JP2020126906A - プリント配線基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】伸縮領域の、非伸縮領域と接続される境界の領域において、反復的な伸縮動作によっても悪影響を受けない新規な構造を有するプリント配線基板を提供する。【解決手段】導電パターンが配置された伸縮領域STRを備え、伸縮領域STRの一方向の伸張動作に伴って伸張方向(第1方向)と垂直の方向(第2方向)に縮み(または伸び)が発生する伸縮可能なプリント配線基板であって、伸縮領域STRの第1方向の両端部に設けられた非伸縮領域nSTRに対する接続箇所が、第2方向に沿った伸縮領域STRの幅のほぼ中央の1カ所(連結部19)に制限されている。【選択図】図4
Description
本発明は、導電パターンが配置された伸縮領域を備え、伸縮領域の一方向の伸張動作に伴って伸張方向(第1方向)と垂直の方向(第2方向)に縮み(または伸び)が発生する伸縮可能なプリント配線基板に関する。
現在、電子機器はウエアラブル対応などの多用途化に応じて、使用されるプリント配線基板としては、フレキシブルであるのみならず、伸縮性を有するものも要求されてきている。
通常、基板などの材料特性はその分子構造などによって決定される固有の値を有し、基本的に材料単体としては、その特性によって伸縮性を示すかどうかが決まる。しかし、分子構造より大きな構造で単一材料を加工することにより、任意の材料特性を持った人工材料を作成することが可能である。このような人工材料は一般的にメカニカル・メタマテリアルと呼ばれている。メカニカル・メタマテリアルの1つに、シートに多数の平行で規則的なスリットを入れることにより作成される構造がある。このようなシート構造は、複数のスリットにより形成される局所梁のねじり変形や座屈を利用することで本来シートが有していたヤング率よりも低い弾性率を実現することが可能である。
特許文献1には、一方向に伸縮可能なプリント配線基板として、例えばフレキシブルな絶縁フィルムに導電パターンを支持させてなるフレキシブルプリント配線基板において、導電パターンの少なくともいずれか一方の側端縁が蛇行することにより、この導電パターンにその進行方向に沿って交互に表れる幅広部と幅狭部が形成されており、導電パターンの形成部であって且つこの導電パターンにおける幅狭部の最小幅部を除く部位上に、導電パターンの進行方向と交差し且つ導電パターンを分断しないスリットが形成されたものが提案されている。
特許文献2には、複数の開口部を備えた絶縁性フィルム基材であって、配線を備え、絶縁性部材は開口部内を含む絶縁性フィルム基材全体を覆うことで、開口部の開口状態が保持されており、絶縁性部材は絶縁性および伸縮性を有しており、これにより、絶縁性部材において、絶縁性フィルム基材の開口部の開口状態を変化させることより伸縮が可能となる伸縮性フレキシブル基板が開示されている。
特許文献3には、配線を備えた絶縁性フィルム基材を有して成る伸縮性フレキシブル基板であって、絶縁性フィルム基材には複数のスリットが所定間隔をあけて設けられ、絶縁性フィルム基材がスリットを基点に折れ曲がった又は湾曲した蛇腹形状を有しており、また、絶縁性フィルム基材の引伸ばしに際してはスリットが変形することにより、可撓性に加えて伸縮性も呈する伸縮性フレキシブル基板が開示されている。
Bryce P. DeFigueiredo, Trent K. Zimmerman, Brian D. Russell and Larry L. Howell, "Regional Stiffness Reduction Using Lamina Emergent Torsional Joints for Flexible Printed Circuit Board Design", J. Electron. Package 140(4), 041001 (Jul 03, 2018 (9 pages) Paper No: EP-1120; doi: 10.1115/1.4040552
上述したような伸縮可能なプリント配線基板として、本発明者等は、伸縮方向と垂直の方向にも広がりをもった、より広範囲の伸縮領域を有するものの必要性を認識している。
このような広範囲の伸縮領域を有するプリント配線基板において本発明者等は次のような問題に遭遇した。以下、図1によりこの問題の概略を説明する。
図1(a)に示すように、一般に、伸縮可能な物体Oに対して、矢印に沿った1方向(x方向とする)の引っ張り力が掛かったとき、その方向と垂直の方向(y方向とする)に物体Oが縮む(または伸びる)場合がある。例えば、x方向のΔXの伸びに対してy方向にΔYだけ縮んだとき、ポアソン比ν=ΔY/ΔX は正の値となる。逆に、x方向のΔXの伸びに対してy方向にΔYだけ伸びたとき、ポアソン比ν=ΔY/ΔX は負の値となる。
図1(b)に、プリント配線基板における、伸縮可能な物体Oに対応する要素としての伸縮領域STRを示す。伸縮領域STRはその伸縮方向の両側に、伸縮しない非伸縮領域nSTRが接続されることが多い。図1(b)の左側の図は伸縮領域STRの非伸長状態を示し、右側の図は伸縮領域STRが伸長した状態を示している。伸縮領域STRと非伸縮領域nSTRの間には複数の連結部C1,C2,C3が存在しうる(連結部はこの例では3本の場合を示すが、3本とは限らない)。これらの連結部には伸縮領域STRが伸びたとき、特に、外側の連結部(この例ではC1,C3)に大きな負荷が掛かり、歪みが生じる。
また、連結部に配線が含まれている場合、基板が伸縮動作を繰り返すと、基材の塑性変形や破断が発生するのみならず、配線の導体部分が破断するおそれがある。
本発明は、このような背景においてなされたものであり、その目的は、伸縮領域の、非伸縮領域と接続される境界の領域において、反復的な伸縮動作によっても悪影響を受けない新規な構造を有するプリント配線基板を提供することにある。
本発明によるプリント配線基板は、導電パターンが配置された伸縮領域を備え、前記伸縮領域の一方向の伸張動作に伴って伸張方向(第1方向)と垂直の方向(第2方向)に縮み(または伸び)が発生する伸縮可能なプリント配線基板であって、前記伸縮領域の第1方向の両端部に設けられた非伸縮領域に対する接続箇所が、第2方向に沿った前記伸縮領域の幅のほぼ中央の1カ所に制限されたことを特徴とする。
伸縮領域の非伸縮領域に対する接続箇所が、「第2方向に沿った前記伸縮領域の幅のほぼ中央の1カ所に制限される」とは、原則的に、当該1カ所以外で伸縮領域と非伸縮領域の接続がなされないことを意味する。これにより、伸縮領域の伸縮動作に伴って発生する歪みが解消または軽減される。
前記伸縮領域は、その一態様として、主要領域とこの主要領域の第1方向両端に配置された過渡領域とを有し、前記主要領域は、開口の周囲に環状の領域を有する複数の基本構成要素が行列状に配置され、第1方向に隣接する基本構成要素は互いにその第1方向端部のほぼ中央部で連結されるとともに、第2方向に隣接する基本構成要素は互いにその第2方向端部で連結された構造を有し、前記過渡領域は前記主要領域から前記1カ所へ向けて収束する構造を有する。
第2方向に並ぶ基本構成要素の列の数が奇数の場合、前記伸縮領域の両端部の各々の1カ所において、前記伸縮領域の最も外側の行のほぼ中央に位置する基本構成要素の第1方向端部の連結部が前記非伸縮領域と連結されうる。
第2方向に並ぶ基本構成要素の列の数が偶数の場合、前記伸縮領域の両端部の各々の1カ所において、前記伸縮領域の最も外側の行のほぼ中央に位置する第2方向端部が前記非伸縮領域と連結されうる。
少なくとも前記伸縮領域の最も外側の行のほぼ中央に位置する基本構成要素の前記非伸縮領域との連結部の幅およびこの連結部につながる基本構成要素の経路幅は他の基本構成要素の幅より大きく設定されてもよい。
前記伸縮領域は、他の態様として、主要領域とこの主要領域の第1方向両端に配置された過渡領域とを有し、前記主要領域には第2方向に断続的に伸びる複数本のスリットが180°ずつ位相をずらして第1方向に反復配置され、前記過渡領域は前記主要領域から前記1カ所へ向けて収束する構造を有する。
前記伸縮領域の両端部の各々の1カ所に設けられた前記非伸縮領域との連結部は1本の連結片で構成されてもよい。あるいは、前記伸縮領域の両端部の各々の1カ所に設けられた前記非伸縮領域との連結部は、互いに隣接した複数本の連結片で構成されてもよい。
前記非伸縮領域は、前記連結部を介して前記伸縮領域と一体形成されてもよい。あるいは、前記連結部は、前記非伸縮領域と電気的および機械的に接続される接点またはコネクタを有してもよい。
前記伸縮領域は、前記ほぼ中央の1カ所の両側に、前記非伸縮領域と接続される前記伸縮領域の第2方向の縮み(または伸び)を吸収するために第2方向に伸縮する第1および第2の伸縮連結部をさらに備えてもよい。
本発明によれば、伸縮領域の、非伸縮領域と接続される境界の領域において、反復的な伸縮動作によっても悪影響を受けない新規な構造を有するプリント配線基板を提供することができる。プリント配線基板ひいては電子回路を伸縮させる用途において、実用上応用できる範囲が拡大する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本実施形態のプリント配線基板は、一般にいうフレキシブル基板に属するが、フレキシブル基板の基材に対して補強材として例えばPOMやガラスエポキシ樹脂などの比較的硬い材料を用いたフレキシブル基板にも本発明は適用可能である。POMとは、ポリアセタール(polyacetal)またはポリオキシメチレン(polyoxymethylene)ような樹脂である。本実施形態では、例えば厚さ125μm程度の薄いPETフィルムから数mm程度の厚いPOMまで幅広く適用可能である。
<伸縮領域の基本構成要素>
図2により、本実施形態におけるプリント配線基板に使用する伸縮領域STRを構成する基本構成要素について説明する。図2(a)は伸縮領域STRの典型的な構成要素としてLET(Lamina Emergent Torsional)ジョイントの構成例を示している。LETジョイントは非特許文献1に記載のように、剛性のプリント回路基板に柔軟性のある領域をもたらすことができる構造として知られている。
図2により、本実施形態におけるプリント配線基板に使用する伸縮領域STRを構成する基本構成要素について説明する。図2(a)は伸縮領域STRの典型的な構成要素としてLET(Lamina Emergent Torsional)ジョイントの構成例を示している。LETジョイントは非特許文献1に記載のように、剛性のプリント回路基板に柔軟性のある領域をもたらすことができる構造として知られている。
図2(a)に示すLETジョイント10aは、長方形の開口11の周囲に環状の領域である開口周縁部12と、その両長辺のほぼ中央で外方へ突出した連結部13とにより構成される。開口周縁部12の肩部(局所梁)15の幅X1は開口11aの幅X0と同じ場合を示しているが、必ずしも同じでなくてもよい。
図2(b)は、伸縮領域STRを構成する構造として、図2(a)に示した基本構成要素としてのLETジョイント10aをセルとして、これらのLETジョイント10aを行列状に(この例では5行3列)に連結して配置したLETジョイントアレイを表している。LETジョイントアレイは、その平面形状としてほぼ矩形の全体形状を有する。上下方向(図のx方向)に隣接する2つのLETジョイント10aは連結部13で互いに連結される。左右方向(図のy方向)に隣接する2つのLETジョイント10aは側端部(側端辺または第2方向端部)17で互いに連結される。この例では、それぞれの側端部17を両LETジョイント10aが共有する形で連結されている。
プリント配線基板に、図2(b)に示すような、複数のLETジョイント10aを行列状に配置したLETジョイントアレイを形成することにより、この領域は一方向(x方向)に伸縮可能な伸縮領域STRとなる。すなわち、基板がヤング率の高い基材を用いていても、そのヤング率を低下させることができる。
また、図において上下に隣接する2つのLETジョイント10aの間隔18aは開口11aと同じ幅となるように、すなわち、隣接する4つのLETジョイント10aに囲まれることにより形成された開口14aはほぼLETジョイント10aの内部の開口11aと同じ形状およびサイズとなるように、LETジョイント10aの行列は配置されている。これによって、LETジョイント10aの行列構造により構成される伸縮領域STRの全体に亘って均一なヤング率が得られる。
図2(c)は、図2(a)のLETジョイント10aの変形例としてのLETジョイント10bを示している。このLETジョイント10bはLETジョイント10aの開口11aに代えて(または開口の一種として)、スリット11bを有している。LETジョイント10aと同様の要素には同じ参照符号を付して、重複した説明は省略する。
図2(d)は、図2(c)のLETジョイント10bを行列状に(この例では5行3列)に連結して配置して構成した伸縮領域STRを表している。上下方向(図のx方向)に隣接する2つのLETジョイント10bは連結部13で互いに連結される。左右方向(図のy方向)に隣接する2つのLETジョイント10aは側端部17で互いに連結される。この例では、それぞれの側端部17を両LETジョイント10bが共有する形で連結されている。
プリント配線基板に、図2(d)に示すように、複数のLETジョイント10bを行列状に配置したLETジョイントアレイを形成することにより、この領域は一方向(x方向)に伸縮可能な伸縮領域STRとなる。すなわち、基板がヤング率の高い基材を用いていても、そのヤング率を低下させることができる。また、図において上下に隣接する2つのLETジョイント10bの間隔18bはスリット(開口)11bと同じ幅となるように、すなわち、隣接する4つのLETジョイント10bに囲まれることにより形成されたスリット(開口)14bはほぼLETジョイント10bの内部のスリット(開口)11bと同じ形状およびサイズとなるように、LETジョイント10bの行列は配置されている。これによって、LETジョイント10bの行列構造により構成される伸縮領域STRの全体に亘って均一なヤング率が得られる。
なお、図2(d)の構造は図2(c)のようなLETジョイント10bの行列状の配置とみるのではなく、単に基板領域内でy方向(第2方向)に断続的に伸びる多数の平行なスリットが規則的に(180°ずつ位相をずらして)x方向(第1方向)に反復配置されたものとみなすこともできる。
図2(b)(d)に示したような伸縮領域STRの基板構造は、プリント配線を形成した基板を、所定のパターンに従ってレーザーカッター等の切断手段によってカットし、開口やスリットを作成することにより実現することができる。
図2(a)(c)のいずれの構造においても、伸縮領域STRが伸張されたとき、LETジョイント10a,10bの肩部(局所梁)15がy軸周りに回転したりねじれたりしてx−y平面外すなわちz方向(x,y両方向に垂直の方向)に立ち上がる。その場合にも肩部15の幅(経路幅)が限定的であるために、その立ち上がり量はたかだかその経路幅である。ユーザの服や体に密着して使用されるような用途では、この立ち上がり量が小さければ小さいほど、引っかかったり邪魔になったりするなどの弊害が軽減される利点がある。
図3(a)(b)は、それぞれ、LETジョイント10aの開口11aおよびLETジョイント10bのスリット11bの種々の変形例を示している。LETジョイント10aの開口11aとしては、長方形11a1、角丸長方形11a2、長円形11a3、楕円形11a4、菱形11a5、角丸菱形11a6、角部小丸くりぬき菱形11a7、扁平六角形11a8、等が挙げられる。LETジョイント10bのスリット11bとしては、直線(線分)11b1、両端小丸くりぬき直線11b2、両端内向き矢印付き直線11b3、両端外向き矢印付き直線11b4、等が挙げられる。開口の角部を丸くしたり、スリットの端部に小丸くりぬきを設けたり、矢印形状などの補助カットを設けるのは、いずれもLETジョイントの伸張時に角部や端部が裂けたり破損したりする可能性を低減するための工夫である。本明細書および図面において示す開口やスリットについてはすべてこれらの変形を適用可能である。
<基本構成要素が3列の場合>
図4は、図2(b)に示したような伸縮領域STRを、非伸縮領域nSTRとともに用いるプリント配線基板の構成例を示している。この例では基本構成要素としてのLETジョイント10(10a,10bを総称)によるLETジョイントアレイの行列サイズを5行3列とした簡略化した例を示している。実際のプリント配線基板で用いるLETジョイント10の行数および列数は5行3列に限るものではない。
図4は、図2(b)に示したような伸縮領域STRを、非伸縮領域nSTRとともに用いるプリント配線基板の構成例を示している。この例では基本構成要素としてのLETジョイント10(10a,10bを総称)によるLETジョイントアレイの行列サイズを5行3列とした簡略化した例を示している。実際のプリント配線基板で用いるLETジョイント10の行数および列数は5行3列に限るものではない。
非伸縮領域nSTRは種々の電子部品やバッテリ等が搭載されたり、プリント配線基板の支持部に支持されたりするエリアであり、通常、伸縮領域STRと連結して用いられる。典型的には伸縮領域STRには導電パターンが配置されるが、伸縮領域STRにもLEDなどの電子部品が搭載されうる。図1で上述したように、非伸縮領域nSTRと接続される伸縮領域STRの複数の連結部13(図1では連結部C1〜C3)のうち、中央部から離れるほど、伸縮領域STRが伸張したとき、大きな歪みを受ける。
なお、非伸縮領域nSTRは伸縮領域STRと同じ基材で一体形成されてもよいし、伸縮領域STRと別体で用意されてもよい。別体で用意される場合には、両者の間は電気接点やコネクタ等で機械的および電気的に相互に接続される。
上記のような歪みを解消または軽減するために、本発明では、伸縮領域STRのx方向(第1方向)の両端部に設けられた、非伸縮領域nSTRに対する接続箇所が、y方向(第2方向)に沿った伸縮領域STRの幅方向(y方向)のほぼ中央の1カ所に制限されるものとする。
本実施形態では、図4(b)に示すように、伸縮領域STRは、主要領域Mとこの主要領域Mのx方向両端に配置された過渡領域TRとを有する。主要領域Mは、開口の周囲に環状の領域である開口周縁部を含む基本構成要素が複数行列状に配置され、x方向に隣接する基本構成要素は互いにそのx方向端部のy方向のほぼ中央で連結されるとともに、y方向に隣接する基本構成要素は互いにそのy方向端部で連結された構造を有する。過渡領域TRは主要領域Mから非伸縮領域nSTRの1カ所へ向けて収束する構造を有する。本明細書において「収束する」とは、過渡領域の第2方向の幅が非伸縮領域nSTRへ向かって段階的にまたは傾斜的に狭くなっていくことを意味する。このような伸縮領域STRの構造はハンモックに類似しているので、本発明者らはハンモック型構造と呼んでいる。本実施の形態におけるハンモック型の伸縮領域STRは典型的には左右対称および上下対称の構造を有する。
図4(b)から分かるように、y方向に並ぶ基本構成要素(LETジョイント)の列の数が奇数の場合、伸縮領域STRの両端部の各々の1カ所において、伸縮領域STRの最も外側の行のほぼ中央に位置する基本構成要素のx方向端部中央の連結部13が非伸縮領域nSTRと連結されることになる。
図4(c)は、図4(b)の構成において、非伸縮領域nSTRに繋がる伸縮領域STRの連結領域LNKの部分(連結部19および肩部16)の幅を大きく設定したものである。この理由について、図5により説明する。
<配線パターンの配置>
図5(a)は、図4(a)で示したような5行3列のLETジョイント10を用いた伸縮領域STRを有するプリント配線基板において採用されうる配線を例示したものである。この例では、配線としての導電パターン31〜36の各々は、2つの非伸縮領域nSTRの間に直列接続された複数のLETジョイントの連結部13と各LETジョイントの側端部17との間をジグザグに進行している。この例では、連結部13および共有の側端部17においては2本の導電パターンが通過している。
図5(a)は、図4(a)で示したような5行3列のLETジョイント10を用いた伸縮領域STRを有するプリント配線基板において採用されうる配線を例示したものである。この例では、配線としての導電パターン31〜36の各々は、2つの非伸縮領域nSTRの間に直列接続された複数のLETジョイントの連結部13と各LETジョイントの側端部17との間をジグザグに進行している。この例では、連結部13および共有の側端部17においては2本の導電パターンが通過している。
図5(b)は、図4(c)のように過渡領域TRが主要領域Mから1カ所へ向けて収束する構造を有する場合の導電パターン31〜36の配線例を示している。伸縮領域STRが、その主要領域Mから過渡領域TRを経由して非伸縮領域nSTRの1カ所に収束する過程で、LETジョイントの一部が段階的に切除されている。
伸縮領域STRの構造が非伸縮領域nSTRに対して1カ所に収束していくことから、伸縮領域STRを通過する配線パターンも同様に1カ所に収束していく。その結果、収束箇所に近づくほど1本の経路を通過する配線の本数が増大する。図5(b)の例では、伸縮領域STRの最も外側の連結部19にはすべての配線(この例では6本)が通過する。また、連結部19に繋がるLETジョイントの両肩部15に相当する肩部16には全本数の半分(この例では3本)が通過する。
1カ所の連結部19にすべての配線パターンを収容するためには、経路幅を太くすることにより対応可能である。すなわち、伸長領域の伸長時の伸長方向と垂直の方向に生じる伸長領域の歪が許容できる範囲で連結部19の幅を太くすることができる。しかし、連結部19や肩部16の幅を太くすることは部分的に基板のヤング率を高め、局所的に変形しにくい部分を生じさせる。そこで、このような弊害を補償するために、連結領域LNKの肩部16とこれが繋がる内側のLETジョイントの肩部15の間の間隔18を拡大することにより、部分的にヤング率を低下させることができる。これにより、連結領域LNKのヤング率を他の伸縮領域STRと同程度のヤング率になるようにしている。
なお、図5に示したこの導電パターンの本数や経路はあくまで一例であり、他の構成もありうる。
プリント配線基板の製造工程において、図4(a)に示したような完全な行列構造を基に、その一部を切除することによりハンモック型構造を作成するという説明は便宜上であり、実際上は図4(a)に示したような伸縮領域STRの行列構造を形成することなく、プリント配線基板の設計段階から製造段階まで終始図4(c)に示したようなハンモック型構造として処理が行われる。上述したように、伸縮領域STRの基板構造は、プリント配線を形成した基板を、後からレーザーカッター等の切断手段によってカットし、開口やスリットを作成することにより実現することができる。伸縮領域STRが非伸縮領域nSTRと一体形成される場合も同様である。
<基本構成要素が5列の場合>
図6(a)は、伸縮領域STRを、非伸縮領域nSTRとともに用いるプリント配線基板の他の構成例であって、この例では基本構成要素としてのLETジョイント10を用いたLETジョイントアレイの行列サイズを5行5列としている。
図6(a)は、伸縮領域STRを、非伸縮領域nSTRとともに用いるプリント配線基板の他の構成例であって、この例では基本構成要素としてのLETジョイント10を用いたLETジョイントアレイの行列サイズを5行5列としている。
基本構成要素が3列の場合と同様、伸縮領域STRは、主要領域Mとこの主要領域Mのx方向両端に配置された過渡領域TRとを有する基材により構成される。主要領域Mは、開口の周囲に環状の領域である開口周縁部を含む基本構成要素が行列状に複数配置され、x方向に隣接する基本構成要素は互いにそのx方向端部のほぼ中央で連結されるとともに、y方向に隣接する基本構成要素は互いにそのy方向端部で連結された構造を有する。過渡領域TRは主要領域Mから1カ所へ向けて収束する構造を有する。なお、図6(b)から分かるように、この例では実際に比べて行数が少ないため、主要領域Mの行列の行数が1となっている。
図6(b)に示すように、y方向に並ぶ基本構成要素の列の数が奇数(ここでは5列)の場合、連結領域LNKでは、伸縮領域STRの両端部の各々の1カ所において、伸縮領域STRの最も外側の行のほぼ中央に位置する基本構成要素のx方向端部中央の連結部13が非伸縮領域nSTRと連結されることになる。
図6(c)は、図4(b)の構成において、非伸縮領域nSTRに繋がる伸縮領域STRのLINK領域の連結部19および肩部16の幅ならびに間隔18を大きく設定したものである。
<基本構成要素が2列の場合>
図7は、伸縮領域STRの基本構成要素としてのLETジョイントを用いたLETジョイントアレイの行列の列数が偶数の場合の最も少数列である2列(5行)の例を示している。上述した3列(奇数列)の場合と異なり、偶数列の場合には、非伸縮領域nSTRに繋がる最も外側の連結領域LNKとして、中央のLETジョイントが存在しないため、中央のLETジョイントの連結部13を連結部19として利用することができない。そこで、図7(a)のような偶数列の伸縮領域STRのプリント配線基板については、その非伸縮領域nSTRの一部を利用し、図7(b)のように基材に対して破線BLで示すようなカッティングを行うことにより、中央の連結部19とこれに繋がる肩部15を作成することができる。図7(c)は連結部19および肩部16の幅等を拡大した構造を示す。このように非伸縮領域nSTRの一部を伸縮領域STRに取り込む工法は、伸縮領域STRと非伸縮領域nSTRとを同じ1つの基材で一体形成する場合に好適である。
図7は、伸縮領域STRの基本構成要素としてのLETジョイントを用いたLETジョイントアレイの行列の列数が偶数の場合の最も少数列である2列(5行)の例を示している。上述した3列(奇数列)の場合と異なり、偶数列の場合には、非伸縮領域nSTRに繋がる最も外側の連結領域LNKとして、中央のLETジョイントが存在しないため、中央のLETジョイントの連結部13を連結部19として利用することができない。そこで、図7(a)のような偶数列の伸縮領域STRのプリント配線基板については、その非伸縮領域nSTRの一部を利用し、図7(b)のように基材に対して破線BLで示すようなカッティングを行うことにより、中央の連結部19とこれに繋がる肩部15を作成することができる。図7(c)は連結部19および肩部16の幅等を拡大した構造を示す。このように非伸縮領域nSTRの一部を伸縮領域STRに取り込む工法は、伸縮領域STRと非伸縮領域nSTRとを同じ1つの基材で一体形成する場合に好適である。
<基本構成要素が4列の場合>
図8は、伸縮領域STRの基本構成要素としてのLETジョイントを用いたLETジョイントアレイの行列の列数が4列(偶数列)である例を示している。やはり上述した3列(奇数列)の場合と異なり、偶数列の場合には、非伸縮領域nSTRに繋がる最も外側の連結領域LNKとして、中央のLETジョイントが存在しないため、中央のLETジョイントの連結部13を利用することができない。そこで、図8(a)のような偶数列の伸縮領域STRを有するプリント配線基板については、その非伸縮領域nSTRの一部を利用し、その基材に対して破線BLで示すようなカッティングを行うことにより、図8(b)に示すように、中央の連結部19とこれに繋がる肩部15を作成することができる。図8(c)は連結部19および肩部16の幅等を拡大した構造を示す。このように非伸縮領域nSTRの一部を伸縮領域STRに取り込む工法は、伸縮領域STRと非伸縮領域nSTRとを同じ1つの基材で一体形成する場合に好適である。
図8は、伸縮領域STRの基本構成要素としてのLETジョイントを用いたLETジョイントアレイの行列の列数が4列(偶数列)である例を示している。やはり上述した3列(奇数列)の場合と異なり、偶数列の場合には、非伸縮領域nSTRに繋がる最も外側の連結領域LNKとして、中央のLETジョイントが存在しないため、中央のLETジョイントの連結部13を利用することができない。そこで、図8(a)のような偶数列の伸縮領域STRを有するプリント配線基板については、その非伸縮領域nSTRの一部を利用し、その基材に対して破線BLで示すようなカッティングを行うことにより、図8(b)に示すように、中央の連結部19とこれに繋がる肩部15を作成することができる。図8(c)は連結部19および肩部16の幅等を拡大した構造を示す。このように非伸縮領域nSTRの一部を伸縮領域STRに取り込む工法は、伸縮領域STRと非伸縮領域nSTRとを同じ1つの基材で一体形成する場合に好適である。
<基本構成要素の行数および列数の意義>
極端な例として、与えられた面積の伸縮領域STRに1行1列のLETジョイントアレイを構成した場合、局所梁の幅が太くなり、ヤング率が高くなり、伸びにくい構造となる。行数を増加させれば、1つのLETジョイントの局所梁の幅が狭くなるためヤング率が低くなり、伸びやすくなる。その反面、1つの局所梁に通せる導線の本数が減少する。そこで、列数を増加させれば、x方向の経路が並列化されるため、伸縮領域STRを通せる導線の本数を増やすことができる。このように、与えられた面積の伸縮領域STRにある程度の柔軟性と、通せる導線本数を確保するためには、基本構成要素を所定の行数および列数分設けることが好ましい。
極端な例として、与えられた面積の伸縮領域STRに1行1列のLETジョイントアレイを構成した場合、局所梁の幅が太くなり、ヤング率が高くなり、伸びにくい構造となる。行数を増加させれば、1つのLETジョイントの局所梁の幅が狭くなるためヤング率が低くなり、伸びやすくなる。その反面、1つの局所梁に通せる導線の本数が減少する。そこで、列数を増加させれば、x方向の経路が並列化されるため、伸縮領域STRを通せる導線の本数を増やすことができる。このように、与えられた面積の伸縮領域STRにある程度の柔軟性と、通せる導線本数を確保するためには、基本構成要素を所定の行数および列数分設けることが好ましい。
図9は、多行4列のLETジョイントアレイを基にして最外部の連結領域LNKを付加した伸縮領域STRを図の上下の非伸縮領域nSTRに接続したプリント配線基板の伸張の様子を説明するための図である。この例の伸縮領域STRは、配線パターンを有さないPETフィルムのみの基材で伸張状態を模擬したものである。図9(a)は非伸縮状態の基板の一部を示している。この図から分かるように、LNK領域に1本の連結部19として1本の連結片を用いている。図9(b)は1対の非伸縮領域nSTRの間で伸縮領域STRが伸張された様子を示している。図9(b)の各LETジョイントの開口の形状の変化状態から、非伸縮領域nSTRに近い、伸縮領域STRの部分においても一部に過度な歪みが集中するという事態が避けられていることが分かる。
連結部19はその幅が細いほど、また中心軸Aに近いほど、伸縮領域STRが全体的に均一に延びるような理想的なセルの開き方をする。
図10は、図9の変形例として、伸縮領域STRの両端部の各々の1カ所に設けられた非伸縮領域nSTRとの連結部19が、互いに隣接した複数本(ここでは2本)の連結片19a,19bで構成された例を示している。このように複数本の連結片19a,19bを用いることにより、図10(b)に示すように、非伸縮領域nSTRに近い、伸縮領域STRの部分において一部の歪みが若干増加するが、連結領域LNKの強度(ひいては基板強度)および配線の容易度が改善される利点がある。
<複数の伸縮領域の連結配置>
以下では、複数の伸縮領域STRを連結して用いる場合の構成について説明する。
以下では、複数の伸縮領域STRを連結して用いる場合の構成について説明する。
図11は、上述したハンモック型の伸縮領域STRを複数個(この例では3個)、非伸縮領域nSTRを介在して直列接続して用いる場合の簡略化した構成例を示す。隣接する伸縮領域STRの間の非伸縮領域nSTRは両伸縮領域STRに共通の領域となる。このような構成により、単一の伸縮領域STRを用いる場合に比べて伸縮可能な領域の範囲を一方向(x方向)に拡大することができる。また、複数の非伸縮領域nSTRに電子部品等を分散して配置できる。1つの伸縮領域STRを過度に多行数とする場合に比べて複数の伸縮領域STRを直列接続することにより、伸縮領域STRを安定的に維持するとともに、単位伸び量当たりの、各LETジョイント10の局所梁の立ち上がり量を小さく抑えることができる。
図12は、上述したハンモック型の伸縮領域STRを複数個(この例では2個)、並列接続して用いる場合の簡略化した構成例を示す。隣接する2つの伸縮領域STRの間は離間した状態のままであるが、隣接した非伸縮領域nSTRはその側端部で連結され、単一の共通の領域となる。このような構成により、単一の伸縮領域STRを用いる場合に比べて伸縮可能な領域の範囲を他方向(y方向)に拡大することができる。また、複数の非伸縮領域nSTRに電子部品等を分散して配置できる。
図13は、図11と図12の構造を折衷したものであり、伸縮領域STRをx、y両方向に行列状に配置した構成例を示す。このような構成により、単一の伸縮領域STRを用いる場合に比べて伸縮可能な領域の範囲をxおよびyの両方向に拡大して広範な伸縮領域STRを得ることができる。また、複数の非伸縮領域nSTRに電子部品等を分散して配置できる。
<伸縮領域の回転抑止策>
ところで、上述したハンモック型の伸縮領域STRは1対の非伸縮領域nSTRの間で両端の連結部19により1カ所で連結されるため、外力等に応じてx方向に沿った中心軸Aの周りに回転(回動)する。以下、このような回転が望ましくない用途における対応策について説明する。
ところで、上述したハンモック型の伸縮領域STRは1対の非伸縮領域nSTRの間で両端の連結部19により1カ所で連結されるため、外力等に応じてx方向に沿った中心軸Aの周りに回転(回動)する。以下、このような回転が望ましくない用途における対応策について説明する。
図14は、伸縮領域STRと非伸縮領域nSTRの間の連結領域LNKまたは過渡領域TRにおいて、x方向に沿った伸縮領域STRの中心軸Aの位置に設けた連結部19とは別に、中心軸からy方向に沿った両側に所定間隔離れた箇所に、すなわちほぼ中央の「1カ所」の両側に、第1および第2の伸縮連結部41,42,43,44を設けた構成を示している。この第1および第2の伸縮連結部41,42,43,44は、非伸縮領域nSTRと接続される伸縮領域STRのy方向(第2方向)の縮み(または伸び)を吸収するためにy方向に伸縮する基板要素である。この例では、第1および第2の伸縮連結部41,42,43,44はN字状または巴状等の形状を有する。伸縮領域STRはその中心軸Aを対称に伸張時に縮む方向が逆となるので、これに対応するために第1および第2の伸縮連結部41と42,43と44はそれぞれ左右反転した形状としている。伸縮連結部41,42,43,44は、伸縮領域STRと非伸縮領域nSTRと一体形成する場合に併せて形成できる。
なお、図14(a)(b)(c)は、第1および第2の伸縮連結部の設置位置およびその形態のバリエーションを1つの図で示すために、便宜上、図11に示したような3つの伸縮領域STRが直列接続されたプリント配線基板を例として示したものに過ぎない。伸縮連結部41,42,43,44には導電パターンを通す必要はないが、通してもよい。
伸縮連結部41,42,43,44を接続する伸縮領域STRの位置としては、図14(a)(b)(c)のように中心軸Aからの離間の程度の違いとして複数の位置を取りうる。図14(a)では連結領域LNKの肩部16の端部に伸縮連結部41,42を接続している。図14(b)では過渡領域TR内の肩部15の端部に縮連結部41,42を接続している。図14(c)では主要領域Mの最外側のLETジョイントの肩部15の端部に伸縮連結部43,44を接続している。
図14(a)(b)(c)の順に伸縮領域STRの中心軸A周りの安定性は向上する反面、伸張時の歪みが大きくなるので、伸縮連結部41,42の歪みへの対応能力が要求される。図14(c)の例では伸縮連結部43,44は、図14(a)(b)に比べて、伸縮連結部41,42の折り返しの回数を増加させている。
図15は、他の形状の第1および第2の伸縮連結部51,52,53,54を示す図である。この例では、いわゆる「馬蹄型ミアンダ」「horseshoe-shaped meanders」と呼ばれるような蛇行しながら進行する形状である。第1および第2の伸縮連結部51,52,53,54の配置箇所については、図15(a)(b)(c)に示すとおり、中心軸Aからの離間の程度の違いとして複数の位置を取りうる。図15(a)(b)(c)の順に伸縮領域STRの中心軸A周りの安定性は向上する反面、伸張時の歪みが大きくなるので伸縮連結部51,52,53,54の歪みへの対応能力が要求される。図15(c)の例では伸縮連結部53,54は、図15(a)(b)に比べて、伸縮連結部51,52の蛇行の回数を増加させている。他の構成は図14と同様である。
<伸縮領域の基本構成要素の変形例>
図16は、基本構成要素の変形例を示している。図16(a)は六角形の開口11cを有する基本構成要素10cを示している。その肩部15は六角形の開口11cの輪郭に合わせて傾斜している。連結部13および側端部17についてはLETジョイント10aと同様である。特に図示しないが、このような基本構成要素10cを上記と同様に行列状に配置することにより、伸縮領域STRを構成することができる。また、上記と同様に、ハンモック型の伸縮領域STRを構成することができる。伸縮連結部も同様に採用しうる。
図16は、基本構成要素の変形例を示している。図16(a)は六角形の開口11cを有する基本構成要素10cを示している。その肩部15は六角形の開口11cの輪郭に合わせて傾斜している。連結部13および側端部17についてはLETジョイント10aと同様である。特に図示しないが、このような基本構成要素10cを上記と同様に行列状に配置することにより、伸縮領域STRを構成することができる。また、上記と同様に、ハンモック型の伸縮領域STRを構成することができる。伸縮連結部も同様に採用しうる。
図16(b)は蝶ネクタイ型の六角形の開口11dを有する基本構成要素10dを示している。その肩部15は六角形の開口11dの輪郭に合わせて、図16(a)とは逆方向に傾斜している。連結部13および側端部17については基本構成要素10cと同様である。このような基本構成要素10dを上記と同様に行列状に配置することにより、伸縮領域STRを構成することができる。但し、この図16(b)の基本構成要素10dは他の基本構成要素と比べて異なる点は、そのポアソン比が負であることである。すなわち、両連結部13を互いにx方向に沿って逆方向に引っ張ったとき、基本構成要素10dはy方向に伸びる。このようなポアソン比が負の基本構成要素10dを行列状に連結して構成した伸縮領域STR(図17)のポアソン比も負になると考えられる。
図17は、図16(b)に示した蝶ネクタイ型の基本構成要素10dを行列状(この例では3行5列)に配置して構成した伸縮領域STRの構成例を示している。
上下方向(図のx方向)に隣接する2つの基本構成要素10dは連結部13で互いに連結される。左右方向(図のy方向)に隣接する2つの基本構成要素10dは側端部17で互いに連結される。この例では、それぞれの側端部17を両基本構成要素10dが共有する形で連結されている。プリント配線基板に、図17に示すような、複数の基本構成要素10dを行列状に配置した領域を形成することにより、この領域は一方向(x方向)に伸縮可能な伸縮領域STRとなる。
また、図において上下に隣接する2つの基本構成要素10dの間隔18dのサイズは開口11dと同じサイズとなるように、すなわち、隣接する4つの基本構成要素10dに囲まれることにより形成された開口14dはほぼ基本構成要素10dの内部の開口11dと同じ形状およびサイズとなるように、基本構成要素10dの行列は配置される。
これによって、基本構成要素10dの行列構造により構成される伸縮領域STRの全体に亘って均一なヤング率が得られる。
特に図示しないが、図17に示したポアソン比が負の伸縮領域STRにおいても、上述したようなハンモック型の構造が可能である。伸縮連結部を採用しうることも上記と同様である。
<応用例>
図18は、本実施形態の一応用例としての携帯型の筋電計用のプリント配線基板の概略構成を示している。特に限定するものではないが、この筋電計は被験者の前腕に巻き付けるものを想定している。このプリント配線基板は、非伸縮領域61、伸縮領域62、非伸縮領域63、伸縮領域64、および非伸縮領域65をこの順に直列接続した構成を有する。主要領域M内の基本構成要素の行列のサイズは11行2列の例を示している。非伸縮領域63の表面に電極(パッド)71,72,73が配置されている。電極71,72,73からそれぞれ導出された導電パターン(配線)31,32,33は、伸縮領域62の下側の連結領域LNKを経由し、3本のジグザグ経路を通過して上側のリンク領域LNKを経由し、非伸縮領域61内へ到達している。非伸縮領域61にはバッテリや各種の電子部品が搭載されているが、これらは図示省略してある。
図18は、本実施形態の一応用例としての携帯型の筋電計用のプリント配線基板の概略構成を示している。特に限定するものではないが、この筋電計は被験者の前腕に巻き付けるものを想定している。このプリント配線基板は、非伸縮領域61、伸縮領域62、非伸縮領域63、伸縮領域64、および非伸縮領域65をこの順に直列接続した構成を有する。主要領域M内の基本構成要素の行列のサイズは11行2列の例を示している。非伸縮領域63の表面に電極(パッド)71,72,73が配置されている。電極71,72,73からそれぞれ導出された導電パターン(配線)31,32,33は、伸縮領域62の下側の連結領域LNKを経由し、3本のジグザグ経路を通過して上側のリンク領域LNKを経由し、非伸縮領域61内へ到達している。非伸縮領域61にはバッテリや各種の電子部品が搭載されているが、これらは図示省略してある。
この例では、伸縮領域64は導電パターンを全く有しておらず、単に伸縮部材として利用している。伸縮領域62,64の存在により、太さの異なる被験者の前腕に対しても単に前腕に巻き付けるだけで筋電計の適正な装着が可能となる。
必須の構成ではないが、図の上端の非伸縮領域61には切り欠き部66が形成されるとともに、図の下端の非伸縮領域65には突起部67が形成されている。図18のプリント配線基板全体はPETフィルムを基材とし、切り欠き部66が形成された非伸縮領域61と突起部67が形成された非伸縮領域65には比較的硬い材料の補強板(例えばガラスエポキシ樹脂)で補強されている。突起部67は必要に応じて切り欠き部66に嵌合し、この筋電計が環状に湾曲して被検者の測定部位に保持されるようになっている。
図18の例から分かるように、複数の非伸縮領域nSTRのサイズや形状は必ずしも同じでなくてもよい。必ずしも伸縮領域STRの主要領域M内のすべての経路に導電パターンが通過する必要はなく、通過しない経路が存在してもよい。全く導電パターンが存在しない伸縮領域STRや非伸縮領域nSTRが存在してもよい。
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、プリント配線基板の全体および部分について提示した具体的な形状、サイズ、数量、配置、構造、等はあくまで例示であり、本発明はそれらに限定されるものではなく、上述した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、プリント配線基板の全体および部分について提示した具体的な形状、サイズ、数量、配置、構造、等はあくまで例示であり、本発明はそれらに限定されるものではなく、上述した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。
10,10a,10b,10c: LETジョイントまたは基本構成要素
11,11a,11b,11c,11d: 開口またはスリット
12: 開口周縁部
13: 連結部
14a,14b,14d: 開口
15,16: 肩部
17: 側端部(側端辺または第2方向端部)
18,18a,18b,18d: 間隔
19,19a,19b: 連結部または連結片
31〜36: 導電パターン
41〜44,51〜54: 伸縮連結部
61,63,65: 非伸縮領域
62,64: 伸縮領域
66: 切り欠き部
67: 突起部
A: 中心軸
BL: 破線
C1〜C3: 連結部
LNK: 連結領域
M: 主要領域
nSTR: 非伸縮領域
O: 物体
STR: 伸縮領域
TR: 過渡領域
11,11a,11b,11c,11d: 開口またはスリット
12: 開口周縁部
13: 連結部
14a,14b,14d: 開口
15,16: 肩部
17: 側端部(側端辺または第2方向端部)
18,18a,18b,18d: 間隔
19,19a,19b: 連結部または連結片
31〜36: 導電パターン
41〜44,51〜54: 伸縮連結部
61,63,65: 非伸縮領域
62,64: 伸縮領域
66: 切り欠き部
67: 突起部
A: 中心軸
BL: 破線
C1〜C3: 連結部
LNK: 連結領域
M: 主要領域
nSTR: 非伸縮領域
O: 物体
STR: 伸縮領域
TR: 過渡領域
Claims (11)
- 導電パターンが配置された伸縮領域を備え、前記伸縮領域の一方向の伸張動作に伴って伸張方向(第1方向)と垂直の方向(第2方向)に縮み(または伸び)が発生する伸縮可能なプリント配線基板であって、
前記伸縮領域の第1方向の両端部に設けられた非伸縮領域に対する接続箇所が、第2方向に沿った前記伸縮領域の幅のほぼ中央の1カ所に制限されたことを特徴とするプリント配線基板。 - 前記伸縮領域は、主要領域とこの主要領域の第1方向両端に配置された過渡領域とを有し、前記主要領域は、開口の周囲に環状の領域を有する複数の基本構成要素が行列状に配置され、第1方向に隣接する基本構成要素は互いにその第1方向端部のほぼ中央で連結されるとともに、第2方向に隣接する基本構成要素は互いにその第2方向端部で連結された構造を有し、前記過渡領域は前記主要領域から前記1カ所へ向けて収束する構造を有する請求項1に記載のプリント配線基板。
- 第2方向に並ぶ基本構成要素の列の数が奇数の場合、前記伸縮領域の両端部の各々の1カ所において、前記伸縮領域の最も外側の行のほぼ中央に位置する基本構成要素の第1方向端部の連結部が前記非伸縮領域と連結される請求項2に記載のプリント配線基板。
- 第2方向に並ぶ基本構成要素の列の数が偶数の場合、前記伸縮領域の両端部の各々の1カ所において、前記伸縮領域の最も外側の行のほぼ中央に位置する第2方向端部が前記非伸縮領域と連結される請求項2に記載のプリント配線基板。
- 少なくとも前記伸縮領域の最も外側の行のほぼ中央に位置する基本構成要素の前記非伸縮領域との連結部の幅およびこの連結部につながる基本構成要素の経路幅が他の基本構成要素の幅より大きい請求項2〜4のいずれかに記載のプリント配線基板。
- 前記伸縮領域は、主要領域とこの主要領域の第1方向両端に配置された過渡領域とを有し、前記主要領域には第2方向に断続的に伸びる複数本のスリットが180°ずつ位相をずらして第1方向に反復配置され、前記過渡領域は前記主要領域から前記1カ所へ向けて収束する構造を有する請求項1に記載のプリント配線基板。
- 前記伸縮領域の両端部の各々の1カ所に設けられた前記非伸縮領域との連結部は1本の連結片で構成される請求項1〜6のいずれかに記載のプリント配線基板。
- 前記伸縮領域の両端部の各々の1カ所に設けられた前記非伸縮領域との連結部は、互いに隣接した複数本の連結片で構成される請求項1〜6のいずれかに記載のプリント配線基板。
- 前記非伸縮領域が前記連結部を介して前記伸縮領域と一体形成されている請求項1〜8のいずれかに記載のプリント配線基板。
- 前記連結部は、前記非伸縮領域と電気的および機械的に接続される接点またはコネクタを有する請求項1〜8のいずれかに記載のプリント配線基板。
- 前記伸縮領域は、前記ほぼ中央の1カ所の両側に、前記非伸縮領域と接続される前記伸縮領域の第2方向の縮み(または伸び)を吸収するために第2方向に伸縮する第1および第2の伸縮連結部をさらに備えた請求項1〜10のいずれかに記載のプリント配線基板。
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JP2021027164A (ja) * | 2019-08-05 | 2021-02-22 | エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド | 伸縮基板及び伸縮表示装置 |
CN112967611A (zh) * | 2021-03-31 | 2021-06-15 | 上海天马微电子有限公司 | 一种可伸缩装置 |
CN115116330A (zh) * | 2022-06-23 | 2022-09-27 | 合肥维信诺科技有限公司 | 柔性支撑膜和柔性显示面板 |
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