JP2020120639A - 育苗培土 - Google Patents

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Tetsuya Uchida
内田  哲也
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Abstract

【課題】苗の根部が培土に絡み付きながら成長しやすく、含有成分や水分により生育不良や根腐れを起こしにくい育苗培土を提供すること。【解決手段】土砂を殺菌加工した精土Eに、水を保持する保水材料Kと、水捌けを良くして余分な水分を逃がす透水材料Tと、酸性度を調整するpH調整材Hを混ぜて構成する育苗培土において、保水材料Kの粒子は、透水材料T及びpH調整材Hの粒子よりも小さいものを用い、保水材料Kは、容積比で50%以上用いるものとし、pH調整剤Hは、少なくとも保水材料Kの使用率及び精土Eの酸性度に合わせて容積比で5%から30%の範囲で用いる。【選択図】 図8

Description

この発明は、苗を育苗する育苗培土の技術分野に属する。
玉ねぎ等の細く柔らかい苗を育苗する培土の構成材料や根部の結合を強め、苗の根鉢を崩れにくくして、苗移植機で圃場に移植する際に根鉢が崩れることを防止する技術が存在する(特許文献1参照)。
特開2016−154449号公報
玉ねぎの苗の根部は比較的伸びにくく、移植に適した段階までの成長期間では、根部が培土中に十分に絡み付かないことがあるので、培土中に構成材料同士の結合を強める成分や吸水性ポリマー等を添加することにより、強度を確保している。
しかしながら、構成材料同士の結合を強める成分や吸水性ポリマーが培土中に混入されていると、根部が伸長する方向が変えられてしまい、根部が根鉢全体に行き渡らず、根鉢の強度が十分に確保できない問題が生じる。
根鉢の強度が低いと、セルトレイから苗を一株ずつ取出し装置で取り出し、植付ホッパに移動させる方式の移植機では、取出し装置が培土内に差し込まれる際に培土が崩れ、取出し装置の取出し爪に苗が引っ掛からず、植付ホッパへの苗の移動が行われなくなる。
また、作業者が苗供給テーブルに苗を投入し、所定位置で植付ホッパに落下させる方式の移植機では、植付ホッパへの苗の投入は問題なく行えるものの、植付ホッパの下降により圃場に植え付けられた苗は覆土される前に倒れやすくなるので、苗の植付姿勢が乱れる問題が生じる。
さらに、玉ねぎ等の一部の作物は、培土中の水分量が少ないと生育不良を起こすが、多過ぎると根腐れを起こす可能性がある。したがって、培土には、吸水性だけでなく透水性を兼ね備えることが求められる。
本発明は、苗の根部が培土に絡み付きながら成長しやすく、含有成分や水分により生育不良や根腐れを起こしにくい育苗培土を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じた。
請求項1に係る発明は、移植用の苗を育てる培地を、土砂を殺菌加工した精土(E)に、水を保持する保水材料(K)と、水捌けを良くして余分な水分を逃がす透水材料(T)と、酸性度を調整するpH調整材(H)を混ぜて構成する育苗培土において、該保水材料(K)の粒子は、透水材料(T)及びpH調整材(H)の粒子よりも小さいものを用いることを特徴とする育苗培土とした。
請求項2に係る発明は、前記保水材料(K)は、容積比で50%以上用いるものとし、前記pH調整剤(H)は、少なくとも保水材料(K)の使用率及び精土(E)の酸性度に合わせて容積比で5%から30%の範囲で用いることを特徴とする請求項1に記載の育苗培土とした。
請求項3に係る発明は、前記保水材料(K)または透水材料(T)、あるいは両方の配合比率を減らし、軽量であると共に保水性と排水性を兼ね備えた石炭灰(C)を用いるものとし、該石炭灰(C)は容積比で20%から40%の範囲で用いるものとすることを特徴とする請求項1に記載の育苗培土とした。
請求項4にかかる発明は、添加する肥料のうち、リン酸成分(P)は、即効性成分(Q)と緩効性成分(D)を含み、容積1リットル当たり3000mgから10000mgを含有させ、窒素成分(Ni)とカリウム成分(Ka)は容積1リットル当たり400mgから800mgを含有させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の育苗培土とした。
請求項5に係る発明は、前記窒素成分(Ni)のうち、30%から60%はコーティング剤(Co)で被覆する被覆肥料(Ni2)とし、40%から70%は裸肥料(Ni1)とすることを特徴とする請求項4に記載の育苗培土とした。
請求項1の発明により、保水材料(K)の粒子が透水材料(T)及びpH調整材(H)の粒子よりも小さいことにより、保水材料(K)同士、あるいは保水材料(K)と透水材料(T)またはpH調整材(H)の間に生育させる苗の根部が成長する空間部を生じさせやすくなるので、苗の根部を保水材料(K)、透水材料(T)及びpH調整材(H)の間に張り巡らさせることができ、苗の根鉢の強度が確保できる。
請求項2の発明により、請求項1に記載の発明の効果に加えて、保水材料(K)を容積比で50%以上用いることにより、苗の生育に必要な水分を保水材料(K)中に保持させることができるので、水の供給作業の頻度が低下する。
また、保水材料(K)の使用率及び精土(E)の酸性度に合わせてpH調整剤(H)の容積比当たりの使用量を増減させることにより、苗の生育環境を弱酸性から弱アルカリ性の範囲に調整することができるので、強酸化や強アルカリ化により苗の根部が痛み、生育不良を起こすことが防止される。
請求項3の発明により、請求項1の発明の効果に加えて、保水材料(K)または透水材料(T)、あるいは両方の一部を石炭灰(C)に置き換えることにより、培地を軽くできるので、苗の重量も軽くなり、苗の移送時や植付作業時に作業者の労力が軽減される。
請求項4の発明により、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、リン酸成分(P)が即効性成分(Q)と緩効性成分(D)を含むことにより、苗の生育初期には即効性成分(Q)を用いて成長できると共に、移植直前から圃場への移植後には緩効性成分(D)を用いて成長できるので、肥料不足による生育不良の発生が防止される。
また、育苗段階でリン酸成分(P)、窒素成分(Ni)とカリウム成分(Ka)を圃場への移植後に使用する分まで供給しておくことにより、移植後の施肥作業回数を減らすことができるので、労力の軽減が図られると共に、作業中に飛散した、あるいは作物の成長に使われなかった肥料成分が圃場外に流出することが防止され、周辺の圃場や水路の汚染が防止される。
請求項5の発明により、請求項4に記載の発明の効果に加えて、窒素成分(Ni)の一部をコーティング剤(Co)で被覆する被覆肥料(Ni2)としたことにより、育苗中や圃場への苗の移植後に裸肥料(Ni1)が消費され尽くしても苗が利用できる肥料が途切れないので、苗の生育が安定すると共に、移植後の施肥作業回数を減らすことができるので、労力の軽減が図られる。
播種機を示す側面図 播種機を示す平面図 育苗箱供給装置の要部を示す平面図 育苗箱供給装置の要部を示す側面図 下受板、上受板及び落とし板を示す斜視図 播種装置の穴開け突起部を備える播種繰出ローラを示す要部側面図 別構成例の播種装置の穴開け突起部を備える播種繰出ローラを示す要部側面図 培土の構成材料の比率を示すグラフ 別例の培土の構成材料の比率を示すグラフ 培土に添加する肥料成分の比率を示すグラフ 裸肥料と被覆肥料を示す模式図 (a)床土を敷設した育苗箱の断面図、(b)床土の上に種子を播いた育苗箱の断面図、(c)第2培土を覆土として用いた育苗箱の断面図 第2培土の構成材料の比率を示すグラフ
この発明の実施の一形態を、以下に説明する。尚、以下の実施の形態は、あくまで実施の一形態であって、特許請求の範囲を拘束するものではない。
まず、図1から図5を用いて、床土詰め、播種及び覆土の作業を行う播種機1について説明する。
播種機1は、育苗箱2を一方向に搬送する搬送経路3を備え、該搬送経路3上に支持され該搬送経路3に沿って該搬送経路3の上手側から順に、上下に複数枚に積み重ねられた育苗箱2を下側から順に繰り出して搬送経路3上に供給する育苗箱供給装置4と、育苗箱2に床土を詰める床土詰装置6と、床土を詰めた育苗箱2に灌水する灌水装置29と、育苗箱2に播種する播種装置7と、育苗箱2に覆土する覆土装置8を設けている。
なお、育苗箱供給装置4及び床土詰装置6及び播種装置7及び覆土装置8の各々の装置は、他の装置と独立して単独で設置できるように前後左右計4本の脚部9,10で支持されている。
また、覆土装置8の前側の左右の脚部10には上下に回動するアーム11を介して該脚部10の下端より下方に突出させることができる車輪12を各々取り付けており、該車輪12を下方に突出させ播種機1を持ち上げて他の脚部9を地面から浮かせることにより、播種機1を容易に移動させることができる。
搬送経路3は、左右の搬送ガイド15で構成され、この左右の搬送ガイド15の間で長手方向を前後に向けた育苗箱2を搬送する構成となっている。搬送経路3には、駆動するコンベアとして、ベルト式の育苗箱搬送コンベアである育苗箱供給部搬送コンベア16及び床土詰部搬送コンベア17と、ローラ式の育苗箱搬送コンベアである播種部搬送コンベア18及び覆土部搬送コンベア28を備えている。
そして、非駆動でフリーで回転するローラ式のコンベアとして、育苗箱供給部搬送コンベア16と床土詰部搬送コンベア17の間に床土詰前コンベア62を設け、床土詰部搬送コンベア17と播種部搬送コンベア18の間に灌水部コンベア63を設け、播種部搬送コンベア18と覆土部搬送コンベア28の間に覆土前コンベア64を設け、覆土部搬送コンベア28の後側に育苗箱取出コンベア75を設けている。
育苗箱供給装置4は、上下に複数枚に積み重ねられた育苗箱群を下側から受ける下受板34と、前記育苗箱群の下から2枚目の育苗箱2を下側から受ける上受板35と、育苗箱群の最下位の育苗箱2を強制的に下方へ落とす落とし板36を備え、人手等により上受板35上に供給された育苗箱群を先ず下受板34上に引き継ぎ、上受板35で育苗箱群の下から2枚目の育苗箱2から上側の育苗箱2を支持した状態で下受板34による育苗箱群の最下位の育苗箱2の支持を解除し、その状態で落とし板36が最下位の育苗箱2を上側から下方に押して育苗箱群から分離して落下させて繰り出して育苗箱供給部搬送コンベア16上に供給し、以下この作動工程を繰り返すことにより育苗箱群の下側の育苗箱2から順に育苗箱供給部搬送コンベア16上に供給する構成としている。
なお、下受板34、上受板35及び落とし板36は、育苗箱群に作用する各々の部分が前後方向で重複しないように各々育苗箱群の前後左右4箇所に設けられ、育苗箱群の左右外側から作用し、育苗箱供給部搬送コンベア16の作動に連動し、育苗箱供給部搬送コンベア16上において先に供給した育苗箱2と次に供給する育苗箱2との間に隙間が生じないように作動する。
前記伝動構成について説明すると、育苗箱供給モータ94に設けた出力スプロケット95から搬送伝動チェーン96及び駆動スプロケット38へ伝動し、該駆動スプロケット38と一体回転する搬送上手側のローラ37を介して育苗箱供給部搬送コンベア16を駆動する。
そして、駆動スプロケット38からチェーン39及び従動スプロケット40を介して第一のカウンタ軸41へ伝動し、該第一のカウンタ軸41と一体回転する駆動スプロケット42からチェーン43、従動スプロケット44及び一方向クラッチを介して第二のカウンタ軸45へ伝動し、該第二のカウンタ軸45の左右両端部に設けた駆動ベベルギヤ46から従動ベベルギヤ47を介して左右各々の落とし用軸48を互いに反対側に駆動回転させる。この落とし用軸48と落とし板36とが一体回転し、落とし板36が左右内側で下側に移行する方向に回転する。
また、落とし用軸48の他端部からアーム49,51及びリンク50等を介して落とし用軸48の上方に位置する各々の受板用軸52を所定角度範囲内で揺動させ、該受板用軸52と一体回転する下受板34及び上受板35を揺動させ、下受板34と上受板35とを育苗箱群に交互に作用させて、育苗箱群を順次下降させる。
また、第二のカウンタ軸45を手動で回転させるための手動供給操作具となる手動供給レバー53を設けており、該手動供給レバー53により作業者が任意に育苗箱供給部搬送コンベア16上に育苗箱2を落下させて供給することができる。
床土詰装置6は、床土となる培土Sを貯留する床土タンク54と、該床土タンク54内の床土を所定量ずつ繰り出して育苗箱2へ落下させて供給する床土繰出具となる床土繰出ベルト55と、育苗箱2上で溢れる床土を均す均平具となる均平ブラシ19と、育苗箱2内に突入して床土を鎮圧する床土鎮圧具となる床土鎮圧ローラ57と、床土繰出ベルト55上の隙間を調節して床土の繰出量を変更調節する床土量調節具となる床土量調節レバーを備え、床土繰出ベルト55が床土を供給する搬送経路3上の床土詰位置の搬送下手側に均平ブラシ19が位置し、均平ブラシ19の搬送下手側に床土鎮圧ローラ57が位置する。
床土詰装置6の伝動構成について説明すると、床土繰出モータ20により床土繰出ベルト55が駆動し、該床土繰出ベルト55から歯車伝動機構を介して均平ブラシ19が駆動する。また、床土詰搬送モータ21に設けた出力スプロケット97から搬送伝動チェーン59を介して駆動スプロケット60へ伝動し、該駆動スプロケット60と一体回転する搬送下手側のローラ61により床土詰部搬送コンベア17を駆動する。なお、均平ブラシ19と床土繰出ベルト55とが互いに逆方向に回転する構成としている。
なお、床土繰出モータ20又は床土詰搬送モータ21の一方の駆動で、床土繰出ベルト55と均平ブラシ19と床土詰部搬送コンベア17へ伝動する構成としてもよい。
播種装置7は、図6に示すとおり、種子タンク68の下部に調節板68bを設けて、種子を所定量ずつ流下口に繰り出し、反時計方向に回転する播種繰出ローラ69の凹溝に種子を取り込み、播種繰出ローラ69の表面に付着した余分の種子を第1ブラシ68dにより落下させる構成とする。該播種繰出ローラ69の外周縁部には、苗トレイ2の床土に接触して種子が入り込む穴開け突起部69a…が、左右方向の所定間隔毎で、且つ円周方向の所定間隔毎に形成される。左右方向の所定間隔、及び円周方向の所定間隔は、苗トレイ2を構成する複数の育苗セル121の左右方向の所定間隔、及び円周方向の所定間隔に対応するものとする。
そして、播種繰出ローラ69の上部には回転ブラシ68eをバネにより弾圧的に圧接し、播種繰出ローラ69の凹溝から溢れた種子を除去して種子収容タンク68fに回収し、播種繰出ローラ69の下方に回転した凹溝から搬送中の苗トレイ2の床土に播種する構成としている。
また、播種繰出ローラ69の播種位置から種子取り込み位置までの間に固定状の落下ブラシ70を設け、播種できなかった種子を苗トレイ2の床土上に掻き落とし、播種精度の向上と湿った種子の播種精度の向上を図る。
また、図7に示すとおり、播種繰出ローラ69の播種位置から種子取り込み位置までの間に回転する第2落下ブラシ68gを設け、播種繰出ローラ69の外周部に第2落下ブラシ68gの外周部を接触させて、播種繰出ローラ69により第2落下ブラシ68gを回転させながら播種残りの種子を落下するように構成してもよい。
また、播種装置7は、播種繰出ローラ69に臨む種子タンク68の出口の隙間を調節して播種繰出ローラ69への種子の供給状態を変更調節する種子供給調節具となる種子供給調節ハンドル72を備える。
よって、該種子供給調節ハンドル72で調節される種子タンク68の出口から播種繰出ローラ69の繰出溝に種子が供給され、播種繰出ローラ69の回転により該繰出溝が上方へ移動することにより該繰出溝で所定量の種子を移送し、芒、枝梗が付いた種子や芽の伸び過ぎた種子等の播種に不適な種子を繰出溝から除去し、該繰出溝は播種繰出ローラ69の回転により下方へ移動してその下死点位置(播種位置H)で育苗箱2に種子を落下供給する構成となっている。
なお、一般的に播種繰出ローラ69の繰出溝は、左右方向(播種繰出ローラ69の回転軸心方向)に長い溝で播種繰出ローラ69の外周に複数配列された構成となっている。種籾の長手方向(長径部)が育苗箱2の長手方向に向くべく、種籾の向きを揃えて育苗箱2へ播種する際は、播種繰出ローラ69の繰出溝を、前後方向(播種繰出ローラ69の回転外周方向)に長い溝で左右に複数配列した構成とすれば、種籾の長手方向(長径部)が繰出溝の方向(前後方向)に沿い、所望の向きで種籾を播種できる。
また、播種直後に種籾を床土に軽く押し付ける際は、押付ローラを播種位置Hの直後に設け、押付ローラにより種籾を押し付ける構成とすればよい。
播種装置7の伝動構成について説明すると、播種モータ65に設けた出力スプロケット66から繰出伝動チェーン67を介して播種繰出ローラ69へ伝動され、前記出力スプロケット66から第一除去チェーン73及び第二除去チェーン74を介して除去ブラシ70へ伝動され、前記出力スプロケット66から搬送伝動チェーン71を介して播種部搬送コンベア18の搬送下手側のローラ75へ伝動し、該搬送下手側のローラ75からチェーン77を介して搬送上手側のローラ76へ伝動する。尚、搬送上手側のローラ76と搬送下手側のローラ75の間に、播種繰出ローラ69が種子を繰り出して供給する播種位置Hがある。尚、除去ブラシ70及び播種部搬送コンベア18と播種繰出ローラ69とが互いに逆方向に回転するべく、第一除去チェーン73と搬送伝動チェーン71を側面視で交差するように巻き掛けている。尚、播種繰出ローラ69の外周部において除去ブラシ70の位置と播種位置との間には、繰出溝から種子が脱落しないように該繰出溝を覆うガイド体を設けている。
覆土装置8は、覆土となる培土Sを貯留する覆土タンク84と、該覆土タンク84内の覆土を所定量ずつ繰り出して育苗箱2へ落下させて覆土位置で供給する覆土繰出具となる覆土繰出ベルト85と、育苗箱2上で溢れる覆土を均す均平具となる均平板86と、覆土繰出ベルト85上の隙間を調節して覆土の繰出量を変更調節する覆土量調節具となる覆土量調節レバーとを備え、覆土繰出ベルト85が覆土を供給する搬送経路3上の覆土位置の搬送下手側に均平板86が位置する。覆土装置8の伝動構成について説明すると、覆土モータ78により覆土繰出ベルト85が駆動し、覆土モータ78に設けた出力スプロケット79から搬送伝動チェーン80を介して覆土部搬送コンベア28の搬送下手側のローラ81へ伝動し、該搬送下手側のローラ81からチェーン98を介して搬送上手側のローラ82へ伝動する。尚、搬送上手側のローラ82と搬送下手側のローラ81の間に、覆土位置がある。尚、覆土繰出ベルト85と覆土部搬送コンベア28とが互いに逆方向に回転するべく、搬送伝動チェーン80を側面視で交差するように巻き掛けている。
覆土装置8の前側の脚部10には、育苗箱搬送コンベアを手動で回転させるための操作具となる手動搬送ハンドル92をフック93を介して保持している。この手動搬送ハンドル92により、播種装置7で播種をしている途中で故障で播種機1が停止したときや播種作業を終了するために播種機1を停止させたとき、手動で育苗箱2を搬送して該育苗箱2を播種機1から容易に取り出すことができる。
灌水装置29は、灌水部コンベア63の上側に設けられ、灌水部コンベア63の左右の搬送ガイド15から各々立ち上がる左右の支持フレーム100を設け、左右に配列される複数のノズルを備える左右に延びる灌水パイプ99を、左右の支持フレーム100で両持ち支持している。該灌水パイプ99すなわち灌水位置は、灌水部コンベア63の搬送上手寄りの位置に配置されている。
床土詰前コンベア62及び灌水部コンベア63及び覆土前コンベア64及び育苗箱取出コンベア75の各々のコンベアは、左右の搬送ガイド15の前後端部で搬送上手側及び搬送下手側の装置に嵌る嵌合部材101により、播種機1本体に対して独立して個別に着脱可能に設けられている。従って、灌水部コンベア63を播種装置7と覆土装置8の間に組み付けることにより、播種装置7と覆土装置8の間に灌水装置29を配置することができる。あるいは、灌水部コンベア63を覆土装置8の後側に組み付けることにより、覆土後に灌水する構成とすることもできる。
播種装置7と覆土装置8の間に灌水装置29を配置する際は、灌水装置29と覆土装置8の間隔が十分に得られるように、覆土前コンベア64を灌水部コンベア63の後側に組み付けたり、灌水装置29の後側に組み付けられる覆土前コンベア64を長いコンベアに交換したりすることが望ましい。これにより、床土に吸水性の悪い田土を使用しても、灌水装置29の灌水を床土に浸透させることができ、床土の上面の水がひいた状態で覆土できるので、播種した種籾が酸素欠乏状態になりにくく、安定した発芽率が得られる。また、覆土前コンベア64を非駆動のローラで構成し、この非駆動のローラを任意の位置に組み付けできる構成とすることにより、覆土前コンベア64を伸縮できる構成としてもよい。尚、床土詰装置6と播種装置7の間に灌水装置29を配置する際は、上述と同様の理由から、灌水装置29と播種装置7の間のコンベアを長くすることが望ましい。
なお、種子タンク68の上端の開口より覆土タンク84の上端の開口を低位に設け、覆土タンク84の上端の開口より床土タンク54の上端の開口を低位に設けている。これにより、使用量が多いため作業者が頻繁に床土タンク54へスコップで床土を供給しなければならないが、この床土供給作業を低位で容易に行え、次いで供給頻度が高い覆土タンク84への覆土供給作業を容易に行える。しかも、種子タンク68の上端の開口が高位となるので、床土供給作業又は覆土供給作業を行うとき、誤って種子タンク68へ床土又は覆土を供給するようなことを防止でき、土が供給されることで播種装置7が故障するようなことを防止できる。
床土タンク54は変形可能なゴム製の弾性体113を介して支持されており、作業者が床土を供給する度にその重みで揺れる構成となっている。これにより、床土タンク54内での床土のブリッジ現象を防止でき、特に水田の土壌等、ブリッジ現象を生じ易い土壌を床土として使用するとき、床土の繰り出しを適正に行える。尚、作業者がスコップ等で床土タンク54に触れることで、床土タンク54を揺らすこともできる。
また、左右幅がコンベアの左右幅より小さい(30cm未満の)育苗箱110に播種作業を行うときは、図2に示すように、コンベアの左右一方側にコンベア搬送方向の適宜間隔で複数の規制ガイド112を取り付け、コンベア上の育苗箱110の左右位置を規制するようにすればよい。このとき、播種装置7で繰り出される種子が前記左右一方側の部分で無駄になるので、この種子を受ける受け容器111を播種装置7下方で前記左右一方側の位置に配置すればよい。
野菜用の苗移植機が用いる玉ねぎ等の野菜類の苗は、根部を培土中に張り巡らさせることにより、根部の周囲を土の塊が覆う、所謂根鉢を形成する必要がある。セルトレイから苗取り爪で苗を取り出す方式の苗移植機では、苗取り爪をこの根鉢に差し込んで苗を取り出すものであるので、ある程度の強度がなければ根鉢が崩れてしまい、苗が取り出せず、本来植え付けられるはずの位置に苗が無い状態、所謂欠株が発生することになる。欠株の発生箇所には、作業者が別途苗を植え付ける手作業が必要になるので、作業者の労力が増加する問題がある。
また、上記の苗移植機でも、苗供給テーブルに投入した苗を植付ホッパに投入する方式の苗移植機でも、植付ホッパを畝の土中に突入させて収容した苗を植え付ける際、根鉢が崩れていると植付孔の周囲が覆土されるまでに苗が倒れてしまい、苗の植付姿勢が乱れたり、苗移植機の鎮圧輪に苗が踏まれて傷んでしまう問題がある。こうした問題の発生を防止するには、苗の根鉢を強固にする必要があり、根部を培土中にしっかりと張り巡らせる必要がある。
苗の一例として挙げる玉ねぎは、根部が細いと共に、発根量も少なめであるので、粘土質の土が多いと根鉢中に根部が伸びにくく、根部を張り巡らさせることが難しくなる。このため、栽培用の培土Sには、砂質の土の比率を高くすることが望ましい。しかしながら、砂質の比率が高くなると粒同士がまとまりにくく、根鉢の強度が弱いものとなりやすい。
また、粘土質が多いと培土Sは水分が抜けにくくなり、砂質が多いと培土は水分が蒸発しやすくなるが、玉ねぎの苗は土の水捌けが良すぎても悪すぎても生育不良を起こしやすいので、培土Sは保水性と透水性をある程度兼ね備えるように材料を配合する必要がある。
さらに、玉ねぎの苗の生育を安定させるには、培土Sの土質を弱酸性から弱アルカリ性の範囲内に調整する必要もある。
上記の条件を満たす培土Sの配合の一例として、図8に示すとおり、川砂や山土を洗浄、夾雑物除去、殺菌等の過程を経て培土用に調製した精土Eに、まず、培土Sに供給された水を保持する保水材料Kとして、ピートモスKpを配合する。ピートモスKpは、コケ類等の水気の多い環境で生育する植物が泥炭化した土を破砕したものであり、体積の数十倍の吸水性を有しており、培土S中に大量の水を留め、育苗中の吸水作業頻度を低下させる効果がある。また、土の粒子が細かいので、玉ねぎの苗の根部が粒子同士の間に入り込みやすく、根鉢に根部が張り巡らされやすくなる。
なお、ピートモスKpは上記のとおり吸水性が高い上に、添加した土の酸性度を酸性寄りにする効果を有するので、ピートモスKpだけを添加するのでは、玉ねぎの苗の生育に適した培土Sにはなりにくい。
従って、培土中には、水分を保持しにくく、水捌けを良くする透水材料Tとして、パーライトTpも添加する。このパーライトTpは、水分を吸収しにくく流しやすい、黒曜石を高温で熱して生成したものを用いる。これにより、培土Sに供給された水の一部をパーライトTpが逃がすので、培土S内の水分含有量が高くなり過ぎ、玉ねぎの苗が根腐れを起こすことが防止される。
さらに、培土Sの酸性度を下げて弱酸性から弱アルカリ性の範囲内に収めるべく、pH調整材HとしてバーミキュライトHbも添加する。バーミキュライトHbはアルカリ性のマグネシウム塩を含有するので、このマグネシウム塩がピートモスKpの酸性成分を中和することにより、培土Sの酸性度を弱酸性から弱アルカリ性の範囲内に収めることができる。
パーライトTp及びバーミキュライトHbはピートモスKpと比べて粒子が大きいので、培土S中の玉ねぎの苗の根部が成長可能な空間が生じやすく、根部の成長を促しやすい。
なお、バーミキュライトHbは、土壌改良剤として一般的に用いられる、焼成した原石(苦土蛭石)を破砕したものでもよいが、破砕時に生じた粉状のものを用いると、粒子が小さくなり、培土Sの粒子同士の結合力の低下が防止される。
上記の培土Sは、保水材料KであるピートモスKpを容積比で50%以上含有するものとし、酸性度を調整するpH調整剤HであるバーミキュライトHbは、精土Eの酸性度と配合量に合わせて容積比で5%から30%の範囲で配合する。基本的には、精土Eが強酸性寄りであるほどバーミキュライトHbの配合比率は高くし、アルカリ性寄りであるほどバーミキュライトHbの配合比率を低くする。
透水材料TであるパーライトTpについては、精土Eと共に適宜比率を調節するものとする。但し、パーライトTpが少ないとピートモスKpが過度に水分を保持することになるので、5%は配合するものとする。また、精土Eが少ないと根部が張り巡らされても培土Sの強度が十分に確保できないので、10%は配合するものとする。
これに加えて、培土Sには、苗が生育する際に用いる肥料成分を添加する必要がある。上記構成の玉ねぎの苗用の培土Sには、窒素肥料Niを配合する。この窒素肥料Niについては、後述する。
上記の配合による培土Sは、玉ねぎの苗が成長する際に根部が伸びる隙間を粒子同士の間に有するので、根部が土中に張り巡らされて、苗移植機による移植作業に適した苗を安定して生育させることができる。
また、ピートモスKpで玉ねぎの苗が必要とする水分を保持しつつ、パーライトTpで過剰な水分を培土Sから排出することにより、培土Sの含有する水分を苗の生育に適したものとすることができ、苗の生育が安定する。
また、バーミキュライトHb等の添加により培土Sの酸性度を弱酸性から弱アルカリ性に調整することにより、根部の生育を妨げることが防止され、根鉢の強度の向上が図られる。
上記の培土Sについて、精土Eの含有成分によっては重量が大きくなり、苗の持ち運びに要する労力が大きくなることがある。また、ピートモスKpやバーミキュライトHb等を多く用いると、その分培土Sの製造コストが高くなる問題がある。
低コストで軽く、また排水性と保水性を兼ね備える材料として、ボイラーで燃やされた石炭灰Cを、赤熱した状態で水槽に落下させて急冷させたクリンカアッシュCAというものが存在する。クリンカアッシュCAは、火力発電に用いられた石炭から出る廃棄物を再利用するものであるので、コストが低く、これを用いることで培土Sの製造コストを低減することができる。
また、赤熱状態から急冷することにより、化学的に安定した状態となりやすく、添加しても培土Sの酸性度を変化させにくい。
さらに、表面には微細な孔部が無数に生じているので、この孔部に水分や肥料成分を大量に保持できると共に、クリンカアッシュCA自体は様々な大きさの粒が混在しているので、余分な水分が排出されやすく、また根部が伸びるスペースが確保される。
図9に示すとおり、このクリンカアッシュCAを培土Sに混ぜ、その分ピートモスKpやバーミキュライトHbの割合を減らすことで、培土Sのコストダウンを図ることができる。
クリンカアッシュCAは、粒子が小さく、灰色をしているので、そのまま精土Eに混在させると培土Sの色が灰色を帯びやすい。赤土等、色に特徴のある精土Eを用いた苗においては、色が異なると購入者が違和感を覚える可能性があるので、培土Sの色を精土Eの色に近付ける場合は、精土EとクリンカアッシュCAを混ぜたものに、水またはPVA(ポリビニルアルコール)等の造粒剤Mpを投入し、培土Sを細かい粒の集合体にする。
これにより、培土Sの色を精土Eの色に近付けることができるので、根鉢付きの苗の見た目上の品質が向上する。
上記の培土Sは、特に玉ねぎの苗の生育に合わせて各構成材を配合しているが、玉ねぎの苗の生育には、肥料成分も必要である。植物の生育には、窒素、リン酸、カリウムの三要素のバランスが重要であり、栽培する作物によってこれらの比率は調整され、また、栽培途中に追加で供給する作業が行われることもある。
上記の、栽培途中で肥料を追加する作業は、当然圃場内で行われるが、圃場の土中に供給された肥料は、作物の生育により消費される前に、風雨によって土と共に圃場外に流出することがある。肥料の流出量が多いと、周囲の水路や別の圃場を肥料成分が汚染することになる。
一方、肥料が流出しなくても、作物に消費されなかった肥料成分が圃場に蓄積すると、圃場の酸性度が変化したり、圃場に生息する生物の生態系に影響を及ぼしたりすることがあり、土壌改良剤の添加や客土等の圃場環境の改善作業が必要になることがある。
これを防止する方法の一つとして、圃場外で苗を育てる育苗用の培土S内に緩効性の肥料成分を多く添付し、移植後の苗が根部から肥料成分を吸収しやすくし、肥料成分が消費されやすくするものがある。一方、種子が発芽し根部が発生したときには、即効性の肥料が必要であるので、培土Sには即効性の肥料成分も添加する必要がある。
上記の肥料の一例として、図10に示すとおり、リン酸成分Pは、即効性成分Qである水溶性リン酸Qpと、緩効性成分Dであるク溶性リン酸Dpを混ぜ、1リットルにつき3000mgから10000mgの範囲で添加する。この水溶性リン酸Qpは、土中の鉄やアルミニウムと結合して固定化されやすく、肥効期間は短くなりやすいが、苗の根部の発生から圃場に移植されるまでに用いられる、あるいは肥効を失うことが望ましいものであるので、問題は生じない。一方、ク溶性リン酸Dpは、根部がある程度成長してクエン酸を分泌し始め、このクエン酸濃度が一定以上になると根部から吸収される性質があるので、苗の移植直前から移植後にかけて消費されるものであり、水と接触してもほとんど流出しないので、水路や他の圃場の汚染が生じにくい。
水溶性リン酸Qpは、過石(過リン酸石灰)や重過石(重過リン酸石灰)等を用い、ク溶性リン酸Dpは、苦土重焼リン等を用いるものとする。
なお、水溶性リン酸Qpの量は、栽培する玉ねぎの品種、移植時に苗をどの程度まで成長させるか、あるいは培土Sを構成する精土Eに含有される成分により増減させる。また、ク溶性リン酸Dpの量は、移植する圃場の土壌成分を考慮して増減させる。
上記のリン酸成分P以外には、窒素成分Niとカリウム成分Kaが必要であるが、これらは1リットルにつき400mgから800mgの範囲で添加する。カリウム成分Kaは、根部や葉部の生育に関連する成分であるので、培土Sに播種された種子から根部が発生するとすぐに吸収できるよう、硫酸カリウムなどの即効性のものを用いる。
一方、窒素成分Niは、生育の初期にも必要ではあるが、移植後にも必要となる。したがって、図11に示すとおり、一部の窒素成分は即効性のある硫酸アンモニウム等の裸肥料Ni1とし、他の窒素成分は、光や微生物により分解されるコーティング剤Coで被覆した被覆肥料Ni2とする。
これにより、即効性である裸肥料Ni1は苗の生育の最初期から吸収されて消費され、被覆肥料Ni2は、培土Sの添加後に一定時間が経過し始めてから消費されるので、窒素成分が一時期に過剰消費されることがなく、苗の生育を安定させることができる。
なお、被覆肥料Ni2の比率は、窒素成分Niのうち30〜60%程度とする。この比率は、栽培する玉ねぎの品種、移植時に苗をどの程度まで成長させるか、あるいは培土Sを構成する精土Eに含有される成分により増減させる。
培土Sに上記の肥料成分を各々添加することにより、育苗中の玉ねぎの苗の生育を安定させることができる。また、移植された苗は根鉢内に残る肥料成分を効率的に吸収できるので、移植後の苗の生育も安定する。
さらに、苗が肥料成分の大部分を消費するので、圃場外に流出する肥料成分の量を軽減でき、圃場の周辺環境の保全が図られる。
玉ねぎの苗は、種子から移植可能になるまで、品種や生育環境による際はあるものの、おおよそ50〜55日と比較的生育に時間を要する必要がある。上記の肥料成分の添加量は、この生育日数に合わせて設定されており、他作物に比べると多めに添加されている。したがって、玉ねぎの苗の育苗に適した培土Sは、他の多くの植物にとっても生育に適したものであり、培土S上で育つ他の作物は、玉ねぎの苗よりも早く成長する可能性が高い。
他の作物が発芽して成長するものであれば、作業者が培土Sから摘み出して対処することができ、これにより玉ねぎの苗の生育に影響を与えることが防止される。
しかしながら、アオミドロ等の藻類やコケ類が培土Sの表面を覆うと、育苗中の灌水時に水が培土Sまで浸透せず、苗の生育が遅くなる、あるいは苗が枯れる問題がある。また、藻類やコケ類を表面から除去しても、目に見えない細かい破片が残っていると再度培土Sの表面を覆う可能性がある。
上記の問題を解消すべく、図12に示すとおり、苗トレイ2に玉ねぎの苗の育苗環境を整えるときは、床土詰装置6で培土Sを床土として苗トレイ2に敷き詰めた後、播種装置7で播種する前に、この床土の表面から約1〜2mmを掻き取る。そして、潅水装置29で床土に灌水した後、播種装置7で玉ねぎの種子を播種する。そして、播種された床土の上面に、覆土装置8により覆土して、種子を土中に埋没させる。
培土Sは、藻類やコケ類の生育に十分過ぎる肥料成分が含まれているので、上記の覆土用の土砂には適していない。また、覆土用の土砂はある程度重さが無いと、茎葉部の生え際が根鉢に抑えられない状態で成長し、倒伏しやすくなる。
従って、図13に示すとおり、床土を覆う覆土用の第2培土S2は、精土Eの比重を比較的重いものを用いると共に、供給する窒素肥料Niの量を、1リットル当たり80mg以下とするとよい。
これにより、覆土にある程度の重量を与えることができると共に、藻類やコケ類の発生しやすい表土部分の肥料成分を減らし、藻類やコケ類の発生を防止することができる。
なお、玉ねぎの苗の根部は、床土に用いる培土S側に大部分が伸びていくので、覆土である第2培土S2が含有する肥料成分が少なくても、生育に影響は生じない。
C 石炭灰
Co コーティング剤
D 緩効性成分
E 精土
H pH調整材
K 保水材料
Ka カリウム成分
Ni 窒素成分
Ni1 裸肥料
Ni2 被覆肥料
P リン酸成分
Q 即効性成分
T 透水材料

Claims (5)

  1. 移植用の苗を育てる培地を、土砂を殺菌加工した精土(E)に、水を保持する保水材料(K)と、水捌けを良くして余分な水分を逃がす透水材料(T)と、酸性度を調整するpH調整材(H)を混ぜて構成する育苗培土において、
    該保水材料(K)の粒子は、透水材料(T)及びpH調整材(H)の粒子よりも小さいものを用いることを特徴とする育苗培土。
  2. 前記保水材料(K)は、容積比で50%以上用いるものとし、前記pH調整材(H)は、少なくとも保水材料(K)の使用率及び精土(E)の酸性度に合わせて容積比で5%から30%の範囲で用いることを特徴とする請求項1に記載の育苗培土。
  3. 前記保水材料(K)または透水材料(T)、あるいは両方の配合比率を減らし、軽量であると共に保水性と排水性を兼ね備えた石炭灰(C)を用いるものとし、
    該石炭灰(C)は容積比で20%から40%の範囲で用いるものとすることを特徴とする請求項1に記載の育苗培土。
  4. 添加する肥料のうち、リン酸成分(P)は、即効性成分(Q)と緩効性成分(D)を含み、容積1リットル当たり3000mgから10000mgを含有させ、
    窒素成分(Ni)とカリウム成分(Ka)は容積1リットル当たり400mgから800mgを含有させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の育苗培土。
  5. 前記窒素成分(Ni)のうち、30%から60%はコーティング剤(Co)で被覆する被覆肥料(Ni2)とし、40%から70%は裸肥料(Ni1)とすることを特徴とする請求項4に記載の育苗培土。
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