JP2020118256A - 作業機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業装置への給脂の時期の適正化を図ることができる作業機械を提供する。【解決手段】作業装置(7)と、作業装置の可動部(31)に給脂する給脂装置(74)と、作業装置の稼働状態を検出する稼働状態検出装置(60)と、給脂装置を制御するコントローラ(72)と、を備えた作業機械(1)において、コントローラは、給脂装置を作動させてから経過した計時時間を計時する計時部(77)と、計時部によって計時された計時時間が計時時間を超える際に給脂装置を作動させる給脂制御部(78)と、を有し、稼働状態検出装置によって検出される作業装置の稼働状態に応じて計時部による計時を制限する。【選択図】図4

Description

本発明は作業機械に係り、特にグリスの供給量の最適化を図る技術に関する。
建設機械の一例として、土砂の掘削等の作業を行う油圧ショベルには、フロント作業機が設けられている。このフロント作業機におけるブームの根本部分、ブームとアームとの連結部分、アームとバケットとを連結するリンク機構等の各回動部分には、ピン結合部材が配設されている。
このピン結合部材は、回動軸として設けられたピンの摺動による劣化の虞があるため、所定時間ごとに給脂を行うことで摺動部分の潤滑を行っている。
また、この給脂作業を自動化する自動給脂装置が開発されている(特許文献1)。
特開2008−297757号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示される技術では、フロント作業機の作業のうち、休止している時間の長さと作業している時間の長さとに関わらず一定の時期に給脂されるため、必要以上に給脂することが考えられ、さらなる改善の余地があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フロント作業機(作業装置)への給脂の時期の適正化を図ることができる作業機械を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の作業機械は、作業装置と、前記作業装置の可動部に給脂する給脂装置と、前記作業装置の稼働状態を検出する稼働状態検出装置と、前記給脂装置を制御するコントローラと、を備えた作業機械において、前記コントローラは、前記給脂装置を作動させてから経過した計時時間を計時する計時部と、前記計時部によって計時された計時時間が規定時間を超える際に前記給脂装置を作動させる給脂制御部と、を有し、前記稼働状態検出装置によって検出される前記作業装置の稼働状態に応じて前記計時部による計時を制限することを特徴とする。
これにより、稼働状態検出装置によって検出される作業装置の稼働状態に応じて計時部による計時を制限することで、計時部によって計時される計時時間が規定時間を超える時期を作業装置の稼働状態に応じて遅らせて、給脂制御部による給脂装置を作動させる時期を遅らせることが可能とされる。
その他の態様として、前記コントローラは、前記稼働状態検出装置が前記作業装置の停止状態を検出している間、前記計時部による計時を停止するのが好ましい。
これにより、稼働状態検出装置が作業装置の停止状態を検出している間、コントローラが計時部による計時を停止することで、計時された時間が所定時間を超えて給脂装置が作動する時期を、作業装置が停止状態下におかれた時間に応じて遅らせることが可能とされる。
その他の態様として、操作することで前記作業装置を稼働させる操作装置と、前記操作装置の操作に従って前記作業装置に供給される作動油の流量を調整する流量制御弁と、作動することで前記流量制御弁における前記操作装置の操作による作動油の流量の調整を禁止する油圧ロック弁と、を有し、前記稼働状態検出装置は、前記油圧ロック弁が作動しているとき、前記作業装置が停止状態であることを検出するのが好ましい。
これにより、油圧ロック弁が作動しているとき、作業装置が停止状態であることを検出して計時部による計時を停止することで、コントローラによって計時部による計時を停止する時期の精度を高めることが可能とされる。
その他の態様として、前記作業機械が公道を走行していることを検出する公道走行検出装置を有し、前記稼働状態検出装置は、前記公道走行検出装置により前記作業機械が公道走行していることを検出したとき、前記作業装置が停止状態であることを検出するのが好ましい。
これにより、公道走行検出装置により作業機械が公道走行していることを検出すると、作業装置が停止状態であることを検出して計時部による計時を停止することで、コントローラによって計時部による計時を停止する時期の精度をより高めることが可能とされる。
その他の態様として、操作することで前記作業装置を稼働させる操作装置を有し、前記公道走行検出装置は、操作することで前記操作装置による前記作業装置の操作を禁止する操作禁止スイッチであるのが好ましい。
これにより、公道走行検出装置として、操作装置の油圧操作を禁止する操作禁止スイッチを用い、操作禁止スイッチが操作されたときに計時部による計時を停止することで、公道走行検出装置による作業機械の公道走行を良好に検出することが可能とされる。
本発明の作業機械によれば、稼働状態検出装置によって検出される作業装置の稼働状態に応じて計時部による計時を制限したので、計時部によって計時される計時時間が規定時間を超える時期を作業装置の稼働状態に応じて遅らせて、給脂制御部による給脂装置を作動させる時期を遅らせることができる。
これにより、作業装置への給脂の時期の適正化を図ることができる。
機体の側面図である。 機体の上面図である。 本発明に係る作業機械における自動給脂装置の接続構成が示されたブロック図である。 給脂コントローラが実行する自動給脂制御の制御手順を示すルーチンが示されたフローチャートである。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1、2を参照すると、機体(作業機械)1の側面図及び上面図が示されている。機体1は、下部走行体4に配設された車輪8を駆動することで走行し、下部走行体4上に配設された上部旋回体6のフロントアタッチメント(作業装置)7を操作することで掘削作業等の作業をすることが可能なホイール式の油圧ショベルである。
下部走行体4は、その前後に配設された車輪8、これら車輪8を駆動する油圧式の走行モータ34(図3参照)、車輪8を制動するブレーキ機構(図示せず)及び車輪8の向きを変えるステアリング機構(図示せず)とを備えている。
上部旋回体6は、下部走行体4上に旋回ベアリング12を介して旋回可能に設けられた上部フレーム14を備え、この上部フレーム14上の前部左側に運転室16が設けられている。この運転室16の右側、即ち、上部フレーム14の前側中央部には、フロントアタッチメント7が配設されている。
フロントアタッチメント7は、ブーム18、アーム22及びバケット26を備えており、上部フレーム14とブーム18とを回動可能に結合する第1結合部(可動部)31、ブーム18とアーム22とを回動可能に結合する第2結合部(可動部)32、アーム22とバケット26とを回動可能に結合する第3結合部(可動部)33によって互いに回動可能に接続されている。
第1結合部31の近傍には上部フレーム14とブーム18とに結合するブームシリンダ20が、第2結合部32の近傍にはブーム18とアーム22のリンク機構24とに結合するアームシリンダ28が、第3結合部33の近傍にはアーム22とバケット26とに結合するバケットシリンダ30がそれぞれ配設されている。
これにより、フロントアタッチメント7は、ブームシリンダ20を伸縮させることでブーム18を起伏し、アームシリンダ28を伸縮させることでアーム22を回動し、バケットシリンダ30を伸縮させることでアーム22の先端にリンク機構24を介して取付けられたバケット26を回動することが可能である。
図3を参照すると、本発明に係る作業機械における自動給脂装置70の接続構成がブロック図で示されている。ECU60は、後述する油圧ユニット50の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)等を含んで構成されている。なお、ECU60は、フロントアタッチメント7の稼働状態を検出する稼働状態検出装置としての機能を有している。
このECU60の入力側には、イグニッションスイッチ41、旋回位置センサ42、公道走行スイッチ(公道走行検出装置、操作禁止スイッチ)43及び油圧ロックスイッチ44が電気的に接続されている。
イグニッションスイッチ41、公道走行スイッチ43及び油圧ロックスイッチ44は、運転室16の図示しないコントロールパネルに設けられたスイッチである。イグニッションスイッチ(IGN−SW)41は、例えば鍵を差し込んで回すこと(ON操作)でエンジン53を稼働させることが可能なスイッチである。公道走行スイッチ43は、操作することで油圧ユニット50を後述する公道走行状態にすることが可能なスイッチである。油圧ロックスイッチ44は、操作することで油圧ユニット50を後述する油圧操作禁止状態にすることが可能なスイッチである。
旋回位置センサ42は、例えば旋回ベアリング12の近傍に設けられ、上部旋回体6の前方向と下部走行体4の前方向との角度を検出することが可能な角度センサである。
アクセルペダル45は、作業者が踏圧(走行操作)することで油圧ユニット50のうち後述するコントロールバルブ(流量制御弁)56における走行回路56aの油圧制御をすることが可能な装置である。すなわち、作業者は、アクセルペダル45を操作して油圧ユニット50を油圧制御することで、車輪8を駆動して機体1を走行させることが可能である。
操作装置46は、作業者が操作(作業操作)することで油圧ユニット50のうち後述するコントロールバルブ56における作業装置回路56bの油圧制御をすることが可能な装置である。すなわち、作業者は、操作装置46を操作して油圧ユニット50を油圧制御することで、フロントアタッチメント7の掘削操作や上部旋回体6の旋回操作をすることが可能である。
また、ECU60の出力側には、油圧ユニット50が電気的に接続されており、特にECU60のエンジン制御部(ENG制御部)61が油圧ユニット50内のエンジン(ENG)53に、油圧制御部62が油圧ユニット50内の後述する作業装置回路56b及び油圧ロック電磁弁(油圧ロック弁)58にそれぞれ接続している。油圧ユニット50は、エンジン53、油圧ポンプ54、作動油タンク55、コントロールバルブ56、パイロットバルブ57及び油圧ロック電磁弁58を備え、これらを油圧回路で接続した油圧システムである。
エンジン53は、稼働することで油圧ポンプ54を駆動し、油圧ユニット50内の作動油を循環させることが可能である。作動油タンク55は、油圧ユニット50内の作動油を貯留するタンクである。コントロールバルブ56は、走行モータ34に作動油を循環可能に接続する走行回路56a及びブームシリンダ20、アームシリンダ28及びバケットシリンダ30に作動油を循環可能に接続する作業装置回路56bを備えた制御弁である。
このコントロールバルブ56は、操作装置46の操作に従って作動油の循環方向や循環する量を調整することが可能である。また、コントロールバルブ56は、油圧制御部62によって電子制御されることで、走行回路56a及び作業装置回路56bの作動油の循環を遮断してアクセルペダル45及び操作装置46による操作を禁止することができる。
パイロットバルブ57は、操作装置46と油圧ロック電磁弁58とを接続する作動油回路に一定のパイロット圧を生成する圧力弁である。油圧ロック電磁弁58は、操作装置46の操作によって調整される作動油の循環をコントロールバルブ56に伝達する(ON)か否か(OFF)を切り換える切換弁である。
これにより、油圧ユニット50は、エンジン53が稼働するときに油圧ポンプ54が駆動することで油圧ポンプ54、作動油タンク55及びコントロールバルブ56間で循環する作動油を、アクセルペダル45や操作装置46の操作によって調整して走行モータ34、ブームシリンダ20等に供給し、これらを駆動させることができる。
また、油圧ユニット50は、油圧ロック電磁弁58が設けられているので、油圧ロック電磁弁58をOFFにすることで、アクセルペダル45や操作装置46の走行操作や作業操作を禁止することができる。
したがって、ECU60は、作業者によってイグニッションスイッチ41がON操作されると、エンジン制御部61によってエンジン53を稼働させることができ、公道走行スイッチ43が操作されると、油圧制御部62によって作業装置回路56bの作動油の循環を遮断して操作装置46の操作を禁止して機体1を公道走行状態にすることができ、油圧ロックスイッチ44が操作されると、油圧ロック電磁弁58をOFFにしてアクセルペダル45や操作装置46の走行操作や作業操作を禁止することができる。なお、公道走行スイッチ43が操作されたときに旋回位置センサ42により検出される上部旋回体6の前方向と下部走行体4の前方向との相対的な角度が所定角度以上の場合、公道走行状態にしないようにしてもよい。
本発明に係る作業機械の自動給脂装置70は、ECU60の油圧制御部62と電気的に接続している。自動給脂装置70は、給脂開始スイッチ71、給脂コントローラ(コントローラ)72、給脂ポンプ(給脂装置)74、給脂配管75及びグリスタンク76を備えている。
給脂開始スイッチ71は、操作(給脂操作)することで給脂コントローラ72の後述する給脂制御部78による給脂制御をすることが可能なスイッチである。給脂ポンプ74は、例えば電動のピストン式ポンプであり、グリスが貯留されるグリスタンク76からグリスを吸い出し、給脂配管75にグリスを供給することが可能である。
給脂配管75は、給脂ポンプ74から給脂ポイントGP(図1、2参照)に接続する配管であり、給脂ポンプ74から供給されるグリスを給脂ポイントGPに給脂することが可能である。
給脂コントローラ72は、ECU60と同様の制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)等を含んで構成されている。この給脂コントローラ72には、計時部77及び給脂制御部78が備えられている。
計時部77は、給脂コントローラ72によって制御されることで、計時時間Tnの計時及び計時の停止並びに計時時間Tnのリセットをすることが可能である。給脂制御部78は、給脂制御を実行する制御部であり、給脂開始スイッチ71から給脂操作されたことが入力されると給脂ポンプ74を制御して給脂制御を実行することが可能である。
図4を参照すると、給脂コントローラ72が実行する自動給脂制御の制御手順を示すルーチンがフローチャートで示されており、以下、同フローチャートに沿い説明する。
ステップS10では、給脂開始スイッチ71がON操作されたか否かを判別する。ステップS10の判別結果が真(Yes)で給脂開始スイッチがON操作されたと判別すると、後述するステップS80及びステップS90に移行する。一方、ステップS10の判別結果が偽(No)で給脂開始スイッチがON操作されていないと判別すると、ステップS20に移行する。
ステップS20では、計時部77によって計時された計時時間Tnが規定時間Tsを超えたか否かを判別する。ステップS20の判別結果が真(Yes)で計時時間Tnが規定時間Tsを超えたと判別すると、後述するステップS80及びステップS90に移行する。一方、ステップS20の判別結果が偽(No)でまだ計時時間Tnが規定時間Ts以下であると判別すると、ステップS30に移行する。
これにより、ステップS10、S20では、作業者によって給脂開始スイッチ71が操作され(ステップS10でYes)、または計時部77によって計時された計時時間Tnが規定時間Tsを超えると(ステップS20でYes)、ステップS80に移行して給脂制御を実施して給脂ポンプ74による給脂を開始することができる。
ここで、給脂制御とは、給脂ポンプ74を稼働させることによりグリスタンク76に貯留されるグリスを各給脂ポイントGPに給脂配管75を介して給脂する制御である。なお、例えば給脂ポンプ74が作動しない等の自動給脂装置70の故障がある場合は、本制御を停止して作業者に警告音等で警告をするようにしてもよい。
一方、作業者によって給脂開始スイッチ71が操作されず(ステップS10でNo)、さらに計時部77によって計時された計時時間Tnが規定時間Ts以下(ステップS20でNo)の場合は、ステップS30以降のルーチンで計時態様を判別及び設定する。
ステップS30では、ECU60から入力される情報により、エンジン制御部61によってエンジン53が稼働しているか否かを判別する。ステップS30の判別結果が偽(No)でエンジン53が稼働していないと判別すると、ステップS70に移行して計時部77による計時時間Tnの計時を停止する。一方、ステップS30の判別結果が真(Yes)でエンジン53が稼働していると判別すると、ステップS40に移行する。
ステップS40では、ECU60から入力される情報により、油圧制御部62によって油圧ロック電磁弁58がONか否かを判別する。ステップS40の判別結果が偽(No)で油圧ロック電磁弁58がOFFである、換言すると、アクセルペダル45や操作装置46による走行操作や作業操作が禁止されていると判別すると、ステップS70に移行して計時部77による計時時間Tnの計時を停止する。一方、ステップS40の判別結果が真(Yes)で油圧ロック電磁弁58がONである、換言すると、アクセルペダル45や操作装置46の走行操作や作業操作が禁止されてはいないと判別すると、ステップS50に移行する。
ステップS50では、ECU60から入力される情報により、機体1が公道走行状態か否かを判別する。ステップS50の判別結果が真(Yes)で機体1が公道走行状態である、換言すると、作業装置回路56bの作動油の循環を遮断して操作装置46の操作を禁止していると判別すると、ステップS70に移行して計時部77による計時時間Tnの計時を停止する。
一方、ステップS50の判別結果が偽(No)で機体1が公道走行状態ではない、換言すると、作業装置回路56bの作動油の循環を遮断しておらず、操作装置46の操作を可能としていると判別すると、ステップS60に移行して計時部77による計時時間Tnの計時を実施する。
そして、ステップS60またはS70に移行し、本ルーチンを繰り返し実行する。
このようにして、ステップS30〜S50では、エンジン53が稼働しておらず(ステップS30でNo)、油圧ロック電磁弁58がOFFであり(ステップS40でNo)または機体1が公道走行状態である(ステップS50でYes)ときは、フロントアタッチメント7が稼働することはないと判別し、一方、エンジン53が稼働しており(ステップS30でYes)、油圧ロック電磁弁58がONであり(ステップS40でYes)及び機体1が公道走行状態ではない(ステップS50でNo)ときは、フロントアタッチメント7は稼働可能な状態であると判別する。
ここで、エンジン53が稼働していない場合は(ステップS30でNo)、油圧ユニット50内の作動油が循環しないため、ブームシリンダ20、アームシリンダ28及びバケットシリンダ30に作動油が供給されないので、第1結合部31、第2結合部32及び第3結合部33を軸にしてブーム18、アーム22及びリンク機構24を介したバケット26が回動することはない。したがって、給脂ポイントGPにおける摺動がないため、グリスの劣化の虞がない。
また、エンジン53が稼働している場合であっても(ステップS30でYes)、油圧ロック電磁弁58がOFFの場合は(ステップS40でNo)、例えば作業者がエンジン53を稼働させて運転室16内の空調を作動させて休憩しているような、フロントアタッチメント7を稼働させない場合である。したがって、このような場合も給脂ポイントGPにおける摺動がないため、グリスの劣化の虞がない。
またさらに、油圧ロック電磁弁58がONであっても(ステップS40でYes)、機体1が公道走行状態である場合は(ステップS50でYes)、走行モータ34を駆動して車輪8を駆動することで機体1を走行させることはあっても、フロントアタッチメント7を稼働させない場合である。したがって、このような場合も給脂ポイントGPにおける摺動がないため、グリスの劣化の虞がない。
すなわち、ステップS30〜S50では、フロントアタッチメント7が稼働しているか否かを段階的に判別することで、的確にフロントアタッチメント7の稼働状態を判別することができる。
そして、ステップS30〜S50でフロントアタッチメント7が稼働していないと判別した場合は(ステップS30でNo、ステップS40でNoまたはステップS50でYes)、計時部77による計時時間Tnの計時を停止する(ステップS70)ことで、給脂ポイントGPにおける摺動がなく、グリスの劣化の虞がない場合における計時を停止することができる。
一方、ステップS30〜S50でフロントアタッチメント7が稼働していると判別した場合は(ステップS30でYes、ステップS40でYes及びステップS50でNo)、計時部77による計時時間Tnの計時を実施する(ステップS60)ことで、給脂ポイントGPにおける摺動により、グリスの劣化の虞がある場合での計時を実施することができる。
このようにして、ステップS30〜S70では、フロントアタッチメント7が稼働しているか否か(ステップS30〜S50)、すなわちグリスの劣化度合いに応じて計時部77による計時時間Tnの計時を実施することができる。
また、計時部77によって計時時間Tnが計時されて計時時間Tnが規定時間Tsを超えると(ステップS20でYes)、上記したように給脂制御を実行する(ステップS80)。そして、給脂制御によって所定量のグリスを給脂ポイントGPに給脂し終わると、ステップS90に移行して計時時間Tnがリセットされ、本ルーチンをスタートから繰り返す。
したがって、計時部77がグリスの劣化度合いに応じて計時時間Tnの計時を実施することで(ステップS30〜S70)、計時時間Tnが規定時間Tsを超える(ステップS20でYes)時期を遅らせることができる。
これにより、フロントアタッチメント7が稼働しておらずグリスの劣化が生じていない場合にまで計時することを抑制することで、無駄なグリスの消費を低減することができる。
また、機体1が公道走行状態である場合、フロントアタッチメント7が稼働していないにも関わらず計時時間Tnが規定時間Tsに達し、機体1が公道走行中に給脂制御が実行されて劣化したグリスが路面に滴下することを抑制することができる。
以上説明したように、本発明に係る作業機械では、フロントアタッチメント7と、フロントアタッチメント7の第1結合部31に給脂する給脂ポンプ74と、フロントアタッチメント7の稼働状態を検出するECU60と、給脂ポンプ74を制御するコントローラと、を備えた機体1において、給脂コントローラ72は、給脂ポンプ74を作動させてから経過した計時時間Tnを計時する計時部77と、計時部77によって計時された計時時間Tnが規定時間Tsを超える際に給脂ポンプ74を作動させる給脂制御部78と、を有し、ECU60によって検出されるフロントアタッチメント7の稼働状態に応じて計時部77による計時を制限する。
従って、ECU60によって検出されるフロントアタッチメント7の稼働状態に応じて計時部77による計時を制限したので、計時部77によって計時される計時時間Tnが規定時間Tsを超える時期をフロントアタッチメント7の稼働状態に応じて遅らせて、給脂制御部78による給脂ポンプ74を作動させる時期を遅らせることができる。
これにより、フロントアタッチメント7への給脂の時期の適正化を図ることができる。
そして、給脂コントローラ72は、ECU60がフロントアタッチメント7の停止状態を検出している間、計時部77による計時を停止したので、計時された時間が所定時間を超えて給脂ポンプ74が作動する時期を、フロントアタッチメント7が停止状態下におかれた時間に応じて遅らせることができる。
そして、操作することでフロントアタッチメント7を稼働させる操作装置46と、操作装置46の操作に従ってフロントアタッチメント7に供給される作動油の流量を調整するコントロールバルブ56と、作動することでコントロールバルブ56における操作装置46の操作による作動油の流量の調整を禁止する油圧ロック電磁弁58と、を有し、ECU60は、油圧ロック電磁弁58が作動しているとき、フロントアタッチメント7が停止状態であることを検出するようにしたので、給脂コントローラ72によって計時部77による計時を停止する時期の精度を高めることができる。
そして、機体1が公道を走行していることを検出する公道走行スイッチ43を有し、ECU60は、公道走行スイッチ43により機体1が公道走行していることを検出したとき、フロントアタッチメント7が停止状態であることを検出するようにしたので、給脂コントローラ72によって計時部77による計時を停止する時期の精度をより高めることができる。
そして、操作することでフロントアタッチメント7を稼働させる操作装置46を有し、公道走行スイッチ43は、操作することで操作装置46によるフロントアタッチメント7の操作を禁止する操作禁止スイッチである。
従って、公道走行スイッチ43として、操作装置46の油圧操作を禁止する操作禁止スイッチを用い、操作禁止スイッチが操作されたときに計時部77による計時を停止したので、公道走行スイッチ43による機体1の公道走行を良好に検出することができる。
以上で本発明に係る作業機械の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、本実施形態では、機体1をホイール式の油圧ショベルとして説明したが、車輪8に代わりクローラを備えたクローラ式の油圧ショベルや、機体前方に可動式のブレード(作業装置)を配設し、進行方向に土砂を押しだす所謂ブルドーザであってもよく、グリスの給脂が必要な作業機械であればよい。
また、本実施形態では、公道走行スイッチ43によって機体1が公道走行状態であるか否かの判別をするようにしたが、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の位置情報に基づいて公道走行状態を判別するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ECU60と給脂コントローラ72とを別体にして説明したが、ECU60の中に給脂コントローラ72の計時部77や給脂制御部78を含めるようにしてもよい。
また、本実施形態では、油圧ロック弁として油圧ロック電磁弁58を用いて説明したが、電磁弁でなくてもよい。
また、本実施形態では、図4のフローを用いて給脂コントローラ72による制御態様を説明したが、同フローの順番は一例であり、本発明を実施可能な程度に順番を入れ替えるようにしてもよい。
また、本実施形態では、フロントアタッチメント7の稼働状態が停止しているときに計時部77による計時を停止する(ステップS70)ように説明したが、例えばフロントアタッチメント7の動きが所定の動きより遅いような場合や掘削作業ではなく軽いものを吊り上げているだけ等、フロントアタッチメント7の稼働状態がグリスがほとんど劣化しないような状態であることを検出した場合に計時部77による計時を停止するようにしてもよく、計時の停止に限らず、現実の時間に対して例えば半分の時間だけ経過したように計時するよう、計時速度を遅らせるようにしてもよい。
1 機体(作業機械)
7 フロントアタッチメント(作業装置)
31 第1結合部(可動部)
32 第2結合部(可動部)
33 第3結合部(可動部)
43 公道走行スイッチ(公道走行検出装置)
46 操作装置
56 コントロールバルブ(流量制御弁)
58 油圧ロック電磁弁(油圧ロック弁)
60 ECU(稼働状態検出装置)
70 自動給脂装置
72 給脂コントローラ(コントローラ)
74 給脂ポンプ(給脂装置)
77 計時部
78 給脂制御部

Claims (5)

  1. 作業装置と、
    前記作業装置の可動部に給脂する給脂装置と、
    前記作業装置の稼働状態を検出する稼働状態検出装置と、
    前記給脂装置を制御するコントローラと、を備えた作業機械において、
    前記コントローラは、
    前記給脂装置を作動させてから経過した計時時間を計時する計時部と、
    前記計時部によって計時された計時時間が規定時間を超える際に前記給脂装置を作動させる給脂制御部と、を有し、
    前記稼働状態検出装置によって検出される前記作業装置の稼働状態に応じて前記計時部による計時を制限することを特徴とする作業機械。
  2. 前記コントローラは、前記稼働状態検出装置が前記作業装置の停止状態を検出している間、前記計時部による計時を停止する、ことを特徴とする請求項1に記載の作業機械。
  3. 操作することで前記作業装置を稼働させる操作装置と、
    前記操作装置の操作に従って前記作業装置に供給される作動油の流量を調整する流量制御弁と、
    作動することで前記流量制御弁における前記操作装置の操作による作動油の流量の調整を禁止する油圧ロック弁と、を有し、
    前記稼働状態検出装置は、前記油圧ロック弁が作動しているとき、前記作業装置が停止状態であることを検出する、ことを特徴とする請求項2に記載の作業機械。
  4. 前記作業機械が公道を走行していることを検出する公道走行検出装置を有し、
    前記稼働状態検出装置は、前記公道走行検出装置により前記作業機械が公道走行していることを検出したとき、前記作業装置が停止状態であることを検出する、ことを特徴とする請求項2に記載の作業機械。
  5. 操作することで前記作業装置を稼働させる操作装置を有し、
    前記公道走行検出装置は、操作することで前記操作装置による前記作業装置の操作を禁止する操作禁止スイッチである、ことを特徴とする請求項4に記載の作業機械。
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