JP2020126789A - 燃料電池システム - Google Patents

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嵩幸 白井
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Abstract

【課題】電解質膜への金属イオンの取り込みを抑制する手段を備えた燃料電池システムを提供する。【解決手段】膜電極接合体をステンレス鋼製セパレータによって挟持した単セルを複数積層してなるセルスタックを備える燃料電池、並びに制御部を備えた燃料電池システムであって、前記制御部は、前記燃料電池から排出された生成水中の金属イオンの濃度が規定値以上か否かを判定し、前記金属イオンの濃度が規定値以上である場合、前記セルスタック内の湿度を検出し、前記湿度が規定値以上である場合、前記セルスタック内の湿度を規定値未満に低下させる、燃料電池システム。【選択図】図3

Description

本発明は、生成水へ溶出した金属イオンによる電解質膜への影響を抑制する燃料電池システムに関する。
燃料電池は、電気的に接続された2つの電極に燃料ガス(水素ガス)と酸化剤ガス(酸素ガス)の反応ガスを供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。この燃料電池は、通常、電解質膜を一対の電極で挟持した膜電極接合体をセパレータによって挟持した単セルを構成単位とし、この単セルを複数積層してなるセルスタックを備えている。中でも、電解質膜として固体高分子電解質膜を用いた固体高分子電解質型燃料電池は、小型化が容易であること、低い温度で作動すること、などの利点があることから、特に携帯用、移動体用電源として注目されている。
上記の燃料電池においては、セパレータとして波形状に成形された金属セパレータが一般に使用されている。この金属セパレータには、その面内に燃料ガス又は酸化剤ガスを流すための反応ガス流路が設けられている。例えば、特許文献1には、燃料電池用のセパレータとして用いるためのステンレス鋼製セパレータが開示されている。
固体高分子電解質型燃料電池において、水素が供給された燃料極(アノード)では下記(1)式の反応が進行する。
→ 2H + 2e ・・・(1)
上記(1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、酸化剤極(カソード)に到達する。他方で、上記(1)式で生じたプロトンは、水と水和した状態で、電気浸透により固体高分子電解質膜内を燃料極側から酸化剤極側に移動する。
一方、酸化剤極では下記(2)式の反応が進行する。
2H + 1/2O + 2e → HO ・・・(2)
従って、電池全体では下記(3)式に示す化学反応が進行し、起電力が生じて外部負荷に対して電気的仕事がなされる。
+ 1/2O → HO ・・・(3)
このように、燃料電池では発電に伴い酸化剤極に生成水が発生するとともに、燃料極には前記生成水が電解質膜を介して逆拡散している。
また、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜に代表される固体高分子電解質膜を備えた燃料電池では、イオン伝導性を確保するために、電解質膜や触媒層の湿潤状態を維持することが重要であり、そのため、一般的に、反応ガスを予め加湿した状態で電極に供給することが行われている。その際、加湿用の水分が、電解質膜に吸収されずに液状化され、セパレータの反応ガス流路に滞留することがある。
高分子固体電解質膜としては、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜に代表される水素イオン導電性の高いフッ素樹脂系高分子膜が一般に用いられており、電解質膜を通過した生成水中には、電解質膜からのフッ素化合物やフッ素イオンが溶出することがある。このような生成水がステンレス鋼等の金属製セパレータの反応ガス流路に滞留すると、セパレータを構成する金属のイオン、例えば鉄イオン、ニッケルイオン、クロムイオン、モリブデンイオン等が生成水中に溶出する一因となる。
このような金属イオンが高分子電解質膜に取り込まれると、高分子電解質膜の劣化を促進し、燃料電池の性能を低下させることになる。
そこで、従来、燃料電池において、生成水への金属イオンの流出を抑制するため、様々な試みが提案されている。
例えば、特許文献2には、燃料電池から排出される生成水中のイオンの濃度を検出し、このイオン濃度が所定値よりも高い場合に、燃料電池の温度を低下させる手段を備えた燃料電池システムが開示されている。
特許文献3には、燃料電池から排出される生成水を貯留し、この貯留された生成水に含まれるイオン濃度が所定濃度以上のときに、貯留されている生成水の排出を禁止する手段を備えた、燃料電池制御装置が開示されている。
特許文献4には、燃料電池内のイオン量を取得し、このイオン量に基づいて電解質膜の劣化を検知する手段を備えた、燃料電池システムが開示されている。
特許文献5には、燃料電池から排出される生成水を貯蔵し、この生成水中に含まれるイオンを吸着するイオン吸着装置を備える、燃料電池システムが開示されている。
特開2001−325969号公報 特開2005−332768号公報 特開2006−269156号公報 特開2008−140661号公報 特許第4670237号公報
配管などから溶出する金属イオンは、電解質膜に到達する前に低減することができる。しかしながら、単セルのセパレータとしてステンレス鋼のような金属セパレータを用いた場合には、セパレータは電解質膜の近傍に配置されているため、溶出した金属イオンが電解質膜に到達する前に除去することは困難であった。
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであり、電解質膜への金属イオンの取り込みを抑制する手段を備えた燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、以下の手段により上記目的を達成するものである。
膜電極接合体をステンレス鋼製セパレータによって挟持した単セルを複数積層してなるセルスタックを備える燃料電池、並びに
制御部
を備えた燃料電池システムであって、
前記制御部は、前記燃料電池から排出された生成水中の金属イオンの濃度が規定値以上か否かを判定し、前記金属イオンの濃度が規定値以上である場合、前記セルスタック内の湿度を検出し、前記湿度が規定値以上である場合、前記セルスタック内の湿度を規定値未満に低下させる、燃料電池システム。
本発明によれば、生成水中の金属イオンの濃度が規定値以上と高い場合に、燃料電池を構成するセルスタック内の湿度を低減することにより、金属イオンの移動経路である液水が減少し、それによって電解質膜に到達する金属イオンが減少する。その結果、電解質膜への金属イオンの取り込みが抑制され、電解質膜の劣化を抑制することができる。
燃料電池を構成する単セルの断面図である。 燃料電池の断面図である。 本発明の燃料電池システムの概略図である。 膜電極接合体中の鉄イオン濃度とクロスリーク量の関係を示すグラフである。 膜電極接合体中の鉄イオン濃度と耐久時間の関係を示すグラフである。 セル内の湿度と鉄イオン取り込み率の関係を示すグラフである。 本発明の燃料電池システムの作用を説明するフローチャートである。 本発明の燃料電池システムの作用を説明するフローチャートである。
本発明の燃料電池システムは、
膜電極接合体をステンレス鋼製セパレータによって挟持した単セルを複数積層してなるセルスタックを備える燃料電池、並びに
制御部
を備え、
前記制御部は、前記燃料電池から排出された生成水中の金属イオンの濃度が規定値以上か否かを判定し、前記金属イオンの濃度が規定値以上である場合、前記セルスタック内の湿度を検出し、前記湿度が規定値以上である場合、前記セルスタック内の湿度を規定値未満に低下させる。
図1に、燃料電池を構成する単セルの基本構造を示す。単セル10は、固体高分子材料で形成されたプロトン伝導性の電解質膜11の両面に触媒層12を形成し、さらに触媒層12の両面にガス拡散層13を形成し、それらを一体化してなる膜電極接合体14をステンレス鋼製セパレータ15によって挟持して構成されている。
このような単セルから構成される燃料電池の運転中においては、上記のように、酸化剤極において生成された水は、電解質膜を通過して燃料極に移動する。この際、生成水中に金属イオンが存在すると、OHラジカルが生成する。この燃料電池の運転中に生ずるOHラジカルは、電解質膜11を攻撃し、電解質膜11を分解させる。電解質膜11が分解すると、膜やせが生じ、最終的には電解質膜11に穴が開き、燃料電池の発電性能が低下することとなる。
そこで、電解質膜11への金属イオンの取り込みを抑制することにより、電解質膜11の劣化を抑制し、燃料電池の発電性能の低下を抑制することができる。
図2に、燃料電池の基本構造を示す。図2に示すように、燃料電池20は、単セル10を複数積層してなるセルスタック21を備えている。セルスタック21の両端部には、電力取り出し用の一対のターミナルプレート16が配置されている。ターミナルプレート16の外側には、一対のエンドプレート17が配置され、セルスタック21をその積層方向に締め付けて固定している。また、セルスタック21の積層方向に、セルスタック21の全体に渡って延びたテンションシャフト19が設けられており、このテンションシャフト19は、ボルト18によってエンドプレート17に固定されている。このテンションシャフト19は必ずしも設けなくてもよいが、テンションシャフト19を設けることによって、セルスタック21に拘束圧力を加え、固定することができる。
燃料電池中において、金属イオンは、生成水や加湿ガスによる液水中を拡散し、電解質膜内に取り込まれると考えられる。そこで本発明においては、制御部において、燃料電池から排出された生成水中の金属イオンの濃度が規定値以上か否かを判定し、この金属イオンの濃度が規定値以上である場合、セルスタック内の湿度を検出し、この湿度が規定値以上である場合、セルスタック内の湿度を規定値未満に低下させている。セルスタック内の湿度を低下させることにより、金属イオンの移動経路である液水が減少し、それによって電解質膜に到達する金属イオンが減少する。その結果、電解質膜への金属イオンの取り込みが抑制され、電解質膜の劣化を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〈燃料電池システムの構成〉
図3は、本発明の一実施例としての燃料電池システム100の概略構成を示す説明図である。
図3に示す燃料電池システム100は、燃料電池30の燃料極に燃料ガスを供給するための燃料供給系と、酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給系とを備えている。燃料電池30は、図2に示すような構成のセルスタックを備えている。
図3において、燃料供給系は、燃料供給装置31と、燃料供給装置31と燃料電池30に設けられた燃料入口とを結ぶ配管32と、燃料電池30に設けられた燃料出口と冷却器33とを結ぶ配管34と、冷却器33と気液分離器35とを結ぶ配管36と、気液分離器35と循環ポンプ(又はコンプレッサ)37とを結ぶ配管38と、ポンプ37と配管32とを逆止弁39を介して接続する配管40とを備えている。
燃料供給装置31から送り出される燃料ガスは、配管32を通って燃料電池30の燃料極に供給され、燃料極での反応に使用される。燃料極を通過した燃料ガスは、燃料電池30の燃料出口から配管34に排出される。配管34に排出された燃料ガスは、冷却器33で必要に応じて冷却された後、配管36を介して気液分離器35に到達する。気液分離器35で液層成分が除去された燃料ガスは、循環ポンプ37により配管40に送出され、再び配管32を通じて燃料電池30の燃料極へ供給される。このようにして、燃料電池30から排出される燃料ガスに含まれる燃料極での反応に使用されなかった残存水素が再び燃料電池30へ供給される水素循環系(燃料ガスの循環経路)が構成されている。
また、図3において、酸化剤供給系は、酸化剤供給装置41と、酸化剤供給装置41と燃料電池30に設けられた酸化剤入口とを結ぶ配管42と、燃料電池30に設けられた酸化剤出口と冷却器43とを結ぶ配管44と、冷却器43と気液分離器45とを結ぶ配管46と、気液分離器45と循環ポンプ(又はコンプレッサ)47とを結ぶ配管48と、ポンプ47と配管42とを逆止弁49を介して接続する配管50とを備えている。
酸化剤供給装置41から送り出される酸化剤ガスは、配管42を通って燃料電池30酸化剤極に供給され、酸化剤極での反応に使用される。酸化剤極を通過した酸化剤ガスは、燃料電池30の酸化剤出口から配管44に排出される。配管44に排出された酸化剤ガスは、冷却器43で必要に応じて冷却された後、配管46を介して気液分離器45に到達する。気液分離器45で液層成分が除去された酸化剤ガスは、循環ポンプ47により配管50に送出され、再び配管42を通じて燃料電池30の酸化剤極へ供給される。このようにして、燃料電池30から排出された酸化剤ガスに含まれる酸化剤極での反応に使用されなかった残存酸素が再び燃料電池30へ供給される酸素循環系(酸化剤ガスの循環経路)が構成されている。
ところで、燃料電池30では、酸化剤極での反応によって水(生成水)が生成される。生成水は固体高分子電解質膜を通じて酸化剤極から燃料極に到達する。ここで、固体高分子電解質膜には、フッ素系樹脂系高分子膜が適用されている。このため、燃料極へ移動する生成水中にフッ素化合物(例えばフッ酸)やフッ素イオンが溶出することがある。
燃料極へ到達した生成水は、図1に示すセパレータ15の通路を通過し、燃料ガスとともに、燃料電池30の外部(配管34)に排出される。このとき、生成水中のフッ素化合物やフッ素イオンは、セパレータ15を構成する金属(ステンレス鋼製セパレータの場合、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン等)と反応し、これらの金属のイオンが溶出する要因となる。
ここで図4に、金属イオンとして鉄イオンを意図的に添加した膜電極接合体の耐久試験の結果を示す。図4中、縦軸は、電解質膜の膜やせに起因する、両極間でのガス漏れ量(クロスリーク量)を、基準値のラインを1.0としたときの相対割合で示し、横軸は、耐久時間を、目標値を1.0tとしたときの相対割合で示している。この図から明らかなように、膜電極接合体に添加したFe量(d)が多くなるほど、基準のクロスリーク量を超える時間が早くなり、膜痩せの進行が速いことがわかる。
また、図5に、膜電極接合体中の鉄イオン量と基準のクロスリーク量を超えるときの耐久時間の関係を示す。図5中、縦軸は、耐久時間を、目標値を1.0tとしたときの相対割合で示し、横軸は、Feの量を、耐久時間1.0tにおける膜電極接合体中のFe量をdとしたときの相対割合で示している。膜電極接合体中の鉄イオン量と耐久時間には相関があり、鉄イオン量が多いほど耐久時間が短くなる傾向にある。目標の耐久時間を満足するためには、膜電極接合体中の鉄イオン量が基準値以下であることが必要である。以上のことから、電解質膜中の鉄イオン量を所定の量以下に抑制することが必要であることがわかる。
上記問題に鑑み、図3に示す燃料電池システムは、生成水中の金属イオンの濃度を検出する金属イオン濃度検出手段と制御部としてのECU53とを備えている。この金属イオン濃度検出手段としては、例えば図3に示す、気液分離器35、45によって分離された生成水中の金属イオンの濃度を検知する金属イオン検知センサ51、52を用いることができる。金属イオン検知センサ51、52は、例えば原子吸光法を用いて生成水中の金属イオン、例えば鉄イオン、ニッケルイオン、クロムイオン、モリブデンイオン、の濃度を検知する。金属イオン検知センサの出力信号は、ECU53に与えられる。
ECU53は、CPU、メモリ、入出力インタフェース等を用いて構成されており、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行することによって、金属イオン検知センサ51、52のような金属イオン濃度検出手段からのセンサ出力に基づいて、セルスタック内の湿度の検出、さらにはセルスタック内の湿度の制御を行う。このセルスタック内の湿度の検出は、例えば燃料電池30内に設けられた湿度センサのような湿度検出手段により行われる。また、セルスタック内の湿度の制御は、燃料電池に供給される加湿ガスの湿度を低下させることにより、又はセル冷却水の温度を高めることにより、セルスタック内の湿度を規定値未満に低下させて行うことができる。
図6に、ガス加湿用バブラー温度と、電解質膜への鉄イオン取り込み率(溶出したFeイオン量に対する膜電極接合体に取り込まれたFeイオン量の割合)の関係を示す。ガス加湿用バブラー温度と鉄イオン取り込み率には相関があり、ガス加湿用バブラー温度が低くなるほど鉄イオン取り込み率は小さくなる。
本発明においては、金属イオン濃度検出手段(例えば金属イオン検知センサ51、52)において、生成水中の金属イオンの濃度が規定値以上か否かを判定し、金属イオンの濃度が規定値以上である場合、湿度検出手段(例えば、セル内湿度検知センサ54)によってセルスタック内の湿度を検出する。そしてこのセルスタックの湿度が規定値以上である場合、セルスタック内の湿度を規定値未満に低下させる。こうしてセルスタック内の湿度を規定値未満とすることにより、金属イオンの移動経路である液水が減少し、電解質膜に到達する金属イオン量を少なくすることができる。
燃料電池システムにおける上記制御は、制御部であるECU53により行われる。本発明の燃料電池システムにおける運転制御処理の流れを、図7及び図8のフローチャートに示す。
〈運転制御処理〉
図7に示す処理は、例えば、燃料電池30が起動されることによって開始する。図7に示す処理が開始されると、ECU53は、金属イオン検知センサ51、52によって、排出された生成水中の金属イオンの濃度を取得する(S01)。金属イオンとしては、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン等のうち、1種もしくはこれらの組み合わせが挙げられる。
次に、ECU53は、金属イオンの濃度が所定の濃度規定値以上か否かを判定する(S02)。即ち、ECU53は、金属イオンの濃度が用意された濃度規定値以上か否かを判定する。このとき、金属イオンの濃度が濃度規定値以上であれば(S02:Yes)、処理をステップS03に進め、そうでなければ(S02:No)、処理を停止する。
ステップS03では、ECU53は、セルスタック内湿度センサ54によってセルスタック内の湿度を取得する(S03)。
次に、ECU53は、セル内湿度が規定値以上か否かを判定する(S04)。即ち、ECU53は、セル内湿度が用意された湿度規定値以上か否かを判定する。このとき、セル内湿度が湿度規定値以上であれば(S04:Yes)、処理をステップS05に進め、そうでなければ(S04:No)、処理を停止する。
ステップS05では、ECU53は、燃料電池30に供給される加湿ガスの湿度を低下させ、セル内湿度を用意された湿度規定値未満に低下させ、この処理を終了する。
図8に示す処理は、図7に示す処理とステップ04までは同一であり、セル内湿度が湿度規定値以上であれば(S04:Yes)、処理をステップS06に進める。ステップ06では、ECU53は、燃料電池30に供給されるセル冷却水の温度を高くし、セル温度を高めることにより、セル内湿度を用意された湿度規定値未満に低下させ、この処理を終了する。
以上の処理によって、電解質膜に到達する金属イオンの量が抑制され、電解質膜の劣化を抑制し、燃料電池の性能低下を抑制することができる。
10 単セル
11 電解質膜
12 触媒層
13 ガス拡散層
14 膜電極接合体
15 セパレータ
16 ターミナルプレート
17 エンドプレート
18 ボルト
19 テンションシャフト
20 燃料電池
21 セルスタック
30 燃料電池
31 燃料供給装置
32 配管
33 冷却器
34 配管
35 気液分離器
36 配管
37 循環ポンプ
38 配管
39 逆止弁
40 配管
41 酸化剤供給装置
42 配管
43 冷却器
44 配管
45 気液分離器
46 配管
47 循環ポンプ
48 配管
49 逆止弁
50 配管
51 金属イオン検知センサ
52 金属イオン検知センサ
53 ECU
54 セルスタック内湿度センサ

Claims (2)

  1. 膜電極接合体をステンレス鋼製セパレータによって挟持した単セルを複数積層してなるセルスタックを備える燃料電池、並びに
    制御部
    を備えた燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記燃料電池から排出された生成水中の金属イオンの濃度が規定値以上か否かを判定し、前記金属イオンの濃度が規定値以上である場合、前記セルスタック内の湿度を検出し、前記湿度が規定値以上である場合、前記セルスタック内の湿度を規定値未満に低下させる、燃料電池システム。
  2. 前記金属イオンが鉄イオンである、請求項1記載の燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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