以下、図面等を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態による燃料電池システム100の筐体内部を示す図であり、筐体1の底面方向から見た図である。
燃料電池システム100は、燃料電池スタック2に対して発電に必要となる燃料ガス(アノードガス)及び酸化剤ガス(カソードガス)を供給し、燃料電池スタック2を車両走行用の電動モータ等の電気負荷に応じて発電させるシステムである。
燃料電池システム100の筐体1内には、燃料電池スタック2と、燃料を改質して燃料電池スタック2にアノードガスを供給する改質器3とが配置されている。燃料電池スタック2と改質器3とは、改質された燃料ガスを改質器3から燃料電池スタック2に供給するアノードガス供給管4(配管)と、燃料電池スタック2から排出される排出ガスが流れる第1排気管5とにより連結されている。また、改質器3は、それぞれ改質器3に燃料を供給する燃料供給管6、空気を供給する吸気管7、及び改質器3から排出ガスを排出する第2排気管8を介して外部の補機類と連結されている。なお、この他に燃料電池システム100には、カソードガス供給管が配設されるが、本発明の効果の説明においては、アノードガス供給管と同様なので省略する。
筐体1は金属等からなり、燃料電池スタック2及び改質器3を収納する。筐体1の内側には、反応温度の高い燃料電池スタック2や改質器3の熱が放熱されることによる熱損失を抑制するために断熱材11が設けられている。断熱材11は、燃料電池スタック2及び改質器3を収容可能な状態で筐体1内に設けられている。
燃料電池スタック2は高温で稼働する高温部品であり、アノードガスとカソードガスの供給を受けて発電する。燃料電池スタック2は複数の燃料電池又は燃料電池単位セルを積層して構成され、発電源である個々の燃料電池は例えば固体酸化物型燃料電池(SOFC)である。
改質器3は高温で稼働する高温部品であり、改質前燃料を燃料電池スタック2に供給するために適切な状態とすべく改質する。例えば、改質器3は、燃料供給管6から供給される燃料を触媒反応により水素を包含する燃料ガス(アノードガス)に改質する。
また、改質器3には図示しない排気燃焼器が備えられている。排気燃焼器は、燃料電池スタック2から排出された排出ガスを触媒燃焼させて燃焼ガスを生成する。排気燃焼器で生成された燃焼ガスは、熱交換により改質器3を加熱する。
アノードガス供給管4は、改質器3で改質されたアノードガスを燃料電池スタック2に供給する配管であり、改質器3と燃料電池スタック2とを連結する。アノードガス供給管4は、一端が改質器3に、他端が燃料電池スタック2に、溶接等によって接合されている。また、アノードガス供給管4は、配管の一部または全部に柔軟性を有するフレキシブル部41を備えるフレキシブル配管である。
第1排気管5は、燃料電池スタック2から排出される排出ガスを改質器3内の排気燃焼器へ送る配管であり、燃料電池スタック2と改質器3とを連結する。第1排気管5は、一端が改質器3に、他端が燃料電池スタック2に、溶接等によって接合されている。また、第1排気管5は、配管の一部または全部に柔軟性を有するフレキシブル部51を備えるフレキシブル配管である。
燃料供給管6は改質器3と筐体1外部の補機とを連結する連結部材であり、改質器3に改質前燃料を供給する配管である。燃料供給管6は溶接等によって一端が改質器3に接合され、他端は例えばバルブ等の補機に連接している。
吸気管7は改質器3と筐体1外部の補機とを連結する連結部材であり、例えばシステム起動時に改質器3を暖機する際、燃料を燃焼させるための空気を供給するなど、必要に応じて改質器3に空気を供給する配管である。吸気管7は溶接等によって一端が改質器3に接合され、他端は例えばバルブ等の補機に連接している。
第2排気管8は改質器3と筐体1外部の補機とを連結する連結部材であり、排気燃焼器により生成された燃焼ガスを筐体1外部に排出する配管である。第2排気管8は溶接等によって一端が改質器3に接合され、他端は例えばバルブ等の補機に連接している。
このように構成された燃料電池システム100では、燃料供給管6から供給される燃料が改質器3によりアノードガスに改質され、改質されたアノードガスがアノードガス供給管4から燃料電池スタック2に供給される。なお、燃料電池スタック2には、図示しないカソードガス供給管を介して、筐体1外部からカソードガスが供給される。
一方、燃料電池スタック2から排出された排出ガスは第1排気管5を介して改質器3内の排気燃焼器に送られ、排気燃焼器は排出ガスを触媒燃焼させて燃焼ガスを生成する。排気燃焼器で生成された燃焼ガスは、熱交換により改質器3を加熱した後、第2排気管8を介して筐体1外部に排出される。
なお、改質器3とともに、液体燃料を加熱して改質前燃料ガスを生成する蒸発器や、排気燃焼器で生成された燃焼ガスと改質前燃料ガスを熱交換させて改質前燃料ガスを過熱する過熱器などを筐体1内に配置する構成にしてもよい。
また、燃費の観点から、燃料電池スタック2と改質器3とを排気管で連結してオフガスを利用することが好ましいが、必ずしもこれに限られず、燃料電池スタック2と改質器3とを連結する排気管を設けない構成にしてもよい。
次に、燃料電池スタック2及び改質器3の支持構造について説明する。
図1に示すように、燃料電池スタック2及び改質器3は、それぞれ複数の一軸性マウント9を介して筐体1に固定されている。
一軸性マウント9は、一方向(マウント軸線方向)のみに変位可能に構成されている。一軸性マウント9は、筐体1と燃料電池スタック2及び改質器3とが一軸性マウント9の変位方向に相対移動可能なように、下面が筐体1に固定され、上面が燃料電池スタック2及び改質器3に固定されている。このようにして、複数の一軸性マウント9は燃料電池スタック2及び改質器3を筐体1に固定している。なお、一軸性マウント9の構造の詳細は後述する。
燃料電池スタック2を筐体1に固定する複数の一軸性マウント9は、各一軸性マウント9の変位可能な方向に伸ばしたマウント軸線どうしが一点で交わるように、即ち、各マウント軸線が少なくとも異なる2種類以上の方向になるように配置されている。例えば、図1に示すように、燃料電池スタック2を筐体1に固定する複数の一軸性マウント9は、マウント軸線どうしが一点Xで交わるように放射状に6個配置される。
同様に、改質器3を筐体1に固定する複数の一軸性マウント9は、各一軸性マウント9の変位可能な方向に伸ばしたマウント軸線どうしが一点で交わるように、即ち、各マウント軸線が少なくとも異なる2種類以上の方向になるように配置されている。例えば、図1に示すように、改質器3を筐体1に固定する複数の一軸性マウント9は、マウント軸線どうしが一点Yで交わるように放射状に4個配置される。
複数の一軸性マウント9の軸線が交わる点は、筐体内部の高温部品が熱膨張した場合にも筐体1に対して相対変位しない点、即ち膨張中心を形成する。
このように各マウント軸線が一点(膨張中心)で交わるように複数の一軸性マウント9を配置すると、高温部品は熱膨張する際、膨張中心から放射状に膨張変位する。従って、膨張変位の方向と一軸性マウント9の変位可能な方向(マウント軸線方向)とが一致し、筐体1内部の高温部品の熱膨張を許容することができる。
また、筐体1内部の高温部品を筐体1に固定する複数の一軸性マウント9は、各マウント軸線が少なくとも異なる2種類以上の方向になるように配置されるため、筐体1内部の高温部品が水平方向に移動することが規制される。従って、筐体1に収納される高温部品が筐体1に対して水平方向に揺動することが抑制される。
次に、図2及び図3を用いて、一軸性マウント9の構造を説明する。
図2a及び図2bは一軸性マウント9の模式図であり、図2aは一軸性マウント9を正面から見た模式図、図2bは一軸性マウント9を側面から見た模式図である。
図2a及び図2bに示すように、一軸性マウント9は、荷重受部材としてのシャフト91、支持部としての軸受(可動軸受)92、部品固定部材93、筐体固定部材94から構成される。
シャフト91は耐熱性の金属材料から成り、円柱状に構成される。シャフト91は、筐体1に収納される高温部品の底面に平行な方向に延びる平行部911と、平行部911の両端から平行部911に対して垂直な方向に屈曲して延びる垂直部912を有する。平行部911は軸受92により支持され、シャフト91の両端(垂直部912の端部)は、溶接等により高温部品を支持する部品固定部材93に接合される。なお、垂直部912の端部をフランジ状にして、ボルト等の締結部材により部品固定部材93に締結してもよい。
軸受92は耐熱性の金属材料から成り、底面においてボルト等の締結部材により筐体固定部材94に固定される。軸受92は、シャフト91の平行部911において、筐体1に収納される高温部品の底面に平行な方向に変位可能な状態でシャフト91を支持する。このように軸受92は、高温部品の底面に平行な方向に変位可能な状態でシャフト91を支持するとともに、一軸性マウント9を介して筐体1に固定される高温部品が筐体1に対して底面に平行な方向以外の方向に相対変位することを規制する。
部品固定部材93は、例えばステンレス系の耐熱性材料等から成る板状の部材で、シャフト91の両端(垂直部912の端部)においてシャフト91に接合される。部品固定部材93はシャフト91の平行部911に平行な載置面931を有し、載置面931上には筐体1に収納される高温部品が載置され、高温部品はボルト等の締結部材により載置面931に固定される。
筐体固定部材94は、例えばステンレス系の耐熱性材料等から成る板状の部材で、上面においてボルト等の締結部材により軸受92が締結される。なお、後述するとおり、筐体固定部材94の底面はボルト等の締結部材により筐体1に締結される。
このように、一軸性マウント9は、部品固定部材93を介して筐体1内の高温部品に固定されるシャフト91と、シャフト91を一方向に変位可能な状態で支持する軸受92と、から構成される。また、軸受92は、筐体固定部材94を介して筐体1に固定される。これにより、一軸性マウント9は一方向にのみ変位可能な状態で筐体1内の高温部品を筐体1に固定する。
なお、一方向にのみ変位可能な状態で筐体1内の高温部品を固定できれば一軸性マウント9は上記の構成に限らない。例えば図3(a)に示すように、シャフト91の平行部911は一端のみに垂直部912を有する構成としてもよい。この場合、シャフト91が軸受92から脱落しないように、平行部911の長さを高温部品の膨張による変位の最大量よりも長めにとればよい。また、平行部911の他端に例えばフランジ状のストッパを設けてもよい。このような構成にすることで、図3(b)に示すように、シャフト91及び部品固定部材93と、軸受92及び筐体固定部材94とをそれぞれ分離して製造して組み立てることが可能となり、一軸性マウント9をより容易に構成できる。
また、例えば図4(a)のように、一軸性マウント9をシャフト91の平行部911に対して垂直な方向に延びる第2部品固定部材93bと、シャフト91の平行部911に対し平行な載置面931を有する第1部品固定部材93aとを備える構造にしてもよい。この場合、まず、第2部品固定部材93bの上端において第2部品固定部材93bと第1部品固定部材93aとをボルト等の締結部材により締結する。次に、第2部品固定部材93bに貫通孔を設けて貫通孔にシャフト91を貫通させてからシャフト91と第2部品固定部材93bを接合する。このような構成にすることで、図4(b)に示すように、シャフト91と、部品固定部材93と、軸受92及び筐体固定部材94とをそれぞれ分離して製造して組み立てることが可能となり、一軸性マウント9をより容易に構成できる。
図5は一軸性マウント9を設置した際の筐体内部を示す図であり、筐体1の側面方向から見た図である。
図5に示すように、一軸性マウント9は、断熱材11を介して筐体固定部材94が筐体1にボルト等により締結されることで筐体1に固定される。なお、断熱材11に貫通孔を設け、一軸性マウント9を、貫通孔を通して直接筐体1に固定してもよい。部品固定部材93には、載置面931においてボルト等により筐体1内の高温部品(燃料電池スタック2及び改質器3)が固定される。
このような構成により、一軸性マウント9は、高温部品の底面と平行な方向に変位可能に高温部品を筐体1に固定する。また、軸受92によって、シャフト91に固定される高温部品が軸受92の可動方向以外の方向に変位することが規制される。これにより、例えば高温部品の底面に対し垂直な方向等、軸受92の可動方向以外の方向に筐体1が加振された場合に、筐体1に収納される高温部品が揺動することを抑制できる。
上記した第1実施形態の燃料電池システム100によれば、以下の効果を得ることができる。
燃料電池システム100においては、高温部品(燃料電池スタック2及び改質器3の少なくとも一方)を収納する筐体1に一方向のみに変位可能な複数の一軸性マウント9が固定され、筐体1に収納される高温部品は、複数の一軸性マウント9を介して筐体1に固定される。そして複数の一軸性マウント9は、各一軸性マウント9の変位可能な方向に伸ばしたマウント軸線どうしが一点(膨張中心)で交わるように配置される。高温部品は膨張中心から放射状に熱膨張するため、膨張変位の方向と一軸性マウント9の変位可能な方向(マウント軸線方向)とが一致し、筐体1内部の高温部品の熱膨張を許容することができる。このように、一軸性マウント9の配置によって高温部品の熱膨張による変位方向を制御できるため、予期しない部位に膨張応力がかかることを防止できる。その結果、システム構成部品の劣化を抑制し、部品の変形や破損を回避することができる。
また、一軸性マウント9の配置のみによって筐体1内部の高温部品の熱膨張を許容することができるため、特許文献1のようにゴム材等の弾性マウントを用いる必要が無い。ゴム材等の容易に入手可能な材料からなる弾性マウントでは、マウントの耐熱性を確保できないため、システムに熱交換器等を設けて、ゴム材等の弾性マウントを冷却する必要がある。このように熱交換器を追加すると、システム構成が大型化してしまうという問題がある。しかし燃料電池システム100においては、一軸性マウント9を冷却する必要が無いため、熱交換器を用いる必要が無く、システムの小型化、低コスト化を実現できる。
また、筐体1に収納される高温部品の熱膨張を許容することができるため、筐体1に断熱材11等を設けることにより筐体1と高温部品との間に温度差が生じ、高温部品との間の熱膨張に膨張差が生じても、筐体1及び高温部品に熱応力が発生しない。これにより、筐体1や高温部品の変形、筐体1と高温部品の締結部の緩みを抑制することができる。
また、筐体1に収納される高温部品は、複数の一軸性マウント9を介して筐体1に固定され、各一軸性マウント9は、各マウント軸線が少なくとも異なる2種類以上の方向になるように配置される。これにより、筐体1内部の高温部品が水平方向に移動することが規制されるため、高温部品が筐体1に対して水平方向に揺動することを抑制できる。
燃料電池システム100においては、筐体1に収容される高温部品としての燃料電池スタック2と改質器3とが、改質器3から燃料電池スタック2へ燃料を供給するためのアノードガス供給管4(配管)により連結される。そして、それぞれ各マウント軸線が少なくとも異なる2種類以上の方向になるように配置された複数の一軸性マウント9を介して筐体1に固定される。従って、燃料電池スタック2及び改質器3のそれぞれが、水平方向に移動することが規制されるため、燃料電池スタック2及び改質器3が筐体1に対して水平方向に揺動することを抑制できる。
燃料電池システム100においては、燃料電池スタック2を筐体1に固定する複数の一軸性マウント9の軸線どうしと、改質器3を筐体1に固定する複数の一軸性マウント9の軸線どうしとが、異なる一点で交わる。従って、燃料電池スタック2と改質器3とは、それぞれ膨張中心を形成する。これにより、燃料電池スタック2と改質器3とは、個々に熱膨張が許容され、筐体1と燃料電池スタック2及び改質器3との間の熱膨張に膨張差が生じても熱応力が発生しない。これにより、筐体1や燃料電池スタック2及び改質器3の変形、筐体1と燃料電池スタック2及び改質器3の締結部の緩みを抑制することができる。
燃料電池システム100においては、筐体1に収納される燃料電池スタック2と改質器3とを連結する改質器3から燃料電池スタック2へ燃料を供給するためのアノードガス供給管4(配管)が、柔軟性を有するフレキシブル部41を備えるフレキシブル配管により構成される。これにより、配管にかかる燃料電池スタック2及び改質器3の熱膨張による膨張応力を緩和することができ、配管の変形や破損、もしくは亀裂発生による気密性の劣化等を防止できる。
燃料電池システム100においては、一軸性マウント9は、筐体1に収納される燃料電池スタック2及び改質器3に固定されるシャフト91と、シャフト91を一方向に変位可能な状態で支持する軸受92とから構成され、軸受92は筐体1に固定される。このように、軸受92はシャフト91を一方向に変位可能な状態で支持するため、シャフト91に固定される燃料電池スタック2及び改質器3が筐体1に対し軸受92の可動方向以外に相対変位することを規制できる。また、筐体1に収納される燃料電池スタック2及び改質器3は、各マウント軸線が少なくとも異なる2種類以上の方向になるように配置された複数の一軸性マウント9を介して筐体1に固定されるため、燃料電池スタック2及び改質器3が水平方向に移動することも規制される。このため、水平方向や垂直方向を含むすべての方向への燃料電池スタック2及び改質器3の揺動を防止できる。従って、燃料電池スタック2及び改質器3の周囲に、揺動を許容するための空隙を設ける必要がなく、システムを小型化することができる。
なお、本実施形態では、燃料電池スタック2を筐体1に固定する一軸性マウント9を6個、改質器3を筐体1に固定する一軸性マウント9を4個配置する構成としたがこれに限らない。筐体1に対する高温部品の揺動をより確実に防止する観点から、一軸性マウント9は放射状に4個以上設けることが好ましいが、軸線方向の異なる一軸性マウント9が少なくとも2個以上あれば膨張中心が形成され、筐体1内部の高温部品の熱膨張を許容することができる。
(一軸性マウント9の配置の第1変形例)
図6を参照して、一軸性マウント9の配置の変形例について説明する。なお、先に述べた実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6は、一軸性マウント9の配置の第1変形例による燃料電池システム100の筐体内部を示す図であり、筐体1の底面方向から見た図である。本変形例においては、燃料電池スタック2と改質器3とを連結する配管の構成及び複数の一軸性マウント9の軸線により形成される膨張中心の位置が先に述べた実施形態と異なる。
図6に示すように、燃料電池スタック2と改質器3とは、改質器3から燃料電池スタック2にアノードガスを供給するアノードガス供給管4’及び燃料電池スタック2から排出される排出ガスを改質器3内の排気燃焼器へ送る第1排気管5’により連結される。
アノードガス供給管4’及び第1排気管5’は、第1実施形態と異なり、フレキシブル部を備えていない金属製の配管であり、例えば一端が燃料電池スタック2に溶接され、他端が改質器3に溶接されることで燃料電池スタック2と改質器3とを連結している。
図6に示すように、燃料電池スタック2を筐体1に固定する複数の一軸性マウント9は、マウント軸線どうしがアノードガス供給管4’及び第1排気管5’と燃料電池スタック2との接合部分近傍の一点X’で交わるように配置される。即ち、燃料電池スタック2の膨張中心が、燃料電池スタック2と改質器3とを連結する配管近傍に形成されるように一軸性マウント9が配置される。
同様に、改質器3を筐体1に固定する複数の一軸性マウント9は、マウント軸線どうしがアノードガス供給管4’及び第1排気管5’と改質器3との接合部分近傍の一点Y’で交わるように配置される。即ち、改質器3の膨張中心が、燃料電池スタック2と改質器3とを連結する配管近傍に形成されるように一軸性マウント9が配置される。
このように、燃料電池スタック2の膨張中心と改質器3の膨張中心とが、いずれも燃料電池スタック2と改質器3とを連結する配管の近傍に形成されるように一軸性マウント9が配置される。これにより、燃料電池スタック2と改質器3との連結部位における膨張変位が抑制され、配管に高温部品の膨張応力がかかることが抑制される。このため、高温部品を連結する配管にフレキシブル部を設ける必要がない。
上記した一軸性マウント9の配置の第1変形例による燃料電池システム100によれば、以下の効果を得ることができる。
燃料電池システム100においては、燃料電池スタック2の膨張中心と改質器3の膨張中心とが、いずれも燃料電池スタック2と改質器3とを連結する配管の近傍に形成されるように一軸性マウント9が配置される。従って、燃料電池スタック2と改質器3との連結部位における膨張変位が抑制され、配管に高温部品の膨張応力がかかることが抑制される。このため、高温部品を連結する配管にフレキシブル部を設ける必要がなく、連結配管を短くすることができ、燃料電池システム100をより小型化、低コスト化できる。
なお、本実施形態では、燃料電池スタック2の膨張中心と改質器3の膨張中心とが、燃料電池スタック2と改質器3とを連結する配管の近傍に形成されるように一軸性マウント9を配置しているが、各膨張中心が配管上に形成されるように一軸性マウント9を配置してもよい。
(一軸性マウント9の配置の第2変形例)
図7を参照して、一軸性マウント9の配置の第2変形例による燃料電池システム100を説明する。なお、先に述べた実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図7は、一軸性マウント9の配置の第2変形例による燃料電池システム100の筐体内部を示す図であり、筐体1の底面方向から見た図である。変形例においては、複数の一軸性マウント9の軸線により形成される膨張中心の数及び位置が先に述べた実施形態と異なる。
図7に示すように、複数の一軸性マウント9は、燃料電池スタック2を筐体1に固定する複数の一軸性マウント9のマウント軸線どうしと、改質器3を筐体1に固定する複数の一軸性マウント9のマウント軸線どうしとが、同一の一点X’’で交わるように配置される。即ち、燃料電池スタック2の膨張中心と改質器3の膨張中心とが一致するように一軸性マウント9が配置される。
また、複数の一軸性マウント9は、マウント軸線どうしが交わる点X’’が燃料供給管6、吸気管7及び第2排気管8と改質器3との接合部近傍に位置するように配置される。
このように、燃料電池スタック2の膨張中心と改質器3の膨張中心とが、改質器3と筐体1外部の補機類とを連結する連結部材近傍における同一の一点X’’に形成されるように、一軸性マウント9が配置される。
筐体1内部の高温部品と筐体1外部の補機類とを連結する連結部材に膨張応力がかかる場合、例えば連結部材にホース類を介在させるなどして応力を吸収する必要がある。しかし、本実施形態においては、筐体1内部の高温部品と外部の補機類とを連結する連結部材近傍に膨張中心が形成されるため、高温部品の熱膨張による連結部材の変位が抑制される。従って、連結部材に吸収機構を設けることを省略できる。
なお、本変形例のように燃料電池スタック2と改質器3とを連結し、燃料電池スタック2の膨張中心と改質器3の膨張中心とが同一の一点X’’に形成されるように一軸性マウント9を配置することで、燃料電池スタック2、改質器3及び燃料電池スタック2と改質器3とを連結する配管を一つの剛体と見なすことができる。従って、燃料電池スタック2と改質器3とを連結する配管にかかる膨張応力が抑制されるため、アノードガス供給管4’及び第1排気管5’にフレキシブル部を設ける必要が無い。従って、図87に示すように、燃料電池スタック2と改質器3とを連結するアノードガス供給管4’及び第1排気管5’は、第1実施形態の変形例と同様に、フレキシブル部を備えていない。
上記した第2変形例による燃料電池システム100によれば、以下の効果を得ることができる。
燃料電池システム100においては、燃料電池スタック2の膨張中心と改質器3の膨張中心とが、筐体1内部の高温部品と外部の補機類とを連結する連結部材近傍における同一の一点X’’に形成されるように一軸性マウント9が配置される。このように膨張中心が筐体1内部の改質器3と筐体1外部の補機類とを連結する連結部材近傍に形成されるため、高温部品の熱膨張による連結部材の変位が抑制される。従って、補機類に連結される連結部材に吸収機構を設けることが不要になり、システムの小型化、低コスト化が可能となる。
また、燃料電池スタック2と改質器3とが連結され、燃料電池スタック2の膨張中心と改質器3の膨張中心とが同一の一点X’’に形成されるため、燃料電池スタック2及び改質器3を一つの剛体と見なすことができる。従って、燃料電池スタック2と改質器3とを連結する配管にかかる膨張応力が抑制される。これにより、燃料電池スタック2と改質器3とを連結する配管にフレキシブル部を設ける必要がなく、連結配管を短くすることができるため、燃料電池システム100をより小型化、低コスト化できる。
なお、本変形例では、燃料電池スタック2及び改質器3の膨張中心が、筐体1内部の改質器3と筐体1外部の補機類とを連結する連結部材近傍の一点X’’に形成されるように一軸性マウント9を配置しているが、膨張中心が連結部材上の一点に形成されるように一軸性マウント9を配置してもよい。
(一軸性マウント9の配置の第3変形例)
図8を参照して、一軸性マウント9の配置の第3変形例による燃料電池システム100を説明する。なお、先に述べた実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8は、一軸性マウント9の配置の第3変形例による燃料電池システム100の筐体内部を示す図であり、筐体1の底面方向から見た図である。本変形例においては、連結部材の配置が第2実施形態と異なる。
図8に示すように、燃料供給管6、吸気管7及び第2排気管8は一箇所に集中的に配置され、複数の一軸性マウント9は、これらの連結部材が集中的に配置される箇所の近傍に膨張中心X’’が形成されるように配置される。
上記した第3変形例による燃料電池システム100によれば、以下の効果を得ることができる。
燃料電池システム100においては、筐体1内部の高温部品と外部の補機類とを連結する複数の連結部材が一箇所に集中的に配置され、複数の一軸性マウント9は、連結部材が集中的に配置される箇所の近傍に膨張中心が形成されるように配置される。これにより、各連結部材と膨張中心との距離が近くなり、連結部材にかかる筐体1内部の高温部品の熱膨張による応力がより抑制される。
また、複数の連結部材が一箇所に集中的に配置されるため、連結部材が貫通する断熱材11の貫通孔を一箇所のみに設ければよく、断熱材11の加工が容易になる。
また、一箇所に集中的に配置される連結部材の管径が小さい場合、各連結部材と膨張中心との距離がより近くなり、連結部材にかかる筐体1内部の高温部品の熱膨張による応力がさらに抑制される。
ところで、図2〜図4に示した一軸性マウント9は、シャフト91の実際の変位方向と、設計上で軸受92が許容する変位方向とにずれが生じたり、シャフト91が熱膨張したりすると、いわゆる噛み込みが生じて、シャフト91が軸受92に対して動かなくなるおそれがある。
一方、噛み込みを防止するためにシャフト91と軸受92とのクリアランスを大きくすると、車両走行中に発生する振動や、当該振動により発生するシャフト91と軸受92との打音を抑制できなくなるおそれがある。
そこで本実施形態では、軸受92が弾性機構12を介してシャフト91を支持する構成とする。
図9、図10を参照して、弾性機構12について説明する。図9は、一軸性マウント9の軸受92とシャフト91とを図2bと同様に側面から見た図である。図10は、図9のX−Xに沿った断面を図9の矢印方向から見た図である。なお、図10のシャフト91は、組み立て工程において軸受92に組み付けた状態を示しており、図中の破線は、燃料電池システム稼働中に熱膨張したシャフト91を示している。
弾性機構12は、荷重分担を担う複数の第1バネ97と、一軸性マウント9の変位可能な方向に対するシャフト91の傾き(以下、「シャフト91の傾き」ともいう)を規制する複数の第2バネ98と、で構成される。本実施形態では、1つの一軸性マウント9に設ける弾性機構12は、4個の第1バネ97と8個の第2バネ98で構成される。
図9に示す通り、第1バネ97及び第2バネ98は、軸受92に設けた貫通孔の壁面に、周方向に等間隔で配置される。図10に示す通り、第1バネ97は軸受92に設けた貫通孔の軸方向中央に配置され、第2バネ98は第1バネ97を軸方向両側から挟むように配置される。ここでいう軸方向とは、シャフト91の軸方向である。
なお、第1バネ97と第2バネ98は、貫通孔の壁面に溶接またはロウ付けにより固定してもよいし、貫通孔の壁面に溝を設け、当該溝に嵌め込むことにより固定してもよい。
第1バネ97と第2バネ98は、いずれもシャフト91と接触する部分が滑らかな凸曲面形状となっている板バネである。板バネの材質は、耐熱性を有する金属材料、例えば炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金等である。なお、金属材料に代えてセラミック材料を用いてもよい。
図10に示す通り、組み立て工程において軸受92にシャフト91を組み付けた状態で、第1バネ97はシャフト91と接触するが、第2バネ98はシャフト91と接触しない。そして、燃料電池システム稼働中にシャフト91が熱膨張すると、第2バネ98はシャフト91と接触する。
上記のような構成の弾性機構12は、第1バネ97がシャフト91との接触を確保し、かつシャフト91の振動を抑制する機能を果たし、第2バネ98がシャフト91の傾きを規制する機能を果たす。なお、シャフト91が傾いたり、熱膨張したりして第2バネ98とシャフト91とが接触した場合は、接触した第2バネ98も振動を抑制する機能を果たす。
次に、一軸性マウント9のバネ定数について説明する。
一軸性マウント9に弾性機構12を設けることで、上記の通りシャフト91の振動を抑制することができる。シャフト91の振動は、例えば本燃料電池システムを搭載した車両が走行する際に燃料電池スタック2及び改質器3からなる高温部品が振動することにより生じる。そして、車両設計の観点から、高温部品の振動が共振周波数になることを回避する必要がある。そこで、弾性機構12により抑制されたシャフト91の振動の周波数が、高温部品の共振周波数より高くなるように、弾性機構12のバネ定数を設定する。ここでいう弾性機構12のバネ定数とは、複数の第1バネ97と、複数の第2バネ98のバネ定数のうちシャフト91に弾性力を作用させるものの合成バネ定数のことをいう。
共振周波数とバネ定数との関係は、式(1)で表される。
fn=(1/2π)×(k/m)1/2 ・・・(1)
ただし、fn:共振周波数、k:バネ定数、m:質量とする。
図11は、式(1)の関係をグラフにしたものである。縦軸は共振周波数、横軸はバネ定数である。図示する通り、バネ定数が大きくなるほど共振周波数は高くなるという特性がある。
本実施形態では、複数の一軸性マウント9で高温部品を支持するので、式(1)におけるバネ定数kは、複数の一軸性マウント9のバネ定数の合成値であり、質量mは燃料電池スタック2の質量と改質器3の質量との合算値である。
ところで、一軸性マウント9が配置される領域、つまり筐体1の内部には、温度分布及び質量分布がある。
図12は、筐体1内の温度分布を示す図である。ここでは、図12の下図に示す構成の燃料電池システムを用いて説明する。図12の下図の構成では、燃料電池スタック2と改質器3とがアノードガス供給管4及び第1排気管5を介さずに直接的に接続されている。また、上述した一軸性マウント9の配置の第3変形例(図8)と同様の技術思想により、各一軸性マウント9の軸線の交点X´´、つまり膨張中心が一点となり、その膨張中心が燃料電池スタック2と改質器3との境界面上に位置する。一軸性マウント9は、境界面の両端に2個、燃料電池スタック2の境界面とは反対側の端面の角に2個、改質器3の境界面とは反対側の端面の角に2個、の合計6個である。
燃料電池システムの稼働中は、燃料電池スタック2は反応熱により温度上昇し、改質器3は燃料電池スタック2から受熱して温度上昇する。したがって、筐体1内の温度分布は、図12の上図に示す通り、燃料電池スタック2側がほぼ一定温度かつ改質器3側より高温になり、境界面付近で温度が低下し、改質器3側は燃料電池スタック2から離れるほど低温になる。また、燃料電池スタック2は改質器3よりも質量が大きい。
このように、一軸性マウント9ごとに、温度及び担う荷重が異なる。担う荷重が大きくなるほど、要求されるバネ定数も大きくなる。したがって、燃料電池スタック2を支持する一軸性マウント9は、改質器3を支持する一軸性マウント9よりも要求されるバネ定数が大きくなる。また、膨張中心からの距離が大きいほど、シャフト91が傾いたときに弾性機構12に作用する力は大きくなるので、同一温度領域であれば、膨張中心からの距離が大きくなるほど、要求されるバネ定数が大きくなる。すなわち、図12の下図においては、境界部に設置される一軸性マウント9よりも、図面左端に設置される一軸性マウント9の方が、バネ定数が大きい。
また、図13に示す通り、温度が上昇すると金属材料の弾性係数は低下する。弾性係数はバネ定数と比例関係にあるため、一軸性マウント9のバネ定数は高温になるほど低下する。すなわち、図14に示す通り、温度が高くなるほど共振周波数は低下する。これは、式(1)においてバネ定数kが小さくなれば共振周波数が低くなることからも明らかである。このように、温度が高くなるほど共振周波数が低下するという特性を考慮し、燃料電池システム稼働中の温度状態で共振周波数になることを回避し得るバネ定数を設定する必要がある。
そして、図15に示す通り、温度が高くなるほどシャフト91と弾性機構12との間の摺動抵抗は小さくなる。これは、温度が高くなるほどバネ定数が低下すれば、バネがシャフト91を押さえつける力が弱くなるからである。
図16は、上述した温度分布及び質量分布が及ぼす影響についてまとめた表である。図16における質量の大小、温度の高低は、いずれも燃料電池スタック2と改質器3との相対的な関係を意味する。
燃料電池スタック2は相対的に質量が大きいので、共振周波数が相対的に低くなる。また、燃料電池スタック2は燃料電池システム稼働中に高温になるため、非稼働状態(室温状態)に比べて一軸性マウント9に設けた弾性機構12のバネ定数及びバネの圧縮量の変化が相対的に大きくなる。バネ定数の変化が大きければ、共振周波数の変化量が大きくなる。バネ定数及び圧縮量の変化が大きければ、シャフト91と軸受92との間の摺動抵抗の変化量も大きくなる。これらの影響は、いずれも一軸性マウント9の弾性機構12にとって望ましくないものである。
改質器3は相対的に質量が小さいので、共振周波数が相対的に高くなる。また、改質器3は燃料電池システム稼働中も相対的に低温なので、一軸性マウント9に設けた弾性機構12のバネ定数及びバネの圧縮量の変化が相対的に小さい。バネ定数の変化が小さければ、共振周波数の変化量も小さい。これらの影響は一軸性マウント9の弾性機構12にとって望ましいものである。ただし、バネ定数及び圧縮量の変化が小さいということは、シャフト91と軸受92との間の摺動抵抗が大きいということである。摺動抵抗が大きいということは、一軸性マウント9の機能の観点からは望ましくない。
一軸性マウント9に設けた弾性機構12のバネ定数を設定する際には、上記の影響を考慮したうえで、振動が入力された際の打音の発生、シャフト91の変位が生じた際の一軸性マウント9への過大な入力、シャフト91を軸受92に組み付ける際の一軸性マウント9への過大な入力、といった課題が生じないようにする必要がある。
図17は上述した課題と、その解決要素を示す表である。
車両走行中に振動が入力された際の打音は、シャフト91と弾性機構12との間にガタつきがあることが主な要因であり、また、共振が生じるとさらに打音は大きくなる。ガタつきを抑制する要素としては、第1バネ97の圧縮量が挙げられる。シャフト91を組み付けた状態での第1バネ97の圧縮量を、公差を含めて適切に設定すれば、ガタつきを抑制できる。ただし、圧縮量が大きくなるほど摺動抵抗が増加してしまうので、圧縮量は極力小さい方が望ましい。そこで、例えば、公差を含めた圧縮量の最小値がゼロ以上になるよう設定する。
また、シャフト91が傾いて第2バネ98に接触することもあるので、第2バネ98の圧縮量及びバネ定数もガタつきを抑制する要素として挙げられる。第2バネ98の圧縮量及びバネ定数は、組み付け公差からなるシャフト91の許容回転角度に基づいて選定する。選定の際には、摺動抵抗の増加とのバランスを考慮する。
共振を回避する主な要素としては、第1バネ97のバネ定数が挙げられる。燃料電池スタック2と改質器3とからなる高温部品の質量(以下、ユニット質量ともいう)に基づいて、共振周波数が車両走行中に生じ得る振動数より高くなるバネ定数を選定する。これについて図18を参照して具体的に説明する。
図18は、4種類のユニット質量についての、バネ定数と共振周波数との関係を示す図である。ma〜mdのユニット質量には、ma<mb<mc<mdという関係がある。
図示する通り、いずれのユニット質量でもバネ定数が大きくなるほど共振周波数が高くなる。また、ユニット質量が大きいほど共振周波数は低くなる。これらについては既に述べた通りである。本実施形態のユニット質量をmdとし、車両走行中に生じ得る振動数をfn1とした場合、バネ定数をk1より大きくすれば共振を回避できる。ここでのバネ定数k1は、使用するすべての一軸性マウント9に設けた第1バネ97の合成バネ定数である。図17の説明に戻る。
シャフト91の変位が生じた際に一軸性マウント9への入力が過大になるのは、シャフト91と第1バネ97との間の摺動抵抗が主な要因である。これを解決する要素としては、第1バネ97のバネ定数及び圧縮量が挙げられる。摺動抵抗を小さくするには、締結部材に対する許容曲げ入力に基づいて、バネ定数が小さく、かつ圧縮量が極力小さくなるように選定する。ここでいう締結部材とは、軸受92、部品固定部材93、筐体固定部材94等の部材のことをいう。
シャフト91を軸受92に組み付ける際に一軸性マウント9への入力が過大になるのは、シャフト91の傾きが主な要因である。組み付けの際にシャフト91と接触するのは、第1バネ97である。第1バネ97のシャフト91と接触する部位が平面の場合や接触部位が一軸性マウント9の変位可能な方向に複数ある場合には、シャフト91が少しでも傾いた状態で組み付けようとすると、摺動抵抗が過大になり、結果として一軸性マウント9への入力が過大になる。そこで、既に述べた通り、第1バネ97はシャフト91と接触する部分が滑らかな凸曲面形状となっている。
次に、第1バネ97及び第2バネ98の最適組み合わせについて説明する。
発明者らは、図16に示した特性と図17に示した課題及び解決要素とに基づいて以下に説明する実験を行なうことにより、第1バネ97及び第2バネ98の最適組み合わせを選定した。
当該実験では、第1バネ97及び第2バネ98の、バネ定数、自由長、及び形状をパラメータとした。
図19は、各パラメータが与える影響についてまとめた表である。
第1バネ97のバネ定数は、共振と摺動抵抗に影響を与える。例えば、バネ定数が大きくなるほど共振周波数が高くなることは既に説明した通りである。また、バネ定数が大きくなるほど摺動抵抗が大きくなる。すなわち、バネ定数を大きくするほど共振を回避し易くなるが、軸受92に対するシャフト91の動きが阻害されることになる。
第1バネ97の自由長は摺動抵抗に影響を与える。ここでいう自由長とは、荷重が掛かっていない状態における第1バネ97の、貫通孔との接合部からシャフト91と接触する凸部の先端までの長さである。自由長が長いほど、シャフト91を組み付けた場合の圧縮量が大きくなる。圧縮量が大きくなるほど弾性エネルギは大きくなってシャフト91を押さえつける力が大きくなるので、摺動抵抗も大きくなる。
第1バネ97の形状は、シャフト91の傾きに影響を与える。これについては図17で説明した通りである。
第2バネ98のバネ定数は、摺動抵抗と、シャフト91の傾きと、に影響を与える。第2バネ98は、シャフト91が熱膨張した場合及びシャフト91が傾いた場合にシャフト91と接触する。したがって、第1バネ97の場合と同様に、第2バネ98のバネ定数も摺動抵抗に影響を与える。また、第2バネ98は、第1バネ97との接点を軸として傾くシャフト91の傾きを抑制するものなので、そのバネ定数が大きいほどシャフト91の傾きを抑制する効果が大きくなる。
第2バネ98の自由長は、摺動抵抗とシャフト91の傾きに影響を与える。ここでいう自由長とは、第1バネ97の場合と同様である。自由長が長いほど、シャフト91が接触した場合の圧縮量が大きくなる。圧縮量が大きくなるほど弾性エネルギは大きくなってシャフト91を押さえつける力が大きくなるので、摺動抵抗は大きくなり、シャフト91の傾きを抑制する効果も大きくなる。
図20は、ハイ(H)とロー(L)の2種類のバネ定数と、ハイ(H)とロー(L)の2種類の圧縮量(自由長の逆数)と、図10に示した凸形状と他の形状の2種類の形状とを用意し、高温部と低温部の2箇所でそれぞれの組み合わせについて評価する実験を行なった結果をまとめた表である。
ここでいう高温部とは、相対的に高温になる燃料電池スタック2側の領域であり、低温部とは相対的に低温になる改質器3側の領域である。また、本実験では、他の形状としてシャフト91と接触する部分が平面な形状を用いた。
バネ定数に関し、第1バネ97のハイ及びローと、第2バネ98のハイ及びローとは同じである必要はない。本実験では、第1バネ97のバネ定数のハイ及びローはそれぞれ第2バネ98のバネ定数のハイ及びローよりも大きい値とする。
圧縮量に関しても、第1バネ97のハイ及びローと、第2バネ98のハイ及びローとはそれぞれ同じではなく、第1バネ97のローは第2バネ98のハイよりも大きい。
本実験の評価項目は、ガタつきが抑制されているか否か、共振が回避されているか否か、摺動抵抗が過大になっていないか否か、シャフト91の傾きが抑制されているか否か、である。
共振については、共振が回避されていれば合格(〇)、回避されていなければ不合格(×)とした。
シャフト91の傾きについては、予め設定した基準値以下に抑制されていれば合格(〇)、されていなければ不合格(×)とした。
ガタつきと摺動抵抗については、予め設定した基準値以下に抑制されていれば合格(〇)、基準値よりは大きいが予め設定した許容範囲内であれば準合格(△)、許容範囲よりも大きければ不合格(×)とした。
なお、表中の「-」は、複数の評価をとり得ることを示している。例えば、組み合わせ番号4では、第2バネ98のバネ定数及び圧縮量がそれぞれ2つの値をとり得るので、バネ定数及び圧縮量の組み合わせによってガタつき及び共振の項目の評価が異なる。このため、評価は「-」となっている。
本実施形態では、全評価項目が合格となる組み合わせを採用する。すなわち、高温部に使用する一軸性マウント9には組み合わせ番号6、7のいずれかを、低温部に使用する一軸性マウント9には組み合わせ番号20、21のいずれかを採用する。採用する組み合わせを見ると、高温部に使用する一軸性マウント9の第1バネ97のバネ定数はハイ、低温部に使用する一軸性マウント9の第1バネ97のバネ定数はローである。
高温部と低温部との境界部に使用する一軸性マウント9の第1バネ97のバネ定数は、境界部の温度及び作用する荷重を考慮し、上述したハイとローとの間の大きさとする。
なお、本実施形態では第1バネ97と第2バネ98とを備える6個の一軸性マウント9を、図12のように高温部に2個、低温部に2個、境界部に2個、配置した場合について説明したが、これに限られるわけではない。例えば、図12の高温部の一軸性マウント9と境界部の一軸性マウント9との間にさらに複数の一軸性マウント9を配置し、低温部の一軸性マウント9と境界部の一軸性マウント9との間にさらに複数の一軸性マウント9を配置してもよい。この場合でも、温度分布や荷重分布に応じて弾性機構12のバネ定数を選定する。
また、図1のように高温部と低温部のそれぞれに膨張中心がある場合でも、高温部の一軸性マウント9に用いる弾性機構のバネ定数と、低温部の一軸性マウント9に用いる弾性機構のバネ定数との関係は上述したものと同様である。
また、使用するすべての一軸性マウント9の合成バネ定数が共振を回避できる大きさになっていればよいのであって、すべての一軸性マウント9が第1バネ97と第2バネ98の両方を備える必要はない。例えば、シャフト91の傾きをより抑制するために、図12の下図に示した6個の一軸性マウント9の他に、補助的な一軸性マウント9を追加してもよい。その際に、補助的な一軸性マウント9は、シャフト91の傾きを抑制することが主目的なので、第2バネ98のみで構成してもよい。
上記した本実施形態にかかる燃料電池システム100によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態の燃料電池システム100においては、一軸性マウント9が、筐体1に固定される軸受(支持部)92と、軸受92に支持され、かつ高温部品2、3の荷重が作用するシャフト(荷重受部材)91と、を備える。一軸性マウント9は、さらに、軸受92とシャフト91との間に配置され荷重負担を担う第1バネ97または一軸性マウント9の変位可能な方向に対するシャフト91の傾きを規制する第2バネ98の少なくとも一方からなる弾性機構12を備える。これにより、シャフト91が軸受92に対してスライドするという一軸性マウント9の機能を確保しつつ、シャフト91の傾きの抑制、及び高温部品の共振の回避、という効果を得ることができる。
本実施形態では、各一軸性マウント9の弾性機構12のバネ定数が、筐体1内の温度分布に応じて設定されている。具体的には、高温部に配置される一軸性マウント9が備える弾性機構12のバネ定数は、低温部に配置される一軸性マウント9が備える弾性機構12のバネ定数よりも大きい。これにより、温度によるバネ定数の変化に応じたバネ定数が設定されるので、摺動抵抗を必要以上に大きくすることなく、共振周波数を制御することが可能となる。
本実施形態では、弾性機構12のバネ定数は、同一温度領域内では膨張中心(つまりマウント軸線どうしの交点)からの距離が大きい方が大きい。これにより、一軸性マウント9に作用する力の大きさに応じたバネ定数になる。
本実施形態では、弾性機構12のバネ定数は、第1バネ97と第2バネ98の組み合わせに基づいて設定される。これにより、使用するバネの数でバネ定数を変更し、共振周波数を制御することが可能となる。
本実施形態では、第1バネ97のバネ定数は第2バネ98のバネ定数より大きい。また、軸受92にシャフト91が支持された状態で、第2バネ98の方が第1バネ97より圧縮量が小さい。また、第1バネ97及び第2バネ98は、シャフト91と接触する部分が滑らかな凸曲面形状となっている。これらにより、第1バネ97とシャフト91とが確実に接触し、組み付け時等にシャフト91が傾いたときには第2バネ98がシャフト91と接触するので、シャフト91の傾きを抑制することができる。
本実施形態では、燃料電池システム100が稼働することによりシャフト91が熱膨張すると、シャフト91と第2バネ98とが接触する。これにより、高温時にシャフト91に接触するバネの数が増えるので、高温時の共振周波数の低下をより抑制することができる。
なお、上記説明では、バネ定数及び圧縮量について具体的な数値は用いることなく、大小関係について説明したが、これは、使用する燃料電池スタック2及び改質器3の発熱量や質量、車両走行中にとり得る振動数等の各条件によって具体的な数値が変わるからである。
また、第1バネ97、第2バネ98は、弾性力をもってシャフト91と接触し、シャフト91と接触する部分が滑らかな凸形状を有するという条件を満たすのであれば、図10に示した形態に限られない。例えば、弾性力を有する複数のバネ片またはスプリングワイヤが、軸受92内で周方向に所定間隔をあけて筒状をなすよう保持されたものを第1バネ97、第2バネ98としてもよい。
また、本実施形態では、高温部品が燃料電池スタック2と改質器3の場合について説明したが、高温部品に熱交換器10を含む場合も同様である。この場合、図21に示す通り、熱交換器10は燃料電池スタック2に対して改質器3と並列に接続される。つまり、改質器3と熱交換器10が併せて低温部となる。
(一軸性マウント9の第1変形例)
図22及び図23を参照して、一軸性マウント9の第1変形例を説明する。なお、既に述べた実施形態または変形例と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図22は、本変形例による一軸性マウント9’の模式図である。本変形例においては、一軸性マウント9´の変位方向が他の実施形態または変形例と異なる。なお、本変形例における一軸性マウント9´も弾性機構12を備えるが、弾性機構12については上述した実施形態と同様なので説明を省略する。
図10に示すように、一軸性マウント9’は、シャフト91’、軸受92’、部品固定部材93’及び筐体固定部材94’から構成される。
シャフト91’は、筐体1に収納される高温部品の底面に対して傾斜した方向に延びる第1傾斜部913と、第1傾斜部913の両端から第1傾斜部913に対して垂直な方向に屈曲して延びる第2傾斜部914とを有する。シャフト91’は、第1傾斜部913において軸受92’により支持され、シャフト91’の両端(第2傾斜部914の端部)は、溶接等により高温部品を支持する部品固定部材93’に接合される。
軸受92’は、筐体1に収納される高温部品の底面に対して垂直な方向に延びる垂直部921と、垂直部921の上部からシャフト91’の第1傾斜部913に対して垂直な方向に屈曲して延びる傾斜部922を有している。
軸受92’は、底面においてボルト等の締結部材により筐体固定部材94’に固定される。軸受92’は、シャフト91’の第1傾斜部913において、筐体1に収納される高温部品の底面に対し傾斜した方向に変位可能な状態でシャフト91’を支持する。
このように軸受92’は、高温部品の底面に対し傾斜した方向に変位可能な状態でシャフト91’を支持するとともに、部品固定部材93を介してシャフト91’に固定される高温部品が、シャフト91’の第1傾斜部913に平行な方向以外の方向に変位することを規制する。
部品固定部材93’は、耐熱性材料から成る部材であり、筐体1に収納される高温部品を載置する面であって高温部品の底面に平行な平面としての載置面932、載置面932と垂直な方向に延びる側面933及びシャフト91’の第1傾斜部913に平行な傾斜面934を有する。部品固定部材93’の傾斜面934には、シャフト91’の端部が接合される。部品固定部材93’の載置面932上には筐体1に収納される高温部品が載置され、高温部品はボルト等の締結部材により部品固定部材93’に固定される。
筐体固定部材94’は、耐熱性材料から成る板状の部材で、上面において軸受92’が締結され、底面はボルト等により筐体1に締結される。
このように、一軸性マウント9’は、部品固定部材93’を介して筐体1内の高温部品に固定されるシャフト91’と、シャフト91’を高温部品の底面に対して傾斜した一方向に変位可能な状態で支持する軸受92’と、から構成される。また、軸受92’は、筐体固定部材94’を介して筐体1に固定される。これにより、一軸性マウント9’は、筐体1に収納される高温部品の底面に対して傾斜した一方向にのみ変位可能に構成される。
図23は一軸性マウント9’を設置した際の筐体1内部を示す図であり、筐体1の側面方向から見た図である。
図23に示すように、一軸性マウント9’は、筐体固定部材94’が断熱材11を介して筐体1にボルト等により締結されることで筐体1に固定される。なお、断熱材11に貫通孔を設け、貫通孔を通して一軸性マウント9’を直接筐体1に固定してもよい。部品固定部材93’には、載置面932においてボルト等により高温部品が固定される。
燃料電池スタック2を筐体1に固定する複数の一軸性マウント9’は、各マウント軸線どうしが一点X’’’で交わるように配置される。一軸性マウント9’は、筐体1に収納される高温部品の底面に対して傾斜した一方向にのみ変位可能に構成されているため、各マウント軸線どうしが交わる点(膨張中心)X’’’は、燃料電池スタック2の底面よりも上方に形成される。
同様に、改質器3を筐体1に固定する複数の一軸性マウント9’は、各マウント軸線どうしが一点Y’’’で交わるように配置され、各マウント軸線どうしが交わる点(膨張中心)Y’’’は、改質器3の底面よりも上方に形成される。
このように、本変形例においては、一軸性マウント9’の変位方向と配置を設定することによって、高さ方向にも任意の位置に膨張中心を形成させることができる。
上記した本変形例の燃料電池システム100によれば、以下の効果を得ることができる。
燃料電池システム100においては、一軸性マウント9’が筐体1に収納される高温部品の底面に対して傾斜した方向に変位可能に構成される。従って、高温部品を筐体1に固定する複数の一軸性マウント9’の各マウント軸線どうしが交わる点(膨張中心)を高温部品の底面よりも上方に形成させることができる。即ち、高さ方向にも任意の位置に膨張中心を形成させることができる。従って、高温部品を連結する配管や高温部品と補機類とを連結する連結部材を設置する位置と同一の高さに膨張中心を形成させることで、配管や連結部材が筐体1に対して高さ方向に変位することを抑制することができる。従って、配管や連結部材、さらには連結部材に連結する補機類の変位を許容する空隙を設ける必要がなく、システムの小型化が可能となる。
また、高さ方向にも任意の位置に膨張中心を形成させることができるため、補機類を任意の位置に配置して連結部材により補機類と高温部品とを連結し、連結部材を設置する位置と同一の高さに膨張中心を形成させることができる。即ち、補機類を自由な位置に配置することができ、システム全体のレイアウト自由度が増す。
なお、上述した説明においては、燃料電池スタック2の膨張中心及び改質器3の膨張中心がそれぞれ異なる点に形成されるように一軸性マウント9を配置しているが、これに限られない。即ち、燃料電池スタック2及び改質器3の膨張中心が同一の一点に形成されるように一軸性マウント9を配置する構成としてもよい。
また、第2実施形態及び第2実施形態の変形例においては、燃料電池スタック2及び改質器3の膨張中心が同一の一点に形成されるように一軸性マウント9を配置することが好ましいが、必ずしもこれに限られない。即ち、燃料電池スタック2及び改質器3の膨張中心がそれぞれ連結部材近傍の異なる点に形成されるように一軸性マウント9を配置する構成としてもよい。
また、いずれの実施形態または変形例においても、高温部品を筐体に固定する一軸性マウント9のマウント軸線どうしが一点(膨張中心)で交わる構成としたが、必ずしもこれに限られず、マウント軸性どうしが所望の位置近傍で交わる構成としてもよい。例えば、図1224に示すように、各マウント軸性どうしが所望の位置XやYの近傍の複数箇所に交点を有するような構成にしてもよい。このような構成であっても、膨張変位の方向と一軸性マウント9の変位可能な方向(マウント軸線方向)とがほぼ一致し、筐体1内部の高温部品の熱膨張を許容することができる。従って、一軸性マウント9の配置によって高温部品の熱膨張による変位方向を制御できるため、予期しない部位に膨張応力がかかることを防止でき、システム構成部品の劣化を抑制し、部品の破損を回避することができる。
(一軸性マウント9の第2変形例)
図25a〜図25cを参照して、一軸性マウント9の第2変形例を説明する。なお、既に述べた実施形態または変形例と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図25a〜図25cは、本変形例による一軸性マウント9の模式図である。なお、本変形例においても、後述するガイド95とレール96との間に弾性機構12を設けるが、第1バネ97と第2バネ98とで構成される弾性機構12の構成は上述した実施形態と同様なので、図25a〜図25cでは弾性機構12を省略している。
高温部品の底面と平行な方向に変位可能に高温部品を筐体1に固定できれば、一軸性マウント9は上記のようなシャフト91と軸受92を備える構成にしなくてもよい。例えば図25aに示すように、一軸性マウント9を高温部品の底面に固定されるガイド95と、筐体1に固定されるレール96とによる構成とし、ガイド95をレール96に嵌合してレール方向に自由変位可能な構造にしてもよい。この場合、図25b及び図25cに示すようにガイド95でレール96を抱え込むような構造にすることで、垂直方向の振動に対してガイド95がレール96から外れないように構成することができる。弾性機構12は、ガイド95のレール96を抱え込む面に設置する。このように、ガイド95及びレール96を用いて一軸性マウント9を構成することで、より簡易な構成で、高温部品の底面と平行な方向に変位可能に高温部品を筐体1に固定することができる。
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、これらは本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態及びその変形例の具体的構成に限定する趣旨ではない。
また、上述した各実施形態及び変形例は、それぞれ単独の実施形態及び変形例として説明したが、適宜組み合わせてもよい。