JP2020119700A - 導電性ペーストの製造方法 - Google Patents

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【課題】導電性ペーストの導電性金属粉末の含有量を変動させることなく、導電性ペーストの静置による保管中および輸送時の貯蔵安定性を満足することができる、導電性ペーストの製造方法を提供する。【解決手段】有機溶剤が含む水分を脱水する脱水工程と、金属粒子が分散した、樹脂、有機溶剤および金属粒子を含む分散体を、前記脱水工程により脱水した有機溶剤で希釈する希釈工程と、を含む、導電性ペーストの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、導電性ペーストの製造方法に関し、より詳しくは、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の内部電極の用途に好適な導電性ペーストの製造方法に関する。
導電性ペーストは、導電性金属粉末、樹脂および溶剤等を含有しており、電子部品の電極等の導電部を形成する材料として広く用いられている。例えば、セラミック等の基板やグリーンシートの表面に、スクリーン印刷等の印刷技術を利用して、導電性ペーストから所定のパターン形状を有する印刷膜を形成した後、加熱乾燥により該印刷膜から溶媒を除去し、残った乾燥膜をその中に含まれる導電性金属粉末が焼結する温度かつ樹脂が燃焼する温度で焼成することで、金属膜からなる電極を得る方法が知られている。
導電性ペーストは、長期間に亘って保管されたり、長時間かけてスクリーン印刷が行われたりする場合がある。そのため、導電性ペーストは粘度の経時変化率が小さいことが望ましい。例えば、特許文献1には、導電性ペーストに添加する有機溶剤を改善することで、導電性ペーストの粘度の経時変化率を低く抑える技術が開示されている。
特開2012−226865号公報
レオロジーコントロール剤、[online]、[平成30年11月29日検索]、インターネット<URL:https://www.tetsutani.co.jp/wp-content/uploads/2015/12/06.pdf>
また、導電性ペーストの粘度は、上記の経時変化の問題の他、初期粘度も重要である。初期粘度が低すぎると、長期間の静置による保管中や輸送時に溶剤等の有機成分が浮いて貯蔵安定性を満足しないおそれがあり、また、印刷パターン形状に、にじみやだれが生じパターン形成不良が発生するおそれがある。一方で、初期粘度が高すぎると、貯蔵安定性を満足するものの、ハンドリングの低下や所望のパターンに印刷できない等により印刷性が低下するおそれがある。
導電性ペーストの初期粘度は、溶剤の含有量を調整することにより、所定範囲に調整することができる。しかしながら、溶剤の含有量を調整すると、導電性金属粉末の含有量が変動してしまうことで、内部電極の膜厚が変わってしまう。その結果として、MLCCの性能に影響をおよぼしたり、MLCCの性能を維持するために導電性ペーストの印刷条件を再度検討し直す必要が生じたりするため、溶剤の含有量の調整による初期粘度の調製は好ましくない。
本発明は、このような状況に鑑み、導電性ペーストの静置による保管中および輸送時の貯蔵安定性を満足することができる、導電性ペーストの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題について、本発明者等は種々の検討を行ったところ、導電性ペースト中の水分が粘度を低下させることの知見を得た。そして、導電性ペーストの粘度を高くするべく、導電性ペースト中の水分量を低減するための種々の検討を行い、本発明を想到するに至った。
上記課題を解決するために、本発明の導電性ペーストの製造方法は、有機溶剤が含む水分を脱水する脱水工程と、金属粒子が分散した、樹脂、有機溶剤および金属粒子を含む分散体を、前記脱水工程により脱水した有機溶剤で希釈する希釈工程と、を含む。
本発明の導電性ペーストの製造方法であれば、導電性ペーストの導電性金属粉末の含有量を変動させることなく、粘度を高粘度化することで、貯蔵安定性を満足することができる。
脱水工程の具体的な態様の一例を示す概略図である。
以下、本発明の導電性ペーストの製造方法の一例について、説明する。本発明の導電性ペーストの製造方法は、脱水工程と、希釈工程を含む。
[脱水工程]
本工程は、有機溶剤が含む水分を脱水する工程である。
(有機溶剤)
有機溶剤は、導電性ペーストを構成する材料の1つであり、例えば、樹脂を溶解したり、導電性ペーストの粘度や金属粒子の含有量を調整したりするものである。用いることのできる有機溶剤としては、特に限定されず、従来公知の溶剤を適宜選択して用いることができる。例えば、飽和脂肪族系炭化水素溶剤、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が好ましい例として挙げられる。飽和脂肪族系炭化水素溶剤としては、飽和炭化水素を主成分として含有する溶剤を好ましく用いることができ、特にトリデカン、ノナン、シクロヘキサンを含有する溶剤をより好ましく用いることができる。また、ターピネオール、ジヒドロターピネオール等のテルペン系溶剤、ジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルアセテート、イソボルニルプロピネート、イソボルニルブチレート、イソボルニルイソブチレート等が挙げられる。さらに、炭素鎖9〜16の炭化水素混合物を用いることができ、例えばLAWSやHAWS等のミネラルスピリットが挙げられる。これらの有機溶剤は、1種類のみを用いても良く、2種類以上を用いても良い。
以下、図1に示す脱水工程の具体的な態様の一例を示す概略図を参照しつつ、脱水工程の具体例について説明する。例えば、脱水対象となる有機溶剤10を入れた容器20と、脱水剤30を入れた容器40を、流体の出入りを遮断することのできる密閉容器50の中に所定時間静置することにより、有機溶剤が含む水分を脱水することができる。ここで、脱水剤30は有機溶剤10と接触せず、これらが非接触の状態で脱水処理を行う。これらが非接触であることにより、脱水工程後に脱水剤30と有機溶剤10を分離させる処理を省くことができ、有機溶剤10が汚染されることはない。また、密閉状態においてこれらが非接触であることにより、密閉容器50中に揮発した水分を脱水剤30が吸水することができるため、有機溶剤10の過度な揮発による溶剤量の大幅な減少を防止することができる。
脱水工程において、有機溶剤10に対して脱水剤30をどの程度の量使用するかについて、特に限定はない。例えば、脱水剤30は、有機溶剤10の飽和水分量に対し、質量比で10倍以上100倍以下とすることができる。脱水剤30が有機溶剤10の飽和水分量に対して10倍以上であれば、24時間の静置によって脱水の効果が十分に得られる。24時間であれば、脱水剤30をかかる質量比で100倍を超える量を使用しても、脱水の効果は変わらない。なお、かかる質量比が10倍未満の場合は、脱水の効果が不十分となり、導電性ペーストの初期粘度を十分に高くすることができないおそれがある。
密閉容器50としては、有機溶剤10により溶解しない等の耐溶剤性を有し、密閉できるものであれば材質は特に限定されず、ガラス製、プラスチック製、金属製等の容器を用いることができる。有機溶剤10と脱水剤30を密閉することにより、24時間程度の脱水により、導電性ペーストの粘度を十分に高くすることができる程度に、有機溶剤10中の水分を脱水できる効果を発揮する。密閉は必須ではないが、密閉しない場合は、有機溶剤10の脱水に24時間以上必要となることがある。
なお、本発明における脱水工程は、上記の他、脱水剤を充填したカラムに有機溶剤を通過させて脱水する工程とすることも可能である。ただし、カラムの洗浄や脱水剤の再生の作業工数を考慮すると、有機溶剤と脱水剤が非接触である方が、脱水剤の再生が容易であり、再利用し易い為、脱水作業の効率が良い。本発明に係る脱水工程では、導電性ペーストに用いる他の原料、例えば、金属粒子、樹脂やその他の添加剤等も、有機溶剤と同様に脱水処理を行うことが効果的である。
(脱水剤)
有機溶剤が含む水分を脱水するための脱水剤としては、水を選択的に除去できるものが好ましく、これを満たせば特に限定されないが、例えば、化学的脱水剤としては、化学物質固有の特性を利用した酸化カルシウム、塩化カルシウムが挙げられる。また、物理的脱水剤としては、脱水剤の表面が多孔質構造のシリカゲル、活性炭、酸化アルミニウム、ゼオライト(天然ゼオライト、合成ゼオライト(以下、モレキュラーシーブともいう)、ゼオライトを上位概念化したアルミノケイ酸塩等)や、層状物質のアロフェン、粘土鉱物等が挙げられる。中でも、ゼオライトは、細孔径が0.3nm以上0.5nm以下のものを選択することで、水だけを選択的に吸着することができるため、より好ましい。これらの脱水剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
特に、脱水剤が、シリカゲル、酸化アルミニウム、ゼオライト、アロフェンおよび粘土鉱物の少なくとも1以上であれば、これらの脱水剤は水分を除去させることが容易であり、かつ水分を除去することで繰り返し脱水剤として再利用することができるため、より好ましい。
[希釈工程]
本工程は、金属粒子が分散した、樹脂、有機溶剤および金属粒子を含む分散体を、脱水工程により脱水した有機溶剤で希釈する工程である。この工程により、導電性ペーストにおける金属粒子の濃度を調整することができる。
希釈工程としては、分散体を脱水した有機溶剤によって希釈することのできる工程であれば、特に限定されない。例えば、2本ロールミル、3本ロールミル、ビーズミル、ボールミル、ディスパー、プラネタリーミキサー、自公転式攪拌装置、ニーダー、ミックスローター、ホモジナイザー等を用いて分散体を希釈させることができる。
〈分散体〉
分散体は、樹脂、有機溶剤および金属粒子を含み、金属粒子が分散したものである。分散体が入手可能であれば、それを用いれば足りるが、分散体を製造する場合には、例えば有機溶剤へ溶解させた樹脂(バインダー樹脂)に、粉末状の金属粒子を添加し、混練することにより、分散体を製造することができる。また、金属粒子が溶媒等に分散した状態のスラリーに、樹脂を混合することによっても、分散体を製造することができる。
ここで、分散体を製造する際に、樹脂、有機溶剤および金属粒子の他に、分散剤や粘度調整剤、その他の添加剤を添加しても良い。この時、これらの添加剤を添加する順番は特に限定されず、例えば、適宜順番に添加することや、全ての材料を同時に添加することもできる。また、バインダー樹脂に金属粉末を添加した後に、これらの添加剤を添加しても良い。
分散剤を得るための金属粒子の分散方法としては、特に限定されないが、例えば、2本ロールミル、3本ロールミル、ビーズミル、ボールミル、ディスパー、プラネタリーミキサー、自公転式攪拌装置、ニーダー、ミックスローター、スターラー等を用いて分散させることができる。例えば、ミキサーによってバインダー樹脂と金属粒子を撹拌、混合後に、スリーロールミルによって、さらに分散させることが好ましい。スリーロールミルを用いた場合、金属粒子の凝集がほぐれるため、分散体中により細かい粒子径を持つ金属粒子をより均一に分散させることができる。
(樹脂)
本発明の導電性ペーストの製造方法では、樹脂を予め有機溶剤に溶解させたバインダー樹脂の状態のものを用いることにより、含有量の調製が容易となる。樹脂を溶解させる有機溶剤としては、上記した脱水工程により脱水した有機溶剤であることが好ましい。ただし、脱水していない有機溶剤を用いても、バインダー樹脂を製造する際に有機溶剤は加熱されるため、これにより有機溶剤中の水分量が減るため、本発明の効果は十分に得られる。
樹脂としては、エチルセルロースやニトロセルロース等のセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、ブチルメタクリレートやメチルメタクリレート等のアクリル樹脂等が挙げられる。これらを単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
バインダー樹脂を調整する際の具体的な条件は特に限定されないが、例えば、有機溶剤を50℃以上60℃以下に加熱した恒温槽の中で、これらの樹脂を有機溶剤に徐々に加え、樹脂が溶解するまで攪拌しながら加熱することで調整することができる。
バインダー樹脂の濃度は、使用目的に合わせて適宜調整すれば良い。また、調整したバインダー樹脂は、密閉容器で保管することが好ましい。
(有機溶剤)
分散体を得るために用いる有機溶剤については、脱水工程にて説明したものを使用することができる。なお、本発明の脱水工程により脱水した有機溶剤を使用することで、導電性ペースト中の水分量をさらに低減することができるため、導電性ペーストの粘度をより高粘度化することができる。ただし、脱水していない有機溶剤を用いても、本発明の効果は十分に得られる。
(金属粒子)
分散させる金属粒子としては、Ni、Cu、Pd、Agおよびこれらの合金から選ばれる1種類以上の粒子を用いることができる。例えば、金属粒子が粉末状やスラリー状であれば、導電性ペーストの製造が容易となる。
金属粒子の平均粒径は特に限定されないが、導電性ペーストの場合、0.05μm以上0.5μm以下とすることが好ましい。なお、金属粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)の写真により求められる値であり、粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。
(その他の構成)
分散体や導電性ペーストには、その作用を損なわせない範囲で、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。具体的には、上記したような、分散工程や希釈工程において、ニッケル粒子の分散性をより向上させるための分散剤や、チクソ性を高めるためのレオロジーコントロール剤等を含有することができる。また、共材として、焼結温度を調整することを目的としたチタン酸バリウム、ポリビニルブチラール(PVB)、添加剤等を含んでもよい。
〈その他の工程〉
本発明において、上記した脱水工程および希釈工程によって導電性ペーストを製造することができるが、これらの工程以外にも、他の工程を含んでもよい。例えば、上記した分散体を得るために、樹脂や有機溶剤等へ金属粒子を分散させる分散工程や、樹脂を有機溶剤へ溶解させてバインダー樹脂を得る工程等が挙げられる。
以下、実施例および比較例によって、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されることはない。
[実施例1]
以下に示す脱水工程、分散工程および希釈工程を行い、導電性ペーストを製造した。
(脱水工程)
ポリエチレン製容器40(容量110ml)に、脱水剤30としてゼオライト(東ソー株式会社製:A−3 タイプ 585)を30g計量した。次に、別のポリエチレン製容器20(容量110ml)に、有機溶剤10としてターピネオール(日本香料社製)を100g計量した。その後、密閉容器50(ポリプロピレン樹脂容器「タイトボックスNo.2」(株式会社サンプラテック製))に、ポリエチレン容器20、40の蓋をせずに、計量した脱水剤30と、有機溶剤10を入れ、密閉した。この状態で、室温で24時間静置し、有機溶剤10に含まれる水分を脱水した。脱水工程後、有機溶剤10の重さを測定した結果、0.4g減少しており、有機溶剤10から0.4gの水分を脱水できたことがわかった。
(分散工程)
導電性粉末として粉末状のニッケル粒子(平均粒径:0.3μm)50gと、予め調整したバインダー樹脂(質量比でエチルセルロース:ターピネオール=10:90)30gと、分散剤としてオレイン酸(関東化学社製)0.5gを、パレットナイフを用いて粗練した後、ロール温度25℃±2℃で3本ロールミル(ビューラー株式会社製)を10パスすることにより、分散体を作製した。
(希釈工程)
次に、分散体へ脱水工程により脱水したターピネオールを20g添加して希釈し、室温(18℃〜24℃)においてボール盤を用いて攪拌羽根により10分攪拌し、導電性ペーストを作製した。
(粘度測定)
作製したペーストについて、レオメーター(PHYSICA社製:MCR501 CP25-0.5)を用いて室温(25℃)条件下における粘度の測定を行った。
表1に、脱水対象の有機溶剤、脱水工程による有機溶剤の水分減少量、およびせん断速度が0.01s−1、0.315s−1、1000s−1、の場合のせん断粘度の測定結果を示す。以下の実施例2、3および従来例1についても、表1へ同様に示す。
[実施例2]
有機溶剤を石油系炭化水素の混合溶媒であるミネラルスピリットA(JX日鉱日石エネルギー社製)に変えた以外は、実施例1と同様に脱水工程を行った。脱水工程終了後、有機溶剤10の重さを測定した結果、2.8g減少しており、有機溶剤10から2.8gの水分を脱水できたことがわかった。また、この有機溶剤10を用いて、実施例1と同様に導電性ペーストを作製し、粘度測定を行った。
[実施例3]
実施例1、2で使用したものと同様のターピネオールとミネラルスピリットを、質量比で1:2.5に混合した混合溶媒100gを有機溶剤10とし、ゼオライトの量を150gにした以外は、実施例1と同様に脱水工程を行った。脱水工程終了後、有機溶剤10の重さを測定した結果、2.4g減少しており、有機溶剤10から2.4gの水分を脱水できたことがわかった。また、この有機溶剤10を用いて、実施例1と同様に導電性ペーストを作製し、粘度測定を行った。
[実施例4]
ゼオライトに代えてシリカゲル(豊田化工(株)社製:型番QP(白)10G)を用いた以外は、実施例1と同様に脱水工程を行った。脱水工程終了後、有機溶剤10の重さを測定した結果、1.0g減少しており、有機溶剤10から1.0gの水分を脱水できたことがわかった。また、この有機溶剤10を用いて、実施例1と同様に導電性ペーストを作製し、粘度測定を行った。尚、シリカゲルは、定温乾燥機(ADVANTEC社製)で、120℃、2時間の熱処理を実施してから用いた。
[実施例5]
ゼオライトに代えて実施例4と同様の熱処理をしたシリカゲルを用いた以外は、実施例2と同様に脱水工程を行った。脱水工程終了後、有機溶剤10の重さを測定した結果、3.2g減少しており、有機溶剤10から3.2gの水分を脱水できたことがわかった。また、この有機溶剤10を用いて、実施例1と同様に導電性ペーストを作製し、粘度測定を行った。
[実施例6]
ゼオライトに代えて実施例4と同様の熱処理をしたシリカゲルを用いた以外は、実施例3と同様に脱水工程を行った。脱水工程終了後、有機溶剤10の重さを測定した結果、3.0g減少しており、有機溶剤10から3.0gの水分を脱水できたことがわかった。また、この有機溶剤10を用いて、実施例1と同様に導電性ペーストを作製し、粘度測定を行った。
[従来例1]
脱水処理をしていない混合溶媒(ターピネオールとミネラルスピリットを質量比で1:2.5)を用いた以外は、実施例3と同様にペーストを作製した。
Figure 2020119700
表1の結果より、実施例1〜6のいずれの有機溶剤の場合であっても、ゼオライトまたはシリカゲルを用いた脱水工程により有機溶剤の水分を脱水することができた(実施例1〜6)。従来例1では、脱水工程を行っていないため、希釈工程に使用した混合溶媒は、実施例3、6の結果を展開させると、少なくとも2.4質量%の水分を含有したものであると認識できる。
また、せん断粘度の評価は、導電性ペーストの貯蔵時のせん断速度(0.001〜0.01s−1)、輸送時のせん断速度(0.01〜1s−1)、およびハンドリングやスクリーン印刷等の使用時のせん断速度(10〜100000s−1)を想定したものであり(例えば、非特許文献1)、それぞれの代表値として0.01s−1、0.315s−1、1000s−1のせん断速度におけるせん断粘度を測定した。
その結果、せん断速度が0.01s−1および1000s−1の場合のせん断粘度は、実施例1〜6および従来例1において大きな違いは認められなかった。この結果より、貯蔵時および使用時においては、有機溶剤の水分に起因する顕著な粘度変化は認められず、実施例1〜6の導電性ペーストは従来同等の特性を示したことがわかった。
一方で、せん断速度が0.315s−1の場合のせん断粘度については、有機溶剤の水分の脱水による顕著な差が認められた。すなわち、実施例1〜6の導電性ペーストは、いずれも従来例1の導電性ペーストよりも高いせん断粘度を示した。この結果より、輸送時において、従来例1の導電性ペーストであれば有機溶剤等の有機成分が浮いてしまい、輸送後に導電性ペーストの再撹拌が必要となるような条件であっても、実施例1〜6の導電性ペーストであれば、再撹拌が不要または従来よりも軽度の再撹拌で足りることが予想できた。
また、実施例1〜6の導電性ペーストの金属粒子の含有量は、従来例1と同様であり、含有量を変動させていないため、内部電極とした場合の膜厚が従来と変わることはなく、その結果として、MLCCの性能に影響をおよぼすことはない。また、導電性ペーストの印刷条件を再度検討し直す必要はなく、既存の条件をそのまま用いることができる。
[まとめ]
以上より、本発明であれば、高価な装置や耐規模な設備を必要とせず、また、従来の導電性ペーストの性能を低下させることなく、簡便に輸送時等の貯蔵安定性を向上させることができる。
10 有機溶剤
20 容器
30 脱水剤
40 容器
50 密閉容器

Claims (4)

  1. 有機溶剤が含む水分を脱水する脱水工程と、
    金属粒子が分散した、樹脂、有機溶剤および金属粒子を含む分散体を、前記脱水工程により脱水した有機溶剤で希釈する希釈工程と、
    を含む、導電性ペーストの製造方法。
  2. 前記脱水工程は、脱水対象となる有機溶剤が含む水分を脱水剤により脱水する段階を含み、前記脱水剤は有機溶剤と接触しない、請求項1に記載の導電性ペーストの製造方法。
  3. 前記脱水剤が、酸化カルシウム、塩化カルシウム、シリカゲル、活性炭、酸化アルミニウム、ゼオライト、アロフェンおよび粘土鉱物の少なくとも1以上である、請求項1または2に記載の導電性ペーストの製造方法。
  4. 前記脱水剤が、シリカゲル、酸化アルミニウム、ゼオライト、アロフェンおよび粘土鉱物の少なくとも1以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ペーストの製造方法。
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