JP2020119311A - 駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定した振動触感を呈示できる駆動装置を提供する。【解決手段】駆動装置1は、複数の駆動部により共通のパネル110を駆動して、パネルに対して操作する操作者に触感呈示、振動呈示を行なうものであり、パネル110の変位量を規定する変位量調整部70を備えて、安定した操作触感を実現する。変位量調整部70を備えることにより変位量が管理されるので、複数の駆動部が駆動特性の個体ばらつきを有する場合でも、安定した操作触感を実現できる。なお、駆動特性の個体ばらつきは、例えば、それぞれの駆動源41、51により駆動したときの駆動力、移動距離、移動幅等である。【選択図】図1
Description
本発明は、駆動装置に関する。
従来の駆動装置として、固定部よりヒンジを介して互いに平行に延びる2本のアーム端部にヒンジを介して形成された可動部と、アームを介して可動部を移動させる平行ばねと、固定部に設けられたアクチュエータと、を備えた駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この駆動装置は、可動部が伸縮可能な圧電体からなるアクチュエータにより振動制御される。
しかし、従来の駆動装置を複数の駆動部として使用して1つのパネルを駆動する駆動装置を構成する場合には、それぞれの駆動部の固体差による変位量のばらつきにより、パネルの振動触感が製品毎にばらつく、という問題があった。
従って本発明の目的は、安定した振動触感を呈示できる駆動装置を提供することにある。
[1]上記目的を達成するため、固定ベースと、前記固定ベースに支持されて移動可能とされた可動部と、前記可動部を駆動する駆動源と、を備えた駆動部と、前記駆動部を複数使用した複数の駆動部により、前記複数の駆動部のそれぞれの可動部を介して駆動されるパネルと、前記固定ベースと前記パネルとの間に、前記パネルの変位量を規定する変位量調整部と、を有する駆動装置を提供する。
[2]前記変位量調整部での変位量は、前記複数の駆動部のそれぞれの変位量よりも小さい値に設定されている、上記[1]に記載の駆動装置であってもよい。
[3]また、前記変位量調整部は、前記パネルの変位量を変更できる構成とされている、上記[1]又は[2]に記載の駆動装置であってもよい。
[4]また、前記パネルは、前記複数の駆動部により振動駆動されて前記パネルの操作時に触感呈示する、上記[1]から[3]のいずれか1に記載の駆動装置であってもよい。
[2]前記変位量調整部での変位量は、前記複数の駆動部のそれぞれの変位量よりも小さい値に設定されている、上記[1]に記載の駆動装置であってもよい。
[3]また、前記変位量調整部は、前記パネルの変位量を変更できる構成とされている、上記[1]又は[2]に記載の駆動装置であってもよい。
[4]また、前記パネルは、前記複数の駆動部により振動駆動されて前記パネルの操作時に触感呈示する、上記[1]から[3]のいずれか1に記載の駆動装置であってもよい。
本発明の駆動装置によれば、安定した振動触感を呈示できる。
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る駆動装置の構成を示す概略図であり、図1(b)は、図1(a)をA方向から見た側面図であり、図1(c)は、駆動部としてのソレノイドを図1(a)のB方向から見た部分図である。
本発明の実施の形態に係る駆動装置1は、複数の駆動部により共通のパネル110を駆動して、パネルに対して操作する操作者に触感呈示、振動呈示を行なうものであり、パネル110の変位量を規定する変位量調整部70を備えて、安定した操作触感を実現する。変位量調整部70を備えることにより変位量が管理されるので、複数の駆動部が駆動特性の個体ばらつきを有する場合でも、安定した操作触感を実現できる。なお、駆動特性の個体ばらつきは、例えば、それぞれの駆動源としてのソレノイド41、51により駆動したときの駆動力、移動距離、移動幅等である。
本発明の実施の形態に係る駆動装置1において、駆動部40、50は、固定ベース10に支持されて移動可能とされた可動部20(可動板21、可動部材22、24、パネル110)と、可動部材22、24を駆動する駆動源としてのソレノイド41、51と、を備えて構成されている。
駆動装置1は、固定ベース10と、複数の駆動部40、50と、この複数の駆動部40、50のそれぞれの可動部材22、24を介して駆動されるパネル110と、固定ベース10とパネル110との間に、パネル110の変位量を規定する変位量調整部70と、を有して構成されている。
図1に示すように、可動部材22、24は、共通の可動板21に固定され、この可動板21上に装着されたパネル110が、複数の駆動部40、50のそれぞれの可動部材22、24、可動板21を介して駆動されるものである。
本実施の形態は、複数の駆動部として2つの駆動部40、50を使用するタンデム駆動である。2つの駆動部40、50は、同一の構成により作製されるが、形状、組み立て等の誤差により、駆動特性は個体ばらつきを有する。なお、複数の駆動部は、2つには限られず、2以上の駆動部を有する構成に適用可能である。
(固定ベース10)
固定ベース10は、駆動装置1の筐体として機能し、ばね30、ソレノイド41、51等が取り付けられるベースとなる。また、固定ベース10は、ばね30を介して可動板21が取り付けられ、ソレノイド41、51、パネル110等を備えた駆動装置1を、取付け対象100に取り付け固定するためのベースとして機能する。
固定ベース10は、駆動装置1の筐体として機能し、ばね30、ソレノイド41、51等が取り付けられるベースとなる。また、固定ベース10は、ばね30を介して可動板21が取り付けられ、ソレノイド41、51、パネル110等を備えた駆動装置1を、取付け対象100に取り付け固定するためのベースとして機能する。
固定ベース10は、金属、樹脂等で形成され、取り付けのベースとして十分な剛性を有する材料であれば使用できる。なお、取付け対象100は、駆動装置1を車両に取り付ける場合には、例えば、車両のセンターコンソール、インストルメントパネル等である。
(可動部20)
可動部20は、可動板21、可動部材22、24、パネル110が一体として可動可能となるように構成されている。可動部20は、可動板21が固定ベース10から重力方向Gに抗して支持され、固定ベース10に対して移動可能とされて構成されている。可動部20は、図1(a)に示すように、下方向に作用する重力方向Gに対して、上方向に向けてばね30によって支持されている。可動部20は、ばね30の弾性変形の範囲で、固定ベース10に対してX方向(左右方向)に移動可能とされている。
可動部20は、可動板21、可動部材22、24、パネル110が一体として可動可能となるように構成されている。可動部20は、可動板21が固定ベース10から重力方向Gに抗して支持され、固定ベース10に対して移動可能とされて構成されている。可動部20は、図1(a)に示すように、下方向に作用する重力方向Gに対して、上方向に向けてばね30によって支持されている。可動部20は、ばね30の弾性変形の範囲で、固定ベース10に対してX方向(左右方向)に移動可能とされている。
可動板21の上には、パネル110が装着されている。パネル110は、例えば、操作者が操作する板状の部材であり、操作者の操作を受け付け、また、可動部20の振動等をパネル110を介して操作者に呈示することができる。なお、パネル110は、可動板21と一体に形成されていてもよい。
可動板21は、金属、樹脂等で形成され、ばね30に比べて十分剛性の高い材料であれば使用可能である。
可動部材22、24は、図1(a)、(b)に示すように、ソレノイド41、51で発生する磁束を通す磁性部材23、25を備えるので、非磁性材料が好ましい。
磁性部材23、25は、例えば、電磁軟鉄、電磁鋼等が使用できる。
(ばね30)
ばね30は、可動部20を支持する弾性部材で形成されている。ばね30は、弾性部材で形成された板ばねであって、例えば、板厚tのばね用ステンレス鋼を使用できる。なお、ばね30は、弾性部材で形成されていればよく、板ばねの他、コイルばね等でもよい。また、ばね以外の弾性部材として、ゴム等を使用することも可能である。
ばね30は、可動部20を支持する弾性部材で形成されている。ばね30は、弾性部材で形成された板ばねであって、例えば、板厚tのばね用ステンレス鋼を使用できる。なお、ばね30は、弾性部材で形成されていればよく、板ばねの他、コイルばね等でもよい。また、ばね以外の弾性部材として、ゴム等を使用することも可能である。
ばね30は、可動部20を支持する形状であれば任意に設計可能である。本実施の形態では、図1(a)、(b)に示すように、一端側31a、31bが固定ベース10に固定され、他端側の固定部30cが可動板21に取り付けられる形状とされている。ばね30は、図1(a)、(b)に示すように、略平行に構成された板ばね部30a、30bと、各板ばね部30a、30bを繋ぐ固定部30cで一体に形成されている。
ばね30は、例えば、図1(a)に示すように、ばね部30aが固定部30cに対して、略90°の角度で形成されている。同様に、ばね部30bが固定部30cに対して、略90°の角度で形成されている。これにより、ばね部30aと30bは、平行ばねとされている。
ばね30は、図1(a)、(b)に示すように、固定部30cが可動部20に固定され、ばね部30a、30bの各一端側31a、31bが固定ベース10に固定される。
ばね30は、図1(a)に示すように、ばね部30a、30bが平行な平行ばねとなっているので、固定部30cの固定された可動部20及びパネル110は、略水平状態を保持しながら、図1(a)に示すX方向(左右方向)に移動可能である。なお、可動部20及びパネル110は、ばね部30a、30bの撓みに応じて、図1(a)に示す上下方向(すなわち、重力方向G)にわずかに移動する。
(ソレノイド41、51)
駆動部としてのソレノイド41、51は、同じ構造により構成されているので、以下、ソレノイド41について説明する。
駆動部としてのソレノイド41、51は、同じ構造により構成されているので、以下、ソレノイド41について説明する。
駆動部としてのソレノイド41は、図1(a)、(b)に示すように、取付台45により固定ベース10に固定され、発生した磁束が主に通る本体部と、本体部に巻回された電磁コイル43a、43bにより構成されている。
ソレノイド41の本体部は、図1(c)に示すように、中間部41aと、中間部41aの両側からそれぞれ突出して形成されたコイル巻回部41b、41cから構成されている。コイル巻回部41b、41cには、それぞれ、巻線により電磁コイル43a、43bが装着されている。
電磁コイル43a、43bは、直列に接続されていても、並列に接続されていてもよく、電磁コイルへの通電により、図1(c)に示すように、所定の方向に磁束Hを発生させるように構成されていればよい。なお、電磁コイルへの通電により、本体部には、アンペールの右ねじの法則にしたがった方向に、磁束Hが発生する。
ソレノイド41の本体部は、電磁軟鉄、電磁鋼等が使用できる。また、電磁コイル43a、43bは、電気機器の巻線用電線、すなわちマグネットワイヤが使用できる。
ソレノイド41の電磁コイル43a、43bへ通電することにより、磁束Hが発生する。この磁束は、図1(a)、(c)に示すように、コイル巻回部41b、中間部41a、コイル巻回部41c、及び、可動部材22に固定された磁性部材23と、により、磁気回路を構成する。コイル巻回部41b、41cの各端面と磁性部材23の間には、点P2の間隔位置で、所定の間隔の駆動部間隙a1が設定されている。この駆動部間隙a1の範囲で、可動部20は、図1(a)に示す左右方向に移動できる。また、この駆動部間隙a1は磁気回路のエアギャップgであり、この間で、ソレノイド41と磁性部材23の間の吸着力が作用する。
ソレノイド51についても同じ構造で構成されている。ただし、形状、組み立て等の誤差により、ソレノイド41で説明したコイル巻回部の各端面と磁性部材25の間の駆動部間隙は、点P3の間隔位置で、駆動部間隙a2である。このソレノイド41の駆動部間隙a1とソレノイド51の駆動部間隙a2とは、一致しない場合がある。
(制御部60)
制御部60は、ソレノイド41、51を所定の駆動方法で駆動制御する。制御部60は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータを備える。また、駆動部としてのソレノイド41、51を駆動するための電流ドライバ等を備える。
制御部60は、ソレノイド41、51を所定の駆動方法で駆動制御する。制御部60は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータを備える。また、駆動部としてのソレノイド41、51を駆動するための電流ドライバ等を備える。
制御部60は、図1(a)に示すように、振動呈示のための入力信号Vsに基づいて、電磁コイル43a、43b、53a、53bへ電流Id1、Id2を通電する電流出力部を備えている。また、入力信号Vsに基づいて、電流出力を振動呈示の回数、振動間隔により制御する出力制御部等を備えている。なお、電流Id1、Id2は同一電流値でもよい。
(別実施例)
図2は、駆動部の他の実施例として示すモータ駆動機構を示す、図1(a)相当の概略図である。図2に示すモータ駆動機構90は、固定ベース10に固定された支持台93に固定され、回転可能に支持された回転ギア92を備えた駆動部としてのモータ91と、可動板21に取り付けられ、回転ギア92と噛合うラックギア26とから概略構成されている。モータ91は、例えば、DCブラシモータ等が使用できる。
図2は、駆動部の他の実施例として示すモータ駆動機構を示す、図1(a)相当の概略図である。図2に示すモータ駆動機構90は、固定ベース10に固定された支持台93に固定され、回転可能に支持された回転ギア92を備えた駆動部としてのモータ91と、可動板21に取り付けられ、回転ギア92と噛合うラックギア26とから概略構成されている。モータ91は、例えば、DCブラシモータ等が使用できる。
複数の駆動部のもう一方のモータ駆動機構95も同様の構成である。固定ベース10に固定された支持台98に固定され、回転可能に支持された回転ギア97を備えた駆動部としてのモータ96と、可動板21に取り付けられ、回転ギア97と噛合うラックギア27とから概略構成されている。モータ96は、例えば、DCブラシモータ等が使用できる。
制御部60は、図1(a)に示したように、振動呈示のための入力信号Vsに基づいて、モータ91、96へ電流Id1、Id2を通電する電流出力部を備えている。また、入力信号Vsに基づいて、電流出力を振動呈示の回数、振動間隔により制御する出力制御部等を備えている。なお、電流Id1、Id2は同一電流値でもよい。
(変位量調整部70)
変位量調整部70は、固定ベース10とパネル110との間に設けられ、パネル110の変位量、すなわち、可動部20の変位量を規定するものである。
変位量調整部70は、固定ベース10とパネル110との間に設けられ、パネル110の変位量、すなわち、可動部20の変位量を規定するものである。
図3は、図1(a)で示す変位量調整部の部分詳細図である。変位量調整部70は、可動板21に固定された当接板80と、当接板80と所定の調整間隙bを隔てて固定されたピエゾアクチュエータ72で構成されている。ピエゾアクチュエータ72は、取付部材74を介して、固定ベース10に固定されている。
ピエゾアクチュエータ72は、ピエゾ素子が積層された長さがLのアクチュエータであり、右端72aと当接板80との間隙が調整間隙bとされている。変位量調整部は、複数の駆動部のそれぞれの変位量よりも小さい値に設定されている。すなわち、この調整間隙bは、前述したソレノイド41の駆動部間隙a1及びソレノイド51の駆動部間隙a2よりも小さな値とされている。これにより、可動部20(パネル110)の移動可能範囲を調整間隙bの値のみにより制限することができる。
また、変位量調整部は、パネル110の変位量を変更できる構成とされている。すなわち、変位量調整部の調整間隙bは、制御部60により電圧を印加することにより、長さLを伸縮させることができる。これにより、調整間隙bを可変することが可能である。
ピエゾアクチュエータ72は、例えば、ピエゾ素子を積層して形成された積層型の圧電ピエゾアクチュエータであり、ピエゾ素子の材料としては、例えば、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などが用いられる。
本実施の形態においては、変位量調整部70における調整間隙bの可変機構を、ピエゾアクチュエータによるものとしたが、他の可変機構であってもよい。例えば、モータ等により調整間隙bの可変させてもよく、また、手動により調整間隙bの可変させてもよい。
(本実施の形態に係る駆動装置1の動作)
本実施の形態に係る駆動装置1の動作として、駆動電流Id1、Id2によりソレノイド41、51を駆動して、パルスによる振動呈示を行なう場合について説明する。ソレノイド41、51の駆動により、図1(a)に示すX方向にソレノイド41、51が駆動され、これにより、可動部20、すなわち、パネル110が振動する。この振動により、パネル110の表面に操作者が指200を接触させているときに、振動呈示、触覚呈示が行われる。この振動呈示、触覚呈示は、操作者に対して、パネル110を操作したことに対する報知機能を付与するものである。
本実施の形態に係る駆動装置1の動作として、駆動電流Id1、Id2によりソレノイド41、51を駆動して、パルスによる振動呈示を行なう場合について説明する。ソレノイド41、51の駆動により、図1(a)に示すX方向にソレノイド41、51が駆動され、これにより、可動部20、すなわち、パネル110が振動する。この振動により、パネル110の表面に操作者が指200を接触させているときに、振動呈示、触覚呈示が行われる。この振動呈示、触覚呈示は、操作者に対して、パネル110を操作したことに対する報知機能を付与するものである。
なお、ソレノイド41、51の駆動は、1パルスに限られず、複数パルスでも可能であり、また、各パルスの間隔、パルス幅は任意に設定可能である。また、正弦波等による駆動であってもよい。
制御部60は、図1(a)に示す駆動電流Id1により、電磁コイル43a、43bへの通電制御を行なう。電磁コイル43a、43bへの通電により、ソレノイド41(コイル巻回部41b、中間部41a、コイル巻回部41c)には、図1(c)に示すように、所定の方向に磁束Hが発生する。
駆動部間隙a1だけ離隔して配置されている磁性部材23は、上記の磁束Hにより、コイル巻回部41b、中間部41a、コイル巻回部41cと閉磁路を形成する。この閉磁路を形成するために、ソレノイド41と磁性部材23の間には吸着力が作用する。
吸着力は、図1(a)、(c)に示すように、例えば、X方向に作用するf1である。これにより、可動部20、パネル110は、左右方向に駆動され、パネル110の表面に接触している操作者の指200に対して、振動呈示、触覚呈示を行なうことができる。
ここで、本実施の形態では、変位量調整部70での変位量は、複数の駆動部のそれぞれの変位量よりも小さい値に設定されている。すなわち、この調整間隙bは、前述したソレノイド41の駆動部間隙a1及びソレノイド51の駆動部間隙a2よりも小さな値とされている。
これにより、可動部20、パネル110の移動範囲、振動範囲は、調整間隙bを上限とした範囲内に限定されることになる。したがって、複数の駆動部、すなわち、駆動部40、50の駆動力、移動距離、移動幅等により、それぞれの駆動部が駆動特性の個体ばらつきを有する場合でも、調整間隙bを上限として変位量が管理される。よって、振動呈示、触覚呈示が可能となり、安定した操作触感を実現できる。
ここで、図4は、変位量調整部の有り無しの違いによる駆動特性の違いを説明するための、可動部の変位量の時間変化を示す振動特性の実測グラフであり、図4(a)は、変位量調整部が無い場合の振動特性を示し、図4(b)は、変位量調整部が有る場合の振動特性を示す実測グラフである。
図4(a)において、黒色実線で示す変位量のグラフは、第1の測定ポイントでの変位量の実測値であり、具体的には、図1(a)で示した駆動部40の上部にあるパネル110での変位量である。また、灰色実線で示す変位量のグラフは、第2の測定ポイントでの変位量の実測値であり、具体的には、図1(a)で示した駆動部50の上部にあるパネル110での変位量である。
変位量調整部が無い場合は、図1(a)に示すように、駆動部40と駆動部50のそれぞれの駆動特性の個体ばらつきにより、第1の測定ポイントと第2の測定ポイントで、変位量に差異が生じる。これにより、触感が安定しない。したがって、振動タイミングがずれて求める触感が出せない、バラつきにより振動対象であるパネル110が回転等して振動ロスが発生する、製品毎の触感がばらつく、等の問題が生じることになる。
これに対して、変位量調整部が有る場合は、図1(b)に示すように、第1の測定ポイントと第2の測定ポイントでの変位量が一致する。これにより、触感が安定する。すなわち、変位量調整部を設けることにより、変位量が複数の駆動部の個体差に依らず、求める触感が得られる。また、振動ロスも抑制できる。
本実施の形態では、図3に示したように、変位量調整部70において、調整間隙bを可変することが可能とされている。したがって、制御部60により、ピエゾアクチュエータ72への電圧印加量を変化させることにより、調整間隙bを可変して、ユーザ好みに触感を変更することができる。
(実施の形態の効果)
(1)本実施の形態に係る駆動装置1は、複数の駆動部により共通のパネル110を駆動して、パネルに対して操作する操作者に触感呈示、振動呈示を行なうものであり、パネル110の変位量を規定する変位量調整部70を備えて、安定した操作触感を実現するものである。本実施の形態は、複数の駆動部として2つの駆動部40、50を使用するタンデム駆動である。2つの駆動部40、50は、同一の構成により作製されるが、形状、組み立て等の誤差により、駆動特性は個体ばらつきを有する。しかし、変位量調整部70での変位量は、複数の駆動部のそれぞれの変位量よりも小さい値に設定されている。それぞれの駆動部が駆動特性の個体ばらつきを有する場合でも、調整間隙bを上限として変位量が管理される。よって、振動呈示、触覚呈示が可能となり、安定した操作触感を実現できる。
(2)変位量調整部70を有する構成により、駆動部40と駆動部50のそれぞれの駆動特性の個体ばらつきがあった場合でも、触感が安定する。すなわち、変位量調整部を設けることにより、変位量が複数の駆動部の個体差に依らず、求める触感が得られる。また、振動ロスも抑制できるという効果を有する。
(3)また、変位量調整部70において、調整間隙bを可変することが可能とされている。したがって、制御部60により、ピエゾアクチュエータ72への電圧印加量を変化させることにより、調整間隙bを可変して、ユーザ好みに触感を変更することができる。
(4)別実施例として、駆動部をモータ駆動機構、圧電素子による駆動機構等にすることも可能である。これにより、多様な駆動方式が可能になり、また、設計の自由度が確保できる。
(1)本実施の形態に係る駆動装置1は、複数の駆動部により共通のパネル110を駆動して、パネルに対して操作する操作者に触感呈示、振動呈示を行なうものであり、パネル110の変位量を規定する変位量調整部70を備えて、安定した操作触感を実現するものである。本実施の形態は、複数の駆動部として2つの駆動部40、50を使用するタンデム駆動である。2つの駆動部40、50は、同一の構成により作製されるが、形状、組み立て等の誤差により、駆動特性は個体ばらつきを有する。しかし、変位量調整部70での変位量は、複数の駆動部のそれぞれの変位量よりも小さい値に設定されている。それぞれの駆動部が駆動特性の個体ばらつきを有する場合でも、調整間隙bを上限として変位量が管理される。よって、振動呈示、触覚呈示が可能となり、安定した操作触感を実現できる。
(2)変位量調整部70を有する構成により、駆動部40と駆動部50のそれぞれの駆動特性の個体ばらつきがあった場合でも、触感が安定する。すなわち、変位量調整部を設けることにより、変位量が複数の駆動部の個体差に依らず、求める触感が得られる。また、振動ロスも抑制できるという効果を有する。
(3)また、変位量調整部70において、調整間隙bを可変することが可能とされている。したがって、制御部60により、ピエゾアクチュエータ72への電圧印加量を変化させることにより、調整間隙bを可変して、ユーザ好みに触感を変更することができる。
(4)別実施例として、駆動部をモータ駆動機構、圧電素子による駆動機構等にすることも可能である。これにより、多様な駆動方式が可能になり、また、設計の自由度が確保できる。
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…駆動装置、10…固定ベース、20…可動部、21…可動板、22、24…可動部材、23、25…磁性部材、26、27…ラックギア、30…ばね、30a…ばね部、30b…ばね部、30c…固定部、31a、31b…一端側、40、50…駆動部、41、51…ソレノイド、41a、51a…中間部、41b、51b…コイル巻回部、41c、51c…コイル巻回部、43a、43b、53a、53b…電磁コイル、45、55…取付台、60…制御部、70…変位量調整部、72…ピエゾアクチュエータ、72a…右端、74…取付部材、80…当接板、90、95…モータ駆動機構、91、96…駆動部(モータ)、92、97…回転ギア、100…取付け対象、110…パネル、200…指
a1、a2…駆動部間隙、b…調整間隙、g…エアギャップ
f1…吸着力、f2…力、G…重力方向、H…磁束、Id1、Id2…駆動電流、Vs…入力信号、θ…角度、P1…重心位置、P2、P3…間隔位置
a1、a2…駆動部間隙、b…調整間隙、g…エアギャップ
f1…吸着力、f2…力、G…重力方向、H…磁束、Id1、Id2…駆動電流、Vs…入力信号、θ…角度、P1…重心位置、P2、P3…間隔位置
Claims (4)
- 固定ベースと、
前記固定ベースに支持されて移動可能とされた可動部と、前記可動部を駆動する駆動源と、を備えた駆動部と、
前記駆動部を複数使用した複数の駆動部により、前記複数の駆動部のそれぞれの可動部を介して駆動されるパネルと、
前記固定ベースと前記パネルとの間に、前記パネルの変位量を規定する変位量調整部と、
を有する駆動装置。 - 前記変位量調整部での変位量は、前記複数の駆動部のそれぞれの変位量よりも小さい値に設定されている、請求項1に記載の駆動装置。
- 前記変位量調整部は、前記パネルの変位量を変更できる構成とされている、請求項1又は2に記載の駆動装置。
- 前記パネルは、前記複数の駆動部により振動駆動されて前記パネルの操作時に触感呈示する、請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019010283A JP2020119311A (ja) | 2019-01-24 | 2019-01-24 | 駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019010283A JP2020119311A (ja) | 2019-01-24 | 2019-01-24 | 駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020119311A true JP2020119311A (ja) | 2020-08-06 |
Family
ID=71890873
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019010283A Pending JP2020119311A (ja) | 2019-01-24 | 2019-01-24 | 駆動装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2020119311A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115255425A (zh) * | 2022-08-30 | 2022-11-01 | 航天特种材料及工艺技术研究所 | 一种钻镗床分段式远距感应供电振动辅助加工系统 |
-
2019
- 2019-01-24 JP JP2019010283A patent/JP2020119311A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115255425A (zh) * | 2022-08-30 | 2022-11-01 | 航天特种材料及工艺技术研究所 | 一种钻镗床分段式远距感应供电振动辅助加工系统 |
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