JP2020122914A - 定着装置、画像形成装置 - Google Patents

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祐介 古市
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Abstract

【課題】本発明では、加熱部材に印加されたAC電流の転写ニップ側への流れ込みを防止することを課題としている。【解決手段】回転可能に設けられた無端状の定着ベルト20と、定着ベルト20を加圧する回転可能な加圧ローラ21と、定着ベルト20の内側に設けられ、定着ベルト20を加熱するハロゲンヒータ22と、加圧ローラ21の用紙搬送方向上流側に設けられ、用紙Pに当接するフィラー38とを備えた定着装置6であって、フィラー38は、接地され、かつ、用紙Pの当接を検知することができるものである。【選択図】図5

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
複写機やプリンタなどの電子写真方式の画像形成装置において、未定着画像が形成された用紙などの記録媒体を、定着ベルトとこれに対向接触する加圧ローラなどの加圧部材との間(定着ニップ)に搬送し、このニップ部で記録媒体を加熱および加圧することで、未定着画像を定着する定着装置が知られている。
この種の定着装置では、定着ベルトを加熱するためのハロゲンヒータ等の加熱部材が定着ベルトの内側に設けられる。加熱部材は、AC電流を印加されることにより発熱し、定着ベルトを加熱することができる。
しかし、上記の定着装置を備えた画像形成装置では、AC電流が、用紙に画像を転写する転写ニップへ流れ込むことが問題になる。つまり、用紙が定着ニップにニップされ、かつ、定着装置の上流側に設けられた転写ニップ(例えば、中間転写ベルトと二次転写ローラとの二次転写ニップ)にニップされた際に、加熱部材に印加されたAC電流が、加熱部材から定着ベルトを介して用紙に流れ込み、用紙を介して転写ニップへと流れ込むおそれがあった。そして、AC波形が転写バイアスに影響を与えることで、用紙に転写される画像に濃度ムラが生じてしまうという問題があった。
上記のAC電流の流れ込みの対策として、例えば特許文献1(特開2015−84084号公報)では、定着ニップの記録材搬送方向上流側に、記録材を定着ニップの側へガイドするガイド部材が設けられる。そして、このガイド部材を導電性の部材によって構成し、接地する。これにより、ヒータに印加されたAC電流が記録材側へ流れ込んできた際に、ガイド部材の側へ逃がすことができ、AC電流の転写ニップへの流れ込みに対策を施すことができる。
定着装置に通紙される記録媒体の姿勢によっては、記録媒体がガイド部材に当接しない場合がある。従って、特許文献1のような構成では、記録媒体がガイド部材に当接しないことで、AC電流が転写ニップ側へ流れ込み、画像の濃度ムラを生じてしまうという課題があった。
このような事情から、本発明では、加熱部材に印加されたAC電流の転写ニップ側への流れ込みを防止することを課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明は、回転可能に設けられた無端状のベルトと、前記ベルトを加圧する回転可能な加圧部材と、前記ベルトの内側に設けられ、前記ベルトを加熱する加熱部材と、前記加圧部材の記録媒体搬送方向上流側に設けられ、記録媒体に当接する導電性部材とを備えた定着装置であって、前記導電性部材は、接地され、かつ、前記記録媒体の当接を検知することができることを特徴とする。
本発明によれば、導電性部材を記録媒体に安定して当接させ、記録媒体を、導電性部材を介して接地することができる。従って、AC電流の定着装置上流側への流れ込み、特に転写ニップ側への流れ込みをより確実に防止することができる。
画像形成装置の概略構成図である。 定着装置の側面断面図である。 ヒータを示す図で、(a)図が正面図、(b)図が下面図である。 ヒータホルダに対するヒータの取付け状態を示す斜視図である。 定着装置の側面断面図である。 フィラーを示す斜視図である。 用紙幅方向におけるフィラーの位置関係を示す図である。 定着装置の等価電気回路を示す図で、(a)図はフィラーを設けない場合、(b)図が本実施形態の場合を示す図である。 フィラーを、抵抗およびコンデンサを介して接地した様子を示す図である。 用紙の状態の違いによる、用紙とフィラーの当接の有無を示す図である。 用紙の状態の違いによる、用紙とフィラーの当接の有無を示す図である。 他の実施形態のフィラーを設けた定着装置を示す側面断面図である。 他の定着装置の概略構成図である。 別の定着装置の概略構成図である。 さらに別の定着装置の概略構成図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1に示すカラー画像形成装置1の中央には、4つのプロセスユニット9Y,9M,9C,9Bkが着脱可能に設けられた画像形成部2が配置されている。各プロセスユニット9Y,9M,9C,9Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
具体的な各プロセスユニット9としては、表面上に現像剤としてのトナーを担持可能なドラム状の回転体である感光体ドラム10と、感光体ドラム10の表面を一様に帯電させる帯電ローラ11と、感光体ドラム10の表面にトナーを供給する現像ローラを有する現像装置12等を備えている。
プロセスユニット9の下方には、露光部3が配置されている。露光部3は、画像データに基づいて、レーザ光を発するように構成されている。
画像形成部2の上方には転写部4が配置されている。転写部4は、駆動ローラ14及び従動ローラ15に周回走行可能に張架されている無端状の中間転写ベルト16、各プロセスユニット9の感光体ドラム10に対して中間転写ベルト16を挟んだ対向位置に配置されている一次転写ローラ13等で構成されている。各一次転写ローラ13はそれぞれの位置で中間転写ベルト16の内周面を押圧しており、中間転写ベルト16の押圧された部分と各感光体ドラム10とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。
また、中間転写ベルト16を挟んで駆動ローラ14に対向した位置には二次転写ローラ17が配設されている。二次転写ローラ17は中間転写ベルト16の外周面を押圧しており、二次転写ローラ17と中間転写ベルト16とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。駆動ローラ14、中間転写ベルト16、そして、二次転写ローラ17は、画像を用紙に転写する画像転写部として機能する。
給紙部5は、画像形成装置1の下部に位置しており、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙カセット18や、給紙カセット18から用紙Pを搬出する給紙ローラ19等からなっている。
搬送路7は、給紙部5から搬出された用紙Pを搬送する搬送経路であり、一対のレジストローラ27の他、後述する排紙部8に至るまで、搬送ローラ対が搬送路7の途中に適宜配置されている。
定着装置6は、加熱部材によって加熱される定着ベルト20、その定着ベルト20を加圧可能な加圧ローラ21等を有している。
排紙部8は、画像形成装置1の搬送路7の最下流に設けられる。この排紙部8には、用紙Pを外部へ排出するための一対の排紙ローラ28と、排出された用紙Pをストックするための排紙トレイ29とが配設されている。
画像形成装置1の上部には、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の各色トナーが充填されたトナーボトル50Y,C,M,Kが着脱可能に設けられている。そして、このトナーボトル50Y,C,M,Kから各現像装置12との間に設けた補給路を介して、各色の現像装置12に各色トナーが補給される。
以下、図1を参照して上記画像形成装置1の基本的動作について説明する。
画像形成装置1において、画像形成動作が開始されると、各プロセスユニット9Y,9C,9M,9Kの感光体ドラム10の表面に静電潜像が形成される。各感光体ドラム10に露光部3によって露光される画像情報は、所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。各感光体ドラム10上には静電潜像が形成され、各現像装置12に蓄えられたトナーが、ドラム状の現像ローラによって感光体ドラム10に供給されることにより、静電潜像は顕像であるトナー画像(現像剤像)として可視像化される。
転写部4では、駆動ローラ14の回転駆動により中間転写ベルト16が図の矢印Aの方向に走行駆動される。また、各一次転写ローラ13には、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加される。これにより、一次転写ニップにおいて転写電界が形成され、各感光体ドラム10に形成されたトナー画像は一次転写ニップにて中間転写ベルト16上に順次重ね合わせて転写される。
一方、画像形成動作が開始されると、画像形成装置1の下部では、給紙部5の給紙ローラ19が回転駆動することによって、給紙カセット18に収容された用紙Pが搬送路7に送り出される。搬送路7に送り出された用紙Pは、レジストローラ27によってタイミングを計られて、二次転写ローラ17と駆動ローラ14との間の二次転写ニップに送られる。このとき、中間転写ベルト16上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、二次転写ニップに転写電界が形成されている。二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト16上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置6へと搬送され、定着ベルト20と加圧ローラ21とによって用紙Pが加熱及び加圧されてトナー画像が用紙Pに定着される。そして、トナー画像が定着された用紙Pは、定着ベルト20から分離され、搬送ローラ対によって搬送され、排紙部8において排紙ローラ28によって排紙トレイ29へと排出される。
以上の説明は、用紙P上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット9Y,9C,9M,9Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニット9を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
続いて、定着装置の構成について説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る定着装置6は、無端状のベルトから成る定着ベルト20と、定着ベルト20の外周面に当接してニップ部Nを形成する加圧部材としての加圧ローラ21と、定着ベルト20を加熱する加熱部材としてのヒータ22と、ヒータ22を保持する保持部材としてのヒータホルダ23と、ヒータホルダ23にその背面側から当接し、ヒータホルダ23を支持する当接部材としてのステー24と、定着ベルト20の温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタ25等を備えている。
定着ベルト20は、例えば外径が25mmで厚みが40〜120μmのポリイミド(PI)製の筒状基体を有している。定着ベルト20の最表層には、耐久性を高めて離型性を確保するために、PFAやPTFE等のフッ素系樹脂による厚みが5〜50μmの離型層が形成される。基体と離型層の間に厚さ50〜500μmのゴム等からなる弾性層を設けてもよい。また、定着ベルト20の基体はポリイミドに限らず、PEEKなどの耐熱性樹脂やニッケル(Ni)、SUSなどの金属基体であってもよい。定着ベルト20の内周面に摺動層としてポリイミドやPTFEなどをコートしてもよい。
加圧ローラ21は、例えば外径が25mmであり、中実の鉄製芯金21aと、この芯金21aの表面に形成された弾性層21bと、弾性層21bの外側に形成された離型層21cとで構成されている。弾性層21bはシリコーンゴムで形成されており、厚みは例えば3.5mmである。弾性層21bの表面は離型性を高めるために、厚みが例えば40μm程度のフッ素樹脂層による離型層21cを形成するのが望ましい。
加圧ローラ21が付勢手段によって定着ベルト20側へ付勢されることで、加圧ローラ21は定着ベルト20を介してヒータ22に圧接される。これにより、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成される。また、加圧ローラ21は駆動手段によって回転駆動されるように構成されており、加圧ローラ21が図2の矢印方向に回転すると、これに伴って定着ベルト20が従動回転する。
ヒータ22は、定着ベルト20の幅方向(図2の紙面に垂直な方向で、ヒータ22やヒータホルダ23の長手方向でもある)にわたって長手状に設けられた面状の加熱部材であり、板状の基材30と、抵抗発熱体(発熱部)31と、抵抗発熱体31を被覆する絶縁層等で構成されている。また、ヒータ22は、絶縁層を介して定着ベルト20の内周面に対して接触しており、抵抗発熱体31から発された熱は、絶縁層を介して定着ベルト20へと伝達される。
ヒータホルダ23及びステー24は、定着ベルト20の内周側に配置されている。ステー24は、金属製のチャンネル材で構成され、その両端部分が定着装置6の両側板に支持されている。ステー24によってヒータホルダ23及びこれに保持されるヒータ22が支持されていることで、加圧ローラ21が定着ベルト20に加圧された状態で、ヒータ22が加圧ローラ21の押圧力を確実に受けとめてニップ部Nを安定的に形成する。
ヒータホルダ23は、ヒータ22の熱によって高温になりやすいため、耐熱性の材料で形成されることが望ましい。例えば、ヒータホルダ23をLCPなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂で形成した場合は、ヒータ22からヒータホルダ23への伝熱が抑制され効率的に定着ベルト20を加熱することができる。
本実施形態に係る定着装置6において、印刷動作が開始されると、加圧ローラ21が回転駆動され、定着ベルト20が従動回転を開始する。また、ヒータ22の抵抗発熱体31に電力が供給されることで、定着ベルト20が加熱される。そして、定着ベルト20の温度が所定の目標温度(定着温度)に到達した状態で、未定着トナー画像が担持された用紙Pが、定着ベルト20と加圧ローラ21との間(ニップ部N)に搬送されることで、未定着トナー画像が加熱及び加圧されて用紙Pに定着される。
次に、ヒータ22のより詳細な構成について、図3を用いて説明する。
図3(a)に示すように、長手の板状部材である基材30の表面には、長手方向に延在する2列の抵抗発熱体31、31と、給電線33a〜33cと、電極34a、34b等が設けられている。そして、基材30の表面およびこれらの部材を覆うようにして設けられ、これらを絶縁する絶縁層等が設けられる。
基材30の材料としては、アルミナや窒化アルミなどのセラミック、ガラス、マイカ、ポリイミド(PI)等の耐熱性樹脂材料が耐熱性および絶縁性に優れ好ましい。例えば、導電材料としては、アルミや銅、銀、グラファイトやグラフェンなど、高熱伝導率の材料は熱伝導の作用によりヒータ全体の温度を均一化することで画像品位を高められるので、より好ましい。
抵抗発熱体31,31や給電線33a〜33cの材料としては、銀(Ag)やパラジウム(Pd)、白金(Pt)、酸化ルテニウム(RuO2)などを調合した導電材料ペーストをスクリーン印刷等により塗工し、その後の焼成によって形成することができる。
各抵抗発熱体31、31は、長手方向一端側で給電線33a、33bを介して電極34a、34bにそれぞれ接続されている。また、各抵抗発熱体31、31は、その長手方向他端側で、短手方向に延在する給電線33cを介して互いに接続されている。
図3(b)に示すように、ヒータ22は、基材30の上層あるいは下層の絶縁ガラス層32a1、32a2と、その更に上層あるいは下層に配置された絶縁保護層32b1,32b2とからなる複層構造をしている。上記の抵抗発熱体31等は、基材30上に絶縁ガラス層32a1を介して配置されており、その表面を絶縁保護層32b1によって被覆されている。
絶縁保護層32b1,32b2としては、アルミナや窒化アルミなどのセラミック、ガラス、マイカ、ポリイミド等の耐熱性樹脂材料により形成することで、絶縁保護層32b1,32b2が耐熱性および絶縁性に優れ、好ましい。
次に、基材30の接地構造について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、ヒータホルダ23の長手方向中央側、および両端側には、ヒータ22の側へ開口した矩形状の長孔23aが設けられる。各長孔23a内には板バネ35が設けられる。また、各板バネ35は配線36および抵抗37を介して接地(アース)されている。
ヒータ22の絶縁ガラス層32a1および絶縁保護層32b1{図3(b)参照}には、板バネ35の図4の先端側部分に相当する位置に、開口部32cが設けられる。従って、ヒータ22をヒータホルダ23の破線位置に取り付けると、板バネ35の折り曲げ部が、開口部32cを介して基材30の裏面に当接する。
板バネ35の付勢力によって、板バネ35と基材30は安定して当接し、基材30を安定して設置させることができる。ただし、板バネ35に代えて、基材30にハーネスを接続し、基材30を直に設置する構成や、ステー24を介して接地する構成であってもよい。
次に、定着ニップNの用紙搬送方向上流側に設けられるフィラーについて、図5〜図7を用いて説明する。
図5に示すように、定着ニップNの用紙搬送方向上流側で加圧ローラ21の側には、導電性部材としてのフィラー38が設けられる。
フィラー38は、導電性の材料によって形成する他、絶縁性の材料によって形成してその表面を導電処理したり、導電性のシール材などを貼り付けることもできる。
フィラー38は、用紙検知機能を有し、その表面に用紙Pが当接したか否かを判別することができる。
フィラー38は、二次転写ニップから定着装置6へ搬送される用紙Pにその裏面側(画像を形成および定着する面とは反対側)から当接する。
図6に示すように、フィラー38は、固定手段としてのネジ39によって、その一端にハーネス40が取り付けられている。ハーネス40は、定着装置6のフレームに接続され、画像形成装置本体を介して接地されている。
図7に示すように、用紙幅方向において、フィラー38は、定着装置6に通紙される最も小さい用紙の通紙領域X内に設けられる。これにより、定着装置6に通紙される用紙のサイズによらず、フィラー38を用紙Pに接触させることができる。
次に、定着装置周辺の接地構造について、図8を用いて説明する。なお、図8(a)は本実施形態と異なり、フィラー38を設けない構成、図8(b)は本実施形態の構成を示しており、それぞれの図は用紙Pが二次転写ニップおよび定着ニップにわたって設けられた状態を示している。
図8(a)に示すように、定着ベルト20が絶縁ガラス層32a2および絶縁保護層32b2により基材30から絶縁されているので、フィラー38を設けない場合には、基材30を接地(アース)しても、定着ベルト20の電荷をキャンセルすることができない。従って、抵抗発熱体31に交流電流が印加されると、定着ベルト20および用紙Pを介して二次転写ニップに交流電流が印加され、画像ムラ等の原因になってしまう。
これに対して本実施形態では、図8(b)に示すように、接地されたフィラー38が用紙Pに当接することにより、定着ベルト20を介して用紙Pに流れ込んできた電流をフィラー38側へ逃がし、二次転写ニップへ交流電流が流れ込むことを防止できる。従って、交流電流の流れ込みによる画像ムラの発生を防止することができる。
また、図9に示すように、フィラー38と定着装置6のフレームとの間に抵抗41やコンデンサ(容量素子)42を設けることが好ましい。抵抗を設けることで、二次転写側の電流が用紙Pを介してフィラー38の側へ流れ込むことを抑制し、二次転写側の電流不足による画像形成不良を防止することができる。また、コンデンサを設けることで、交流電圧を減衰させてACバンディング画像を抑制することができる。
またフィラー38が用紙検知機能を有することで、フィラー38が用紙Pに当接しているか否かを判別することができる。従って、上記の接地構造を安定して形成し、二次転写ニップ側への交流電流の流れ込みによる画像ムラの発生をより確実に防止することができる。
さらに、フィラー38を定着ニップNなどにおける残紙検知センサとしても利用することができ、部品数を減らすことができる。
次に、用紙Pがフィラー38に当接していない場合に、上記のフィラー38の用紙検知機能を利用して、用紙Pをフィラー38に当接させる方法について説明する。
本実施形態では、印刷動作時に、フィラー38が用紙Pの接触を検知しない場合には、二次転写ニップあるいは定着ニップにおける用紙Pの搬送速度、つまり、駆動ローラ14や加圧ローラ21の回転速度を変更することで、用紙Pをフィラー38に当接させることができる。
具体的には、例えば図10に示すように、用紙Pがたるんでいてフィラー38に当接していない場合には、駆動ローラ14の回転速度を小さくする、または、加圧ローラ21の回転速度を大きくすることで、図5に示すように、用紙Pを張った状態にし、フィラー38に当接させることができる。またこれとは逆に、図11(a)に示すように、用紙Pが張った状態でフィラー38に当接していない場合には、駆動ローラ14の回転速度を大きくする、または、加圧ローラ21の回転速度を小さくすることで、図11(b)に示すように、用紙Pをたるませてフィラー38に当接させることができる。このように、用紙Pがフィラー38に当接しない場合には、駆動ローラ14や加圧ローラ21の回転速度を大きくしたり小さくしたりすることで、用紙Pをフィラー38に当接させることができる。
またフィラー38が定着ニップNへ用紙Pをガイドするガイド部材を兼ねることもできる。つまり、図12に示すように、フィラー38はガイド面38aを用紙Pに当接させることで、用紙Pを定着ニップNへガイドすることができる。なお、フィラー38は、上記の実施形態と同様、用紙検知機能を有し、用紙の当接の有無を判別することができる。
フィラー38は可動式とし、用紙Pが突き当たることにより、図の右側へ揺動可能(図の点線部から実線部へ移動可能)とする。これにより、用紙Pがガイド面38aに当接した際の用紙Pへの当接力を低減し、用紙Pの先端の折れや破損などを防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
本発明に係る画像形成装置は、図1に示すカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置や、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等であってもよい。
記録媒体としては、用紙P(普通紙)の他、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔等が含まれる。
また、本発明は、図2に示す定着装置のほか、例えば、図13、図15に示すような定着装置にも適用可能である。以下、図13〜図15に示す各定着装置の構成について簡単に説明する。
まず、図13に示す定着装置6は、定着ベルト20に対して加圧ローラ21側とは反対側に、押圧ローラ44が配置されており、この押圧ローラ44とヒータ22とによって定着ベルト20を挟んで加熱するように構成されている。一方、加圧ローラ21側では、定着ベルト20の内周にニップ形成部材45が配置されている。ニップ形成部材45は、ステー24によって支持されており、ニップ形成部材45と加圧ローラ21とによって定着ベルト20を挟んでニップ部Nを形成している。また、ニップ形成部材45には、定着ベルト20をガイドするガイド部材26が設けられている。
次に、図14に示す定着装置6では、前述の押圧ローラ44が省略されており、定着ベルト20とヒータ22との周方向接触長さを確保するために、ヒータ22が定着ベルト20の曲率に合わせて円弧状に形成されている。その他は、図13に示す定着装置6と同じ構成である。
最後に、図15に示す定着装置6では、定着ベルト20のほかに加圧ベルト46が設けられ、加熱ニップ(第1ニップ部)N1と定着ニップ(第2ニップ部)N2とを分けて構成している。すなわち、加圧ローラ21に対して定着ベルト20側とは反対側に、ニップ形成部材45とステー47とを配置し、これらニップ形成部材45とステー47を内包するように加圧ベルト46を回転可能に配置している。そして、加圧ベルト46と加圧ローラ21との間の定着ニップN2に用紙Pを通紙して加熱及び加圧して画像を定着する。その他は、図2に示す定着装置6と同じ構成である。このような構成においても、抵抗発熱体31に印加された交流電流が、定着ベルト20および加圧ローラ21、そして用紙Pを介して、転写側へ流れ込むおそれがある。
以上の各定着装置6においても、フィラー38を設けることで、抵抗発熱体31に印加されたAC電流が、定着ベルト20や加圧ローラ21、そして、用紙Pを介して二次転写ニップに交流電流が印加されることを防止し、画像ムラの発生を防止することができる。
1 画像形成装置
6 定着装置
14 駆動ローラ
16 中間転写ベルト
17 二次転写ローラ
20 定着ベルト(ベルト)
21 加圧ローラ(加圧部材)
22 ヒータ(加熱部材)
30 基材
31 抵抗発熱体
32a1、32a2 絶縁ガラス層
32b1、32b2 絶縁保護層
33a〜33c 給電線
34a、34b 電極
38 フィラー(導電性部材)
39 ネジ(固定手段)
40 ハーネス
41 抵抗
42 コンデンサ(容量素子)
P 用紙(記録媒体)
特開2015−84084号公報

Claims (10)

  1. 回転可能に設けられた無端状のベルトと、
    前記ベルトを加圧する回転可能な加圧部材と、
    前記ベルトの内側に設けられ、前記ベルトを加熱する加熱部材と、
    前記加圧部材の記録媒体搬送方向上流側に設けられ、記録媒体に当接する導電性部材とを備えた定着装置であって、
    前記導電性部材は、接地され、かつ、前記記録媒体の当接を検知できることを特徴とする定着装置。
  2. 記録媒体搬送時に、前記導電性部材が前記記録媒体の当接を検知しない場合には、前記記録媒体の搬送速度を変更する請求項1記載の定着装置。
  3. 前記導電性部材は、抵抗を介して接地される請求項1または2記載の定着装置。
  4. 前記導電性部材は、容量素子を介して接地される請求項1から3いずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記ベルトの幅方向において、前記導電性部材は、定着動作を行う最小幅の記録媒体の領域内に設けられる請求項1から4いずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記導電性部材は、固定手段により前記導電性部材に固定したハーネスを介して接地される請求項1から5いずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記導電性部材は、前記記録媒体の被定着面とは反対側の面に当接する請求項1から6いずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記導電性部材が前記記録媒体を定着ニップへガイドするためのガイド面を有する請求項1から7いずれか1項に記載の定着装置。
  9. 請求項1から8いずれか1項に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
  10. 前記記録媒体に画像を転写すると共に、前記記録媒体を記録媒体搬送方向下流側へ搬送する画像転写部を有し、
    前記記録媒体搬送時に、前記導電性部材が前記記録媒体の当接を検知しない場合には、前記画像転写部による前記記録媒体の搬送速度を変更する請求項9記載の画像形成装置。
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