合、水溶液に照射される光の波長領域をハロゲンランプ等と比較して狭くすることができるものの、依然として波長帯がブロードなため、水溶液の濃度を精度良く測定しているとは言えない。また、物質により吸収しやすい光の波長は異なるため、光源から出射する光の波長領域を狭めた場合、混酸等、複数の溶質が溶解した水溶液から、いずれかの溶質の濃度しか測定することができない。
また、光源としてハロゲンランプを採用した場合は、光源から出射する光を回折格子やカラーフィルタを用いて分光することとなり、測定装置の構成が複雑となる。また、ハロゲンランプは、LED等の半導体発光素子と比較して、寿命が短く、交換の手間がかかる。
一方で、水溶液に溶解している溶質が何であるかが予め解っている場合、溶質の濃度測定において適切と考えられる波長(以下、「特定波長」と記載する。)の光を含んだ波長帯の光を出射し、水溶液を介して受光した光を、特定波長の光に分光すれば、精度よく溶質の濃度測定を実現できると考えられる。このような点に着眼し、小型で安価であるが分光可能な波長領域が比較的狭いファブリペロー型の分光器を用いて、受光した光を特定波長の光に分光することにより、課題を解決できることに想到した。
[測定手法について]
以下、図1を用いて、実施形態における測定手法について説明する。図1は、実施形態における測定手法を説明する図である。図1に示す例では、水溶液等といった液体のサンプルに溶解する溶質の濃度を測定する測定システム1の構成を概念的に示した。
例えば、測定システム1は、光源装置2、フローセル3、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ4、受光素子5、および測定装置6を有する。
光源装置2は、光を投光可能な光源装置であり、例えば、ハロゲンランプやLED等の光源により実現される。例えば、光源装置2は、測定装置6による制御に従って、所定の強度の光を出射する。このようにして光源装置2により出射された光は、光路OPに沿って、フローセル3、およびファブリペロー分光用チューナブルフィルタ4を介し、受光素子5へと伝達される。
ここで、光源装置2は、1つ若しくは同時に濃度を測定する溶質のそれぞれと対応する特定波長を含む波長帯の光を出射可能な光源であればよい。例えば、光源装置2は、半値幅が±100ナノメートル程度のLEDにより実現可能であり、溶質がアンモニアおよび過酸化水素である場合、少なくとも、1525ナノメートルから1600ナノメートルの波長帯の光を十分な強度で出力可能な光源であればよい。
フローセル3は、光源装置2が出射する光に対して透明な素材(例えば、石英等)からなり、内部に水溶液等のサンプルを流すことができる。なお、フローセル3は、試験管やセル等により実現されてもよい。また、フローセル3は、全体が透明な素材である必要はなく、光源装置2から出射された光が入射される入射部分と、入射された光をサンプルを介して出射する出射部分とが透明であればよい。
ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ4は、透過可能な光の波長を変更することができるファブリペロー干渉計(Fabry Perot Interferometer)であり、平行に配置された2つの半透鏡を有する。例えば、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ4は、光源装置2側に設置された半透鏡である上部ミラーUMと、受光素子5側に配置された半透鏡である下部ミラーDMとを有する。そして、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ4は、上部ミラーUMと下部ミラーDMとの間隔を制御することで、フローセル3を介して受光した光から、上部ミラーUMと下部ミラーDMとの間隔に応じた波長の光を透過する。例えば、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ4は、測定装置6からの制御に従い、サンプルを介して受光した光から溶質と対応する特定波長の光を透過する。
受光素子5は、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ4により透過された光を受光すると、受光した光の強度を測定する素子であり、例えば、フォトダイオード等の光電素子等により実現される。例えば、受光素子5は、透過された光を受光すると、受光した光の強さを示す電気信号を生成し、生成した電気信号を測定装置6へと伝達する。
測定装置6は、受光素子5が受光した光の強度に基づいて、サンプルに含まれる溶質の濃度を測定する。例えば、測定装置6は、光源装置2を制御し、特定波長を含む波長帯の光を出射させ、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ4を制御して、特定波長の光を透過させる。測定装置6は、受光素子5が受光した特定波長の光の強度を測定する。
ここで、測定装置6は、フローセル3内にサンプルがない状態で受光素子5が受光した光の強度をIとして測定し、フローセル3内にサンプルがある状態で受光素子5が受光した光の強度をIとして測定する。そして、測定装置6は、以下の式(1)を用いて、特定波長におけるサンプルの吸光度Aを算出し、算出した吸光度Aに基づいて、サンプルに含まれる溶質の濃度を測定する。
なお、測定装置6は、フローセル3内に溶質が溶解していない所定の溶媒のみがある状態で受光素子5が受光した光の強度と、フローセル3内に溶質が所定の溶媒に溶解した溶液がある状態で受光素子5が受光した光の強度との比率の対数を算出し、算出した対数の符号を逆転させた値を、溶質の溶媒に対する吸光度として算出してもよい。
[測定手法の一例について]
以下、サンプルの吸光度に基づいて、サンプルに含まれる溶質の濃度を測定する処理の一例について説明する。なお、以下の説明では、アンモニア(NH)および過酸化水素(H)の水溶液をサンプルとする例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。測定装置6は、任意の溶質を含むサンプルの吸光度から、溶質の濃度の算出を行ってよい。また、以下の説明では、溶質となる水のみの透過光の強度に対し、サンプルの透過光の強度との割合の対数を取り、符号を反転させた値をサンプルの吸光度とした。
例えば、図2は、アンモニア水溶液および過酸化水素水の吸収スペクトルを示すグラフである。なお、図2に示す例では、横軸方向に波長を、縦軸方向に溶媒である水に対する吸光度を採り、アンモニア水溶液および過酸化水素水の吸光度を、波長ごとに示した。図2に示すように、アンモニアは、1530ナノメートル付近に吸光度のピークを有し、過酸化水素水は、1500ナノメートルから1850ナノメートルにかけて緩やかなピークが続いている。
図2に示す吸収スペクトルから、アンモニアおよび過酸化水素が溶解した水溶液であるサンプルの吸収スペクトルを模式的に描くと、図3に示すグラフを得ることができる。図3は、サンプルの吸収スペクトルを示すグラフである。図3に示すように、サンプルは、アンモニア水溶液の吸光度のピーク付近と、過酸化水素水の吸光度のピーク付近との2か所にピークを有している。
ここで、測定装置6は、2つの特定波長を選択し、選択した特定波長におけるサンプルの吸光度から、アンモニアおよび過酸化水素の濃度をそれぞれ測定する。より具体的には、測定装置6は、サンプルに含まれる溶質ごとに、溶質の吸光度のピークが現れる波長を特定波長として選択する。そして、測定装置6は、選択した特定波長におけるサンプルの吸光度を測定し、測定した吸光度から、サンプルに含まれる各溶質の濃度を算出する。
例えば、アンモニア水溶液の吸収ピーク付近の波長を特定波長λ、過酸化水素水の吸収ピーク付近の波長を特定波長λとし、アンモニアの濃度を[NH]、過酸化水素の濃度を[H]とする。ここで、ランベルト・ベールの法則によれば、光路長が一定であるならば、サンプルの吸光度はサンプルに含まれる溶質の濃度に比例するので、特定波長λにおけるサンプルの吸光度をA、特定波長λにおけるサンプルの吸光度をAとすると、以下の式(2)および(3)を得ることとなる。なお、式(2)の係数aは、特定波長λにおけるアンモニアの吸光係数であり、式(2)の係数bは、特定波長λにおける過酸化水素の吸光係数となる。また、式(3)の係数cは、特定波長λにおけるアンモニアの吸光係数であり、式(3)の係数dは、特定波長λにおける過酸化水素の吸光係数となる。
ここで、式(2)、式(3)を1つの行列式に変形すると、以下の式(4)を得ることができる。ここで、式(4)に示すPは、式(5)に示すように、吸光係数の行列である。なお、以下の説明では、Pを係数行列と記載する場合がある。
よって、測定装置6は、特定波長λにおけるサンプルの吸光度Aと特定波長λにおけるサンプルの吸光度Aとから、アンモニアの濃度[NH]および過酸化水素の濃度[H]を以下の式(6)で求めることができる。
[吸光係数の一例について]
続いて、吸光係数の一例について説明する。なお、以下の説明では、特定波長λと特定波長λとの吸光度から吸光係数を算出する処理の一例について説明する。
例えば、式(2)および式(3)においてアンモニアの濃度[NH]を0とすれば、過酸化水素水における過酸化水素の濃度と、過酸化水素水の吸光度Aおよび吸光度Aから、吸光係数bおよびdを求めることができる。そこで、波長λの光、および、波長λの光について、過酸化水素水の濃度を変化させながら過酸化水素水の吸光度Aおよび吸光度Aを測定した所、図4および図5を得ることができる。
図4は、波長λの光における過酸化水素水の濃度と吸光度との関係を示すグラフである。また、図5は、波長λの光における過酸化水素水の濃度と吸光度との関係を示すグラフである。なお、図4および図5に示す例では、縦軸を吸光度とし、横軸を過酸化水素の濃度とした場合に、各波長の光に対する過酸化水素水の吸光度を濃度ごとにプロットした。
図4および図5に示すように、各波長の光に対して、過酸化水素水の濃度と吸光度とは、比例関係を有することが解る。また、図4に示すように、波長λの光に対して、過酸化水素水の濃度を吸光度に変換する係数、すなわち、吸光係数bの値は、例えば、「0.0015」となる。また、図5に示すように、波長λの光に対して、過酸化水素水の濃度を吸光度に変換する係数、すなわち、吸光係数dの値は、例えば、「0.0046」となる。
続いて、アンモニアと過酸化水素が溶解した水溶液の吸光度を実測し、実測した吸光度からそれぞれの波長における過酸化水素による吸光度を差し引いた値をアンモニアによる吸光度として算出した。このような処理の結果、アンモニアの濃度と吸光度との関係として図6および図7を得ることができた。
図6は、波長λの光におけるアンモニアの濃度と吸光度との関係を示すグラフである。また、図7は、波長λの光におけるアンモニアの濃度と吸光度との関係を示すグラフである。なお、図6および図7に示す例では、縦軸を吸光度とし、横軸をアンモニアの濃度とした場合に、各波長の光に対するアンモニアの吸光度を濃度ごとにプロットした。
図6、図7に示すように、各波長の光に対し、濃度が2%〜5%の範囲においては、アンモニアの濃度と吸光度とがほぼ比例関係を有することが解る。また、図6に示すように、波長λの光に対して、アンモニアの濃度を吸光度に変換する係数、すなわち、吸光係数aの値は、例えば、「0.0097」となる。また、図7に示すように、波長λの光に対して、アンモニアの濃度を吸光度に変換する係数、すなわち、吸光係数cの値は、例えば、「0.0043」となる。
このような実測値から、波長λの光、および、波長λの光に対し、過酸化水素およびアンモニアが溶解した水溶液における係数行列Pは、以下の式(7)で示すことができ、係数行列の逆行列P−1は、以下の式(8)で示すことができる。
このような逆行列P−1と式(6)とを用いて、アンモニアと過酸化水素が溶解した水溶液の吸光度からアンモニアと過酸化水素との濃度を測定する実験を行った。このような実験により、アンモニアの濃度と過酸化水素との濃度について、図8および図9に示す結果を得た。
図8は、吸光度から計算されたアンモニアの濃度と、混合体積比から計算したアンモニアの濃度との関係を示すグラフである。また、図9は、吸光度から計算された過酸化水素の濃度と、混合体積比から計算した過酸化水素の濃度との関係を示すグラフである。なお、図8および図9に示す例では、縦軸を吸光度から計算した濃度とし、アンモニアと過酸化水素とが溶解した水溶液におけるアンモニア若しくは過酸化水素の混合体積比から計算した濃度として、混合体積比から計算した濃度とサンプルの吸光度から計算した濃度との関係をプロットした。図8、図9に示すように、アンモニアについては、濃度が2〜5%の範囲で吸光度から好適な濃度を算出することができ、過酸化水素については、各濃度について、吸光度から好適な濃度を算出することができた。
[他の溶質について]
なお、上述した例では、アンモニアと過酸化水素が溶解した水溶液をサンプルとしたが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、測定装置6は、塩酸(HCl)と過酸化水素とが溶解したサンプルについて、上述した処理と同様の処理を実行することにより、サンプルの吸光度から塩酸および過酸化水素の濃度を算出してもよい。ここで、図10は、塩酸と過酸化水素水の吸収スペクトルを示すグラフである。
なお、図10に示す例では、横軸方向に波長を、縦軸方向に溶媒である水に対する吸光度を採り、塩酸および過酸化水素水の吸光度を、波長ごとに示した。図10に示すように、塩酸は、1825ナノメートル付近で吸光度のピークを有する。そこで、測定装置6は、特定波長λを1825ナノメートルとして係数行列を算出し、算出した係数行列の逆行列を用いて、サンプルの吸光度から塩酸および過酸化水素水の濃度を測定してもよい。
なお、測定装置6は、必ずしも溶質が有する吸光度のピークに合わせて特定波長を選択する必要はない。例えば、測定装置6は、溶質が有する吸光度のピークがファブリペロー分光用チューナブルフィルタ4の分光可能な波長の範囲を超えている場合、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ4が分光可能な波長の上限若しくは下限を特定波長としてもよい。
例えば、特定波長λをファブリペロー分光用チューナブルフィルタ4の上限とし、特定波長λを過酸化水素に対応する波長とし、サンプルとして、塩酸と過酸化水素とが溶解した水溶液の濃度を測定するための係数行列Pを算出する。より具体的には、上述したアンモニアと過酸化水素とが溶解した水溶液の濃度を測定する場合と同様に、塩酸と過酸化水素の吸光係数から係数行列Pを算出し、吸光行列Pの逆行列P−1と式(6)と用いて、塩酸と過酸化水素が溶解した水溶液の吸光度から塩酸と過酸化水素との濃度を測定する。
このような例においては、塩酸の濃度と過酸化水素との濃度について、図11および図12に示す関係を得ることができる。図11は、吸光度から計算された塩酸の濃度と、混合体積比から計算した塩酸の濃度との関係を示すグラフである。また、図12は、吸光度から計算された過酸化水素の濃度と、混合体積比から計算した過酸化水素の濃度との関係を示すグラフである。なお、図11および図12に示す例では、図8、図9と同様に、縦軸を吸光度から計算した濃度とし、横軸を混合体積比から計算した濃度として、混合体積比から計算したサンプルの濃度とサンプルの吸光度から計算した濃度との関係をプロットした。図11、図12に示すように、塩酸および過酸化水素ともに、各濃度について、吸光度から好適な濃度を算出することができる。
[実施形態]
以下、上述した測定手法を用いてサンプルの濃度を測定する実施形態の一例について、図13を用いて説明する。図13は、実施形態における測定システムの概要を示す図である。図13に示す例では、測定システム10は、LED11、ファイバ12、16、投光部13、フローセル14、受光部15、分光装置17、および測定装置100を有する。
LED11は、光源装置2としての光源であり、溶質と対応する特定波長を含む光を出射する。例えば、LED11は、半値幅が100ナノメートル程度の光を出力可能な発光素子である。
ファイバ12は、LEDから出射された光を投光部13へと伝達するファイバであり、例えば、単相の光ファイバ等により実現される。投光部13は、ファイバ12を介して、LED11が出射した光を受光すると、受光した光をフローセル14へと出射する。
フローセル14は、サンプルが流れるフローセルである。例えば、図13に示す例では、フローセル14の内容には、洗浄液供給装置CPから洗浄装置CMへと供給される半導体の洗浄液がサンプルとして流れている。
受光部15は、投光部13から投光された光を、フローセル14内のサンプルを介して受光する。そして、受光部15は、受光した光をファイバ16へと出力する。ファイバ16は、ファイバ12と同様に、受光部15から出力された光を分光装置17へと伝達するファイバであり、例えば、単相の光ファイバ等により実現される。なお、図13に示す構成は、あくまで一例である。例えば、測定システム10は、ファイバ12、16、投光部13、および受光部15を有さずともよい。
分光装置17は、サンプルを介してLED11から出射された光を受光すると、受光した光を分光するファブリペロー型の分光装置である。例えば、分光装置17は、ファイバ16から受光した光を、所定の特定波長の光に分光する。
例えば、図14は、実施形態に係る分光装置の一例を示す図である。図14に示すように、分光装置17は、ファイバ16から光を受光する側から順に、バンドパスフィルタ17a、上部ミラー17b、エアギャップ17c、下部ミラー17d、基板17e、スペーサ17f、受光素子17g、および配線基板17hを有する。なお、上部ミラー17b、エアギャップ17c、下部ミラー17d、および基板17eは、図1に示すファブリペロー分光用チューナブルフィルタ4に対応し、受光素子17gは、図1に示す受光素子5に対応する。
バンドパスフィルタ17aは、ファイバ16から入射された光のうち、予め設定された波長帯以外の光の強度を減衰させるフィルタである。上部ミラー17bは、バンドパスフィルタ17a側に配置された半透鏡であり、メンブレン(薄膜)構造を有している。また、下部ミラー17dは、上部ミラー17bと対向する半透鏡であり、受光素子17g側に配置されている。エアギャップ17cは、上部ミラー17bおよび下部ミラー17dの間の空間である。また、基板17eは、ファブリペロー分光計の基板であり、透過性を有する。
スペーサ17fは、基板17eと受光素子17gとの間隔を保持するスペーサである。また、受光素子17gは、配線基板17h上に設置されたフォトダイオードであり、基板17eを介して受光する光の強度を測定する。配線基板17hは、受光素子17gにより測定された光の強度を示す電気信号を、測定装置100へと伝達する。
ここで、測定装置100は、上部ミラー17bおよび下部ミラー17d間に電圧を印加することで、上部ミラー17bおよび下部ミラー17d間に静電引力を発生させ、メンブレン構造の上部ミラー17bを下部ミラー17d側に近づけることで、エアギャップ17cの距離を調整する。そして、上部ミラー17bおよび下部ミラー17dは、エアギャップ17cの距離に応じた波長の光を透過し、基板17eを介して、透過した波長の光を受光素子17gに入射させることができる。
なお、図14に示す分光装置17の構成は、あくまで一例である。測定システム10は、図14に示す分光装置17以外にも、ファブリペロー干渉計の原理を用いて入射された光を特定波長に分光するのであれば、任意の分光計を採用してよい。
図13に戻り、説明を続ける。測定装置100は、分光装置17により分光された光の強度に基づいて、サンプルの濃度を測定する。例えば、測定装置100は、フローセル14内を流れる水溶液に溶解している溶質の濃度を測定する。
[測定装置の機能構成の一例]
以下、図15を用いて、測定装置100が有する機能構成の一例について説明する。図15は、実施形態に係る測定装置が有する機能構成の一例を示す図である。図15に示すように、測定装置100は、光源制御部110、分光制御部120、受光制御部130、入力部140、出力部150、記憶部160、および制御部170を有する。
光源制御部110は、制御部170からの制御に従ってLED11の点灯を制御する制御装置であり、例えば、LED11の点灯回路等により実現される。例えば、光源制御部110は、LED11を制御し、所定の波長帯の光を所定の強度で出射させる。なお、光源制御部110は、LED11から出射される光の波長帯や強度が一定になるように、各種の制御手段を有していてもよい。
分光制御部120は、制御部170からの制御に従って分光装置17を制御する制御装置であり、例えば、分光装置17の制御回路により実現される。例えば、分光制御部120は、分光装置17が有する上部ミラー17bと下部ミラー17dとの間に印加する電圧を制御することで、受光素子17gが受光する光の波長を適宜制御する。
受光制御部130は、制御部170からの制御に従って分光された光の強度を測定するための制御装置であり、例えば、分光装置17が有する受光素子177の制御回路により実現される。例えば、受光制御部130は、分光装置17が測定した光の強度を示す電気信号を受付けると、受付けた電気信号を光の強度を示す数値に変換し、変換後の数値を制御部170に通知する。
入力部140は、利用者からの操作を受付ける入力装置であり、例えば、キーボードやマウス等により実現される。また、出力部150は、測定装置100による測定結果を出力するための出力装置であり、例えば、液晶モニタやプリンタ等により実現される。
記憶部160は、各種の情報を記憶する記憶装置であり、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、記憶部160には、各種の測定ログや、測定対象となる溶質(例えば、アンモニア、塩酸若しくは過酸化水素等)と特定波長ごとの組ごとに予め設定された吸光係数や係数行列等が登録される。
制御部170は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、測定装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部170は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
図15に示す例では、制御部170は、取得部171、演算部172、および提供部173を有する。取得部171は、LED11および分光装置17を制御し、分光装置17がサンプルを介して分光した特定波長の光の強度を取得する。
例えば、取得部171は、溶質等といった濃度を測定する対象(測定対象)の選択を入力部140から受付けると、サンプルを介した光から選択された測定対象と対応する特定波長の光強度を取得する。例えば、取得部171は、アンモニアと過酸化水素とが選択された場合、アンモニアと対応する特定波長と、過酸化水素と対応する特定波長とを選択する。そして、取得部171は、光源制御部110を制御し、LED11を点灯させることで、特定波長を含む波長帯の光を出射させる。
また、取得部171は、分光制御部120を制御し、サンプルを介して分光装置17が受光した光から特定波長の光を分光させる。そして、取得部171は、受光制御部130を介して、分光装置17が測定した特定波長の光の強度を取得する。例えば、取得部171は、アンモニアと対応する特定波長の光強度を測定させた後、過酸化水素と対応する特定波長の光強度を測定させる。そして、取得部171は、測定された各特定波長の光の強度を取得する。
演算部172は、測定された複数の特定波長の光の強度に基づいて、測定対象の濃度を測定する。例えば、演算部172は、測定された複数の特定波長の光の強度に基づいて、複数の測定対象の濃度を測定する。より具体的な例を挙げると、演算部172は、アンモニアと対応する特定波長の光の強度と、過酸化水素と対応する特定波長の光の強度とを取得すると、上述した式(8)に示す逆行列P−1と、式(6)とを用いて、アンモニアおよび過酸化水素の濃度をそれぞれ算出する。すなわち、演算部172は、各測定対象の濃度を特定波長における吸光度に変換する吸光係数に基づく行列と、測定された特定波長の光の強度に基づいた吸光度とに基づいて、各測定対象の濃度を算出する。
提供部173は、演算部172により測定された各測定対象の濃度を利用者に提供する。例えば、提供部173は、出力部150を介して、利用者が選択した測定対象の濃度を示す値を出力する。
[実施形態における動作タイミングの一例]
次に、図16を参照して、実施形態に係る測定システム10の動作タイミングの一例について説明する。図16は、実施形態に係る測定システムの動作タイミングの一例を示すフローチャートである。
例えば、測定装置100は、光源であるLED11から光を出射させる(ステップS101)。このような場合、分光装置17は、測定対象を介して、光源であるLED11が出射した光を受光する(ステップS102)。そして、分光装置17は、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタを用いて分光した特定波長の光を測定する(ステップS103)。
続いて、測定装置100は、測定光の強度に基づいて、特定波長におけるサンプルの吸光度を算出し(ステップS104)、その後、全ての特定波長を測定したか否かを判定する(ステップS105)。そして、測定装置100は、測定していない特定波長が存在する場合は(ステップS105:No)、分光装置17にステップS103を実行させる。一方、測定装置100は、全ての特定波長を測定した場合は(ステップS105:Yes)、各特定波長における吸光度を濃度に変換する係数行列の逆行列を用いて、算出した吸光度から測定対象の濃度を算出する(ステップS106)。その後、測定装置100は、算出した濃度を測定結果として出力し(ステップS107)、処理を終了する。
[実施形態における効果]
上述したように、測定装置100は、ファブリペロー型の分光装置を用いて、サンプルを介して受光した光から測定対象と対応する特定波長の光を分光し、分光した特定波長の光の強度に基づいて、測定対象の濃度を測定する。このような構成により、測定装置100は、回折格子やカラーフィルタといった構成を有さずとも、測定対象の濃度を精度良く測定することができるので、簡易な構成で測定対象の濃度を精度良く測定することができる。
[実施形態の拡張]
上記の説明では、サンプルに含まれる測定対象の濃度を測定する測定システム1、10について説明したが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下の説明では、測定システム1、10が実行する測定手法のバリエーションについて説明する。
[1.特定波長について]
上述した測定システム1、10では、測定対象となるアンモニアや過酸化水素の吸光度のピークが存在する波長を特定波長として選択した。このように、吸光度のピークが存在する波長を特定波長とした場合、濃度の測定精度を向上させることができる。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。測定システム1、10は、少なくとも、サンプルに含まれる濃度の測定対象ごとに特定波長を選択し、選択した特定波長の強度から各測定対象の濃度を測定するのであれば、任意の波長を特定波長として選択してもよい。
例えば、測定システム1、10は、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ4や分光装置17が分光可能な波長の範囲に基づいて、特定波長の選択を行ってもよい。また、測定システム1、10は、光源装置2やLED11が出射可能な波長帯等に応じて、任意の波長を特定波長として採用してもよい。例えば、測定システム1は、2つの溶質が溶解した水溶液における各溶質の濃度を測定する場合、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ4が分光可能な波長の範囲から、任意の2つ以上の波長を特定波長として選択し、選択波長における各溶質の吸光度とサンプルの水溶液の吸光度から、各溶質の濃度を測定すればよい。
ここで、測定システム1、10は、少なくとも、測定対象と同数の特定波長を含む波長帯の光を分光できればよい。例えば、測定システム1は、複数の測定対象を含むサンプルの吸光度から、各測定対象の濃度を測定する場合、測定対象のそれぞれと対応する複数の特定波長を含む波長帯の光を光源装置2から出射させ、サンプルを介した光から特定波長の光を分光し、分光した光の強度から測定対象の濃度を算出すればよい。
例えば、サンプルに第1測定対象と第2測定対象が含まれる場合、測定システム1、10は、第1測定対象に対応する第1特定波長と、第2測定対象に対応する第2特定波長とを設定する。続いて、測定システム1、10は、第1特定波長と第2特定波長とのそれぞれにおける第1測定対象の吸光度と、第1特定波長と第2特定波長とのそれぞれにおける第2測定対象の吸光度とから、係数行列の逆行列を算出する。そして、測定システム1、10は、第1特定波長と第2特定波長とのそれぞれにおけるサンプルの吸光度と逆行列とから、第1測定対象の濃度と第2測定対象の濃度とを算出すればよい。
また、測定システム1、10は、3種類以上の溶質が溶解しているサンプルの吸光度から、各溶質の濃度を測定してもよく、サンプルに溶解している溶質のうち全て若しくは一部の溶質の濃度を測定してもよい。例えば、サンプルに溶解している溶質のうち濃度の測定対象となる溶質の数をnとする。このような場合、測定システム1、10は、少なくともn個の特定波長を選択し、式(2)や式(3)と同様に、n個の溶質の濃度からサンプルの吸光度を算出する式を特定波長ごとに設定することで、n×n行列である係数行列Pを得る。そして、測定装置6は、n個の特定波長ごとにサンプルの吸光度を測定し、逆行列P−1と測定した吸光度とから、各溶質の濃度を測定してもよい。
また、測定システム1、10は、行列式ではなく、吸光度から溶質の濃度を算出する所定の方程式を用いて、濃度の測定を行ってもよい。また、測定システム1、10は、測定精度をさらに向上させるため、n個の溶質に対し、m個(m>n)の特定波長を選択し、選択した特定波長ごとの吸光度から、n個の溶質の濃度を測定してもよい。例えば、測定システム1、10は、2つの特定波長を用いて過酸化水素の濃度を吸光度へと変換する場合、特定波長ごとに測定したサンプルの吸光度から算出した濃度の平均値から過酸化水素の濃度を測定してもよい。
また、測定システム1、10は、n個の測定対象に対し、n<mとなるm個の特定波長の光の強度に基づいて、各測定対象の濃度を測定してもよい。例えば、測定システム1、10は、2つの測定対象に対して3つ以上の特定波長の光の強度を測定し、測定した光の強度から各測定対象の濃度の候補をそれぞれ算出する。このような計算を行った場合、測定システム1、10は、1つの測定対象に対して複数の濃度の候補を得ることとなる。そこで、測定システム1、10は、得られた候補の平均値等に基づいて、測定対象の濃度を算出する。なお、測定システム1、10は、光源装置2やLED11が出射する光の中心波長や半値幅、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ4や分光装置17が分光可能な波長帯、サンプルに含まれる測定対象の種類や想定されうる濃度等に基づいて、候補の平均値を得る際に各種の重みづけを設定してもよい。
[サンプルについて]
また、測定システム1、10は、各種溶質が溶解した水溶液のみならず、例えば、各種溶質が溶解した有機溶剤等の溶液をサンプルとしてもよい。また、このような場合、測定システム1、10は、溶媒の吸光度と溶質の吸光度との割合から式(1)を用いて算出される吸光度を採用してもよい。また、測定システム1、10は、溶液のみならず、混合気体等、各種の気体をサンプルとし、サンプルに含まれる気体のうち任意の気体の濃度を測定してもよい。また、測定システム1、10は、溶質ではなく、溶媒となる物質の濃度を測定してもよい。
[装置構成について]
なお、測定システム1、10の装置構成は、上述した説明に限定されるものではない。例えば、測定装置6は、光源装置2、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ4、および受光素子5を有し、フローセル3内のサンプルにおける測定対象の濃度を測定する装置であってもよい。
以上、実施形態の一例を説明したが、これらは例示であり、本実施形態は上記した説明に限定されるものではない。発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、実施形態の構成や詳細は、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
1、10 測定システム
2 光源装置
3、14 フローセル
4 ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ
5、177 受光素子
6、100 測定装置
11 LED
12、16 ファイバ
13 投光部
15 受光部
17 分光装置
110 光源制御部
120 分光制御部
130 受光制御部
140 入力部
150 出力部
160 記憶部
170 制御部
171 取得部
172 演算部
173 提供部

Claims (10)

  1. 濃度の測定対象と対応する特定波長を含む光を出射する光源部と、
    前記測定対象を介して前記光源部から出射された光を分光するファブリペロー型の分光部と、
    前記分光部により分光された前記特定波長の光の強度に基づいて、前記測定対象の濃度を測定する測定部と
    を有することを特徴とする測定装置。
  2. 前記光源部は、前記特定波長を含む光を出射可能な発光素子を1つ以上有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記光源部は、前記測定対象と対応する複数の特定波長の光を出射し、
    前記分光部は、前記測定対象と対応する複数の特定波長の光をそれぞれ分光し、
    前記測定部は、前記分光部により分光された複数の特定波長の光の強度に基づいて、前記測定対象の濃度を測定する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の測定装置。
  4. 前記光源部は、複数の測定対象のそれぞれと対応する特定波長を含む光を出射し、
    前記分光部は、複数の特定波長を含む光を分光し、
    前記測定部は、前記分光部により分光された複数の特定波長の光の強度に基づいて、前記複数の測定対象の濃度を測定する
    ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の測定装置。
  5. 前記光源部は、少なくとも、前記複数の測定対象と同数の特定波長を含む光を出射し、
    前記分光部は、前記光源部が出射した複数の特定波長を含む光を分光し、
    前記測定部は、前記分光部により分光された複数の特定波長の光の強度に基づいて、前記複数の測定対象の濃度を測定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の測定装置。
  6. 前記測定部は、各測定対象の濃度を特定波長における吸光度に変換する吸光係数に基づく行列と、前記分光部により分光された特定波長の光の強度に基づいた吸光度とに基づいて、各測定対象の濃度を算出する
    ことを特徴とする請求項3〜5のうちいずれか1つに記載の測定装置。
  7. 前記光源部は、当該測定対象が吸収する光の波長を前記特定波長とした光を出射する
    ことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1つに記載の測定装置。
  8. 前記光源部は、所定の溶媒に溶解する測定対象と対応する特定波長を含む光を出射し、
    前記分光部は、前記所定の溶媒に前記測定対象が溶解した溶液を介して前記光源部から出射された光を受光する
    ことを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1つに記載の測定装置。
  9. 濃度の測定対象と対応する波長の光を出射する光源装置と、
    前記測定対象を介して前記光源装置から出射された光を分光するファブリペロー型の分光装置と、
    前記分光装置により分光された光の強度に基づいて、前記測定対象の濃度を測定する測定装置と
    を有することを特徴とする測定システム。
  10. 測定装置が実行する測定方法であって、
    光源から出射された濃度の測定対象と対応する波長の光を、濃度の測定対象を介して受光し、ファブリペロー型の分光器を用いて、受光した光を分光する分光工程と、
    前記分光工程により分光された光の強度に基づいて、前記測定対象の濃度を測定する測定工程と
    を含むことを特徴とする測定方法。

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