JP2020125057A - 車両の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置 - Google Patents

車両の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020125057A
JP2020125057A JP2019019278A JP2019019278A JP2020125057A JP 2020125057 A JP2020125057 A JP 2020125057A JP 2019019278 A JP2019019278 A JP 2019019278A JP 2019019278 A JP2019019278 A JP 2019019278A JP 2020125057 A JP2020125057 A JP 2020125057A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
load control
wheel load
drive torque
vehicle body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019019278A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7222259B2 (ja
Inventor
裕樹 塩澤
Yuki Shiozawa
裕樹 塩澤
宮下 直樹
Naoki Miyashita
直樹 宮下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2019019278A priority Critical patent/JP7222259B2/ja
Publication of JP2020125057A publication Critical patent/JP2020125057A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7222259B2 publication Critical patent/JP7222259B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Landscapes

  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Abstract

【課題】車両姿勢が変化するシーンにおいて、操舵周波数が低周波数から高周波数までの広範囲の周波数領域にて良好な旋回挙動を実現すること。【解決手段】所定情報に基づいてモータ(63)からの駆動トルクを補正し、加減速による輪荷重制御を行う輪荷重制御ユニット(7)を備える。輪荷重制御ユニット(7)による電気自動車A1の輪荷重制御方法を、以下の手順としている。ドライバ要求駆動トルクTrq(D)を取得する。車体中心線と車両進行方向とがなす車体スリップ角βの変化速度である車体スリップ角速度β’の情報を取得する。車体スリップ角速度β’に応じてドライバ要求駆動トルクTrq(D)を補正した補正駆動トルクTrq(c)を算出する。補正駆動トルクTrq(c)を得る輪荷重制御指令をモータ(63)へ出力する。【選択図】図2

Description

本開示は、加減速によって前後輪の輪荷重制御を行う車両の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置に関する。
特許文献1には、車輌の目標前後力、目標横力、目標ヨーモーメントが演算され、操舵制御手段及び制駆動力制御手段の制御応答周波数特性が各車輪毎に演算され、特性の逆数に比例する重みが演算され、重みを使用する評価関数を用いた配分制御により各車輪の目標スリップ率及び目標スリップ角が演算される。この目標スリップ率及び目標スリップ角が達成されるよう各車輪の舵角、制動圧、エンジンの出力トルクが制御される、車輛の走行制御装置が開示されている。
特許文献2には、旋回運動を行うための操舵手段、駆動輪を駆動するエンジンの出力を変化させるアクセル手段、及び、車輪の制動力を変化させるブレーキ手段のうち少なくとも一つの手段を操作するためのアクチュエータと、アクチュエータを制御するコントローラと、車両に生じる加速度及び加加速度を検出する運動状態検出手段と、を備える。コントローラは、運動状態検出手段からの車両の加速度及び加々速度を受けて、車両の加速度をネガティブフィードバックすることにより当該加速度と反対の向きに発生して車両の運動を制御する制御力又はトルクと、車両の加々速度をポジティブフィードバックすることにより当該加々速度と同じ向きに発生して車両の運動を制御する制御力又はトルクとの差分により前記アクチュエータを制御する、制御装置が開示されている。
特開2003−159966号公報 特許第4020129号公報
特許文献1に開示された技術は、目標前後力、目標横力、目標ヨーモーメントになるよう、周波数分離したコントローラで統合制御するものである。即ち、制御手法の説明だけであり、目標がどうあるべきかの記載がない。このため、特定の周波数を狙って車両姿勢を良好なものにすることはできるものの、全体的な旋回特性を揃えることができない。
特許文献2に開示された技術は、操舵時に前輪荷重を高くして操舵応答を上げる制御を行うものである。このため、通常操舵入力より少し遅い操舵周波数に対しては有効だが、効果を発揮する操舵周波数が低周波数域に限られる。
本開示は、上記課題に着目してなされたもので、車両姿勢が変化するシーンにおいて、操舵周波数が低周波数から高周波数までの広範囲の周波数領域にて良好な旋回挙動を実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示は、所定情報に基づいて走行用駆動源からの駆動トルクを補正し、加減速による輪荷重制御を行うコントローラを備える。コントローラによる車両の輪荷重制御方法を、以下の手順としている。
ドライバ要求又はシステム要求に応じた要求駆動トルクを取得する。
車体中心線と車両進行方向とがなす車体スリップ角の変化速度である車体スリップ角速度の情報を取得する。
車体スリップ角速度に応じて要求駆動トルクを補正した補正駆動トルクを算出する。
補正駆動トルクを得る輪荷重制御指令を走行用駆動源へ出力する。
このため、車両姿勢が変化するシーンにおいて、操舵周波数が低周波数から高周波数までの広範囲の周波数領域にて良好な旋回挙動を実現することができる。
実施例1の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置が適用された電気自動車のシステム構成を示す全体システム構成図である。 輪荷重制御ECU及び駆動モータECUにより構成される輪荷重制御ユニットの制御ブロック構成を示す制御ブロック構成図である。 輪荷重制御ECU及び駆動モータECUにより構成される輪荷重制御ユニットによる輪荷重制御処理の流れを示すフローチャートである。 4輪車での車体スリップ角及び車体スリップ角速度を示す模式図である。 トルク補正量算出ロジックを示すブロック図である。 駆動トルクを減速側補正したときの前後輪の輪荷重移動作用を示す輪荷重移動作用説明図である。 駆動トルクを加速側補正したときの前後輪の輪荷重移動作用を示す輪荷重移動作用説明図である。 実施例1の電気自動車とコンベンショナル電気自動車でのヨーレイトゲイン周波数応答特性とヨーレイト位相遅れ周波数応答特性との対比を示す対比特性図である。 実施例2の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置が適用された自動運転車両のシステム構成を示す全体システム構成図である。 自動運転コントローラと車両運動コントローラの制御ブロック構成を示すブロック構成図である。
以下、本開示による車両の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
実施例1における輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置は、ドライバ操作によるマニュアル運転走行する電気自動車(車両の一例)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「輪荷重制御ユニットの制御ブロック構成」、「輪荷重制御処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置が適用された電気自動車A1のシステム構成を示す。図1に基づいて全体システム構成を説明する。
電気自動車A1は、図1に示すように、駆動輪として左前輪61Lと右前輪61Rを備え、従動輪として左後輪62Lと右後輪62Rを備える前輪駆動車である。駆動輪である左前輪61Lと右前輪61Rへは、モータ63(走行用駆動源)及び変速機64からの駆動トルクが左ドライブシャフト65Lと右ドライブシャフト65Rを経由してそれぞれ入力される。
電気自動車A1の左前輪61Lと右前輪61Rは、図1に示すように、駆動輪であると共にドライバ操作に伴ってタイヤが転舵する転舵輪でもある。左前輪61Lと右前輪61Rへは、ドライバからステアリングホイール66へ操舵入力があると、ステアリング機構67を介して左右前輪61L,61Rへ転舵トルクが入力される。
モータ63を駆動制御するコントローラとしては、図1に示すように、輪荷重制御ECU71と、駆動モータECU72と、を備えている。なお、輪荷重制御ECU71及び駆動モータECU72によって輪荷重制御ユニット7が構成され、輪荷重制御ECU71と駆動モータECU72は、情報交換が可能な双方向通信線73により接続されている。
輪荷重制御ECU71は、RL車輪速センサ74、RR車輪速センサ75、ヨーレイトセンサ76、横加速度センサ77、等から検出された情報を入力し、センサ入力情報に基づき車体スリップ角速度を算出する。そして、駆動モータECU72から取得されるドライバ要求駆動トルクに、車体スリップ角速度に基づいて算出されるトルク補正量を加算して輪荷重制御での補正駆動トルクを算出する。
ここで、RL車輪速センサ74は、左後輪車輪速Vrlを検出する。RR車輪速センサ75は、右後輪車輪速Vrrを検出する。ヨーレイトセンサ76は、車両の重心点を通る鉛直軸周りの回転角速度であるヨーレイトγを検出する。横加速度センサ77は、車両が旋回するときに車両前後方向の垂直な面に直角方向の加速度である横方向加速度Gyを検出する。なお、実施例1では、左後輪車輪速Vrlと右後輪車輪速Vrrの平均値による車輪速度Vを、「車体速V」と「車速VSP」の情報として用いている。
駆動モータECU72は、RL車輪速センサ74、RR車輪速センサ75、アクセル操作量センサ78、等から検出された情報を入力し、センサ入力情報に基づきドライバ要求駆動トルクを算出する。そして、ドライバ要求駆動トルクと輪荷重制御ECU71から取得した補正駆動トルクとのうち何れかを選択し、駆動トルク制御指令としてインバータ79へ出力する。
ここで、アクセル操作量センサ78は、ドライバによるアクセルペダルの踏み込み操作量をあらわすアクセル操作量APOを検出する。インバータ79は、駆動モータECU72から駆動トルク制御指令を入力すると、バッテリ80からの直流をモータ63への三相交流に変換し、制御指令に応じてモータ駆動トルクを出力する制御を行う。
[輪荷重制御ユニットの制御ブロック構成]
図2は、輪荷重制御ECU71及び駆動モータECU72により構成される輪荷重制御ユニット7(コントローラ)の制御ブロック構成を示す。以下、図2に基づいて輪荷重制御ユニット7の制御ブロック構成を説明する。
輪荷重制御ECU71は、図2に示すように、第1車体速条件判断部711と、車体スリップ角速度算出部712と、トルク補正量算出部713と、第2車体速条件判断部714と、補正駆動トルク算出部715と、を備えている。
第1車体速条件判断部711は、車体速Vを入力し、車体速Vが第1車体速設定値VThresh1を超えているか否かを判断する。V>VThresh1と判断された場合は、車体スリップ角速度算出部712へと進む。V≦VThresh1と判断された場合は、駆動トルクとしてドライバ要求駆動トルクを選択する輪荷重制御非作動フラグを駆動トルク選択部722へ出力する。
車体スリップ角速度算出部712(車体スリップ角速度情報取得部)は、車両のステアリングの操舵角より、車体中心線と車両進行方向とがなす車体スリップ角の変化速度である車体スリップ角速度β’の情報を推定算出する。例えば、車両のステアリングの操舵角より、目標スリップ角度を算出する規範モデルを有するシステムにおいて、目標スリップ角度を制御することにより車両の姿勢を制御する。この目標スリップ角度の変化速度、もしくは偏差を車体スリップ角速度β’の情報として取得する。尚、車両の走行を支援する走行支援装置を有する車両、自動運転を実行する車両において、車両が走行する軌跡を算出し、その軌跡に沿うように制御するシステムにおいては、ステアリングの操舵角の代わり、もしくはステアリング操舵角の推定のために、システムが算出した軌跡や、軌跡の曲率を用いてもよい。システムが算出した軌跡や、軌跡の曲率より、車体スリップ角速度β’の情報を推定算出するようにしてもよい。加えて、車輪速度Vとヨーレイトγと横加速度Gyを入力し、車体中心線と車両進行方向とがなす車体スリップ角の変化速度である車体スリップ角速度β’の情報を推定算出により取得するようにしてもよい。
トルク補正量算出部713は、車体スリップ角速度算出部712からの車体スリップ角速度β’を入力し、車体スリップ角速度β’に応じてドライバ要求駆動トルクTrq(D)の補正分に正負の補正符号を付してトルク補正量Trq(add)を算出する。
第2車体速条件判断部714は、車体速Vを入力し、車体速Vが第2車体速設定値VThresh2(>VThresh1)を超えているか否かを判断する。V>VThresh2と判断された場合は、補正駆動トルク算出部715へと進む。V≦VThresh2と判断された場合は、駆動トルクとしてドライバ要求駆動トルクを選択する輪荷重制御非作動フラグを駆動トルク選択部722へ出力する。
補正駆動トルク算出部715は、トルク補正量算出部713にて算出されたトルク補正量Trq(add)と、ドライバ要求駆動トルク算出部721にて算出されたドライバ要求駆動トルクTrq(D)とを入力する。そして、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)にトルク補正量Trq(add)を加算して補正駆動トルクTrq(c)を算出する。
駆動モータECU72は、図2に示すように、ドライバ要求駆動トルク算出部721(要求駆動トルク取得部)と、駆動トルク選択部722と、制御出力部723と、を備えている。
ドライバ要求駆動トルク算出部721は、アクセル操作量APOと車速VSPを入力し、ドライバによるアクセル操作量APOと車速VSPに応じたドライバ要求駆動トルクTrq(D)の情報を算出することで取得する。ここで、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)の情報は、例えば、アクセル操作量APOと車速Vをパラメータとして予め設定された駆動トルクマップを用い、駆動トルクマップの検索により取得しても良い。また、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)の情報は、第1車体速条件の成立により算出されるトルク補正量Trq(add)とは異なり常時算出される。
駆動トルク選択部722は、補正駆動トルク算出部715からの補正駆動トルクTrq(c)と、ドライバ要求駆動トルク算出部721からのドライバ要求駆動トルクTrq(D)と、を入力する。そして、第1車体速条件判断部711又は第2車体速条件判断部714から輪荷重制御非作動フラグが入力されているときは、駆動トルクとしてドライバ要求駆動トルクTrq(D)を選択する。一方、第1車体速条件判断部711又は第2車体速条件判断部714から輪荷重制御非作動フラグの入力が無いとき、つまり、車体速Vが第2車体速設定値VThresh2を超えているシーンでは、駆動トルクとして補正駆動トルクTrq(c)を選択する。
制御出力部723は、駆動トルク選択部722にてドライバ要求駆動トルクTrq(D)が選択された場合、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)を得る駆動制御指令をインバータ79へ出力する。一方、駆動トルク選択部722にて補正駆動トルクTrq(c)が選択された場合、補正駆動トルクTrq(c)を得る輪荷重制御指令をインバータ79へ出力する。
[輪荷重制御処理構成]
図3は、輪荷重制御ECU71及び駆動モータECU72により構成される輪荷重制御ユニット7(コントローラ)による輪荷重制御処理の流れを示す。以下、輪荷重制御処理構成をあらわす図3の各ステップについて説明する。
ステップS1では、スタートに続き、車輪速度Vを検出する。ステップS2では、ヨーレイトγを検出する。ステップS3では、横加速度Gyを検出する。ステップS4では、アクセル操作量APOを検出する。
ステップS5では、ステップS4でのアクセル操作量APOの検出に続き、アクセル操作量APOと車速VSPに応じたドライバ要求駆動トルクTrq(D)を算出し、ステップS6へ進む。
ステップS6では、ステップS5でのドライバ要求駆動トルクTrq(D)の算出に続き、そのときの車体速Vが予め設定されている第1車体速設定値VThresh1を超えているか否かを判断する。YES(VThresh1<V)の場合はステップS7へ進み、NO(VThresh1≧V)の場合はステップS11へ進む。
ここで、「第1車体速設定値VThresh1」は、車輪速Vとヨーレイトγと横加速度Gyに基づいて推定算出される車体スリップ角速度β’の誤推定を防止する車体速下限値に設定される。つまり、車体スリップ角速度β’を推定算出により取得する場合、車体速Vが第1車体速設定値VThresh1を超えていることを車体速条件とする。言い換えると、車体速Vが第1車体速設定値VThresh1以下である低車速域においては、車体スリップ角速度β’の推定算出を行わない。
ステップS7では、ステップS6でのVThresh1<Vであるとの判断に続き、VThresh1<Vのとき、車輪速度Vとヨーレイトγと横加速度Gyから車体スリップ角速度β’を推定算出し、ステップS8へ進む。
ここで、車体スリップ角速度β’は、例えば、
(車体スリップ角速度β’)=(ヨーレイトγ)−(横加速度Gy)/(車輪速度V)
の式を用いて推定算出される。なお、車体スリップ角速度β’の推定手法としては、上記周知の式を用いて算出する以外に、様々な手法を用いて推定することが可能である。
なお、「車体スリップ角β」とは、図4に示すように、車両重心位置を通る車両前後方向の車体中心線と、車両重心位置を起点として引かれる瞬間的な車両進行方向とがなす角度をいう。そして、「車体スリップ角速度β’」とは、車体スリップ角βが増加方向又は減少方向に変化するときの単位時間当たりの車体スリップ角βの変化量である。よって、カーブ路を走行するとき、-車体中心線(β=0)から離れていく方向(図4の矢印B方向)に車体スリップ角βが増加する車両挙動や車体中心線(β=0)へと近づいてくる方向(図4の矢印C方向)に車体スリップ角βが減少する車両挙動を示す。
ステップS8では、ステップS7での車体スリップ角速度β’の算出に続き、車体スリップ角速度β’の絶対値|β’|に応じたトルク補正量Trq(add)を算出し、ステップS9へ進む。
ここで、「トルク補正量Trq(add)」とは、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)の補正分であり、図5に示すトルク補正量算出ロジックを用い、車体スリップ角速度絶対値|β’|に正負の補正符号を付して算出される。
トルク補正量算出ロジックの補正符号判定部は、車体スリップ角速度β’の積分演算により得られる車体スリップ角βと車体スリップ角速度β’を用いて補正符号を判定する。補正符号は、車体スリップ角βがゼロへと近づく方向に変化する場合、トルク補正量Trq(add)の符号を正と判定し、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)を加速側補正にする。一方、補正符号は、車体スリップ角βがゼロから離れる方向に変化する場合、トルク補正量Trq(add)の符号を負と判定し、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)を減速側補正にする。
なお、トルク補正量Trq(add)は、Trq(add)=K×|β’|の式を用い、車体スリップ角速度β’の絶対値|β’|の大きさと係数Kを掛け合わせ、絶対値|β’|の大きさに比例した値を算出する。なお、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)の補正によって発生する前後Gを、車両乗員が知覚しない程度までに抑える前後G制限値(例えば、±0.01G程度)を設定しておく。そして、トルク補正量Trq(add)は、前後G制限値になる上限補正量を超えた場合、上限補正量により制限した値を算出する。
ステップS9では、ステップS8でのトルク補正量Trq(add)の算出に続き、そのときの車体速Vが予め設定されている第2車体速設定値VThresh2(>VThresh1)を超えているか否かを判断する。YES(VThresh2<V)の場合はステップS10へ進み、NO(VThresh2≧V)の場合はステップS11へ進む。
ここで、「第2車体速設定値VThresh2」は、トルク補正量Trq(add)がバラツキなく安定した値になる車体速下限値に設定される。つまり、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)にトルク補正量Trq(add)を加算する輪荷重制御を開始する場合、車体速Vが第1車体速設定値VThresh1より高い第2車体速設定値VThresh2を超えていることを車体速条件とする。言い換えると、車体速Vが第2車体速設定値VThresh2以下である低車速域においては、補正駆動トルクTrq(c)を用いる輪荷重制御を行わない。
ステップS10では、ステップS9でのVThresh2<Vであるとの判断に続き、VThresh2<Vのとき、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)にトルク補正量Trq(add)を加算して補正駆動トルクTrq(c)を算出し、ステップS11へ進む。
ステップS11では、ステップS6又はステップS9でのNOとの判断に続き、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)を得るモータ駆動制御を実行し、エンドへ進む。一方、ステップS10にて補正駆動トルクTrq(c)が算出されると、補正駆動トルクTrq(c)を得るモータ駆動制御を実行し、エンドへ進む。
次に、「背景技術と課題解決対策」を説明する。そして、実施例1の「輪荷重制御作用」を説明する。
[背景技術と課題解決対策]
輪荷重制御を行う背景技術としては、G−ベクタリング・コントロール(以下、「GVC」という。)が知られている。GVCは、ドライバのハンドル操作に対してタイヤのパフォーマンスを最大限生かすために、ドライバ操作によるハンドル操舵角に着目し、ハンドル操舵角を入力情報とし、エンジンの駆動トルクの減少や増加による輪荷重制御を行う技術である。
例えば、ドライバがハンドルを切り始めた瞬間、エンジンの駆動トルクを減少制御して減速Gを発生し、前輪への荷重移動を行う。これによって前輪のタイヤグリップを増加させ、車両の応答性を向上させる。その後、ドライバがハンドルを一定舵角で保持したときには、瞬時にエンジンの駆動トルクを復元して後輪への荷重移動を行い、車両の安定性を向上させる。この一連の荷重移動によって、前後輪タイヤのグリップをより引き出し、ドライバの意図に応じて車両の応答性や安定性を高めるようにしている。
しかし、GVCは、ハンドル操舵角(=ドライバのステアリング操作)を輪荷重制御に反映させたもので、通常操舵入力より少し遅い操舵入力による低周波数域に対しては有効である。しかし、ハンドル操舵角を入力情報としているため、通常操舵入力以上の速い操舵入力による高周波数域については有効性に乏しい。つまり、GVCの場合、ヨーレイト周波数応答特性において、高周波数域になるとヨーレイトゲインが低下するし、高周波数域になるとヨーレイト位相に遅れが発生するというように、効果が得られる操舵周波数範囲が特定の低周波数域に限られる、という課題があった。
このような背景技術に対し、車両姿勢が変化するシーンにおいて、特定の低周波数域でのみ車両の応答性や安定性を高めるのではなく、高周波数域までの全体的な操舵周波数特性を揃えることで扱いやすさを提供したい。また、旋回Gの変化ではわからない姿勢コントロールをしたい、という要求がある。
そこで、本発明者は、車両姿勢が変化するシーンにおいて、より早く車両姿勢を安定化させることが重要であることから、操舵や旋回Gに応じた制御ではなく、車体スリップ角速度β’(車両挙動)に着目した。そして、車体スリップ角速度β’を入力情報とする輪荷重制御を実現した。即ち、取得した車体スリップ角速度β’に応じてドライバ要求駆動トルクTrq(D)を補正した補正駆動トルクTrq(c)を算出する。そして、補正駆動トルクTrq(c)を得る輪荷重制御指令をモータ63へ出力することで輪荷重を制御する方法を採用した。
この輪荷重制御のメカニズムは、
・ 定常の旋回特性は主にリアタイヤ、過渡の特性はフロントタイヤの性能に起因する。
・ 旋回の過渡/定常は、車体スリップ角速度β’の変化を見ることで判断できる。
・ 輪荷重を増やすことで、タイヤの出すグリップ力を確保できる。
という点にある。
上記メカニズムに基づき、ステアリング操作ではなく車両挙動(=車体スリップ角β)から定常/過渡の切り分けとその程度を識別し、輪荷重移動によりタイヤグリップ特性の前後バランスを変化させる。
よって、車体スリップ角速度β’を入力情報とし、車体スリップ角速度β’(=車両挙動)を反映させた輪荷重制御にすることで、車両挙動が大きく変化する前に輪荷重制御を実行することができるようになる(過渡期制御)。つまり、高周波成分の車両の挙動変化(=車体スリップ角速度β’)に対応した制御を実行することができるようになる。これにより、車両の挙動が大きく変化する前に適切な輪荷重制御を実行することができる。このように、車両挙動の安定化を狙うことにより、電気自動車A1の旋回性能を向上させることができるようになる。
例えば、カーブ路入口側でドライバがハンドル切り込み操作を行うことで車体スリップ角βがゼロから離れる方向に変化する過渡状態になると、その瞬間にモータ63の駆動トルクの減少側補正により減速Gを発生し、左右前輪61L,61Rへの荷重移動を行う。これによって、図6に示すように、左右前輪61L,61Rのタイヤグリップ力が増加し、車体スリップ角速度β’の増大が抑えられ、車両挙動を安定化する応答性を向上させる。
その後、ドライバがハンドルを一定舵角で保持することで車体スリップ角速度β’がゼロへと近づく方向に変化する過渡状態になると、その瞬間にモータ63の駆動トルクの加速側補正により加速Gを発生し、左右後輪62L,62Rへの荷重移動を行う。これによって、図7に示すように、左右後輪62L,62Rのタイヤグリップ力が増加し、車体スリップ角βがゼロへと近づく速度が抑えられ、車両挙動の安定性を向上させる。
そして、車体スリップ角速度β’がゼロになり車体スリップ角βの変化が停止する定常状態になると、その瞬間からトルク補正量Trq(add)もゼロとされ、輪荷重制御が行われない。よって、定常旋回状態のままで安定した車両挙動が保たれる。
次に、カーブ路出口側でドライバがハンドル戻し操作を行うことで車体スリップ角βがゼロから離れる方向に変化する過渡状態になると、その瞬間にモータ63の駆動トルクの減少側補正により減速Gを発生し、左右前輪61L,61Rへの荷重移動を行う。これによって、図6に示すように、左右前輪61L,61Rのタイヤグリップを増加させて車体スリップ角速度β’の増大を抑え、車両挙動を安定化する応答性を向上させる。
その後、ドライバがハンドルを中立舵角で保持することで車体スリップ角速度β’がゼロへと近づく方向に変化する過渡状態になると、その瞬間にモータ63の駆動トルクの加速側補正により加速Gを発生し、左右後輪62L,62Rへの荷重移動を行う。これによって、図7に示すように、左右後輪62L,62Rのタイヤグリップを増加させて車体スリップ角βがゼロへと近づく速度が抑えられ、車両挙動の安定性を向上させる。
このような一連の輪荷重移動作用によって、旋回シーンにおいて、車両挙動(=車体スリップ角速度β’)が安定化するように前後輪タイヤのグリップ力が引き出され、ドライバにとって運転しやすい旋回特性が実現される。
上記のように、車体スリップ角速度β’を入力情報として輪荷重制御を行うことで、車両姿勢が変化するシーンにおいて、操舵周波数が低周波数から高周波数までの広範囲の周波数領域にて良好な旋回挙動を実現することができる。この広範囲の周波数領域にて良好な旋回挙動を実現することができる点は、図8に示す実施例1の電気自動車A1(実線特性)とコンベンショナル電気自動車(破線特性)でのヨーレイト周波数応答特性の対比から裏付けられる。
つまり、ヨーレイトゲイン周波数応答特性(図8上部)に示すように、破線特性では操舵周波数が2Hzより少し高い周波数にてヨーレイトゲインの共振ピークがあらわれるのに対し、実線特性では、図8の矢印Dに示すように、共振ピークが抑制されている。また、ヨーレイトゲイン周波数応答特性(図8上部)に示すように、破線特性では共振ピークの操舵周波数よりも高周波数領域にてヨーレイトゲインが急勾配により低下するのに対し、実線特性では、高周波数領域でのヨーレイトゲインの低下が抑えられている。つまり、図8の矢印Eに示すように、ヨーレイトゲイン周波数応答特性において、高周波応答が改善されている。併せて、実線特性では、ヨーレイトゲイン周波数応答特性(図8上部)の矢印Fにて示すように、低操舵周波数から高操舵周波数までの全周波数領域によるヨーレイトゲイン特性差が低減され、低周波数から高周波数までの全体的な周波数応答特性が揃えられている。
さらに、ヨーレイト位相遅れ周波数応答特性(図8下部)に示すように、破線特性では操舵周波数が高周波数になるほどヨーレイト位相遅れが大きくなるのに対し、実線特性では、ヨーレイト位相遅れが破線特性よりも小さく抑えられている。つまり、図8の矢印Gに示すように、ヨーレイト位相遅れ周波数応答特性において、高周波応答が改善されている。このように、共振ピークの抑制と高周波応答の改善により、低操舵周波数から高操舵周波数までの全周波数領域、言い換えると、左右前輪61L,61Rのタイヤが転舵するときの転舵速度(=操舵周波数)の高低にかかわらず、良好な旋回挙動が実現される。
[輪荷重制御作用]
まず、図3のフローチャートに基づき、輪荷重制御処理作用を説明すると、車体速Vが第1車体速設定値VThresh1以下であるときは、図3のフローチャートにおいて、S1→S2→S3→S4→S5→S6→S11→エンドへと進む流れが繰り返される。
よって、第1車体速条件が不成立である低車速域での走行時は、S5において、アクセル操作量APOと車速VSPに応じたドライバ要求駆動トルクTrq(D)が算出される。そして、S11では、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)を得るモータ駆動制御が実行される。
また、車体速Vが第1車体速設定値VThresh1を超えているが、第2車体速設定値VThresh2以下であるときは、図3のフローチャートにおいて、S1→S2→S3→S4→S5→S6→S7→S8→S9→S11→エンドへと進む流れが繰り返される。
よって、第1車体速条件が成立であるが、第2車体速条件が不成立である低車速域での走行時は、S5において、アクセル操作量APOと車速VSPに応じたドライバ要求駆動トルクTrq(D)が算出される。そして、S7では、車輪速度Vとヨーレイトγと横加速度Gyから車体スリップ角速度β’が推定算出され、S8では、車体スリップ角速度β’の絶対値|β’|に応じたトルク補正量Trq(add)が算出される。しかし、S11では、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)を得るモータ駆動制御が実行される。
一方、車体速Vが第2車体速設定値VThresh2を超えているときは、図3のフローチャートにおいて、S1→S2→S3→S4→S5→S6→S7→S8→S9→S10→S11→エンドへと進む流れが繰り返される。
よって、第1車体速条件と第2車体速条件が共に成立する車速域での走行時は、S5において、アクセル操作量APOと車速VSPに応じたドライバ要求駆動トルクTrq(D)が算出される。S7では、車輪速度Vとヨーレイトγと横加速度Gyから車体スリップ角速度β’が推定算出され、S8では、車体スリップ角速度β’の絶対値|β’|に応じたトルク補正量Trq(add)が算出される。そして、S10では、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)にトルク補正量Trq(add)を加算して補正駆動トルクTrq(c)が算出される。このため、補正駆動トルクTrq(c)を得るモータ駆動による輪荷重制御が実行される。
このように、輪荷重制御が実行される際、車体スリップ角βがゼロから離れる方向に変化する場合、S8ではトルク補正量Trq(add)の補正符号が負と判定され、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)が減速側補正にされる。よって、カーブ路の入口側で車体スリップ角βがゼロから離れる方向に変化する場合には、輪荷重が左右前輪61L,61R側へ移行する。このため、車体スリップ角βがゼロから離れる車両姿勢となる旋回シーンにおいて、車体スリップ角βがゼロから離れる方向の変化が素早い応答速度により抑えられ、車両姿勢を安定化に向かわせる応答性向上が達成される。
一方、車体スリップ角βがゼロへと近づく方向に変化する場合、S8ではトルク補正量Trq(add)の補正符号が正と判定され、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)が加速側補正にされる。よって、カーブ路の出口側で車体スリップ角βがゼロへと近づく方向に変化する場合には、輪荷重が左右後輪62L,62R側へ移行する。このため、車体スリップ角βがゼロへと近づく車両姿勢となる旋回シーンにおいて、車体スリップ角βがゼロに向かう応答速度が遅くなり、車両姿勢のさらなる安定性向上が達成される。
輪荷重制御が実行される際、トルク補正量Trq(add)は、車体スリップ角速度β’の絶対値|β’|の大きさに比例した値により算出される。よって、トルク補正量Trq(add)に比例する輪荷重制御による輪荷重の移動量が、車体スリップ角速度絶対値|β’|の大きさによりあわらわされる車両挙動の変化速度に応じたものになる。このため、輪荷重制御でのトルク補正量Trq(add)の過不足が抑えられ、適切なトルク補正量Trq(add)により輪荷重制御が実行されることで、旋回状態の変化に合わせて旋回性能が向上される。
輪荷重制御が実行される際、トルク補正量Trq(add)は、前後G制限値になる上限補正量を超えた場合、上限補正量により制限した値とされる。このとき、前後G制限値を、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)の補正によって発生する前後Gを、車両乗員が知覚しない程度までに抑える設定としておく。このため、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)に対するトルク補正量Trq(add)の加算又は減算により輪荷重制御が実行されても、ドライバや同乗者に与える違和感を抑制した上で旋回性能を向上させることができる。
実施例1では、車体スリップ角速度β’の情報を推定算出により取得する場合、車体速Vが第1車体速設定値VThresh1を超えていることを車体速条件とする。そして、ドライバ要求駆動トルクTrq(D)にトルク補正量Trq(add)を加算する輪荷重制御を開始する場合、車体速Vが第1車体速設定値VThresh1より高い第2車体速設定値VThresh2を超えていることを車体速条件とする。よって、車体スリップ角速度β’の推定精度が低い車速域では車体スリップ角速度β’の算出が停止され、トルク補正量Trq(add)が安定しない車速域では輪荷重制御が停止される。このため、車体スリップ角速度β’の情報が精度良く取得されるし、トルク補正量Trq(add)を加算する輪荷重制御が適切に実行される。
実施例1では、車両が、ドライバ操作により運転走行する電気自動車A1であり、要求駆動トルクは、ドライバによるアクセル操作量APOと車速VSPに応じたドライバ要求駆動トルクTrq(D)である。よって、ドライバがハンドル操作をしたとき、より早く定常状態に安定化するよう加減速による輪荷重制御が行われる。このため、カーブ路を走行するシーンにおいて、ドライバにとって運転し易い旋回特性が実現され、ドライバによる修正操舵が少なく抑えられる。
以上説明したように、実施例1の電気自動車A1の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置にあっては、下記に列挙する効果を奏する。
(1) 所定情報に基づいて走行用駆動源(モータ63)からの駆動トルクを補正し、加減速による輪荷重制御を行うコントローラ(輪荷重制御ユニット7)による車両(電気自動車A1)の輪荷重制御方法において、
ドライバ要求又はシステム要求に応じた要求駆動トルクの情報を取得し、
車体中心線と車両進行方向とがなす車体スリップ角βの変化速度である車体スリップ角速度β’の情報を取得し、
車体スリップ角速度β’に応じて要求駆動トルク(ドライバ要求駆動トルクTrq(D))を補正して補正駆動トルクTrq(c)を算出し、
補正駆動トルクTrq(c)を得る輪荷重制御指令を走行用駆動源(モータ63)へ出力する(図2)。
このため、車両姿勢が変化するシーンにおいて、操舵周波数が低周波数から高周波数までの広範囲の周波数領域にて良好な旋回挙動を実現する車両(電気自動車A1)の輪荷重制御方法を提供することができる。
(2) 車体スリップ角βが増加する場合は減速側に補正するように補正駆動トルクTrq(c)を算出し、車体スリップ角βが減少する場合は加速側に補正にするように補正駆動トルクTrq(c)を算出する(図2)。
このため、車両姿勢が変化するシーンにおいて、車体スリップ角βの増減に基づいて良好な旋回挙動を実現する補正駆動トルクTrq(c)を算出することができる。
(3) 車体スリップ角速度β’に応じて要求駆動トルク(ドライバ要求駆動トルクTrq(D))の補正分に正負の補正符号を付してトルク補正量Trq(add)を算出し、要求駆動トルク(ドライバ要求駆動トルクTrq(D))にトルク補正量Trq(add)を加算して補正駆動トルクTrq(c)を算出する(図2)。
このため、車両姿勢が変化するシーンにおいて、ベースとなる要求駆動トルク(ドライバ要求駆動トルクTrq(D))に、正負の補正符号を付したトルク補正量Trq(add)を加算することで補正駆動トルクTrq(c)を算出することができる。
(4) 補正符号は、車体スリップ角βがゼロから離れる方向に変化する場合、トルク補正量Trq(add)の符号を負と判定し、要求駆動トルク(ドライバ要求駆動トルクTrq(D))を減速側補正にする(図4、6)。
このため、車体スリップ角βがゼロから離れる車両姿勢となる旋回シーンにおいて、車体スリップ角βがゼロから離れる方向の変化が素早い応答速度により抑えられ、車両姿勢を安定化に向かわせる応答性向上を達成することができる。
(5) 補正符号は、車体スリップ角βがゼロへと近づく方向に変化する場合、トルク補正量Trq(add)の符号を正と判定し、要求駆動トルク(ドライバ要求駆動トルクTrq(D))を加速側補正にする(図4、7)。
このため、車体スリップ角βがゼロへと近づく車両姿勢となる旋回シーンにおいて、車体スリップ角βがゼロに向かう応答速度が遅くなり、車両姿勢のさらなる安定性向上を達成することができる。
(6) 要求駆動トルク(ドライバ要求駆動トルクTrq(D))のトルク補正量Trq(add)は、車体スリップ角速度β’の絶対値|β’|の大きさに比例した値により算出する(図5)。
このため、輪荷重制御でのトルク補正量Trq(add)の過不足が抑えられ、適切なトルク補正量Trq(add)により輪荷重制御が実行されることで、旋回状態の変化に合わせて旋回性能を向上させることができる。
(7) 要求駆動トルク(ドライバ要求駆動トルクTrq(D))の補正によって発生する前後Gを、車両乗員が知覚しない程度までに抑える前後G制限値を設定し、
要求駆動トルク(ドライバ要求駆動トルクTrq(D))のトルク補正量Trq(add)は、前後G制限値になる上限補正量を超えた場合、上限補正量により制限した値とする(図5)。
このため、要求駆動トルク(ドライバ要求駆動トルクTrq(D))に対するトルク補正量Trq(add)の加算又は減算により輪荷重制御が実行されても、ドライバや同乗者に与える違和感を抑制した上で旋回性能を向上させることができる。
(8) 車体スリップ角速度β’の情報を推定算出により取得する場合、車体速Vが第1車体速設定値VThresh1を超えていることを車体速条件とし、
要求駆動トルク(ドライバ要求駆動トルクTrq(D))にトルク補正量Trq(add)を加算する輪荷重制御を開始する場合、車体速Vが第1車体速設定値VThresh1より高い第2車体速設定値VThresh2を超えていることを車体速条件とする(図3)。
このため、車体スリップ角速度β’の情報が精度良く取得することができるし、トルク補正量Trq(add)を加算する輪荷重制御を適切に実行することができる。
(9) 車両は、ドライバ操作により運転走行するマニュアル運転車両(電気自動車A1)であり、
要求駆動トルクは、ドライバによるアクセル操作量APOと車速VSPに応じたドライバ要求駆動トルクTrq(D)である(図1)。
このため、カーブ路を走行するシーンにおいて、ドライバにとって運転し易い旋回特性が実現され、ドライバによる修正操舵を少なく抑えることができる。
(10) 所定情報に基づいて走行用駆動源(モータ63)からの駆動トルクを補正し、加減速による輪荷重制御を行うコントローラ(輪荷重制御ユニット7)を備える車両(電気自動車A1)の輪荷重制御装置において、
コントローラ(輪荷重制御ユニット7)は、
ドライバ要求又はシステム要求に応じた要求駆動トルクの情報を取得する要求駆動トルク取得部(ドライバ要求駆動トルク算出部721)と、
車体中心線と車両進行方向とがなす車体スリップ角βの変化速度である車体スリップ角速度β’の情報を取得する車体スリップ角速度情報取得部(車体スリップ角速度算出部712)と、
車体スリップ角速度β’に応じて要求駆動トルク(ドライバ要求駆動トルクTrq(D))を補正して補正駆動トルクTrq(c)を算出する補正駆動トルク算出部715と、
補正駆動トルクTrq(c)を得る輪荷重制御指令を走行用駆動源(モータ63)へ出力する制御出力部723と、
を有する(図2)。
このため、車両姿勢が変化するシーンにおいて、操舵周波数が低周波数から高周波数までの広範囲の周波数領域にて良好な旋回挙動を実現する車両(電気自動車A1)の輪荷重制御装置を提供することができる。
実施例2は、本発明の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置を、自動運転車両に適用した例である。
実施例2における輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置は、自動運転モードを選択すると目標軌跡が生成され、生成された目標軌跡に沿って走行するように速度及び舵角による車両運動が制御される自動運転車両(車両の一例)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「自動運転コントローラの制御ブロック構成」、「車両運動コントローラの制御ブロック構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図9は、実施例2の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置が適用された自動運転車両A2のシステム構成を示す。図9に基づいて全体システム構成を説明する。
自動運転車両A2は、図9に示すように、車載センサ1と、ナビゲーション装置2と、車載制御ユニット3と、アクチュエータ4と、HMIモジュール5と、を備えている。
車載センサ1は、自車周辺の物体や道路形状等の周辺環境、自車の状態等を認識するために自車に搭載された各種のセンサである。この車載センサ1は、外部センサ11、GPS受信機12、内部センサ13を有する。なお、車載センサ1では、複数の異なるセンサを用いて必要な情報を取得するセンサフュージョンを行ってもよい。
外部センサ11は、自車周辺の環境情報を検出する検出機器である。この外部センサ11は、カメラ、レーダー(Radar)、ライダー(LIDER:Laser Imaging Detection and Rangin)等から構成される。なお、カメラ、レーダー及びライダーは、必ずしも重複して備える必要はない。
カメラは、画像データを取得するための撮像機器である。このカメラは、例えば、前方認識カメラ、後方認識カメラ、右方認識カメラ、左方認識カメラ等を組み合わせることにより構成され、撮影した画像や映像の解析を人工知能や画像処理用プロセッサを用いてリアルタイムで行う。これにより、カメラでは、自車走行路上物体・車線・自車走行路外物体(道路構造物、先行車、後続車、対向車、周囲車両、歩行者、自転車、二輪車)・自車走行路(道路白線、道路境界、停止線、横断歩道)・道路標識(制限速度)等を検知できる。なお、単眼カメラでは一般的に対象物までの距離の計測はできないが、複眼カメラを用いて異なる視点から同時に撮影を行うことによって、対象物までの距離を計測することも可能となる。
レーダーは、反射信号を利用して距離データを取得する装置である。ここで、「レーダー」とは、電波を用いたレーダーと、超音波を用いたソナーと、を含む総称であり、例えば、レーザーレーダー、ミリ波レーダー、超音波レーダー、レーザーレンジファインダー等を用いることができる。また、ライダーは、光を利用して距離データを取得する装置である。
レーダーやライダーは、自車の周囲に電波等の信号や光を送信し、対象物で反射された電波等の信号や光を受信することで、反射点である対象物までの距離や方向を検出する。これにより、レーダーやライダーでは、自車走行路上物体・自車走行路外物体(道路構造物、先行車、後続車、対向車、周囲車両、歩行者、自転車、二輪車)等の位置を検知できると共に、各物体までの距離を検知できる。
GPS受信機12は、3個以上のGPS衛星から信号を受信して、自車の位置を示す位置データを取得するための装置である。このGPS受信機12は、GNSSアンテナ12aを有し、自車位置の緯度及び経度を検出する。
なお、「GNSS」は「Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム」の略称であり、「GPS」は「Global Positioning System:グローバル・ポジショニング・システム」の略称である。また、GPS受信機12による信号受信が不良のときには、内部センサ13やオドメーター(車両移動量計測装置)を利用してGPS受信機12の機能を補完してもよい。
内部センサ13は、自車の速度・加速度・姿勢データ等の自車情報を検出する検出機器である。この内部センサ13は、例えば、、6軸慣性センサ(IMU:Inertial Measurement Unit)を有し、自車の移動方向、向き、回転を検出することができる。さらに、内部センサ13の検出結果に基づいて移動距離や移動速度などを算出できる。6軸慣性センサは、前後、左右、上下の三方向の加速度を検出できる加速度センサと、この三方向の回転の速さを検出できるジャイロセンサを組み合わせることで実現される。なお、内部センサ13には、車輪速センサやヨーレイトセンサやアクセル操作量センサ、等の必要なセンサを含むことができる。
さらに、この車載センサ1では、不図示の外部データ通信器との間で無線通信を行うことで、必要な情報を外部から取得してもよい。即ち、外部データ通信器が、例えば、他車に搭載されたデータ通信器の場合、自車と他車の間で車車間通信を行う。この車車間通信により、他車が保有する様々な情報から必要な情報を取得することができる。また、外部データ通信器が、例えば、インフラ設備に設けられたデータ通信器の場合、自車とインフラ設備の間でインフラ通信を行う。このインフラ通信により、インフラ設備が保有する様々な情報から必要な情報を取得することができる。この結果、例えば、自動運転コントローラ31が有する地図データでは不足する情報や変更された情報がある場合に必要な地図データを補うことができる。また、自車が走行を予定している経路上での渋滞情報や走行規制情報等の交通情報を取得することもできる。
ナビゲーション装置2は、地図データや施設情報のデータを内蔵し、目的地までの経路を案内する装置である。このナビゲーション装置2では、目的地が入力されると、自車の現在地(或いは任意に設定された出発地)から目的地までの案内経路が生成される。生成された案内経路の情報は、地図データと合成されてHMIモジュール5のディスプレイパネルに表示される。尚、目的地は、車両の乗員が車内で設定したものを用いてもよく、もしくはユーザーの端末(例えば、携帯電話、スマートフォン)によりユーザーが設定した目的地を、無線通信を介して車両で受信し、受信した目的地を用いてもよい。また案内経路は、車両に備わるコントローラを用いたナビゲーション装置によりで算出してもよく、もしくは車外のコントローラを用いたナビゲーション装置により算出するようにしてもよい。
車載制御ユニット3は、CPUやメモリを備えており、車載センサ1によって検出された各種の検出情報や、ナビゲーション装置2によって生成された案内経路情報、必要に応じて適宜入力されるドライバ入力情報を統合処理する。そして、この車載制御ユニット3は、階層処理により車両運動を制御するコントローラである。なお、「階層処理」とは、入力情報に対して複数の処理を順に(階層的に)実行して最終的な出力情報を演算することであり、上位階層の処理にて出力された出力値(演算値)が下位階層の処理での入力値となる関係になる。
この車載制御ユニット3は、車両運動を制御するための制御指令値を演算する自動運転コントローラ31と、車両運動コントローラ32と、を有している。ここで、第1制御周期(例えば、70msec程度)にて演算を行う自動運転コントローラ31によって上位階層の処理を行い、第1制御周期よりも短い第2制御周期(例えば、10msec程度)にて演算を行う車両運動コントローラ32によって下位階層の処理を行う。
自動運転コントローラ31では、車載センサ1やナビゲーション装置2からの入力情報や高精度地図データ等に基づき、目標車速プロファイルや目標軌跡を多段の階層処理により生成する。ここで、「目標軌跡」とは、自車を自動運転走行させる際の目標となる軌跡であり、例えば、車両が位置する車線の中での走行するための軌跡や、車両周囲の走行可能領域を算出し、走行可能領域の中での走行するための軌跡や、障害物回避のための緊急操舵時の軌跡などを含む。生成された目標車速プロファイル及び目標軌跡の情報は車両運動コントローラ32に出力される。生成された目標軌跡の情報は、高精度地図データと合成されてHMIモジュール5のディスプレイパネルに表示されるようにしてもよい。
車両運動コントローラ32では、目標車速プロファイル及び目標軌跡の情報やドライバによる入力情報(以下、「ドライバ入力」という)に基づいて、自車を走行させるための制御指令値を多段の階層処理により演算する。演算された制御指令値はアクチュエータ4に出力される。なお、車両運動コントローラ32では、ドライバ入力の有無によって走行モードを調停し、調停結果に応じた制御指令値を演算する。例えば、自動運転モードの選択中でドライバ入力が無い場合は、目標軌跡に沿って自車を自動運転走行させる制御指令値を出力する。一方、自動運転走行中にドライバ入力が介入した場合やマニュアル運転モードを選択した場合は、ドライバ入力を目標にして自車を走行させる制御指令値を出力する。
アクチュエータ4は、車両を走行又は停止させるための制御アクチュエータであり、速度制御アクチュエータ41と、操舵制御アクチュエータ42と、を有する。なお、走行とは、車両の加速走行/定速走行/減速走行をいう。
速度制御アクチュエータ41は、車載制御ユニット3から入力された速度制御指令値に基づいて駆動輪へ出力する駆動トルク又は制動トルクを制御する。速度制御アクチュエータ41としては、例えば、エンジン車の場合にエンジンを用い、ハイブリッド車の場合にエンジンとモータ/ジェネレータを用い、電気自動車の場合にモータ/ジェネレータを用いる。また、制動トルクのみを制御するアクチュエータとしては、例えば、油圧ブースタや電動ブースタやブレーキ液圧アクチュエータやブレーキモータアクチュエータ等を用いる。
操舵制御アクチュエータ42は、車載制御ユニット3から入力された操舵制御指令値に基づいて操舵輪の転舵角を制御する。なお、操舵制御アクチュエータ42としては、ステアリングシステムの操舵力伝達系に設けられる操舵モータ等を用いる。
HMIモジュール5は、車両の乗員(ドライバを含む)と車載制御ユニット3との間で情報の出力及び入力をするためのインターフェイスである。HMIモジュール5は、例えば、ステアリング、アクセル、ブレーキ、乗員に画像情報を表示するためのディスプレイパネル、音声出力のためのスピーカ、乗員が入力操作を行うための操作ボタンやタッチパネル等から構成される。
[自動運転コントローラの制御ブロック構成]
自動運転コントローラ31は、図2に示すように、高精度地図データ記憶部311と、自己位置推定部312と、周辺環境認識部313と、走行環境認識部314と、を備えている。そして、目標軌跡を生成する階層処理部として、走行車線演算部316と、動作決定部317と、走行領域設定部318と、目標軌跡生成部319と、を備えている。
高精度地図データ記憶部311は、車外に存在する静止物体の三次元の位置情報(経度、緯度、高さ)が設定された高精度三次元地図データ(以下、「HDマップ」という)が格納された車載メモリである。静止物体には、例えば、横断歩道、停止線、各種標識、分岐点、道路標示、信号機、電柱、建物、看板、車道やレーンの中心線、区画線、路肩線、道路と道路のつながり等さまざまな要素が含まれる。
自己位置推定部312は、入力情報に基づいて自車の現在地(自己位置)を推定する。ここで、自己位置推定部312には、車載センサ1からのセンサ情報と、高精度地図データ記憶部311からのHDマップ情報等が入力される。そして、この自己位置推定部312は、例えば、入力されたセンサ情報とHDマップ情報とをマッチングして自己位置を推定する。自己位置推定部312からは、走行環境認識部314へ自己位置情報が出力される。
周辺環境認識部313は、入力情報と、自車周辺環境の刻々と変化する動的な情報をデータベース化した動的周辺環境情報(ローカルモデル)とに基づき、自車の周辺環境を認識する。ここで、「動的な情報」とは、例えば、交通規制情報、道路工事情報、広域気象情報等を含む準静的データ、例えば、事故情報、渋滞情報、狭域気象情報等を含む準動的データ、例えば、周辺車両情報、歩行者情報、信号情報等を含む動的データである。これらの動的な情報は階層化され、各データの更新頻度を異ならせている。周辺環境認識部313には、車載センサ1からのセンサ情報(自車周辺の環境情報)等が入力される。そして、この周辺環境認識部313は、動的周辺環境情報を用い、入力された自車周辺の環境情報を解析し、周辺環境認識情報を演算する。周辺環境認識部313からは、走行環境認識部314と走行領域設定部318へ周辺環境認識情報が出力される。
走行環境認識部314は、入力情報と、自車走行環境の刻々と変化する動的な情報をデータベース化した動的走行環境情報(ワールドモデル)とに基づき、自車の走行環境を認識する。ここで、「動的走行環境情報(ワールドモデル)」とは、自車の自己位置を中心として「動的周辺環境情報(ローカルモデル)」よりも環境認識領域を拡大して取得される動的な情報をいう。走行環境認識部314には、車載センサ1からのセンサ情報と、ナビゲーション装置2からの案内経路情報と、高精度地図データ記憶部311からのHDマップ情報と、自己位置推定部312からの自己位置情報と、周辺環境認識部313からの周辺環境認識情報等が入力される。そして、この走行環境認識部314は、動的走行環境情報を用い、推定された自車の現在地を基準とした所定範囲のHDマップの上に走行環境認識情報を演算する。走行環境認識部314からは、動作決定部317へ走行環境認識情報が出力される。
走行車線演算部316は、目的地までの案内経路上において、自車が走行すべき走行車線(以下、「目標車線」という)を演算する。ここで、走行車線演算部316には、ナビゲーション装置2からの案内経路情報と、高精度地図データ記憶部311からのHDマップ情報とが入力される。そして、走行車線演算部316は、経路案内情報から判断した目的地の方向やHDマップから目標車線を演算する。走行車線演算部316からは、次の階層の動作決定部317へ目標車線情報が出力される。
動作決定部317は、自車が遭遇する事象の抽出し、それら事象に対する「自車の動作」を決定する。ここで、「自車の動作」とは、発進、停止、加速、減速、右左折等の目標車線に沿って走行するために必要となる自車の動きである。
動作決定部317には、走行環境認識部314からの走行環境認識情報と、走行車線演算部316からの目標車線情報等が入力される。そして、この動作決定部317は、目標車線と自車周辺の走行環境とを照合し、適切な自車の動作を決定する。そして、動作決定部317からは、次の階層の走行領域設定部318へ自車動作決定情報が出力される。
走行領域設定部318は、目標車線に沿って車両を走行させることができる走行可能領域を設定する。ここで、走行領域設定部318には、高精度地図データ記憶部311からのHDマップ情報と、周辺環境認識部313からの周辺環境認識情報と、動作決定部317からの自車動作決定情報等が入力される。そして、この走行領域設定部318は、自車の動作情報と自車の周辺環境情報とを照合し、自車が走行することが可能な領域を設定する。例えば、自車周辺に障害物等の物体が存在するときには、当該物体との接触を回避するような走行可能領域が設定される。走行領域設定部318からは、次の階層の目標軌跡生成部319へ走行可能領域情報が出力される。
目標軌跡生成部319は、設定された走行可能領域内において目標軌跡を生成する。ここで、目標軌跡生成部319には、走行領域設定部318からの走行可能領域情報等が入力される。そして、この目標軌跡生成部319は、現在の自車の位置から任意に設定される目標位置まで、走行可能領域内を走行することを拘束条件とし、幾何学的な手法により目標軌跡を生成する。なお、目標軌跡生成部319は、例えば複合クロソイド曲線を用いて目標軌跡を生成してもよい。また、目標軌跡生成部319は、安全、法令順守、走行効率などの基準を満たした走行が可能な目標軌跡を生成してもよい。目標軌跡生成部319からは、車両運動コントローラ32へ目標軌跡情報が出力される。
ここで、目標軌跡生成部319は、目標軌跡に対する目標車速プロファイルを生成するようにしてもよい。目標車速プロファイルとは、目標軌跡に沿って走行する時の時系列的な目標車速である。これにより、目標軌跡の曲率に合わせて目標車速プロファイルを生成することができる。例えば、曲率が大きいシーンでは、乗員に大きな車両挙動を与えないために目標車速を低く設定し、曲率が小さいシーンでは、曲率が大きいシーンと比較して目標車速プロファイルを高く設定するようにしてもよい。それに対して、先に目標車速プロファイルを算出し、その後、目標車速プロファイルに合わせて目標軌跡を生成するようにしてもよい。例えば、目標車速が高い場合は、曲率が小さくなるように軌跡を生成し、反対に目標車速が低い場合は、曲率が大きくなるように目標軌跡を生成するようにしてもよい。尚、目標車速プロファイルを生成する際、推定される路面の摩擦係数が低いほど車速の変化勾配(加速勾配、減速勾配)を抑えるパラメータとして路面μ値情報を用いるようにしてもよい。
[車両運動コントローラの制御ブロック構成]
車両運動コントローラ32は、図2に示すように、入力情報調停部321と、規範モデル設定部322と、挙動制御部323と、要求駆動トルク算出部324と、輪荷重制御部325と、駆動トルク選択部326と、制御出力部327と、を備えている。
入力情報調停部321は、ドライバ入力の有無によって自動運転コントローラ31からの入力情報に基づいて制御指令値を演算するのか、HMIモジュール5からのドライバ入力を目標にして制御指令値を演算するのかを調停する。ここで、入力情報調停部321には、自動運転モードの選択中でドライバ入力が無い場合は、自動運転コントローラ31からの目標車速プロファイル及び目標軌跡の情報に基づいて設定される目標車速及び目標舵角の情報を規範モデル設定部322へ出力する。一方、自動運転走行中にドライバ入力が介入した場合やマニュアル運転モードを選択した場合は、ドライバ入力に基づいて設定される目標車速及び目標舵角の情報を規範モデル設定部322へ出力する。
規範モデル設定部322は、任意に設定可能な運動方程式で表され、自車を走行させるときに生じる車両運動の規範モデルを設定する。即ち、規範モデル設定部322には、入力情報調停部321からの目標車速及び目標舵角の情報が入力される。そして、この規範モデル設定部322は、入力情報を規範モデルである運動方程式に代入することによって規範モデル値を算出する。ここで、「規範モデル値」とは、例えば、ヨーレイト規範モデルを用いたときの目標ヨーレイトや、横加速度規範モデルを用いたときの目標横加速度、車体スリップ角規範モデルを用いたときの目標車体スリップ角、等をいう。規範モデル設定部322からは、挙動制御部323へ目標ヨーレイト等の規範モデル値の情報が出力される。
挙動制御部323は、規範モデル設定部322から規範モデル値の情報を入力し、自車運動の実値を規範モデル値に収束させ、規範モデルの車両挙動に追従させる車速指令値及び舵角指令値を演算する。例えば、規範モデル値が目標ヨーレイトの場合、自車で発生している実ヨーレイトとの偏差を算出し、この偏差を小さくする車速指令値及び舵角指令値を演算する。このとき、この挙動制御部323では、主にフィードバック制御系によって演算を行う。そして、挙動制御部323からは、要求駆動トルク算出部324へ車速指令値の情報が出力され、制御出力部327へ舵角指令値の情報が出力される。
要求駆動トルク算出部324は、挙動制御部323から車速指令値を入力し、車速指令値を達成する要求駆動トルクを算出する。即ち、自動運転モードの選択中でドライバ入力が無い場合は、目標車速プロファイル及び目標軌跡の情報に基づく車速指令値を達成するシステム要求駆動トルクTrq(S)を算出する。自動運転走行中にドライバ入力が介入した場合やマニュアル運転モードを選択した場合は、ドライバ入力に基づく車速指令値を達成するドライバ要求駆動トルクTrq(D)を算出する。そして、要求駆動トルク算出部324からは、輪荷重制御部325と駆動トルク選択部326に、システム要求駆動トルクTrq(S)又はドライバ要求駆動トルクTrq(D)の情報を出力する。
輪荷重制御部325は、実施例1の輪荷重制御ECU71と同様の機能を持つ制御部である。即ち、車輪速センサやヨーレイトセンサや横加速度センサ等のセンサ入力情報に基づき車体スリップ角速度β’を算出する。この車体スリップ角速度β’に応じてシステム要求駆動トルクTrq(S)又はドライバ要求駆動トルクTrq(D)の補正分に正負の補正符号を付してトルク補正量Trq(add)を算出する。そして、要求駆動トルク算出部324から取得したシステム要求駆動トルクTrq(S)又はドライバ要求駆動トルクTrq(D)に、トルク補正量Trq(add)を加算して補正駆動トルクTrq(c)を算出する。そして、輪荷重制御部325からは、駆動トルク選択部326に補正駆動トルクTrq(c)の情報を出力する。
駆動トルク選択部326は、実施例1の駆動トルク選択部722と同様の機能を持つ制御部である。即ち、輪荷重制御部325からの補正駆動トルクTrq(c)と、要求駆動トルク算出部324からのシステム要求駆動トルクTrq(S)又はドライバ要求駆動トルクTrq(D)と、を入力する。そして、車体速条件判断により輪荷重制御非作動フラグが入力されているときは、駆動トルクとしてシステム要求駆動トルクTrq(S)又はドライバ要求駆動トルクTrq(D)を選択する。一方、車体速条件判断により輪荷重制御非作動フラグの入力が無いとき、つまり、車体速Vが第2車体速設定値VThresh2を超えているシーンでは、駆動トルクとして補正駆動トルクTrq(c)を選択する。
駆動トルク選択部326からは、制御出力部327へ選択された駆動トルク(システム要求駆動トルクTrq(S)又はドライバ要求駆動トルクTrq(D)又は補正駆動トルクTrq(c))を出力する。
制御出力部327は、挙動制御部323から舵角指令値が入力されると、舵角指令値を操舵制御アクチュエータ42へ出力する。また、駆動トルク選択部326にて選択された駆動トルクが入力されると、選択された駆動トルクを得る駆動制御指令を速度制御アクチュエータ41へ出力する。例えば、システム要求駆動トルクTrq(S)又はドライバ要求駆動トルクTrq(D)が選択された場合、システム要求駆動トルクTrq(S)又はドライバ要求駆動トルクTrq(D)を得る駆動制御指令を速度制御アクチュエータ41へ出力する。
しかし、駆動トルク選択部326にて補正駆動トルクTrq(c)が選択された場合、補正駆動トルクTrq(c)を得る輪荷重制御指令を速度制御アクチュエータ41へ出力することで、加減速による輪荷重制御が実行される。
次に、輪荷重制御作用を説明する。実施例2では、車両が、自動運転走行する自動運転車両A2であり、要求駆動トルクは、自動運転システムにて生成された目標軌跡に沿って自動運転走行する際のシステム要求駆動トルクTrq(S)である。
即ち、自動運転走行中の場合、マニュアル運転走行中とは異なり、ドライバがステアリング操作やアクセル操作に関与していないため、自動運転走行中は車両挙動の変化に対するドライバや乗員の感度が、マニュアル運転走行中よりも敏感になる。よって、自動運転走行中の場合、マニュアル運転走行中よりも高い車両挙動安定性が要求される。
これに対し、自動運転走行中、車両姿勢が変化するシーンにおいて、車両挙動がより早く定常状態に安定化するよう加減速による輪荷重制御が行われる。特に、自動運転走行での旋回出口側においてドライバや乗員にとって意図しない頭部の揺り返しが抑制される。このため、カーブ路を走行するシーンにおいて、ドライバや乗員にとって安定した車両挙動による旋回特性が実現され、ドライバや乗員にとって違和感を与えることのない快適な自動運転走行が達成される。なお、他の作用については、実施例1と同様の作用を示すので説明を省略する。
以上説明したように、実施例2の自動運転車両A2の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置にあっては、実施例1の(1)〜(8),(10)の効果に加え、下記の効果を奏する。
(11) 車両は、自動運転走行する自動運転車両A2であり、
要求駆動トルクは、自動運転システムにて生成された目標軌跡に沿って自動運転走行する際のシステム要求駆動トルクTrq(S)である(図10)。
このため、カーブ路を走行するシーンにおいて、ドライバや乗員にとって安定した車両挙動による旋回特性が実現され、ドライバや乗員にとって違和感を与えることのない快適な自動運転走行を達成することができる。
以上、本開示の車両の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置を実施例1及び実施例2に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1,2では、トルク補正量Trq(add)の補正符号を、車体スリップ角βがゼロへと近づく方向に変化する場合に正と判定し、かつ、車体スリップ角βがゼロから離れる方向に変化する場合に負と判定する例を示した。しかし、トルク補正量の補正符号を、車体スリップ角がゼロへと近づく方向に変化する場合にのみ正と判定する例であっても良い。或いは、トルク補正量の補正符号を、車体スリップ角がゼロから離れる方向に変化する場合にのみ負と判定する例であっても良い。
実施例1では、本開示の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置を、ドライバ操作によるマニュアル運転走行する電気自動車A1に適用する例を示した。実施例2では、本開示の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置を、目標軌跡に沿って走行するように速度及び舵角による車両運動が制御される自動運転車両A2に適用する例を示した。しかし、本開示の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置は、マニュアル運転車両や自動運転車両に限らず、自動ブレーキ機能や定速走行制御機能や車線逸脱防止機能等を備える運転支援車両に対しても適用することができる。要するに、加減速により前後輪の輪荷重制御を行うことが可能な車両であれば適用できる。
A1 電気自動車(マニュアル運転車両)
63 モータ(走行用駆動源)
7 輪荷重制御ユニット(コントローラ)
71 輪荷重制御ECU
711 第1車体速条件判断部
712 車体スリップ角速度算出部(車体スリップ角速度情報取得部)
713 トルク補正量算出部
714 第2車体速条件判断部
715 補正駆動トルク算出部
72 駆動モータECU
721 ドライバ要求駆動トルク算出部(要求駆動トルク算出部)
722 駆動トルク選択部
723 制御出力部
A2 自動運転車両
32 車両運動コントローラ(コントローラ)
324 要求駆動トルク算出部
325 輪荷重制御部
326 駆動トルク選択部
327 制御出力部
41 速度制御アクチュエータ

Claims (11)

  1. 所定情報に基づいて走行用駆動源からの駆動トルクを補正し、加減速による輪荷重制御を行うコントローラによる車両の輪荷重制御方法において、
    ドライバ要求又はシステム要求に応じた要求駆動トルクの情報を取得し、
    車体中心線と車両進行方向とがなす車体スリップ角の変化速度である車体スリップ角速度の情報を取得し、
    前記車体スリップ角速度に応じて前記要求駆動トルクを補正した補正駆動トルクを算出し、
    前記補正駆動トルクを得る輪荷重制御指令を前記走行用駆動源へ出力する
    ことを特徴とする車両の輪荷重制御方法。
  2. 請求項1に記載された車両の輪荷重制御方法において、
    前記車体スリップ角が増加する場合は減速側に補正するように前記補正駆動トルクを算出し、前記車体スリップ角が減少する場合は加速側に補正にするように前記補正駆動トルクを算出する
    ことを特徴とする車両の輪荷重制御方法。
  3. 請求項2に記載された車両の輪荷重制御方法において、
    前記車体スリップ角速度に応じて前記要求駆動トルクの補正分に正負の補正符号を付してトルク補正量を算出し、前記要求駆動トルクに前記トルク補正量を加算して前記補正駆動トルクを算出する
    ことを特徴とする車両の輪荷重制御方法。
  4. 請求項3に記載された車両の輪荷重制御方法において、
    前記補正符号は、前記車体スリップ角がゼロから離れる方向に変化する場合、前記トルク補正量の符号を負と判定し、前記要求駆動トルクを減速側補正にする
    ことを特徴とする車両の輪荷重制御方法。
  5. 請求項3又は4に記載された車両の輪荷重制御方法において、
    前記補正符号は、前記車体スリップ角がゼロへと近づく方向に変化する場合、前記トルク補正量の符号を正と判定し、前記要求駆動トルクを加速側補正にする
    ことを特徴とする車両の輪荷重制御方法。
  6. 請求項1から3までの何れか一項に記載された車両の輪荷重制御方法において、
    前記要求駆動トルクのトルク補正量は、前記車体スリップ角速度の絶対値の大きさに比例した値により算出する
    ことを特徴とする車両の輪荷重制御方法。
  7. 請求項6に記載された車両の輪荷重制御方法において、
    前記要求駆動トルクの補正によって発生する前後Gを、車両乗員が知覚しない程度までに抑える前後G制限値を設定し、
    前記要求駆動トルクのトルク補正量は、前記前後G制限値になる上限補正量を超えた場合、前記上限補正量により制限した値とする
    ことを特徴とする車両の輪荷重制御方法。
  8. 請求項1から7までの何れか一項に記載された車両の輪荷重制御方法において、
    前記車体スリップ角速度の情報を推定算出により取得する場合、車体速が第1車体速設定値を超えていることを車体速条件とし、
    前記要求駆動トルクに前記トルク補正量を加算する輪荷重制御を開始する場合、車体速が前記第1車体速設定値より高い第2車体速設定値を超えていることを車体速条件とする
    ことを特徴とする車両の輪荷重制御方法。
  9. 請求項1から8までの何れか一項に記載された車両の輪荷重制御方法において、
    前記車両は、ドライバ操作により運転走行するマニュアル運転車両であり、
    前記要求駆動トルクは、ドライバによるアクセル操作量と車速に応じたドライバ要求駆動トルクである
    ことを特徴とする車両の輪荷重制御方法。
  10. 請求項1から6までの何れか一項に記載された車両の輪荷重制御方法において、
    前記車両は、自動運転走行する自動運転車両であり、
    前記要求駆動トルクは、自動運転システムにて生成された目標軌跡に沿って自動運転走行する際のシステム要求駆動トルクである
    ことを特徴とする車両の輪荷重制御方法。
  11. 所定情報に基づいて走行用駆動源からの駆動トルクを補正し、加減速による輪荷重制御を行うコントローラを備える車両の輪荷重制御装置において、
    前記コントローラは、
    ドライバ要求又はシステム要求に応じた要求駆動トルクの情報を取得する要求駆動トルク取得部と、
    車体中心線と車両進行方向とがなす車体スリップ角の変化速度である車体スリップ角速度の情報を取得する車体スリップ角速度情報取得部と、
    前記車体スリップ角速度に応じて前記要求駆動トルクを補正した補正駆動トルクを算出する補正駆動トルク算出部と、
    前記補正駆動トルクを得る輪荷重制御指令を前記走行用駆動源へ出力する制御出力部と、
    を有することを特徴とする車両の輪荷重制御装置。
JP2019019278A 2019-02-06 2019-02-06 車両の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置 Active JP7222259B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019019278A JP7222259B2 (ja) 2019-02-06 2019-02-06 車両の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019019278A JP7222259B2 (ja) 2019-02-06 2019-02-06 車両の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020125057A true JP2020125057A (ja) 2020-08-20
JP7222259B2 JP7222259B2 (ja) 2023-02-15

Family

ID=72083431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019019278A Active JP7222259B2 (ja) 2019-02-06 2019-02-06 車両の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7222259B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11505184B2 (en) * 2019-11-18 2022-11-22 Hyundai Motor Company Apparatus for assistance avoidance steering, system having the same and method thereof
WO2023234243A1 (ja) * 2022-06-01 2023-12-07 株式会社デンソー 車両制御装置
WO2023234241A1 (ja) * 2022-06-01 2023-12-07 株式会社デンソー 送電装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006315617A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Mitsubishi Motors Corp 車両用操舵制御装置
JP2009275560A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Fuji Heavy Ind Ltd 車両の駆動力制御装置
JP2019006288A (ja) * 2017-06-27 2019-01-17 マツダ株式会社 車両用挙動制御装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006315617A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Mitsubishi Motors Corp 車両用操舵制御装置
JP2009275560A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Fuji Heavy Ind Ltd 車両の駆動力制御装置
JP2019006288A (ja) * 2017-06-27 2019-01-17 マツダ株式会社 車両用挙動制御装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11505184B2 (en) * 2019-11-18 2022-11-22 Hyundai Motor Company Apparatus for assistance avoidance steering, system having the same and method thereof
WO2023234243A1 (ja) * 2022-06-01 2023-12-07 株式会社デンソー 車両制御装置
WO2023234241A1 (ja) * 2022-06-01 2023-12-07 株式会社デンソー 送電装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7222259B2 (ja) 2023-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230324908A1 (en) Autonomous driving control device
US9796416B2 (en) Automated driving apparatus and automated driving system
CN109195846B (zh) 车辆控制系统、车辆控制方法及存储介质
JP6528336B2 (ja) 車両制御システムおよび車両制御方法
US10759425B2 (en) Autonomous driving system
JP6983127B2 (ja) 駆動力制御装置
WO2018116461A1 (ja) 車両制御システム、車両制御方法、および車両制御プログラム
JP6554568B2 (ja) 車両制御装置
JP2017144886A (ja) 車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラム
JP6959891B2 (ja) 衝突軽減装置
JP7222259B2 (ja) 車両の輪荷重制御方法及び輪荷重制御装置
JP2019197467A (ja) 車両制御装置
WO2016194168A1 (ja) 走行制御装置及び方法
JP2018106490A (ja) 自動運転装置
JP7211127B2 (ja) 車両の旋回姿勢制御方法及び旋回姿勢制御装置
JP7206970B2 (ja) 車両運動制御方法及び車両運動制御装置
US20220194416A1 (en) Vehicle control device, vehicle control method, and storage medium
US10955849B2 (en) Automatic driving system
JP7200712B2 (ja) 車両運動制御方法及び車両運動制御装置
JP7257849B2 (ja) 地図データ作成方法及び地図データ作成装置
WO2018185931A1 (ja) 車両制御システム、車両制御方法、およびプログラム
JP7206971B2 (ja) 車両運動制御方法及び車両運動制御装置
JP7386692B2 (ja) 走行支援方法及び走行支援装置
JP2021049867A (ja) 走行支援方法及び走行支援装置
US20240051530A1 (en) Vehicle control device, vehicle control method, and storage medium

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230117

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7222259

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151