JP2020118154A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サーモスタットの異常検出精度を向上する。【解決手段】 内燃機関の制御装置は、機関本体内部に形成された冷却通路を通過した冷却媒体を、ラジエータを経由して機関本体に還流させるラジエータ経路と、内燃機関によって駆動され、冷却媒体を循環させるポンプと、冷却通路の出口付近に設けられ、冷却通路を通過した冷却媒体の温度を検出する温度検出部と、冷却媒体の温度が所定温度以上の場合に開弁して、ラジエータ経路を通じた冷却媒体の流通を可能にするサーモスタットと、内燃機関の回転数を検出する回転数検出部と、冷却媒体の温度が所定温度未満の場合に、温度検出部により検出された冷却媒体の温度の所定期間における変化量が閾値以下であるか否かに基づいて、サーモスタットの異常を検出する異常検出部と、回転数検出部により検出された内燃機関の回転数の上昇度合いが所定値以上の場合、閾値を、回転数の上昇度合いが所定値未満の場合よりも小さい値に補正する補正部と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関の冷却装置として、機関本体とラジエータとの間で冷却水を循環させる水冷式の冷却装置が知られている。こうした冷却装置では、ラジエータに流れる冷却水の流量を調節するサーモスタットが設けられている。サーモスタットは、機関始動直後の暖機運転時等、冷却水温度が所定値(例えば、75℃)より低い場合には閉弁しており、この状態ではラジエータ側への冷却水の循環が停止される。このため、速やかな内燃機関の暖機が図られる。
しかしながら、サーモスタットに固着等の異常が発生し、開弁したままの状態(開固着状態)になると、暖機中であっても、冷却水がラジエータを経由して循環してしまい、内燃機関を速やかに暖機することができない。したがって、サーモスタットの異常を検出する様々な方法が提案されている。
例えば特許文献1では、水温センサにより検出される冷却水の温度が閾値よりも低く、かつ、冷却水の温度の変化量の絶対値が所定値よりも小さい状態が、予め定められた時間が経過するまで継続するか否かに基づいて、サーモスタットの異常を判定している。
特開2012−82731号公報
エンジン回転数の上昇時に一時的に水温センサの値が低下し、冷却水温度の変化量が小さくなる場合がある。このような場合、従来技術では、冷却水温度の変化量が所定値よりも大きくならないために、サーモスタットに異常(開固着)が発生していると誤判定するおそれがある。
そこで、本明細書開示の内燃機関の制御装置は、サーモスタットの異常検出精度を向上することを課題とする。
かかる課題を解決するために、本明細書に開示された内燃機関の制御装置は、内燃機関の機関本体内部に形成された冷却通路を通過した冷却媒体を、ラジエータを経由して前記機関本体に還流させるラジエータ経路と、前記内燃機関によって駆動され、前記冷却媒体を循環させるポンプと、前記冷却通路の出口付近に設けられ、前記冷却通路を通過した前記冷却媒体の温度を検出する温度検出部と、前記冷却媒体の温度が所定温度以上の場合に開弁して、前記ラジエータ経路を通じた前記冷却媒体の流通を可能にするサーモスタットと、前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出部と、前記冷却媒体の温度が前記所定温度未満の場合に、前記温度検出部により検出された前記冷却媒体の温度の所定期間における変化量が閾値以下であるか否かに基づいて、前記サーモスタットの異常を検出する異常検出部と、前記回転数検出部により検出された前記内燃機関の回転数の上昇度合いが所定値以上の場合、前記閾値を、前記回転数の上昇度合いが所定値未満の場合よりも小さい値に補正する補正部と、を備える。
本明細書開示の内燃機関の制御装置は、サーモスタットの異常検出精度を向上することができる。
図1は、第1の実施形態に係る内燃機関の制御装置が適用された冷却システムの構成を示す概略図である。 図2は、サーモスタット異常判定処理の一例を示すフローチャート(その1)である。 図3は、サーモスタット異常判定処理の一例を示すフローチャート(その2)である。 図4は、第1の実施形態における水温閾値設定処理の詳細を示すフローチャートである。 図5は、エンジン回転数と、水温センサから出力される値と、の関係を示すタイムチャートである。 図6は、第2の実施形態に係る内燃機関の制御装置が適用された冷却システムの構成を示す概略図である。 図7は、第2の実施形態において、ウォータポンプが電動ウォータポンプの場合の水温閾値設定処理を示すフローチャートである。 図8(A)は、エンジン回転数と、ウォータポンプ流量と、水温センサから出力される値と、の関係を示すタイムチャートであり、図8(B)は、図8(A)の時間t12付近の拡大図である。 図9は、第2の実施形態において、ウォータポンプがメカウォータポンプの場合の水温閾値設定処理の詳細を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されて描かれている場合もある。
≪第1の実施形態≫
図1は、第1の実施形態に係る内燃機関の制御装置が適用された冷却システム500の構成を示す概略図である。本実施形態に係る内燃機関の制御装置は、ガソリンエンジンを搭載する車両、アルコール燃料やガス燃料を使用するエンジン、及びディーゼルエンジンを搭載した車両に適用することができ、また、前述のエンジンと共に走行用の電動モータを搭載したハイブリッド車両にも適用できる。なお、以下の説明においては、冷却媒体は、冷却水であるとして説明するが、冷却媒体は、液体であっても気体であってもよく、特にこれに限定されるものではない。
図1に示すように、本実施形態において冷却システム500は、内燃機関の機関本体10の内部に形成されたウォータジャケット12を通過した冷却水を、ラジエータ14を経由して機関本体10に還流させるラジエータ経路20と、ラジエータ14を経由せずに機関本体10に還流させるバイパス経路25と、機関本体10のクランクシャフト(不図示)により駆動され、冷却水を循環させるウォータポンプ16と、を備える。ウォータジャケット12は、冷却通路の一例である。
バイパス経路25には、車室内に設置される暖房用熱交換器(ヒータコア)15が設置されている。なお、バイパス経路25において、ヒータコア15を経由する経路に加えて、例えば、スロットルバルブを冷却する経路が形成されていてもよい。
ウォータジャケット12の冷却水の出口12aの近傍には、水温センサ51が設けられている。水温センサ51は、ウォータジャケット12を通過した冷却水の温度(以下、エンジン出口水温という)を検出する。水温センサ51は、温度検出部の一例である。
ラジエータ経路20において、ラジエータ14の後流側には、サーモスタット17が設けられている。サーモスタット17は、エンジン出口水温が所定温度以上(本実施形態においては75℃とする)の場合に開弁して、ラジエータ経路20を通じた冷却水の流通を可能にする。一方、エンジン出口水温が所定温度未満の場合、閉弁して、ラジエータ経路20を通じた冷却水の流通を遮断する。
また、冷却システム500は、ECU(Electronic Control Unit)100を備える。ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び記憶装置等を備える。ECU100は、ROMや記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、後述するサーモスタット異常判定処理及び水温閾値設定処理を実行する。ECU100は、異常検出部及び補正部の一例である。
ECU100には、上述した水温センサ51の他、クランクポジションセンサ52、吸気温センサ53、車速センサ54、及びバッテリ59等が接続されている。クランクポジションセンサ52は、クランクシャフト(不図示)の回転数、すなわちエンジン回転数を検出する。クランクポジションセンサ52は、回転数検出部の一例である。吸気温センサ53は、不図示のエアクリーナ内に導入される吸入空気の温度(吸気温)を検出する。車速センサ54は、車速を検出する。ECU100は、各センサから入力される信号に基づき、サーモスタット異常判定処理及び水温閾値設定処理を実行する。
次に、ECU100が実行するサーモスタット異常判定処理について、図2及び図3のフローチャートに基づいて説明する。図2及び図3の処理は、所定の時間間隔(予め定められた判定期間毎(例えば、20秒毎))で実行される。
図2において、ECU100は、まず、サーモスタット17の異常判定処理を実行できる条件(判定処理実行条件)が満たされているか否かを判定する(ステップS11)。ECU100は、例えば、エンジン始動時のエンジン出口水温が所定値(例えば、−10℃)以上、エンジン始動時の吸気温が所定値(例えば、−10℃)以上、エンジン回転数が所定範囲内(例えば、0rpmから4500rpmの範囲内)、車速が所定範囲内(例えば、65km/hから128km/hの範囲内)、かつ、バッテリ電圧が所定電圧以上である場合に、判定処理実行条件が満たされていると判定する。
判定処理実行条件が満たされていない場合(ステップS11/NO)、ECU100は、図2及び図3の処理を終了する。一方、判定処理実行条件が満たされている場合(ステップS11/YES)、ECU100は、サーモスタット17の異常判定に用いる水温閾値を設定する水温閾値設定処理を実行する(ステップS13)。水温閾値設定処理の詳細については、後述する。
次に、ECU100は、エンジン出口水温の取得タイミングか否かを判断する(ステップS20)。当該ステップでは、所定期間(例えば、10秒)におけるエンジン出口水温の変化量を求めるために、所定期間のカウントを開始してよいタイミングであるか否かを判断している。例えば、ECU100は、サーモスタット異常判定処理を開始してから、所定の時間(例えば、10秒)が経過したタイミングを、エンジン出口水温の取得タイミングであると判断する。
エンジン出口水温の取得タイミングである場合(ステップS20/YES)、ECU100は、エンジン出口水温(所定期間開始時エンジン出口水温)を取得し(ステップS21)、ステップS23に移行する。
一方、エンジン出口水温の取得タイミングでない場合(ステップS20/NO)、ECU100は、所定期間開始時エンジン出口水温を取得済みか否かを判断する(ステップS22)。所定期間開始時エンジン出口水温を取得済みではない場合(ステップS22/NO)、ステップS11に戻るが、所定期間開始時エンジン出口水温を取得済みの場合(ステップS22/YES)、ステップS23に移行する。
ECU100は、所定期間開始時エンジン出口水温を取得してから所定期間(例えば、10秒)が経過したか否かを判断する(ステップS23)。所定期間が経過していない場合(ステップS23/NO)、ステップS11に戻るが、所定期間が経過した場合(ステップS23/YES)、ECU100は、エンジン出口水温(所定期間経過時エンジン出口水温)を取得する(ステップS25)。
次に、ECU100は、水温変化量を算出する(図3:ステップS26)。具体的には、ECU100は、所定期間経過時エンジン出口水温から所定期間開始時エンジン出口水温を減算する。
ECU100は、ステップS26において算出した水温変化量が、水温閾値未満か否かを判断する(ステップS27)。水温変化量が水温閾値以上の場合(ステップS27/NO)、ECU100は、サーモスタット17が正常であると判定し、正常カウンタをインクリメントする(ステップS31)。
一方、水温変化量が水温閾値未満の場合(ステップS27/YES)、ECU100は、エンジン出口水温が75℃未満の状態が、今回の判定期間(例えば、サーモスタット異常判定処理を開始してからステップS28の判断を開始するまでの期間)継続したか否かを判断する(ステップS28)。
エンジン出口水温が75℃未満の状態が、今回の判定期間継続していた場合(ステップS28/YES)、ECU100は、サーモスタット17の異常をカウントする異常カウンタをインクリメントする(ステップS29)。エンジン出口水温が75℃未満の場合、理論的には、サーモスタット17は閉弁し冷却水はラジエータ14を通過しないため、水温変化量が水温閾値以上となるはずだからである。なお、本実施形態において、サーモスタット17が閉弁するエンジン出口水温を75℃としたが、これに限られるものではない。サーモスタット17が閉弁するエンジン出口水温は、例えば、80℃、85℃等の75℃より高い温度であってもよいし、70℃等の75℃よりも低い温度であってもよい。
一方、ステップS28の判断が否定された場合、ステップS33に移行する。
次に、ECU100は、異常カウンタが所定値(例えば、3)以上であるか否かを判定する(ステップS33)。異常カウンタが所定値以上の場合(ステップS33/YES)、ECU100は、サーモスタット17に異常が発生していると判定し(ステップS43)、図2及び図3の処理を終了する。
一方、異常カウンタが所定値未満の場合(ステップS33/NO)、ECU100は、正常カウンタが所定値(例えば、3)以上であるか否かを判断する(ステップS35)。
正常カウンタが所定値未満の場合(ステップS35/NO)、ECU100は、ステップS37の処理を行わず、図2及び図3の処理を終了する。一方、正常カウンタが所定値(例えば、3)以上である場合(ステップS35/YES)、ECU100は、仮正常判定フラグをONする(ステップS37)。
ECU100は、仮正常判定フラグがON、かつ、エンジン出口水温が75℃以上か否かを判断する(ステップS39)。仮正常判定フラグがON、かつ、エンジン出口水温が75℃以上の場合、ECU100は、サーモスタット17が正常であると判定し(ステップS41)、図2及び図3の処理を終了する。
ステップS39の判断が否定された場合、ECU100は、正常判定を行わず、図2及び図3の処理を終了する。これは、サーモスタット17が正常に機能している場合、エンジン出口水温は、いずれ75℃以上となるため、エンジン出口水温が75℃以上となった後に、正常判定を確定することにより、サーモスタット17が正常であると誤判定するのを防止するためである。
(水温閾値設定処理:S13)
次に、ECU100が実行する水温閾値設定処理(図2:ステップS13)の詳細について、図4のフローチャートに基づいて説明する。
図4の処理では、まず、ECU100は、エンジン出口水温と吸気温の差、吸気量、車速、及びフューエルカット中か否か等に基づいて、予め設定されているマップ及び/又は計算式を用いて水温閾値を算出する(ステップS131)。ステップS131において、ECU100は、エンジン回転上昇度合いが回転上昇閾値未満の場合の水温閾値を算出している。
次に、ECU100は、エンジン回転数の上昇度合いを算出する(ステップS133)。具体的には、ECU100は、現在のエンジン回転数と、エンジン回転数のなまし値との差分を算出する。
次に、ECU100は、エンジン回転数の上昇度合いが、回転上昇閾値以上か否かを判断する(ステップS135)。エンジン回転数の上昇度合いが、回転上昇閾値未満の場合(ステップS135/NO)、図2のステップS20へ移行する。これにより、ECU100は、ステップS131で算出した水温閾値を用いて、サーモスタット17に異常が生じているか否かの判定を行う。
一方、エンジン回転数の上昇度合いが回転上昇閾値以上の場合(ステップS135/YES)、ECU100は、水温閾値を補正する(ステップS137)。具体的には、水温閾値を、ステップS131で算出した水温閾値よりも小さい値に補正する。すなわち、エンジン回転数の上昇度合いが回転上昇閾値以上の場合、ECU100は、水温閾値を、エンジン回転数の上昇度合いが回転上昇閾値未満の場合の水温閾値よりも小さい値に補正する。例えば、ステップS131で算出した水温閾値が0.5℃の場合において、エンジン回転数の上昇度合いが回転上昇閾値以上である場合、ECU100は、水温閾値を0.3℃に補正する。
ここで、エンジン回転数の上昇度合いが回転上昇閾値以上の場合、水温閾値を、ステップS131で算出した水温閾値よりも小さい値に設定する理由について説明する。
図5は、ヒータ使用時における、エンジン回転数と、水温センサ51から出力される値(水温センサ値)と、の関係を示すタイムチャートである。図5に示すように、時間t1において、エンジン回転数が上昇し始めると、ウォータジャケット12の出口12a付近に設けられた水温センサ51のセンサ値は、時間t2において低下し始め、再び上昇する。
これは、以下の理由による。車室内でのヒータ使用時には、ヒータコア15で冷却水温度が低下し、機関本体10通過時に冷却水温度は上昇する。ここで、冷却水の流速が速いほど(エンジン回転数が高いほど)、ヒータコア15での冷却水の水温低下及び機関本体10での冷却水の水温上昇は小さく、冷却システム500全体での水温乖離は小さくなる。エンジン回転数上昇時(ウォータポンプ16の回転数上昇時)には、冷却水の流速が速くなるので、冷却システム500全体での水温乖離が「大」から「小」に変化する。このため、ヒータコア15の上流(ウォータジャケット12の出口12a付近)に搭載された水温センサ51のセンサ値が低下する。
このとき、例えば、時間t3に所定期間開始時エンジン出口水温を取得し、時間t4に所定期間経過時エンジン出口水温を取得すると、水温センサ値が低下した影響で、水温変化量が小さくなる。そのため、エンジン回転数の上昇度合いが回転上昇閾値よりも小さい場合(例えば、通常運転時)の水温閾値を用いてサーモスタット17の異常を検出すると、サーモスタット17の異常(開固着)を誤検出する可能性がある。
そこで、本実施形態に係るECU100は、エンジン回転数の上昇度合いが回転上昇閾値以上である場合、水温閾値を、ステップS131で算出した水温閾値よりも小さい値に設定する。これにより、サーモスタット17の異常(開固着)を誤検出することが抑制され、サーモスタット17の異常検出精度が向上する。
以上、詳細に説明したように、本第1の実施形態によれば、内燃機関の機関本体10の内部に形成されたウォータジャケット12を通過した冷却水を、ラジエータ14を経由して機関本体10に還流させるラジエータ経路20と、機関本体10によって駆動され、冷却水を循環させるウォータポンプ16と、ウォータジャケット12の出口12a付近に設けられ、ウォータジャケット12を通過した冷却水の温度を検出する水温センサ51と、冷却水の温度が所定温度(75℃)以上の場合に開弁して、ラジエータ経路20を通じた冷却水の流通を可能にするサーモスタット17と、内燃機関の回転数を検出するクランクポジションセンサ52と、冷却水の温度が所定温度未満の場合に、水温センサ51により検出された冷却水の温度の所定期間における変化量が水温閾値以下であるか否かに基づいて、サーモスタット17の異常を検出し、クランクポジションセンサ52により検出された機関本体10の回転数の上昇度合いが回転上閾値以上の場合、水温閾値を、上昇度合いが所定値未満の場合よりも低い値に補正するECU100と、を備える。これにより、エンジン回転数の上昇時に一時的に水温センサ51の値が低下し、エンジン出口水温の変化量が小さくなる場合であっても、サーモスタット17の異常(開固着)を誤検出することを抑制できる。したがって、サーモスタット17の異常検出精度が向上する。
上記第1の実施形態では、ウォータポンプ16が機関本体10のクランクシャフトにより駆動されるウォータポンプ(メカウォータポンプ)である場合について説明したが、ウォータポンプ16は、電動ウォータポンプでもよい。この場合、エンジン回転数の上昇度合いに代えて、ウォータポンプ回転数の上昇度合いに基づいて、水温閾値の補正を行えばよい。
≪第2の実施形態≫
上述した水温センサ51のセンサ値は、特に、ハイブリッド車両において、ウォータポンプ16が停止した状態から復帰したときに、顕著に低下する場合がある。より具体的には、ウォータポンプ16がメカウォータポンプの場合、エンジンが間欠停止から復帰したときに、水温センサ51のセンサ値が顕著に低下する場合がある。また、ウォータポンプ16が電動ウォータポンプの場合、エンジンが間欠停止しており、かつ、ヒータが使用されていないためにウォータポンプ16が停止している状態から、エンジンが間欠停止から復帰することでウォータポンプ16が作動を開始した場合、水温センサ51のセンサ値が顕著に低下する場合がある。そこで、第2の実施形態では、車両がハイブリッド車両である場合に、ウォータポンプ16が停止した状態から復帰したか否かに基づいて、さらに水温閾値を補正する処理を行う。
図6は、第2の実施形態に係る内燃機関の制御装置が適用された冷却システム500Aの構成を示す概略図である。本第2の実施形態において、冷却システム500Aは、ハイブリッド車両に搭載されている。また、ウォータポンプ16は電動ウォータポンプであるとする。その他の構成は、第1の実施形態に係る冷却システム500と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図7は、第2の実施形態に係るECU100が実行する水温閾値設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図7の処理では、まず、ECU100は、エンジン出口水温と吸気温の差、吸気量、車速、及びフューエルカット中か否か等に基づいて、予め設定されているマップ及び/又は計算式を用いて水温閾値Torgを算出する(ステップS501)。ステップS501において、ECU100は、ウォータポンプ回転数(W/P回転数)の上昇度合いが閾値未満の場合の水温閾値を算出している。
次に、ECU100は、W/P回転数の上昇度合いを算出する(ステップS503)。具体的には、ECU100は、現在のW/P回転数と、W/P回転数のなまし値との差分を算出する。
次に、ECU100は、W/P回転数の上昇度合いが、閾値以上か否かを判断する(ステップS505)。W/P回転数の上昇度合いが、閾値未満の場合(ステップS505/NO)、図2のステップS20へ移行する。これにより、ECU100は、ステップS501で算出した水温閾値Torgを用いて、サーモスタット17に異常が生じているか否かの判定を行う。
一方、W/P回転数の上昇度合いが閾値以上の場合(ステップS505/YES)、ECU100は、水温閾値の補正量をΔT(例えば、0.2℃)とする(ステップS507)。
次に、ECU100は、ウォータポンプ16が停止した状態で車両が所定距離以上走行した後(W/P停止走行実施後)であるか否かを判断する(ステップS509)。具体的には、ECU100は、ウォータポンプ16を停止させたまま車両が走行した距離が所定の閾値以上である場合に、W/P停止走行実施後であると判断する。
ここで、ウォータポンプ16を停止させたまま車両が走行した距離の取得方法の一例について説明する。例えば、ECU100は、変数Espdsumを用いて、ウォータポンプ16を停止させたまま車両が走行した距離を取得する。
ECU100は、図2及び図3に示す処理が終了した場合、ウォータポンプ16の作動時間が所定値以上の場合、又はウォータポンプ16の積算流量が所定値以上の場合、ウォータポンプ16を停止させたまま車両が走行した距離を表す変数Espdsumを0にリセットする。ウォータポンプ16の積算流量は、ウォータポンプ16の目標流量に時間を乗算することにより算出できる。なお、ECU100は、例えば、ウォータポンプ16の目標流量が所定値以上となったタイミングで、ウォータポンプ16の流量の積算を開始する。
ECU100は、変数Espdsumをリセットした後、所定時間間隔でウォータポンプ16の目標流量が所定値(例えば、1.5L/min)未満であるか否かを判断する。ECU100は、目標流量が所定値未満である場合には、当該所定時間の間に車両が走行した距離を表す定数Espdconを変数Espdsumに加算する(Espdsum←Espdsum+Espdcon)。そして、ECU100は、変数Espdsumを0にリセットしてからステップS509の判断までの間に得られた変数Espdsumの値が、所定の閾値以上である場合に、W/P停止走行実施後であると判断する。
W/P停止走行実施後でない場合(ステップS509/NO)、ECU100は、水温閾値の補正量ΔTを用いて、水温閾値Tcを算出する(ステップS515)。より具体的には、ステップS501で算出した水温閾値Torgから、水温閾値の補正量ΔTを減算することにより、水温閾値Tcを算出する。すなわち、水温閾値Tc=Torg−ΔTとなる。
一方、W/P停止走行実施後である場合(ステップS509/YES)、ECU100は、水温閾値の補正量ΔTを補正し、水温閾値Tcを算出する(ステップS513)。より具体的には、水温閾値の補正量ΔTに1より大きい係数Kを乗算して、ステップS501で算出した水温閾値Torgから減算することにより、水温閾値Tcを算出する。すなわち、水温閾値Tc=Torg−ΔT×Kとなる。したがって、W/P停止走行実施後の水温閾値Tcは、W/P停止走行を実施しなかった場合の水温閾値Tcよりも小さくなる。
ここで、ECU100が、W/P停止走行実施後である場合に、水温閾値の補正量ΔTを補正する理由について説明する。
図8(A)は、ハイブリッド車両における、エンジン回転数と、ウォータポンプ流量と、水温センサ51から出力される値(水温センサ値)と、の関係の一例を示すタイムチャートである。また、図8(B)は、図8(A)の時間t12近傍を拡大した図である。
図8(A)において、時間t11と時間t12との間の期間D1では、エンジン間欠停止中(エンジン回転数=0[rpm])であり、ヒータが使用されていない(ヒータオフ)ため、ウォータポンプ16が停止(ウォータポンプ流量=0[L/min])している。期間D1の間は、走行風によってラジエータ14周辺の冷却水配管内の冷却水は冷却されるが、機関本体10内部のウォータジャケット12に留まっている冷却水は冷却されない。ここで、図8(A)に示すように、時間t12において、エンジンが間欠停止から復帰することによりエンジン回転数が上昇し、ウォータポンプ16が停止状態から復帰すると、図8(A)において点線で囲むように、水温センサ値(エンジン水温)が急上昇した後、急低下する。これは、期間D1の間に走行風により冷却されたラジエータ14近辺の冷却水と、機関本体10内部の温かい冷却水が混ざることによるものと考えられる。
このとき、例えば、図8(B)に示すように、時間t13に所定期間開始時エンジン出口水温を取得し、時間t14に所定期間経過時エンジン出口水温を取得すると、水温センサ値が低下した影響で、水温変化量が小さくなる。また、その水温変化量は、W/P停止走行を実施していない場合の水温変化量よりも小さい。そのため、W/P停止走行を実施していない場合の水温閾値(Tc=Torg−ΔT)を用いてサーモスタット17の異常を検出すると、サーモスタット17の異常を誤検出する可能性がある。
そこで、第2の実施形態では、車両がハイブリッド車両である場合、ECU100は、第1の実施形態と同様に、ウォータポンプ16の回転数の上昇度合いが閾値以上の場合、水温閾値を、回転数の上昇度合いが閾値未満の場合よりも小さい値に設定し、さらに、W/P停止走行実施後である場合には、水温閾値をより小さい値に設定する。言い換えると、ECU100は、W/P停止走行実施後である場合には、水温閾値を、W/P停止走行を実施していない場合の水温閾値より小さい値に設定する。これにより、サーモスタット17の異常(開固着)を誤検出することが抑制され、サーモスタット17の異常検出精度が向上する。
なお、上記図7では、ウォータポンプ16が電動ウォータポンプである場合の処理について説明したが、ウォータポンプ16はメカウォータポンプであってもよい。この場合、図9に示すように、ECU100は、図7のステップS503に対応するステップS503Aにおいて、エンジン回転数の上昇度合いを算出する。また、図7のステップS505に対応するステップS505Aにおいて、エンジン回転数の上昇度合いが回転上昇閾値以上か否かを判断する。
また、図7のステップS509と対応するステップS509Aにおいて、ECU100は、エンジンを停止した状態で車両が走行(すなわち、エンジンが間欠停止し、車両が電動モータのみで走行)した距離が所定の閾値以上であるか否か(エンジン間欠停止実施後か否か)を判定する。メカウォータポンプの場合、エンジンが停止していれば、ウォータポンプ16も停止した状態となるからである。エンジンが間欠停止しているか否かは、例えば、エンジン回転数が所定の回転数以下か否かによって判断すればよい。
ECU100は、エンジン間欠停止実施後であれば(ステップS509A/YES)、水温閾値TcをTc=Torg−ΔT×Kとする(ステップS513)。一方、エンジン間欠停止実施後でない場合(ステップS509A/NO)、ECU100は、水温閾値TcをTc=Torg−ΔTとする(ステップS515)。
このように、図9に示す処理によって、メカウォータポンプを備えるハイブリッド車両においても、水温閾値を適切に補正できるため、サーモスタット17の異常(開固着)を誤検出することが抑制され、サーモスタット17の異常検出精度を向上させることができる。
上記実施形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
10 機関本体
12 ウォータジャケット
12a 出口
14 ラジエータ
16 ウォータポンプ
17 サーモスタット
20 ラジエータ経路
25 バイパス経路
51 水温センサ
52 クランクポジションセンサ
100 ECU
500,500A 冷却システム

Claims (1)

  1. 内燃機関の機関本体内部に形成された冷却通路を通過した冷却媒体を、ラジエータを経由して前記機関本体に還流させるラジエータ経路と、
    前記内燃機関によって駆動され、前記冷却媒体を循環させるポンプと、
    前記冷却通路の出口付近に設けられ、前記冷却通路を通過した前記冷却媒体の温度を検出する温度検出部と、
    前記冷却媒体の温度が所定温度以上の場合に開弁して、前記ラジエータ経路を通じた前記冷却媒体の流通を可能にするサーモスタットと、
    前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出部と、
    前記冷却媒体の温度が前記所定温度未満の場合に、前記温度検出部により検出された前記冷却媒体の温度の所定期間における変化量が閾値以下であるか否かに基づいて、前記サーモスタットの異常を検出する異常検出部と、
    前記回転数検出部により検出された前記内燃機関の回転数の上昇度合いが所定値以上の場合、前記閾値を、前記回転数の上昇度合いが所定値未満の場合よりも小さい値に補正する補正部と、
    を備える内燃機関の制御装置。
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