JP2020127366A - ヒストンh3トリメチル化リシン特異的モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片 - Google Patents

ヒストンh3トリメチル化リシン特異的モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片 Download PDF

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彰人 大井
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Abstract

【課題】クロマチンの基本単位である、ヌクレオソームを構成するヒストンの内、のH3の27番目のリシンのトリメチル化(H3K27me3)が遺伝子発現の抑制やX染色体の不活性化に関与すると考えられている。H3の27番目のリシンはEzh2と呼ぶメチル化酵素によりメチル化される。このH3K27me3のトリメチル化検出する為の、H3K27me3特異抗体で細胞内の還元状態でも機能するモノクローナル抗体の提供。【解決手段】特定のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメイン及び特定アミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメイン、を含むモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。特定のアミノ酸配列の81番目のアミノ酸のメチオニンが置換された重鎖可変領域ドメイン及び/又は別の特定のアミノ酸配列の21番のアミノ酸のメチオニンが置換された軽鎖可変領域ドメイン、を含むモノクロナール抗体又はその抗原結合性断片。【選択図】なし

Description

本発明は、ヒストンH3トリメチル化リシン特異的モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片に関する。本発明によれば、ヒストンH3の27番目のトリメチル化リシンを細胞内で特異的に検出することができる。
クロマチンの基本単位であるヌクレオソームを構成するヒストンは、DNA分子を折り畳んで核内に収納する。ヒストンは、アセチル化、リン酸化、メチル化などの化学修飾を受けることが知られているが、これらの化学修飾は、遺伝子発現などのクロマチン機能の制御に関わっていると考えられている。
例えば、ヒストンの1つであるH3の4番、9番、27番、36番、及び79番のリシンはメチル化修飾されることが明らかになっている。これらのリシンメチル化のうちH3の27番目のリシンのトリメチル化(以下、H3K27me3と称することがある)は、遺伝子発現の抑制やX染色体の不活性化に関与すると考えられている。哺乳類では性染色体として、オスがXY染色体を、メスがXX染色体を持っているが、メスの二本のX染色体のうち一本のX染色体が発生の段階でランダムに選択されて、高度に凝集するとともに不活性化を受ける。不活性化されたX染色体はその後の細胞周期を通じて凝集したままの状態を維持しており、構造的ヘテロクロマチンと非常によく似た構造を持つと考えられている。このX染色体の不活性化の最初の段階でヒストンH3の27番目のリシンのメチル化が起きることが分かっており、X染色体の不活性化に関与すると考えられている。
また、H3K27me3は、Ezh2と呼ばれるメチル化酵素によってメチル化されることが知られている。このEzh2は、転移性の前立腺がんにおいて過剰発現していることが報告されており(非特許文献1)、ヒストンH3の27番目のリシンのメチル化と、がんの進行状態との関係も検討されている。
「ネイチャー(Nature)」(英国)2002年、第419巻、p624−629
前記H3の27番目のリシンのトリメチル化を検出するためには、H3K27me3特異的モノクローナル抗体を用いることが有効である。本発明者らは、生きている細胞内でH3K27me3を、モノクローナル抗体を用いて検出することを試みたが、ほとんどの抗体がH3K27me3を検出できなかった。生きている細胞内は還元状態となっているために、モノクローナル抗体のシステイン残基のジスルフィド結合(SS結合)が乖離し、モノクローナル抗体の構造が維持できず、モノクローナル抗体として機能できないものであると本発明者らは考えた。
従って、本発明の目的は、細胞内の還元状態でも機能するモノクローナル抗体を提供することである。
本発明者は、細胞内の還元状態でも機能するモノクローナル抗体について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、特定のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメイン、及び特定のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメインを有するモノクローナル抗体を用いることにより、細胞内の還元状態でもモノクローナル抗体が機能し、H3の27番目のリシンのトリメチル化を検出できることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1](1)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメイン、及び配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメイン、を含むモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片、(2)配列番号1で表されるアミノ酸配列における81番のアミノ酸がメチオニンからロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、又はフェニルアラニンに置換された重鎖可変領域ドメイン、及び/又は配列番号2で表されるアミノ酸配列における21番のアミノ酸がメチオニンからロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、又はフェニルアラニンに置換された軽鎖可変領域ドメイン、を含むモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片、(3)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1個または複数個のアミノ酸が挿入、置換、又は欠失、若しくはその一方または両末端への付加されたアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメイン、及び配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1個または複数個のアミノ酸が挿入、置換、又は欠失、若しくはその一方または両末端への付加されたアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメインを含み、且つヒストンH3の27番目のトリメチル化リシンに、細胞内で結合できるモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片、又は(4)配列番号1で表されるアミノ酸配列における81番のアミノ酸がメチオニンからロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、又はフェニルアラニンに置換されたアミノ酸配列において、1個または複数個のアミノ酸が挿入、置換、又は欠失、若しくはその一方または両末端への付加されたアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメイン、及び配列番号2で表されるアミノ酸配列における21番のアミノ酸がメチオニンからロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、又はフェニルアラニンに置換されたアミノ酸配列において、1個または複数個のアミノ酸が挿入、置換、又は欠失、若しくはその一方または両末端への付加されたアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメインを含み、且つヒストンH3の27番目のトリメチル化リシンに、細胞内で結合できるモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片、
[2]前記抗原結合性断片がscFvである、[1]に記載の抗原結合性断片、
[3]タンパク質が結合した[1]又は[2]に記載のモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片、
[4]前記タンパク質が、蛍光タンパク質、発光タンパク質、又はタグペプチドである[1]〜[3]のいずれかに記載のモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片、
[5][1]〜[4]のいずれかに記載のモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片をコードするポリヌクレオチド、
[6][5]に記載のポリヌクレオチドを含むベクター、
[7][6]に記載のベクターで形質転換された宿主細胞、
[8]配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメイン、及び配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメイン、を含むモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、
[9][1]〜[4]のいずれかに記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を、ヒストンH3と接触させる工程、及びヒストンH3に結合したモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を検出する工程、を含むヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の分析方法、及び
[10][1]〜[4]のいずれかに記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を含む、ヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の分析キット、
に関する。
本発明のモノクローナル抗体は、細胞内の還元状態において、安定な構造を維持することができる。従って、細胞内でH3K27me3に結合できるモノクローナル抗体として効果的に使用することができる。
ヒストンH3のアミノ末端側のテールドメインの翻訳後修飾を示した図である。 本発明のscFvとsfGFPを連結したpscFv−EGFPベクターを示した模式図である。 2E12のscFvが、カエルA3細胞(B)及びマウスMC12細胞中(C)において、26℃及び30℃でH3K27me3に結合することを示した写真である。 モノクローナル抗体2E12の野生型のscFvのアミノ酸配列、及び変異体M86LのscFvのアミノ酸配列を示した図である。 変異体M86L(A)及び変異体M86L/M158I(B)がマウスMC12細胞中において、37℃でH3K27me3に結合することを示した写真である。 変異体M86LのscFvのアミノ酸配列、変異体M86L/Y38CのscFvのアミノ酸配列、及び変異体M86L/Y105NのscFvのアミノ酸配列を示した図である。 変異体M86L(A)、変異体M86L/Y38C(B)、及び変異体M86L/Y105N(C)が、マウスMC12細胞中において、37℃でH3K27me3に結合することを示した写真である。 モノクローナル抗体2E12の重鎖可変領域ドメインのアミノ酸配列を示した図である。 モノクローナル抗体2E12の軽鎖可変領域ドメインのアミノ酸配列を示した図である。
[1]モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片
本発明のモノクローナル抗体は、ヒストンH3の27番目のトリメチル化リシンに、細胞内で結合できるモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片である(以下、本明細書において「モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片」を纏めて「モノクローナル抗体」と称することがある)。具体的には、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片は、(1)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメイン、及び配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメインを含むか、(2)配列番号1で表されるアミノ酸配列における81番のアミノ酸がメチオニンからロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、又はフェニルアラニンに置換された重鎖可変領域ドメイン、及び/又は配列番号2で表されるアミノ酸配列における21番のアミノ酸がメチオニンからロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、又はフェニルアラニンに置換された軽鎖可変領域ドメインを含むか、(3)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1個または複数個のアミノ酸が挿入、置換、又は欠失、若しくはその一方または両末端への付加されたアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメイン、及び配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1個または複数個のアミノ酸が挿入、置換、又は欠失、若しくはその一方または両末端への付加されたアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメインを含み、且つヒストンH3の27番目のトリメチル化リシンに、細胞内で結合できるか、又は(4)配列番号1で表されるアミノ酸配列における81番のアミノ酸がメチオニンからロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、又はフェニルアラニンに置換されたアミノ酸配列において、1個または複数個のアミノ酸が挿入、置換、又は欠失、若しくはその一方または両末端への付加されたアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメイン、及び配列番号2で表されるアミノ酸配列における21番のアミノ酸がメチオニンからロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、又はフェニルアラニンに置換されたアミノ酸配列において、1個または複数個のアミノ酸が挿入、置換、又は欠失、若しくはその一方または両末端への付加されたアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメインを含み、且つヒストンH3の27番目のトリメチル化リシンに、細胞内で結合できる、モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片である。
(ヒストンH3の27番目のトリメチル化リシン)
ヒストンは、DNAを折り畳んで、核内に収容する役割を有するタンパク質である。ヒストン及びDNAにより、クロマチン(染色体)の基本的構成単位であるヌクレオソームが形成される。ヌクレオソームは、4種のコアヒストン(H2A、H2B、H3、及びH4)から構成されるコアヒストン8量体に146bpの2重鎖DNAが巻き付いた構造を有している。クロマチンにおいて2つのヌクレオソームは、リンカーDNAにより結合しており、そしてリンカーDNAにリンカーヒストン(例えば、ヒストンH1)が結合している。
4種のコアヒストンは、カルボキシル末端側のフォールドドメインとアミノ末端側のテールドメインを有し、テールドメインの翻訳後修飾が遺伝子発現制御に重要な働きをしていると考えられている。例えば、前記ヒストンH3の27番目のリシン残基は、ヒストンメチル化酵素(ヒトのEzh2)によりメチル化される。このH3の27番目のリシンは、モノメチル化、ジメチル化、及びトリメチル化されるが、特にトリメチル化(H3K27me3)が、発生段階におけるメスの二本のX染色体のうちの1本のX染色体の不活化を始めとした転写の抑制に強く相関していると考えられている。
(エピトープ)
本発明のモノクローナル抗体が結合するエピトープは、ヒストンH3の27番目のトリメチル化リシンを含む周辺のアミノ酸を含む連続エピトープである。マウスの免疫に用いたペプチドのアミノ酸配列は、KQLATKAAR(トリメチルK)SAPATGGVKC(配列番号3)であり、トリメチルリシン及びその周辺の複数個のアミノ酸をエピトープとして認識している。
(可変領域ドメイン及び定常領域ドメイン)
本発明のモノクローナル抗体は、前記H3K27me3に結合する。本発明のモノクローナル抗体は、少なくとも可変領域ドメインを含む。
可変領域ドメインの重鎖はアミノ末端から、可変領域のポリペプチド(以下、重鎖可変領域ドメイン(VH)と称する)及び定常領域の3つのドメインのポリペプチド、すなわち重鎖定常領域ドメイン1(CH1)、重鎖定常領域ドメイン2(CH2)、及び重鎖定常領域ドメイン3(CH3)をその順番に有している。前記重鎖可変領域ドメインには、3つの相補性決定領域、すなわち、重鎖相補性決定領域1(以下、H−CDR1と称することがある)、重鎖相補性決定領域2(以下、H−CDR2と称することがある)、及び重鎖相補性決定領域3(以下、H−CDR3と称することがある)を含み、それら3つの相補性決定領域は、重鎖可変領域フレームワークに囲まれている。重鎖可変領域フレームワークは、具体的には4つのフレームワーク領域のポリペプチド、すなわちアミノ末端から、H−FR1、H−FR2、H−FR3、及びH−FR4からなっている。従って、重鎖可変領域ドメインは、H−FR1、H−CDR1、H−FR2、H−CDR2、H−FR3、H−CDR3、及びH−FR4をその順番に含んでいる。
一方、可変領域ドメインの軽鎖はアミノ末端から、可変領域のポリペプチド(以下、軽鎖可変領域ドメイン(VL)と称する)及び定常領域のポリペプチド(以下、軽鎖定常領域ドメイン(CL)と称する)をその順番に有している。前記軽鎖可変領域ドメインには、3つの相補性決定領域、すなわち、軽鎖相補性決定領域1(以下、L−CDR1と称することがある)、軽鎖相補性決定領域2(以下、L−CDR2と称することがある)、及び軽鎖相補性決定領域3(以下、L−CDR3と称することがある)を含み、それら3つの相補性決定領域は、軽鎖可変領域フレームワークに囲まれている。軽鎖可変領域フレームワークは、具体的には4つのフレームワーク領域のポリペプチド、すなわちアミノ末端から、L−FR1、L−FR2、L−FR3、及びL−FR4からなっている。従って、軽鎖可変領域ドメインは、L−FR1、L−CDR1、L−FR2、L−CDR2、L−FR3、L−CDR3、及びL−FR4のそれぞれのポリペプチドをその順番に含んでいる。
なお、重鎖及び軽鎖の可変領域のポリペプチドにおける各ドメインを構成するアミノ酸配列からなるポリペプチドの割当は、Kabat(1991)、及び/又はChothia及びLesk、J.Mol.Biol. 196: 901-917(1987);Chothiaら、Nature 342: 878-883(1989)の規定に従うものとする。
(2E12の可変領域ドメイン)
本発明のモノクローナル抗体の1つの態様である2E12の重鎖可変領域ドメインのアミノ酸配列を図8に示す。2E12の重鎖可変領域ドメインは、配列番号1で表されるアミノ酸配列における1番〜30番のアミノ酸からなる重鎖可変領域フレームワーク1のポリペプチド(QVQLQQSGAELVKPGASVKLSCKASGFTFT)(配列番号20)、31番〜35番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域1のポリペプチド(SYYMY)(配列番号21)、36番〜49番のアミノ酸からなる重鎖可変領域フレームワーク2のポリペプチド(WVKQRPGQGLEWIG)(配列番号22)、50番〜66番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域2のポリペプチド(EINPSNGGTYFNEKFKN)(配列番号23)、67番〜98番のアミノ酸からなる重鎖可変領域フレームワーク3のポリペプチド(KATLTVDKSSSTAYMHLSSLTSEDSAVYYCAA)(配列番号24)、99番〜106番のアミノ酸からなる重鎖相補性決定領域3のポリペプチド(YYGNLFDY)(配列番号25)及び107番〜117番のアミノ酸からなる重鎖可変領域フレームワーク4のポリペプチド(WGQGTTLTVSS)(配列番号26)を含む重鎖可変領域ドメインである。
本発明のモノクローナル抗体の1つの態様である2E12の軽鎖可変領域ドメインのアミノ酸配列を図9に示す。2E12の軽鎖可変領域ドメインは、配列番号2で表されるアミノ酸配列における1番〜23番のアミノ酸からなる軽鎖可変領域フレームワーク1のポリペプチド(DIVMSQSPSSLAVSVGEKVTMAC)(配列番号27)、24番〜40番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域1のポリペプチド(KSSQSLLYSSNQKNYLA)(配列番号28)、41番〜55番のアミノ酸からなる軽鎖可変領域フレームワーク2のポリペプチド(WYQQKPGQSPKLLIY)(配列番号29)、56番〜62番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域2のポリペプチド(WASTRES)(配列番号30)、63番〜94番のアミノ酸からなる軽鎖可変領域フレームワーク3のポリペプチド(GVPDRFTGSGSGTDFTLTISSVKAEDLAVYYC)(配列番号31)、95番〜102番のアミノ酸からなる軽鎖相補性決定領域3のポリペプチド(QQYYTYPW)(配列番号32)、及び103番〜116番のアミノ酸からなる軽鎖可変領域フレームワーク4のポリペプチド(TFGGGTKLEIKRAD)(配列番号33)を含む軽鎖可変領域ドメインである。
本発明のモノクローナル抗体において、重鎖可変領域ドメイン及び軽鎖可変領域ドメインは、モノクローナル抗体の構造を維持できる限りにおいて、それぞれの可変領域ドメインのN末及び/又はC末のアミノ酸を欠失してもよい。欠失してもよいアミノ酸の個数は、限定されるものではないが、例えば10個以内であり、好ましくは8個以内であり、より好ましくは6個以内であり、更に好ましくは4個以内である。
(2E12の変異体)
本発明のモノクローナル抗体の好ましい実施態様は、モノクローナル抗体2E12の変異体である。2E12変異体としては、配列番号1で表される2E12の重鎖可変領域ドメインの(図8)アミノ酸配列における81番のアミノ酸が、メチオニンからロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、又はフェニルアラニンに置換された重鎖可変領域ドメインを含むモノクローナル抗体を挙げることができる。また、配列番号2で表される2E12の軽鎖可変領域ドメイン(図9)のアミノ酸配列における21番のアミノ酸が、メチオニンからロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、又はフェニルアラニンに置換された軽鎖可変領域ドメインを含むモノクローナル抗体を挙げることができる。本発明のモノクローナル抗体においては、重鎖可変領域ドメインの81番のアミノ酸の変異のみを有しているものでもよく、軽鎖可変領域ドメインの21番目のアミノ酸の変異のみを有しているものでもよく、2つの変異を有しているものでもよい。
本発明のモノクローナル抗体は、前記重鎖可変領域ドメインの81番のアミノ酸の変異、及び/又は軽鎖可変領域ドメインの21番目のアミノ酸の変異を有することにより、細胞内の還元状態において、更に安定な構造を維持することができる。すなわち、重鎖可変領域ドメインの81番のアミノ酸の変異、及び軽鎖可変領域ドメインの21番目のアミノ酸の変異は、本発明のモノクローナル抗体の優れた効果を得るための積極的な置換である。
また、前記ロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、又はフェニルアラニンは、メチオニンよりも疎水性のアミノ酸であり、メチオニンからロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、又はフェニルアラニンに置換することにより、本発明のモノクローナル抗体の細胞内における構造を安定させることができると考えられる。
(保存的置換)
本発明のモノクローナル抗体は、前記モノクローナル抗体2E12又はモノクローナル抗体2E12の変異体のアミノ酸配列において、1個または複数個のアミノ酸が挿入、置換、又は欠失、若しくはその一方または両末端への付加されたアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメイン、及び配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1個または複数個のアミノ酸が挿入、置換、又は欠失、若しくはその一方または両末端への付加されたアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメインを含むモノクローナル抗体でもよい。
本明細書において、「アミノ酸配列において、1若しくは複数のアミノ酸が挿入、置換、又は欠失、若しくはその一方または両末端への付加されたアミノ酸」とは、アミノ酸の置換等により改変がなされたことを意味するが、これらの改変は本発明のモノクローナル抗体の優れた効果を維持した挿入、置換、欠失、又は付加(以下、保存的置換と称することがある)である。アミノ酸の改変の個数は、好ましくは1〜30個、より好ましくは1〜10個、更に好ましくは1〜5個、最も好ましくは1〜2個である。本発明に用いることのできる変異ペプチドの改変アミノ酸配列の例は、好ましくは、そのアミノ酸が、1又は数個(好ましくは、1、2、3又は4個)の保存的置換を有するアミノ酸配列であることができる。
本明細書において「保存的置換」とは、本発明のモノクローナル抗体の優れた効果が失われない置換を意味する。すなわち、前記挿入、置換、又は欠失、若しくは付加された場合であっても、細胞内の還元状態においてヒストンH3の27番目のトリメチル化リシンに結合できることを意味する。
「保存的置換」の具体的な態様としては、限定されるものではないが、1若しくは数個のアミノ酸残基を、別の化学的に類似したアミノ酸残基で置き換えることを挙げることができる。例えば、ある疎水性残基を別の疎水性残基によって置換する場合、ある極性残基を同じ電荷を有する別の極性残基によって置換する場合などが挙げられる。このような置換を行うことでできる機能的に類似のアミノ酸は、アミノ酸毎に当該技術分野において公知である。非極性(疎水性)アミノ酸としては、例えば、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニンなどが挙げられる。極性(中性)アミノ酸としては、例えば、グリシン、セリン、トレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、システインなどが挙げられる。正電荷をもつ(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、ヒスチジン、リジンなどが挙げられる。また、負電荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などが挙げられる。
具体的には、実施例5において、変異体M86Lにおいて、38番目のチロシンをシステインに置換した変異体M86L/Y38C、及び105番目のチロシンからアスパラギンに置換した変異体M86L/Y105Nを得たが、これらの変異体は、変異体M86Lと同じように細胞内でH3K27me3に結合することが可能であった。すなわち、Y38C及びY105Nの置換は、本発明のモノクローナル抗体の機能を阻害しない保存的置換である。
保存的置換を有する本発明のモノクローナル抗体は、ヒストンH3の27番目のトリメチル化リシンに、細胞内(例えば、マウスMC12細胞)で結合できるモノクローナル抗体である。細胞内は還元条件下であるが、本発明のモノクローナル抗体は、還元条件下において安定な構造を維持することができ、従って、細胞内でH3K27me3に結合することができる。
(抗原結合性断片)
本発明の抗原結合性断片は、前記ヒストンH3トリメチル化リシン特異的モノクローナル抗体のFab、Fab’、F(ab’)、及びFv断片、又は単一鎖抗体分子(scFv)を挙げることができる。更に、抗原結合性断片として、ディアボディー、又は前記抗体断片から形成されたマルチ特異性抗体を用いることもできる。これらの抗原結合性断片は、例えば、抗体を常法によりタンパク質分解酵素(例えば、ペプシン又はパパイン等)によって消化し、続いて、常法のタンパク質の分離精製の方法により精製することにより、得ることができるか、又は遺伝子組換えにより調製することができる。
(scFv)
本発明の抗原結合性断片の1つの態様であるscFv(single-chain variable fragment)は、重鎖可変領域ドメイン(VH)と軽鎖可変領域ドメイン(VL)とをリンカーで連結することにより得られる単鎖ポリペプチド抗体である。VHとVLとを連結する順序は、特に限定されておらず、任意の順序で配置することができる。すなわち、[VH]リンカー[VL]の順序で配置されてもよく、又は[VH]リンカー[VL]の順序で配置されてもよい。
リンカーは、二つの可変領域ドメインが実質的な干渉なしに架橋されるような長さのものであれば限定されない。例えば、約3〜25残基(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18残基)を含む任意のいかなる単鎖ペプチドも、リンカーとして使用することができるが、グリシンとセリンを含むリンカーが好ましい。具体的なペプチドリンカーとしては、Ser; Gly Ser; Gly Gly Ser; Ser Gly Gly; Gly Gly Gly Ser (配列番号10); Ser Gly Gly Gly (配列番号11); Gly Gly Gly Gly Ser (配列番号12); Ser Gly Gly Gly Gly (配列番号13); Gly Gly Gly Gly Gly Ser (配列番号14); Ser Gly Gly Gly Gly Gly (配列番号15); Gly Gly Gly Gly Gly Gly Ser (配列番号16); Ser Gly Gly Gly Gly Gly Gly (配列番号17); (Gly Gly Gly Gly Ser (配列番号18)n[配列中、nは、1または複数の整数である];および(Ser Gly Gly Gly Gly(配列番号19)[配列中、nは、1または複数の整数である]を挙げることができる。また、リンカーは、溶解性を高めるためにいくつかのGluまたはLys残基を含んでもよい。
本発明の抗原結合性断片は、前記scFvを2つ組み合わせたsc(Fv)2を含む。sc(Fv)2とは、2つのVHと2つのVLとをリンカーにより連結して、単鎖を形成する抗原結合性断片である。具体的には2つのscFvをリンカーにより、結合させることにより、得ることができる。リンカーとしては、VH及びVLを結合させるリンカーを用いることができる。
本発明のモノクローナル抗体又は抗原結合性断片は、タンパク質が結合(融合)したものでもよい。結合させるタンパク質としては、抗体の活性に著しい影響を与えるものでないかぎりにおいて、特に限定されるものではないが、蛍光タンパク質、発光タンパク質、又はタグペプチドを挙げることができる。前記タンパク質が結合していることにより、モノクローナル抗体が結合する抗原の検出を容易にすることができる。また、モノクローナル抗体の精製を容易にすることができる。
蛍光タンパク質、及び発光タンパク質としては、限定されるものではないが、Sirius、EBFP、SBP2、EBP2、Azurite、mKalama1、TagBFP、mBlueberry、mTurquoise、ECFP、Cerulean、mCerulean、TagCFP、AmCyan、mTP1、MiCy(Midoriishi Cyan)、TurboGFP、CFP、AcGFP、TagGFP、AG(Azami−Green)、mAG1、ZsGreen、EmGFP(Emerald)、EGFP、sfGFP、GP2、T−Sapphire、HyPer、TagYFP、mAmetrine、EYFP、YFP、Venus、Citrine、PhiYFP、PhiYFP−m、turboYFP、ZsYellow、mBanana、mKO1、KO(Kusabira Orange)、mOrange、mOrange2、mKO2、Keima570、TurboRFP、DsRed−Express、DsRed、DsRed2、TagRFP、TagRFP−T、DsRed−Monomer、mApple、AsRed2、mStrawberry、TurboFP602、mRP1、JRed、KillerRed、mCherry、KeimaRed、HcRed、mRasberry、mKate2、TagFP635、mPlum、egFP650、Neptune、mNeptune、iRFP、egFP670及びルシフェラーゼを挙げることができる。
タグペプチドとしては、FLAGタグペプチド、HAタグペプチド、MYCタグペプチド、GFPタグペプチド、MBPタグペプチド、GSTタグペプチド、HISタグ(His6タグ)、HaloTagタグ、SNAPタグ、ACPタグ、CLIPタグ、TAPタグ、β-Galタグ又はV5タグを挙げることができる。
《ハイブリドーマ》
本発明のハイブリドーマは、前記配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメイン、及び配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメイン、を含むモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマである。
(親和定数)
本発明のモノクローナル抗体の親和定数は、特に限定されるものではないが、少なくとも10〜10−1の親和定数を有するものが好ましく、最も好ましくは10以上の親和定数を有するものである。結合親和性は、例えばMunson et al., Anal. Biochem. 107: 220(1980)のスキャッチャード(Scatchard)アッセイにより測定することができる。
[2]ポリヌクレオチド、ベクター、及び宿主細胞
《ポリヌクレオチド》
本発明のポリヌクレオチドは、本発明のモノクローナル抗体又は抗原結合性断片、若しくはそれらと前記タンパク質の結合した融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドである限り、特に限定されるものではない。なお、前記ポリヌクレオチドは、ゲノムDNA全長であっても、翻訳領域のみからなるポリヌクレオチド、例えば、mRNAやcDNAであってもよい。
《ベクター》
本発明のベクターは、本発明のポリヌクレオチドを含む限り、特に限定されるものではなく、真核生物又は原核生物の宿主細胞を形質転換できる適当なベクターに当該ポリヌクレオチドを組み込むことにより調製することができる。前記ベクターは、当該ポリヌクレオチドの発現に必要な配列、例えば、プロモーター、エンハンサーを含むことができ、更に、宿主への導入確認に必要な配列、例えば、薬剤耐性遺伝子を含むことができる。
前記ベクターとしては、宿主細胞において複製可能である限り、プラスミド、ファージ、ウイルス等のいかなるベクターも用いることができる。例えば、pBR322、pBR325、pUC118、pUC119、pKC30、pCFM536等の大腸菌プラスミド、pUB110等の枯草菌プラスミド、pG−1、YEp13、YCp50等の酵母プラスミド、λgt110、λZAPII等のファージのDNA等が挙げられ、哺乳類細胞用のベクターとしては、バキュロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス等のウイルスDNA、SV40とその誘導体等が挙げられる。ベクターは、複製開始点、選択マーカー、プロモーターを含み、必要に応じてエンハンサー、転写終結配列(ターミネーター)、リボソーム結合部位、ポリアデニル化シグナル等を含んでいてもよい。
例えば、前記scFvを発現させるベクターとしては、pEGFP、又はpCDNA3.1を挙げることができる。
《宿主細胞》
本明細書において「宿主」とは、前記ベクターが組込まれ、モノクローナル抗体又は抗原結合性断片、若しくはそれらと前記タンパク質の結合した融合タンパク質を発現できる限りにおいて、限定されるものでなく、ファージ、細菌、酵母、昆虫細胞、又は動物細胞を挙げることができる。例えば、ファージベクターの宿主としては、M13ファージ、fdファージ、又はT7ファージを挙げることができる。
また、細菌のベクターの宿主としては、大腸菌、ストレプトミセス、又は枯草菌を挙げることができる。更に、酵母ベクターの宿主としては、パン酵母、又はメタノール資化性酵母を挙げることができる。昆虫細胞ベクターの宿主としては、ドロソフィラS2、スポドプテラSf9を挙げることができる。更に、動物細胞ベクターの宿主としては、CHO、COS、BHK、3T3、C127、A6、Hela、MC12、又はマウス胚性幹細胞を挙げることができる。
[3]ヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の分析方法
本発明のヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の分析方法は、H3K27me3を特異的に分析する方法であるが、特には細胞内などの還元条件下でH3K27me3を分析できる方法である。本明細書において、「分析」とは、存在の有無を判定する「検出」、及び量を判定する「定量(測定)」の両方を意味する。
本発明のヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の分析方法は、前記モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を、ヒストンH3と接触させる工程、及びヒストンH3に結合したモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を検出する工程を含む。本発明の分析方法に用いるモノクローナル抗体は、前記「[1]モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片」に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片である。
具体的な分析方法としては、限定されるものではないが、酵素免疫測定法、免疫組織染色法、表面プラズモン共鳴法、ラテックス凝集免疫測定法、化学発光免疫測定法、蛍光抗体法、蛍光局在法、放射免疫測定法、免疫沈降法、クロマチン免疫沈降法、ウエスタンブロット法、イムノクロマトグラフ法、磁気ビーズ凝集法、又は磁気ビーズ酵素免疫法を挙げることができる。本発明の分析方法においては、前記モノクローナル抗体を用いることを除いては、通常の酵素免疫測定法、免疫組織染色法、表面プラズモン共鳴法、ラテックス凝集免疫測定法、化学発光免疫測定法、蛍光抗体法、蛍光局在法、放射免疫測定法、免疫沈降法、クロマチン免疫沈降法、ウエスタンブロット法、イムノクロマトグラフ法、磁気ビーズ凝集法、又は磁気ビーズ酵素免疫法等に従って、分析することができる。
《接触工程(1)》
本発明の分析方法における接触工程(1)は、前記モノクローナル抗体と、ヒストンH3とを接触させる工程である。例えば、化学発光免疫測定法、蛍光抗体法、蛍光局在法、放射免疫測定法、免疫沈降法、クロマチン免疫沈降法、酵素免疫測定法、又は免疫組織染色法などでは、生細胞内でモノクローナル抗体とヒストンH3とを接触させて、H3K27me3及びモノクローナル抗体の複合体を形成させることもできる。また、生細胞内でモノクローナル抗体とヒストンH3とを接触させる場合、細胞にモノクローナル抗体又は抗原結合性断片(例えば、scFv)を導入し、細胞内でそれらを発現させることにより、モノクローナル抗体等とH3K27me3との複合体を形成させることもできる。
また、酵素免疫測定法、表面プラズモン共鳴法、ラテックス凝集免疫測定法、化学発光免疫測定法、磁気ビーズ凝集法、又は磁気ビーズ酵素免疫法などにおいては、担体にモノクローナル抗体を結合させて、そのモノクローナル抗体にヒストンH3を接触させ、モノクローナル抗体等とH3K27me3との複合体を形成させることもできる。担体としては、酵素免疫測定法又は磁気ビーズ凝集法などでは、マイクロプレート又はビーズなどを用いることができる。表面プラズモン共鳴法では、金属を担体として、モノクローナル抗体を吸着させることができる。
《検出工程(2)》
本発明の分析方法における検出工程(2)は、ヒストンH3に結合したモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を検出する工程である。例えば、モノクローナル抗体等を直接、蛍光タンパク質又は発光タンパク質等で標識したり、又は前記のようにモノクローナル抗体等を蛍光タンパク質又は発光タンパク質との融合タンパク質として発現させた場合は、蛍光タンパク質又は発光タンパク質を検出することにより、ヒストンH3に結合したモノクローナル抗体等を検出することができる。また、モノクローナル抗体等を酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ等)などで標識又は融合した場合は、適当な基質を用いてモノクローナル抗体等を検出することができる。
また、モノクローナル抗体等に前記タグペプチドを融合させた場合は、蛍光タンパク質、発光タンパク質、酵素などで標識された、タグペプチドに対する抗体などを用いることによって、H3K27me3に結合したモノクローナル抗体を検出することができる。例えば、免疫沈降法においては、H3K27me3に結合したモノクローナル抗体をタグペプチドに対する抗体で免疫沈降することによって、H3K27me3とモノクローナル抗体との複合体を検出することができる。
また、蛍光タンパク質、発光タンパク質、酵素などで標識された、本発明のモノクローナル抗体に対しる抗体を用いることによっても、H3K27me3に結合したモノクローナル抗体を検出することができる。
検出されるH3K27me3の量は、蛍光タンパク質の蛍光量、発光タンパク質の発光量、酵素の基質の発色量などを測定し、基準量と比較することによって、定量することが可能である
[4]ヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の分析キット
本発明のヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の検出キットは、前記ヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の測定方法に用いることのできるキットである。
本発明のヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の免疫学的分析用キットは、本発明のモノクローナル抗体又はその又はその抗原結合性断片を含む。
本発明のヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の免疫学的分析用キットは、更に、本発明のモノクローナル抗体又はその又はその抗原結合性断片に結合する抗体等を含んでもよい。また、本発明のヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の免疫学的分析用キットは、更に、ヒストンH3と反応する第2の抗体又はその抗原結合性断片を含んでもよい。
本実施形態のヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の分析キットは、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体の抗原結合性断片を含む、ヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の分析方法の免疫学的分析用キットである。すなわち、本発明のキットは、本発明のヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の分析方法の免疫学的分析方法に用いることができる。従って、本発明のヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の免疫学的分析用キットは、酵素免疫測定法、免疫組織染色法、表面プラズモン共鳴法(SPR法:Biacore法)、ラテックス凝集免疫測定法、化学発光免疫測定法、蛍光抗体法、蛍光局在法、放射免疫測定法、免疫沈降法、クロマチン免疫沈降法、ウエスタンブロット法、イムノクロマトグラフ法、磁気ビーズ凝集法、又は磁気ビーズ酵素免疫法等に用いるキットを含む。
また、前記分析方法が、標識化抗体を用いる免疫学的手法(例えば、酵素免疫測定法、化学発光免疫測定法、蛍光抗体法、又は放射免疫測定法など)の場合には、抗体は、標識物質で標識した標識化抗体又は標識化抗体断片の形態で含むことができる。標識物質の具体例としては、酵素としてペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、又はグルコースオキシダーゼ等を、蛍光物質としてフルオレセインイソチアネート又は希土類金属キレート等を、放射性同位体としてH、14C、又は125I等を、その他、ビオチン、アビジン、又は化学発光物質等を挙げることができる。酵素又は化学発光物質等の場合には、それ自体単独では測定可能なシグナルをもたらすことはできないため、それぞれ対応する適当な基質等を選択して含むことが好ましい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1:ヒストンH3トリメチル化リシン特異的モノクローナル抗体の取得》
ヒストンH3K27トリメチル化リシンを含む20merのペプチド(KQLATKAAR(トリメチルK)SAPATGGVKC)を、常法に従って、KLHとコンジュゲートさせた。0.2mg/mLのペプチド溶液を、等量のフロイントアジュバントと混和し、4〜6週令のBALB/cマウスに200μg皮下投与した。2週間後に200μgの追加免疫を行い、更に200μgを最終免疫として尾静脈内に投与した。
最終免疫後3日目に、このマウスより脾臓を無菌的に摘出し、ハサミ及びピンセットを用いて脾臓を個々の細胞にほぐし、GIT培地で3回洗浄した。対数増殖期のマウス骨髄腫細胞株P3X63Ag8.653をGIT培地で3回洗浄後、該細胞と脾臓細胞を1:10の細胞数比で混合した。200×g、5分間遠心分離後、上清を除去し、細胞隗を緩やかに混合しながら50%ポリエチレングリコール(PEG)1500(ロッシュ社)1mLをゆっくりと加え、更にGIT培地9mLを加えて細胞融合させた。
融合細胞は、遠心分離(200×g、5分間)によってPEGを除いた後、10%ウシ胎児血清及びヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジン(HAT)を含むGIT培地に懸濁し、96ウェル細胞培養プレートに播種した。7日間培養してハイブリドーマのみを増殖させた後、抗体を産生するクローンをELISA法により検索し、目的の反応特異性を有するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを得た。
スクリーニングのELISAは、以下のように行った。
96穴ELISA用プレート(Costar社)に、免疫に用いたペプチドとコンジュゲートしたBSA(0.5μg/mL)を各々50μLずつ分注し、4℃で一夜放置した。コントロールとして、ヒストンH3K27トリメチル化リシンを含まない20merのペプチド(KQLATKAARKSAPATGGVKC)(配列番号4)をコンジュゲートしたBSAを同様に分注した。次に、これらのプレートの各ウェルを1.6%ブロックエースを含むリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で30分ブロッキングした。このブロッキング液を除去した後、ハイブリドーマの培養上清50μLをウェルに添加した。室温で60分放置した後、0.05%Tween20/PBS(以下、PBSTと称する)で3回洗浄した。続いて、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)標識抗マウスIgG抗体(ヒツジ;ジャクソン社)100μLを加え、室温で1時間放置した後、再び、PBSTで4回洗浄した。TMB基質溶液50μLを各ウェルに加え、25℃で30分間反応させ、反応停止液50μLを各ウェルに加え、各ウェルの405nmにおける吸光度を測定した。
得られたハイブリドーマについて、限界希釈法により単一クローンとし、抗体産生ハイブリドーマを樹立した。ヒストンH3K27トリメチル化リシンを含むペプチドに反応し、ヒストンH3K27トリメチル化リシンを含まないペプチドに反応しない抗体を産生するハイブリドーマを数十個得た。そのなかで、最もヒストンH3K27トリメチル化リシンを含むペプチドに特異的に反応するハイブリドーマを5個得た。
得られたハイブリドーマを、無血清培地(Serum−Free Medium;Thermo Fisher Scientific社)で培養し、培地中にモノクローナル抗体を取得した。前記モノクローナル抗体は、プロテインAセファロースカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより分離精製した。
《実施例2》
本実施例では、得られた5個のハイブリドーマからRNAを調製し、DNAを作製した後に、抗体の重鎖と軽鎖をコードするcDNAの塩基配列を決定した。その配列を元にプライマーを設計し、PCRにより、重鎖と軽鎖の可変領域をクローニングした。それらをリンカー配列で連結することでscFvを作製した。scFvとsfGFPを図2に示すように連結して、pscFv−EGFPベクターを取得し、動物細胞に発現させた。
作製したscFvのうち、2E12由来のscFv(配列番号5)は生きた細胞内において、カエルA3細胞及びマウスMC12細胞中において、30℃以下でH3K27me3に結合することを確認した(図3)。
《実施例3》
本実施例では、2E12抗体のscFvにランダムミューテーションを導入し、細胞内で機能する変異体の取得を試みた。ランダムミューテーションは、マンガンイオン存在下でのPCRにより導入し、48個の変異体を得た。それらの変異体をMC12細胞で発現させ、37℃で不活性X染色体へ局在を検討した。
48個の変異体のうち、86番目のメチオニン(M)がロイシン(L)に置換された変異体M86L(配列番号6)が、マウスMC12細胞内で37℃においても機能し、H3K27me3に結合した(図5A)。なお、前記86番目のメチオニン(M)は、配列番号5に記載の2E12のscFvのアミノ酸配列におけるアミノ酸番号である。従って、86番目のメチオニンは、配列番号1(図8)に記載の重鎖可変領域ドメインの81番目のメチオニンに相当する。
《実施例4》
本実施例では、更に86番目のメチオニン立体的に近い位置にある158番目のメチオニンをイソロイシンに置換する変異体M86L/M158I(配列番号7)を取得した。この変異は、相補的プライマーを用いたPCRによる部位特異的変異の導入により行った。変異体M86L/M158Iは、細胞質での凝集が見られず、更に安定に発現した(図5B)。なお、前記158番目のメチオニン(M)も、配列番号5に記載の2E12のscFvのアミノ酸配列におけるアミノ酸番号である。従って、158番目のメチオニンは、配列番号2(図9)に記載の軽鎖可変領域ドメインの21番目のメチオニンに相当する。
また、158番目のメチオニンを、それぞれロイシン及びバリンに置換した変異体M86L/M158L、及び変異体M86L/M158Vを作製したところ、変異体M86L/M158Iと同じように、細胞内で機能した。
《実施例5》
本実施例では、PCRによるランダム変異法を用いて、変異体M86Lに任意の置換を導入し、変異体M86Lの機能が低下しないことを確認した。
図7に示すように、変異体M86L/Y38C(配列番号8)及び変異体M86L/Y105N(配列番号9)は、変異体M86Lと比較して、細胞内での機能が低下せず、変異体M86Lと同様にH3K27me3に結合することができた。すなわち、38番目のチロシンからシステインへの置換、及び105番目のチロシンからアスパラギンへの置換は、変異体M86Lの機能に影響を与えなかった。換言すると、38番目のチロシンからシステインへの置換、及び105番目のチロシンからアスパラギンへの置換は、本発明のモノクローナル抗体の機能に影響を与えない保存的置換であると考えられる。
本発明のモノクローナル抗体等及びH3K27me3の解析方法は、オスとメスの鑑別に用いることができる。また、H3K27me3の量の増減を解析できることから、医薬の薬効評価、病態の解析に用いることができる。

Claims (10)

  1. (1)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメイン、及び配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメイン、を含むモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片、
    (2)配列番号1で表されるアミノ酸配列における81番のアミノ酸がメチオニンからロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、又はフェニルアラニンに置換された重鎖可変領域ドメイン、及び/又は配列番号2で表されるアミノ酸配列における21番のアミノ酸がメチオニンからロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、又はフェニルアラニンに置換された軽鎖可変領域ドメイン、を含むモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片、
    (3)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1個または複数個のアミノ酸が挿入、置換、又は欠失、若しくはその一方または両末端への付加されたアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメイン、及び配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1個または複数個のアミノ酸が挿入、置換、又は欠失、若しくはその一方または両末端への付加されたアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメインを含み、且つヒストンH3の27番目のトリメチル化リシンに、細胞内で結合できるモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片、又は
    (4)配列番号1で表されるアミノ酸配列における81番のアミノ酸がメチオニンからロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、又はフェニルアラニンに置換されたアミノ酸配列において、1個または複数個のアミノ酸が挿入、置換、又は欠失、若しくはその一方または両末端への付加されたアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメイン、及び配列番号2で表されるアミノ酸配列における21番のアミノ酸がメチオニンからロイシン、イソロイシン、バリン、システイン、又はフェニルアラニンに置換されたアミノ酸配列において、1個または複数個のアミノ酸が挿入、置換、又は欠失、若しくはその一方または両末端への付加されたアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメインを含み、且つヒストンH3の27番目のトリメチル化リシンに、細胞内で結合できるモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片。
  2. 前記抗原結合性断片がscFvである、請求項1に記載の抗原結合性断片。
  3. タンパク質が結合した請求項1又は2に記載のモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片。
  4. 前記タンパク質が、蛍光タンパク質、発光タンパク質、又はタグペプチドである請求項1〜3のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片をコードするポリヌクレオチド。
  6. 請求項5に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  7. 請求項6に記載のベクターで形質転換された宿主細胞。
  8. 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域ドメイン、及び配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域ドメイン、を含むモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を、ヒストンH3と接触させる工程、及びヒストンH3に結合したモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を検出する工程、を含むヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の分析方法。
  10. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合性断片を含む、ヒストンH3の第27番目リシンのトリメチル化の分析キット。
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