JP2019155885A - 3次元造形装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】造形材料の表面における高さ方向のゆがみを抑制できる3次元造形装置を提供する。【解決手段】3次元造形装置は、ノズルを造形テーブルに対して平面方向へ相対的に移動させる第1の移動手段と、前記ノズルを前記造形テーブルに対して垂直方向へ相対的に移動させる第2の移動手段と、測定手段と前記造形テーブルとの相対間隔に応じて、前記ノズルと前記造形テーブルとの相対間隔を調整する調整手段とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、3次元造形装置に関する。
ノズルから処理空間内に排出される造形材料によって、所望の3次元形状をもった立体物(3次元造形物)を造形する3次元造形装置が知られている。
特許文献1には、3次元造形装置において、ノズルの排出口から造形テーブルに向けて排出された粉体材料により形成された粉体材料の層の上面を平坦化部材で平坦にすることが記載されている。これにより、特許文献1によれば、粉体材料の表面における凹凸の発生を抑止できるとされている。
特許文献1に記載の技術では、ノズルを平面方向に移動させる機構による移動方向が水平面から傾いた方向である場合や造形テーブルの表面が水平面から傾いている場合、ノズルから造形テーブルに向けて排出された粉体材料の表面の高さが大幅にばらつく可能性がある。ノズルから造形テーブルに向けて排出された粉体材料の表面の高さが大幅にばらつくと、平坦化部材で平坦化しきれずに、粉体材料(造形材料)の表面に高さ方向のゆがみが発生する可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、造形材料の表面における高さ方向のゆがみを抑制できる3次元造形装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の1つの側面にかかる3次元造形装置は、ノズルを造形テーブルに対して平面方向へ相対的に移動させる第1の移動手段と、前記ノズルを前記造形テーブルに対して垂直方向へ相対的に移動させる第2の移動手段と、測定手段と前記造形テーブルとの相対間隔に応じて、前記ノズルと前記造形テーブルとの相対間隔を調整する調整手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の1つの側面によれば、造形材料の表面における高さ方向のゆがみを抑制できるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる3次元造形装置を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
(実施形態)
実施形態に係る3次元造形装置は、ノズルから処理空間内に排出される造形材料によって、所望の3次元形状をもった立体物(3次元造形物)を造形する。3次元造形装置は、樹脂を成型するための型が不必要で、多品種少量生産技術として広まりつつある。
実施形態に係る3次元造形装置は、ノズルから処理空間内に排出される造形材料によって、所望の3次元形状をもった立体物(3次元造形物)を造形する。3次元造形装置は、樹脂を成型するための型が不必要で、多品種少量生産技術として広まりつつある。
熱溶解積層(FFF:Fused Filament Fabrication)法を用いた3次元造形装置は、近年低価格化が進んでおり、コンシューマ向けにも浸透している。3次元造形装置は、高さ方向に昇降(Z軸駆動)する造形テーブル(ビルドプレート)と、幅および奥行き方向に移動(X軸駆動、Y軸駆動)できるノズルとを備え、これらの動きの組み合わせで任意の位置にノズルから樹脂材料を吐出することができる。
このとき、ノズルの排出口からビルドプレートに向けて排出された樹脂材料により形成された樹脂材料の層の表面を平坦化部材で平坦にすることで、樹脂材料の表面における凹凸の発生を抑止できるようにも考えられる。
しかし、3次元造形装置では、ビルドプレートの表面に凹凸がある。例えば、ビルドプレートは900mm×600mm程度の大きさの場合もあり、これを凹凸のない完全な平面にすることは技術的に困難であり、もしくは大きなコストがかかることになる。また、ノズル駆動のX軸Y軸が、完全に水平ではなく、水平方向からずれていることがある。例えば、X軸Y軸がそれぞれ900mm×600mm程度の大きさの場合もあり、X軸駆動、Y軸駆動を完全な水平方向にすることは技術的に困難、もしくは大きなコストがかかることになる。
すなわち、ビルドプレートの表面の凹凸やノズル駆動のX軸Y軸の水平面からのずれに起因して、ノズルから造形テーブルに向けて排出された樹脂材料の表面の高さが大幅にばらつく可能性がある。ノズルから造形テーブルに向けて排出された樹脂材料の表面の高さが大幅にばらつくと、平坦化部材で平坦化しきれずに、樹脂材料(造形材料)の表面に高さ方向のゆがみが発生する可能性がある。また、場合によっては、樹脂材料(造形材料)の表面に局所的な剥がれが発生する可能性もある。
そこで、本実施形態では、3次元造形装置において、測距センサとビルドプレートとの相対間隔を測定する測距センサとZ軸の微調整機構とを設け、測距センサの測定結果に応じて微調整機構でノズルのZ位置を微調整することで、造形材料の表面における高さ方向のゆがみの抑制を図る。
具体的には、熱溶解積層法を用いた3次元造形装置において、ノズルを上下に駆動する機構を有し、またノズルとビルドプレートとの間隔を測る機構をノズルユニットと接続された場所に有することで、ノズルとビルドプレートとの間隔を一定に保つことができる。これにより材料の吐出圧を一定にできるため、材料層の厚さを一定にすることができる。これにより、“はがれ”や“ゆがみ”のない造形物を作製することができる。
なお、本実施形態の考え方は、熱溶解積層法に限定されるものではなく、載置台の載置面に対向する位置に配置される造形手段により載置面上に3次元造形物を造形するものであれば、他の造形方法で3次元造形物を造形する3次元造形装置にも適用可能である。
より具体的には、3次元造形装置1は、図1に示すように構成される。図1は、3次元造形装置1の構成を示す断面図である。図2は、ヘッドモジュールの構成を示す断面図である。
熱溶解積層法を用いた3次元造形装置1は、予め熱可塑性樹脂をマトリックスとする樹脂組成物からなる長尺のフィラメントFを作製しておき、このフィラメントFを図2に示すヘッドモジュール10に供給し、ヘッドモジュール10内でフィラメントFを加熱ブロック15で加熱してマトリックスの熱可塑性樹脂を溶融あるいは半溶融状態にする。そして、その後、ヘッドモジュール10の吐出ノズル18の先端から溶融物(あるいは半溶融物)FMを線状に押し出し少しずつ積み上げながら冷却固化させる。熱溶解積層法では射出成形では金型が複雑になる、あるいは、成形できないような3次元造形物を造形できる。
3次元造形装置1における筐体2の内部は、3次元造形物Mを造形するための処理空間となっている。筐体2の内部には載置台としての造形テーブル3が設けられており、造形テーブル3上に3次元造形物Mが造形される。造形テーブル3は、ステージ3a及びビルドプレート5bを含む。3次元造形物Mは、ビルドプレート5b上に形成される。
造形には、熱可塑性樹脂をマトリックスとした樹脂組成物からなる長尺のフィラメントFが用いられる。フィラメントFは、細長いワイヤー形状の固体材料であり、巻き回された状態で3次元造形装置1における筐体2の外部のリール4にセットされている。リール4は、フィラメントFの駆動手段であるエクストルーダ11の回転に引っ張られることで、大きく抵抗力を働かせることなく自転する。
筐体2の内部の造形テーブル3の上方には、造形材料吐出部材としてのヘッドモジュール10(造形ヘッド)が設けられている。ヘッドモジュール10は、エクストルーダ11、冷却ブロック12、フィラメントガイド14、加熱ブロック15、吐出ノズル18、およびその他の部品によってモジュール化されている。フィラメントFは、エクストルーダ11によって引き込まれることで、3次元造形装置1のヘッドモジュール10へ供給される。
加熱ブロック15は、ヒータなどの熱源16と、ヒータの温度を制御するための熱電対17と、を有し、移送路を介して、ヘッドモジュール10に供給されたフィラメントFを加熱溶融させて、吐出ノズル18へ供給する。
冷却ブロック12は、加熱ブロック15の上部に設けられる。冷却ブロック12は、冷却源13を有し、フィラメントを冷却する。これにより、冷却ブロック12は、溶融したフィラメントFMのヘッドモジュール10内の上部への逆流、フィラメントを押し出す抵抗の増大、あるいは、フィラメントの固化による移送路内での詰まりを防ぐ。加熱ブロック15と冷却ブロック12との間には、フィラメントガイド14が設けられている。
図1及び図2に示すように、ヘッドモジュール10の下端部に、造形材料であるフィラメントFを吐出する吐出ノズル18が設けられている。吐出ノズル18は、加熱ブロック15から供給された溶融状態あるいは半溶融のフィラメントFMを造形テーブル3上に線状に押し出すようにして吐出する。吐出されたフィラメントFMは、冷却固化されて所定の形状の層が形成される。さらに、吐出ノズル18は、形成した層に、溶融状態あるいは半溶融状態のフィラメントFMを、線状に押し出すようにして吐出する操作を繰り返すことで、新たな層を積み上げて積層させる。これにより、3次元造形物が得られる。
ヘッドモジュール10には、2つの吐出ノズル18−1,18−2が設けられている。第1の吐出ノズル18−1は、3次元造形物を構成するモデル材のフィラメントを溶融して吐出し、第2の吐出ノズル18−2は、サポート材のフィラメントを溶融して吐出する。なお、図1において、第1の吐出ノズル18−1の奥側に第2の吐出ノズル18−2が配置されている。なお、吐出ノズル18の数は2個に限らず任意である。
第2の吐出ノズル18−2から吐出されるサポート材は、通常、3次元造形物を構成するモデル材とは異なる材料である。サポート材により形成されるサポート部は、最終的にはモデル材により形成されるモデル部から除去される。サポート材のフィラメントおよびモデル材のフィラメントは、それぞれ、加熱ブロック15にて溶融され、それぞれの吐出ノズル18から押し出されるように吐出されて、層状に順次積層される。
また、3次元造形装置1には、ヘッドモジュール10により形成中の層の下層を加熱する加熱モジュール20が設けられている。加熱モジュールには、レーザを照射するレーザ光源21が設けられている。レーザ光源21は、下層におけるフィラメントFMが吐出される直前の位置にレーザを照射する。レーザ光源としては、特に限定されないが、半導体レーザが例示され、レーザの照射波長としては、445nmが例示される。
ヘッドモジュール10は、装置左右方向(図1中の左右方向=X軸方向)に延びるX軸駆動軸31(X軸方向)に対し、連結部材を介して、スライド移動可能に保持されている。ヘッドモジュール10は、X軸駆動モータ32の駆動力により、装置左右方向(X軸方向)へ移動することができる。ヘッドモジュール10は、加熱ブロック15によって加熱されて高温になるため、その熱がX軸駆動モータ32に伝わりにくいように、フィラメントガイド14等を含めた移送路を低熱伝導性のものとするのが好ましい。
X軸駆動モータ32の両端は、それぞれ、装置前後方向(図1中の奥行方向=Y軸方向)に延びるY軸駆動軸に対し、そのY軸駆動軸(Y軸方向)に沿ってスライド移動可能に保持されている。X軸駆動軸31がY軸駆動モータ33の駆動力によってY軸方向に沿って移動することにより、ヘッドモジュール10はY軸方向に移動する。
一方、造形テーブル3は、Z軸駆動軸34、及び、ガイド軸35に通され、装置上下方向(図1中の上下方向=Z軸方向)に延びるZ軸駆動軸34に対し、そのZ軸駆動軸34の長手方向(Z軸方向)に沿って移動可能に保持されている。造形テーブル3は、Z軸駆動軸の駆動力により、装置上下方向(Z軸方向)へ移動することができる。造形テーブル3には、積載された造形物を加熱するための加熱機構(例えば、ヒータ)HMが設けられていてもよい。
フィラメントの溶融吐出を経時で続けると、吐出ノズル18周辺部が溶融した樹脂で汚れることがある。これに対して、3次元造形装置1に設けられたクリーニングブラシ37により、吐出ノズル18周辺部に対し定期的にクリーニング動作を行うことで、吐出ノズル18の先端に樹脂が固着することを防ぐことができる。好ましくは、クリーニング動作は、固着防止の観点から、樹脂の温度が下がりきらないうちに実行されることが好ましい。この場合、クリーニングブラシ37は、耐熱性部材からなることが好ましい。クリーニング動作時に生じる研磨粉については、3次元造形装置1に設けられたダストボックス38に集積させて、定期的に捨ててもよいし、あるいは吸引路を設けて、外部へ排出させてもよい。
測距センサ41は、吐出ノズル18の周辺に配されている。測距センサ41は、測距センサ41と造形テーブル3との相対間隔を測定する。測距センサ41は、赤外光又は可視光などの電磁波を照射してから反射して受けるまでの時間を検知し、その検知結果を、吐出ノズル18と造形テーブル3との相対間隔として出力することができる。
なお、図1及び図2では、測距センサ41が加熱ブロック15の側面に接し且つその先端が加熱ブロック15の下端から若干下方へ突出する位置に配される場合が例示されているが、この位置に限定されず、測距センサ41と造形テーブル3との相対間隔を測定可能な位置であれば、他の位置に設けられていてもよい。
ノズル上下機構42は、ヘッドモジュール10に対して図1及び図2中の背面側に配されている。ノズル上下機構42は、例えばステッピングモータ及び駆動部材を有する。駆動部材は、ヘッドモジュール10に機械的に結合されているとともに、ステッピングモータに駆動され得る。ノズル上下機構42は、ステッピングモータ42a及び駆動部材42b(図7参照)を用いて、ヘッドモジュール10をZ方向に上下させることができる。これにより、ノズル上下機構42は、吐出ノズル18と造形テーブル3との相対間隔を調整(微調整)する。
なお、微調整可能な精度が確保できれば、ノズル上下機構42は、ステッピングモータ以外の駆動機構(例えば、リニアモータなど)を用いて駆動部材を駆動させてもよい。
次に、3次元造形装置1における主な制御動作に関わるハードウェア構成について説明する。図3は、3次元造形装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
3次元造形装置1には、ヘッドモジュール10のX軸方向位置を検知するX軸座標検知機構44が設けられている。X軸座標検知機構44の検知結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検知結果に基づいてX軸駆動モータ32の駆動を制御して、吐出モジュール10を目標のX軸方向位置へ移動させる。
3次元造形装置1には、ヘッドモジュール10のY軸方向位置を検知するY軸座標検知機構45が設けられている。Y軸座標検知機構45の検知結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検知結果に基づいてY軸駆動モータ33の駆動を制御して、吐出モジュール10を目標のY軸方向位置へ移動させる。
3次元造形装置1には、造形テーブル3のZ軸方向位置を検知するZ軸座標検知機構46が設けられている。Z軸座標検知機構46の検知結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検知結果に基づいてZ軸駆動モータ36の駆動を制御して、造形テーブル3を目標のZ軸方向位置へ移動させる。
このように、制御部100は、ヘッドモジュール10および造形テーブル3の移動を制御することにより、ヘッドモジュール10および造形テーブル3の相対的な3次元位置を、目標の3次元位置に移動させる。
さらに、制御部100は、リール4、エクストルーダ11、冷却ブロック12、加熱ブロック15、吐出ノズル18、回転ステージ43、測距センサ41、ノズル上下機構42、加熱機構39の各駆動部に制御信号を送信することで、これらの駆動を制御する。
制御部100は、CPU150と、ROM151と、RAM152と、ネットワークI/F153と、USBI/F154と、メディアドライブ155と、入出力I/F156とを有する。各部はシステムバス157を介して相互に接続されている。
CPU150は、プログラムを実行して3次元造形装置1全体を統括的に制御する。ROM151は、プログラムを記憶する。RAM152は、CPU150がプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。
入出力インタフェース(I/F)156は、3次元造形装置1の各部との間で入出力を行う際にインタフェース動作(情報の送受信動作)を行う。
ネットワークインタフェース(I/F)153は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークに接続するためのインタフェース(例えばEthernet(登録商標)カードなど)である。
USBインタフェース(I/F)154は、ホストとUSB通信するためのインタフェースである。なお、接続はUSBに限定しない。また、有線に限らず無線であっても良い。
メディアドライブ155は、記録メディア(図示せず)の電気的な接続により、記録メディアを対象にプログラムやデータの読み取りや書き込みを行う。
次に、3次元造形装置1における主な制御動作に関わる機能構成について説明する。図4は、3次元造形装置1の機能構成を示すブロック図である。
3次元造形装置1において、制御部100のCPU150とRAM152は、CPU150がROM151のプログラムをRAM152に読み出し、CPU150がRAM152を作業領域として使用しながらプログラムを実行することにより、各種の機能を発揮する。3次元造形装置1は、機能構成として、XY位置制御部51、Z位置制御部52、誤差演算部55、及び補正量生成部56を有する。
XY位置制御部51は、X軸座標検知機構44及びY軸座標検知機構45からヘッドモジュール10のXY位置を取得し、そのXY位置とヘッドモジュール10の目標位置との偏差に応じて、X軸駆動モータ32及びY軸駆動モータ33を駆動させ、ヘッドモジュール10をXY方向に移動させる。これにより、XY位置制御部51は、吐出ノズル18を造形テーブル3に対して平面方向(XY方向)に相対的に移動させる。
Z位置制御部52は、Z軸座標検知機構46から造形テーブル3のZ位置を取得し、そのZ位置と造形テーブル3の目標位置との偏差に応じて、Z軸駆動モータ36を駆動させ、造形テーブル3をZ方向に移動させる。これにより、Z位置制御部52は、吐出ノズル18を造形テーブル3に対して垂直方向(Z方向)に相対的に移動させる。
誤差演算部55は、XY位置制御部51によるXY位置の制御とZ位置制御部52によるZ位置の制御とが行われた状態で、吐出ノズル18及び造形テーブル3の相対間隔を測距センサ41から取得する。誤差演算部55は、吐出ノズル18及び造形テーブル3の相対間隔とその目標値(目標相対間隔)との差分を相対間隔の誤差として演算しZ位置補正部54へ供給する。
Z位置補正部54は、相対間隔の誤差をキャンセルし得るノズル上下機構42の駆動量をZ位置補正量として求める。Z位置補正部54は、Z位置補正量(駆動量)をノズル上下機構42へ供給する。これにより、ノズル上下機構42は、Z位置補正量(駆動量)に応じて、吐出ノズル18と造形テーブル3との相対間隔を調整(微調整)する。すなわち、ノズル上下機構42は、測距センサ41で測定された相対間隔が目標値からずれていた場合に、Z方向における吐出ノズル18と造形テーブル3との相対間隔を目標値に近づける向きに吐出ノズル18を動かす。これにより、吐出ノズル18と造形テーブル3との相対間隔が目標値近傍に保たれ得る。
仮に、3次元造形装置1において測距センサ41及びノズル上下機構42が設けられていない場合、吐出ノズル18が図5及び図6に示すように動作し得る。図5及び図6は、吐出ノズル18の動作を示す図である。
図5に示すように、吐出ノズル18のノズル径に対して、吐出ノズル18とビルドプレート3bとの間隔(以下、N−BP間隔)は小さく、溶融したフィラメントFMをビルドプレート3bに押し付ける(圧力がかかる)ようにして吐出を行う。N−BP間隔を一定にすることができれば吐出圧が一定になり、図5に示すように、造形物301の層厚を一定にすることができる。
しかし、図6に示すように、吐出ノズル18の駆動軸が水平方向からずれている場合(X軸駆動モータ32の駆動方向が水平面内のX方向からずれている場合、及び/又は、Y軸駆動モータ33の駆動方向が水平面内のY方向からずれている場合)、造形物302の層厚が不均一になり得る。すなわち、肉薄部分302aの層厚に比べて、肉厚部分302bの層厚が厚くなることがある。図6に示すようになると、冷えたときの収縮差が発生し、肉厚部分302bは肉薄部分302aに引っ張られたような形状に反りあがってしまう。これが、造形物302におけるはがれや歪みの原因となり得る。
本実施形態では、図7に示すように、吐出ノズル18及びビルドプレート3bの相対間隔(N−BP間隔)を測る測距センサ41と、吐出ノズル18及びビルドプレート3bの相対間隔を調整(微調整)するノズル上下機構42とを設けている。図7は、測距センサ41及びノズル上下機構42の構成を示す図である。
図8に示すように、吐出ノズル18の駆動軸が水平方向からずれている場合、測距センサ41によりN−BP間隔SPを計測することができる。これにより、N−BP間隔SPが目標値からずれていることに対応できる。すなわち、N−BP間隔SPを目標値にあわせるべく、図8に一点鎖線の矢印で示すように、ノズル上下機構42によりヘッドモジュール10を上下させ、これにより吐出ノズル18を上下させる。N−BP間隔SPが目標値からずれている場合は、このプロセスを行うことでN−BP間隔を略一定に保つことができる。
図7に示すノズル上下機構42には、例えばステッピングモータ41aを使った構成が挙げられる。ステッピングモータ41aが回転することで回転軸がまわり、回転軸に取り付けられた駆動部材42bが上下に移動する。この駆動部材42bをヘッドモジュール10に機械的に取り付けることで吐出ノズル18の上下機構を実現できる。
測距センサ41には、非接触式のレーザ測距センサ等が挙げられる。他にも、接触式の感圧センサ(ピエゾ素子、ひずみゲージ等)を用いて、吐出ノズル18がビルドプレート3bに接触した位置からN−BP間隔SPの目標値までノズル上下機構42で吐出ノズル18を動かすという手段でも良い。
また、図9に示すように、ヘッドモジュール10に回転ステージ(回転機構)43を設けることで、常に吐出ノズル18の進行方向のN−BP間隔SPを測定することが可能である。こうすることで事前にN−BP間隔SPを測定することなく、造形を行いながら、今後必要になるN−BP間隔SPを測定することが可能となる。
次に、3次元造形装置1の動作について図10を用いて説明する。図10は、3次元造形装置1の動作を示すフローチャートである。
3次元造形装置1は、測距センサ41により、N−BP間隔を取得し(S1)、N−BP間隔が目標値と一致するか否か判断する(S2)。3次元造形装置1は、N−BP間隔が目標値から許容誤差範囲内にあれば、N−BP間隔が目標値と一致すると判断でき、N−BP間隔が目標値から許容誤差範囲から外れれば、N−BP間隔が目標値と一致しないと判断できる。
3次元造形装置1は、N−BP間隔が目標値と一致しない場合(S2でNo)、N−BP間隔が目標値より大きいか否かを判断する(S3)。3次元造形装置1は、N−BP間隔が目標値より大きい場合(S3でYes)、N−BP間隔の目標値からのずれに応じた補正量を求め、吐出ノズル18を下方に補正量分で移動させる(S4)。3次元造形装置1は、N−BP間隔が目標値以下である場合(S3でNo)、N−BP間隔の目標値からのずれに応じた補正量を求め、吐出ノズル18を上方に補正量分で移動させる(S5)。
3次元造形装置1は、N−BP間隔が目標値と一致すれば(S2でYes)、処理を終了する。
以上のように、実施形態では、3次元造形装置1において、測距センサ41とビルドプレート3bとの相対間隔を測定する測距センサ41とZ軸の微調整を行うノズル上下機構42とを設け、測距センサ41の測定結果に応じてノズル上下機構42でノズルのZ位置を微調整する。これにより、造形材料の表面における高さ方向のゆがみを抑制できる。
1 3次元造形装置
41 測距センサ
42 ノズル上下機構
41 測距センサ
42 ノズル上下機構
Claims (5)
- ノズルを造形テーブルに対して平面方向へ相対的に移動させる第1の移動手段と、
前記ノズルを前記造形テーブルに対して垂直方向へ相対的に移動させる第2の移動手段と、
測定手段と前記造形テーブルとの相対間隔に応じて、前記ノズルと前記造形テーブルとの相対間隔を調整する調整手段と、
を備えたことを特徴とする3次元造形装置。 - 前記調整手段は、
前記測定された相対間隔が目標値からずれていた場合に、前記垂直方向における前記ノズルと前記造形テーブルとの相対間隔を前記目標値に近づける向きに前記ノズルを動かす機構を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の3次元造形装置。 - 前記機構は、ステッピングモータを含む
ことを特徴とする請求項2に記載の3次元造形装置。 - 前記測定手段は、レーザ測距センサを含む
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の3次元造形装置。 - 前記測定手段は、前記ノズルを中心に回転可能に設けられている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の3次元造形装置。
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