JP2020120244A - ゲート駆動回路、及びゲート駆動システム - Google Patents

ゲート駆動回路、及びゲート駆動システム Download PDF

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Abstract

【課題】並列接続されたパワーデバイス間の電流偏りをより抑制可能なゲート駆動回路、及びゲート駆動システムを提供する。【解決手段】ゲート駆動回路(1)は、目標波形を生成する目標波形生成部(13)と、パワーデバイス(2)をオンオフするタイミングの変更量を示すオンタイミング設定情報(141a)、及びオフタイミング設定情報(141b)を参照し、目標波形を基に、駆動波形を生成する駆動波形生成部(141)と、駆動波形を基に、パワーデバイスをオンオフ駆動する駆動制御部(11)と、パワーデバイスの状態を検出する状態検出部(121、122)と、パワーデバイスに印加される電圧の予測波形を生成する予測波形生成部(144)と、状態の検出結果と予測波形との比較結果を基に、オンタイミング設定情報、及びオフタイミング設定情報を更新する更新部(15)と、を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、パワーデバイスをオンオフ駆動するゲート駆動回路、及びゲート駆動システムに関する。
MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のパワーデバイスのスイッチングで設けられるデッドタイムは、直列に接続されたパワーデバイスが同時にオンしないように、マージンを確保する必要がある。例えば、母線数百V以上で運用される高耐圧のパワーデバイスでは、デッドタイムとして2〜5μsec程度を確保する必要がある。
デッドタイムに対してPWM(Pulse Width Modulation)の周期をあまり短くすることはできない。このため、PWMによるパワーデバイスの高周波駆動化には、デッドタイムに起因した限界がある。なお、デッドタイムを短縮する方法としては、例えば特許文献1に開示のものが知られている。
特許6337803号公報
高耐圧のパワーデバイスに用いられる半導体材料としては、例えばSiC(シリコン・カーバイド)がある。SiCを用いて作製されたパワーデバイスでは、局所集中発熱の問題と、SiC基板の残留欠陥密度の問題を回避するために、小さいダイ・サイズを選択し、流す電流により並列度を上げる必要がある。
複数のパワーデバイスを並列接続させた場合、例え全てのバスバを含む配線の長さを等しくし、且つ構成するリードフレームの寄生LCR(インダクタ、コンデンサ、及び抵抗)を全て等しく、または等しく打ち消し合うような構成を採用することが考えられる。しかし、このような構成を採用したとしても、各パワーデバイスの動作のタイミングにより、流れる電流の偏りが発生する。この電流の偏りにより、言い換えれば、流れる電流の集中により、一つのパワーデバイスの最大許容電流は、並列度に応じて大きくさせる必要がある。そのため、採用すべきパワーデバイスのダイ・サイズは、並列度に応じて大きくさせる必要があり、コストが増大する。
最大許容電流を比較的に小さく決定すると、パワーデバイスに要するコストは抑えられる。しかし、電流の偏りにより大きい電流が流れる場合には、SiC基板の残留欠陥密度に起因して、パワーデバイスの寿命が短くなってしまう。パワーデバイスの寿命が短くなることは、パワーデバイスが搭載された製品自体の寿命を短くさせる原因となり得る。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、並列接続されたパワーデバイス間の電流の偏りをより抑制可能なゲート駆動回路、及びゲート駆動システムを提供することを目的とする。
本発明に係るゲート駆動回路は、1つ以上のパワーデバイスをオンオフ駆動するために、あらかじめ設定されたデッドタイム情報が示すデッドタイムが加えられた目標波形を生成する目標波形生成部と、前記目標波形を基準として、パワーデバイスをオンするタイミングの第1の変更量を示すオンタイミング設定情報、及びパワーデバイスをオフするタイミングの第2の変更量を示すオフタイミング設定情報を参照し、目標波形を基に、パワーデバイスを駆動するための駆動波形を生成する駆動波形生成部と、駆動波形を基に、パワーデバイスのゲートに印加する電圧を変化させ、パワーデバイスをオンオフ駆動する駆動制御部と、パワーデバイスのゲート電圧を基に、パワーデバイスの状態を検出する状態検出部と、駆動波形を基に、駆動制御部がパワーデバイスに印加される電圧の予測波形を生成する予測波形生成部と、状態検出部による状態の検出結果と予測波形との比較結果を基に、オンタイミング設定情報、及びオフタイミング設定情報を更新する更新部と、を有している。
本発明に係るゲート駆動システムは、上記ゲート駆動回路を複数、有し、並列に接続された複数のパワーデバイスのうちの1つ以上を複数のゲート駆動回路がそれぞれオンオフ駆動する。
本発明によれば、並列接続されたパワーデバイス間の電流の偏りをより抑制することができる。
本発明によれば、PWM入力における、オン入力からオン遷移完了までの時間と、オフ入力からオフ遷移完了までの時間を、係る相補相間、並列間のすべてのパワーデバイス間で、PWMパルス幅でパワーデバイスの特性に関係なく、ばらつきを抑制し、共通の同一時間に一致させることができる。
本発明によれば、パワーデバイス間電流偏りを抑制し、オン、オフ入力からオン、オフ遷移完了までの時間を、全て共通の設定時間に対し一致させることで、全てのパワーデバイスのスイッチングデッドタイムを短縮することができる。
本発明の実施の形態1に係るゲート駆動システムの構成例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るゲート駆動システムによって駆動されるパワーデバイスの使用例を説明する図である。 閾値電圧の違いによるドレイン電流の時間変化例を説明する図である。 閾値電圧、及びトランスコンダクタンスの違いによって生じる電流の偏りを説明する図である。 本発明の実施の形態1に係るゲート駆動システムによって実現される電流の偏りの抑制例を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係るゲート駆動回路を搭載した駆動ユニットの各部の動作例を示すタイミングチャートである。 パワーデバイスとして用いられるMOSFETのターンオン時のゲート・ソース間電圧、ドレイン・ソース間電圧、及びドレイン・ソース間電流の各時間遷移を示すタイミングチャートである。 パワーデバイスとして用いられるMOSFETのターンオフ時のゲート・ソース間電圧、ドレイン・ソース間電圧、及びドレイン・ソース間電流の各時間遷移を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2に係るゲート駆動回路の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態2の変形例に係るゲート駆動回路の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態3に係るゲート駆動システムの構成例を示す図である。 本発明の実施の形態3の変形例に係るゲート駆動システムの構成例を示す図である。 本発明の実施の形態5に係るゲート駆動回路の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態5に係るゲート駆動回路を搭載した駆動ユニットの各部の動作例を示すタイミングチャートである。
以下、本発明にゲート駆動回路、及びゲート駆動システムの各実施の形態を、図を参照して説明する。各図では、同一または対応する要素には、同一符号を付している。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るゲート駆動システムの構成例を示す図であり、図2は、本発明の実施の形態1に係るゲート駆動システムによって駆動されるパワーデバイスの使用例を説明する図である。
このゲート駆動システムは、スイッチ素子として用いられるパワーデバイス2をオンオフ駆動するためのものである。駆動対象となるパワーデバイス2は、Nチャネル型のMOSFETである。より具体的には、パワーデバイス2は、SiC、GaN(ガリウム・ナイトライド)等の高バンドギャップ半導体を使ったものである。高バンドギャップ半導体を使ったパワーデバイス2を採用した場合、母線電圧が数百Vであっても、50KHz以上の高周波でパワーデバイス2を駆動することができる。
このパワーデバイス2は、例えば図2に示すように、インバータ回路で相毎に用意されるハーフブリッジ401を構成する上アームのスイッチ素子402、及び下アームのスイッチ素子403として用いられる。このインバータ回路によって電力が供給される負荷404は、例えば昇降圧コイル、単相モータ、多相モータ等である。パワーデバイス2は、スイッチングに用いるものであれば良く、インバータ回路等以外の用途に使用されるものであっても良い。
図1では、複数のパワーデバイス2を駆動する2つの駆動ユニット4、及びPWM波形生成部3が示されている。2つの駆動ユニット4がそれぞれ駆動する複数のパワーデバイス2は、同相の同じアームとして用いられるものである。それにより、同じ相の同じアームとして、複数のパワーデバイスが並列接続されている。図1では、便宜的に、ゲート駆動システムにおける同じ相の同じアームの駆動に係わる部分のみが示されている。
各駆動ユニット4では、他の駆動ユニット4に搭載されたゲート駆動回路1は第1のゲート駆動回路に相当する。他の駆動ユニット4が駆動するパワーデバイス2は、第1のパワーデバイスに相当する。他の駆動ユニット4に搭載された目標波形生成部13は、第1の目標波形生成部に相当し、第1の目標波形生成部が生成するPWM波形は第1の目標波形に相当する。
同一型番のパワーデバイス2であっても、実際の特性、具体的には閾値電圧Vth、トランスコンダクタンスgm等に差があるのが普通である。そのようなパワーデバイス2を複数、並列接続させる場合、特性の差によって、各パワーデバイス2に流れる電流に偏りが生じ易い。ゲート駆動システムの構成の詳細について説明する前に、この電流の偏りについて具体的に説明する。
図3は、閾値電圧の違いによるドレイン電流の時間変化例を説明する図である。図4は、閾値電圧、及びトランスコンダクタンスの違いによって生じる電流の偏りを説明する図である。図4(a)はドレイン電流IDの時間変化例を説明する図であり、図4(b)はゲート電圧Vgsの時間変化例を説明する図である。図3及び図4ともに、パワーデバイス2が2つの場合を示している。横軸には共に時間を採っている。
図3及び図4に示すように、特性のばらつきは、一方のパワーデバイス2に大きいドレイン電流IDが流れる原因となる。特に大きいドレイン電流IDが流れるのは、ターンオン時であり、閾値電圧Vthが低いほうのパワーデバイス2により大きいドレイン電流IDが流れる。局所的なドレイン電流IDの程度は、並列度が大きくなるほど、つまり並列接続させるパワーデバイス2の数が多くなるほど、大きくなる。そのため、一つのパワーデバイス2の最大許容電流は、並列度に応じて大きくさせる必要がある。このことから、本実施の形態1では、パワーデバイス2を駆動する電圧波形を実際の特性に合わせて操作する。この操作により、各駆動ユニット4が駆動するパワーデバイス2のターンオン、及びターンオフのタイミングを揃え、並列接続されたパワーデバイス2間での電流の偏りを抑制するようにしている。
図5は、本発明の実施の形態1に係るゲート駆動システムによって実現される電流の偏りの抑制例を説明する図である。図5(a)はドレイン電流IDの時間変化例を説明する図であり、図5(b)はゲート電圧Vgsの時間変化例を説明する図である。
図5に示すように、パワーデバイス2を駆動するゲート電圧Vgsの波形に対する実際の特性に合わせた操作により、ターンオン時、及びターンオフ時における電流の偏りを抑制することができる。そのため、パワーデバイス2に求められる最大許容電流はより低くなり、パワーデバイス2の寿命が短くなるのも抑制することができる。
図6は、本発明の実施の形態1に係るゲート駆動回路を搭載した駆動ユニットの各部の動作例を示すタイミングチャートである。図1に戻り、図6を参照しつつ、駆動ユニット4の構成および動作について説明する。
各駆動ユニット4は、図1に示すように、ゲート駆動回路1、目標波形比較部16、及びクロック生成部161を備えている。各パワーデバイス2のゲートとゲート駆動回路1とは、オン側ゲート抵抗51、及びオフ側ゲート抵抗52を介して接続されている。
PWM波形生成部3は、同じ相の同じアームを駆動する各駆動ユニット4に対し、駆動用のPWM波形を示す駆動PWM波形信号を出力する。駆動PWM波形信号の生成には、設定されたデッドタイムを示す第1の設定情報3aを用いても良い。図6に示すPWM入力波形501は、駆動PWM波形信号が示す波形である。
PWM波形生成部3が出力した駆動PWM波形信号は、目標波形生成部13に入力される。目標波形生成部13は、設定されたデッドタイムを示す第2の設定情報13aに従い、駆動PWM波形信号が示すPWM入力波形501を遅らせて、目標波形であるPWM波形を生成する。図6において、506は、第2の設定情報13aが示すデッドタイム、kは、そのデッドタイム506分だけ、PWM入力波形501を遅らせて生成される目標となるPWM波形である。PWM波形502を示すPWM波形信号は、駆動波形生成部141に出力される。第2の設定情報13aは、本実施の形態1におけるデッドタイム情報に相当する。
駆動波形生成部141、オンタイミングずれ演算部142、オフタイミングずれ演算部143、遅延時間加算部144、オンタイミング比較部145、及びオフタイミング比較部146は、タイミング制御部14の構成要素である。タイミング制御部14は、パワーデバイス2を駆動するためのPWM波形の操作により、パワーデバイス2の駆動タイミング、つまりゲートへの電圧の印加開始タイミング、及びゲートへの電圧の印加終了タイミングを最適化する制御を行う。この最適化に伴い、パワーデバイス2を駆動する電圧波形であるPWM波形が操作される。
タイミング制御部14の構成要素のなかで、オンタイミングずれ演算部142、遅延時間加算部144、オンタイミング比較部145、及びオフタイミング比較部146は、パワーデバイス2の駆動タイミングを変更するための情報の更新を行う更新部15を構成する。
駆動波形生成部141は、オンタイミングのマージン時間を示すオン設定情報141a及びオフタイミングのマージン時間を示すオフ設定情報141bに従い、PWM波形502の立ち上がり、及び立ち下がりを遅らせた目標PWM波形503を駆動波形として生成する。目標PWM波形503を示す目標PWM波形信号は、駆動制御部11及び遅延時間加算部144に出力される。図6において、507は、オン設定情報141aが示すオン側のマージン時間、508は、オフ設定情報141bが示すオフ側のマージン時間をそれぞれ表している。オン設定情報141a及びオフ設定情報141bは、本実施の形態1におけるオンタイミング設定情報、及びオフタイミング設定情報に相当する。オン側のマージン時間507は、オン側で予測される遅延量をフィードバックするための予測フィードバック遅延時間である。オフ側のマージン時間508は、オフ側で予測される遅延量をフィードバックするための予測フィードバック遅延時間である。本実施の形態1において、オン設定情報141a及びオフ設定情報141bがそれぞれ示すマージン時間は、「第1の変更量」及び「第2の変更量」に相当する。
駆動制御部11は、入力した目標PWM波形信号を用いて、ハーフブリッジを構成する2つのMOSFETを駆動することにより、各パワーデバイス2のゲートに電圧を印加する。この電圧の印加により、各パワーデバイス2は、目標PWM波形信号に従って駆動される。
駆動波形生成部141が目標PWM波形信号を出力してから、その目標PWM波形信号に従って駆動制御部11が実際にパワーデバイス2のゲートに電圧を印加するまでの間には時間差が発生する。遅延時間加算部144は、予測される時間差分、目標PWM波形信号を遅延させたPWM波形である期待値波形504を生成する。期待値波形504の立ち上がり開始のタイミングを示すオンタイミング情報は、オンタイミング比較部145に出力される。期待値波形504の立ち下がりが完了するタイミングを示すオフタイミング情報は、オフタイミング比較部146に出力される。
図6に示す矩形509は、上記オン側のマージン時間507にオン側で予測される時間差である遅延分を足した時間と、上記オフ側のマージン時間508にオフ側で予測される時間差である遅延分とを足した時間を表している。ここでは、オン側、及びオフ側の各遅延分を同一の設定時間としている。目標波形503に対し、上記予測フィードバック遅延時間加算後の目標波形である期待値波形504において、オン側とオフ側の各遅延時間509として同一の設定時間を設定することで、目標波形503と期待値波形504のPWM波形パルス幅を等しくすることを目標とする。
遅延時間加算部144は、本実施の形態1における予測波形生成部に相当する。それにより、期待値波形504は、本実施の形態1における予測波形に相当する。
各パワーデバイス2のゲートは、配線53によって、オン検出コンパレータ部121、及びオフ検出コンパレータ部122と接続されている。そのため、パワーデバイス2のゲート電圧Vgsは、オン検出コンパレータ部121、及びオフ検出コンパレータ部122にそれぞれ印加される。オン検出コンパレータ部121、及びオフ検出コンパレータ部122は共に、本実施の形態1における状態検出部に相当する。
このゲート電圧Vgsは、オン検出コンパレータ部121を構成するオペアンプの反転入力端子に抵抗を介して印加される。オペアンプの非反転入力端子には、抵抗を介して電源が接続されている。この抵抗、及び電源は、ゲート電圧Vgsと比較するオン側閾値電圧V_ONDETの発生用である。オン検出コンパレータ部121の出力、つまりオペアンプの出力は、ゲート電圧Vgsとオン側閾値電圧V_ONDETとの間の大小関係によって極性が変化する。
オフ検出コンパレータ部122でも、ゲート電圧Vgsは、オフ検出コンパレータ部122を構成するオペアンプの反転入力端子に抵抗を介して印加される。オペアンプの非反転入力端子には、抵抗を介して電源が接続されている。この抵抗、及び電源は、ゲート電圧Vgsと比較するオフ側閾値電圧V_OFFDETの発生用である。オフ検出コンパレータ部122の出力、つまりオペアンプの出力も、ゲート電圧Vgsとオフ側閾値電圧V_OFFDETとの間の大小関係によって極性が変化する。
図7は、パワーデバイスとして用いられるMOSFETのターンオン時のゲート・ソース間電圧、ドレイン・ソース間電圧、及びドレイン・ソース間電流の各時間遷移を示すタイミングチャートである。図8は、パワーデバイスとして用いられるMOSFETのターンオフ時のゲート・ソース間電圧、ドレイン・ソース間電圧、及びドレイン・ソース間電流の各時間遷移を示すタイミングチャートである。ここで、図7及び図8を参照し、パワーデバイス2として用いることが可能なMOSFETのターンオン時、及びターンオフ時のゲート・ソース間電圧であるゲート電圧Vgsとスイッチング状態との関係について詳細に説明する。
図7及び図8において、Vdsはドレイン・ソース間電圧、Idsはドレイン・ソース間のドレイン電流、VGPはミラー区間電圧、VGAはゲート電圧Vgsの最大値、Vsは上側母線電圧、Vfは下側母線電圧、ILはMOSFETに流すことが可能な最大のドレイン電流Idsをそれぞれ示している。また、ここでは、オン側ゲート抵抗51の抵抗値をRg_on、 オフ側ゲート抵抗52の抵抗値をRg_off、ゲート・ソース間容量をCgs、ゲート・ドレイン間容量をCgdとする。この場合、トランスコンダクタンスgmは、以下のように求められる。
gm=dID/dVgs (1)
また、ミラー区間電圧VGPは、トランスコンダクタンスgmを用いて
VGP=Vth+ID/gm (2)
より求めることができる。
図7及び図8に示す各遷移時間t1〜t6は、以下のように求めることができる。ターンオン時の遷移時間t1〜t3は、それぞれ、t1はゲート電圧Vgsの印加の開始から閾値電圧Vthを越えるまでの時間、t2はゲート電圧Vgsが閾値電圧Vthを越えてからミラー区間電圧VGPに達するまでの時間、t3はミラー区間の時間、である。ターンオフ時の遷移時間t4〜t6は、それぞれ、t4はターンオフの開始からゲート電圧Vgsがミラー区間電圧VGPに達するまでの時間、t5はミラー区間の時間、t6はミラー区間の終了後、ゲート電圧Vgsが閾値電圧Vthまで低下するのに要する時間、である。
Figure 2020120244
このようなことから、ゲート電圧Vgsを監視することにより、MOSFET、つまりパワーデバイス2のスイッチング状態の直接的な検出、及びスイッチング状態の特定を行うことができる。そのため、オン検出コンパレータ部121、及びオフ検出コンパレータ部122のそれぞれの出力は、パワーデバイス2のスイッチング状態を直接的、或いは間接的に示す検出結果となる。それにより、本実施の形態1では、オン検出コンパレータ部121及びオフ検出コンパレータ部122により、ゲート電圧Vgsを監視するようにしている。
上記遷移時間t1〜t6には、閾値電圧Vth、及びトランスコンダクタンスgmのうちの少なくとも一方が影響する。そのため、同じ駆動ユニット4に駆動させるパワーデバイス2としては、閾値電圧Vth、及びトランスコンダクタンスgmがより近いものとするのが好ましい。これは、閾値電圧Vth、及びトランスコンダクタンスgmが近い値であるならば、等長で共通インピーダンスを持たない共通化した配線によりパワーデバイス2を駆動するのが合理的だからである。閾値電圧Vth、及びトランスコンダクタンスgmがより近いパワーデバイス2を駆動させるために、駆動ユニット4の数を増減させても良い。閾値電圧Vth、及びトランスコンダクタンスgmとしては、制御上、実測値を用いるのが好ましい。
トランスコンダクタンスgmが小さいことは、(1)式より、ターンオンに要する時間が長いことを意味する。しかし、ターンオンは、(2)〜(4)式から明らかなように、オン側ゲート抵抗値Rg_on、つまりオン側ゲート抵抗51の抵抗値をより小さくすることにより、より早くすることができる。同様に、ターンオフは、(4)〜(6)式から明らかなように、オフ側抵抗値Rg_off、つまりオフ側ゲート抵抗52の抵抗値をより小さくすることにより、より早くすることができる。このことから、各駆動ユニット4のオン側ゲート抵抗値Rg_on、及びオフ側ゲート抵抗値Rg_offは、駆動させるパワーデバイス2の特性に応じて調整し、駆動ユニット4毎によるターンオン、及びターンオフにそれぞれ要する時間のばらつきを抑えるのが好ましい。
ミラー区間電圧VGPは、上記(2)式により求めることができる。MOSFETであるパワーデバイス2では、ゲート電圧Vgsが閾値電圧Vthを越えることでドレイン電流IDが流れ始め、ゲート電圧Vgsが閾値電圧Vthより低下することでドレイン電流IDが流れなくなる。そのため、ゲート電圧Vgsが閾値電圧Vthと一致するタイミングの制御により、デッドタイムを管理することができる。
パワーデバイス2の並列接続時のスイッチングでは、何れかのパワーデバイス2のターンオンが他より早いか、或いはターンオフが他より遅いことにより、電流が偏る。ターンオン時、ドレイン電流IDの偏りが最も顕在化するのは、ミラー区間の終わりのタイミングとそれ以降である。ターンオフ時でも、ドレイン電流IDの偏りが最も顕在化するのは、ミラー区間の終わりのタイミングとそれ以降、つまり遷移時間t6内である。遷移時間t6は、実際には非常に短く、電流の偏りは、遷移時間t6内で起こるのが普通である。このことから、ターンオン時、及びターンオフ時ともに、パワーデバイス2間の電流の偏りを抑制するには、ミラー区間の完了タイミングを揃えることが重要である。
このために、本実施の形態1では、ミラー区間電圧VGPをオン側閾値電圧V_ONDETとしている。それにより、ターンオン時には、ミラー区間の終了タイミングを高精度に検出できるようにしている。オン検出コンパレータ部121が出力する信号の極性は、ゲート電圧Vgsがオン側閾値電圧V_ONDETを越えることにより、正から負に変化する。
同様に、ミラー区間電圧VGPはオフ側閾値電圧V_OFFDETとしている。それにより、ターンオフ時にも、ミラー区間の終了タイミングを高精度に検出できるようにしている。オフ検出コンパレータ部122が出力する信号の極性は、ゲート電圧Vgsがオフ側閾値電圧V_OFFDETを下回ることにより、負から正に変化する。
オンタイミング比較部145は、遷移時間t1〜t3を計算する。この計算結果、及びオン検出コンパレータ部121の出力信号の極性が正から負に変化したタイミングから、オンタイミング比較部145は、駆動制御部11がパワーデバイス2のゲートへの電圧の印加を開始したタイミングを特定する。その後、オンタイミング比較部145は、特定したタイミングを、遅延時間加算部144から入力したオンタイミング情報が示すタイミングと比較して、それらの間の時間差である差分時間を算出する。算出した差分時間は、オンタイミングずれ演算部142に通知される。図6において、この差分時間510は、グレーゾーンにより示している。
一方、オフタイミング比較部146は、遷移時間t6を計算する。この計算結果、及びオフ検出コンパレータ部122の出力信号の極性が負から正に変化したタイミングから、
オフタイミング比較部146は、駆動制御部11がパワーデバイス2のゲートへの電圧の印加を終了したタイミングを特定する。その後、オフタイミング比較部146は、特定したタイミングを、遅延時間加算部144から入力したオフタイミング情報が示すタイミングと比較して、それらの間の時間差である差分時間を算出する。算出した差分時間は、オフタイミングずれ演算部143に通知される。図6において、この差分時間511は、グレーゾーンにより示している。立ち上がり開始タイミング、及び立ち下がり終了タイミングを特定することにより、パワーデバイス2の実際の駆動波形505が推定される。
オンタイミングずれ演算部142は、通知された差分時間を用いた演算により、新たにオンタイミングのマージン時間とすべき時間を算出し、算出した時間を表す情報をオン設定情報141aとして設定する。
図6に示すケースでは、差分時間は正であり、駆動制御部11が実際に電圧の印加を開始するタイミングが遅いものとなっている。そのため、オンタイミングずれ演算部142は、現在のオン設定情報141aが示す時間より短い時間を新たなオンタイミングのマージン時間として算出し、オン設定情報141aを更新する。図6に示す矩形512は、新たに設定されるオンタイミングのマージン時間、つまり更新後のオン設定情報141aを表している。
新たなオン設定情報141aが示す時間は、直前のオン設定情報141aが示す時間とは差分時間未満の差を有する時間である。これは、最適なオン設定情報141aに徐々に近づけるようにしているためである。なお、実際の設定、つまりオン設定情報141aの更新は、駆動波形生成部141が行っても良い。つまりオンタイミングずれ演算部142は、設定すべきオン設定情報141a、或いは現在のオン設定情報141aからの変更量の演算を行い、その演算結果をアクセス可能にするものであっても良い。オン設定情報141aの更新を駆動波形生成部141自身が行う場合、駆動波形生成部141は更新部15に含まれることになる。
オフタイミングずれ演算部143は、通知された差分時間を用いた演算により、新たにオフタイミングのマージン時間とすべき時間を算出し、算出した時間を表す情報をオフ設定情報141bとして設定する。
図6に示すケースでは、差分時間は正であり、駆動制御部11が実際に電圧の印加を終了するタイミングが遅いものとなっている。そのため、オフタイミングずれ演算部143は、現在のオフ設定情報141bが示す時間より短い時間を新たなオフタイミングのマージン時間として算出し、オフ設定情報141bを更新する。図6に示す矩形513は、新たに設定されるオフタイミングのマージン時間、つまり更新後のオフ設定情報141bを表している。
新たなオフ設定情報141bが示す時間は、オン設定情報141aと同様に、直前のオフ設定情報141bが示す時間とは差分時間未満の差を有する時間である。これは、最適なオフ設定情報141bに徐々に近づけるようにしているためである。なお、実際の設定、つまりオフ設定情報141bの更新は、駆動波形生成部141が行っても良い。つまりオフタイミングずれ演算部143は、設定すべきオフ設定情報141b、或いは現在のオフ設定情報141bからの変更量の演算を行い、その演算結果をアクセス可能にするものであっても良い。
このようにして、オン設定情報141a、及びオフ設定情報141bは、パワーデバイス2の駆動を繰り返すことにより、最適なものに近づいていくことになる。これは、並列接続されたパワーデバイス2を駆動する各駆動ユニット4は、PWM波形502を基準として、駆動ユニット4間でターンオン、及びターンオフの各タイミングが揃うように、オン設定情報141a、及びオフ設定情報141bを更新していくことを意味する。このため、異なる駆動ユニット4により駆動されるパワーデバイス2間の電流の偏りは、例えば図4に示すようなものから図5に示すようなものに抑制されることになる。
時間管理は、クロック生成部161が出力するクロックをベースに行われる。そのクロックの周波数が例えば200MHzであれば、理論上はプラスマイナス5nsの範囲内で時間管理を行うことができる。しかし、実際にはドレイン電流IDは常に変化する。そのため、温度、母線電圧等の変化に伴い、パワーデバイス2のオンタイミング、及びオフタイミングが変動する。そのような変動が発生するとしても、(3)〜(8)式により、ドレイン電流ID、各ゲート抵抗値Rg_on、Rg_off等の最適化を行い、閾値電圧Vth、トランスコンダクタンスgmを実測値から決定した代表値を用いることにより、パワーデバイス2の駆動タイミングのずれは数十ns以内に制御できる。このような制御を実現するうえでも、オン側閾値電圧V_ONDET、及びオフ側閾値電圧V_OFFDETとして、ミラー区間電圧VGPを採用するのが好ましい。
各駆動ユニット4に設けられた目標波形比較部16は、自身が設けられた駆動ユニット4の目標波形生成部13が生成したPWM波形信号と、他の駆動ユニット4が備える目標波形生成部13が生成したPWM波形信号とを入力し、両者を比較する。つまり、目標波形比較部16は、自身を含むゲート駆動回路1が生成したPWM波形信号を、パワーデバイス2と並列接続された1つ以上の他のパワーデバイス2を駆動する他のゲート駆動回路1が生成したPWM波形信号と比較する。その比較結果から、目標波形比較部16は、新たに目標とすべきPWM波形を示す目標PWM波形信号を生成するか、或いはその目標PWM波形信号の生成に必要な変更量情報を生成する。この目標PWM波形信号の生成は、例えば両者が共にオンとなっている期間を抽出し、抽出した期間のみをオンとするPWM波形を生成することで行えば良い。変更量情報は、例えば立ち上がり開始タイミング、及び立ち下がり終了タイミングの各差分時間を示すものとしても良い。
そのようにして生成される目標PWM波形信号、或いは変更量情報は、同じ駆動ユニット4内の目標波形生成部13に出力され、目標波形生成部13によるPWM波形信号の生成に用いられる。それにより、目標波形生成部13は、目標波形比較部16による比較結果に応じて、生成するPWM波形信号を変更する。この結果、駆動ユニット4毎にベースとなる目標PWM波形信号の違いによるずれの影響は回避されるか、或いは抑制される。この結果、各駆動ユニット4によるパワーデバイス2の駆動上のズレも抑えられ、駆動ユニット4間における電流の偏りをより小さくさせることができる。
実施の形態2.
図9は、本発明の実施の形態2に係るゲート駆動回路の構成例を示す図である。図9では、ゲート駆動回路1を搭載した駆動ユニット4は一つのみである。一つの駆動ユニット4は、上記実施の形態1と同様に、複数のパワーデバイス2を駆動するようになっている。この駆動ユニット4は、同じ相の同じアームとして用いられるパワーデバイス2のみを駆動する。そのため、ゲート駆動システムには、相、及びアームのうちの少なくとも一方が異なる駆動ユニット4が複数、存在する。ここでは、上記実施の形態1とは異なる部分に着目して説明する。これは、他の実施の形態でも同様である。
各駆動ユニット4に駆動させるパワーデバイス2は、特性、例えば閾値電圧Vth、及びトランスコンダクタンスgmの各値が近いものとしている。オン検出コンパレータ部121のオン側閾値電圧V_ONDETは、例えば複数回、実測した閾値電圧Vth、或いはミラー区間電圧VGPの平均値である。同様に、オフ検出コンパレータ部122のオフ側閾値電圧V_OFFDETも、例えば複数回、実測した閾値電圧Vth、或いはミラー区間電圧VGPの平均値である。同じ相、同じアームのパワーデバイス2を駆動する駆動ユニット4は一つのみであることから、本実施の形態2では、駆動ユニット4に目標波形比較部16が搭載されていない。本実施の形態2でも、クロック生成部161が200MHzのクロックを生成する場合、数十nsの精度でデッドタイムを制御することができ、そのデッドタイムの制御を通して、電流の偏りを抑制することができる。
なお、図10に示すように、1つの駆動ユニット4に駆動させるパワーデバイス2は1つであっても良い。
実施の形態3.
図11は、本発明の実施の形態3に係るゲート駆動システムの構成例を示す図である。本実施の形態3でも、上記実施の形態1と同様に、図11には、同じ相の同じアームを駆動する部分のみを示している。
本実施の形態3では、図11に示すように、基準目標波形部6が駆動ユニット4とは別に設けられている。基準目標波形部6は、目標波形成形部613、及びクロック出力部61を備えている。
目標波形成形部613は、PWM波形生成部3が出力する駆動PWM波形信号を入力する。目標波形成形部613は、駆動PWM波形信号が示すPWM波形を、設定されたデッドタイムを示す第3の設定情報163aに従って遅らせて、別のPWM波形信号に成形する。成形によって生成されたPWM波形信号は、基準とすべき基準目標波形を示す信号として、各駆動ユニット4の目標波形比較部16に入力される。目標波形比較部16は、上記実施の形態1と同様に、共通したオン期間を抽出して、抽出した期間のみをオンとするPWM波形を生成しても良い。
なお、目標波形成形部613から入力したPWM信号は、目標波形比較部16が出力する目標PWM波形信号として扱っても良い。そのため、基準目標波形部6を設ける場合、各駆動ユニット4に目標波形比較部16を搭載しなくても良い。基準目標波形部6は、並列接続されたパワーデバイス2を駆動する複数の駆動ユニット4のうちの一つに搭載させても良い。
クロック出力部61は、各駆動ユニット4に対し、基準となるクロックを出力する。出力されたクロックは、各駆動ユニット4に搭載・配置されたクロック同期逓倍部153に入力される。クロック同期逓倍部153は、例えば入力したクロックを複数倍に逓倍して、ゲート駆動回路1に供給する。そのため、本実施の形態3では、各駆動ユニット4にクロック生成部161が搭載されていない。本実施の形態3において、クロック出力部61が出力するクロックは「第1のクロック」、クロック同期逓倍部153が出力するクロック「第2のクロック」にそれぞれ相当する。
各駆動ユニット4を外部から供給されるクロックをベースに動作させることにより、各駆動ユニット4の動作タイミングをより合わせることができる。そのため、駆動ユニット4間でのパワーデバイス2の駆動タイミングのずれもより抑えられる。従って、電流の偏りもより抑制することができる。
クロック同期逓倍部153においては、PLL(Phase Locked Loop)、DLL(Delay Locked Loop)と呼ばれる既知の技術による回路で実現可能である。PLL同期回路、或いはDLL同期回路と分周回路との組合せにより、適宜、元のクロックをN/M(N、Mは共に自然数)倍に逓倍、或いは分周したクロックが得られることが知られ、その組合せは周波数シンセサイザと呼ばれている。
図11を参照して更に説明する。PWM波形生成部3から複数の駆動ユニット4のそれぞれまでの信号経路を等長配線にして、PWM入力波形501を示す駆動PWM波形信号の伝送時における遅延ばらつきを抑える。基準目標波形部6のクロック出力部61から複数の駆動ユニット4の各クロック同期逓倍部153へのクロックの信号経路もまた、同じく等長配線にして分配、伝達する。このとき、クロック同期逓倍部153は、遅延ばらつきを抑えられたクロックにPLLまたはDLLにより同期する結果、複数の駆動ユニット4間でクロックのばらつきは±数nsの範囲内に抑制することが可能となる。そこに等長配線により遅延ばらつきを抑制したクロック同期逓倍部153からのクロックがゲート駆動回路1に伝送され、時間ずれのないクロックで各駆動ユニット4内の目標波形生成部13で、目標波形信号が生成される。このようなことから、その目標波形は複数の駆動ユニット4間で、クロックのばらつきである±数nsの範囲内に抑制することが可能となる。
駆動波形生成部141と遅延時間加算部144とで、遅延時間がそれぞれ加算され、期待値波形504が生成される。駆動制御部11が目標波形503に一致するような制御処理を行うとき、複数の駆動ユニット4間でずれが数nsの範囲内の目標波形503に対して、時間ずれのないクロックの1クロック時間幅の単位でプラスマイナスされ、複数の駆動ユニット4間で目標波形503が近づくことになる。この結果、複数の駆動ユニット4間での駆動制御部11によるパワーデバイス2のオンオフ駆動におけるタイミングのずれを数十nsの範囲内で近づけることがはじめて可能となる。
なお、各駆動ユニット4には、図12に示すように、クロック生成部161を搭載し、各駆動ユニット4への外部からのクロック供給を行わないようにしても良い。
実施の形態4.
電流の偏りは、最大のドレイン電流IDmaxが流れるときに、最も抑制する必要がある。このことから、本実施の形態4は、ドレイン電流IDとして、最大のドレイン電流IDmaxを想定したものである。
最大のドレイン電流IDmaxを流す際のミラー区間電圧VGPは、(2)式のIDをIDmaxに代えることにより求めることができる。ターンオン時、実際にミラー区間が終わる際の電圧は、実測もしくはSPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)などの回路シミュレーションにより、ミラー区間電圧VGPに微少量のオフセットが追加された電圧となることが確認できる。この電圧をV_GP_onとすると、V_GP_on=VGP+オン定数、により表すことができる。本実施の形態4では、この電圧V_GP_onをオン側閾値電圧V_ONDETとしている。それにより、ターンオン時には、ミラー区間の終了タイミングを高精度に検出できるようにしている。オン検出コンパレータ部121が出力する信号の極性は、ゲート電圧Vgsがオン側閾値電圧V_ONDETを越えることにより、正から負に変化する。
同様に、ターンオフ時にも、実際にミラー区間が終わる際の電圧は、ミラー区間電圧VGPに微少量のオフセットが追加された電圧となる。この電圧をV_GP_offとすると、V_GP_off=VGP+オフ定数、により表すことができる。本実施の形態4では、この電圧V_GP_offをオフ側閾値電圧V_OFFDETとしている。それにより、ターンオフ時にも、ミラー区間の終了タイミングを高精度に検出できるようにしている。オフ検出コンパレータ部122が出力する信号の極性は、ゲート電圧Vgsがオフ側閾値電圧V_OFFDETを下回ることにより、負から正に変化する。
このように、電圧V_GP_on及び電圧V_GP_offをそれぞれオン側閾値電圧V_ONDET及びオフ側閾値電圧V_OFFDETとして設定することにより、パワーデバイス2の状態をより高精度に特定することが期待できる。そのため、オン設定情報141a、及びオフ設定情報141bの更新もより適切に行うことができる。これらの結果、最大のドレイン電流IDmaxに対応し、電流の偏りをより適切に抑制することができる。つまり、電流の偏りが発生したとしても、並列接続されたパワーデバイス2のなかで最大となるドレイン電流IDの程度はより抑えることができる。従って、電流の偏りによるパワーデバイス2の寿命が短くなるのもより抑えることができる。
実施の形態5.
図13は、本発明の実施の形態5に係るゲート駆動回路の構成例を示す図である。図13では、図9と同様に、ゲート駆動回路1を搭載した駆動ユニット4は一つのみである。しかし、同じ相、同じアームのパワーデバイス2を駆動する他の駆動ユニット4が1つ以上、存在する。そのために、駆動ユニット4は、目標波形比較部16を備えている。
本実施の形態5では、駆動ユニット4の更新部15に、オン限界タイミング比較部147、オフ限界タイミング比較部148、デッドタイム限界チェック部150、及びオンオフ限界考慮演算部155が追加されている。他には、オン限界コンパレータ部123、及びオフ限界コンパレータ部124が追加されている。オン限界コンパレータ部123、及びオフ限界コンパレータ部124は、オン検出コンパレータ部121と基本的に同じ構成である。オン限界コンパレータ部123、及びオフ限界コンパレータ部124も状態検出部に相当する。
オン限界コンパレータ部123は、ゲート電圧Vgsを、オン側限界閾値電圧V_ONDET_2と比較し、その比較結果を出力する。出力信号の極性は、ゲート電圧Vgsがオン側限界閾値電圧V_ONDET_2より大きければ負であり、ゲート電圧Vgsがオン側限界閾値電圧V_ONDET_2より小さければ正である。本実施の形態5では、オン側限界閾値電圧V_ONDET_2を閾値電圧Vthとしている。
一方、オフ限界コンパレータ部124は、ゲート電圧Vgsを、オフ側限界閾値電圧V_OFFDET_2と比較し、その比較結果を出力する。出力信号の極性は、ゲート電圧Vgsがオフ側限界閾値電圧V_OFFDET_2より大きければ負であり、ゲート電圧Vgsがオフ側限界閾値電圧V_OFFDET_2より小さければ正である。本実施の形態5では、オフ側限界閾値電圧V_OFFDET_2も閾値電圧Vthとしている。
図14は、本発明の実施の形態5に係るゲート駆動回路を搭載した駆動ユニットの各部の動作例を示すタイミングチャートである。以降、図14を併せて参照しつつ、駆動ユニット4の動作について詳細に説明する。
上記のように、オン限界コンパレータ部123により、ゲート電圧Vgsが閾値電圧Vthを越えたタイミングが検出され、オフ限界コンパレータ部124により、ゲート電圧Vgsが閾値電圧Vthを下回ったタイミングが検出される。これらのタイミングの検出により、図14に示す出力波形520が特定される。
オン限界コンパレータ部123の出力信号は、オン限界タイミング比較部147に入力される。オン限界タイミング比較部147には、遅延時間加算部144から、期待値波形504の立ち上がり開始のタイミングを示すオンタイミング情報が入力される。それにより、オン限界タイミング比較部147は、立ち上がり開始タイミングと、ゲート電圧Vgsが閾値電圧Vthを上回ったタイミングとを比較して、それらの間の時間差である差分時間を特定し、特定した差分時間をデッドタイム限界チェック部150に通知する。図14において、この差分時間は、矩形521により表している。
オフ限界コンパレータ部124の出力信号は、オフ限界タイミング比較部148に入力される。オフ限界タイミング比較部148には、遅延時間加算部144から、期待値波形504の立ち上がりが完了するタイミングを示すオフタイミング情報が入力される。それにより、オフ限界タイミング比較部148は、立ち上がり完了タイミングと、ゲート電圧Vgsが閾値電圧Vthを下回ったタイミングとを比較して、それらの間の時間差である差分時間を特定し、特定した差分時間をデッドタイム限界チェック部150に通知する。図14において、この差分時間は、矩形522により表している。
本実施の形態5では、パワーデバイス2間の電流の偏りを抑制しつつ、デッドタイムの短縮を実現させるようにしている。デッドタイム限界チェック部150、オンオフ限界考慮演算部155は、デッドタイムの短縮を実現させるための構成要素である。ここで、デッドタイムの短縮方法について、具体的に説明する。ここでは、構成として、ハーフブリッジの上アーム、つまりH(High)側を構成するパワーデバイス2と、下アーム、つまりL(Low)側を構成するパワーデバイス2の2つを想定する。
実際のデッドタイムは、上記のように、オン設定情報141aとオフ設定情報141bとによって制御される。このデッドタイムは、第2の設定情報13aにより管理されるデッドタイムがベースとなる。本実施の形態5では、ベースとするデッドタイムを合わせて制御する。このデッドタイムの制御は、各駆動ユニット4で行う。それにより、駆動ユニット4間で生成される目標波形503のズレを抑制しつつ、ベースとするデッドタイムの最適化を可能にする。ここでは、混乱を避けるために、以降、第2の設定情報13aにより指定されたデッドタイムを「目標デッドタイム」と表記して区別する。この目標デッドタイムは、図14において、矩形506によって表される時間である。そのため、目標デッドタイムは、「時間506」とも表記する。
Vgs=Vthとなる時刻がドレイン電流Idsの流れ始め、或いは流れ終わりのタイミングである。このことから、ハーフブリッジにおいて、アーム短絡電流が流れないようにするためには、以下の関係が満たされる必要がある。
目標デッドタイム ≧ H側t6 +L側(t2+t3) (9)
目標デッドタイム ≧ L側t6 +H側(t2+t3) (10)
オン側閾値電圧V_ONDET、及びオフ側閾値電圧V_OFFDETを共にミラー区間電圧VGPと想定し、ゲート電圧Vgsがオン側閾値電圧V_ONDETを越えるタイミングをtim_VON1、ゲート電圧Vgsがオン側限界閾値電圧V_ONDET_2を越えるタイミングをtim_VON2と定義する。また、ゲート電圧Vgsがオフ側閾値電圧V_OFFDETを下回るタイミングをtim_VOFF1、ゲート電圧Vgsがオフ側限界閾値電圧V_OFFDET_2を下回るタイミングをtim_VOFF2と定義する。
上記のように定義した場合、
|tim_VON2−tim_VON1|=t2+t3 (11)
|tim_VOFF2−tim_VOFF1|=t6 (12)
となる。図14において、矩形521は、(11)式により算出される時間を表し、矩形522は、(12)式により算出される時間を表している。矩形523は、時間521と時間522との合計時間を表している。|tim_VON2−tim_VON1|及び|tim_VOFF2−tim_VOFF1|は、本実施の形態5における第1の時間、及び第2の時間にそれぞれ相当する。
(11)及び(12)式から、
t2+t3+t6=|tim_VON2−tim_VON1|+
|tim_VOFF2−tim_VOFF1| (13)
が得られる。ここで注意しなければならないのは、(13)式は同一の駆動ユニット4が駆動するパワーデバイス2、つまり一方のアームを構成するパワーデバイス2でのt2、t3、t6を対象にしていることである。本来は(9)式、(10)式のように、自相と相補相の遷移時間、つまりH側とL側の各パワーデバイス2での遷移時間を対象にしなければならない。しかし、各遷移時間は、(3)〜(8)式から計算可能である。そのため、本実施の形態5では、(H側t6+L側t2+t3)と(L側t6 +H側t2+t3)の間で大きいほうを選択し、選択したほうの時間より少し大きい時間を目標デッドタイムとして設定するようにしている。少し大きい時間とは、例えば予め更新用に設定した単位時間であっても良いが、選択したほうの時間の変化を反映した時間等であっても良い。
t2、t3、及びt6を計算するための(4)(5)及び(8)式において、ドレイン電流ID以外は固定値である。正常駆動時、最大ゲート電圧VGAが正常範囲にある場合は、ドレイン電流IDの値が大きくなるほど、遷移時間t2、t3、t6ともに長くなる方向に変化する。ここで、H側の遷移時間t2をt2_high、L側の遷移時間t2をt2_lowとすると、t2_high<t2_lowの関係を満たす場合、遷移時間t3、t6は共にL側のほうが長くなる。その関係が満たされない場合、遷移時間t2、t3、t6は共に、H側のほうが長くなる。
今、自相、及び相補相の遷移時間t2、t3及びt6をそれぞれ、t21、t31、t61、t22、t32、t62と表記する。自相と相補相との間の遷移時間に、t21<t22の関係が成立している場合
t21+t31+t61<t21+t31+t62<t22+t32+t62
かつ
t21+t31+t61<t22+t32+t61<t22+t32+t62
(14)
が成立する。t21>t22の関係が成立している場合、不等号の向きを逆にした(14)式の関係が成立する。
従って、自相、及び相補相の2つの相ともに、自相でのt2+t3+t6を目標デッドタイム以下に抑えることにより、アーム短絡を回避させることができる。言い換えれば、目標デッドタイムの下限は、t2+t3+t6により制約される。このことから、本実施の形態5では、オン設定情報141a、及びオフ設定情報141bのうちの少なくとも一方の更新は、以下の式が成立しないように行っている。なお、t21>t22の関係が成立している場合、t31>t32、及びt61>t62の関係も共に成立する。
|tim_VON2−tim_VON1|+|tim_VOFF2−
tim_VOFF1|=t2+t3+t6<目標デッドタイム (15)
(15)式の左辺は、第1の時間と第2の時間の合計時間である。
デッドタイム限界チェック部150は、(15)式が成立するか否かの判断を行う。その判断を行うために、デッドタイム限界チェック部150は、オンタイミング比較部145からtim_VON1を示す情報、オフタイミング比較部146からtim_VOFF1を示す情報をそれぞれ取得する。また、デッドタイム限界チェック部150は、tim_VON2、及びtim_VOFF2をそれぞれ示す各情報を、オン限界タイミング比較部147、及びオフ限界タイミング比較部148から取得する。
デッドタイム限界チェック部150は、t2+t3を表す時間521とt6を表す時間522との合計時間523を、第2の設定情報13aで設定されるデッドタイム506と比較する。デッドタイム限界チェック部150は、その比較結果に応じて、オンオフ限界考慮演算部155に下記のような処理を行わせる。
デッドタイム限界チェック部150は、比較により、時間506≧時間523、と判定した場合、オンオフ限界考慮演算部155には何も処理を行わせない。一方、比較により、時間506<時間523、と判定した場合、デッドタイム限界チェック部150は、時間523を表す情報をオンオフ限界考慮演算部155に出力し、オンオフ限界考慮演算部1551に、その情報を新たな第2の設定情報13aとして更新させる。それにより、時間523を新たなデッドタイム506とさせる。
または、デッドタイム限界チェック部150は、上記比較結果に応じて、オンオフ限界考慮演算部155に下記のような処理を行わせても良い。
デッドタイム限界チェック部150は、比較により、時間506<時間523、と判定した場合、オンオフ限界考慮演算部155に、時間523を示す情報を出力して、第2の設定情報13aをその情報に更新させる。比較により、時間506=時間523、と判定した場合、デッドタイム限界チェック部150は、オンオフ限界考慮演算部155には何も処理を行わせない。比較により、時間506>時間523、と判定した場合、デッドタイム限界チェック部150は、その大小関係の状態が継続している回数を計数する。それにより、デッドタイム限界チェック部150は、計数した回数が予め設定した値以上となることを条件に、時間506をより短くした時間を算出してオンオフ限界考慮演算部155に出力する。出力された時間は、オンオフ限界考慮演算部155により、新たな第2の設定情報13aとして保存させる。短くする時間は、例えば予め設定された単位時間であっても良く、時間506と時間523との間の差分を反映させた時間等であっても良い。
図14に示す矩形526は、デッドタイム506の代わりに新たに設定されるデッドタイムを表している。ここでは、デッドタイム506が短いと判定されたことにより、デッドタイム526はデッドタイム506より長い時間となっている。
本実施の形態5では、(15)式の目標デッドタイムを適切に設定することにより、最小のデッドタイムでのパワーデバイス2の駆動を実現できる。しかし、(15)式を用いた判断によるオンオフ限界考慮演算部155による時間506、つまりデッドタイムの更なる更新は、パワーデバイス2の駆動を安定的に行えるように、オンタイミングずれ演算部142、及びオフタイミングずれ演算部143によるマージン時間の更新より、緩やかに行うことが好ましい。
各マージン時間の更新、言い換えればオン設定情報141a、及びオフ設定情報141bの更新により、実際のデッドタイムが変化することから、第2の設定情報13aにより設定するデッドタイムは、比較的に長い時間としても良い。第2の設定情報13aにより設定するデッドタイムは、パワーデバイス2の駆動を繰り返した後のオン設定情報141a、及びオフ設定情報141bを参照して、変更するようにしても良い。
なお、各ゲート駆動回路1は、共通の目標波形に対する時間差をスイッチング毎に把握しており、例えば相補相間で、定期的に目標波形に対する時間差を比較するなどの方法により、アーム短絡を検出し、(15)式を用いた判断の代わりとして、或いは併用して、アーム短絡が検出されたか否かにより、デッドタイム設定を長くするか、短くするかを決めてもよい。そのようにした場合、例え初期設定の目標デッドタイムが不適切であったとしても、現在の使用環境下における最小のデッドタイムでのパワーデバイス2の駆動を実現させることができる。
特許文献1記載の従来技術では、本来はドレイン電流センスのために設けられたセンスMOSFETのソースつなぎ変えによるボディ・ダイオードの通電の有無により、ドレイン電圧Vdsの電圧の変化を検知している。この従来技術では、センスMOSFETのドレイン側、ソース側へトランジスタでスイッチするつなぎ変え切替回路と、通電時の電圧発生のための抵抗素子と、を追加する必要がある。
また、従来技術は、メインMOSFET全体のドレイン電流Vdsの電圧変化を検知してターンオン及びターンオフの判定を行う仕組みである。そのために、ドライバとメインMOSFETの組単位でそれらを並列に接続したとしても、並列接続したメインMOSFETのうちで、ターンオンの最も早いメインMOSFET、及びターンオフの最も遅いメインMOSFETを対象にしたデッドタイム制御となる。並列接続全体でのドレイン電圧Vdsが低下してからターンオンさせる必要上、ターンオン時のタイミングのずれ、及びターンオフ時のタイミングのずれは、デッドタイムの時間をより長くする方向に作用する。このことは、並列接続動作時には、並列接続させたメインMOSFETの特性ばらつきに依存して、デッドタイムをより長くさせなければならないことを意味する。
1 ゲート駆動回路、2 パワーデバイス、3 PWM波形生成部、3a 第1の設定情報、4 駆動ユニット、6 基準目標波形部、11 駆動制御部、13 目標波形生成部、13a 第2の設定情報(デッドタイム情報)、14 タイミング制御部、15 更新部、16 目標波形比較部、51 オン側ゲート抵抗、52 オフ側ゲート抵抗、61 クロック出力部、121 オン検出コンパレータ部、122 オフ検出コンパレータ部、123 オン限界コンパレータ部、124 オフ限界コンパレータ部、141 駆動波形生成部、141a オン設定情報(オンタイミング設定情報)、141b オフ設定情報(オフタイミング設定情報)、142 オンタイミングずれ演算部、143 オフタイミングずれ演算部、144 遅延時間加算部(予測波形生成部)、145 オンタイミング比較部、146 オフタイミング比較部、147 オン限界タイミング比較部、148 オフ限界タイミング比較部、150 デッドタイム限界チェック部、155 オンオフ限界考慮演算部、613 目標波形成形部。
タイミング制御部14の構成要素のなかで、オンタイミングずれ演算部142、オフタイミングずれ演算部143、遅延時間加算部144、オンタイミング比較部145、及びオフタイミング比較部146は、パワーデバイス2の駆動タイミングを変更するための情報の更新を行う更新部15を構成する。
目標波形成形部613は、PWM波形生成部3が出力する駆動PWM波形信号を入力する。目標波形成形部613は、駆動PWM波形信号が示すPWM波形を、設定されたデッドタイムを示す第3の設定情報613aに従って遅らせて、別のPWM波形信号に成形する。成形によって生成されたPWM波形信号は、基準とすべき基準目標波形を示す信号として、各駆動ユニット4の目標波形比較部16に入力される。目標波形比較部16は、上記実施の形態1と同様に、共通したオン期間を抽出して、抽出した期間のみをオンとするPWM波形を生成しても良い。

Claims (11)

  1. 1つ以上のパワーデバイスをオンオフ駆動するために、あらかじめ設定されたデッドタイム情報が示すデッドタイムが加えられた目標波形を生成する目標波形生成部と、
    前記目標波形を基準として、前記パワーデバイスをオンするタイミングの第1の変更量を示すオンタイミング設定情報、及び前記パワーデバイスをオフするタイミングの第2の変更量を示すオフタイミング設定情報を参照し、前記目標波形を基に、前記パワーデバイスを駆動するための駆動波形を生成する駆動波形生成部と、
    前記駆動波形を基に、前記パワーデバイスのゲートに印加する電圧を変化させ、前記パワーデバイスをオンオフ駆動する駆動制御部と、
    前記パワーデバイスのゲート電圧を基に、前記パワーデバイスの状態を検出する状態検出部と、
    前記駆動波形を基に、前記駆動制御部が前記パワーデバイスに印加される電圧の予測波形を生成する予測波形生成部と、
    前記状態検出部による前記状態の検出結果と前記予測波形との比較結果を基に、前記オンタイミング設定情報、及び前記オフタイミング設定情報を更新する更新部と、
    を有するゲート駆動回路。
  2. 前記パワーデバイスと並列接続された1つ以上の他のパワーデバイスをオンオフ駆動する他のゲート駆動回路が生成した前記目標波形を、前記目標波形生成部が生成した前記目標波形と比較し、前記目標波形生成部が生成する前記目標波形を変更させる目標波形比較部、
    を更に有する請求項1に記載のゲート駆動回路。
  3. 前記状態検出部は、前記ゲート電圧を前記パワーデバイスの閾値電圧、及びミラー区間電圧のうちの少なくとも一方と比較することにより、前記パワーデバイスの前記状態を検出する、
    請求項1または2に記載のゲート駆動回路。
  4. 前記状態検出部は、前記ゲート電圧を前記パワーデバイスのミラー区間電圧より大きい電圧と比較することにより、前記パワーデバイスの前記状態として、ミラー区間の終了を検出する、
    請求項1または2に記載のゲート駆動回路。
  5. 前記更新部は、前記目標波形のパルス幅に前記駆動波形のパルス幅が等しくなるように、前記オンタイミング設定情報、及び前記オフタイミング設定情報を更新する、
    請求項1〜4の何れか1項に記載のゲート駆動回路。
  6. 前記予測波形生成部は、前記駆動波形におけるオンのタイミング、及びオフのタイミングに対して同じ遅延分を加えて、前記予測波形を生成する、
    請求項1〜5の何れか1項に記載のゲート駆動回路。
  7. 前記状態検出部は、前記ゲート電圧を前記パワーデバイスの閾値電圧、及びミラー区間電圧とそれぞれ比較し、
    前記更新部は、前記状態検出部による検出結果を用いて、前記パワーデバイスのターンオン時に前記ゲート電圧が前記閾値電圧を越えてから前記ミラー区間電圧を越えるまでの第1の時間、及び前記パワーデバイスのターンオフ時に前記ゲート電圧が前記ミラー区間電圧より低下してから前記閾値電圧より低下するまでの第2の時間を算出し、前記第1の時間、及び前記第2の時間を基に、前記デッドタイム情報を更新する、
    請求項1〜6の何れか1項に記載のゲート駆動回路。
  8. 前記更新部は、前記第1の時間に前記第2の時間を加えた合計時間が下限とするデッドタイムより短くならないように、前記デッドタイム情報を更新する、
    請求項7に記載のゲート駆動回路。
  9. 請求項1から8の何れか1項に記載のゲート駆動回路を複数、有し、
    並列に接続された複数のパワーデバイスのうちの1つ以上を複数の前記ゲート駆動回路がそれぞれオンオフ駆動する、
    ゲート駆動システム。
  10. 前記複数の前記ゲート駆動回路がそれぞれ有する目標波形生成部が生成した目標波形を比較し、前記複数の前記ゲート駆動回路で基準とすべき基準目標波形を生成する目標波形成形部、
    を更に有する請求項9記載のゲート駆動システム。
  11. 前記複数の前記ゲート駆動回路に対し等長配線で第1のクロックを供給するクロック出力部、を更に有し、
    前記複数の前記ゲート駆動回路側には、供給された前記第1のクロックを同期・逓倍して生成した第2のクロックを前記ゲート駆動回路に供給するクロック同期逓倍部が配置され、
    前記複数の前記ゲート駆動回路は、前記クロック同期逓倍部から等長配線により前記第2のクロックが供給される、
    請求項9または10記載のゲート駆動システム。
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