JP2020119766A - ガス遮断器 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、より簡素な構成で逆止弁を動作させることにより、遮断動作の信頼性と耐久性とを確保し、遮断性能を向上するガス遮断器を提供する。【解決手段】本発明のガス遮断器は、電力系統に、可動側引出し導体を介して、電気的に接続される可動側主導体と、可動側主導体の内部に、可動側主導体と同軸に設置される排気シャフトと、可動側主導体と前記排気シャフトとの間に形成される機械パッファ室と、機械パッファ室と孔を介して連通する熱パッファ室と、熱パッファ室に形成され、孔を閉止する逆止弁と、を有し、逆止弁の外周側先端に傾斜部を有することを特徴とする。【選択図】 図3
Description
本発明は、ガス遮断器に関するものである。
ガス遮断器は、電力系統において短絡電流が発生した際に、その短絡電流を遮断するためのものであり、従来からパッファ形ガス遮断器が広く使用されている。
このパッファ形ガス遮断器は、可動側主接触子と直結した可動パッファシリンダによって、消弧性を有する絶縁ガスを機械的に圧縮することにより、高温及び高圧の絶縁性ガスのガス流を発生する。そして、この絶縁ガスが、可動側アーク接触子と固定側アーク接触子との間に発生するアークに導入され、つまり、この絶縁ガスがアークに吹き付けられ、電流を遮断する。
通常、パッファ形ガス遮断器における遮断性能は、パッファ室の圧力に依存する。そこで、機械的圧縮による圧力とアークの熱エネルギーを利用する圧力とを使用する熱パッファ併用形のパッファ形ガス遮断器が広く使用されている。
この熱パッファ併用形のパッファ形ガス遮断器は、機械的圧縮による圧力と、アークの熱エネルギーを利用する圧力と、を使用して、絶縁ガスに対する吹き付け圧力を形成するものであり、機械的圧縮による圧力のみのパッファ形ガス遮断器と比較して、遮断動作に必要な操作エネルギーを低減することができる。
一般的に、熱パッファ併用形のパッファ形ガス遮断器は、アークの熱エネルギーを導入する容積が固定している昇圧室(熱パッファ室と呼ぶ)と、機械的圧縮により容積が縮小する昇圧室(機械パッファ室と呼ぶ)との2つの昇圧室が直列に設置され、これら2つの昇圧室は、連通部(孔)を介して、連通し、熱パッファ室には逆止弁が形成される。
この逆止弁は、大電流を遮断する場合には、機械パッファ室の圧力を不要に上昇させないために、熱パッファ室の圧力により、熱パッファ室と機械パッファ室との間の連通部(孔)を閉止する。一方、例えば、進み小電流などの比較的小さい電流を遮断する場合には、熱パッファ室の圧力より機械パッファ室の圧力が上回るため、逆止弁は連通部(孔)を開放する。
また、熱パッファ室の圧力は、アークの熱エネルギーを利用して昇圧されるため、短絡電流によっては、熱パッファ室の圧力と機械パッファ室の圧力とが均衡(熱パッファ室の圧力が低下)し、逆止弁の動作が不安定になる場合がある。この場合、機械パッファ室はデッドボリュームとなり、短絡電流の遮断に対して、必要な機械的圧縮による圧力を確保できず、遮断性能が低下する恐れがある。
そこで、逆止弁の動作の不安定を解消し、逆止弁を閉止し易くすることにより、熱パッファ室の圧力の低下を防止することが考えられる。
こうした本技術分野における背景技術として、特開2005−276614号公報(特許文献1)がある。この特許文献1には、消弧性ガスが充填された密閉容器内に、可動接触子部と対向接触子部とが、対向して配置され、可動アーク接触子と対向アーク接触子とは、遮断動作時には相対移動により開離し、両アーク接触子間のアーク空間で発生するアークを消弧するために、可動接触子部のシリンダに、機械的圧縮室と熱的昇圧室とが形成され、室間の隔壁に室間開口部が設置され、アーク空間と熱的昇圧室とは上流側ガス流路により接続され、アーク空間と下流空間とは下流側ガス流路により接続され、室間開口部の熱的昇圧室側に、浮動の逆止弁が設置され、逆止弁は弾性体より閉方向である隔壁側に常時付勢されることが記載されている(要約参照)。
特許文献1に記載するガス遮断器は、熱的昇圧室(熱パッファ室)に設置された弾性体を使用して、逆止弁を機械的圧縮室(機械パッファ室)側に、常時付勢することにより、熱パッファ室と機械パッファ室との室間開口部(連通部(孔))を常時閉止することが記載されている。
しかし、熱パッファ室にはアークによる高温及び高圧の絶縁ガスが導入されるため、特許文献1に記載するガス遮断器では、弾性体に、直接、アークによる高温及び高圧の絶縁ガスが接触し、弾性体の耐久性が低下する可能性がある。
そこで、本発明は、より簡素な構成で逆止弁を動作させることにより、遮断動作の信頼性と耐久性とを確保し、遮断性能を向上するガス遮断器を提供する。
上記課題を解決するため、本発明のガス遮断器は、電力系統に、可動側引出し導体を介して、電気的に接続される可動側主導体と、可動側主導体の内部に、可動側主導体と同軸に設置される排気シャフトと、可動側主導体と前記排気シャフトとの間に形成される機械パッファ室と、機械パッファ室と孔を介して連通する熱パッファ室と、熱パッファ室に形成され、孔を閉止する逆止弁と、を有し、逆止弁の外周側先端に傾斜部を有することを特徴とする。
本発明によれば、より簡素な構成で逆止弁を動作させることにより、遮断動作の信頼性と耐久性とを確保し、遮断性能を向上するガス遮断器を提供することができる。
なお、上記した以外の課題、構成および効果は、下記の実施例の説明により明らかにされる。
以下、本発明の実施例を、図面を使用して説明する。なお、各実施例において、同一または類似の構成には、同一の符号を付し、説明が重複する場合には、その説明を省略する場合がある。
また、以下の実施例では、「軸方向」とは、可動側主導体を構成する円筒の中心軸の方向(図1における左右(水平)方向)であり、以下、特に指定しない限り、他の図面においても「軸方向」とは、同様の意味を表す。
また、「前方側」とはその対象構成における図面の左側を、「後方側」とはその対象構成における図面の右側を、示すものとする。
図1は、実施例1におけるガス遮断器の概略構成を示す断面図であり、ガス遮断器の閉極状態を示すものである。
本実施例に記載する熱パッファ併用形のパッファ形ガス遮断器(以下「ガス遮断器」と称して説明する)100は、電流を遮断する際に、機械的圧縮による圧力およびアークの熱エネルギーを利用した圧力を使用するガス遮断器である。
そして、本実施例に記載するガス遮断器100は、電力系統(例えば、高電圧回路など)に設置され、落雷などによる短絡電流が発生した際に、電力系統に流れる電流を遮断するものである。
本実施例に記載するガス遮断器100は、消弧性を有する絶縁ガス(例えば、六フッ化硫黄ガス)が充填される充填容器2と、充填容器2の内部に設置される絶縁支持筒7と、電力系統に接続される可動側引出し導体14と、絶縁支持筒7によって支持固定されると共に可動側引出し導体14に電気的に接続される可動側主導体9と、を有する。
そして、可動側主導体9には、電流を遮断する際に発生するアーク31(図2参照)によって加熱及び加圧される絶縁ガス(高温及び高圧の絶縁ガス)を排気する排気穴10が形成される。
更に、本実施例に記載するガス遮断器100は、可動側主導体9の内部に、軸方向に移動可能に、可動側主導体9と同軸に設置される排気シャフト18と、排気シャフト18に連結され、操作ロッド3を介して軸方向へ排気シャフト18を操作(可動)する操作機構1と、排気シャフト18に同軸に連結され、可動側主導体9の内周面を軸方向に摺動する可動パッファシリンダ(以下「シリンダ」と称して説明する)17と、可動側主導体9の内部に固定されると共に軸方向に開口部を有し、この開口部の内周面を排気シャフト18が摺動するパッファピストン33と、シリンダ17及び可動側主導体9を介して可動側引出し導体14に電気的に接続される可動側主接触子5と、を有する。
そして、排気シャフト18には、電流を遮断する際に発生するアーク31(図2参照)によって加熱及び加圧された絶縁ガス(高温及び高圧の絶縁ガス)を排気するシャフト排気穴16が形成される。
更に、本実施例に記載するガス遮断器100は、充填容器2の内部に設置される固定側絶縁筒8と、
電力系統に接続される固定側引出し導体15と、固定側絶縁筒8によって支持固定されると共に固定側引出し導体15に電気的に接続され、可動側主接触子5と接離可能な固定側主接触子6と、を有する。
電力系統に接続される固定側引出し導体15と、固定側絶縁筒8によって支持固定されると共に固定側引出し導体15に電気的に接続され、可動側主接触子5と接離可能な固定側主接触子6と、を有する。
更に、本実施例に記載するガス遮断器100は、排気シャフト18に設置される可動側アーク接触子11と、可動側アーク接触子11に設置される可動子カバー13と、可動側アーク接触子11と接離可能な固定側アーク接触子12と、可動側アーク接触子11及び固定側アーク接触子12を囲うように、シリンダ17の前方側に設置される絶縁ノズル4と、を有する。
そして、可動側主接触子5及び可動側アーク接触子11は、可動側引出し導体14に電気的に接続される。
なお、絶縁ノズル4は、可動側主接触子5及び固定側主接触子6と可動側アーク接触子11及び固定側アーク接触子12とを絶縁する。また、可動側アーク接触子11は、排気シャフト18及び操作ロッド3を介して、操作機構1に接続される。
そして、可動側主接触子5及び可動側アーク接触子11と接離可能な固定側主接触子6及び固定側アーク接触子12が、固定側絶縁筒8によって支持固定され、固定側引出し導体15に電気的に接続される。
そして、短絡電流が発生した際には、可動側主接触子5及び可動側アーク接触子11が、固定側主接触子6及び固定側アーク接触子12から離れることにより、ガス遮断器100が閉極状態から開極状態へ移行し、電力系統に流れる電流を遮断する。なお、まず、可動側主接触子5が固定側主接触子6から離れ、次に、可動側アーク接触子11が固定側アーク接触子12から離れる。
更に、本実施例に記載するガス遮断器100は、排気シャフト18の内部に形成される中空状の中空部(流路23)と、排気シャフト18の外部であって可動側主導体9の内部に形成される可動側導体内周空間35と、シリンダ17の後方側に設置され、シリンダ17と連結するピストン20と、ピストン20の前方側に形成され、シリンダ17の内部に形成される熱パッファ室19と、ピストン20とパッファピストン33との間に形成される機械パッファ室32と、機械パッファ室32の圧力を開放する放圧弁38と、を有する。
また、放圧弁38は、操作機構1によって排気シャフト18及びシリンダ17が軸方向に移動することにより、機械パッファ室32が圧縮された際に、機械パッファ室32の内部の絶縁ガスを、可動側導体内周空間35に放出するものである。
そして、パッファピストン33には、機械パッファ室32と可動側導体内周空間35とを連通する孔36が形成される。また、ピストン20には、熱パッファ室19と機械パッファ室32とを連通する連通部(孔37)が形成される。なお、熱パッファ室19は、シリンダ17によって包囲される。
つまり、機械パッファ室32は、可動側主導体9と排気シャフト18との間に形成される。そして、熱パッファ室19は、機械パッファ室32と連通部(孔37)孔を介して連通する。
更に、本実施例に記載するガス遮断器100は、熱パッファ室19と機械パッファ室32とを連通する孔37を開閉(ガス遮断器100の開極状態では孔37を閉止)し、熱パッファ室19に形成される逆止弁40と、逆止弁40の動作を制約するストッパ41と、を有する。
なお、説明の都合上、可動側主接触子5と可動側アーク接触子11とを「可動側接触子」と、固定側主接触子6と固定側アーク接触子12とを「固定側接触子」と称する場合がある。そして、可動側接触子は可動側引出し導体14に、固定側接触子は固定側引出し導体15に、それぞれ電気的に接続される。
そして、本実施例に記載するガス遮断器100は、逆止弁40の外周部先端に、傾斜部を有する。これにより、本実施例では、簡素な構成で逆止弁40を動作させることができ、遮断動作の信頼性と耐久性とを確保し、遮断性能を向上するガス遮断器100を提供することができる。
図2は、実施例1におけるガス遮断器の概略構成を示す拡大断面図であり、ガス遮断器の開極状態を示すものである。
可動側主導体9は、充填容器2(図1参照)の内部に設置される絶縁支持筒7(図1参照)によって支持固定される。この可動側主導体9は、円筒形状を有し、その内部をシリンダ17が摺動する。
また、可動側主導体9の側面には、高温及び高圧の絶縁ガスを可動側主導体9の内部から充填容器2の内部に排気する排気穴10(図1参照)が形成される。この高温及び高圧の絶縁ガスは、可動側アーク接触子11が固定側アーク接触子12から離れた際に発生するアーク31によって絶縁ガスが加熱及び加圧されることにより発生する。
また、排気シャフト18には、可動側主導体9の内部に可動側主導体9と同軸に設置され、その内部に中空状の中空部(流路23)が形成される。この排気シャフト18の内部に形成される流路23には、アーク31により発生した高温及び高圧の絶縁ガスが通流する。そして、排気シャフト18の後方側(図2の右側)の側面には、この流路23を通流する高温及び高圧の絶縁ガスを、排気シャフト18の外周側に形成される可動側導体内周空間35に排気するシャフト排気穴16(図1参照)が形成される。
また、排気シャフト18には、排気シャフト18を軸方向へ操作(可動)する操作機構1(図1参照)が連結される。操作機構1は、操作ロッド3(図1参照)を介して、排気シャフト18に連結される。なお、短絡電流が発生した際には、操作機構1には、遮断指令出力部(図示なし)から、遮断指令(可動側接触子の可動指令)が入力される。
そして、この遮断指令出力部から出力される遮断指令に基づいて、操作機構1が操作ロッド3を介して排気シャフト18を後方側(図2の右側)に移動させる。これにより、可動側主接触子5及び可動側アーク接触子11が、固定側主接触子6及び固定側アーク接触子12から離されて、電流が遮断される。
また、シリンダ17は、排気シャフト18に対して、排気シャフト18と同軸に連結される。シリンダ17は、排気シャフト18の軸方向の移動に伴って、円筒形状の可動側主導体9の内部を摺動する。
また、シリンダ17の後方側(図2の右側)には、ピストン20が設置される。
そして、可動側主導体9の内部であって、ピストン20とパッファピストン33との間には、機械パッファ室32が形成される。排気シャフト18と共にシリンダ17が後方側(図2の右側)に移動することにより、機械パッファ室32の内部の絶縁ガスが圧縮される。なお、パッファピストン33には、機械パッファ室32の内部の圧力を開放する放圧弁38が設置される。
また、シリンダ17の内部であって、ピストン20の前方側(図2の左側)には、熱パッファ室19が形成される。この熱パッファ室19には、アーク31によって発生した高温及び高圧の絶縁ガスが導入される。そして、この熱パッファ室19と機械パッファ室32とは、排気シャフト18を囲うように形成される孔37にて、連通される。また、機械パッファ室32と可動側導体内周空間35とは、排気シャフト18を囲うように形成される孔36にて、連通される。これにより、熱パッファ室19、機械パッファ室32、可動側導体内周空間35は、直列に連通する。
なお、熱パッファ室19とアーク31が発生する空間とを連通し、絶縁ノズル4と可動子カバー13との間には、吹付流路が形成される。
そして、熱パッファ室19の機械パッファ室32側の端部には、逆止弁40が設置される。また、熱パッファ室19であって、排気シャフト18には、逆止弁40の動作を制約するストッパ41が設置される。
この逆止弁40は、ストッパ41と熱パッファ室19の機械パッファ室32側の端部(孔37が形成される熱パッファ室19の面)との間を動作し、逆止弁40が、熱パッファ室19の機械パッファ室32側の端部と接することにより、孔37を閉止する。この逆止弁40は、熱パッファ室19に導入する高温及び高圧の絶縁ガス(ガス遮断器100が閉極状態から開極状態へ移行する際に発生するアーク31によって加熱及び加圧される高温及び高圧の絶縁ガス)の圧力により動作し、孔37を閉止する。
シリンダ17の前方側(図2の左側)の先端部分には、可動側主接触子5が設置される。この可動側主接触子5によって囲まれるように、排気シャフト18の前方側(図2の左側)の先端部分には、可動側アーク接触子11が設置される。この可動側アーク接触子11は、排気シャフト18の内部(流路23)に接し、可動側アーク接触子11には可動子カバー13が設置される。
そして、可動側アーク接触子11及び固定側アーク接触子12を囲うように、シリンダ17の前方側(図2の左側)の先端部分には、絶縁ノズル4が設置される。なお、絶縁ノズル4は、可動側主接触子5及び固定側主接触子6と可動側アーク接触子11及び固定側アーク接触子12とを絶縁する。
また、パッファピストン33は、可動側主導体9の内部に固定された円盤状のものであり、パッファピストン33の中心近傍は開口部が形成され、この開口部に排気シャフト18が挿入される。
また、排気シャフト18は、固定されたパッファピストン33の開口部の内側面を摺動し、軸方向に移動する。そして、ストッパ41は、排気シャフト18に固定され、排気シャフト18と共に軸方向に移動する。
つまり、ガス遮断器100が閉極状態から開極状態へ移行し、電力系統に流れる電流を遮断する際には、排気シャフト18、ピストン20、シリンダ17、可動側主接触子5、絶縁ノズル4、可動側アーク接触子11、可動カバー13、ストッパ41が、後方側(図2の右側)に移動することになる。
なお、逆止弁40は、排気シャフト18に固定されず、熱パッファ室19に導入する高温及び高圧の絶縁ガスの圧力により、ストッパ41と熱パッファ室19の機械パッファ室32側の端部との間を動作することになる。
このように、逆止弁40は、ガス遮断器100が閉極状態から開極状態へ移行する場合、まず、慣性力により、排気シャフト18の前方側(図2の左側)に移動し、ストッパ41に係止される。その後、熱パッファ室19に導入する高温及び高圧の絶縁ガスの圧力により、排気シャフト18の後方側(図2の右側)に(本実施例では、熱パッファ室19の機械パッファ室32側の端部まで)移動し、孔37を閉止する。
そして、本実施例に記載するガス遮断器100は、逆止弁40の外周部先端に、傾斜部を有する。これにより、本実施例では、簡素な構成で逆止弁40を動作させることができ、遮断動作の信頼性と耐久性とを確保し、遮断性能を向上するガス遮断器100を提供することができる。
図3は、実施例1におけるガス遮断器の開極状態を示す逆止弁の近傍を示す部分断面図である。
本実施例に記載するガス遮断器100は、逆止弁40の外周部先端に、傾斜部40aを有する。逆止弁40は、熱パッファ室19に対して、その内側面(熱パッファ室19に面する面)40cの外周方向への長さ(以下「内側面40cの長さ」と称して説明する)が、その外側面(孔37に面する面)40bの外周方向への長さ(以下「外側面40bの長さ」と称して説明する)に比較して大きい。つまり、逆止弁40の外周部先端に形成される傾斜部(以下「逆止弁40の傾斜部」と称して説明する場合がある)40aは、熱パッファ室19に対して、内側面40cから外側面40bへ、その長さが小さくなるように傾斜する。なお、外側面40bの長さは、孔37の外周方向への長さ(外周径)より大きい。
また、本実施例に記載するガス遮断器100は、熱パッファ室19の機械パッファ室32側の外周部に、傾斜部(以下「熱パッファ室19の傾斜部」と称して説明する場合がある)19aを有する。熱パッファ室19に形成される熱パッファ室19の傾斜部19aは、熱パッファ室19の外周方向への長さ(外周径)が、機械パッファ室32に向かって小さくなる部分(傾斜している部分)である。
つまり、熱パッファ室19は、熱パッファ室19の機械パッファ室32側の端部(孔37が形成される面)19cにおける外周径が、熱パッファ室19の外周部19bにおける外周径に比較して小さい。なお、熱パッファ室19の機械パッファ室32側の端部19cにおける外周径とは、熱パッファ室19の機械パッファ室32側の外周部に形成される傾斜部19aと、熱パッファ室19の機械パッファ室32側の端部19cと、が交わる点19dが描く外周径である。なお、点19dは、図3上では点であるが、実際は円周である。
また、逆止弁40は、外側面40bの長さ(外周径)が、孔37の外周径より大きく、内側面40cの長さ(外周径)は、点19dが描く外周径より大きい。つまり、逆止弁40の最大外周径は、点19dが描く外周径よりも大きい。
そして、逆止弁40の傾斜部40aは、熱パッファ室19の傾斜部19aに沿って形成されることが好ましい。これにより、より確実に、逆止弁40にて、孔37を閉止することができる。
このように、本実施例に記載するガス遮断器100は、その開極状態において、逆止弁40の傾斜部40aが、熱パッファ室19の傾斜部19aと接するように(好ましくは平行に)形成され、逆止弁40の外側面40bが、熱パッファ室19の機械パッファ室32側の端部19cと接するように(好ましくは平行に)、隙間を開けずに、形成される。
本実施例によれば、逆止弁40が、熱パッファ室19の圧力を受ける逆止弁40の内側面40cの面積を、逆止弁40の外周部先端に傾斜部40aを形成しない場合に比較して、大きくすることができるため、逆止弁40が、容易に、確実に、孔37を閉止することができ、機械パッファ室32への高温及び高圧の絶縁ガスの漏れを低減することにより、熱パッファ室19の圧力の低下を抑制し、遮断性能を向上することができる。
このように本発明者らは、鋭意検討を行った結果、ガス遮断器100に設置される逆止弁40の形状を、明らかにすることにより、本発明の課題を解決することできることを見出した。そして、本実施例によれば、低コストであり、耐久性を確保し、遮断性能を向上することができるガス遮断器100を提供することができる。
図4は、実施例2におけるガス遮断器の開極状態を示す逆止弁の近傍を示す部分断面図である。
本実施例に記載するガス遮断器100は、実施例1に記載するガス遮断器100と比較して、逆止弁40の軸方向の厚みを大きくする点で異なる。
つまり、本実施例に記載する逆止弁40は、実施例1に比較して、内側面40cの面積を大きくすることができると共に、逆止弁40の傾斜部40aと熱パッファ室19の傾斜部19aとが接触する面積を大きくすることができる。
本実施例によれば、実施例1に比較して、熱パッファ室19の圧力を受ける逆止弁40の内側面40cの面積を、大きくすることができ、熱パッファ室19に流入する高温及び高圧の絶縁ガスを、より有効に使用することができると共に、より確実に、逆止弁40にて、孔37を閉止することができ、より遮断性能を向上させることができる。
図5は、実施例3におけるガス遮断器の開極状態を示す逆止弁の近傍を示す部分断面図である。
本実施例に記載するガス遮断器100は、実施例1に記載するガス遮断器100と比較して、逆止弁40の内側面40cの長さ及び外側面40bの長さを大きくする点で異なる。
つまり、本実施例に記載する逆止弁40は、実施例1に比較して、内側面40cの面積を大きくすることができる。
本実施例に記載するガス遮断器100は、その開極状態において、逆止弁40の傾斜部40aが、熱パッファ室19の傾斜部19aと接するように(好ましくは平行に)形成され、逆止弁40の外側面40bが、熱パッファ室19の機械パッファ室32側の端部19cと、隙間を開けて、形成される。
本実施例によれば、実施例1に比較して、熱パッファ室19の圧力を受ける逆止弁40の内側面40cの面積を、大きくすることができ、熱パッファ室19に流入する高温及び高圧の絶縁ガスを、より有効に使用することができると共に、より確実に、逆止弁40にて、孔37を閉止することができ、より遮断性能を向上させることができる。
なお、本実施例に記載するガス遮断器100は、実施例2に記載するガス遮断器100と比較して、逆止弁40の軸方向の厚み小さしく、逆止弁40の外側面40bが、熱パッファ室19の機械パッファ室32側の端部19cと平行に、隙間を開けて、形成される点で異なる。
つまり、本実施例に記載する逆止弁40は、実施例2に比較して、軽量にすることができる。このため、逆止弁40の動作の速度をより増加させることができる。
図6は、実施例4におけるガス遮断器の開極状態を示す逆止弁の近傍を示す部分断面図である。
本実施例に記載するガス遮断器100は、実施例1に記載するガス遮断器100と比較して、逆止弁40の内側面40cを前方側に屈曲させ、面40eと面40dとを形成し、逆止弁40の内側面40cの面積を大きくし、逆止弁40の傾斜部40aと熱パッファ室19の傾斜部19aとが接触する面積も、逆止弁40を屈曲させることにより大きくする点で異なる。つまり、本実施例では、逆止弁40を前方側(熱パッファ室19の機械パッファ室32側の端部19cと反対側であり、熱パッファ室19に導入する高温及び高圧の絶縁ガス50の導入方向と反対方向)に屈曲させる。
本実施例に記載するガス遮断器100は、その開極状態において、逆止弁40の傾斜部40aが、熱パッファ室19の傾斜部19aと接するように(好ましくは平行に)形成され、逆止弁40の外側面40bが、熱パッファ室19の機械パッファ室32側の端部19cと接するように(好ましくは平行に)、隙間を開けずに、形成される。
つまり、本実施例では、逆止弁40は、内側面40cが、軸方向に垂直に形成される面40eと前方側に傾斜する面40dとを有する。特に、本実施例では、面40dは逆止弁40の傾斜部40aと、面40eは逆止弁40の外側面40bと、平行に形成される。なお、逆止弁40は、面40dと傾斜部40aとにより屈曲部を形成する。つまり、逆止弁40は、その外周部に屈曲部を有する。
図7は、実施例4におけるガス遮断器の開極状態の初期を示す逆止弁の近傍を示す部分断面図である。
逆止弁40は、ガス遮断器100が閉極状態から開極状態へ移行する場合、まず、慣性力により、排気シャフト18の前方側に移動し、ストッパ41に係止(図7の状態)される。その後、熱パッファ室19に導入する高温及び高圧の絶縁ガス50の圧力により、排気シャフト18の後方側に(本実施例では、熱パッファ室19の機械パッファ室32側の端部19cまで)移動し、孔37を閉止(図6の状態)する。
本実施例によれば、実施例1に比較して、熱パッファ室19の圧力を受ける逆止弁40の内側面40cの面積を、大きくすることができ、熱パッファ室19に流入する高温及び高圧の絶縁ガスを、より有効に使用することができると共に、より確実に、逆止弁40にて、孔37を閉止することができ、より遮断性能を向上させることができる。
また、本実施例によれば、高温及び高圧の絶縁ガス50が、逆止弁40の内側面40cによりガイドされ、熱パッファ室19にて、渦流が形成され、熱パッファ室19に存在する比較的に低温なガスと高温及び高圧の絶縁ガス50とが混合し、高温及び高圧の絶縁ガス50の冷却が促進し、更に遮断性能を向上させることができる。
図8は、実施例5におけるガス遮断器の開極状態を示す逆止弁の近傍を示す部分断面図である。
本実施例に記載するガス遮断器100は、実施例4に記載するガス遮断器100と比較して、逆止弁40の内周部に軸方向に延設されたガイド部40fを有する点で異なる。
なお、ガイド部40fは、逆止弁40の外周部に形成された屈曲部と同じ方向に延設されることが好ましい。
つまり、本実施例に記載する逆止弁40は、実施例1に比較して、逆止弁40の動作を安定させることができる。
本実施例によれば、実施例4に比較して、逆止弁40の動作を安定させることができるため、つまり、ガス遮断器100が閉極状態から開極状態へ移行する場合、逆止弁40の前方側や後方側への傾きを抑制することができ、より遮断性能を向上させることができる。
図9は、実施例6におけるガス遮断器の開極状態を示す逆止弁の近傍を示す部分断面図である。
本実施例に記載するガス遮断器100は、実施例4に記載するガス遮断器100と比較して、熱パッファ室19に、熱パッファ室19の傾斜部19aを有さない点で異なる。
つまり、熱パッファ室19は、熱パッファ室19の機械パッファ室32側の端部19cと熱パッファ室19の外周部19bとが交わり、その角度は直角である。
このような熱パッファ室19であっても、高温及び高圧の絶縁ガス50が、逆止弁40の内側面40cによりガイドされ、熱パッファ室19にて、渦流が形成され、熱パッファ室19に存在する比較的に低温なガスと高温及び高圧の絶縁ガス50とが混合し、高温及び高圧の絶縁ガス50の冷却が促進し、更に遮断性能を向上させることができる。
そして、熱パッファ室19に流入する高温及び高圧の絶縁ガスを、より有効に使用することができると共に、より確実に、逆止弁40にて、孔37を閉止することができ、より遮断性能を向上させることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成を置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、本発明は、固定アーク接触子を駆動する双方向駆動機構を有するガス遮断器においても適用することができる。
1…操作機構、2…充填容器、3…操作ロッド、4…絶縁ノズル、5…可動側主接触子、6…固定側主接触子、7…絶縁支持筒、8…固定側絶縁筒、9…可動側主導体、10…排気穴、11…可動側アーク接触子、12…固定側アーク接触子、13…可動子カバー、14…可動側引出し導体、15…固定側引出し導体、16…シャフト排気穴、17…シリンダ、18…排気シャフト、19…熱パッファ室、20…ピストン、23…流路、31…アーク、32…機械パッファ室、33…パッファピストン、35…可動側導体内周空間、36…孔、37…孔、38…放圧弁、40…逆止弁、41…ストッパ、50…絶縁ガス、100…ガス遮断器。
Claims (7)
- 電力系統に、可動側引出し導体を介して、電気的に接続される可動側主導体と、前記可動側主導体の内部に、前記可動側主導体と同軸に設置される排気シャフトと、前記可動側主導体と前記排気シャフトとの間に形成される機械パッファ室と、前記機械パッファ室と孔を介して連通する熱パッファ室と、前記熱パッファ室に形成され、前記孔を閉止する逆止弁と、を有し、
前記逆止弁の外周側先端に傾斜部を有することを特徴とするガス遮断器。 - 前記逆止弁は、その内側面の長さがその外側面の長さより大きいことを特徴とする請求項1に記載のガス遮断器。
- 前記傾斜部は、前記逆止弁の内側面から前記逆止弁の外側面へ、その長さが小さくなることを特徴とする請求項1に記載のガス遮断器。
- 前記熱パッファ室は、傾斜部を有し、
その開極状態において、前記逆止弁の傾斜部が、前記熱パッファ室の傾斜部に接することを特徴とする請求項1に記載のガス遮断器。 - その開極状態において、前記逆止弁の外側面が、前記熱パッファ室の機械パッファ室側の端部に接することを特徴とする請求項1に記載のガス遮断器。
- 前記逆止弁を屈曲させることを特徴とする請求項1に記載のガス遮断器。
- 前記逆止弁の内周部に、軸方向に延設されるガイド部を有することを特徴とする請求項6に記載のガス遮断器。
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