JP2020123582A - 電子式回路遮断器 - Google Patents

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【課題】マイクロコンピュータによって時限特性を持たせた回路遮断器において、処理時間を短縮し、要求される短時間動作を実現した動作信頼性の高い電子式回路遮断器を得る。【解決手段】電路の電流を検出する電流検出装置の出力信号が入力される第1のマイクロコンピュータ(50a)と、第1のマイクロコンピュータから電路を流れる電流情報を取得する第2のマイクロコンピュータ(50b)を搭載し、第1のマイクロコンピュータ(50a)が瞬時引外し信号を出力し、第2のマイクロコンピュータ(50b)が時限引外し信号を出力し、リセット回路(14a,14b)のリセット出力を各々のマイクロコンピュータ(50a,50b)のリセット端子および不足電圧動作禁止回路の入力端子へ接続するように構成した。【選択図】図1

Description

この発明は、複数のマイクロコンピュータを搭載した電子式回路遮断器に関するものである。
図6は、例えば特開昭63−274321号公報(特許文献1)に開示された従来の遮断器の回路図である。
図6において、符号101,102,103は3相電源に接続される電源側端子で、この電源側端子101,102,103は、それぞれの電路111,112,113、および開閉接点201,202,203を介して対応する負荷側端子301,302,303に接続されている。符号21,22,23は電路111,112,113のそれぞれに流れる負荷電流を検出する変流器で、この変流器21,22,23の二次側には各変流器21,22,23の二次出力電流を単一方向に変える整流回路3が接続されている。
整流回路3から得られた変流器21,22,23の二次出力電流は電源回路4へと供給され、例えば後述する時限回路5および不足電圧動作禁止回路6を駆動させる正電源401を生成する他、不足電圧動作禁止回路6の基準電圧402、時限回路5および信号変換回路7に用いる負電源403を同時に生成している。信号変換回路7は電源回路4に接続されており、各変流器21,22,23の二次側から出力される負荷電流に応じた二次出力電流を時限回路5へ入力できる電圧信号に変換する差動増幅器を備えている。
電源回路4から正電源401が供給されることで時限回路5が起動し、同時に信号変換回路7より電路111,112,113に流れる負荷電流に応じた電圧信号が時限回路5へ入力される。時限回路5は、最大相選択回路501、実効値変換回路502、ピーク値変換回路503、長限時引き外し回路504、短限時引き外し回路505、瞬時引き外し回路506を備えており、時限回路5へ入力されたアナログ信号は、最大相選択回路501によって電路111,112,113に流れる負荷電流の内、最も大きな電流が流れている電路のアナログ信号が選択され、実効値変換回路502へと入力される。実効値変換回路502のDC出力信号は長限時引き外し回路504へ入力され、図7に示すような長限時引き外し電流領域を越えた時、長限時引き外し回路504から時限回路5としての引き外し信号S1を出力する。
また、信号変換回路7から出力された電圧信号はピーク値変換回路503へ入力され、アナログ信号の最大電圧をDC信号として出力し、短限時引き外し回路505へ入力される。DC信号が図7に示すような短限時引き外し電流領域を越えた時、短限時引き外し回路505から時限回路5としての引き外し信号S1を出力する。瞬時引き外し回路506には、信号変換回路7から出力されたアナログ信号を演算回路を経由せずに直接入力し、その瞬時値によって図7に示すような瞬時引き外し電流領域を越えた時、瞬時引き外し回路506から時限回路5としての引き外し信号S1を出力する。
このように時限回路5から出力された引き外し信号S1は、開閉回路9へ入力される。開閉回路9は例えばサイリスタで構成されており、引き外し信号S1によりターンオンし、引き外し装置である釈放形過電流引き外し装置10が駆動され、閉成状態にある開閉接点201,202,203は遮断機構11を介して機械的に開放状態となるように構成されている。
不足電圧動作禁止回路6は、抵抗体で構成された電圧分割回路601とヒステリシス特性を持つ比較器602によって構成されている。開閉接点201,202,203が閉成状態になると負荷電流が流れ、変流器21,22,23の二次出力電流は整流回路3を介し電源回路4へと流れ込む。電圧分割回路601によって分圧された電源回路4の正電源401を基準電圧402と比較し、オンレベルより正電源401が大きくなれば出力スイッチ8を閉じ、オフレベルより正電源401が小さくなれば出力スイッチ8を開く機能を持たせており、正常な動作に不十分な電源状態であった場合における開閉回路9の駆動を無効とし、釈放形過電流引き外し装置10の誤動作を防止している。
上記回路遮断器の不足電圧動作禁止回路6は電源回路4から基準電圧402を生成し、比較器602を用いて正電源401が十分な電圧値にあるかを判定する方式であるが、例えば、特開平6−245362号公報(特許文献2)に開示されたマイクロコンピュータが搭載された回路遮断器では、図8に示すように、図6で説明した時限回路5と同等の役割を持つマイクロコンピュータ50、およびマイクロコンピュータ50のリセット制御を外部から行うリセット回路14とAND回路15で構成されている。時限回路としてのマイクロコンピュータ50の引き外し信号S1とリセット回路14からのリセット信号S3の論理積によって開閉回路9を制御することで、電路111,112,113に流れる負荷電流が小さい場合、あるいは開閉接点201,202,203の投入時における電源回路4の不安定により、マイクロコンピュータ50から誤った引き外し信号S1が出力されても開閉回路9の駆動を無効とし、図6と同様に釈放形過電流引き外し装置10の誤動作を防止している。
その他、図8に示す回路遮断器の構成として、符号12は特性設定部を示し、この特性設定部12は、マイクロコンピュータ50の内部のRAMなどに記憶される時限特性のパラメータを設定する役割を持っている。特性設定部12は、例えばトリマ等の可変抵抗器によって構成され、可変する電圧信号をマイクロコンピュータ50に入力することで、使用者が所望する過電流時限特性を設定することができる。また、表示部13は、時限回路としてのマイクロコンピュータ50からの出力信号により、設定値オーバーを警告する事前警報表示灯と、過電流域で通電中であることを表示する定格オーバー表示灯が備えられている。
なお、図8において、長限時引き外し部514、短限時引き外し部515、瞬時引き外し部516は、それぞれ図6の長限時引き外し回路504、短限時引き外し回路505、瞬時引き外し回路506に相当し、実効値演算部512、ピーク値演算部513は、それぞれ図6の実効値変換回路502、ピーク値変換回路503に相当する。また、A/D変換回路511は、信号変換回路7から出力されたアナログ信号をA/D変換し、実効値演算部512、ピーク値演算部513、瞬時引き外し部516のそれぞれに出力する。
更に上記の応用として、リセット回路と疑似負荷電流回路およびAND回路で構成された不足電圧動作禁止回路の一例を図9に示す。
図9において、電源回路4は変流器から出力された二次出力電流Iから一定の正電源401を生成する回路であり、正電源401はリセット回路14およびマイクロコンピュータ50に電源を供給している。リセット回路14のリセット信号S3は抵抗体R1を介して正電源401に接続されており、監視している正電源401が所定の電圧を越えた場合に正電源401と同電位になるように構成されている。
正電源401が所定の電圧よりも低い場合にはリセット信号S3からLレベル出力される。リセット回路14のリセット信号S3は、マイクロコンピュータ50のリセット入力端子であるRST端子と疑似負荷電流回路17のトランジスタTr1へ入力され、マイクロコンピュータ50のリセット制御とトランジスタTr1のコレクタに接続された抵抗体R2へ流れる電流とを同時に制御している。AND回路15のトランジスタTr2のベースは抵抗体R2の一端へ、コレクタはマイクロコンピュータ50の引き外し信号S1を出力する端子へ接続され、抵抗体R2に電流が流れている場合はトランジスタTr2のベース−エミッタ間に電圧が印加され、マイクロコンピュータ50が引き外し信号S1をHレベル出力した場合にコレクタからエミッタへ電流が流れる構成となっている。
上記構成の動作について説明する。
電路に負荷電流が流れると変流器の二次出力電流が整流回路を介して電源回路4へ電流Iが流入する。流入した電流Iによって徐々に電源回路4の正電源401が立ち上がり、リセット回路14の駆動電圧(例えば0.7V)に到達するとリセット回路14からリセット信号S3がLレベル出力され、マイクロコンピュータ50はリセット状態で維持される。同時に疑似負荷電流回路17のトランジスタTr1のベース−エミッタ間に電位差が生じ、抵抗体R2へコレクタ電流が流れる。なお、この抵抗体R2は定常状態における回路全体の消費電流と同等となるように抵抗値が調整されている。
正電源401が更に立ち上がり、リセット回路14の解除電圧(例えば2.8V)に到達するとリセット回路14からリセット信号S3がHレベル出力され、マイクロコンピュータ50のリセット状態が解除されると同時に疑似負荷電流回路17のトランジスタTr1のベース−エミッタ間の電位差がなくなり、コレクタ電流は0となる。マイクロコンピュータ50のリセット状態が解除されることにより演算処理が開始されるため、回路全体の消費電流が急峻に増加するが、リセット状態の解除前に抵抗体R2に定常状態における回路全体の消費電流と同等の電流を流していることで安定した正電源の立ち上がりを可能としている。
正電源401がリセット回路14の解除電圧未満の場合、上記のとおり疑似負荷電流回路17の抵抗体R2へ電流が流れている。抵抗体R2の一端にはAND回路15におけるトランジスタTr2のベースが接続されており、生じた電圧によってトランジスタTr2のベース−エミッタ間に電位差が生じる。この状態でマイクロコンピュータ50から引き外し信号S1がHレベル出力されたとしてもトランジスタTr2が駆動し、マイクロコンピュータ50から電流を引き込むため、開閉回路9におけるサイリスタSCR1が駆動することはない。
このように、マイクロコンピュータ50の動作信頼性を向上するためのリセット回路14と、安定した電源立ち上がりを実現するための疑似負荷電流回路17を組み合わせる構成となっており、図6に示す不足電圧動作禁止回路6と比較し、新たに基準電圧回路あるいは比較器を設ける必要がないことから、マイクロコンピュータを搭載した電子式回路遮断器に適用されている。
特開昭63−274321号公報 特開平6−245362号公報
これまで説明した不足電圧動作禁止回路を搭載した電子式回路遮断器の従来例は、単一の制御部、例えばマイクロコンピュータによって時限特性を持たせた回路遮断器へ適用されるもので、図8に示されるように、制御部となるマイクロコンピュータ50は、大きく分けてA/D変換回路511を含んだA/D変換・演算部522と、時限特性部521とに二分される。
時限特性部521は、過電流時限特性あるいはその時限特性の設定、事前警報表示灯あるいは定格オーバー表示灯といった表示部制御など製品毎に異なる制御が必要であるため、製品の保有する機能によっては処理時間が増大することとなり、回路遮断器の瞬時引き外し特性のような回路遮断器投入から開閉接点201,202,203の開放まで数十msecという短時間動作が要求される回路遮断器では処理時間の増大が問題となる。
この処理時間を短縮する方法としてマイクロコンピュータ50の動作周波数を上げることが考えられるが、マイクロコンピュータ50の消費電流が増大してしまうため、変流器21,22,23の二次出力電流を電源回路4の正電源401として使用している関係上、電路111,112,113に流れる電流が小さい長限時引き外し特性ではマイクロコンピュータ50を含めた回路を駆動させるための電源が不足することになる。加えて、処理時間だけでなく機能によってはマイクロコンピュータ50内部のROM、RAMといった内蔵メモリの使用容量も増大することとなる。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、マイクロコンピュータによって時限特性を持たせた回路遮断器において、処理時間を短縮し、要求される短時間動作を実現した動作信頼性の高い電子式回路遮断器の提供を目的とするものである。
この発明に係る電子式回路遮断器は、電路を開閉する開閉接点と、上記電路の電流を検出する電流検出装置と、上記電路を流れる電流に応じ、上記開閉接点を開放する瞬時引き外し特性および時限引き外し特性を設定する特性設定部と、上記電流検出装置の出力信号が入力され、A/D変換回路により上記出力信号に応じたデジタル値に変換するとともに、上記デジタル値に変換した値が瞬時引き外し電流を超えたときに瞬時引き外し信号を出力する第1のマイクロコンピュータと、上記特性設定部が接続され、上記瞬時引き外し特性を生成する信号を上記第1のマイクロコンピュータに送信するとともに、上記第1のマイクロコンピュータから上記電路を流れる電流情報を取得し時限引き外し信号を出力する第2のマイクロコンピュータと、上記瞬時引き外し信号および上記時限引き外し信号に基づいて上記開閉接点を開放する引き外し装置と、を備えたことを特徴とする。
この発明に係る電子式回路遮断器によれば、A/D変換・演算部と時限特性部を複数のマイクロコンピュータで分担するため、各マイクロコンピュータの処理負担が軽減され、処理時間の短縮と内部メモリの使用容量の低減を図ることができる。
この発明の上記以外の目的、特徴、観点および効果は、図面を参照する以下のこの発明の詳細な説明から、さらに明らかになるであろう。
この発明の実施の形態1に係る電子式回路遮断器のブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る電子式回路遮断器のブロック図である。 この発明の実施の形態3に係る電子式回路遮断器のブロック図である。 この発明の実施の形態4に係る電子式回路遮断器のブロック図である。 この発明の実施の形態5に係る電子式回路遮断器のブロック図である。 従来の回路遮断器の一例を示す回路ブロック図である。 図6に示す回路遮断器の引き外し特性図である。 従来の他の回路遮断器の一例を示す回路ブロック図である。 図8に示す回路遮断器の不足電圧動作禁止回路を示すブロック図である。
以下、この発明に係る電子式回路遮断器の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、各図において同一符号は同一、若しくは相当部分を示している。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る電子式回路遮断器のブロック図である。図1において、電路111,112,113に流れる負荷電流は電流検出装置である変流器21,22,23によって検出される。変流器21,22,23の二次出力電流は整流回路3を介して信号変換回路7へ入力され、電流値に応じた電圧信号に変換される。信号変換回路7で変換された電圧信号は第1のマイクロコンピュータ50a(以下、マイクロコンピュータ50aという。)に入力され、A/D変換回路511により入力された電圧の大きさに応じたデジタル値に変換される。瞬時引き外し部516はA/D変換回路511から入力された電圧のデジタル値、すなわち変流器21,22,23の二次出力電流の大きさに応じて動作を行い、瞬時引き外し電流領域を越えた時に、逆流防止用ダイオード31を介して接続された開閉回路9へ引き外し信号S1をHレベル出力する。
一方、A/D変換回路511によって変換された入力電圧のデジタル値は、実効値演算部512およびピーク値演算部513により所定の周期における実効値と最大値が算出され、そのデジタル値は通信回路508aへ引き渡される。通信回路508aは第2のマイクロコンピュータ50b(以下、マイクロコンピュータ50bという。)の通信回路508bと接続されており、算出された実効値と最大値のデジタル値を受信し、マイクロコンピュータ50bの長限時引き外し部514および短限時引き外し部515へそれぞれ引き渡す。長限時引き外し部514および短限時引き外し部515は引き渡されたデジタル値、すなわち変流器21,22,23の二次出力電流の大きさに応じて動作を行い、過電流である場合には限時動作を行った後、逆流防止用ダイオード32を介して接続された開閉回路9へ引き外し信号S1をHレベル出力する。
変流器21,22,23は、電路111,112,113に流れる負荷電流によって整流回路3を介して二次出力電流を電源回路4へ供給する。電源回路4は一定の正電源401を生成し、リセット回路14a,14bおよびマイクロコンピュータ50a,50bにそれぞれ供給する。リセット回路14a,14bは電源回路4が生成する正電源401の電圧値を監視しており、その電圧値が所定値(例えば2.8V)以上となった場合、リセット信号S3,S4をLレベルからHレベルへと転じる。リセット信号S3は疑似負荷電流回路17のトランジスタTr1へ、リセット信号S4はトランジスタTr3へそれぞれ入力され、ベース−エミッタ間の電位差がなくなることによりコレクタ電流は0となる。そのため、抵抗体R2の両端に発生していた電圧も0となり、開閉回路9の入力部に接続されたトランジスタTr2のベース−エミッタ間の電位差がなくなる。
すなわち、電源回路4が生成する正電源401の電圧値が所定値未満であれば、疑似負荷電流回路17の抵抗体R2へ電流を流すと同時に、開閉回路9に接続されたAND回路15のトランジスタTr2により開閉回路9の入力部はLレベルで維持され、マイクロコンピュータ50a,50bより引き外し信号S1,S2が誤ってHレベル出力されても開閉回路9が駆動されることはない。正電源401が所定値以上であれば、疑似負荷電流回路17の抵抗体R2に流れる電流は停止し、同時にAND回路15のトランジスタTr2がスイッチング動作としてオフになるため、マイクロコンピュータ50a,50bいずれかから引き外し信号S1,S2がHレベル出力された場合、開閉回路9が駆動し、釈放形過電流引き外し装置10が励磁され、遮断機構11を介して機械的に開閉接点201,202,203を開離させることができる。
開閉接点201,202,203が開放状態から閉成状態となった場合、あるいは負荷機器が投入された場合などは、電源回路4が過渡的な状態となり、正電源401は徐々に立ち上がる。マイクロコンピュータ50a,50bの動作電圧以下においてはその動作は不安定であり、引き外し信号S1,S2がHレベル、すなわち誤った信号が出力される恐れがある。しかしながら前述のとおり、リセット回路14a,14bは電源回路4の正電源401の電圧値を監視しており、出力電圧が所定値未満であればリセット信号S3はLレベルが維持され、マイクロコンピュータ50a,50bの引き外し信号S1,S2は無効化されるため、開閉回路9は導通せず、引き外し動作は行われない。電源回路4の正電源401が所定値に達した時点でリセット信号S3,S4はHレベルとなり、マイクロコンピュータ50a,50bの引き外し信号S1,S2は有効となる。
リセット信号S3,S4はマイクロコンピュータ50a,50bのRST端子へそれぞれ接続されており、マイクロコンピュータ50a,50bは自身の動作電圧以上の電圧が印加されている場合でも、RST端子への入力がLレベルである限り、A/D変換回路511、実効値演算部512、ピーク値演算部513、瞬時引き外し部516、短限時引き外し部515、長限時引き外し部514、通信回路508a,508bが機能することはなく、RST端子への入力がHレベルとなった時初めて演算処理を開始し、電路111,112,113に流れる負荷電流に応じた引き外し動作を行うことになる。
電源回路4の定常状態において、電路111,112,113に流れる負荷電流が減少し、正電源401の電圧値が所定値未満に低下した場合は、リセット回路14a,14bのリセット信号S3,S4がHレベルからLレベルへ転じ、AND回路15によってマイクロコンピュータ50a,50bの引き外し信号S1,S2を無効化する。同時にマイクロコンピュータ50a,50bのRST端子へLレベルのリセット信号を入力することにより、それぞれのマイクロコンピュータ50a,50bの演算処理を停止し、リセット状態に保つ。その後、電路111,112,113に流れる負荷電流が増加した場合には正電源401の電圧値が上昇し、所定値を越えるとリセット回路14a,14bのリセット信号S3,S4がLレベルからHレベルへと転じ、マイクロコンピュータ50a,50bの引き外し信号S1,S2を有効化するとともに、マイクロコンピュータ50a,50bのRST端子へHレベルのリセット信号を入力することによりマイクロコンピュータ50a,50bのリセット状態が解除され、演算処理を再開する。
このように、マイクロコンピュータ50a,50bは電源電圧が正常になった場合にのみ演算処理を開始し、その引き外し信号S1,S2が有効化となる。
上記のように、実施の形態1に係る電子式回路遮断器によれば、A/D変換・演算部522をマイクロコンピュータ50aが、時限特性部521をマイクロコンピュータ50bがそれぞれ担当することで、各々の演算に要する処理が軽減され、処理時間の短縮と各内蔵メモリの使用容量の低減を図ることができ、且つ製品毎に共通となるA/D変換・演算部を分離させることができる。ただし、A/D変換・演算部522にて処理したデジタル信号を時限特性部521に通信回路508aを介して送信する必要性が生じるため、A/D変換回路511を含むA/D変換・演算部522には、時限特性部521の内、短時間動作が必要な瞬時引き外し特性と瞬時引き外し電流領域を越えた場合の引き外し信号出力回路のみをマイクロコンピュータ50aに残し、短時間動作の問題を解決した上で、短限時特性あるいは長限時特性、設定、表示制御などはマイクロコンピュータ50bに役割を持たせている。
また、リセット回路14a,14bをマイクロコンピュータ50a,50bへそれぞれ接続し、AND回路15および疑似負荷電流回路17からなる不足電圧動作禁止回路を構成することで、電源状態が不安定な場合における各マイクロコンピュータ50a,50bからの誤った引き外し信号出力を不足電圧動作禁止回路により防止することができる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る電子式回路遮断器について説明する。
図2は、実施の形態2に係る電子式回路遮断器のブロック図である。実施の形態1と実施の形態2の差異は、図2に示すように、リセット回路を単一のリセット回路14のみとし、リセット信号S3をマイクロコンピュータ50a,50b、疑似負荷電流回路17のトランジスタTr1へ共通で接続していることである。なお、その他の構成については、実施の形態1と同様であり、同一符号を付すことにより重複説明を省略する。
実施の形態1のように複数のマイクロコンピュータを搭載し、各々が引き外し信号出力回路を持つ回路遮断器において、従来の不足電圧動作禁止回路を適用した場合、リセット回路も複数となり、リセット回路駆動電圧にばらつきが存在することとなる。そのため、全てのリセット回路においてリセット回路駆動電圧以上となるまで不足電圧動作禁止回路は機能せず、各マイクロコンピュータの誤った引き外し信号出力を防ぐことのできない電源電圧領域が存在する。また、各リセット回路の解除電圧にも同様にばらつきが存在するため、全てのマイクロコンピュータのリセット状態が解除されていないにもかかわらず疑似負荷電流が停止し、電源回路が不安定な状態となる。
実施の形態2に係る電子式回路遮断器によれば、リセット回路を単一のリセット回路14のみとしたので、リセット回路の駆動電圧および解除電圧のばらつきが存在せず、常に一定の電圧閾値により電源電圧を監視し、電源状態が不安定な場合における各マイクロコンピュータ50a,50bからの誤った引き外し信号出力を不足電圧動作禁止回路により防止することができる。
また、リセット回路を単一のリセット回路14のみとすることにより、リセット回路14、AND回路15および疑似負荷電流回路17からなる不足電圧動作禁止回路の部品点数を削減することができ、実装面積を小さく且つ安価に構成することが可能である。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3に係る電子式回路遮断器について説明する。
図3は、実施の形態3に係る電子式回路遮断器のブロック図である。実施の形態3に係る電子式回路遮断器は、図3に示すように、AND回路15のトランジスタTr2と開閉回路9の入力部の間に抵抗体R3を直列に接続し、また抵抗体R4をGNDと並列に接続した電圧分割回路を設けたものである。なお、その他の構成については、実施の形態2と同様であり、同一符号を付すことにより重複説明を省略する。
リセット回路14は、電源回路4の正電源401の電圧値を監視するとともに、その正電源電圧によって駆動している。そのため、電路111,112,113に流れる負荷電流が小さく(例えば定格電流の10%)、電源回路4の生成する正電源401の電圧値が小さい(例えば0.7V)場合、リセット回路14が駆動せず、リセット信号S3がHレベル、すなわち正電源401と同電位となる領域が存在する。
この領域においてマイクロコンピュータ50a,50bから誤った引き外し信号S1,S2が出力された場合、開閉回路9が駆動され、回路遮断器が誤動作してしまう。抵抗体R3,R4による電圧分割回路を設けることで、このような電圧領域における誤った引き外し信号S1,S2の電圧値を小さくし、開閉回路9の駆動電圧以下となるよう抵抗体R3,R4の抵抗値を調整することにより、誤動作を防止することができ、更なる回路遮断器の動作信頼性の向上が図れる。勿論、抵抗体R3,R4は定常状態において引き外し信号S1,S2がHレベル出力された際、開閉回路9の駆動電圧以上となるように抵抗値を調整する必要があることは言うまでもない。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4に係る電子式回路遮断器について説明する。
図4は、実施の形態4に係る電子式回路遮断器のブロック図である。実施の形態2と実施の形態4との差異は、図4に示すように、バッファ回路18とS/W書込み部19を新たに設けていることである。バッファ回路18はリセット回路14とマイクロコンピュータ50bのRST端子間に挿入され、S/W書込み部19はマイクロコンピュータ50a,50bのRST端子にそれぞれ接続されている。なお、その他の構成については、実施の形態2と同様であり、同一符号を付すことにより重複説明を省略する。
リセット回路14からのリセット信号S3はバッファ回路18に入力され、リセット信号S3がHレベルの場合においてバッファ回路18の出力はハイインピーダンスとなり、抵抗体R5を介してHレベル信号がマイクロコンピュータ50bのRST端子へ入力される。リセット信号S3がLレベルの場合においてはバッファ回路18の出力もLレベルとなり、マイクロコンピュータ50bのRST端子へ入力される。論理的には何も変化はないが、マイクロコンピュータ50bのRST端子電位が変化した場合においても、マイクロコンピュータ50aのRST端子、あるいは疑似負荷電流回路17の入力には影響を与えない働きを持つことになる。
一般に、マイクロコンピュータのRST端子はS/Wを書き込むためのデバッグ端子として使用されることがあり、回路が構成された状態、すなわちマイクロコンピュータ50a,50bのRST端子が共通となった状態において、一方のS/WをS/W書込み部19から書き込んだ場合、データ送受信によりRST端子がHレベル、Lレベルを繰り返すため、他方のマイクロコンピュータがリセット/スタートを繰り返すことになる。ここで、他方のマイクロコンピュータがリセット解除時にRST端子を汎用出力端子として設定されるような仕様であった場合、S/W書込み用のデータ送受信波形を阻害し、書込みができないといった問題が想定される。
そこでマイクロコンピュータ50a,50bのRST端子間にバッファ回路18を設けることで、回路が構成された状態でも一方のマイクロコンピュータ(例えば50a)のS/W書込み用データ送受信によるリセット/スタートが他方のマイクロコンピュータ(例えば50b)で繰り返されたとしても、マイクロコンピュータ50bのRST端子出力がマイクロコンピュータ50aのRST端子に影響を与えないよう構成したものである。
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5に係る電子式回路遮断器について説明する。
図5は実施の形態5に係る電子式回路遮断器のブロック図である。図4におけるバッファ回路18は、図5に示すようなS/W書込み部19と接続されたスイッチング回路20を設け、S/W書込み部19が駆動している場合にはスイッチング回路20を開として正常にS/Wが書き込めるよう制御し、S/Wが書込みされない場合にはスイッチング回路20を閉とするような構成としても構わない。なお、その他の構成については、実施の形態4と同様であり、同一符号を付すことにより重複説明を省略する。
実施の形態5に係る電子式回路遮断器においても、実施の形態4と同様に、回路が構成された状態でも一方のマイクロコンピュータ(例えば50a)のS/W書込み用データ送受信によるリセット/スタートが他方のマイクロコンピュータ(例えば50b)で繰り返されたとしても、マイクロコンピュータ50bのRST端子出力がマイクロコンピュータ50aのRST端子に影響を与えることはない。
以上、この発明の実施の形態1から実施の形態5について説明したが、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。

Claims (2)

  1. 電路を開閉する開閉接点と、
    上記電路の電流を検出する電流検出装置と、
    上記電路を流れる電流に応じ、上記開閉接点を開放する瞬時引き外し特性および時限引き外し特性を設定する特性設定部と、
    上記電流検出装置の出力信号が入力され、A/D変換回路により上記出力信号に応じたデジタル値に変換するとともに、上記デジタル値に変換した値が瞬時引き外し電流を超えたときに瞬時引き外し信号を出力する第1のマイクロコンピュータと、
    上記特性設定部が接続され、上記瞬時引き外し特性を生成する信号を上記第1のマイクロコンピュータに送信するとともに、上記第1のマイクロコンピュータから上記電路を流れる電流情報を取得し時限引き外し信号を出力する第2のマイクロコンピュータと、
    上記瞬時引き外し信号および上記時限引き外し信号に基づいて上記開閉接点を開放する引き外し装置と、を備えたことを特徴とする電子式回路遮断器。
  2. 上記第1のマイクロコンピュータは、上記電流検出装置の出力信号より所定の周期における実効値と最大値を算出して上記第2のマイクロコンピュータに送信し、
    上記第2のマイクロコンピュータは、受信した上記実効値と上記最大値に基づいて時限引き外し信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の電子式回路遮断器。
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