JP2020116820A - 造形装置、システム、造形方法およびプログラム - Google Patents

造形装置、システム、造形方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】効率的に加熱して造形する造形装置、システム、造形方法およびプログラムを提供する。【解決手段】三次元造形装置は、造形材料層の温度を測定する温度センサと、温度センサが測定した温度に基づいて、造形材料層が溶融する温度となる加熱量で加熱手段を制御する加熱制御部とを含み、加熱量の算出手段は造形物の形状、造形中の造形物の位置、加熱手段の温度に基づいて造形層を1層造形するごとに算出を行う。【選択図】図7

Description

本発明は、造形装置、システム、造形方法およびプログラムに関する。
金型などを用いずに造形物を多品種少量生産可能な装置として、3Dプリンタが普及しつつある。
特許文献1には、熱溶解積層法(以下、FFF(Fused Filament Fabrication)と略す)として、溶融樹脂を押し出しながら多段に積層する装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1では、効率的に加熱して造形することができなかった。
本発明は、上記従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、効率的に加熱して造形する造形装置、システム、造形方法およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明によれば、
造形材料層の温度を測定する温度測定手段と、
前記温度に基づいて、前記造形材料層が溶融する温度となる加熱量で加熱手段を制御する加熱制御手段と
を含む、造形装置が提供される。
すなわち本発明によると、効率的に加熱して造形する造形装置、システム、造形方法およびプログラムが提供される。
一実施形態に係る三次元造形装置の構成を示す模式図である。 図1の三次元造形装置における吐出モジュールの断面を示す模式図である。 一実施形態に係る三次元造形装置のハードウェア構成図である。 下層を加熱する動作の一例を示す模式図である。 非接触式温度センサの一例として、サーモグラフィーを配置した模式図である。 接触式温度センサの一例として、熱電対を配置した模式図である。 伝熱計算部を説明するブロック図である。 フィードバック制御による下層再加熱処理のフロー図である。 フィードフォワード制御による下層再加熱処理のフロー図である。 フィードフォワード制御による任意距離前の下層再加熱処理のフロー図である。 フィードフォワード制御による吐出直前の下層再加熱処理のフロー図である。 伝熱計算に用いる、積層界面の接着性の強度発現に起因する、概念図である。 一実施形態における加熱モジュールを造形テーブル側から見た平面図である。 上層形成時の造形物の状態の一例を示す模式図である。 上層形成時の造形物の状態の一例を示す模式図である。 上層形成時の造形物の状態の一例を示す模式図である。 上層形成時の造形物の状態の一例を示す模式図である。 本実施形態における再加熱範囲の一例を示す模式図である。 一実施形態に係る造形処理を示すフロー図である。 一実施形態における下層加熱の動作を示す模式図である。 一実施形態における下層加熱の動作を示す模式図である。 一実施形態における下層加熱の動作を示す模式図である。 一実施形態における下層加熱の動作を示す模式図である。 材料構成を偏在させたフィラメントの一例を示す断面図である。 図24のフィラメントの吐出物の断面図である。 図24のフィラメントを用いて造形される造形物の断面図である。 規制手段を有する三次元造形装置の一例を示す模式図である。 フィラメントの方向を規制する処理の一例を示すフロー図である。 一実施形態における造形および表面処理動作を示す模式図である。 実施例および比較例における造形物の形状を示す。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。
<<<全体構成>>>
本発明の一実施形態として、熱溶解積層法(FFF)により三次元造形物を造形する三次元造形装置について説明する。なお、本実施形態における三次元造形装置は、熱溶解積層法(FFF)を用いたものに限定されるものではなく、三次元造形物を造形する任意の造形方法を用いたものであってもよい。
図1は、一実施形態に係る三次元造形装置の構成を示す模式図である。図2は、図1の三次元造形装置における吐出モジュールの断面を示す模式図である。
三次元造形装置1における筐体2の内部は、三次元造形物MOを造形するための処理空間となっている。筐体2の内部には載置台としての造形テーブル3が設けられており、造形テーブル3上に三次元造形物MOが造形される。
造形には、熱可塑性樹脂をマトリックスとした樹脂組成物からなる長尺のフィラメントFが用いられる。フィラメントFは、細長いワイヤー形状の固体材料であり、巻き回された状態で三次元造形装置1における筐体2の外部のリール4にセットされている。リール4は、フィラメントFの駆動手段であるエクストルーダ11の回転に引っ張られることで、大きく抵抗力を働かせることなく自転する。
筐体2の内部の造形テーブル3の上方には、造形材料吐出部材としての吐出モジュール10(造形ヘッド)が設けられている。吐出モジュール10は、エクストルーダ11、冷却ブロック12、フィラメントガイド14、加熱ブロック15、吐出ノズル18、撮像モジュール101、ねじり回転機構102、およびその他の部品によってモジュール化されている。フィラメントFは、エクストルーダ11によって引き込まれることで、三次元造形装置1の吐出モジュール10へ供給される。
撮像モジュール101は、吐出モジュール10に引き込まれるフィラメントFの360°像、すなわち、フィラメントFにおけるある部分の全方位の画像を撮像する。ここで、吐出モジュール10の断面について図2を用いて説明する。図2の吐出モジュールには2つの撮像モジュールが設けられているが、例えば、反射板を用いるなどして、1つの撮像モジュール101により、フィラメントFの360°像を撮像してもよい。なお、撮像モジュール101としては、レンズなどの結像光学系と、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子と、を備えたカメラが例示される。
ねじり回転機構102は、ローラにより構築されており、吐出モジュール10に引き込まれるフィラメントFを、幅方向に回転させることでフィラメントFの方向を規制する。径測定部103は、撮像モジュール101により撮像されたフィラメントの画像から、X軸、Y軸の2方向におけるフィラメントのエッジ間の幅を、それぞれ径として測定し、規格外の径を検出した際、エラー情報を出力する。エラー情報の出力先は、ディスプレイであってもよいし、スピーカであってもよいし、他の装置であってもよい。径測定部103は、回路であってもよいし、CPUの処理によって実現される機能であってもよい。
加熱ブロック15は、ヒータなどの熱源16と、ヒータの温度を制御するための熱電対17と、を有し、移送路を介して、吐出モジュール10に供給されたフィラメントFを加熱溶融させて、吐出ノズル18へ供給する。
冷却ブロック12は、加熱ブロック15の上部に設けられる。冷却ブロック12は、冷却源13を有し、フィラメントを冷却する。これにより、冷却ブロック12は、溶融したフィラメントFMの吐出モジュール10内の上部への逆流、フィラメントを押し出す抵抗の増大、あるいは、フィラメントの固化による移送路内での詰まりを防ぐ。加熱ブロック15と冷却ブロック12との間には、フィラメントガイド14が設けられている。
図2に示すように、吐出モジュール10の下端部に、造形材料であるフィラメントFを吐出する吐出ノズル18が設けられている。吐出ノズル18は、加熱ブロック15から供給された溶融状態あるいは半溶融のフィラメントFMを造形テーブル3上に線状に押し出すようにして吐出する。吐出されたフィラメントFMは、冷却固化されて所定の形状の層が形成される。さらに、吐出ノズル18は、形成した層に、溶融状態あるいは半溶融状態のフィラメントFMを、線状に押し出すようにして吐出する操作を繰り返すことで、新たな層を積み上げて積層させる。これにより、三次元造形物が得られる。
本実施形態では、吐出モジュール10に2つの吐出ノズルが設けられている。第一の吐出ノズルは、三次元造形物を構成するモデル材のフィラメントを溶融して吐出し、第二の吐出ノズルは、モデル材を支持するサポート材のフィラメントを溶融して吐出する。なお、図1において、第一の吐出ノズルの奥側に第二の吐出ノズルが配置されている。なお、吐出ノズルの数は2個に限らず任意である。
第二の吐出ノズルから吐出されるサポート材は、通常、三次元造形物を構成するモデル材とは異なる材料である。サポート材により形成されるサポート部は、最終的にはモデル材により形成されるモデル部から除去される。サポート材のフィラメントおよびモデル材のフィラメントは、それぞれ、加熱ブロック15にて溶融され、それぞれの吐出ノズル18から押し出されるように吐出されて、層状に順次積層される。
また、三次元造形装置1には、吐出モジュール10により形成中の層の下層を加熱する加熱モジュール20が設けられている。加熱モジュール20には、レーザを照射するレーザ光源21が設けられている。レーザ光源21は、下層におけるフィラメントFMが吐出される直前の位置にレーザを照射する。レーザ光源としては、特に限定されないが、半導体レーザが例示され、レーザの照射波長としては、445nmが例示される。
吐出モジュール10および加熱モジュール20は、装置左右方向(図1中の左右方向=X軸方向)に延びるX軸駆動軸31(X軸方向)に対し、連結部材を介して、スライド移動可能に保持されている。吐出モジュール10は、X軸駆動モータ32の駆動力により、装置左右方向(X軸方向)へ移動することができる。
X軸駆動モータ32は、装置前後方向(図1中の奥行方向=Y軸方向)に延びるY軸駆動軸(Y軸方向)に沿ってスライド移動可能に保持されている。X軸駆動軸31がX軸駆動モータ32ごとY軸駆動モータ33の駆動力によってY軸方向に沿って移動することにより、吐出モジュール10および加熱モジュール20はY軸方向に移動する。
一方、造形テーブル3は、Z軸駆動軸34、及び、ガイド軸35に通され、装置上下方向(図1中の上下方向=Z軸方向)に延びるZ軸駆動軸34に沿って移動可能に保持されている。造形テーブル3は、Z軸駆動モータ36の駆動力により、装置上下方向(Z軸方向)へ移動する。造形テーブル3には、積載された造形物を加熱するための加熱部が設けられていてもよい。
フィラメントの溶融と吐出を経時で続けると、吐出ノズル18の周辺部が溶融した樹脂で汚れることがある。これに対して、三次元造形装置1に設けられたクリーニングブラシ37により、吐出ノズル18の周辺部に対し定期的にクリーニング動作を行うことで、吐出ノズル18の先端に樹脂が固着することを防ぐことができる。好ましくは、クリーニング動作は、固着防止の観点から、樹脂の温度が下がりきらないうちに実行されることが好ましい。この場合、クリーニングブラシ37は、耐熱性部材からなることが好ましい。クリーニング動作時に生じる研磨粉については、三次元造形装置1に設けられたダストボックス38に集積させて、定期的に捨ててもよいし、あるいは吸引路を設けて、外部へ排出させてもよい。
図3は、一実施形態に係る三次元造形装置のハードウェア構成図である。三次元造形装置1は、制御部100を有する。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)あるいは回路などによって構築されており、図3に示すように各部と電気的に接続されている。
三次元造形装置1には、吐出モジュール10のX軸方向位置を検知するX軸座標検知機構が設けられている。X軸座標検知機構の検知結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検知結果に基づいてX軸駆動モータ32の駆動を制御して、吐出モジュール10を目標のX軸方向位置へ移動させる。
三次元造形装置1には、吐出モジュール10のY軸方向位置を検知するY軸座標検知機構が設けられている。Y軸座標検知機構の検知結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検知結果に基づいてY軸駆動モータ33の駆動を制御して、吐出モジュール10を目標のY軸方向位置へ移動させる。
三次元造形装置1には、造形テーブル3のZ軸方向位置を検知するZ軸座標検知機構が設けられている。Z軸座標検知機構の検知結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検知結果に基づいてZ軸駆動モータ36の駆動を制御して、造形テーブル3を目標のZ軸方向位置へ移動させる。
このように、制御部100は、吐出モジュール10および造形テーブル3の移動を制御することにより、吐出モジュール10および造形テーブル3の相対的な三次元位置を、目標の三次元位置に移動させる。
さらに、制御部100は、エクストルーダ11、冷却ブロック12、吐出ノズル18、レーザ光源21、クリーニングブラシ37、回転ステージRS、撮像モジュール101、ねじり回転機構102、径測定部103、および温度センサ104の各駆動部に制御信号を送信することで、これらの駆動を制御する。なお、回転ステージRS、側面冷却部39、撮像モジュール101、ねじり回転機構102、径測定部103、および温度センサ104については後述で説明する。
<<加熱方法>> 図4は、下層を加熱する動作の一例を示す模式図である。以下、一実施形態として、レーザを用いて加熱する方法について説明する。
吐出モジュール10による上層の造形中、レーザ光源21は、下層における、フィラメントFMが吐出される直前の位置にレーザを照射して再加熱する。再加熱とは、溶融したフィラメントFMが冷却されて固化した後、再度加熱することを表す。再加熱の温度は、特に限定されないが、下層のフィラメントFMが溶融する温度以上であることが好ましい。また、以下では、下層のフィラメントFMが溶融する温度以上での再加熱を、再溶融と称することがある。
加熱前の下層温度は、測定手段として温度センサ104により、センシングされる。温度センサ104の位置は、加熱前の下層面をセンシング可能な任意の位置に配置される。本実施形態では、図4において、レーザ光源21の垂直上方に温度センサ104が配置されている。加熱前の下層温度を温度センサ104によりセンシングして、センシングの結果に基づいてレーザの出力を調整することで、下層を所定の温度以上に再加熱することができる。別の方法として、再加熱中の下層温度を温度センサ104によりセンシングして、センシングの結果が任意温度以上になるまで、レーザから下層へのエネルギーの入力を行ってもよい。その際は、温度センサ104の位置は、加熱面をセンシング可能な任意の位置に配置する。温度センサ104としては、公知の任意の装置が用いられ、接触式であってもよいし、非接触式であってもよい。温度センサ104は、特に限定されず、例えば、サーモグラフィー、放射温度計、熱電対などを用いることができる。また、複数の温度センサを含んで構成されてもよい。
図5は、非接触式温度センサの一例として、サーモグラフィー104aを配置した模式図である。また、図6は、接触式温度センサの一例として、熱電対104bを配置した模式図である。なお、非接触式温度センサや接触式温度センサは、サーモグラフィー104aや熱電対104b以外の温度センサであってもよい。
図7は、伝熱計算部を説明するブロック図である。伝熱計算部701には、計算手段として、種々の温度センサが出力する下層温度、材料吐出温度、造形雰囲気温度などの各測定値が入力される。下層温度、材料吐出温度、造形雰囲気温度の条件により、下層の再加熱に要する熱量が変動し得るためである。
伝熱計算部701には、立体モデルの造形形状のデータや、造形中における造形位置を示すデータが入力される。立体造形物は、造形される形状や造形位置によって熱容量が異なるため、下層の再加熱に要する熱量が異なる。したがって、例えば、立体モデルの造形形状のデータに基づいて、細い形状の場合と太い形状の場合とで、異なる加熱量の制御を行う。また、例えば、造形位置を示すデータに基づいて、端面造形時と中央部造形時とで、異なる加熱量の制御を行う。
伝熱計算部701は、入力された各種情報に基づいて、下層による熱の吸収量を算出することで、下層再加熱に必要な加熱量のデータを算出する。伝熱計算部701が算出した加熱データは、加熱制御部702に出力される。加熱制御部702は、伝熱計算部701から受領した加熱データを基に、加熱源703を制御し、下層を再加熱する。
下層の表面を再加熱することにより、下層と、下層の表面に吐出されたフィラメントFMとの温度差が小さくなり、下層と吐出されたフィラメントFMが混ざり合うことで、積層方向の接着性が向上する。特に、伝熱計算部701が算出する適切な熱エネルギーによって加熱を制御することで、立体造形物を変質させることなく、積層界面の強度を向上する事ができる。
図8は、フィードバック制御による下層再加熱処理のフロー図である。図8に示すフロー図の処理では、造形層を1層造形した後、上層を造形する際、吐出直前の温度を温度センサによって測定する。
制御部100は、立体モデルのデータに基づいて吐出モジュール10を制御し、1層分の造形を行う(ステップS11)。なお、ここで形成した層を「下層」と称することがある。下層の造形を行った後、ステップS12以降で、当該下層の上部にさらに層を積層するための再加熱処理に移行する。
温度センサ104は、下層のうち、吐出モジュール10が溶融したフィラメントFMを吐出する直前の領域の温度を測定する(ステップS12)。伝熱計算部701は、測定した温度データを取得し、下層を再加熱する際に必要な加熱量を算出する(ステップS13)。なお、ステップS13における加熱量は、材料吐出温度、造形雰囲気温度、形状データ、造形位置などを加味して算出してもよい。
伝熱計算部701は、算出した加熱量を加熱制御部702に出力する(ステップS14)。加熱制御部702は、取得した加熱量データに基づいて、加熱源703を制御し、下層を再加熱する(ステップS15)。下層再加熱後、温度センサ104は、下層の温度を再度測定する(ステップS16)。
ステップS16において目標の温度となっていた場合には、再加熱処理を終了する(ステップS17のYES)。ステップS16において目標の温度となっていない場合には、ステップS13に戻り、再度加熱量を算出して、加熱量の制御を行う(ステップS17のNO)。なお、目標の温度とは、特に限定されないが、下層の変形が生じない程度に、下層のフィラメントFMが溶融する温度である。
図9は、フィードフォワード制御による下層再加熱処理のフロー図である。図9に示すフロー図の処理では、造形層を1層造形した後、上層を造形する際、再加熱までに低下する温度を算出し、加熱量を制御する。
制御部100は、立体モデルのデータに基づいて吐出モジュール10を制御し、1層分の造形を行う(ステップS21)。その後、温度センサ104は、下層の温度を測定する(ステップS22)。
伝熱計算部701は、測定した温度データを取得し、下層の温度測定時から再加熱されるまでの時間を算出する(ステップS23)。その後、伝熱計算部701は、ステップS23で算出した再加熱されるまでに要する時間に基づいて、下層が再加熱されるまでに低下する温度を算出する(ステップS24)。
さらに伝熱計算部701は、測定した温度データと、時間の経過による温度低下に基づいて、下層を再加熱する際に必要な加熱量を算出する(ステップS25)。なお、ステップS23〜S25における処理においては、材料吐出温度、造形雰囲気温度、形状データ、造形位置などを加味して算出してもよい。
伝熱計算部701は、算出した加熱量を加熱制御部702に出力する(ステップS26)。加熱制御部702は、取得した加熱量データに基づいて、加熱源703を制御し、下層を再加熱する(ステップS27)。下層の再加熱を行ったあと、処理を終了する。
図10は、フィードフォワード制御による任意距離前の下層再加熱処理のフロー図である。図10に示すフロー図の処理では、図9のフロー図のステップS22の処理に替えて、任意距離前下層温度測定処理を行う。すなわち、図10に示すフロー図の処理においては、造形層を1層造形した後(ステップS31)、吐出モジュール10の進行方向に対して手前側の任意の位置の下層温度を測定する(ステップS32)。その後、ステップS23〜S27と同様の処理を行う(ステップS33〜S37)。
図11は、フィードフォワード制御による吐出直前の下層再加熱処理のフロー図である。図11に示すフロー図の処理では、図8のフロー図においてステップS16、S17の処理を行わず、フィードフォワード制御するものである。したがって、図11のステップS41〜S45の処理は、図8のステップS11〜S15の処理と同様である。
制御部100は、立体モデルのデータに基づいて吐出モジュール10を制御し、1層分の造形を行う(ステップS11)。温度センサ104は、下層のうち、吐出モジュール10が溶融したフィラメントFMを吐出する直前の領域の温度を測定する(ステップS42)。伝熱計算部701は、測定した温度データを取得し、下層を再加熱する際に必要な加熱量を算出する(ステップS43)。
伝熱計算部701は、算出した加熱量を加熱制御部702に出力する(ステップS44)。加熱制御部702は、取得した加熱量データに基づいて、加熱源703を制御し、下層を再加熱する(ステップS45)。三次元造形装置1は、下層を再加熱した後、フィードフォワード制御による下層の再加熱処理を終了する。
図12は、伝熱計算に用いる、積層界面の接着性の強度発現に起因する、概念図である。高積層強度発現に起因するパラメータの例として積層界面温度と加熱時間がある。積層界面温度がガラス転移点以上の温度で、所定の時間以上加熱すると、積層界面の樹脂同士が混ざりあい、積層界面強度を向上することが出来る。すなわち、積層界面温度および加熱時間の関係が、高積層強度発現ラインを超える場合には、高強度の積層界面が発現する。
伝熱計算部701は、図12に示す概念図の高積層強度発現ラインを超えるように加熱量を算出する。
図13は、一実施形態における加熱モジュールを造形テーブル3側から見た平面図である。図13において、加熱モジュール20は、回転ステージRSに取り付けられている。回転ステージRSは、吐出ノズル18を中心に回転する。レーザ光源21は、回転ステージRSの回転に伴い回転移動する。これにより、レーザ光源21は、吐出ノズル18の移動方向が変わっても、吐出ノズル18による吐出位置に先回りしてレーザ光を照射することができる。
図14は、上層形成時の造形物の状態を示す模式図である。以下、吐出モジュール10により造形中の層を上層Ln、造形中の層の一つ下の層を下層Ln−1、下層Ln−1の一つ下の層を下層Ln−2と表す。図14〜図17中の実線矢印は、吐出モジュールの移動経路(ツールパス)を示す。図14以降では、吐出モジュールのツールパスが分かるように、吐出されたフィラメントを楕円柱で表している。このため、フィラメントとフィラメントとの間に空隙が形成されているが、実際は、強度の点で空隙が形成されないように造形することが好ましい。
図14の(A)は、下層を再加熱せずに上層を形成するときの造形物を示す模式図である。図14中の実線矢印が示す向きに、吐出ノズル18が移動して造形物を形成していく。下層Ln−1を再加熱せずに上層Lnを形成すると、下層Ln−1が固化した状態で上層Lnを形成できるため、外形面OSの変形は、生じない。ただし、この場合、上層Lnと下層Ln−1との間(接着面AS)で十分な接着強度が得られない。
図14の(B)は、下層を再加熱しながら上層を形成するときの造形物を示す模式図である。下層Ln−1を再加熱しながら上層Lnを形成すると、接着性はあるものの、下層Ln−1が溶融した状態で、上層Lnを形成できるため外形面OSが変形する。
図14の(C)は、下層を再加熱しながら上層を形成するときの造形物を示す模式図である。図14の(C)の例では、モデル部Mの下層Ln−1を再加熱しながら上層Lnを形成しても、接着性もあり、サポート部Sによりモデル部Mは支えらえるため、モデル部Mの外形面OSは変形しない。
本実施形態では、下層Ln−1を部分的に再溶融させた状態で上層Ln層を形成する。これにより、上層Lnと、下層Ln−1との間の高分子の絡み合いが促進され、造形物の強度が向上する。また、再溶融の条件を適切に設定することで、形状精度とモデル部Mの積層方向強度の両立を図ることができる。以下、本実施形態における、再溶融領域の設定例と、その効果について説明する。
なお、モデル材とサポート材とは、同じ材料であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、モデル部Mとサポート部Sとを同じ材料で形成した場合でも、これらの界面の強度をコントロールすることで、造形後に分離することができる。
図15は、上層形成時の造形物の状態を示す模式図である。図15の(A)の造形方法では、三次元造形装置1は、下層Ln−1におけるモデル部Mの表面および、サポート部Sにおける外周部を除く表面を再加熱し、再溶融部RMを形成して、上層Lnを形成する。この方法によると、モデル部Mにおける外形面OS側の領域を再溶融させて造形するので、層間の接着性が向上し、積層方向の強度が向上する。また、外形面OS側を溶融させることで、サポート部Sとモデル部Mとの造形中の剥がれが生じにくくなり、造形精度が向上する。ただし、サポート部Sとモデル部Mとの接着性が高くなりすぎると、造形後のサポート部Sの離型性が低下する。さらに、加熱温度によっては、モデル部Mの中にサポート部Sが混ざり合うことで、モデル部Mの強度が減少することもある。材料の混ざり合いは、積層面に対し非接触により加熱する方法を用いたり、接触して加熱する場合には、接触部材の動きを工夫したり、接触部材をクリーニングしたりすることで、防止することができる。また、サポート部Sの離型性については、サポート材として、モデル材と異なる材料であり、モデル材よりも融点が低い材料を用いることで、改良される。
図15(B)の造形方法では、三次元造形装置1は、モデル材およびサポート材を用いてサポート部Sを形成する。この場合、三次元造形装置1は、サポート部Sにおけるモデル部M側の領域Ssにサポート材を配置し、外周側の領域Smにモデル材を配置する。この場合、三次元造形装置1は、モデル部Mおよびサポート部Sにおける領域Smをモデル材により形成し、続いて、モデル材の隙間にサポート材を流し込むことで造形してもよい。続いて、三次元造形装置1は、下層Ln−1におけるモデル部Mの表面、ならびにサポート部Sの外周部を除く表面を再加熱しながら上層Lnを形成する。
図15(B)の造形方法は、サポート部Sの離型性に優れる場合に適している。また、図15(B)の造形方法は、領域Ssの形状精度や構造体としての強度が低い場合でも、領域Smが、領域Ssを支えることで、領域Ssの形状精度や強度を補える点で好ましい。
図15の(C)の造形方法では、三次元造形装置1は、モデル部Mにおける外形面OS近傍を除く表面を再加熱しながら上層Lnを形成する。この方法によると、再溶融時に、モデル部Mの熱はサポート部Sに伝わりにくいので、サポート部Sの形状が安定する。図15の(C)の造形方法は、モデル部Mの形状を維持しやすく、モデル部Mとサポート部Sとの離型性を確保しやすい点で有効であるが、モデル部Mの表面の全体を再溶融する造形方法と比較すると、積層方向の強度は弱くなる。従って、図15の(C)の造形方法は、内部構造が強固な造形物を造形する場合や、造形精度や離型性に重点を置く場合に有効である。
図16は、上層形成時の造形物の状態を示す模式図である。図16の(A)の造形方法は、モデル部Mの表面における再溶融しない領域を外形面OSからより離れた位置まで広げて、再溶融部RMをより小さくした点で図15の(C)の造形方法と異なる。図16の(A)の造形方法によると、図15の(C)の造形方法と比較して、サポート部Sの形状が安定するので、モデル部Mの形状を維持できる点でより有効である一方で、モデル部Mにおける積層方向の強度はより小さくなる。
図16の(B)の造形方法は、モデル部Mにおける外形面OS近傍まで下層Ln−1の表面を再加熱する点で、図15の(C)の造形方法と異なる。図16の(B)の造形方法は、モデル材よりもサポート材の融点が高い場合に有効である。図16の(B)の造形方法によると、図15の(C)の造形方法と比較して、モデル部Mにおける積層方向の強度が大きくなる。
図16の(C)の造形方法では、三次元造形装置1は、先に上層Lnのサポート材を吐出してサポート部Sを形成してから、下層Ln-1のモデル部Mを再溶融させて、上層Lnのモデル部Mを形成する。サポート部Sは、造形後に最終的には除去されるため、造形中に剥がれない程度の強度を有していればよく、モデル材ほどの強度は要求されない。このため、サポート材としては、モデル材もより高精度に積層可能な材料を選択することが好ましい。下層Ln−1が固化している状態で上層Lnのサポート部Sを形成することで、サポート部Sの造形精度は向上する。図16の(C)の造形方法によると、サポート部Sとモデル部Mとを独立して形成する。このため、三次元造形装置1は、サポート部Sの積層ピッチをモデル部Mの積層ピッチよりも細かくすることもできる。例えば、図16の(C)の構成では、サポート部Sの積層ピッチは、モデル部Mの積層ピッチの1/2となっている。溶融したモデル材はサポート部Sの形状にならうため、サポート部Sの積層ピッチを細かくすることで、モデル部Mの外形面OSがより滑らかになる。モデル部Mに比べサポート部Sの方が精度よく造形できる場合には、図16の(C)の方法は好適である。
図17は、上層形成時の造形物の状態を示す模式図である。図17の(A)の造形方法は、先に上層Lnにおけるサポート部Sを形成してから、上層Lnにおけるモデル部Mを形成する点で、図16の(B)と異なる。モデル材よりもサポート材の融点が高い場合、モデル部Mにおける外形面OSの近傍まで加熱しても、サポート部Sは溶融しない。図17の(A)の造形方法によると、離型性に優れ、積層方向の強度が高い造形物が得られ、造形精度が向上する。
図17の(B)の造形方法は、先に上層Lnにおけるサポート部Sを形成してから、上層Lnにおけるモデル部Mを形成する点で、図15の(B)の方法と異なる。図17の(B)の方法によると、領域Ssの形状精度や構造体としての強度が低い場合でも、領域Smが、領域Ssを支えることで、領域Ssの形状精度や構造体としての強度を補える。ただし、図17の(B)の造形方法によると、再溶融時に領域Ssが溶融すると、サポート部Sの離型性が低下することもある。
図17の(C)の造形方法は、先に上層Lnにおけるモデル部Mの外周側を形成してから、上層におけるモデル部Mの残りの部分を造形する点で図16の(A)と異なる。図17の(C)の造形方法によると、モデル部Mのみで造形するので、形状が安定し、造形精度が向上する。また、上層Lnにおけるモデル部Mの側面の一部を再溶融させながら造形するためモデル部Mの強度も向上する。
図18は、本実施形態における再加熱範囲の一例を示す模式図である。三次元造形装置1は、外形形状維持を目的として、三次元造形物MOにおける外周部を再加熱せず、再溶融部RMを意図的に狭めることで、造形物の形状を維持しつつ、積層間の密着性を向上させる。
<<処理および動作>>
続いて、一実施形態における三次元造形装置1の処理および動作について説明する。図19は、一実施形態に係る造形処理を示すフロー図である。
三次元造形装置1の制御部100は、立体モデルのデータの入力を受け付ける。立体モデルのデータは、立体モデルを所定間隔でスライスしたときの層ごとの画像データによって構築される。
三次元造形装置1の制御部100は、X軸駆動モータ32またはY軸駆動モータ33を駆動して吐出モジュール10をX軸またはY軸方向に移動させる。吐出モジュール10が移動している間に、制御部100は、入力された立体モデルのデータのうち、最下層の画像データに基づいて、吐出ノズル18から造形テーブル3へ溶融状態または半溶融状態のフィラメントFMを吐出させる。これにより、三次元造形装置1は、造形テーブル3上に画像データに基づいた形状の層を形成する(ステップS51)。
吐出モジュール10が移動している間に、制御部100は、入力された立体モデルのデータのうち、造形が完了していない層のうち最も下の層の画像データに基づいて、レーザ光源21からレーザを照射させる。これにより、下層におけるレーザ照射位置が再溶融する(ステップS52)。なお、制御部100は、図15の(C)、図16の(A)、(C)、図17の(C)の造形方法のように、画像データの示す範囲の内部にレーザを照射させてもよい。あるいは、制御部100は、例えば、図15の(A)、(B)、図17の(B)の造形方法のように、画像データの示す範囲を超えて、レーザを照射させてもよい。ステップS52における下層の加熱温度は、フィラメントの溶融温度以上に制御される。
吐出モジュール10が移動している間に、制御部100は、入力された立体モデルのデータのうち、造形が完了していない層のうち最も下の層の画像データに基づいて、吐出ノズル18から造形テーブル3上の下層へフィラメントFMを吐出させる。これにより、下層の上に、画像データに対応する形状を有する層が形成される(ステップS53)。このとき、下層は再溶融しているので、造形する層と下層の層間の界面の接着性が向上する。
なお、ステップS52における下層を再溶融させる処理と、ステップS53における層の形成処理と、をオーバーラップさせてもよい。この場合、三次元造形装置1は、下層にレーザを照射する処理を開始してから、照射範囲全体へのレーザの照射が完了する前に、フィラメントFMの吐出を開始する。
三次元造形装置1の制御部100は、ステップS53で形成された層が最表層であるか判断する(ステップS54)。最表層とは、立体モデルのデータのうち、積層方向(Z軸)の座標が最も大きい画像データに基づいて形成される層である。ステップS54でNOと判断された場合、三次元造形装置1の制御部100は、最表層が形成されるまで、再溶融の処理(ステップS52)と、層形成の処理(ステップS53)と、を繰り返す。
最表層の形成が完了すると(ステップS54のYES)、三次元造形装置1は、造形処理を終了する。
<<<実施形態の変形例A>>>
続いて、実施形態の変形例Aについて上記の実施形態と異なる点を説明する。図20は、一実施形態における下層加熱の動作を示す模式図である。
実施形態の変形例Aにおいて、加熱モジュール20は、温風源21´を有する。温風源21´としては、ヒータおよびファンが例示される。実施形態の変形例Aにおいて、温風源21´は、高温の温風を吹き付けることにより下層を加熱して、再溶融させる。実施形態の変形例Aにおいても、再溶融させた下層にフィラメントFMを吐出して上層を形成することで、下層と上層の材料が混ざり合い、上層と下層の接着性が向上する。
<<<実施形態の変形例B>>>
続いて、実施形態の変形例Bについて、上記の実施形態と異なる点を説明する。図21は、一実施形態における下層加熱の動作を示す模式図である。
実施形態の変形例Bにおいて、三次元造形装置1の加熱モジュール20は、加熱モジュール20´に置き換えられる。加熱モジュール20´は、三次元造形物MOにおける下層を加熱および加圧する加熱プレート28と、加熱プレート28を加熱する加熱ブロック25と、加熱ブロック25からの熱伝導を防ぐための冷却ブロック22と、を備える。加熱ブロック25は、ヒータなどの熱源26と、加熱プレート28の温度を制御するための熱電対27と、を備える。冷却ブロック22は、冷却源23を備える。加熱ブロック25と冷却ブロック22との間には、ガイド24が設けられている。
加熱モジュール20´は、装置左右方向(図1中の左右方向=X軸方向)に延びるX軸駆動軸31(X軸方向)に対し、連結部材を介して、スライド移動可能に保持されている。加熱モジュール20´は、加熱ブロック25によって加熱されて高温になる。その熱がX軸駆動モータ32に伝わるのを低減するため、フィラメントガイド14等を含めた移送路またはガイド24は、低熱伝導性であることが好ましい。
加熱モジュール20´において、加熱プレート28の下端は、吐出ノズル18の下端よりも、1層分低くなるように配置されている。吐出モジュール10および加熱モジュール20を、図21に示す白抜き矢印方向に走査しながら、フィラメントを吐出すると同時に、加熱プレート28は、造形中の層の一つ下の層を再加熱する。これにより、造形中の層と、一つ下の層との温度差が小さくなり、層間で材料が混ざり合うので、造形物の層間強度が向上する。なお、加熱した層を冷却する方法としては、雰囲気温度を設定する方法、所定の時間放置する方法、もしくは、ファンなどを利用する方法などが例示される。
実施形態の変形例Bによると、層間の材料を物理的に混ぜる事で、層間の界面の密着力を向上させることができる。また、実施形態の変形例Bによると、造形物の外形を崩さずに、選択的に下層を加熱し、下層が再溶融している間に次の吐出を行うことで、界面の密着力が向上する。
<<<実施形態の変形例C>>>
続いて、実施形態の変形例Cについて、上記の実施形態の変形例Bと異なる点を説明する。図22は、一実施形態における下層加熱の動作を示す模式図である。
実施形態の変形例Cにおいて、加熱モジュール20´における加熱プレート28は、タップノズル28´に置き換えられる。タップノズル28´は、加熱ブロック25によって加熱される。タップノズル28´は、モータ等の動力により、三次元造形物MOを垂直上方から繰り返しタップするタップ動作により、三次元造形物MOにおける下層を加熱し加圧する。これにより、造形中の層と、一つ下の層との温度差が小さくなり、層間で材料が混ざり合うので、造形物の層間の強度が向上する。タップ動作後、吐出ノズル18からは、タップ動作によって凹んだ下層の表面を埋めるようにフィラメントFMを吐出する。下層の凹んだ部分がフィラメントFMによって埋められることで、最表面の形状が平滑に仕上がる。
<<<実施形態の変形例D>>>
続いて、実施形態の変形例Dについて、上記の実施形態と異なる点を説明する。図23は、一実施形態における下層加熱の動作を示す模式図である。
実施形態の変形例Dにおいて、加熱モジュール20には、三次元造形物MOの側面、すなわちZ軸に対し平行な面を冷却する側面冷却部39が設けられている。側面冷却部39としては、三次元造形物MOの側面を冷却可能な冷却源であれば特に限定されないが、ファンが例示される。
外形を維持する処理を行うことなく、三次元造形物MOにおける外周部を再加熱すると、外形が崩れ、造形精度が劣化する。そこで、実施形態の変形例Dでは、三次元造形物MOの側面に冷却風を当てつつ、三次元造形物MOの外周部を再加熱することで、造形部の形状を維持しつつ、材料を積層することができる。
<<<実施形態の変形例E>>>
続いて、実施形態の変形例Eについて、上記の実施形態と異なる点を説明する。
下層、あるいは造形空間を加熱しながら造形すると、三次元造形物MOにおける加熱箇所の粘性が下がることで、外形が崩れて、造形精度が失われることがある。一方、下層、あるいは造形空間を加熱せずに造形すると、三次元造形物MOの粘性は高くなるが、積層方向の強度の維持が困難となる。そこで、実施形態の変形例Eでは、材料構成を偏在させたフィラメントを用いて造形する。
図24は、材料構成を偏在させたフィラメントの一例を示す断面図である。図24の(A)の例では、フィラメントFの両側に高粘性の樹脂Rhが配置され、中心部には低粘性の樹脂Rlが配置されている。
フィラメントFの両側に配置される高粘性の樹脂Rhとしては、特に限定されないが、アルミナ、カーボンブラック、カーボンファイバー、ガラスファイバー等といったフィラーを配合することで高粘性とした樹脂が例示される。フィラーが所望の機能を阻害する場合は、高粘性の樹脂Rhとして、分子量をコントロールした樹脂を用いてもよい。
フィラメントFの中心部に配置される低粘性の樹脂Rlとしては、特に限定されないが低分子量グレードである樹脂が例示される。
図25は、図24のフィラメントの吐出物の断面図である。図26は、図24のフィラメントを用いて造形される造形物の断面図である。図24の(A)のフィラメントを吐出することで、図25の(A)の形状の吐出物が得られ、図26の造形物が得られる。図26の造形物において、外周部には高粘性の樹脂が配置されるため、必然的に造形物が崩れにくくなる。
図24の(B)は、材料構成を偏在させたフィラメントの他の一例を示す。図24の(B)のフィラメントを吐出することで、図25の(B)の形状の吐出物が得られる。このように、図24の(B)のフィラメントを用いても、外周部に粘性の高い樹脂が配置された造形物が得られる。加えて、製造方法の観点でも低粘性樹脂を包み込む本構成の方が、図25の(A)の構成よりもフィラメントを作りやすいといったメリットもある。
ただし、図25の(B)のフィラメントを用いる際は、層の下部も粘性の高い状態となる。粘性の高い樹脂は、粘性の低い樹脂と比較して融点が高い場合が多い。高温で下層を再溶融させたときに、溶融した樹脂が水平方向に移動することを防ぐため、造形物の外周部の加熱を避けることが好ましい。このため、加熱手段としては、小スポットで加熱できるレーザ等が好ましい。
外周部の積層方向密着力を向上させるため、外周部を加熱する場合には、造形物の横から板などを直接当てる形で加熱すると良い。これにより、粘度低下による樹脂の水平方向の移動は規制される。図27は、規制手段を有する三次元造形装置の一例を示す模式図である。
図27の例では、三次元造形装置1には、規制手段の一例としてアシスト機構41が設けられている。FFF方式においては、1層の厚みは0.10〜0.30mm程度である。そのため、アシスト機構41における板はシックネスゲージのような薄い板となる。アシスト機構41は、吐出モジュール10、あるいは、吐出モジュール10に対し間接的に固定されたブラケットに固定される。
アシスト機構41における板は、常温よりも高い温度に加熱されていることが好ましい。用いる樹脂にもよるが、結晶性樹脂の場合は、常温の板が当たると急冷されることにより、アモルファス化が進行し、所望の強度が得られなくなることがある。
一般的に粘度は、温度およびせん断速度の関数で表される。熱溶解積層法(FFF)で用いられるエンプラ(Engineering plastic)、あるいは、スーパーエンプラ等は、温度あるいはせん断速度などの変数に対して非線形挙動を示すので、樹脂の融点Tm以上でなくても、FFF方式で必要なせん断抵抗、すなわち、樹脂の粘度が得られることがある。一方で、Tm以上の領域において所望のせん断速度(S.Rate)における粘度が低すぎる場合はノズルからの液垂れ、フィラメント引き込み(リトラクト動作)時における引き込み不足、それに付随する吐出初期のショートショット、造形物の崩れ等といった課題が生じる。
Tm以上の所定の温度の樹脂において、一般的には、S.Rate = 0、すなわち、非吐出動作時に、当該温度における最も粘度が高い状態となる。この状態でも液垂れするような場合は、フィラーによる樹脂のコンポジット化が、液垂れを防止するための、有効な手段となり得る。樹脂にフィラー添加して、配合比、あるいは、配合するものの粒度/繊維長分布等をコントロールすることで、溶融時のチキソトロピー性が付与され、非吐出動作時には垂れにくく、吐出動作時には粘性の低い状態となる。
下層温度の上昇に付随して生じやすい造形物の崩れにおいても、フィラメントにフィラーを添加する方法は好適である。フィラーの添加によっても、造形精度を保てない場合は、造形物の側面を規制することが好ましい。
<<<実施形態の変形例F>>>
続いて、実施形態の変形例Fについて、上記の実施形態の変形例Eと異なる点を説明する。
材料構成を偏在させたフィラメントを用いる場合、造形物の外周部に高粘性の樹脂Rhが配置されるように、吐出モジュール10へ導入されるフィラメントの方向を規制することが好ましい。
図28は、フィラメントの方向を規制する処理の一例を示すフロー図である。三次元造形装置1の撮像モジュール101は、吐出モジュール10へ導入されるフィラメントを撮像し、得られた画像データを制御部100へ送信する。
制御部100は、撮像モジュール101によって送信されたフィラメントの画像データを受信する(ステップS61)。制御部100は、受信したフィラメントの画像データを解析して回転量を演算する(ステップS62)。回転量の演算方法としては、特に限定されないが、フィラメントFにおける高粘度の樹脂Rhと低粘度の樹脂Rlとの境界が所定の位置となるように、回転量を決定する方法が例示される。例えば、吐出モジュール10をX軸方向に移動させながらフィラメントを吐出する場合、フィラメントにおける高粘度の樹脂RhをY軸の正負方向に偏在させておくことで、造形物における最外殻に高粘性の樹脂が配置される。このため、制御部100は、樹脂RhがY軸の正負方向に偏在した配置となるように、フィラメントの回転量を決定する。
制御部100は、決定された回転量に基づいて、フィラメントを回転させるための信号をねじり回転機構102へ送信する。ねじり回転機構102は、信号に基づいてフィラメントを回転させる(ステップS63)。これにより、フィラメントが、所望の方向に規制される。
なお、フィラメントの外側に高粘性の樹脂が配置されると、移送路において、フィラメントの壁部側の流速が極端に遅くなり、高粘性の樹脂が滞留することで、所望の配置でフィラメントを吐出できなくことがある。このため、加熱ブロック25よりも搬送経路下流側の領域、すなわち融点以上の温度が付与される領域においては、移送路の内壁は耐熱性の高いフッ素等により加工されていることが好ましい。移送路に離形層が形成されることで、溶融樹脂と移送路の内壁との摩擦抵抗が下がり、高粘性の樹脂の滞留は起こりにくくなる。
また、制御部100は、ねじり回転機構102から吐出ノズル18までの区間の搬送のタイムラグを考慮して、制御の遅れを防ぐためフィードフォワード制御を行うことが好ましい。例えば、制御部100は、吐出モジュール10の進行方向が曲がるタイミングで、フィラメントの方向が切り替わるように、ねじり回転機構102の駆動を制御する。また、吐出モジュール10を曲線に進行させる場合も、制御部100は、タイムラグを考慮して段階的にねじり回転機構102の駆動を制御する。
なお、フィラメントが極端にねじられている状態だと、リール4から吐出モジュール10の導入部までの経路で絡まる恐れがある。この絡まりをほどくのはユーザーにとっては非常に煩雑である。このため、リール4から導入部まではガイドチューブが導入されていることが好ましい。ただし、極端にフィラメントがねじられている場合は、ガイドチューブとフィラメントの摩擦抵抗が高まり、正常にフィラメントが導入されないこともある。また、ガイドチューブの継ぎ手等の内径の狭いオリフィス部において、フィラメントが削られる恐れがある。また、フィラーが配合された強化フィラメント等においては、樹脂特有の柔軟性が失われていることも多い。このようなフィラメントに、ねじり負荷がかけられるとフィラメントが折れて、正常な造形が出来ないことがある。
このため、制御部100は、フィラメントの累積ねじり量を、例えば、基準角度から±180°に規制することが好ましい。
また、例えば図25のように、吐出物において樹脂が所望の状態に配置されるように、フィラメントを回転させる機構に代えて、吐出モジュール10の全体を回転可能な機構を用いてもよい。この場合は、熱源16を制御する熱電対17や、熱源16自体の配線、冷却源13の配線、及び、オーバーヒートプロテクター等の複数の配線系も同時に回転することになるため、フィラメントの回転方向よりも配線の観点では煩雑になる。
<<<実施形態の変形例G>>>
続いて、実施形態の変形例Gについて、上記の実施形態と異なる点を説明する。図29は、一実施形態における造形および表面処理動作を示す模式図である。
実施形態の変形例Gにおいて、三次元造形装置1は、加熱モジュール20´´を備える。加熱モジュール20´´は、三次元造形物MOを加熱および加圧するホーン30を有する。三次元造形装置1には、超音波振動装置が設けられている。ホーン30は、Z軸駆動モータによって三次元造形物MOにおける積層面の上方から下方へ移動し、積層面に圧力を印加する。これにより、超音波振動装置によって発生させた超音波の振動を、三次元造形物MOに伝達する。三次元造形物MOに超音波の振動が伝達されると、三次元造形物MOにおける上層Lnおよび下層Ln−1が溶着して接合する。三次元造形装置1において、ホーン30の数は、一つに限定されず、適宜選択される。ホーン30が複数設けられる場合、ホーンの形状は、統一されていなくてもよく、異なる形状のホーンが搭載されていてもよい。
以下の実施例および比較例において、三次元造形装置1により造形された造形物の最大引張強度を測定する。なお、造形物の最大引張強度の測定に際してはオートグラフAGS―5kNX(島津製作所製)を用いた。
図30は、実施例および比較例における造形物の形状を示す。造形物は、ASTM D638-02a Type-Vに準拠している。三次元造形装置1により、造形テーブル3に対して造形材料を垂直上方STに積層し、図30に示すような、長辺方向に層が積層されてなる引張試験片を造形した。オートグラフに、引張試験片における積層下面と積層上面をチャックして200mm/minで方向T1,T2に引っ張ることで、造形物の最大引張強度プロファイルを得た。
(比較例1) 比較例では、三次元造形装置1を用いて、再溶融の動作(ステップS52)を実行せずに、引張試験片を造形する。比較例1では、造形材料であるフィラメントとして、熱で溶解する樹脂を用いる。吐出モジュール10の導入部にはφ12のSUS304製の対となるローラを用いた。吐出モジュール10の移送路の寸法形状は断面が円の棒状とする。先端の吐出ノズル18は真鍮で作製し、先端の開口径を0.5mmとした。移送路となる部分はφ2.5mmの空洞となるようにした。冷却ブロック22はSUS304製とし、水冷管を通しておき、チラーに接続した。チラーの設定温度は10℃とした。加熱ブロック25も冷却ブロック22と同様にSUS304製とした。加熱ブロック25には、熱源26となるカートリッジヒータを通しておき、フィラメントと対称となる側に熱電対27を配置し、温度制御を行った。カートリッジヒータの設定温度は樹脂の溶融温度以上とした。造形時の吐出ノズル18の走査速度を10mm/secとして、図30に示すような引張試験片を造形した。加えて、造形テーブル3は、テーブルに吐出材料が固着できる温度範囲に設定した。造形物の積層方向の解像度としてのZ軸方向の1層厚みは0.25mmとした。
(比較例2) 比較例2では、造形材料であるフィラメントとして、熱で溶解する樹脂を用いる。吐出モジュール10の導入部にはφ12のSUS304製の対となるローラを用いた。吐出モジュール10の移送路の寸法形状は断面が円の棒状とする。先端の吐出ノズル18は真鍮で作製し、先端の開口径を0.5mmとした。移送路となる部分はφ2.5mmの空洞となるようにした。冷却ブロック22はSUS304製とし、水冷管を通しておき、チラーに接続した。チラーの設定温度は10℃とした。加熱ブロック25も冷却ブロック22と同様にSUS304製とした。加熱ブロック25には、熱源26となるカートリッジヒータを通しておき、フィラメントと対称となる側に熱電対27を配置し、温度制御を行った。カートリッジヒータの設定温度は樹脂の溶融温度以上とした。造形時の吐出ノズル18の走査速度を50mm/secとして、図30に示すような引張試験片を造形した。加えて、造形テーブル3は、テーブルに吐出材料が固着できる温度範囲に設定した。造形物の積層方向の解像度としてのZ軸方向の1層厚みは0.25mmとした。
(実施例1) 実施例1においては、加熱モジュール20が配置された三次元造形装置1を用いて、比較例1と同様の設定(利用する画像データ、温度、走査速度)で造形し引張試験片を造形した。このとき、下層を冷却した後、伝熱計算部701は、入力された各種情報に基づいて、下層再加熱に必要な加熱データを算出する。伝熱計算部701は、算出した加熱データを、加熱制御部702に出力する。加熱制御部702は、受け取ったデータを基に、加熱源703を制御し、下層を再加熱する事で、積層界面の強度を向上する事が出来る。フィラメントをガラス転移点よりも高い温度に再加熱して、上層を形成する処理を繰り返した。
(実施例2) 実施例2においては、加熱モジュール20が配置された三次元造形装置1を用いて、比較例2と同様の設定(利用する画像データ、温度、走査速度)で造形し引張試験片を造形した。このとき、下層が冷却した後、伝熱計算部701は、入力された各種情報に基づいて、下層再加熱に必要な加熱データを算出する。伝熱計算部701は、算出した加熱データを、加熱制御部702に出力する。加熱制御部702は、受け取ったデータを基に、加熱源703を制御し、下層を再加熱する事で、積層界面の強度を向上する事が出来る。フィラメントをガラス転移点よりも高い温度に再加熱して、上層を形成する処理を繰り返した。
実施例1,2の何れにおいても比較例1,2を上回る最大引張強度を得ることができた。また、材料の変質(焦げ)の発生も抑制する事が出来た。以上のことから、上記実施形態の構成の三次元造形装置1により、三次元造形物の積層方向の強度を高めることが可能であり、材料の変質(焦げ)の発生も抑制できたことがわかる。
<<実施形態の主な効果>>
上記実施形態の三次元造形装置1(造形装置の一例)の吐出モジュール10(吐出手段の一例)は、溶融したフィラメント(造形材料の一例)を吐出して、造形材料層を形成する。三次元造形装置1の加熱モジュール20(加熱手段の一例)は、形成された造形材料層を加熱する。吐出モジュール10は、加熱された造形材料層に対し、溶融したフィラメントを吐出することで、造形材料層を積層させて造形する。上記実施形態によると、再溶融し造形材料層(下層)にフィラメントを吐出して造形材料層(上層)を積層させることで、層間の材料が混ざり合うので、造形物における積層方向の強度を向上させることができる。また、伝熱計算部701が、入力された情報に基づいて、下層再加熱に必要な加熱データを算出し、加熱データを加熱制御部702に伝送する。これによって、加熱制御部702は、受け取ったデータを基に、加熱源703を制御し、下層を再加熱する事で、材料の変質(焦げ)の発生を抑制し、かつ、積層界面の強度を向上する事が出来る。また、上層を積層させる処理により、外形の造形精度に影響を与えることなく、造形することができる。
三次元造形装置1の加熱モジュール20は、造形材料層の所定の領域を選択的に加熱する。これにより、造形物の形状を維持しながら造形することが可能となる。
三次元造形装置1の回転ステージRS(搬送手段の一例)は、所定位置に対し異なる方向から加熱可能になるよう加熱モジュール20を搬送する。これにより、加熱モジュール20は、吐出モジュール10の移動に追随して、造形材料層を加熱することが可能となる。
三次元造形装置1は、加熱モジュール20によって加熱される造形材料層の温度を測定する温度センサ104(測定手段の一例)を備える。加熱モジュール20は、温度センサ104によって測定された温度に基づいて、造形材料層を加熱する。これにより、三次元造形装置1は、層間の接着強度あるいは造形精度などの所望の特性に応じて、適切に造形材料層を再加熱することができる。
加熱モジュール20は、レーザ光を照射するレーザ光源21(照射装置の一例)であってもよい。これにより、加熱モジュール20は、造形物に接触することなく、選択的に造形物を加熱することができる。
加熱モジュール20は、加熱した空気を送風する温風源(送風手段の一例)であってもよい。これにより、加熱モジュール20は、造形物に接触することなく、造形物を選択的に加熱することができる。
加熱モジュール20´は、造形材料層に接触して加熱する加熱プレート28またはタップノズル28´(部材の一例)であってもよい。これにより、加熱モジュール20´は、造形物を選択的に加熱することができる。
三次元造形装置1は、複数の加熱モジュール20を備えていてもよい。これにより、吐出モジュール10の走査方向が変わっても、いずれかの加熱モジュール20により造形物を加熱できるようになるので、造形時間が短縮される。
三次元造形装置1の側面冷却部39(冷却手段の一例)は、造形材料により形成される造形物の外周部を冷却する。これにより、三次元造形装置1は、造形物の形状を維持したまま造形することができる。
フィラメントには、粘度の異なる複数の材料が配置されている。これにより、吐出モジュール10は、制御部100による制御に基づいて、外周部により粘度の低い材料が配置されるように、フィラメントを吐出することが可能となる。
三次元造形装置1のアシスト機構41(支持部材の一例)は、形成された造形材料層を支持する。これにより、形成された造形材料層の形状を維持しながら造形することが可能となる。
1 三次元造形装置
3 造形テーブル
10 吐出モジュール
18 吐出ノズル
20、20´、20´´ 加熱モジュール
21 レーザ光源
28 加熱プレート
28´ タップノズル
37 クリーニングブラシ
38 ダストボックス
39 側面冷却部
41 アシスト機構
100 制御部
104 温度センサ
701 伝熱計算部
702 加熱制御部
703 加熱源
RS 回転ステージ
特開2005−335380号公報

Claims (11)

  1. 造形材料層の温度を測定する温度測定手段と、
    前記温度に基づいて、前記造形材料層が溶融する温度となる加熱量で加熱手段を制御する加熱制御手段と
    を含む、造形装置。
  2. 前記温度測定手段が、サーモグラフィー、放射温度計、熱電対からなる群から少なくとも1つが選択された温度測定手段であることを特徴とする、請求項1に記載の造形装置。
  3. 前記温度測定手段を複数含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の造形装置。
  4. 前記加熱量は算出手段で算出され、当該算出手段は、造形される造形物の形状に基づいて前記加熱量を算出することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の造形装置。
  5. 前記算出手段は、造形中の造形物の位置に応じて前記加熱量を算出することを特徴とする、請求項4に記載の造形装置。
  6. 前記算出手段は、造形層を1層造形するごとに、前記加熱量を算出することを特徴とする、請求項4または5に記載の造形装置。
  7. 前記算出手段は、前記加熱手段の温度に基づいて、前記加熱量を算出することを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載の造形装置。
  8. 前記温度測定手段は、吐出手段の進行方向に対して、前記吐出手段が造形材料を吐出する前の位置の温度を測定することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の造形装置。
  9. 造形材料層の温度を測定する温度測定手段と、
    前記温度に基づいて、前記造形材料層が溶融する温度となる加熱量で加熱手段を制御する加熱制御手段と
    を含む、システム。
  10. 造形材料層の温度を測定するステップと、
    前記測定するステップにおいて測定した温度に基づいて、前記造形材料層が溶融する温度となる加熱量で加熱手段を制御するステップと
    を含む、造形方法。
  11. 造形装置が実行するプログラムであって、前記造形装置を
    造形材料層の温度を測定する温度測定手段
    前記温度に基づいて、前記造形材料層が溶融する温度となる加熱量で加熱手段を制御する加熱制御手段
    として機能させる、プログラム。
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