JP2020124991A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】荷重耐久性を向上させることのできる空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】トレッド部2の陸部15にサイプ20を備える空気入りタイヤ1であって、サイプ20は、サイプ20の幅方向にサイプ壁31が振幅する三次元壁部32と、三次元壁部32よりもサイプ底35側に位置すると共に、対向する一対のサイプ壁31のうちの少なくとも一方が他方のサイプ壁31から離れる方向に凹み、サイプ底35とサイプ壁31とが連続して湾曲状に形成される円形部36と、を有し、円形部36は、陸部15の踏面3に対するサイプ20の開口部21の開口幅方向における中心を通りタイヤ径方向に延びるサイプ中心線CSに対して、開口幅方向における一方側に偏在する。【選択図】図4

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来の空気入りタイヤの中には、雪道や凍った路面での走行性能である氷雪性能や、濡れた路面での走行性能であるウェット性能の向上等を目的として、トレッド部に形成する切り込みである、いわゆるサイプが形成されているものがある。このようなサイプを有する空気入りタイヤの中には、所望の性能を得るために、サイプの形状を工夫しているものがある。例えば、特許文献1〜4に記載された空気入りタイヤでは、氷上や雪上での性能を確保するために、サイプの底部側に凹面や空隙部、拡大部を形成したり、サイプを深さ方向に波形または折れ線状に形成したりしている。
特開2018−69986号公報 特開2000−177329号公報 特許第4980656号公報 特許第3208417号公報
ここで、サイプは、特許文献2のようにサイプ壁を振幅させることにより、剛性を調整したり剛性を確保したりすることが可能になっている。しかしながら、サイプは、トレッド部に形成される周方向溝やラグ溝と比較してサイプ壁同士の幅が狭いため、トレッド部に荷重が作用した際に、サイプ底付近に応力集中が発生し易くなっている。これにより、トレッド部にサイプが形成された空気入りタイヤでは、高荷重負荷時に、応力集中によってサイプ底より亀裂が生じ易くなる。このため、トレッド部にサイプが形成された空気入りタイヤで、荷重に対する耐久性を確保するのは、大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、荷重耐久性を向上させることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド部の陸部にサイプを備える空気入りタイヤであって、前記サイプは、前記サイプの幅方向にサイプ壁が振幅する三次元壁部と、前記三次元壁部よりもサイプ底側に位置すると共に、対向する一対の前記サイプ壁のうちの少なくとも一方が他方の前記サイプ壁から離れる方向に凹み、前記サイプ底と前記サイプ壁とが連続して湾曲状に形成される円形部と、を有し、前記円形部は、前記陸部の踏面に対する前記サイプの開口部の開口幅方向における中心を通りタイヤ径方向に延びるサイプ中心線に対して、前記開口幅方向における一方側に偏在することを特徴とする。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記三次元壁部は、振幅の凸量が、前記サイプ中心線に対して、前記円形部が前記サイプ中心線に対して偏在する側の反対側に偏在することが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記サイプは、長さ方向における端部にストレート部を有し、前記サイプ中心線は、前記ストレート部における前記開口部の前記開口幅方向における中心を通りタイヤ径方向に延びることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記サイプ中心線は、前記開口部の長さ方向における両端部のそれぞれの位置での前記開口幅における中心同士を結んだ基準線を通りタイヤ径方向に延びることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記円形部は、前記円形部における前記サイプ中心線から最も離れている位置での前記サイプ中心線からの距離である円形部幅が、前記三次元壁部における、前記サイプ中心線に対して前記円形部が偏在する側の反対側へ前記サイプ中心線から最も離れている位置での前記サイプ中心線からの距離である凸部幅に対して、100%以上120%以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記三次元壁部は、振幅の変曲点の角度が100度以上150度以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記三次元壁部は、振幅の変曲点が、半径が1mm以上2mm以下の曲線になっていることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記円形部は、前記サイプ中心線に対して、タイヤ回転方向における後着側に偏在することが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、荷重耐久性を向上させることができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部の踏面を示す平面図である。 図2は、図1のA部詳細図である。 図3は、図2のB−B断面図である。 図4は、図3のC部詳細図である。 図5は、図4のE部詳細図である。 図6は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、三次元壁部と円形部との間にサイプ壁ストレート部が形成される場合の説明図である。 図7は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、ストレート部を有さない場合の説明図である。 図8は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、三次元壁部が断続的に振幅する状態を示す説明図である。 図9は、図8のF−F矢視図である。 図10は、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸(図示省略)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面であり、タイヤ赤道面CLは、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における中心位置であるタイヤ幅方向中心線と、タイヤ幅方向における位置が一致する。タイヤ幅は、タイヤ幅方向において最も外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、車両装着時での回転方向が指定された空気入りタイヤ1になっており、即ち、車両の前進時において回転軸を中心に指定された回転方向に回転するように車両に装着される空気入りタイヤ1になっている。また、空気入りタイヤ1は、回転方向を示す回転方向表示部(図示省略)を有する。回転方向表示部は、例えば、タイヤのサイドウォール部(図示省略)に付されたマークや凹凸によって構成される。以下の説明では、タイヤ回転方向における先着側とは、空気入りタイヤ1を指定方向に回転させた際における回転方向側であり、空気入りタイヤ1を車両に装着して指定方向に回転させて走行する場合において、先に路面に接地したり先に路面から離れたりする側である。また、タイヤ回転方向における後着側とは、空気入りタイヤ1を指定方向に回転させた際における回転方向の反対側であり、空気入りタイヤ1を車両に装着して指定方向に回転させて走行する場合において、先着側に位置する部分の後に路面に接地したり、先着側に位置する部分の後に路面から離れたりする側である。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド部2の踏面3を示す平面図である。図1に示す空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部2が配設されており、トレッド部2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、踏面3として形成されている。踏面3には、タイヤ赤道面CLを中心とするタイヤ幅方向における両側のそれぞれに複数の溝10が形成されており、複数の溝10によって複数の陸部15が区画されている。本実施形態では、溝10としてタイヤ周方向に延びる複数の周方向溝11と、タイヤ幅方向に延びる複数のラグ溝12とが形成されており、複数の溝10により区画される陸部15は、これらの複数の周方向溝11やラグ溝12によって、ブロック状に形成されている。
また、踏面3には、複数のサイプ20が形成されている。ここでいうサイプ20は、踏面3に細溝状に形成されるものであり、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、正規内圧の内圧条件で、無負荷時には細溝を構成する壁面同士が接触しないが、平板上で垂直方向に負荷させたときの平板上に形成される接地面の部分に細溝が位置する際、または細溝が形成される陸部15の倒れ込み時には、当該細溝を構成する壁面同士、或いは壁面に設けられる部位の少なくとも一部が、陸部15の変形によって互いに接触するものをいう。正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。本実施形態では、サイプ20は、後述する円形部36(図3参照)以外の位置でのサイプ壁31(図3参照)同士の間隔であるサイプ幅が、0.6mm未満になっている。
サイプ20は、所定の深さでタイヤ幅方向に延びて形成されており、溝10によって区画される各陸部15に設けられている。各陸部15に設けられるサイプ20は、それぞれの陸部15に、互いに略平行となる向きで複数ずつが設けられている。
図2は、図1のA部詳細図である。陸部15に備えられるサイプ20は、タイヤ幅方向における端部25が陸部15内で終端する、いわゆるクローズドサイプになっている。クローズドサイプとして形成される各サイプ20は、タイヤ幅方向に延びつつタイヤ周方向に複数回繰り返し屈曲することにより振幅している。また、各サイプ20は、サイプ20の平面視における長さ方向における両側の端部25付近に、ストレート部26が形成されている。ストレート部26は、サイプ20の平面視において、即ち、サイプ20を深さ方向に見た場合において、屈曲することなく直線状に形成されている。
本実施形態では、ストレート部26はタイヤ幅方向に延びている。また、サイプ20の長さ方向における両側に位置するストレート部26は、互いにほぼ同一線上に位置している。なお、ストレート部26は、正確にタイヤ幅方向に延びていなくてもよく、タイヤ幅方向に対してタイヤ周方向に±15°の範囲内で傾斜していてもよい。サイプ20は、このように長さ方向における両端部25側に形成されるストレート部26同士の間の位置が、タイヤ幅方向に延びつつタイヤ周方向に振幅している。
図3は、図2のB−B断面図である。図4は、図3のC部詳細図である。サイプ20は、サイプ20の長さ方向と深さ方向との双方に対してサイプ20の幅方向に振幅する、いわゆる三次元サイプになっている。このため、サイプ20は、サイプ20の幅方向にサイプ壁31が振幅する三次元壁部32を有している。サイプ壁31が有する三次元壁部32は、サイプ20の長さ方向におけるストレート部26(図2参照)同士の間の位置でサイプ20の長さ方向に延びつつサイプ20の幅方向に振幅すると共に、サイプ20の深さ方向に延びつつサイプ20の幅方向に振幅している。つまり、三次元壁部32は、サイプ20の長さ方向を法線方向とする断面視と、サイプ20の深さ方向を法線方向とする断面視の双方にて、サイプ20の幅方向に繰り返し屈曲することにより振幅している。
また、サイプ20は、三次元壁部32よりもサイプ底35側の位置に、円形部36を有している。円形部36は、サイプ底35を含む位置に形成されており、サイプ底35と、サイプ底35近傍のサイプ壁31とにより形成されている。サイプ底35とサイプ壁31とにより形成される円形部36は、サイプ20の長さ方向に見た断面視において、サイプ底35とサイプ壁31とが連続して湾曲することにより、略円形状に形成されている。詳しくは、円形部36は、対向する一対のサイプ壁31のうちの少なくとも一方が他方のサイプ壁31から離れる方向に凹み、サイプ底35とサイプ壁31とが連続して湾曲状に形成される。本実施形態では、円形部36は、サイプ底35を挟んで対向する一対のサイプ壁31のうち、一方のサイプ壁31は、他方のサイプ壁31から離れる方向に湾曲状に凹み、他方のサイプ壁31は、サイプ壁31同士の距離が大きくなる方向に凹むことなく、サイプ底35から連続して湾曲している。
このように形成される円形部36は、サイプ20の長さ方向に見た断面視における形状が同じ形状で、サイプ20の長さ方向に延びて形成されている。また、円形部36は、踏面3に対するサイプ20の開口部21の開口幅方向における中心を通りタイヤ径方向に延びるサイプ中心線CSに対して、開口部21の開口幅方向における一方側、或いは、サイプ20の幅方向における一方側に、偏在している。具体的には、円形部36は、サイプ中心線CSに対して、タイヤ回転方向における後着側に偏在している。ここでいう円形部36の偏在は、円形部36におけるサイプ中心線CSから最も離れている位置でのサイプ中心線CSからの距離である円形部幅Dが、サイプ20の深さ方向における位置が円形部幅Dの位置と同じ位置でのサイプ中心線CSとサイプ壁31との距離Daに対して、300%以上である状態をいう。
また、サイプ中心線CSは、本実施形態では、ストレート部26における開口部21の開口幅方向における中心を通り、タイヤ径方向に延びる仮想線になっている。詳しくは、本実施形態におけるサイプ中心線CSは、サイプ20の長さ方向における両端部25側に位置する双方のストレート部26の開口幅における中心同士を結んだ基準線BL(図2参照)を通ってタイヤ径方向に延びる仮想面により、サイプ20の長さ方向における位置ごとに表される仮想線になっている。サイプ中心線CSは、このように基準線BLの位置でもあるため、ストレート部26の開口部21の開口幅方向におけるサイプ中心線CSの位置は、サイプ20の長さ方向における位置に関わらず、一定の位置になっている。
また、三次元壁部32は、振幅の凸量が、サイプ中心線CSに対して、円形部36がサイプ中心線CSに対して偏在する側の反対側に偏在している。具体的には、三次元壁部32は、振幅の凸量が、サイプ中心線CSに対して、タイヤ回転方向における先着側に偏在している。
ここでいう三次元壁部32の振幅の凸量は、振幅による凸部33の数、またはサイプ中心線CSと凸部33との最大距離をいう。即ち、三次元壁部32の振幅の凸量の偏在は、振幅による凸部33の数、またはサイプ中心線CSと凸部33との最大距離が、サイプ20の幅方向におけるサイプ中心線CSの両側で異なる状態をいう。本実施形態では、三次元壁部32は、サイプ20の幅方向におけるサイプ中心線CSの一方側で、サイプ中心線CSから最も離れている位置でのサイプ中心線CSから三次元壁部32までの距離である凸部幅Cが、サイプ中心線CSの他方側で、サイプ中心線CSから最も離れている位置でのサイプ中心線CSから三次元壁部32までの距離である凸部幅Caに対して、110%以上になっている。即ち、三次元壁部32は、タイヤ回転方向における先着側での凸部幅Cが、タイヤ回転方向における後着側での凸部幅Caに対して110%以上になっており、これにより、三次元壁部32は、振幅の凸量が、サイプ中心線CSに対して、タイヤ回転方向における先着側に偏在している。
また、三次元壁部32は、サイプ20の長さ方向に対してもサイプ20の幅方向に振幅するため、サイプ20は、平面視おいても偏在している。具体的には、サイプ20は、平面視おいてストレート部26同士の間で振幅している部分が、基準線BLに対してサイプ20の幅方向における一方側に偏在しており、即ち、基準線BLに対して、タイヤ回転方向における先着側に偏在している(図2参照)。
これらのように、サイプ中心線CSに対して互いに異なる側に偏在する円形部36と三次元壁部32とは、円形部36の円形部幅Dが、三次元壁部32における、サイプ中心線CSに対して円形部36が偏在する側の反対側への凸部幅Cに対して、100%以上120%以下の範囲内になっている。なお、三次元壁部32の凸部幅Cに対する円形部36の円形部幅Dは、110%±10%の範囲内であるのが好ましい。
また、三次元壁部32は、サイプ20の長さ方向に見た断面視における、振幅の変曲点34の角度θが、100度以上150度以下の範囲内になっている。この場合における変曲点34の角度θは、対向するサイプ壁31同士の中心位置を示す中心線CWにおける、凸部33の変曲点34の両側に位置する部分同士の相対的な角度になっている。なお、振幅の変曲点34の角度θは、120度±10度の範囲内であるのが好ましい。
また、三次元壁部32は、振幅の変曲点34が、サイプ20の長さ方向に見た断面視において、半径Rが1mm以上2mm以下の曲線になっている。この場合における変曲点34の半径Rは、変曲点34の劣角側での三次元壁部32の半径になっている。つまり、三次元壁部32は、凸部33の変曲点34の部分では、凸部33における劣角側に位置する三次元壁部32が、半径Rが1mm以上2mm以下の曲線になっている。
図5は、図4のE部詳細図である。円形部36における、他方のサイプ壁31から離れる方向に凹んでいる側のサイプ壁31における、湾曲している部分と湾曲していない部分との境界部分も、サイプ20の長さ方向に見た断面視において、半径Rが1mm以上2mm以下の曲線になっている。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1を車両に装着する際には、空気入りタイヤ1をリムホイールにリム組みし、内部に空気を充填してインフレートした状態で車両に装着する。その際に、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、回転方向が指定されているため、車両の前進時に回転する空気入りタイヤ1が、指定された回転方向で回転をする向きで空気入りタイヤ1を車両に装着する。具体的には、サイプ20のストレート部26同士の間で振幅する部分が、ストレート部26の開口幅における中心同士を結ぶ基準線BLに対して、タイヤ回転方向における先着側に偏在する向きで装着する。
空気入りタイヤ1を装着した車両が走行すると、トレッド部2の踏面3のうち下方に位置する踏面3が路面に接触しながら空気入りタイヤ1は回転する。空気入りタイヤ1を装着した車両で乾燥した路面を走行する場合には、主に踏面3と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。また、濡れた路面を走行する際には、踏面3と路面との間の水が周方向溝11やラグ溝12等の溝10やサイプ20に入り込み、これらの溝10で踏面3と路面との間の水を排水しながら走行する。これにより、踏面3は路面に接地し易くなり、踏面3と路面との間の摩擦力により、車両は走行することが可能になる。
また、雪上路面を走行する際には、空気入りタイヤ1は路面上の雪を踏面3で押し固めると共に、路面上の雪が周方向溝11やラグ溝12に入り込むことにより、これらの雪も溝内で押し固める状態になる。この状態で、空気入りタイヤ1に駆動力や制動力が作用したり、車両の旋回によってタイヤ幅方向への力が作用したりすると、溝内の雪に対して作用するせん断力である、いわゆる雪柱せん断力が空気入りタイヤ1と雪との間で発生する。雪上路面を走行する際には、この雪柱せん断力によって空気入りタイヤ1と路面との間で抵抗が発生することにより、駆動力や制動力を路面に伝達することができ、スノートラクション性を確保することができる。これにより、車両は雪上路面での走行が可能になる。
また、雪上路面や氷上路面を走行する際には、周方向溝11やラグ溝12、サイプ20のエッジ効果も用いて走行する。つまり、雪上路面や氷上路面を走行する際には、周方向溝11のエッジやラグ溝12のエッジ、サイプ20のエッジが雪面や氷面に引っ掛かることによる抵抗も用いて走行する。また、氷上路面を走行する際には、氷上路面の表面の水をサイプ20で吸水し、氷上路面と踏面3との間の水膜を除去することにより、氷上路面と踏面3は接触し易くなる。これにより、踏面3は、摩擦力やエッジ効果によって氷上路面との間の抵抗が大きくなり、空気入りタイヤ1を装着した車両の走行性能を確保することができる。
これらのように、雪上路面や氷上路面を走行する際には、陸部15に形成されるサイプ20が重要になるが、スノートラクション性等の氷雪上性能を重視してサイプ20の深さを深くしたり、サイプ20を多く設けたりした場合、陸部15の剛性が低下し易くなる。陸部15の剛性が低下すると、乾燥した路面を走行する際の走行性能が低下したり、陸部15が摩耗し易くなったりする。
これに対し、本実施形態では、サイプ20は三次元壁部32を有する三次元サイプになっているため、陸部15に荷重が作用した際には、対向する三次元壁部32同士が接触することにより、三次元壁部32同士が互いに支え易くなっている。これにより、陸部15に荷重が作用した際における陸部15変形を抑制することができ、乾燥した路面を走行する際における走行性能が低下したり、陸部15が摩耗し易くなったりすることを抑制することができる。
三次元サイプでは、このように三次元壁部32同士が互いに支え合うことにより、三次元壁部32が形成される範囲では三次元壁部32によって剛性を確保することができるものの、サイプ底35では剛性を確保し難いため、陸部15に荷重が作用した際には、サイプ底35付近に応力集中が発生し易くなっている。このため、高荷重負荷時には、サイプ底35付近の応力集中も大きくなるため、サイプ底35付近では、この応力集中によって亀裂が発生し易くなる。
これに対し、本実施形態では、サイプ20には、サイプ底35を含む位置に円形部36が形成されている。これにより、陸部15に大きな荷重が作用した際に、サイプ底35付近の狭い領域に応力が集中することを抑制することができる。さらに、円形部36は、サイプ中心線CSに対して、開口部21の開口幅方向における一方側に偏在するため、開口部21からサイプ壁31を伝わってサイプ20の深さ方向に向かう力の方向に対して、ずれた位置に配置されている。これにより、陸部15に荷重が作用した場合でも、サイプ底35付近への応力集中を極力抑制することができる。これにより、高荷重負荷時に、サイプ底35付近の応力集中が大きくなり過ぎることを抑制することができ、サイプ底35付近への応力集中に起因してサイプ底35付近で亀裂が発生することを抑制することができる。この結果、荷重耐久性を向上させることができる。
また、三次元壁部32は、円形部36がサイプ中心線CSに対して偏在する側の反対側に、振幅の凸量が偏在するため、陸部15に荷重が作用した際に開口部21側から三次元壁部32により力が伝わる方向と、円形部36の位置とを、より確実にずらすことができる。即ち、三次元壁部32の凸量と、円形部36とは、互いにサイプ中心線CSに対して反対側に偏在するため、サイプ20に作用する力によってサイプ20に対して発生する応力を分散することができる。これにより、陸部15に荷重が作用した際における、サイプ底35付近への応力集中をより確実に抑制することができ、高荷重負荷時におけるサイプ底35付近への応力集中に起因する亀裂の発生を、より確実に抑制することができる。この結果、より確実に荷重耐久性を向上させることができる。
また、三次元壁部32の振幅の凸量と円形部36とは、ストレート部26における開口部21の開口幅における中心を通るサイプ中心線CSに対して、互いに反対側に偏在するため、三次元壁部32の振幅の凸量が大きくサイプ20に作用する力が伝わり易い側から、円形部36をサイプ20の幅方向により確実にずらすことができる。これにより、サイプ底35付近への応力集中をより確実に抑制することができ、高荷重負荷時におけるサイプ底35付近への応力集中に起因する亀裂の発生を、より確実に抑制することができる。この結果、より確実に荷重耐久性を向上させることができる。
また、円形部36は、円形部幅Dが三次元壁部32の凸部幅Cに対して、100%以上120%以下の範囲内であるため、サイプ底35付近の剛性の低下を抑えつつ、サイプ底35付近への応力集中を抑制し、応力集中に起因して亀裂が発生することを抑制することができる。つまり、円形部幅Dが凸部幅Cに対して100%未満である場合は、サイプ20の幅方向における円形部36と三次元壁部32との距離が小さ過ぎるため、サイプ20に発生する応力を分散させる効果が低く、サイプ底35付近への応力集中を抑制する効果が低くなる虞がある。また、円形部幅Dが凸部幅Cに対して120%より大きい場合は、円形部36をサイプ中心線CSから大きく離間させる分、サイプ20の容積が大きくなるため、サイプ底35付近のゴム量が少なくなる虞がある。この場合、サイプ底35付近の剛性が低下するため、走行性能が低下する虞がある。
これに対し、円形部幅Dが凸部幅Cに対して、100%以上120%以下の範囲内である場合は、サイプ底35付近の剛性の低下を抑えつつ、サイプ底35付近への応力集中を抑制し、応力集中に起因して亀裂が発生することを抑制することができる。この結果、走行性能を低下させることなく、より確実に荷重耐久性を向上させることができる。
また、三次元壁部32は、振幅の変曲点34の角度θが100度以上150度以下の範囲内であるため、製造性の悪化を抑制しつつ、陸部15の剛性を確保することができる。つまり、変曲点34の角度θが100度未満である場合は、変曲点34の角度θが小さ過ぎるため、三次元壁部32の角度が、サイプ20の深さ方向に対して傾斜し過ぎる虞がある。この場合、空気入りタイヤ1の製造時に、トレッド部2を形成するゴムに対して挿し込むことによりサイプ20を形成する金型であるサイプブレード(図示省略)を、加硫成形後のトレッド部2から引き抜くのが困難になり、製造性が悪化する虞がある。また、変曲点34の角度θが150度より大きい場合は、変曲点34の角度θが大き過ぎるため、サイプ壁31に三次元壁部32を設けても、対向する三次元壁部32同士が接触することによって、三次元壁部32同士を互いに支え易くするのが困難になる虞がある。この場合、サイプ壁31に三次元壁部32を設けても、三次元壁部32によって陸部15の剛性を確保するのが困難になり、走行性能を確保したり、陸部15の摩耗を抑制したりするのが困難になる虞がある。
これに対し、三次元壁部32の変曲点34の角度θが、100度以上150度以下の範囲内である場合は、製造性の悪化を抑制しつつ、陸部15の剛性を確保することができる。この結果、空気入りタイヤ1の製造時における製造性を確保しつつ、走行性能や陸部15の耐摩耗性能を確保することができる。
また、三次元壁部32は、振幅の変曲点34が、半径Rが1mm以上2mm以下の曲線になっているため、三次元壁部32で発生する応力を分散しつつ、陸部15の剛性を確保することができる。つまり、三次元壁部32の変曲点34の半径Rが1mm未満である場合は、変曲点34の半径Rが小さ過ぎるため、三次元壁部32に荷重が作用した際に、変曲点34に応力集中が発生する虞がある。この場合、三次元壁部32に作用する荷重が大きく、大きな応力集中が発生した際に、変曲点34の位置に亀裂が発生し易くなる虞がある。また、三次元壁部32の変曲点34の半径Rが2mmより大きい場合は、変曲点34の半径Rが大き過ぎるため、凸部33の突出量を確保し難くなる虞がある。この場合、サイプ壁31に三次元壁部32を設けても、三次元壁部32によって陸部15の剛性を確保するのが困難になり、走行性能を確保したり、陸部15の摩耗を抑制したりするのが困難になる虞がある。
これに対し、三次元壁部32の変曲点34の半径Rが、1mm以上2mm以下の範囲内である場合は、三次元壁部32で発生する応力を分散しつつ、陸部15の剛性を確保することができる。この結果、より確実に荷重耐久性を向上させると共に、走行性能や陸部15の耐摩耗性能を確保することができる。
また、円形部36は、サイプ中心線CSに対して、タイヤ回転方向における後着側に偏在するため、車両の制動時に円形部36付近に大きな応力集中が発生することを抑制することができる。つまり、走行中の車両の制動時には、空気入りタイヤ1のトレッド部2には、踏面3寄りの位置ではタイヤ回転方向への力が作用し、相対的にタイヤ径方向内側に位置する部分では、タイヤ回転方向の反対方向への力が作用する。このため、円形部36がサイプ中心線CSに対してタイヤ回転方向における後着側に偏在する場合は、車両の制動時には、サイプ底35側に位置する円形部36が、タイヤ周方向において三次元壁部32やサイプ中心線CSから離れる方向の力がサイプ20に作用する。円形部36が、タイヤ周方向において三次元壁部32から離れる方向の力がサイプ20に作用した場合、この力は、円形部36から三次元壁部32にかけたサイプ壁31を引き延ばす方向の力として作用する。この場合、円形部36を、タイヤ周方向において三次元壁部32が位置する側に向かわせる方向の力がサイプ20に作用することにより、円形部36から三次元壁部32にかけたサイプ壁31を押し縮める方向の力がサイプ20に作用する場合と比較して、応力集中が小さくなる。
また、車両の走行時に空気入りタイヤ1に対して作用するタイヤ周方向における力は、駆動力が空気入りタイヤ1に対して作用する力よりも、制動力が空気入りタイヤ1に対して作用する力の方が大きくなり易くなっている。従って、円形部36を、サイプ中心線CSに対してタイヤ回転方向における後着側に偏在させることにより、タイヤ周方向における力が大きくなり易い制動時に、円形部36付近で発生する応力集中を小さくすることができ、応力集中に起因する亀裂の発生を抑制することができる。この結果、より確実に荷重耐久性を向上させることができる。
[変形例]
なお、上述した実施形態では、円形部36は、三次元壁部32から連続して設けられているが、円形部36は、三次元壁部32から連続していなくてもよい。図6は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、三次元壁部32と円形部36との間にサイプ壁ストレート部40が形成される場合の説明図である。サイプ壁31には、図6に示すように、三次元壁部32と円形部36との間に、サイプ20の長さ方向に見た断面視において、タイヤ径方向に延びるサイプ壁ストレート部40が形成されていてもよい。サイプ壁ストレート部40は、サイプ20の深さ方向と長さ方向とのいずれにおいても振幅しない、平面状のサイプ壁31として形成されており、円形部36は、サイプ壁ストレート部40に接続されている。これにより、円形部36を容易に配置することができる。
つまり、三次元壁部32は、サイプ20の幅方向に振幅して形成されるため、三次元壁部32における円形部36寄りの位置の形状によっては、三次元壁部32と円形部36との接続部分の形状を、双方をスムーズに接続することのできる形状にするのが困難になる虞がある。これに対し、三次元壁部32と円形部36との間にサイプ壁ストレート部40を形成する場合は、円形部36は、サイプ壁ストレート部40に対して容易に接続することができる。また、三次元壁部32とサイプ壁ストレート部40との接続についても、双方の接続位置を、三次元壁部32の振幅に合わせてサイプ20の深さ方向に振幅させることにより、容易に接続することができる。従って、三次元壁部32を有するサイプ20に対して、円形部36を容易に配置することができる。この結果、より容易に荷重耐久性を向上させることができる。
また、上述した実施形態では、サイプ20は、長さ方向における両側の端部25付近にストレート部26を有しているが、サイプ20はストレート部26を有していなくてもよい。図7は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、ストレート部26を有さない場合の説明図である。サイプ20は、図7に示すようにストレート部26を有さずに、サイプ20の長さ方向における三次元壁部32の端部の位置が、サイプ20の長さ方向における端部25として形成されていてもよい。この場合、サイプ中心線CSは、開口部21の長さ方向における両端部25のそれぞれの位置での開口幅における中心同士を結んだ基準線BLを通り、タイヤ径方向に延びる仮想線になる。このように、サイプ20にストレート部26が形成されない場合でも、両端部25のそれぞれの位置での開口幅における中心同士を結んだ基準線BLを通るサイプ中心線CSに対して、円形部36を開口幅方向における一方側に偏在させることにより、サイプ底35付近への応力集中を抑制することができる。この結果、荷重耐久性を向上させることができる。
また、上述した実施形態では、三次元壁部32は、連続的に振幅しているが、三次元壁部32の振幅は断続的であってもよい。図8は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、三次元壁部32が断続的に振幅する状態を示す説明図である。図9は、図8のF−F矢視図である。三次元壁部32は、例えば、図8、図9に示すように、サイプ20の幅方向に突出する複数の凸部33が断続的に配置されることにより、サイプ20の幅方向に振幅していてもよい。この場合における凸部33は、サイプ20を厚さ方向に見た場合には略円形となり、サイプ20を長さ方向や深さ方向に見た場合には湾曲する形状で形成されている。また、複数の凸部33は、サイプ20の幅方向において全て同じ方向に突出しており、サイプ中心線CSに対して円形部36が偏在する側の反対側に突出している。即ち、三次元壁部32は、サイプ中心線CSに対して円形部36が偏在する側の反対側に複数の凸部33が突出することにより、振幅の凸量が、サイプ中心線CSに対して、円形部36がサイプ中心線CSに対して偏在する側の反対側に偏在する。このように、三次元壁部32は、サイプ20の長さ方向と深さ方向とのいずれの方向においてもサイプ20の幅方向に振幅していれば、振幅の形態は問わない。
また、上述した実施形態では、三次元壁部32は、サイプ中心線CSと凸部33との最大距離が、サイプ中心線CSの両側で大きく異なることにより、振幅の凸量が偏在しているが、三次元壁部32は、凸部33の数、即ち、変曲点34の数がサイプ中心線CSの両側で大きく異なることにより、振幅の凸量が偏在していてもよい。これらのように、三次元サイプにおいて振幅するサイプ壁31として形成される三次元壁部32は、振幅の凸量が、サイプ中心線CSに対して、円形部36がサイプ中心線CSに対して偏在する側の反対側に偏在していれば、振幅の形態は問わない。
また、上述した実施形態や変形例は、適宜組み合わせてもよい。三次元壁部32と円形部36とを有し、円形部36がサイプ中心線CSに対して、開口部21の開口幅方向における一方側に偏在することにより、荷重耐久性を向上させることができる。
[実施例]
図10は、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する比較例の空気入りタイヤとについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、荷重が負荷した状態での耐久性である荷重耐久性についての試験を行った。
荷重耐久性についての性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びが225/65R17の試験タイヤをJATMA標準のリムホイールにリム組みし、速度110km/h、最大負荷荷重の85%、90%、100%を4分、6分、24分とかけていき、最終ステップ時のサイプ底の亀裂を確認した。荷重耐久性の評価は、この試験によってサイプ底に亀裂が発生したサイプの数の逆数を、後述する従来例を100とする指数で表すことにより行った。指数が大きいほどサイプ底に亀裂が発生したサイプの数が少なく、荷重耐久性が優れていることを示している。
性能評価試験は、従来の空気入りタイヤの一例である従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1〜7と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する空気入りタイヤである比較例との9種類の空気入りタイヤについて行った。このうち、従来例は、サイプ20に円形部36が設けられていない。また、比較例は、サイプ20に円形部36が設けられているものの、円形部36はサイプ中心線CSに対して偏在していない。
これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1〜7は、全てサイプ20に円形部36が設けられており、円形部36はサイプ中心線CSに対して偏在している。さらに、実施例1〜7に係る空気入りタイヤ1は、三次元壁部32の振幅の凸量と円形部36との偏在している側の相対関係や、凸部幅Cに対する円形部幅Dの比率、三次元壁部32の振幅の変曲点34の角度θ、タイヤ回転方向における円形部36が偏在する側が、それぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて性能評価試験を行った結果、図10に示すように、実施例1〜7に係る空気入りタイヤ1は、従来例や比較例に対して、サイプ底35付近での亀裂の発生を低減することができ、荷重を負荷しながら回転させた際における耐久性を向上させることができることが分かった。つまり、実施例1〜7に係る空気入りタイヤ1は、荷重耐久性を向上させることができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 踏面
10 溝
11 周方向溝
12 ラグ溝
15 陸部
20 サイプ
21 開口部
25 端部
26 ストレート部
31 サイプ壁
32 三次元壁部
33 凸部
34 変曲点
35 サイプ底
36 円形部
40 サイプ壁ストレート部
CS サイプ中心線

Claims (8)

  1. トレッド部の陸部にサイプを備える空気入りタイヤであって、
    前記サイプは、
    前記サイプの幅方向にサイプ壁が振幅する三次元壁部と、
    前記三次元壁部よりもサイプ底側に位置すると共に、対向する一対の前記サイプ壁のうちの少なくとも一方が他方の前記サイプ壁から離れる方向に凹み、前記サイプ底と前記サイプ壁とが連続して湾曲状に形成される円形部と、
    を有し、
    前記円形部は、前記陸部の踏面に対する前記サイプの開口部の開口幅方向における中心を通りタイヤ径方向に延びるサイプ中心線に対して、前記開口幅方向における一方側に偏在することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記三次元壁部は、振幅の凸量が、前記サイプ中心線に対して、前記円形部が前記サイプ中心線に対して偏在する側の反対側に偏在する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記サイプは、長さ方向における端部にストレート部を有し、
    前記サイプ中心線は、前記ストレート部における前記開口部の前記開口幅方向における中心を通りタイヤ径方向に延びる請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記サイプ中心線は、前記開口部の長さ方向における両端部のそれぞれの位置での前記開口幅における中心同士を結んだ基準線を通りタイヤ径方向に延びる請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記円形部は、前記円形部における前記サイプ中心線から最も離れている位置での前記サイプ中心線からの距離である円形部幅が、
    前記三次元壁部における、前記サイプ中心線に対して前記円形部が偏在する側の反対側へ前記サイプ中心線から最も離れている位置での前記サイプ中心線からの距離である凸部幅に対して、100%以上120%以下の範囲内である請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記三次元壁部は、振幅の変曲点の角度が100度以上150度以下の範囲内である請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記三次元壁部は、振幅の変曲点が、半径が1mm以上2mm以下の曲線になっている請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記円形部は、前記サイプ中心線に対して、タイヤ回転方向における後着側に偏在する請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023064704A1 (en) * 2021-10-16 2023-04-20 Bridgestone Americas Tire Operations, Llc Directional interlocking sipe and/or slot

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