JP2020121933A - かゆみ抑制剤 - Google Patents

かゆみ抑制剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2020121933A
JP2020121933A JP2019013415A JP2019013415A JP2020121933A JP 2020121933 A JP2020121933 A JP 2020121933A JP 2019013415 A JP2019013415 A JP 2019013415A JP 2019013415 A JP2019013415 A JP 2019013415A JP 2020121933 A JP2020121933 A JP 2020121933A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
itch
substituted
carbon atoms
hydrogen atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019013415A
Other languages
English (en)
Inventor
朋大 松本
Tomohiro Matsumoto
朋大 松本
仁教 衣笠
Kiminori Kinugasa
仁教 衣笠
うらら 横瀬
Urara Yokose
うらら 横瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2019013415A priority Critical patent/JP2020121933A/ja
Publication of JP2020121933A publication Critical patent/JP2020121933A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】かゆみの抑制に有用なかゆみ抑制剤の提供。【解決手段】一般式(1)で表される疑似型セラミド及びステロイド剤を有効成分とするかゆみ抑制剤。【選択図】なし

Description

本発明は、かゆみを抑制する、かゆみ抑制剤に関する。
かゆみ(皮膚掻痒感)は、皮膚炎、蕁麻疹、虫刺され、腎疾患、肝疾患、老齢、乾燥、温熱寒冷刺激等の様々な原因によってもたらされる。かゆみによる掻破行動は皮膚を傷つけ、さらにかゆみを増長させ、かゆみと掻破の悪循環を引き起こす。このかゆみと掻破の悪循環は、アトピー性皮膚炎(AD)をはじめとする皮膚疾患を悪化させる大きな原因となっている。
かゆみへの基本的な対処方法は外用塗布である。外用薬としては、皮膚の炎症を抑えるステロイド剤が汎用され、その他に非ステロイド系外用薬や抗ヒスタミン薬、また、皮膚バリア機能を保持する保湿剤が用いられる。
一方、ヒト皮膚角層は角層細胞とその隙間を埋める角層細胞間脂質で構成され、セラミドはこの角層細胞間脂質のおよそ半分を占める。角層内のセラミドは層状構造(ラメラ構造)を形成し、角層の水分量を保つ役割を担う。近年、角層内のセラミドと類似した構造を有し、且つ高い保湿性を有する疑似型セラミドが開発され、化粧料に広く利用されている(例えば、特許文献1)。疑似型セラミドは、外用すると皮膚表面に疑似的なラメラ層を形成し、アトピー性皮膚炎患者の皮膚乾燥症状を改善することが報告されている(非特許文献1)。
しかしながら、疑似型セラミドがステロイド剤の薬理作用へ与える影響については知られていない。
特開2013−53146号公報
西日本皮膚科 2001年、63(4)、p.457-461
本発明は、かゆみの抑制に有用なかゆみ抑制剤を提供することに関する。
本発明者は、後記一般式(1)で表される疑似型セラミドをステロイド剤と併用した場合に、ステロイド剤のかゆみ抑制効果が増強され、当該疑似型セラミドとステロイド剤との組み合わせにより、ステロイド剤単独の場合と比べて、優れたかゆみ抑制効果が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の1)〜2)に係るものである。
1)下記一般式(1)
(式中、R1は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;
1は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;
2はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;
3は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基を示す。)
で表される疑似型セラミド及びステロイド剤を有効成分とするかゆみ抑制剤。
2)下記一般式(1)
(式中、R1は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;
1は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;
2はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;
3は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基を示す。)
で表される疑似型セラミドを有効成分とする、ステロイド剤のかゆみ抑制効果を増強するためのステロイド剤のかゆみ抑制効果増強剤。
本発明によれば、ステロイド剤のかゆみ抑制効果を高めることができ、かゆみを低減することができる。その結果、掻破行動を抑えて、アトピー性皮膚炎の様な皮膚疾患の改善を図ることができる。
(A)試験物質を塗布したNC/Ngaマウスの掻痒行動測定値の推移を示すグラフ。(B)掻痒行動測定値の変化量を示すグラフ。SPF:非感作群、Negative:対照群、PVA:プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル群、SLE:疑似型セラミド群、PVA+SLE:プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルと疑似型セラミド併用群。
本発明で有効成分として使用される疑似型セラミドは、下記式(1)で表される。
(式中、R1は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;
1は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;
2はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;
3は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基を示す。)
一般式(1)中、R2としては、ノニル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したウンデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位に12−ヒドロキシステアリン酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位にメチル分岐イソステアリン酸がアミド結合したウンデシル基が好ましい。また、X1としては水素原子が好ましい。
1が水素原子の場合、R3はヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい、好ましくは総炭素数10〜30の、より好ましくは総炭素数12〜20のアルキル基である。
具体的な疑似型セラミドとして下記式に示すものが挙げられる。
1がヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である場合、R3は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜8のアルキル基を示すことが好ましい。R3のヒドロキシアルコキシ基又はアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。この場合、R2はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい、好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数8〜18、さらに好ましくは炭素数9〜16の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の、好ましくは直鎖飽和の炭化水素基である。
本発明の好適な疑似型セラミドは、下記式に示す、一般式(1)中、R1がヘキサデシル基、X1が水素原子、R2がペンタデシル基、R3がヒドロキシエチル基である化合物;又はR1がヘキサデシル基、X1が水素原子、R2がノニル基、R3がヒドロキシエチル基である化合物である。
より好適な疑似型セラミドは、一般式(1)中、R1がヘキサデシル基、X1が水素原子、R2がペンタデシル基、R3がヒドロキシエチル基である化合物(N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド)である。
一般式(I)で表される疑似型セラミドは、公知の化合物であり、例えば、日本化学会誌、1993年、No.10、p.1107-1117に記載の方法に準じて合成することができる。また、商業的に入手したものを用いてもよい。
本発明で有効成分として使用されるステロイド剤は、副腎皮質ホルモンであり、副腎皮質ホルモンはその効果の強さに基き複数のランクに分類される。具体的な副腎皮質ホルモンとしては、例えば、ストロンゲストランクとして、クロベタゾールプロピオン酸エステル、ジフロラゾン酢酸エステル、ベリーストロングランクとして、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ベタメタゾン酢酸エステルプロピオン酸エステル、ジフルコルトロン吉草酸エステル、フルオシノニド、アムシノニド、モメタゾンフランカルボン酸エステル、ジフルプレドナート、酪酸プロピオン酸ビドロコルチゾン、ストロングランクとして、ハルシノニド、ベタメタゾン吉草酸エステル、フルオシノロンアセトニド、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、プロピオン酸デキサメタゾン、デキサメタゾン吉草酸エステル、デプロドンプロピオン酸エステル、ミディアムランクとして、クロベタゾン酪酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、トリアムシノロンアセトニド、アルクロメタゾンプロピオン酸エステル、デキサメタゾン、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、ウィークランクとして、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン酢酸エステルが挙げられる。その他、分類分けされていないものとして酢酸デキサメタゾン、酢酸メチルプレドニゾロン、ブデソニド、フルメタゾンピバル酸エステル等が挙げられる。
これらのうち本発明で使用される副腎皮質ホルモンとして、体内動態および汎用性の観点から、ミディアムランクに分類される副腎皮質ホルモンが好ましい。また、具体的な副腎皮質ホルモンとしては、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、トリアムシノロンアセトニド、アルクロメタゾンプロピオン酸エステル、クロベタゾン酪酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、デキサメタゾンが好ましく、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルがより好ましい。
ステロイド剤は、商業的に入手したものを用いることができる。
本発明において、一般式(1)で表される疑似型セラミドとステロイド剤との比率は、ステロイド剤の種類によって相違するが、かゆみを抑制する観点、使用実績および乳化特性の観点から、通常、ステロイド剤に対する疑似型セラミドの質量比[疑似型セラミド/ステロイド剤]で、好ましくは0.33以上、より好ましくは3以上であり、また、好ましくは120以下、より好ましくは34以下、更に好ましくは20である。
後記実施例に示すように、皮膚炎を発症したNC/Ngaマウスにステロイド剤を適用すると、当該マウスの掻破行動の減少が認められ、他方、一般式(1)で表される疑似型セラミドの適用では掻破行動の減少は認められないが、当該疑似型セラミドとステロイド剤の組み合わせを適用すると、その掻破行動はステロイド剤単独での適用の場合と比べて大幅に減少する。NC/Ngaマウスは、conventional環境下飼育により6〜7週齢頃から頚背部、耳介、顔面を中心に掻痒性皮膚炎を自然発症するマウスで、その皮膚病態はヒトADと酷似することからヒトADモデルマウスとして認知されている(Br. J. Dermatol., 2006、154(1)、p.28-33)。Conventional NC/Ngaマウスの掻破行動の減少は、かゆみの低減を表わす。
このことから、一般式(1)で表される疑似型セラミドとステロイド剤の組み合わせは、かゆみを抑制する作用を有する。また、一般式(1)で表される疑似型セラミドは、ステロイド剤のかゆみ抑制効果を増強するかゆみ抑制効果増強作用を有する。
従って、一般式(1)で表される疑似型セラミドとステロイド剤の組み合わせは、かゆみ抑制剤となり得、またこれを製造するために使用することができる。また、一般式(1)で表される疑似型セラミドは、ステロイド剤のかゆみ抑制効果を増強するためのステロイド剤のかゆみ抑制効果増強剤となり得、またこれを製造するために使用することができる。
また、一般式(1)で表される疑似型セラミドとステロイド剤の組み合わせは、ヒトを含む動物に適用して、かゆみの抑制のために使用することができる。また、一般式(1)で表される疑似型セラミドは、ステロイド剤のかゆみ抑制効果を増強するために使用することができる。
「かゆみ」は、皮膚における自覚的な感覚で、かゆみの原因は特に限定されないが、本発明においては、かゆみを伴う皮膚疾患、例えば、皮膚炎(アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、手湿疹、掌蹠膿疱症等)、蕁麻疹、乾癬、皮膚掻痒症等によるかゆみの抑制に適する。「かゆみ抑制」は、かゆみの減弱、消失、或いは発生抑制を含む。
「使用」は、ヒト又は非ヒト動物における使用であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。「非治療的」とは、医療行為を含まない概念、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念、より具体的には医師又は医師の指示を受けた者が人間に対して手術、治療又は診断を実施する方法を含まない概念である。
本発明において、一般式(1)で表される疑似型セラミドとステロイド剤はどちらを先に投与しても、同時に投与してもよい。両剤を同時に投与しない場合、両剤の投与間隔は、ステロイド剤のかゆみ抑制効果の増強効果を奏するかぎり適宜選択しうる。
一般式(1)で表される疑似型セラミドとステロイド剤を組み合わせてなる剤は、一般式(1)で表される疑似型セラミドとステロイド剤を配合剤として一の剤型に製剤化したものでも、また単独に製剤化したものを同時に又は間隔を空けて別々に使用できるようにしたキットであってもよい。好ましくは、一般式(1)で表される疑似型セラミドとステロイド剤を一緒に含む1剤型形態である。
本発明のかゆみ抑制剤、ステロイド剤のかゆみ抑制効果増強剤(以下、「かゆみ抑制剤等」とも称する)は、かゆみの抑制やステロイド剤のかゆみ抑制効果の増強効果を発揮する、ヒト若しくは動物用の医薬品、医薬部外品又は化粧品となり、また当該医薬品、医薬部外品、化粧品に配合して使用される素材又は製剤となり得る。
上記医薬品、医薬部外品又は化粧品の投与形態としては、固形、半固形又は液状であり得、好ましくは皮膚外用剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、貼付剤、吸入剤等による非経口投与形態である。より好ましくは皮膚外用剤である。
剤形としては、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤、チック剤、リニメント剤、ローション剤、スプレー剤等が挙げられる。
このような種々の剤形の製剤は、有効成分である一般式(1)で表される疑似型セラミド及びステロイド剤を、必要に応じて、薬学的に又は化粧料に許容される担体、その他の薬効成分又は化粧成分と適宜組み合わせて、それぞれ一般的な製造方法により調製することができる。当該薬学的に又は化粧料に許容される担体としては、例えば、水、油剤、界面活性剤、溶剤、増粘剤、ゲル化剤、アルコール、キレート剤、乳化安定剤、pH調節剤、塩類、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、香料等が挙げられる。また、その他の薬効成分又は化粧成分としては、例えば、植物抽出物、保湿剤、抗菌剤、抗炎症剤、清涼剤、メークアップ成分等が挙げられる。
上記製剤中の一般式(1)で表される疑似型セラミドの含有量は、その使用形態により異なるが、一般的に0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましい。また、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
また、製剤中のステロイド剤の含有量は、その種類や使用形態により異なるが、一般的に0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.025質量%以上がさらに好ましい。また、2.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
上記製剤の投与量は、投与対象者の体重、性別、年齢、状態又はその他の要因に従って変動し得る。投与の用量、経路、間隔は、当業者によって適宜決定され得るが、例えば、皮膚外用剤の場合の塗布量は、皮膚表面1cm2あたり0.01mg以上が好ましく、0.1mg以上がより好ましく、0.5mg以上がさらに好ましい。また、200mg以下が好ましく、100mg以下がより好ましく、10mg以下がさらに好ましい。
本発明では斯かる量を1日に1回〜複数回に分けて、1日間以上反復・継続して投与するのが好ましい。
上記製剤の適用の対象としては、かゆみの抑制を必要とする又は希望するヒト又は非ヒト動物等であれば特に限定されない。非ヒト動物としては、例えば、類人猿、その他霊長類、マウス、ラット、ハムスター、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ等の非ヒト哺乳動物が挙げられる。対象の好ましい例として、ヒトが挙げられる。
実施例1 NC/Ngaマウスを用いたPVA及びSLE有効性の検討
I.製剤調製
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(STEROID SPA製、以下、PVAと表記)とN−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド(ソフケアセラミドSL−E(花王社製、以下、SLEと表記)を用いて、水性クリームを調製した。水性クリーム1g中、PVA1.5mg、SLE30mgとした。Negative Control製剤も同様に水性クリームとした(表1)。
II.試験概要
本試験には、SPF環境下で飼育した非感作NC/Ngaマウス(日本SLC(株)、以下同じ)8匹と、非SPF環境下で飼育しダニ抗原との接触により皮膚炎を自然発症した感作NC/Ngaマウス32匹を使用した。いずれも、8週齢から9週齢の雄を使用した。
1週間の馴化飼育中に目視による皮膚炎の評価、掻破行動の測定を行い、測定値を基に皮膚炎スコア及び掻破行動が均等になるように感作NC/Ngaマウス(感作群)を8匹ずつ上記4群に群分けを行った。また、非感作NC/Ngaマウスを非感作群(SPF群)とした。
皮膚炎の評価は表2に従い各項目をスコア付けし、個体ごとの合計値を算出した(最高12点)。群分け時のNegative群の皮膚炎スコア(平均値±標準誤差)は7.4±1.2、PVA群は7.8±1.1、SLE群は6.9±1.0、PVA+SLE群は7.0±0.8であり、群間に有意な差はなかった。また、掻破行動も後述のように群分け時に群間に有意な差はなかった。
初回塗布の1日前に耳介部及び頚背部を剃毛し、製剤をそれぞれ対応する個体の頚背部(約2cm×2cm)に50mg/dayで1日1回の頻度で14日間連続塗布した。SPF群に対しては、Negative群と同様に、Negative Control製剤を塗布した。製剤塗布前の0w、塗布1日目(1w)と塗布14日目(2w)に掻破行動の測定を行った。
III.掻破行動の測定
マウスの掻破行動測定はMicroAct(ニューロサイエンス)を使用し、22時間の掻破行動合計数を示した。掻破行動は後肢に埋め込んだ高磁性マグネットにより検出し、連続した往復運動のうち1往復を1カウントとした。
IV.統計解析
解析結果は平均値(Ave.)±標準誤差(SE)で示した。掻破行動の統計的解析について、群内の経時的変化は対応のあるt検定(Paired t-test)により検出し、各群間における塗布前(0w)からの変化量(Δ値)はTukeyの多重比較検定により有意差を検出した。統計解析用のソフトウェアはSPSS Statistics(IBM)を用いた。いずれの検定についても有意水準p<0.05とした。
V.結果
マウスの掻破行動合計数は、PVA+SLE群において時間依存的な有意な減少が認められた。(図1(A))。さらに、群間の比較についてもNegative群とPVA+SLE群間、及びSLE群とPVA+SLE群間に有意差が認められた(図1(B))。
これらの結果から、PVA+SLE製剤はPVAとSLEの相乗的な作用により掻破行動の減少効果を発現したものと考えられた。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)
    (式中、R1は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;
    1は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;
    2はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;
    3は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基を示す。)
    で表される疑似型セラミド及びステロイド剤を有効成分とするかゆみ抑制剤。
  2. 下記一般式(1)
    (式中、R1は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;
    1は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;
    2はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;
    3は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基を示す。)
    で表される疑似型セラミドを有効成分とする、ステロイド剤のかゆみ抑制効果を増強するためのステロイド剤のかゆみ抑制効果増強剤。
  3. 疑似型セラミドが、一般式(1)中、R1がヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基、X1が水素原子、R2がヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基、R3がヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜8のアルキル基の化合物である、請求項1記載のかゆみ抑制剤又は請求項2記載のステロイド剤のかゆみ抑制効果増強剤。
  4. 疑似型セラミドが、一般式(1)中、R1がヘキサデシル基、X1が水素原子、R2がペンタデシル基、R3がヒドロキシエチル基の化合物又はR1がヘキサデシル基、X1が水素原子、R2がノニル基、R3がヒドロキシエチル基の化合物である、請求項3記載のかゆみ抑制剤又はステロイド剤のかゆみ抑制効果増強剤。
  5. ステロイド剤が、効果の強さがミディアムランクに分類されるステロイド剤、又はプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、トリアムシノロンアセトニド、アルクロメタゾンプロピオン酸エステル、クロベタゾン酪酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル及びデキサメタゾンから選ばれるステロイド剤である、請求項1〜4のいずれか1項記載のかゆみ抑制剤又はステロイド剤のかゆみ抑制効果増強剤。
  6. ステロイド剤がプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルである、請求項5記載のかゆみ抑制剤又はステロイド剤のかゆみ抑制効果増強剤。
  7. 皮膚外用剤である、請求項1〜6のいずれか1項記載のかゆみ抑制剤又はステロイド剤のかゆみ抑制効果増強剤。
JP2019013415A 2019-01-29 2019-01-29 かゆみ抑制剤 Pending JP2020121933A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019013415A JP2020121933A (ja) 2019-01-29 2019-01-29 かゆみ抑制剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019013415A JP2020121933A (ja) 2019-01-29 2019-01-29 かゆみ抑制剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020121933A true JP2020121933A (ja) 2020-08-13

Family

ID=71992143

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019013415A Pending JP2020121933A (ja) 2019-01-29 2019-01-29 かゆみ抑制剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020121933A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112022001077T5 (de) 2021-04-15 2024-01-04 Komatsu Ltd. Elektrobagger
DE112022002307T5 (de) 2021-07-30 2024-04-18 Komatsu Ltd. Elektrobagger

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008297301A (ja) * 2007-05-01 2008-12-11 Fancl Corp セラミド溶液及び皮膚外用剤
WO2019185097A1 (de) * 2018-03-26 2019-10-03 Conti Temic Microelectronic Gmbh Verfahren zur überwachung und steuerung eines fernbedienten park- oder manövriervorgangs eines fahrzeugs

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008297301A (ja) * 2007-05-01 2008-12-11 Fancl Corp セラミド溶液及び皮膚外用剤
WO2019185097A1 (de) * 2018-03-26 2019-10-03 Conti Temic Microelectronic Gmbh Verfahren zur überwachung und steuerung eines fernbedienten park- oder manövriervorgangs eines fahrzeugs

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112022001077T5 (de) 2021-04-15 2024-01-04 Komatsu Ltd. Elektrobagger
DE112022002307T5 (de) 2021-07-30 2024-04-18 Komatsu Ltd. Elektrobagger

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4610741B2 (ja) 無水状態の局所的皮膚調製剤
JP5865360B2 (ja) 油分高濃度配合軟化性エアロゾル発泡組成物
BRPI0616520A2 (pt) emulsão de tipo óleo-em-água, processo de preparação de uma emulsão e seu uso
JP2019524876A (ja) 水可溶化されたウルソデオキシコール酸を含有する炎症性皮膚疾患または重症掻痒症の予防または治療用組成物
US20080167375A1 (en) Treatment of cutaneous neurogenic inflammation
US20220125817A1 (en) Pharmaceutical compositions for demodex related blepharitis and eyelid crusting
GB2470818A (en) Formulations comprising a beta-2 adrenergic receptor agonist for use in treating regional adipose tissue
KR20190024593A (ko) 수면장애 예방 또는 치료용 조성물
JP2020121933A (ja) かゆみ抑制剤
JP2010184903A (ja) 外用医薬組成物
US8936814B2 (en) Skin cream
US11224619B2 (en) Formulations and methods for treatment of inflammatory skin diseases
TW202100138A (zh) 外用組成物
JPH01301623A (ja) にきびまたはアンドロゲン性脱毛の局所治療のためのエチステロンの使用
KR20190024594A (ko) 아토피피부염 예방 또는 치료용 조성물
EP1670464B1 (en) Topical compositions comprising telmesteine for treating dermatological disorders
EP3675814A1 (de) Zusammensetzung zur topischen behandlung von nicht-mikroorganismus-verursachten entzündlichen haut- und schleimhauterkrankungen
JP2009504568A (ja) 女性型脱毛症等の毛髪成長障害の治療方法とそのために有用な組成物
JP2000229884A (ja) 皮膚外用剤
US9566262B2 (en) Itch suppression by fucoxanthin
JP2016188187A (ja) 外用医薬組成物
JP7265278B2 (ja) 皮膚バリア機能向上又は修復用組成物
JPH0112725B2 (ja)
EP3482761B1 (en) Compositions comprising cromoglicic acid for the treatment of dermatitis
DE60122827T2 (de) Wasserfreie topische Zubereitungen für die Haut

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230214

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230404