JP2020122318A - 斜面保護構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来に比べて安価にして斜面の崩壊を防止することができる斜面保護構造を提供する。【解決手段】複数の立木2が立設され、土砂災害の発生が想定される危険区域3を有する斜面1の保護構造11において、危険区域3の立木2と危険区域以外の安定区域4の立木2とをロープ材12により連結したから、危険区域3に崩壊が発生すると、危険区域3の立木2と安定区域4の立木2とを連結するロープ材12により、それ以上の崩壊を防止又は崩壊のエネルギーを減衰することができる。また、複数のロープ材12を斜面1の傾斜方向に間隔を置いて多段に設けたから、危険区域3の両側の複数の立木2に連結されると共に、斜面1の傾斜方向に多段に設けたロープ材12に連結した立木2がアンカーとして作用する。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の立木が立設された斜面保護構造に関する。
従来、硬質で急勾配の斜面において客土の流失を抑えるとともに通水性の優れた斜面の緑化構造として、苗木の根元部分に、中心部分に貫通孔を有した平面視矩形の植栽シートが根元部分を囲むように客土上に配され、植栽シートは複数のアンカーピンで斜面にずれないように固定した斜面の緑化構造(例えば特許文献1)があり、このように植林した斜面には立木が整列して立設する。
また、このような斜面保護構造として、豪雨や地震等による斜面の表層滑落を防止するため、斜面に成育する立木間に植生マット体を千鳥足状に配置して複数本のL型アンカーピンにて固定し、更に該植生マット体の中心部に長さ1〜1.5メートルのアンカーを地山の基礎層まで羽根付継手を用いて打設し、該アンカーの上部に四つ角に係止部が形成されたプレートワッシャーとロックナットにて締付固定し、各植生マットに形成されたプレート同士の係止部にワイヤーを張りターンバックルでワイヤーを張り詰め、植生マット体と該アンカーとワイヤーの構成による斜面の滑落防止工法(例えば特許文献2)や、複数本の金属線が撚り合わされた線材により形成されたリングを多数連結させて形成したネットを斜面に張り、地中の安定地盤に固定したアンカー部材に上記ネットを結合させ、上記アンカー部材によって上記ネットを斜面に固定し、斜面に立ち木があるときにはリングの欠損部を形成する斜面安定化工法(例えば特許文献3)などがある。
そして、土砂災害予防のために、都道府県毎の担当者によって急傾斜地の崩壊の危険区域、土石流の危険区域、地滑りの危険区域などが作成され、公開されている(例えば特許文献4)。
上記特許文献2の滑落防止工法は、ワイヤーをネット状に配置し、アンカーにより斜面に固定する工法であり、また、上記特許文献3の落石等防護工は、ネットをアンカーにより斜面に固定する保護構造であり、いずれ
も斜面において、多数のアンカー工事が必要になり、また、重量物のネットを搬入し、敷設する必要があり、工費が嵩むと共に工事が大掛かりになるという問題がある。
特開2006−118282号公報 特開2015−206241号公報 特開2002−212953号公報 特開2007−164608号公報
そこで、本発明は、上記問題点を解決するものであり、構造簡易にして斜面の崩壊を防止することができる斜面保護構造を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、複数の立木が立設され、土砂災害の発生が想定される危険区域を有する斜面を保護する斜面保護構造において、前記危険区域の前記立木と前記危険区域以外の安定区域の前記立木とをロープ材により連結したことを特徴とする。
請求項2の発明は、前記危険区域の前記立木と前記安定区域の複数の前記立木とを前記ロープ材により連結したことを特徴とする。
請求項3の発明は、前記ロープ材の両側を、前記危険区域の両側の前記安定区域の複数の前記立木にそれぞれ連結したことを特徴とする。
請求項4の発明は、複数の前記ロープ材を前記斜面の傾斜方向に間隔を置いて多段に設けたことを特徴とする。
請求項5の発明は、前記ロープ材を、前記危険区域の上側の前記安定区域の複数の前記立木に連結したことを特徴する。
請求項6の発明は、前記ロープ材にループ部を設け、このループ部に前記立木が遊挿状態で連結されていることを特徴とする。
請求項1の構成によれば、危険区域に崩壊が発生すると、危険区域の立木と安定区域の立木とを連結するロープ材により、それ以上の崩壊を防止又は崩壊のエネルギーを減衰することができ、立木をアンカーとして用いることにより構造簡易な保護構造が得られる。
請求項2の構成によれば、安定区域の複数の立木がアンカーとして作用し、それ以上の崩壊を防止又は崩壊のエネルギーを減衰することができる。
請求項3の構成によれば、危険区域の両側の複数の立木がアンカーとして作用し、それ以上の崩壊を防止又は崩壊のエネルギーを減衰することができる。
請求項4の構成によれば、危険区域の両側の複数の立木に連結されると共に、斜面の傾斜方向に多段に設けたロープ部に連結した立木がアンカーとして作用する。
請求項5の構成によれば、危険区域の上側に位置する安定区域の複数の立木がアンカーとして作用する。
請求項6の構成によれば、立木が成長してもループ部が立木に食い込むことが無い。また、立木にロープ材を巻き付けて連結した場合、立木が伸びると連結箇所が上昇してしまうが、これを防止できる。
本発明の実施例1を示す斜面の平面説明図である。 同上、斜面の断面図である。 同上、中間のループ状ロープ部の斜視図である。 同上、端末のループ状ロープ部の斜視図である。 同上、緩衝具の側面図である。 同上、立木を断面にしたロープ材の要部の平面説明図である。 本発明の実施例2を示す斜面の平面説明図である。 本発明の実施例3を示す斜面の平面説明図である。 本発明の実施例4を示す斜面の平面説明図である。 本発明の実施例5を示す端末ロープ部周りの斜視図である。 本発明の実施例6を示す結束具の正面図である。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規な斜面保護構造を採用することにより、従来にない斜面保護構造が得られ、その斜面保護構造について記述する。
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。図1〜図6は本発明の実施例1を示す。同図に示すように、斜面1には、植林により複数の立木2が立設され、これら複数の立木2は、斜面1の傾斜方向に略等間隔で、斜面1の幅方向に略等間隔に配置されている。また、前記斜面1には、土砂災害の発生が想定される危険区域3があり、この危険区域3を挟んで幅方向両側に、危険区域3以外の安定区域4,4が位置し、これら安定区域4,4は危険区域3に比べて地盤が安定している。尚、図1などにおいて、上側が斜面1の上方であり、下側が斜面1の下方であり、安定区域4,4と危険区域3の境界Kには一点鎖線を付しており、この例では、危険区域3内の幅方向に3本の立木2が立設している。
前記斜面1の保護構造11には、単位ロープ材たるロープ材12が使用される。このロープ材12のロープ部13,14,15としては、鋼製や合成樹脂製などの各種のものを用いることができる。尚、この例では、ロープ材12は、斜面1の幅方向に配置されると共に、斜面1の傾斜方向に間隔を置いて多段に配置される。
また、斜面1の立木2が植林でなく、自然林の場合は、ロープ材12の長さを調整することにより、各ロープ材12に連結する立木2の本数が略同じようになるように設定することが好ましく、立木2の配置によってロープ材12が蛇行して配置されてもよい。
前記ロープ材12は、立木2を囲んで配置する中間のループ状ロープ部13と、該ロープ材12の両端に設けられ立木2を囲んで配置する端末のループ状ロープ部14と、隣り合うループ状ロープ部14,13,13,・・・,14同士を連結する連結ロープ部15とをそれぞれ複数備える。
図3及び図4に示すように、前記ループ状ロープ部13,14は、立木2を囲んで配置するループ部21と、このループ部21の重合部22に設けた緩衝具23と、この重合部22から両側に延設した余長部たる延設部24,24と、この延設部24の端部に設けられ前記緩衝具23に係止可能なストッパ25とを備え、このストッパ25は金属などの硬質材料からなる。また、前記中間のループ状ロープ部13は、両側の延設部24,24の長さが略等しく設定され、前記端末のループ状ロープ部14は、ロープ材12の端部の延設部24が短く、または、延設部24が無く、前記ストッパ25が前記緩衝具23に近接、または当接している。
この場合、前記ロープ材12には、両側の安定区域4,4において、ループ状ロープ部13,14を複数設けることが好ましい。また、立木2の種類と斜面1の状態によるが、直径30cm程度の立木2の場合、7〜10トン程度のアンカー効果が得られる。
図5に示すように、前記緩衝具23は、前記ループ状ロープ部13,14の重合部22,22を所定の摩擦力で把持する一対の把持体26,26を備え、これら把持体26,26の合せ面に、ロープ部13,13,14,14に嵌合する一対の嵌合溝27,27を形成し、両把持体26,26は、ボルト28とナット29を備えた締付固定手段30,30により締め付けられている。また、前記嵌合溝27,27を挟んだ把持体26,26の上下には、前記ボルト28を挿通する挿通孔28A,28Aが穿設されている。尚、緩衝具23は、重合部22のロープ部13,13同士及び重合部22のロープ部14,14同士などを固定するものであり、U字クリップや針金などの結束具を用いてもよい。
前記ループ部21は立木2の外周長より長く、設置時にはループ部21に立木2が遊挿状態で連結され、ループ部21を含むロープ材12は斜面1に載置されている。一例として、立木2は直径が約30cm程度以上で、この立木2が30年経過しても、ループ部21に立木2に食い込まないようにループ部21の直径を設定することが好ましい。この場合、ループ部21の直径を立木2の直径の1.5場合以上とし、好ましくは2倍以上とする。尚、立木2の断面は真円でないから、ループ部21の長さを立木2の外周長の1.5倍以上、好ましくは2倍以上とすればよい。
前記連結ロープ部15は、両端に前記ストッパ25が設けられている。そして、連結ロープ部15の両端側を、前記ループ状ロープ部13,14の延設部24に重合し、この重合部22Aに前記緩衝具23を設け、この緩衝具23から連結ロープ部15のストッパ25との間が余長部である。この場合、ロープ部13又はロープ部14と連結ロープ部15の連結箇所では、緩衝具23の嵌合溝27,27にロープ部13又はロープ部14と連結ロープ部15が嵌る。尚、緩衝具23はロープ部13,14とロープ部15を連結する連結手段である。
前記把持体26,26は、ロープ部13,14,15を所定の摩擦力で把持すると共に、所定以上の張力が作用したときにロープ部13,14,15の摩擦摺動を許容するものであり、前記ロープ材12に張力が発生すると、嵌合溝27に対して延設部24が摺動摩擦することにより、エネルギーを吸収することができる。尚、ストッパ25が把持体26に係止した後は、ロープ部13,14,15により斜面崩壊の際のエネルギーに対抗する。
また、前記把持体26による把持力は、ロープ材12の張力により立木2が傾く前にロープ部13,14,15が摺動するように設定されている。
次に、施工方法について説明する。設置現場である斜面1には、ロープ材12をロープ部13,14,15に分割して搬入することができるため、重機を用いることなく、人力で搬入可能となる。尚、例えば、ロープ部13,14に連結ロープ部15を緩衝具23により予め連結して搬入してもよく、少なくとも、ロープ材12を複数に分割して現場に搬入する。こうすることにより部材を人力又は小動力を用いて搬入することができる。
中間の立木2にロープ部13を巻き付け、ループ部21の重合部22を緩衝具23により把持して立木2にロープ部13を連結し、同様に、端末の立木2にロープ部14を巻き付け、ループ部21の重合部22を緩衝具23により把持して立木2にロープ部14を連結する。また、ロープ部13,13同士を緩衝具23により連結すると共に、ロープ部14とこれに隣り合うロープ部13とを連結ロープ部15を介して緩衝具23により連結する。
このように保護構造11を設けた斜面1において、危険区域3に崩落が発生し、危険区域3の立木2が移動すると、ロープ材12に張力が発生し、所定以上の張力が作用したときにロープ部13,14,15が把持体26に対して摩擦摺動し、崩壊のエネルギーを吸収し、また、ループ部21,21が縮径するように該ロープ部13,14が把持体26に対して摩擦摺動し、崩壊のエネルギーを吸収し、また、立木2がロープ材12のアンカーとなって崩壊のエネルギーに対応する。このようにして崩壊のエネルギーを吸収し、それ以上の崩壊を防止したり、崩壊のエネルギーを減衰したりすることができる。
また、危険区域3に崩壊が発生した場合でも、ループ状ロープ部13のループ部21が縮径してロープ材12が立木2に巻き付いた状態で固定されると共に、ロープ材12の両側は、危険区域3両側の安定区域4,4の立木2により支持されているため、危険区域3の立木2が、崩壊後の危険区域3に倒れた状態で残って沢3を塞ぎ、この後、前記倒れた立木2が斜面1上方からの流木を止めたり、流木の勢いを減衰したりすることができる。
尚、図3及び図4などに示すように、ループ部21は立木2の根元に位置し、ループ部21が縮径して立木2に巻き付いた状態で、前記ループ部21の下には立木2の径大な根部分があり、そのループ部21の上部には複数の枝が位置するため、衝撃を受けても、立木2がループ部21から抜け出すことがない。
このように本実施例では、請求項1に対応して、複数の立木2が立設され、土砂災害の発生が想定される危険区域3を有する斜面1を保護する斜面保護構造11において、危険区域3の立木2と危険区域以外の安定区域4の立木2とをロープ材12により連結したから、危険区域3に崩壊が発生すると、危険区域3の立木2と安定区域4の立木2とを連結するロープ材12により、それ以上の崩壊を防止又は崩壊のエネルギーを減衰することができ、立木2をアンカーとして用いることにより構造簡易な保護構造11が得られる。
このように本実施例では、請求項2に対応して、危険区域3の立木2と安定区域4の複数の立木2とをロープ材12により連結したから、安定区域4の複数の立木2がアンカーとして作用し、それ以上の崩壊を防止又は崩壊のエネルギーを減衰することができる。
このように本実施例では、請求項3に対応して、ロープ材12の両側を、危険区域3の両側の安定区域4,4の複数の立木2にそれぞれ連結したから、危険区域3の両側の複数の立木2がアンカーとして作用し、それ以上の崩壊を防止又は崩壊のエネルギーを減衰することができる。
このように本実施例では、請求項4に対応して、複数のロープ材12を斜面1の傾斜方向に間隔を置いて多段に設けたから、危険区域3の両側の複数の立木2に連結されると共に、斜面1の傾斜方向に多段に設けたロープ材12に連結した立木2がアンカーとして作用する。
このように本実施例では、請求項6に対応して、ロープ材12にループ状ロープ部13,14を設け、このループ状ロープ部13,14に立木2が遊挿状態で連結されているから、立木2が成長してもループ状ロープ部13,14が立木2に食い込むことが無い。また、立木2にロープ材を巻き付けて連結した場合、立木2が伸びると連結箇所が上昇してしまうが、これを防止できる。
以下、実施例上の効果として、設置現場である斜面1には、ロープ材12をロープ部13,14,15に分割して搬入することができるため、重機を用いることなく、人力で搬入可能となる。また、ループ状ロープ部13は、立木2を囲んで配置するループ部21と、このループ部21の重合部22に設けた緩衝具23とによりループ状に形成されるから、立木2に比較的短いループ状ロープ部13を巻き付けるように配置することができ、立木2への連結作業が容易となる。
また、ループ部21の長さが立木2の外周長の1.5倍以上、好ましくは2倍以上であるから、立木2が成長しても、長期に渡って立木2にロープ部13,14が食い込むことがなく、さらに、ロープ材12に所定以上の張力が加わると、緩衝具23において、ロープ部13,14が摩擦摺動してエネルギーを吸収することができる。また、ループ部21に設ける緩衝具23を、立木2の斜面1の下方に配置したから、上方に配置した場合、立木2に緩衝具23が接触し易いのに対して、ループ部21が縮径してから緩衝具23が立木2に接触するため、立木2に対する緩衝具23の影響が少なく済む。
図7は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述すると、この例の斜面1は、前記危険区域3の上方に該危険区域3以外の安定区域4Aを有する。そして、危険区域3の両側の安定区域4,4の上方が前記安定区域4Aにより繋がっている。
前記斜面1の保護構造11には、前記ロープ材12に加えて、斜面1の傾斜方向のロープ材12Aを用い、この単位ロープ材たるロープ材12Aは前記ロープ材12と同一構成であるが、ループ状ロープ部14の数などを変えてもよい。尚、図7において、ロープ材12は、ループ部21などの部材の一部を図示省略している。
前記ロープ材12Aは、前記上方の安定区域4Aの立木2,2・・・を囲むようにしてループ状ロープ部13,14を連結し、危険区域3の立木2,2・・・を囲むようにしてループ状ロープ部13,14を連結している。また、危険区域3の立木2は、斜面幅方向のロープ材12のループ状ロープ部13と斜面傾斜方向のロープ材12Aのループ状ロープ部13が重複して配置される。
尚、前記ロープ材12Aの下方に位置する端末のループ状ロープ部14は、危険区域3の下端位置より上方の立木2に連結されている。
このように幅方向のロープ材12が両側を立木2に連結するのに対して、傾斜方向のロープ材12Aは、危険区域3の上部側のみを連結し、例えば、危険区域3の立木2に連結する本数に比べて、安定区域4Aにおいて連結する立木2の本数を多くすることが好ましい。これにより、危険区域3が斜面崩壊した場合でも、該危険区域3の上方の安定区域4Aが、危険区域3に連続して崩れることを防止できる。
このように本実施例では、上記実施例1と同様な作用・効果を奏し、また、このように本実施例では、請求項5に対応して、ロープ材12を、危険区域3の上側の安定区域4Aの複数の立木2に連結したから、危険区域3の上側に位置する安定区域4Aの複数の立木2がアンカーとして作用する。
また、実施例上の効果として、危険区域3において、ロープ材12,12Aの交差位置の立木2には2本のループ状ロープ部13,13が配置されるから、2つの緩衝具23,23においてループ状ロープ部13,13が摩擦摺動する。
図8は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述すると、この例では、幅方向のロープ材12に加えて、斜め方向の単位ロープ材たるロープ材12Bを用いている。また、斜め方向のロープ材12Bは、斜面幅方向一側から上方に向かって幅方向他側に延びるものと、これに交差する斜め方向のものが複数ある。尚、この斜め方向のロープ材12Bはロープ材12,12Aと同一構成であるが、ループ状ロープ部14の数などを変えてもよい。また、図8において、ロープ材12,12Bは、ループ部21などの部材の一部を図示省略している。
また、立木2はそれぞれアンカーとしての力にバラツキが有るのに対して、幅方向のロープ材12と傾斜方向のロープ材12Aと斜め方向のロープ材12B,12Bとを組み合わせると共に、1本の立木2に複数のロープ材12,12A,12Bを連結することにより、全体としてアンカー効果を均一にすることができ、斜面崩壊から斜面1を効果的に保護することができる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
また、実施例上の効果として、ロープ材12,12B,12Bの交差位置の立木2には3本のループ状ロープ部13,13,13が配置されるから、3つの緩衝具23,23,23においてループ状ロープ部13,13,13が摩擦摺動する。
図9は本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述すると、この例では、前記ロープ材12の中央側のループ状ロープ部13,13,13を危険区域3の立木2,2,2に連結し、前記ロープ材12の両側を斜面1の幅方向外側向きで斜面1の斜め上向きに配置し、安定区域4のループ状ロープ部13,13,14を安定区域4の立木2,2,2に連結している。そして、ロープ材12は、危険区域3と安定区域4,4の境目近傍で屈曲し、この例では、危険区域3の両側の立木2,2にロープ材12の屈曲部16,16が形成されている。また、図9において、ロープ材12は、ループ部21などの部材の一部を図示省略している。
このように保護構造11を設けた斜面1において、立木2がロープ材12のアンカーとなって崩壊のエネルギーに対抗する際、両側の安定区域4,4の立木2,2,2に、斜め上向きに配置したロープ材12の両側が連結されているため、危険区域3の表層が下側に向かう力に効果的に対抗することができる。
図10は本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。この例では、自然林などでアンカーとなる安定区域4,4Aの立木2が少ない場合や、その立木2により得られる支持力が不足する場合を示し、端末の前記ループ状ロープ部14の代わりに端末ロープ部50を用いている。この端末ロープ部50の一方の端部にストッパ25を設け、その端末ロープ部50の一方の端部と前記連結ロープ部15の端部を重合し、この重合部22Bに前記緩衝具23又は締付部材41を設けて締め付けることにより、前記端末ロープ部50を前記連結ロープ部15に連結している。尚、前記緩衝具23及び締付部材41は、所定以上の張力が作用したときに前記重合部22Bの摩擦摺動を許容する。
また、斜面1には、安定区域4,4Aに鋼棒や鋼管などからなるアンカー部材51を打設して固定しており、このアンカー部材51の斜面1上に露出した頭部に、前記端末ロープ部50の他方の端部を挿通し、挿通した端末ロープ部50の端部に定着具52を設けることにより、端末ロープ部50を前記アンカー部材51に連結している。尚、アンカー部材51と端末ロープ部50との連結構造は適宜選定可能である。
そして、自然林や一部を伐採した植林などで、アンカーとなる安定区域4,4Aの立木2が少なく、立木2だけでは流木又は流木を含む土石流のエネルギーを減衰するために必要な支持力が得られない場合、立木2と共にアンカー部材51を用いることにより、ロープ材12,12A,12Bに必要な支持力を付与することができる。
特に、各段のロープ材12,12A,12B毎に、安定区域4,4Aの立木2だけでは不足する支持力を計算し、必要な支持力を有するアンカー部材51をロープ材12,12A,12Bの両端末に設けることにより、設計施工を容易に行うことができる。
このように危険区域3の立木2と危険区域以外の安定区域4の立木2とをロープ材12,12A,12Bにより連結した斜面保護構造11において、立木2とアンカー部材51がロープ材12,12A,12Bのアンカーとなり、所定の支持力が得られる。
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
図11は本発明の実施例6を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述すると、同図は結束具の変形例を示し、この例の結束具は締付部材41である。
前記重合部22,22Aを締付部材41により止着し、前記締付部材41としては、Uボルト42の両端を止板43に挿通し、ナット44により螺締するものを用いている。尚、この締付部材41も、ロープ材12に所定以上の引張力が加わると、ループ部21が縮小する方向に前記重合部22,22A,22Bが摺動可能に構成している。
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、植林の斜面を示したが、立木がランダムに立設した自然林に用いてもよい。また、ロープ材12,12A,12Bの組み合わせは適宜設定可能である。さらに、実施例では危険区域の幅を略一定に図示したが、実際の危険区域の幅は異なるから、ロープ材に連結する危険区域の立木の数は多段に設けたロープ材により異なるものになっていてもよい。また、実施例2において斜面の傾斜方向に設けたロープ材を、斜面の傾斜方向に対して斜めに配置してもよい。また、立木と共に、他のアンカー部材を併用することができ、実施例で示したロープ材の端末以外に、ロープ材の中間において他のアンカー部材を連結してもよい。さらに、端末ロープ部を用いずに、端末の連結ロープ部の端部をアンカー部材に連結してもよい。
1 斜面
2 立木
3 危険区域
4,4A 安定区域
11 保護構造
12,12A,12B ロープ材
21 ループ部

Claims (6)

  1. 複数の立木が立設され、土砂災害の発生が想定される危険区域を有する斜面を保護する斜面保護構造において、前記危険区域の前記立木と前記危険区域以外の安定区域の前記立木とをロープ材により連結したことを特徴とする斜面保護構造。
  2. 前記危険区域の前記立木と前記安定区域の複数の前記立木とを前記ロープ材により連結したことを特徴とする請求項1記載の斜面保護構造。
  3. 前記ロープ材の両側を、前記危険区域の両側の前記安定区域の複数の前記立木にそれぞれ連結したことを特徴とする請求項2記載の斜面保護構造。
  4. 複数の前記ロープ材を前記斜面の傾斜方向に間隔を置いて多段に設けたことを特徴とする請求項3記載の斜面保護構造。
  5. 前記ロープ材を、前記危険区域の上側の前記安定区域の複数の前記立木に連結したことを特徴する請求項3又は4記載の斜面保護構造。
  6. 前記ロープ材にループ部を設け、このループ部に前記立木が遊挿状態で連結されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の斜面保護構造。
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