JP2020118777A - 液晶回折レンズ - Google Patents

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幹生 小林
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Abstract

【課題】 少なくとも2つの光学的状態を有する電気活性レンズにおいて、電気活性化状態においても色収差が十分良く補正された電気活性レンズを提供すること。【解決手段】 少なくとも2つの光学状態を有する電気活性レンズであり、前記電気活性材料からなるレンズLqと、少なくとも一つ以上の回折面と、少なくとも2つのレンズL1、L2を有しており、回折面におけるパワーをφD、レンズL1の屈折によるパワーをφ1、レンズL1のアッベ数をν1、レンズL2のアッベ数をν2、レンズL1とレンズL2のアッベ数の差をΔνとしたとき、以下の条件式を満たすことを特徴とする。φD×φ1×Δν<0ただし、Δν=ν1−ν2【選択図】図6

Description

本発明は、可変焦点機能を有する液晶回折レンズに関する。
近年、高齢化が進み高齢者人口の増加が顕著になっている。そして、多くの高齢者が抱える共通の悩みとして老視が上げられ、老視は高齢者が快適な生活をしていく上での解決すべき課題となっている。
老視は年齢とともに、眼の屈折力の調整幅が徐々に縮小してゆくことによって生じ、調整力の縮小によって読書距離などの近点に焦点を合わせることが困難になる。多くの高齢者にとって、老視を解消する一般的な手段は、老眼鏡を用いることである。
現在、一般的に流通している老眼鏡には、単焦点レンズや遠近両用累進レンズ、二重焦点レンズなどを用いたタイプがある。正視の高齢者にとっては、読書時などの近点に焦点を合わせる際にのみ、単焦点レンズの老眼鏡を用いれば老視が解消される。
一方、非正視の高齢者は、無限遠などの遠点に焦点が合うように調整されたレンズにおいて、その一部が老眼用に加工された遠近両用累進レンズや二重焦点レンズを眼鏡に用いる必要がある。
しかしながら、遠近両用累進レンズや二重焦点レンズを用いた眼鏡では、レンズ内に光学的パワー(焦点距離)の異なる領域が混在しているため、眼鏡を用いて遠方を見る際に景色が歪んで見える、ピントが合わない部分が生じてぼけて見える等の課題がある。
また、二重焦点レンズにおいては、老眼用パワー部の小玉がレンズの一部分に付加されている形状のため、眼鏡自体の見た目がよくないという問題もある。
これらの課題を解決するため、老眼用パワー部を可変パワーとし、無限遠などの遠方を見る際はパワーを付加させず、読書距離などの至近を見る際にのみパワーを付加する方法として、液晶回折レンズを用いた眼鏡が特許文献1に開示されている。
また、特許文献2には、眼鏡レンズで発生する色収差を、回折光学素子を用いて低減された眼鏡レンズが開示されている。
特開2013−137544号公報 特開2000−284238号公報
しかしながら、特許文献1のように回折面にて屈折力を付加する眼鏡レンズの場合、回折面において、色収差が発生する。特許文献1においては、回折光学面によって発生する色収差については述べておらず、色収差が低減された構成の眼鏡レンズではない。
特許文献2においては、屈折光学系からなる眼鏡レンズで発生する色収差を低減するために回折面を用いた構成となっており、読書距離などの至近を見る際にのみパワーを付加する液晶回折レンズのような眼鏡レンズにおいて、適切に色収差を補正した構成となっていない。
そこで、本発明は、少なくとも2つの光学的状態を有する電気活性レンズにおいて、電気活性化状態においても色収差が十分良く補正された電気活性レンズを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る電気活性レンズは、
少なくとも2つの光学状態を有し、かつ、前記電気活性材料からなるレンズLqと、少なくとも一つ以上の回折面と、少なくとも2つのレンズL1、L2を有しており、回折面におけるパワーをφD、レンズL1の屈折によるパワーをφ1、レンズL1のアッベ数をν1、レンズL2のアッベ数をν2、レンズL1とレンズL2のアッベ数の差をΔνとしたとき、以下の条件式を満たすことを特徴とする。
φD×φ1×Δν<0
ただし、Δν=ν1−ν2
本発明によれば、少なくとも2つの光学的状態を有する電気活性レンズにおいて、電気活性化状態においても色収差が十分良く補正された電気活性レンズを得ることができる。
比較例の電気活性レンズを含む光学系のレンズ断面図 比較例の電気活性レンズ、及び部分断面図 比較例の電気活性レンズにおける、電圧を付加した状態の横収差図 比較例の電気活性レンズにおける、電圧を付加しない状態の横収差。 実施例1の電気活性レンズを含む光学系のレンズ断面。 実施例1の電気活性レンズ、及び部分断面図 実施例1の電気活性レンズにおける、電圧を付加した状態の横収差図 実施例1の電気活性レンズにおける、電圧を付加しない状態の横収差図 実施例2の電気活性レンズを含む光学系のレンズ断面図 実施例2の電気活性レンズ、及び部分断面図 実施例2の電気活性レンズにおける、電圧を付加した状態の横収差図 実施例3の電気活性レンズを含む光学系のレンズ断面図 実施例3の電気活性レンズ、及び部分断面図 実施例3の電気活性レンズにおける、電圧を付加した状態の横収差図 実施例4の電気活性レンズを含む光学系のレンズ断面図 実施例4の電気活性レンズ、及び部分断面図 実施例4の電気活性レンズにおける、電圧を付加した状態の横収差。 実施例5の電気活性レンズを含む光学系のレンズ断面図 実施例5の電気活性レンズ、及び部分断面図 実施例5の電気活性レンズにおける、電圧を付加した状態の横収差図 実施例6の電気活性レンズを含む光学系のレンズ断面図 実施例6の電気活性レンズ、及び部分断面図 実施例6の電気活性レンズにおける、電圧を付加した状態の横収差図
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の電気活性レンズは、少なくとも2つの光学的状態を有する。ここで、光学的状態とは電気活性レンズの光学的パワー(焦点距離)を意味しており、本発明の電気活性レンズは電気不活性化状態と電気活性化状態とで異なるパワーを有する。
代表的な例としては、電気不活性化状態において実質的にパワーを有しておらず、電気活性化状態において所望のパワー、例えば+2D(ディオプター)を有するものである。
このような電気活性レンズを老眼鏡に用いることで、無限遠などの遠方を見る際は老眼用パワー部にパワーを付加させず、読書距離などの至近を見る際にのみ老眼用パワー部にパワーを付加することが可能となる。
次に、比較例を用いながら、本発明の実施形態である電気活性レンズの収差について説明する。
図1(a)に、比較例の構成の電気活性レンズの断面図を示す。
レンズ断面図において、左方が物体側(前方)で、右方が像側(後方)である。レンズ断面図において、SPは絞り(瞳・虹彩)である。
IPは像面であり、デジタルスチルカメラなどの撮影光学系として使用する際にはCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面に相当する。眼鏡レンズや双眼鏡などの観察光学系として使用する場合には、IPは目の網膜に相当する。
500は比較例の電気活性レンズであり、図1(a)に示す光路図においては、電圧を印可することにより、パワーを付加させた状態となっている。Leyeは眼の水晶体等による屈折力を模した理想レンズであり、虹彩絞りSPと同じ位置に設定している。また、RPは眼の回旋点である。
図1(b)に、回旋点RPを中心に眼球を10°回転させた状態の断面図を示す。
図1(a)と同様に電気活性レンズ500を眼の物体側に配置しており、電気活性レンズ500は動かさずに、眼球(SP、Leye、IP)のみを回転させた構成としている。
回旋点RPは、眼を模した理想レンズLeyeから13mmの場所に設定している。
図1(b)の構成においても、図1(a)と同様に、電圧を印可することにより、パワーを付加させた状態となっている。
図2に、図1(a)に示した電気活性レンズの詳細断面図を示す。但し、図4は格子深さ方向にかなりデフォルメされた図となっている。
比較例の電気活性レンズ500は、光入射側(図中上側)から順に、基板510、電気活性材料530、基板520の順で積層された構成となっている。また、電気活性材料530と基板520の間に回折面560を有している。
さらに、電気活性レンズ500は、電極540、550を有する。電極は光学的に透明であり、たとえばITOから構成される。
電極540、550は、電気活性材料530に所望の電圧を印加し、電気活性材料の屈折率および屈折率分散を所望の値に変化させることで、回折面560に回折パワーを付加して、至近物体などの観察を容易にするものである。
しかし、+2Dほどの回折パワーを付加した場合、回折面で発生する色収差も多くなってしまう。特に図1(b)に示すように眼を回旋させた場合に、大きな偏心倍率色収差が発生する。
図1(a)に示す光路における横収差図を図3(a)に示し、図1(b)に示す光路における横収差図を図3(b)に示す。
収差図において、d、g、C、Fはそれぞれd線、g線、C線およびF線に関する収差であることを示す。ωは半画角、FnoはFナンバーである。
また、図1(a)における構成で、電圧を印可せず、回折面560によるパワーを付加していない状態における横収差を図4(a)に示し、図1(b)における構成で、電圧を印可せず、回折面560によるパワーを付加していな状態における横収差を図4(b)に示す。
電圧を印可せずに回折面によるパワー付加が小さい状態においては、図4(a)、図4(b)に示すように色収差は少ない。
しかし、回折面によるパワー付加されている状態においては、図3(a)に示すように、軸上色収差が発生したり、図3(b)に示すように、偏心倍率色収差が大きく発生したりしてしまう。
図5(a)に、実施例1の構成の電気活性レンズの断面図を示す。
電気活性レンズ以外の構成は図1(a)に示す比較例の電気活性レンズと同等である。図5(a)に示す光路図においては、電圧を印可することにより、パワーを付加させた状態となっている。
図5(b)に、回旋点RPを中心に眼球を10°回転させた状態の断面図を示す。
図5(a)と同様に電気活性レンズ100を眼の物体側に配置しており、電気活性レンズ100は動かさずに、眼球(SP、Leye、IP)のみを回転させた構成としている。
回旋点RPは、眼を模した理想レンズLeyeから13mmの場所に設定している。
図5(b)の構成においても、図5(a)と同様に、電圧を印可することにより、パワーを付加させた状態となっている。
図6に、図5(a)に示した電気活性レンズの詳細断面図を示す。但し、図6は格子深さ方向にかなりデフォルメされた図となっている。
本実施例1の電気活性レンズ100は、光入射側(図中上側)から順に、基板110、第1のレンズ120、電気活性材料(第1の格子材料)130、第2の格子材料140、第2のレンズ150、基板160の順で積層された構成となっている。
また、電気活性材料130と第2の格子材料140の間に回折面200を有している。210は、回折面200の格子先端を連ねた包絡線である。
さらに、電気活性レンズ100は、電極170、180、190を有する。電極は光学的に透明であり、たとえばITOから構成される。透明電極170及び190はセグメント化された電極である。
電極170および180の電気活性材料に接する面に配向膜を設けても良く、これにより電気活性材料の配向を制御しても良い。
電極170、180および190は、電気活性材料130に所望の電圧を印加し、2つの電気活性材料の屈折率および屈折率分散を所望の値に変化させる。
電気活性材料130は、電圧非印可時の屈折率及び分散は、Nd=1.593、νd=24.4であり、格子材料140の屈折率及び分散は、Nd=1.598、νd=42.1である。そのため、電圧非印可時は、電気活性材料130と格子材料140の間の屈折率差は小さく、回折面200において発生する回折パワーは小さい。
電気活性材料130に電圧を印可すると、電気活性材料130の屈折率は下がり、Nd=1.505、νd=32.2となり、格子材料140との間に屈折率差が生じ、+2Dの回折パワーが発生する。
なお、本発明において、アッベ数νd、部分分散比θgFの定義は一般に用いられるものと同じであり、フラウンホーファー線のg線、F線、d線、C線に対する屈折率をそれぞれNg,NF,Nd,NCとするとき、それぞれ次式で表される。
νd=(Nd−1)/(NF−NC) ・・・(a)
θgF=(Ng−NF)/(NF−NC) ・・・(b)
電気活性化状態に、波長λの場合に電気活性レンズの回折面において、回折次数mの回折光の回折効率が最大となる条件は、光路長差Φ(λ)が、
Φ(λ)=(n02−n01)×d1=mλ ・・・(c)
なる条件を満足することである。
ここで、上記(c)式において、n02は格子材料140を形成する材料の波長λの光に対する屈折率であり、同様に、n01は電気活性材料130を形成する材料の波長λの光に対する屈折率である。d1は格子面200の格子厚である。
格子厚d1は、電気活性レンズの使用波長域で、(c)式のφ(λ)が高くなるように設定される。実施例1の回折光学素子において、格子厚d1は6.01μmである。
本発明の電気活性レンズは、上記のように電圧を印可することで回折パワーを付加して、至近物体などの観察を容易にするものである。
また、本発明の電気活性レンズにおいては、回折面200で発生する色収差を、第1のレンズ120と第2のレンズ150で低減するよう、第1のレンズ120と第2のレンズ150のパワーと分散を選択している。
図5(a)に示す光路における横収差図を図7(a)に示し、図5(b)に示す光路における横収差図を図7(b)に示す。
図7(a)、図7(b)に示すように、本実施例の電気活性レンズにおいては、電圧を印可して回折面によるパワーを付加した状態において、図3(a)、図3(b)に示す比較例よりも色収差を低減できていることがわかる。
回折面におけるパワーをφD、レンズL1の屈折によるパワーをφ1、レンズL1のアッベ数をν1、レンズL2のアッベ数をν2、レンズL1とレンズL2のアッベ数の差をΔνとしたとき、以下の条件式を満たすことで、回折面で発生した色収差を低減することができる。
φD×φ1×Δν<0 ・・・(1)
ただし、Δν=ν1−ν2 ・・・(1a)
なお、各数値実施例の回折光学素子の各回折面の位相形状ψは、次式によって表される。
ψ(h,m)=(2π/mλ)(C+C+C…)・・・(d)
ここに、
h:光軸に対して垂直方向の高さ
m:回折光の回折次数
λ:設計波長
Ci:位相係数(i=2,4,6…)
である。
また、任意の波長λ、任意の回折次数mに対する回折格子のパワーφDは、最も低次の位相係数Cを用いて次のように表すことができる。
φD(λ,m)=−2Cmλ/λ・・・(e)
各数値実施例において、回折光学素子を構成する各回折格子の回折次数mは全て1であり、設計波長λは全てd線の波長(587.56nm)である。
また、各レンズL1、L2の屈折によるパワーφ1、φ2は、それぞれ空気中におけるレンズの屈折力を表わし、各レンズの焦点距離の逆数で与えられ、回折によるパワーを含まない値である。
各レンズL1、L2の表面に回折面が設けられていても本発明の効果は失われるものではなく、レンズL1、L2の表面に回折面が設けられている場合、パワーφ1、φ2は、回折格子の先端を連ねた包絡線(例えば図6における曲線210)の曲率半径を用いて計算したものである。
次に、図5(a)における構成で、電圧を印可せず、回折面200によるパワーを付加していない状態における横収差を図8(a)に示し、図5(b)における構成で、電圧を印可せず、回折面200によるパワーを付加していな状態における横収差を図8(b)に示す。
図8(a)、図8(b)に示すように、電圧非印可時に若干の色収差が発生している。これは、電圧印可時の色収差を補正した逆効果のためである。しかし、色収差の量は少ないため、眼鏡レンズように観察光学系として使用する場合、影響が少ない量に抑えられている。
また、レンズL1とレンズL2のアッベ数の逆数の差をΔνrとしたとき、以下の条件式を満たすことで、さらに良好に色収差の補正が可能となる。
0.003<Δνr<0.1 ・・・(2)
ただし、Δνr=|1/ν1−1/ν2| ・・・(2a)
(2)式の下限を下回ると、十分な補正効果が得られず、(2)式の上限を超えると、電圧を印可しない状態における色収差の発生が多くなってしまう。
(2)式は好ましくは以下の範囲とするのがよい。
0.01<Δνr<0.05 ・・・(2b)
電圧印可状態と電圧非印可状態の両方において、色収差をバランスよく抑えるためには、レンズL1とレンズL2で補正する色収差量を適切に設定することが望ましい。
電気活性レンズの中心部における屈折レンズによる色収差の合計をCsとし、電気不活性化状態における前記電気活性レンズ全体のパワーをφoffとしたとき、以下の条件式を満たすことで、電圧印可状態と電圧非印可状態の両方において、色収差をバランスよく補正することができる。
0.03<(Cs−φoff/35)×1000<0.5・・・(3)
ただし、Csは、各レンズLi(i=1、2、・・・)のd線におけるパワーをφi、アッベ数をνiとしたとき、
で与えられる。
ここで、各レンズLiのパワーφiは、レンズLiの空気中における焦点距離の逆数であり、表面上に回折格子が形成されている場合は、回折格子の先端を連ねた包絡線(例えば図6における曲線210)の曲率半径を用いて計算したものである。
(3)式の下限を下回ると、十分な色収差補正効果が得られず、(3)式の上限を超えると、電圧を印可しない状態における色収差の発生が多くなってしまう。
(3)式は好ましくは以下の範囲とするのがよい。
0.05<(Cs−φoff/35)×1000<0.35・・・(3b)
(3)式はさらに好ましくは以下の範囲とするのがよい。
0.10<(Cs−φoff/35)×1000<0.25・・・(3c)
また、屈折レンズ(L1、L2)を用いた色収差の補正量は回折光学素子で発生する色収差とのバランスを考えて設定することが望ましい。具体的には、電気活性化状態における回折面における色収差をCdとしたとき、以下の条件式を満たすことが望ましい。
−0.8<(Cs−φoff/35)/Cd<0 ・・・(4)
ここで、回折面における色収差Cdは、回折格子のパワーφDを回折レンズにおけるアッベ数で割った数値、すなわち以下の式であらわされる。
Cd=−φD/3.45 ・・・(4a)
(4)式の下限を下回ると、電圧を印可しない状態における色収差の発生が多くなってしまう。(4)式の上限を上回ると、回折面で発生する色収差の補正が足りなくなり、電圧を印可した状態における色収差の発生を抑制できなくなる。
(4)式は好ましくは以下の範囲とするのがよい。
−0.6<(Cs−φoff/35)/Cd<−0.05 ・・・(4b)
(4)式はさらに好ましくは以下の範囲とするのがよい。
−0.45<(Cs−φoff/35)/Cd<−0.1 ・・・(4c)
また、レンズL1とレンズL2のd線における屈折率差をΔNとしたとき、以下の条件式を満たすことが望ましい。
|ΔN|<0.1 ・・・(5)
(5)式の上限を超えると、色収差以外の諸収差が低下するため好ましくない。
電気活性レンズ100において、電気活性材料130はそれぞれ、コレステリック液晶、またはカイラルツイスト剤が添加されたネマチック液晶であることが好ましい。コレステリック液晶は、ネマチック液晶と同様に、光学的に一軸性であり複屈折性を有する。
ただし、コレステリック液晶に関しては、液晶分子のディレクタが液晶材料の厚さ方向に渡って螺旋状に回転する。
液晶分子のディレクタが360°回転するまでの回転軸に沿った長さをツイストピッチと呼ぶ。ツイストピッチに相当する波長を有し、液晶分子のディレクタに垂直に伝播する光波に対して、コレステリック液晶は平均屈折率nave=(no+ne)/2を有する。
十分に強い電圧が印加された場合、液晶分子のディレクタは印加された電場と平行になる。このため、電場方向に伝播する光波に対して、コレステリック液晶は常光屈折率noを有する。
したがって、コレステリック液晶は、印加された電場強度に従って液晶分子の配向を変化させ、ディレクタの回転軸に沿って伝播する光波に対して平均屈折率naveと常光屈折率noとの間の屈折率値を有する。
また、ネマチック液晶にカイラルツイスト剤を添加することにより、コレステリック液晶と同等の特性を得ることが可能である。
カイラルツイスト剤を添加したネマチック液晶は、元のネマチック液晶と同じ常光屈折率noおよび異常光屈折率neを有し、添加するカイラルツイスト剤のヘリカルツイスト力によりツイストピッチを所望の値に調整することが可能である。
コレステリック液晶やカイラルツイスト剤を添加したネマチック液晶の平均屈折率naveは、入射光波の偏光状態に依存しない一定値となるため、コレステリック液晶やカイラルツイスト剤を添加したネマチック液晶は偏光不感受性を有する。
このため、電気活性材料130として、コレステリック液晶、またはカイラルツイスト剤を添加したネマチック液晶を用いることにより、ランダムに偏光された光波に対して一様に収束力を付加することが可能となる。
実施例1の電気活性レンズにおいては、有効径全域において回折面を有し、電圧印可時と電圧非印可時でパワーが変化する構成であったが、本発明の効果はこれに限るものではない。
図9に、実施例2の構成の電気活性レンズの断面図を示す。
図9に示す光路図においては、電圧を印可することにより、パワーを付加させた状態となっている。
図9に示すレンズ断面図は、回旋点RPを中心に眼球を10°回転させた状態である。回旋点RPは、眼を模した理想レンズLeyeから13mmの場所に設定している。電気活性レンズ100以外の構成は実施例1の電気活性レンズと同様である。
図9に示す電気活性レンズにおいては、中心部の領域R1と周辺部の領域R2で異なるレンズ構成としている。
また、本実施例2の電気活性レンズにおいては、電圧を印可しない状態においても負のパワーを持つ構成となっている。例えば近眼の人の場合、遠方を見る際にはレンズに負のパワーを持たせることにより眼の毛様体筋を酷使することなく焦点を合わせやすくなる。
至近物体を見る際には、電圧を印可することで、負のパワーに加えて正のパワーを付加することで、眼にストレスなく至近物体に焦点を合わせることができる。
図10に、図9に示した電気活性レンズの詳細断面図を示す。但し、図10は格子深さ方向及び径方向にかなりデフォルメされた図となっている。
本実施例2の電気活性レンズ100は、中心部R1の領域においては、実施例1の電気活性レンズと同様の構成となっている。
実施例2の電気活性レンズにおいても、中心部R1においては、実施例1と同様に、第1のレンズ120と第2のレンズ150のパワーと分散を適切に選択することで、回折面200で発生する色収差を低減した構成となっている。
電気活性材料130、及び格子材料140は、実施例1と同一の材料を用いており、電圧非印可時は、回折面200において発生する回折パワーは小さく、電気活性材料130に電圧を印可すると、回折面200において回折による正のパワーが発生する。
周辺部R2の領域においては、光入射側(図中上側)から順に、基板111、電気活性材料131、第2の材料層141、基板161の順で積層された構成となっている。
ここで、中心部R1と周辺部R2で、基板110と111、電気活性材料130と131、第2の材料層140と141、及び基板160と161をそれぞれ同一の材料とすることで、中心部と周辺部を一体化することができ、製造上好ましい。
さらに、電気活性レンズ100は、外周部R2において電極171、181、191を有する。電極は光学的に透明であり、たとえばITOから構成される。透明電極171及び191は中心部R1とは異なり、セグメント化されていない電極である。
本発明の電気活性レンズは、中心部R1においては、電圧を印可することで回折パワーを付加して、至近物体などの観察を容易にするものである。
それに対し、周辺部R2においては、電気活性材料131からなる層は回折面を設けておらず、かつ、光学的にパワーを持たないため、電圧を印可してもパワーが変化しない。
前述したように、電気活性レンズに回折面を設けたことにより回折面で大きな色収差が発生するが、回折面で発生する色収差は光軸から離れるほど大きくなる。そのため、回折面の有効径を大きくすると周辺部で発生する色収差が増大してしまう。
そのため、本実施例2の電気活性レンズのように、中心部のみに回折面を設けて、中心部のみを電圧印可によってパワーを変化させる構成にすると、周辺部の色収差を増大させない構成となるため好ましい。
その際に、電圧を印可していない状態において、領域R1におけるパワーをφR1、領域R2におけるパワーをφR2としたとき、以下の条件式を満たすことで、領域R1と領域R2の境界において画像の飛びが少なく、違和感の少ない画像とすることができる。
0.9<φR2/φR1<1.1 ・・・(6)
(6)式は好ましくは以下の範囲とするのがよい。
0.95<φR2/φR1<1.05 ・・・(6b)
図9に、示す光路における横収差図を図11に示す。
本実施例2の電気活性レンズのように、電圧を印可しない状態においても負のパワーを持つ構成の場合、パワーを持たないレンズに比べて色収差が多く発生するため、電圧印可時の色収差も多く発生してしまう。
しかし、図11に示すように、本実施例の電気活性レンズにおいては、電圧を印可して回折面によるパワーを付加した状態においても色収差を低減できており、至近物体を観察する時にも物体の色にじみが少ない状態で観察することができる。
さらに、中心部に近い領域R1における屈折レンズによる色収差の合計をCs1、R2における屈折レンズによる色収差の合計をCs2、Cs1とCs2の差をΔCsとしたとき、以下の条件式を満たすことで、電圧印可状態と電圧非印可状態の両方において、色収差をバランスよく補正することができる。
0.03<ΔCs×1000<0.5 ・・・(7)
ただし、ΔCs=Cs1−Cs2 ・・・(7a)
(7)式の下限を下回ると、十分な色収差補正効果が得られず、(7)式の上限を超えると、電圧を印可しない状態における色収差の発生が多くなってしまう。
(7)式は好ましくは以下の範囲とするのがよい。
0.05<ΔCs×1000<0.35 ・・・(7b)
(7)式はさらに好ましくは以下の範囲とするのがよい。
0.10<ΔCs×1000<0.25 ・・・(7c)
前記電気活性レンズの領域R1における回折面における色収差をCd1、領域R2における回折面における色収差をCd2、Cd1とCd2の差をΔCdとしたとき、以下の条件式を満たすことで、電圧印可時と電圧非印可時の両方の状態においてバランスよく色収差を抑制することができる。
−0.8<ΔCs/ΔCd<0 ・・・(8)
(8)式の下限を下回ると、電圧を印可しない状態における色収差の発生が多くなってしまう。(8)式の上限を上回ると、回折面で発生する色収差の補正が足りなくなり、電圧を印可した状態における色収差の発生を抑制できなくなる。
(8)式は好ましくは以下の範囲とするのがよい。
−0.6<ΔCs/ΔCd<−0.05 ・・・(8b)
(8)式はさらに好ましくは以下の範囲とするのがよい。
−0.45<ΔCs/ΔCd<−0.1 ・・・(8c)
さらに、電気活性材料からなるレンズLqは、屈折によるパワーが少ない方がのぞましい。電気活性材料からなるレンズLqがパワーを有していると、電圧を印可して屈折率が変化した際にレンズLqのパワーが変わってしまうため、電気活性レンズ全体のパワーも変わってしまう。
レンズLqのパワーをφLqとしたとき、以下の条件式を満たすことが望ましい。
|φLq/φD|<2.0 ・・・(9)
(9)式は好ましくは以下の範囲とするのがよい。
|φLq/φD|<0.5 ・・・(9b)
実施例1及び実施例2の電気活性レンズにおいては、図10に示すように、基板レンズ110と色補正用レンズ120をそれぞれ設けていたが、本発明はそれに限るものではない。
図12に、実施例3の構成の電気活性レンズの断面図を示す。
図12に示す光路図においては、電圧を印可することにより、パワーを付加させた状態となっている。
図12に示すレンズ断面図は、回旋点RPを中心に眼球を10°回転させた状態である。回旋点RPは、眼を模した理想レンズLeyeから13mmの場所に設定している。電気活性レンズ100以外の構成は実施例2の電気活性レンズと同様である。
図12に示す電気活性レンズにおいては、中心部の領域R1と周辺部の領域R2で異なるレンズ構成としている。実施例3の電気活性レンズにおいては、光入射側の基板レンズと色補正レンズを同一の材料とすることで、より簡素な構成としている。
さらに、一部のレンズを領域R1と領域R2で一体化しており、簡素で製造容易な構成としている。
図13に、図12に示した電気活性レンズの詳細断面図を示す。但し、図13は格子深さ方向及び径方向にかなりデフォルメされた図となっている。
実施例3の電気活性レンズにおいては、基板レンズとレンズL1を同一材料とすることで、レンズ110に基板レンズの役割と色補正レンズの役割を両立させている。
また、レンズ110とレンズ160においては、中心部の領域R1と周辺部の領域R2で一体化した構成としており、製造容易な構成となっている。
実施例3の電気活性レンズにおいても、中心部R1においては、実施例1と同様に、第1のレンズ110と第2のレンズ150のパワーと分散を適切に選択することで、回折面200で発生する色収差を低減した構成となっている。
電気活性材料130、及び格子材料140は、実施例1と同一の材料を用いており、電圧非印可時は、回折面200において発生する回折パワーは小さく、電気活性材料130に電圧を印可すると、回折面200において回折による正のパワーが発生する。
図12に示す光路における横収差図を図14に示す。
図14に示すように、実施例3の電気活性レンズにおいても、電圧を印可して回折面によるパワーを付加した状態において色収差を低減できており、至近物体を観察する時にも物体の色にじみが少ない状態で観察することができる。
実施例1〜3の電気活性レンズにおいては、回折面の向きを物体側に凸となるように設定していたが、本発明の効果はこれに限るものではない。
図15に、実施例4の構成の電気活性レンズの断面図を示す。
図15に示す光路図においては、電圧を印可することにより、パワーを付加させた状態となっている。
図15に示すレンズ断面図は、回旋点RPを中心に眼球を10°回転させた状態である。回旋点RPは、眼を模した理想レンズLeyeから13mmの場所に設定している。電気活性レンズ100以外の構成は実施例1の電気活性レンズと同様である。
図16に、図15に示した電気活性レンズの詳細断面図を示す。但し、図16は格子深さ方向及び径方向にかなりデフォルメされた図となっている。
実施例4の電気活性レンズにおいても、実施例1と同様に、第1のレンズ120と第2のレンズ150のパワーと分散を適切に選択することで、回折面200で発生する色収差を低減した構成となっている。
電気活性材料130、及び格子材料140は、実施例1と同一の材料を用いており、電圧非印可時は、回折面200において発生する回折パワーは小さく、電気活性材料130に電圧を印可すると、回折面200において回折による正のパワーが発生する。
図15に示す光路における横収差図を図17に示す。
図17に示すように、実施例4の電気活性レンズにおいても、電圧を印可して回折面によるパワーを付加した状態において色収差を低減できており、至近物体を観察する時にも物体の色にじみが少ない状態で観察することができる。
図18に、実施例5の構成の電気活性レンズの断面図を示す。
図18に示す光路図においては、電圧を印可することにより、パワーを付加させた状態となっている。
図18に示すレンズ断面図は、回旋点RPを中心に眼球を10°回転させた状態である。回旋点RPは、眼を模した理想レンズLeyeから13mmの場所に設定している。電気活性レンズ100以外の構成は実施例4の電気活性レンズと同様である。
図18に示す電気活性レンズにおいては、中心部の領域R1と周辺部の領域R2で異なるレンズ構成としている。実施例5の電気活性レンズにおいては、光出射側の基板レンズと色補正レンズを合わせて一体のレンズ120とすることで、より簡素な構成としている。
さらに、一部のレンズを領域R1と領域R2で一体化しており、簡素で製造容易な構成としている。
図19に、図18に示した電気活性レンズの詳細断面図を示す。但し、図13は格子深さ方向及び径方向にかなりデフォルメされた図となっている。
実施例5の電気活性レンズにおいては、基板レンズと色補正用レンズL1を同一材料とすることで、レンズ120に基板レンズの役割と色補正レンズの役割を両立させている。
また、レンズ110とレンズ120においては、中心部の領域R1と周辺部の領域R2で一体化した構成としており、製造容易な構成となっている。
実施例5の電気活性レンズにおいても、中心部R1においては、実施例1と同様に、第1のレンズ120と第2のレンズ150のパワーと分散を適切に選択することで、回折面200で発生する色収差を低減した構成となっている。
電気活性材料130、及び格子材料140は、実施例1と同一の材料を用いており、電圧非印可時は、回折面200において発生する回折パワーは小さく、電気活性材料130に電圧を印可すると、回折面200において回折による正のパワーが発生する。
図18に示す光路における横収差図を図20に示す。
図20に示すように、実施例5の電気活性レンズにおいても、電圧を印可して回折面によるパワーを付加した状態において色収差を低減できており、至近物体を観察する時にも物体の色にじみが少ない状態で観察することができる。
実施例1〜5の電気活性レンズにおいては、回折面に接する格子材料層のパワーがほとんどない構成のものであったが、本発明の効果はこれに限るものではない。
図21に、実施例6の構成の電気活性レンズの断面図を示す。
図21に示す光路図においては、電圧を印可することにより、パワーを付加させた状態となっている。
図21に示すレンズ断面図は、回旋点RPを中心に眼球を10°回転させた状態である。回旋点RPは、眼を模した理想レンズLeyeから13mmの場所に設定している。電気活性レンズ100以外の構成は実施例1の電気活性レンズと同様である。
図22に、図21に示した電気活性レンズの詳細断面図を示す。但し、図22は格子深さ方向及び径方向にかなりデフォルメされた図となっている。
実施例6の電気活性レンズにおいては、基板レンズと色補正用レンズL2を同一材料とすることで、レンズ150に基板レンズの役割と色補正レンズの役割を両立させている。
さらに、回折面を形成する格子材料と色補正レンズL1を同一材料とすることで、レンズ120に格子材料の役割と色補正レンズの役割を両立させている。
実施例6の電気活性レンズにおいても、実施例1と同様に、第1のレンズ120と第2のレンズ150のパワーと分散を適切に選択することで、回折面200で発生する色収差を低減した構成となっている。
電極170、180および190は、電気活性材料130に所望の電圧を印加し、2つの電気活性材料の屈折率および屈折率分散を所望の値に変化させる。
電気活性材料130は、電圧非印可時の屈折率及び分散は、Nd=1.646、νd=16.5であり、格子材料(第1のレンズ)120の屈折率及び分散は、Nd=1.645、νd=38.8である。
そのため、電圧非印可時は、電気活性材料130と格子材料120の間の屈折率差は小さく、回折面200において発生する回折パワーは小さい。
電気活性材料130に電圧を印可すると、電気活性材料130の屈折率は下がり、Nd=1.5255、νd=25.9となり、格子材料120との間に屈折率差が生じ、回折パワーが発生する。
格子厚d1は、電気活性レンズの使用波長域で、(c)式のφ(λ)が高くなるように設定される。実施例6の回折光学素子において、格子厚d1は4.65μmである。
図21に示す光路における横収差図を図23に示す。
図23に示すように、実施例6の電気活性レンズにおいても、電圧を印可して回折面によるパワーを付加した状態において色収差を低減できており、至近物体を観察する時にも物体の色にじみが少ない状態で観察することができる。
以下、上記各実施例に対応する数値例を示す。各数値例において、mは光入射側から数えた面または光学素子の番号を示す。例えば、Rmは第m番目の光学面(第m面)の曲率半径である。Dmは第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔である。Rm、Dmの単位はmmである。
本実施例における非球面の形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量とし、hを光軸に直交する方向の光軸からの高さとし、rを近軸曲率半径とし、kを円錐定数とし、Ai(i=4,6,8…)を各次数の非球面係数とするとき、以下の式で表す。
「E±XX」は「×10±XX」を意味する。fは焦点距離、Fnoは有効Fナンバーである。ωは半画角であり、単位は度である。Ymは最大像高を示している。

(比較例)
f=499(電圧付加状態) Fno=3.9〜3.84
(実施例1)
f=499(電圧付加状態) Fno=3.9〜3.84
(実施例2)
f=−330.8(電圧付加状態) Fno=4.38〜4.33

(領域R1:光軸から0〜20mm)
(領域R2:光軸から20〜40mm)
(実施例3)
f=−330.4(電圧付加状態) Fno=4.38〜4.33

(領域R1:光軸から0〜20mm)
(領域R2:光軸から20〜40mm)
(実施例4)
f=−329.7(電圧付加状態) Fno=4.38〜4.33
(実施例5)
f=−329.8(電圧付加状態) Fno=4.38〜4.33

(領域R1:光軸から0〜20mm)
(領域R2:光軸から20〜40mm)
(実施例6)
f=−322.8(電圧付加状態) Fno=4.38〜4.33
又前述の条件式(1)〜(9)と数値実施例との関係を表11に示す。
100 電気活性レンズ、110 基板、120 第1のレンズ、
130 電気活性材料、150 第2のレンズ、160 基板

Claims (10)

  1. 少なくとも2つの光学状態を有する電気活性レンズにおいて、前記電気活性材料からなるレンズLqと、少なくとも一つ以上の回折面と、少なくとも2つのレンズL1、L2を有しており、回折面におけるパワーをφD、レンズL1の屈折によるパワーをφ1、レンズL1のアッベ数をν1、レンズL2のアッベ数をν2、レンズL1とレンズL2のアッベ数の差をΔνとしたとき、以下の条件式を満たすことを特徴とする電気活性レンズ。
    φD×φ1×Δν<0
    ただし、Δν=ν1−ν2
  2. 前記電気活性レンズにおけるレンズL1とレンズL2のアッベ数の逆数の差をΔνrとしたとき、以下の条件式を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の電気活性レンズ。
    0.003<Δνr<0.1
    ただし、Δνr=|1/ν1−1/ν2|
  3. 前記電気活性レンズにおけるレンズL1とレンズL2のd線における屈折率差をΔNとしたとき、以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気活性レンズ。
    |ΔN|<0.1
  4. 前記電気活性レンズの中心部における屈折レンズによる色収差の合計をCsとし、電気不活性化状態における前記電気活性レンズ全体のパワーをφoffとしたとき、以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の電気活性レンズ。
    0.03<(Cs−φoff/35)×1000<0.5
    ただし、Csは、各レンズLi(i=1、2、・・・)のパワーをφi、アッベ数をνiとしたとき、
    で与えられる。
  5. 前記電気活性レンズにおいて、電気活性化状態における回折面における色収差をCdとしたとき、以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の電気活性レンズ。
    −0.8<(Cs−φoff/35)/Cd<0
  6. 前記電気活性レンズは、パワーが異なる少なくとも2つの領域R1、R2を有しており、中心部に近い領域R1における屈折レンズによる色収差の合計をCs1、領域R2における屈折レンズによる色収差の合計をCs2、Cs1とCs2の差をΔCsとしたとき、以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の電気活性レンズ。
    0.03<ΔCs×1000<0.5
    ただし、ΔCs=Cs1−Cs2
  7. 前記電気活性レンズの領域R1における回折面による色収差をCd1、領域R2における回折面による色収差をCd2、Cd1とCd2の差をΔCdとしたとき、以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の電気活性レンズ。
    −0.8<ΔCs/ΔCd<0
  8. 前記電気活性レンズにおいて、電圧を印可していない状態において、領域R1におけるパワーをφR1、領域R2におけるパワーをφR2としたとき、以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の電気活性レンズ。
    0.9<φR2/φR1<1.1
  9. 前記電気活性レンズにおいて、電気活性材料からなるレンズLqの屈折によるパワーをφLqとしたとき、以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の電気活性レンズ。
    |φLq/φD|<2.0
  10. 前記電気活性材料が、コレステリック液晶、またはカイラルツイスト剤が添加されたネマチック液晶であることを特徴とする請求項1乃至請求項9に何れか一項に記載の電気活性レンズ。
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