JP2020118207A - 作業機の油圧システム - Google Patents
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本発明の作業機の油圧システムは、作動油を吐出する油圧ポンプと、第1油圧アクチュエータと、第2油圧アクチュエータと、第1油圧アクチュエータを制御する第1制御弁と、前記第1制御弁の下流側に設けられ、且つ、前記第2油圧アクチュエータを制御する第2制御弁と、前記第1油圧アクチュエータから排出された作動油である戻り油を前記第2制御弁に流す連通油路と、前記連通油路に接続され且つ、前記第2油圧アクチュエータの水平動作を行う水平制御弁と、前記連通油路において、前記水平制御弁が設けられた部分よりも前記第2制御弁側に、当該第2制御弁に向かう戻り油を排出可能な戻り排出油路と、
を備えている。
油圧アクチュエータから排出された戻り油が流れる第1戻り油路と、前記第1戻り油路に設けられた少なくとも2つの分岐部に接続され且つ中途部に前記水平制御弁が接続されるバイパス油路と、前記第1戻り油路及び第1制御弁を通過した戻り油を前記第2制御弁に流す第2戻り油路と、を有し、前記戻り排出油路は、前記第1制御弁に設けられている。
前記第1油圧アクチュエータは、ブームを作動させるブームシリンダであり、前記第2油圧アクチュエータは、バケットを作動させるバケットシリンダであり、前記水平制御弁は、前記バケットの水平を行う弁であり、前記第1戻り油路は、前記ブームを上昇させた場合に前記ブームシリンダから排出された前記戻り油を流す油路である。
作業機の油圧システムは、前記第1戻り油路において前記分岐部の区間に設けられた作動弁を備え、前記作動弁は、前記第1油圧アクチュエータから前記第1戻り油路に戻った戻り油を前記バイパス油路及び前記水平制御弁に流して前記水平動作をさせる状態と、前記戻り油を前記バイパス油路及び前記水平制御弁に流さずに前記水平動作をさせない状態とに切り換え可能である。
まず、作業機から説明する。
図4は、本発明に係る作業機の側面図を示している。図4では、作業機の一例として、スキッドステアローダを示している。但し、本発明に係る作業機はスキッドステローダに限定されず、例えば、コンパクトトラックローダ等の他の種類のローダ作業機であってもよい。また、ローダ作業機以外の作業機であってもよい。
機体2上にはキャビン3が搭載されている。キャビン3内の後部には運転席8が設けられている。本発明の実施形態において、作業機1の運転席8に着座した運転者の前側(図4の左側)を前方、運転者の後側(図4の右側)を後方、運転者の左側(図4の手前側)を左方、運転者の右側(図4の奥側)を右方として説明する。また、前後の方向に直交する方向である水平方向を機体幅方向として説明する。機体2の中央部から右部或いは左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向であって、機体2から離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向であって、機体2に近づく方向である。
作業装置4は、ブーム10と、バケット11と、リフトリンク12と、制御リンク13と、ブームシリンダ14と、バケットシリンダ17とを有する。ブーム10は、機体2の側方に設けられている。バケット11は、ブーム10の先端(前端)に設けられている。リフトリンク12及び制御リンク13は、ブーム10の基部(後部)を支持する。ブームシリンダ14は、ブーム10を上又は下に駆動する。
次に、スキッドステアローダ1に設けられた作業系油圧回路(作業系油圧システム)について説明する。
第1油圧ポンプP1は、原動機7の動力によって作動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第1油圧ポンプP1は、タンク(作動油タンク)15に貯留された作動油を吐出可能である。第2油圧ポンプP2は、原動機7の動力によって作動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第2油圧ポンプP2は、タンク(作動油タンク)15に貯留された作動油を吐出可能である。なお、第2油圧ポンプP2は、油圧システムにおいて、信号用の作動油、制御用の作動油を吐出する。信号用の作動油及び制御用の作動油のことをパイロット油という。
ブーム制御弁20Aは、ブーム10を作動する油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14を制御する弁である。ブーム制御弁20Aは、直動スプール形3位置切換弁である。
ブーム制御弁20Aは、中立位置20a3、中立位置20a3とは異なる第1位置20a1、中立位置20a3及び第1位置20a1とは異なる第2位置20a2に切り換わる。ブーム制御弁20Aにおいて、中立位置20a3、第1位置20a1、第2位置20a2の切換は、操作部材の操作によりスプールを動かすことによって行う。なお、ブーム制御弁20Aの切換は、操作部材を手動操作することによってスプールを直接移動させることにより行っているが、スプールを油圧操作(パイロットバルブによる油圧操作、比例弁による油圧操作)で移動させてもよいし、電気操作(ソレノイドを励磁することによる電気操作)で移動させてもよいし、その他の方法で移動させてもよい。
したがって、ブーム制御弁20Aを第1位置20a1にすれば、第1接続油路21aからブームシリンダ14の第1ポート14dに作動油を供給することができると共に、ブームシリンダ14の第2ポート14eから第2接続油路21bに作動油を排出することができる。これによって、ブームシリンダ14は伸長し、ブーム10は上昇する。ブーム制御弁20Aを第2位置20a2にすれば、第2接続油路21bからブームシリンダ14の第2ポート14eに作動油を供給することができると共に、ブームシリンダ14の第1ポート14dから第1接続油路21aに作動油を排出することができる。これによって、ブームシリンダ14は収縮し、ブーム10は下降する。
いる。
したがって、バケット制御弁20Bを第1位置20b1にすれば、第1接続油路22aからバケットシリンダ17の第2ポート17eに作動油を供給することができると共に、バケットシリンダ17の第1ポート17dから第2接続油路22bに作動油を排出することができる。これによって、バケットシリンダ17は収縮し、バケット11はスクイ動作する。バケット制御弁20Bを第2位置20a2にすれば、第2接続油路22bからバケットシリンダ17の第1ポート17dに作動油を供給することができると共に、バケットシリンダ17の第2ポート17eから第1接続油路22aに作動油を排出することができる。これによって、バケットシリンダ17は伸長し、ダンプ動作する。
予備制御弁20Cは、予備アタッチメントに装着された油圧アクチュエータ(油圧シリンダ、油圧モータ等)16を制御する弁である。予備制御弁20Cは、パイロット方式の直動スプール形3位置切換弁である。予備制御弁20Cは、中立位置20c3、中立位置20c3とは異なる第1位置20c1、中立位置20c3及び第1位置20c1とは異なる第2位置20c2に切り換わる。予備制御弁20Cにおいて、中立位置20c3、第1位置20c1及び第2位置20c2の切換は、パイロット油の圧力によってスプールを動かすことによって行う。予備制御弁20Cには、給排油路83a、83bを介して接続部材18が接続されている。接続部材18には、予備アタッチメントの油圧アクチュエータ(予備油圧アクチュエータ)16に接続された油路が接続される。
0Aに流す油路であって、この実施形態では、第2接続油路21bである。以降、第2接続油路21bのことを「第1戻り油路」という。第1戻り油路21bは、第1制御弁(ブーム制御弁)20Aを第1位置20a1にして、第1油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14を伸長、即ち、ブームを上昇させた場合に、第1油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14から排出された戻り油を、第1制御弁(ブーム制御弁)20Aに流すことができる油路である。
さて、連通油路69は、当該連通油路69から分岐するバイパス油路82が設けられている。バイパス油路82は、第1戻り油路21bの中途部から分岐した油路であって、中途部に水平制御弁81が接続される油路である。連通油路69の第1戻り油路21bの中途部には少なくとも2以上の分岐部40a、40bが設けられ、分岐部40aには、バイパス油路82の一端が接続され、分岐部40bには、バイパス油路82の他端が接続されている。第1戻り油路21bにおいて、分岐部40aと分岐部40bとの区間には、作動弁43が設けられている。この実施形態では、作動弁43が設けられているが、作動弁43は無くてもよい。図3に示すように、作動弁43が設けられてない場合は、第1戻り油路21bにおいて、分岐部40aよりも第1制御弁20A側に第2逆止弁85を設ける。例えば、作動弁43に対応する位置、即ち、第1戻り油路21bにおいて、分岐部40aと分岐部40bとの間に、第2逆止弁85を設ける。第2逆止弁85は、第1制御弁20Aから第1油圧アクチュエータ14に作動油が流れるのを許容し、第1油圧アクチュエータ14から第1制御弁20Aに作動油が流れるのを阻止する弁である。
に設けられたスイッチ等により行うことができる。
第2切換弁45は、第1位置45aと第2位置45bと第3位置45cとに切換可能なパイロット切換方式の三位置切換弁である。第1切換弁44と第2切換弁45とは、油路47a、47bにより接続されている。油路47aには、油路47cが接続され、油路47bには、油路47dが接続されている。油路47cと油路47dとは、油路47eにより繋がっていて、油路47eには、第2切換弁45の受圧部45dが接続されている。なお、第2切換弁45と第1接続油路22aとは油路48により接続されている。したがって、水平制御弁81が作動する場合には、油路47a、47bの作動油の圧力は、第2切換弁45の受圧部45dに作用する。
したがって、第1位置43aである場合(水平動作オフの場合)には、第1制御弁20Aの切換によって、第1油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14を伸縮することができ、第2制御弁20Bの切換によって、第2油圧アクチュエータ(バケットシリンダ)17を伸縮することができる。第2位置43bである場合(水平動作オンの場合)にすると、第1油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14の伸長時、即ち、ブーム10の上昇時における第1油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14からの戻り油(ブーム戻り油という)が、作動弁43によって遮断される。ブーム戻り油は、分岐部40aから油路49に入り、第1切換弁44の受圧部44cに作用し、且つ、第2切換弁45の受圧部45dに作用する。そして、第1切換弁44及び第2切換弁45の切換によって、ブーム戻り油は、油路48を介して第1接続油路22aに作用する。その結果、ブーム戻り油によって、第2油圧アクチュエータ(バケットシリンダ)17はダンプする、即ち、水平動作をする。
作業系油圧システムは、戻り排出油路100を備えている。戻り排出油路100は、連通油路69を流れる戻り油の少なくとも一部を排出部に排出する油路である。戻り排出油路100は、連通油路69において、水平制御弁81が設けられた部分よりも第2制御弁20B側に接続された油路である。言い換えれば、連通油路69に着目した場合、戻り油が流れる上流側(第1油圧アクチュエータ14側)に、水平制御弁81が接続され、水平制御弁81の下流側(第2制御弁20B側)に、戻り排出油路100が接続されている。この実施形態では、戻り排出油路100は、連通油路69の第2戻り油路61に接続されている。具体的には、戻り排出油路100の一端は第2戻り油路61に接続され、他端は、排出油路24cに接続されている。戻り排出油路100には、絞り部101が接続されている。絞り部101は、例えば、戻り排出油路100の一部を他の部分よりも細くすることにより構成されている。言い換えれば、絞り部101は、戻り排出油路100において作動油が流れる部分の断面積を他の部分よりも小さくすることにより構成されている。なお、戻り排出油路100の構成は、前述した例に限定されない。
において、第1制御弁20Aを第2位置20a2にすれば、第1戻り油路21bと第2戻り油路61とが連通する。そのため、第1油圧アクチュエータ14からの戻り油は、第1戻り油路21bを通過して第2戻り油路61に流すことができる。上述したように、第2戻り油路61には、戻り排出油路100が接続されているため、戻り油の一部を戻り排出油路100に排出することができる。一方で、作動弁43が第2位置43bである場合(水平動作を作動させている場合)において、第1制御弁20Aを第2位置20a2にすれば、第1油圧アクチュエータ14からの戻り油を、バイパス油路82を介して水平制御弁81に供給することができる。つまり、水平動作を作動させている場合において、第1油圧アクチュエータ14からの戻り油を少なくとも、バイパス油路82を通じて水平制御弁81に流すため、水平制御弁81の動作を安定させることができる。
図2A〜図2Dは、作業系油圧システムの変形例を示している。図2A〜図2Dにおいて、水平制御弁81は省略されているが、図1と同様に、当該水平制御弁81は、分岐油路46に接続されていて、水平制御弁81等は図1と同様であるため説明を省略する。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。第1制御弁及び第2制御弁は上述した実施形態に限定されず、作業機に設けられた制御弁であれば何でもよい。上述した実施形態では、油圧ポンプは定容量ポンプであったが、例えば、斜板の変更によって吐出量が変化する可変容量ポンプであっても、その他の油圧ポンプであってもよい。
10 :ブーム
11 :バケット
14 :ブームシリンダ(第1油圧アクチュエータ)
15 :作動油タンク
17 :バケットシリンダ(第2油圧アクチュエータ)
20A :第1制御弁(ブーム制御弁)
20B :第2制御弁(バケット制御弁)
21a :第1接続油路
21b :第1戻り油路(第2接続油路)
40 :分岐部
43 :作動弁
43a :第1位置
43b :第2位置
43c :ソレノイド
61 :油路(第2戻り油路)
69 :連通油路
81 :水平制御弁
82 :バイパス油路
85 :第2逆止弁
100 :戻り排出油路
101 :絞り部
102 :第1逆止弁
P1 :第1油圧ポンプ
P2 :第2油圧ポンプ
Claims (7)
- 作動油を吐出する油圧ポンプと、
第1油圧アクチュエータと、
第2油圧アクチュエータと、
第1油圧アクチュエータを制御する第1制御弁と、
前記第1制御弁の下流側に設けられ、且つ、前記第2油圧アクチュエータを制御する第2制御弁と、
前記第1油圧アクチュエータから排出された作動油である戻り油を前記第2制御弁に流す連通油路と、
前記連通油路に接続され且つ、前記第2油圧アクチュエータの水平動作を行う水平制御弁と、
前記連通油路において、前記水平制御弁が設けられた部分よりも前記第2制御弁側に、当該第2制御弁に向かう戻り油を排出可能な戻り排出油路と、
を備えている作業機の油圧システム。 - 前記連通油路は、前記第1制御弁と前記第1油圧アクチュエータを接続し且つ前記第1油圧アクチュエータから排出された戻り油が流れる第1戻り油路と、前記第1戻り油路に設けられた少なくとも2つの分岐部に接続され且つ中途部に前記水平制御弁が接続されるバイパス油路と、前記第1戻り油路及び第1制御弁を通過した戻り油を前記第2制御弁に流す第2戻り油路と、を有し、
前記戻り排出油路は、前記第2戻り油路に接続されている請求項1に記載の作業機の油圧システム。 - 前記連通油路は、前記第1制御弁と前記第1油圧アクチュエータを接続し且つ前記第1油圧アクチュエータから排出された戻り油が流れる第1戻り油路と、前記第1戻り油路に設けられた少なくとも2つの分岐部に接続され且つ中途部に前記水平制御弁が接続されるバイパス油路と、前記第1戻り油路及び第1制御弁を通過した戻り油を前記第2制御弁に流す第2戻り油路と、を有し、
前記戻り排出油路は、前記第1制御弁に設けられている請求項1に記載の作業機の油圧システム。 - 前記第2戻り油路に設けられ前記第1制御弁から前記第2制御弁に向かう戻り油が流れるのを許容し且つ前記第2制御弁から前記戻り排出油路に作動油が流れるのを阻止する第1逆止弁を備えている請求項2又は3に記載の作業機の油圧システム。
- 前記第1油圧アクチュエータは、ブームを作動させるブームシリンダであり、
前記第2油圧アクチュエータは、バケットを作動させるバケットシリンダであり、
前記水平制御弁は、前記バケットの水平を行う弁であり、
前記第1戻り油路は、前記ブームを上昇させた場合に前記ブームシリンダから排出された前記戻り油を流す油路である請求項2〜4のいずれかに記載の作業機の油圧システム。 - 前記第1戻り油路において前記分岐部の区間に設けられた第2逆止弁を備え、
前記第2逆止弁は、前記第1制御弁から前記第1油圧アクチュエータに作動油が流れるのを許容し、前記第1油圧アクチュエータから前記第1制御弁に作動油が流れるのを阻止する請求項2〜5のいずれかに記載の作業機の油圧システム。 - 前記第1戻り油路において前記分岐部の区間に設けられた作動弁を備え、
前記作動弁は、前記第1油圧アクチュエータから前記第1戻り油路に戻った戻り油を前記バイパス油路及び前記水平制御弁に流して前記水平動作をさせる状態と、前記戻り油を
前記バイパス油路及び前記水平制御弁に流さずに前記水平動作をさせない状態とに切り換え可能である請求項2〜5のいずれかに記載の作業機の油圧システム。
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