JP2020128875A - 電磁波透過性の検査方法及び電磁波透過構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】検査時間及び検査コストを抑制できる電磁波透過性の検査方法及び電磁波透過構造体を提供する。【解決手段】電磁波を透過する基体とクラックを発生させた金属膜とを積層した電磁波透過構造体を検査対象物として準備するステップと、クラックの細かさを定量化するステップと、クラックの定量化した細かさを判定値と比較するステップと、クラックの定量化した細かさが判定値よりも小さい場合に電磁波透過構造体が所定の電磁波透過性を有すると判定するステップとを含む。【選択図】図1
Description
本発明は、金属光沢を有し、且つ電磁波を透過する電磁波透過構造体及びその電磁波透過性の検査方法に関する。
自動車の外装部品などに、樹脂基板など軽量な材料の表面に金属膜を形成し、軽量化とともに装飾性を向上した製品が使用されている。一方、自動ブレーキなどを実現するためにミリ波などの電磁波が使用されているが、電磁波は金属膜を透過できない。このため、電磁波を透過し、且つ、金属光沢を有する部材が望まれている。
電磁波は、クラックが発生した金属膜を透過する。このため、例えば距離警告レーダを格納するレドームとして自動車メーカーのエンブレムなどを使用するために、インジウム薄膜を薄く樹脂基板に形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
電磁波の透過率を測定する方法によって、金属膜を形成した部材が所望の電磁波透過性を有するか否かを検査することできる。しかしながら、この方法では専用の電磁波測定装置が必要であり、検査コストが高くなる。また、電磁波測定装置による検査では、検査時間が長くなる。このため、全数を検査することが困難である。しかし、抜き取り検査では、完成品した後に不良品であることが判明した場合に、それまでの工程に費やした費用や時間が無駄になる。
上記問題点に鑑み、本発明は、検査時間及び検査コストを抑制できる電磁波透過性の検査方法及び電磁波透過構造体を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、電磁波を透過する基体とクラックを発生させた金属膜とを積層した電磁波透過構造体を検査対象物として準備するステップと、クラックの細かさを定量化するステップと、クラックの定量化した細かさを判定値と比較し、クラックの定量化した細かさが判定値よりも小さい場合に電磁波透過構造体が所定の電磁波透過性を有すると判定するステップとを含む電磁波透過性の検査方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、電磁波を透過する基体と、基体に積層され、金属光沢を有し且つクラックを意図的に発生させた金属膜とを備え、定量化したクラックの細かさが、電磁波に対して金属膜が所定の電磁波透過性を有するように設定された判定値よりも小さい電磁波透過構造体が提供される。
本発明によれば、検査時間及び検査コストを抑制できる電磁波透過性の検査方法及び電磁波透過構造体を提供できる。
図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置などを下記のものに特定するものでない。この発明の実施形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
本発明の実施形態に係る電磁波透過性の検査方法は、クラックを発生させた金属膜を備える電磁波透過構造体の検査に適用される。この電磁波透過性の検査方法は、図1に示すように、検査対象物を準備するステップS10と、クラックの細かさを定量化するステップS20と、定量化したクラックの細かさが判定値よりも小さいか否かを判定するステップS30とを含む。
クラックの定量化した細かさを判定値と比較し、クラックの定量化した細かさが判定値よりも小さい場合に、検査対象物である電磁波透過構造体が所定の電磁波透過性を有すると判定する。この場合は、検査対象物は良品と判定される(ステップS40)。つまり、判定値は、クラックの定量化した細かさが判定値以上である場合に、検査対象物について所定の電磁波透過性が得られず、不良品と判定する(ステップS50)ように設定されている。
検査対象物は、電磁波を透過する基体を準備し(ステップS11)、この基体の表面にクラックを意図的に発生させた金属膜を配置した(ステップS12)積層構造の電磁波透過構造体である。
図2に、図1に示した検査方法を適用する電磁波透過構造体の例を示す。図2に示した電磁波透過構造体1は、金属光沢を有する金属膜20が基体10に積層された構造である。基体10には、電磁波を透過する軽量な材料が好適に使用される。金属膜20の上面から下面までクラック(図示略)が貫通していることにより、電磁波が金属膜20を透過する。金属膜20にクラックを発生させるには、基体10と金属膜20との線熱膨張係数の差を利用できる。
図2に示した基体10は、樹脂基板などの基板11の上面に有機膜などの下地膜12を形成した構成である。例えば、基板11の上面に、ディップやスプレーなどにより下地膜12を塗布して基体10を準備する。下地膜12を乾燥させた後、下地膜12の表面に、スパッタリング法などにより金属膜20を形成する。そして、金属膜20にクラックを意図的に発生させるために、金属膜20を形成した基体10を加熱する。例えば80℃の加熱により、下地膜12と金属膜20の線熱膨張係数の差によって金属膜20にクラックが発生する。上面から下面まで貫通する網目状のクラックが発生することにより、金属膜20が電磁波透過性を有するようになる。電磁波透過構造体1の構成の詳細については後述する。
図2に示した電磁波透過構造体1は、衝突防止システムに使用される電磁波Eを発生する電磁波発生装置2を搭載した自動車の装飾用部材などに、好適に使用される。例えば、エンブレムなどの金属光沢が要求される自動車の外装部品の一部に、電磁波発生装置2のカバー部材として電磁波透過構造体1を使用する。これにより、外装部品の内部に配置された電磁波発生装置2から、電磁波Eとして例えばミリ波を外装部品の外部に出力することができる。
本発明者らは、平面視でクラックに周囲を囲まれた複数の島状の領域(以下において、「金属粒」という。)に分割された金属膜20において、金属膜20での電磁波の透過率とクラックのサイズとの間に相関関係があることを見出した。即ち、クラックのサイズが細かいほど、即ち、クラックに囲まれた金属粒の面積が狭いほど、金属膜20での電磁波の透過率が高いという知見を得た。
クラックの細かさは、一定の領域におけるクラックの長さの総計、単位面積当たりの金属粒の個数、金属粒の平均面積、仮想線と交差するクラックの個数などによって、定量化することができる。以下では、クラックの長さの総計によってクラックの細かさを定量化して、クラックの細かさと金属膜での電磁波の透過率との関係について説明する。
以下に、図3のフローチャートを参照して、クラックの細かさを定量化することによって行う電磁波透過構造体1の検査方法を説明する。
先ず、図3のステップS21において、金属膜20の表面のクラックを含む検査画像を取得する。そして、ステップS22において、検査画像の画像処理を行う。即ち、ステップS221において、検査画像を二値化する。次いで、ステップS222において、二値化した検査画像を細線化する。
そして、ステップS23において、細線化した検査画像を用いて、クラックの細かさを定量化する。即ち、検査画像の二値化及び細線化によってクラックの長さの総計を算出し、クラックの長さの総計でクラックの細かさを定量化する。
例えば、図4に示した二値化した検査画像を細線化することにより、クラック210が細線化された幅が1ピクセルのクラック線211が得られる。なお、図4は、クラック210によって分離された金属粒201と金属粒202を含む検査画像を二値化及び細線化した画像データの一部を模式的に示している。画像処理によって、検査画像の全面についてクラック線211の長さを算出し、クラック線211の長さの総計を算出する。
図5(a)〜図5(c)及び図6(a)〜図6(c)に、画像処理の例を示す。それぞれの図において、黒い部分が金属粒の領域であり、白い部分がクラックの領域である。図5(a)は画像処理する前の第1サンプルの原画像であり、図5(b)は図5(a)の画像を二値化した画像である。図5(c)は、図5(b)の画像を細線化した画像である。図5に示した画像は、ニコン社製の測定顕微鏡MM-800を使用し、倍率を100倍として撮影した顕微鏡写真である。一方、図6(a)は第2サンプルの原画像であり、図6(b)は図6(a)の画像を二値化した画像であり、図6(c)は図6(b)の画像を細線化した画像である。
原画像の二値化により、金属粒の領域とクラックの領域が明確に識別可能になる。このため、画像処理の一例の結果として、金属粒を示す黒色部が427333ピクセルであり、クラックを示す白色部が35032ピクセルであるというように、それぞれの面積を算出することができる。この場合に、金属粒に対するクラックの面積の比率は8.2%である。そして、二値化した画像を細線化することにより、クラックを細線化した白色部の長さが13512ピクセルであるというように、クラックの長さを算出できる。また、クラックの面積とクラックの長さから、クラックの平均幅は2.6ピクセルである。
他の画像処理の例として、金属粒を示す黒色部が432465ピクセルであり、クラックを示す白色部が47734ピクセルである二値化した画像を得た。金属粒に対するクラックの面積の比率は11.0%である。この画像を細線化することにより、クラックの長さが11916ピクセルとして算出された。また、クラックの平均幅は4.0ピクセルである。
複数の電磁波透過構造体1について、電磁波透過性を測定した結果を図7〜図9に示す。なお、電磁波透過性は、電磁波損失で評価した(以下において、同様。)。即ち、電磁波損失のマイナスの値が大きいほど、電磁波透過構造体1を電磁波が透過しにくい。なお、ここでは電磁波としてミリ波について透過性を調査した。
図7は、検査画像を二値化して得られるクラックの面積と電磁波損失との関係を示す。なお、クラックの面積を金属粒に対する比率として示している。図8は、二値化した検査画像を細線化して得られるクラックの長さの総計と電磁波損失との関係を示す。図9は、クラックの面積及び長さから得られるクラックの平均幅と電磁波損失との関係を示す。なお、検査画像のサイズは、700μm×525μmである。
図8に示すように、クラックの長さの総計と電磁波損失には相関関係がある。即ち、クラックの長さの総計が長いほど、電磁波損失が小さい。これは、クラックの長さの総計が長いほどクラックが細かく、クラックが細かいほど金属膜20の電磁波透過性が高いためである。したがって、金属膜20のクラックの細かさをクラックの長さの総計によって定量化し、クラックの長さの総計を用いて電磁波透過構造体1の透過性を評価できる。
クラックの細かさは、電磁波透過構造体1の製造条件に依存する。図10に、異なる製造条件で製造された電磁波透過構造体1の実施例1〜実施例3についての測定結果を示す。実施例1〜実施例3では、金属膜20の膜厚や、クラックを発生させるために金属膜20を形成した基体10を加熱する温度を変化させている。なお、金属膜20には、スパッタリング法によって形成されるクロム(Cr)膜を使用した。樹脂や有機膜との線熱膨張係数の差によってクラックが発生しやすく、且つ、金属光沢を有するクロム膜が、金属膜20に好適に使用される。
図10の「電磁波損失」の項目の数値は、キーサイトテクノロジー社製ネットワークアナライザーを用いて、各膜の79GHzにおける電磁波損失を評価した数値である。図10に示した実施例1と実施例2の測定結果から、加熱する温度が高いほど、クラックの長さの総計が長く、電磁波損失が小さい。また、実施例2と実施例3の測定結果から、金属膜20の膜厚を薄くするほど電磁波損失が小さい。
図1に示した検査方法のステップS30に使用される、クラックの細かさを定量化した数値の判定値は、所望の電磁波透過性に基づいて設定される。例えば、「電磁波損失」の管理値を−1dBとする場合には、図10の実施例3はこの管理値を満たす。このため、クラックの長さの総計の判定値を9.5mm程度として、電磁波透過構造体1の電磁波透過性の検査を行う。
本発明者らが検討を重ねた結果、検査画像のサイズが700μm×525μmの場合にクラックの長さの総計が5mmよりも長い電磁波透過構造体1について、所望の電磁波透過性が得られた。したがって、検査画像のサイズが700μm×525μmの場合におけるクラックの長さの総計の判定値を5mmとして電磁波透過性の検査を行うことにより、所望の電磁波透過性を有する電磁波透過構造体1が得られる。
上記のように、クラックを発生させるための加熱の温度が高いほど、クラックが細かくなる。このため、基体10の耐熱性の範囲でクラックを発生させる温度を高くすることが好ましい。
なお、自動車の外装部品などの用途では、金属膜20に金属光沢が要求される場合が多い。図10に示した表の「明るさ(L)」の項目の数値は、L*a*b*色空間において明度を示す次元Lである。即ち、金属膜20の金属光沢の観点からは、「明るさ(L)」の数値が大きいほど好ましい。例えば、「明るさ(L)」の管理値を72とする場合には、実施例1〜実施例3はいずれも管理値を満たさない。
図10に示したように、金属膜20の膜厚が薄いほど、クラックを細かくできる。しかし、金属膜20の膜厚を薄くすると、金属光沢を得ることが難しくなる。このため、金属膜20について金属光沢が得られる膜厚を維持し、且つ、所望の電磁波透過性を得られる条件によってクラックを発生させる必要がある。即ち、電磁波透過性の検査と併せて、金属膜20が一定の金属光沢を有することの検査を行う。
クラックに囲まれた金属粒の面積が狭いほど金属膜20での電磁波の透過率が高いため、クラックの長さの総計が長いほど電磁波透過性は良好である。しかし、クラックの長さの総計が長くなると、外観についての所定の仕様が得られない場合がある。例えば、金属膜20の表面の金属光沢が失われたり、滑らかさが減少したりする。このため、クラックの長さの総計について、所望の電磁波透過性を得られる範囲で上限を設けてもよい。例えば、検査画像のサイズが700μm×525μmの場合におけるクラックの長さの総計が5mm以上且つ200mm以下であることを判定基準として、電磁波透過構造体1を選別する。これにより、所望の電磁波透過性と外観を有する電磁波透過構造体1が得られる。
上記のように、金属膜20が電磁波を透過し、且つ、金属光沢を有するようにクラックを発生させるために、金属膜20や基体10の特性に応じて電磁波透過構造体1の製造条件が設定される。即ち、金属膜20の膜厚や、基体10と金属膜20の線熱膨張係数の差などに応じて、金属膜20を形成する成膜条件やクラックを発生させるための加熱の温度などを適宜設定する。
図11に、金属膜20を形成するスパッタリング法における、クロムターゲットに印加するスパッタリング電力の大きさを変化させた場合の測定結果を示す。なお、基準の電力は3kWである。
図11に示すように、スパッタリング電力が大きいほど、クラックの長さの総計は長くなり、電磁波損失は小さい。更に、スパッタリング電力が大きいほど、明るさ(L)の値を大きくできる。ただし、スパッタリング電力を高くするほど、基体10がダメージを受ける。このため、金属膜20の金属光沢にムラが発生したり、基体10の表面に損傷が生じたりしないように、スパッタリング電力などの成膜条件を設定する必要がある。
図1を参照して説明した電磁波透過性の検査方法は、例えば図12示す検査装置30によって実行可能である。検査装置30は、照明装置31、画像取得装置32、画像処理装置33、判定装置34を備える。以下に、検査装置30を用いた電磁波透過構造体1の電磁波透過性の検査方法の例を説明する。
照明装置31によって照明光Lが電磁波透過構造体1に照射された状態で、画像取得装置32が金属膜20の表面の検査画像を取得する。画像取得装置32には、CCD(電荷結合素子)カメラやCMOS(相補型金属酸化膜半導体)カメラなどを使用可能である。検査画像の画像データD1は、画像取得装置32から画像処理装置33に送信される。
画像処理装置33は、画像データD1を画像処理して判定用データD2を生成する。例えば、画像データD1の二値化及び細線化により判定用データD2を生成する。判定用データD2は、画像処理装置33から判定装置34に送信される。
判定装置34は、判定用データD2を用いて、金属膜20に発生したクラックの細かさを定量化する。例えば、クラックの長さの総計でクラックの細かさを定量化する。そして、判定装置34は、定量化したクラックの細かさが判定基準を満たすか否かを判定する。即ち、クラックの定量化した細かさを判定値と比較し、クラックの定量化した細かさが判定値よりも小さい場合に電磁波透過構造体1が所定の電磁波透過性を有するとして、良品と判定する。一方、クラックの細かさが判定基準を満たさない場合は、電磁波透過構造体1を不良品と判定する。
なお、検査装置30によって、検査画像から金属膜20からの反射光の明るさを検出することにより、金属膜20が所定の金属光沢を有することの検査を併せて行うことができる。例えば、L*a*b*色空間における次元Lが予め設定した判定値を満足するか否かを判定する。
ところで、検査装置30によって、電磁波透過性の検査以外の検査も可能である。例えば、検査装置30による電磁波透過構造体1の外観検査も行える。即ち、画像取得装置32によって取得された検査画像を画像処理することにより、表面の色むらや反射率などに関する外観検査を、電磁波透過性の検査と同時若しくは連続的に実行することができる。
例えば、金属膜20の表面のクラックを含む検査画像を取得するのと同様にして、照明装置31から種々の周波数の検査光を電磁波透過構造体1に照射し、画像取得装置32によって反射光について周波数依存性の画像データを取得する。これらの画像データを画像処理装置33によって画像処理することにより、色や反射率などの検査用データを取得できる。
検査用データを用いて、膜質や膜厚の分布ばらつき、異物、傷、汚れなどの欠陥の検査が可能である。例えば、これらの欠陥について判定値を設定し、判定装置34による良否判定を行うことができる。即ち、膜質や膜厚の分布ばらつきの程度や、異物や傷、汚れの有無若しくは許容される個数や大きさについて、判定値を設定する。これにより、電磁波透過構造体1の外観検査が可能である。
なお、検査光の周波数の違いによって検査画像に現れる欠陥の種類が異なるため、検査項目に応じて検査光の周波数を変えることが有効である。欠陥の種類によって相関関係にある反射と吸収が異なるため、赤色光で反射しやすい(吸収しにくい)欠陥や青色光で反射しやすい(吸収しにくい)欠陥などを、それぞれに応じて検出する。例えば、電磁波透過構造体1で吸収されやすい周波数の検査光を照射することにより、この周波数の光を反射する異物を検出することができる。また、汚れの検出には、青色光が好適に使用される。なお、周波数の異なる複数の検査光を同時に照射することにより、検査時間を短縮することも可能である。
また、上記では検査光の反射光を用いて電磁波透過構造体1の検査画像を取得する例を説明したが、電磁波透過構造体1を透過する検査光を電磁波透過構造体1の裏面から照射し、透過光を用いて電磁波透過構造体1の検査画像を取得してもよい。例えば、基体10の内部を透過した検査光によって、基体10の内部の傷や欠陥などを検出できる。
上記のように、本発明の実施形態に係る電磁波透過性の検査は、共通の検査装置を用いて、電磁波透過構造体1の外観検査や品質検査と同時若しくは連続的に実行可能である。このため、電磁波透過構造体1の検査時間や検査コストを抑制することができる。
従来から行われていた、電磁波発生装置2と電磁波透過構造体1とを組み立てた完成品についての電磁波透過性の検査は、検査時間や検査コストが増大する。また、完成品の段階で電磁波透過性が所定の特性を満たさないことが検出された場合には、それまでの工程が無駄になり、製造コストが増大する。
これに対し、本発明の実施形態に係る電磁波透過性の検査方法では、金属膜20の画像データを用いて、電磁波透過構造体1の電磁波透過性が検査される。つまり、電磁波発生装置2と電磁波透過構造体1とを組み立てた状態で電磁波透過性を測定することなく、電磁波透過構造体1単体での検査が可能である。したがって、製造コストの増大を抑制できる。
更に、画像データのみを用いた検査であるため、実際に電磁波を測定する検査に比べて、検査コストや検査時間を大幅に抑制できる。したがって、電磁波透過構造体1の全数を検査することが容易である。このため、電磁波透過性の低い電磁波透過構造体1を使用した製品を製造することがなく、歩留まりを向上させるとともに製造コストを低減できる。
また、電磁波透過構造体1の製造条件と電磁波透過性の検査結果との相関データを取得することにより、所望の電磁波透過性を有するための製造条件を見出すことができる。これにより、電磁波透過構造体1の歩留まりを向上させることができる。
以下に、図2に示した電磁波透過構造体1の構成について説明する。金属膜20には、クラックが発生する任意の材料を使用可能である。例えば、クロム、アルミニウム、ニッケル、チタン、銅、タンタル、銀、錫、金、プラチナ、パラジウム、シリコン、コバルト、ニオブ、インジウム、タングステン、及びそれぞれの合金、或いはステンレス合金、カーボン、炭素鋼などから、金属膜20の材料を選択可能である。金属膜20を基体10の表面に形成した後、金属膜20の全面に平面視で略均一に分布するようにクラックを発生させる。
基板11の材料には、絶縁性樹脂、セラミックス、紙、ガラス、繊維などが使用される。なお、絶縁性樹脂として、熱可塑性絶縁性樹脂及び熱硬化性絶縁性樹脂のいずれも使用できる。例えば、ポリエステル樹脂、ABS(アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル‐エチレン‐スチレン)樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂などが、金属膜20との線熱膨張係数が大きい材料として好適に使用される。また、これらの樹脂は、強固であり、成形性が良好であるため、自動車の外装部品などに使用しやすい。
基板11と金属膜20との線熱膨張係数の差が、金属膜20にクラックを均一に発生させる程度に大きくない場合などは、基体10と金属膜20との線熱膨張係数の差を大きくするように下地膜12が基板11に積層される。例えば、セラミックス、ガラスなどの線熱膨張係数が低く、金属膜20と線熱膨張係数が同程度である材料を基板11に使用する場合には、金属膜20よりも線熱膨張係数の大きい下地膜12を基板11に積層することが好ましい。
この場合、下地膜12には、ポリエステル樹脂などの金属膜20よりも線熱膨張係数が高い材料が好適に使用される。また、下地膜12を基板11の表面に形成することにより、基板11と金属膜20との密着性を向上できる。これにより、金属膜20の全面に微細なクラックを略均一に分散させることができる。なお、金属膜20にクラックを均一に分散させて発生させることができれば、基板11の表面に金属膜20を直接に配置した構造であってもよい。
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記では、クラックの長さの総計でクラックの細かさを定量化する場合を説明したが、他のパラメータによってクラックの細かさを定量化してもよい。例えば、単位面積当たりの金属粒の個数、金属粒の平均面積、一定の長さの仮想線と交差するクラックの個数などによって、クラックの細かさを定量化してもよい。
また、検査画像の画像処理において二値化した検査画像を細線化する場合を説明したが、金属粒の個数や平均面積でクラックの細かさを定量化する場合などでは、細線化は不要である。即ち、クラックの細かさを定量化するための画像処理は、検査画像の二値化だけでもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことはもちろんである。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…電磁波透過構造体
10…基体
20…金属膜
201、202…金属粒
210…クラック
10…基体
20…金属膜
201、202…金属粒
210…クラック
Claims (9)
- 電磁波を透過する基体とクラックを発生させた金属膜とを積層した電磁波透過構造体を検査対象物として準備するステップと、
前記クラックの細かさを定量化するステップと、
前記クラックの定量化した細かさを判定値と比較し、前記クラックの定量化した細かさが前記判定値よりも小さい場合に前記電磁波透過構造体が所定の電磁波透過性を有すると判定するステップと
を含むことを特徴とする電磁波透過性の検査方法。 - 前記金属膜の画像を画像処理することによって前記クラックの細かさを定量化することを特徴とする請求項1に記載の電磁波透過性の検査方法。
- 前記金属膜の画像の二値化及び細線化によって前記クラックの長さの総計を算出し、前記クラックの長さの総計で前記クラックの細かさを定量化することを特徴とする請求項2に記載の電磁波透過性の検査方法。
- 前記金属膜が一定の金属光沢を有することの検査を同時に行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電磁波透過性の検査方法。
- 前記金属膜の前記クラックを含む画像を取得する画像取得装置、及び前記クラックを含む画像を画像処理して前記クラックの細かさを定量化するためのデータを生成する画像処理装置を備える検査装置を用いて前記電磁波透過構造体の電磁波透過性の検査が行われ、
前記画像取得装置によって取得される検査画像を前記画像処理装置によって画像処理して行われる前記電磁波透過構造体の欠陥の検査を、電磁波透過性の検査と同時若しくは連続的に行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電磁波透過性の検査方法。 - 電磁波を透過する基体と、
前記基体に積層され、金属光沢を有し且つクラックを意図的に発生させた金属膜と
を備え、
定量化した前記クラックの細かさが、前記電磁波に対して前記金属膜が所定の電磁波透過性を有するように設定された判定値よりも小さいことを特徴とする電磁波透過構造体。 - 前記金属膜の画像を二値化及び細線化して得られる前記クラックの長さの総計が、前記判定値よりも長いことを特徴とする請求項6に記載の電磁波透過構造体。
- 前記クラックの長さの総計に対する前記判定値が、前記金属膜の前記画像のサイズが700μm×525μmの場合に5mmであることを特徴とする請求項7に記載の電磁波透過構造体。
- 前記金属膜の画像を二値化及び細線化して得られる前記クラックの長さの総計が、前記画像のサイズが700μm×525μmの場合に5mm以上且つ200mm以下であることを特徴とする請求項6に記載の電磁波透過構造体。
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