JP2019136977A - 造形装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着性の高い取っ手部材の取り付けられた造形物を、容易に提供する。【解決手段】造形装置1は、吐出部10と、加熱部20Aと、接合部7と、を備える。吐出部10は、溶融フィラメントを吐出して造形材料層を積層させ、台座5上に造形物Mを形成する。加熱部20Aは、台座5および造形物Mの少なくとも一方の第1接合領域R1と、造形物Mを把持するための取っ手部材Hの第2接合領域R2と、を加熱する。接合部7は、加熱された第1接合領域R1と加熱された第2接合領域R2とを接合する。【選択図】図1
Description
本発明は、造形装置に関する。
金型などを用いずに造形物を作製する装置として、3Dプリンタが普及しつつある。熱溶解積層法(FFF(Fused Filament Fabrication))を用いた3Dプリンタは、コンシューマ向けにも浸透している。また、形成された造形物の強度向上を図る技術が知られている。
特許文献1には、粗面化された造形材料層上に次の造形材料層を形成することで、造形材料層間の密着力を向上させる技術が開示されている。
ここで、形成された造形物に対して、着色や研磨等の後処理を施す場合がある。しかし、従来では、形成された造形物を直接把持して次工程へ移動させると、造形物に傷が加えられる場合がある。そこで、造形物に傷が加えられる事を抑制するために、造形物の造形時に、複数の材料層を積層させた取っ手部材をあわせて造形する手法がある。しかし、従来では、造形時間の増大を招くと共に、取り付けた取っ手部材の接着性が低い、という問題があった。すなわち、従来では、接着性の高い取っ手部材の取り付けられた造形物を、容易に提供することは困難であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、接着性の高い取っ手部材の取り付けられた造形物を、容易に提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、造形装置は、溶融した造形材料を吐出して造形材料層を積層させ、台座上に造形物を形成する吐出部と、前記台座および前記造形物の少なくとも一方の第1接合領域と、前記造形物を把持するための取っ手部材の第2接合領域と、を加熱する加熱部と、加熱された前記第1接合領域と加熱された前記第2接合領域とを接合する接合部と、を備える。
本発明によれば、接着性の高い取っ手部材の取り付けられた造形物を、容易に提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本実施の形態の造形装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、本明細書において、同じ構成および機能を示す部分には、同じ符号を付与し、詳細な説明を省略する場合がある。
なお、本実施の形態では、熱溶解積層法(FFF)により造形物を造形する造形装置を、一例として説明する。なお、造形装置は、三次元の造形物を造形する装置であればよく、造形方法は熱溶解積層法(FFF)に限定されない。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態の造形装置1の一例を示す模式図である。
図1は、本実施の形態の造形装置1の一例を示す模式図である。
造形装置1の筐体2の内部には、造形テーブル3が設けられている。造形テーブル3は、台座5を介して造形物Mを保持する。すなわち、造形テーブル3上に載置された台座5上に、造形物Mが造形される。
造形物Mの造形には、造形材料が用いられる。本実施の形態では、造形材料として、フィラメントFを用いる。フィラメントFは、造形材料を細長いワイヤー形状にした固体材料である。造形材料は、熱可塑性樹脂である。
フィラメントFは、巻き回された状態で造形装置1における筐体2の外部のリール4にセットされている。リール4は、フィラメントFの駆動手段であるエクストルーダ11の回転に引っ張られることで、大きく抵抗力を働かせることなく自転する。
台座5は、熱可塑性を有する材料で構成されていればよく、構成材料は限定されない。例えば、台座5は、造形材料と同じ熱可塑性樹脂で構成されていてもよいし、異なる熱可塑性樹脂で構成されていてもよい。
台座5は、最終的には、形成された造形物Mから除去される。
また、筐体2内には、吐出部10が設けられている。吐出部10は、溶融した造形材料を吐出して造形材料層を積層させ、台座5上に造形物Mを形成する。
図2は、吐出部10の断面模式図の一例である。吐出部10は、エクストルーダ11、冷却ブロック12、フィラメントガイド14、加熱ブロック15、吐出ノズル18、撮像モジュール101、ねじり回転機構102、およびその他の部品によってモジュール化されている。フィラメントFは、エクストルーダ11によって引き込まれることで、吐出部10へ供給される。
撮像モジュール101は、吐出部10に引き込まれたフィラメントFの360°像、すなわち、フィラメントFにおけるある部分の全方位の画像を撮影する。図2には、吐出部10が2つの撮像モジュール101を備えた構成を、一例として示した。なお、吐出部10に設けられる撮像モジュール101の数は、2つに限定されない。例えば、反射板を備えた構成とすることで、1つの撮像モジュール101により、フィラメントFの360°像を撮影してもよい。
撮像モジュール101は、例えば、レンズなどの結像光学系と、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子と、を備えたカメラである。
ねじり回転機構102は、フィラメントFを延伸方向に対して直交する方向に回転させることで、フィラメントFの方向を規制する。径測定部103は、撮像モジュール101によって撮影されたフィラメントFの画像から、X軸、Y軸の2方向におけるフィラメントのエッジ間の幅を、それぞれ径として測定する。X軸およびY軸は、互いに直交する2軸である。また、X軸およびY軸は、鉛直方向を示すZ軸に対して直交する。
径測定部103は、予め定めた規格外の径を検出した場合、エラー情報を出力する。エラー情報の出力先は、ディスプレイであってもよいし、スピーカであってもよいし、他の装置であってもよい。径測定部103は、回路であってもよいし、CPU(Central Processing Unit)の処理によって実現される機能であってもよい。
加熱ブロック15は、ヒータなどの熱源16と、ヒータの温度を制御するための熱電対17と、を有する。加熱ブロック15は、フィラメントFを加熱溶融し、溶融したフィラメントFである溶融フィラメントFMを、吐出ノズル18へ供給する。以下では、なお、溶融とは、加熱ブロック15による加熱前に比べて、固相に対する液相の比率が高くなった状態を意味する。すなわち、溶融には、フィラメントFの溶け始めから溶けて液状となるまでの状態が含まれ、半溶融状態および溶融状態の双方が含まれる。
冷却ブロック12は、加熱ブロック15とエクストルーダ11との間に設けられている。冷却ブロック12は、冷却源13を有し、フィラメントFを冷却する。冷却ブロック12は、加熱ブロック15からの溶融フィラメントFMの逆流、フィラメントFの押出抵抗の増大、および溶融フィラメントFMの固化による詰まり、などを防ぐ。エクストルーダ11によって冷却ブロック12側へ押し出されたフィラメントFは、フィラメントガイド14を介して加熱ブロック15へ供給される。
加熱ブロック15における、鉛直方向の下流側端面には、吐出ノズル18が設けられている。加熱ブロック15へ供給されたフィラメントFは、加熱ブロック15によって溶融される。そして、溶融されたフィラメントFである溶融フィラメントFMは、吐出ノズル18から吐出される。
本実施の形態では、吐出ノズル18は、造形テーブル3上に載置された台座5上に、溶融フィラメントFMを線状に押し出すようにして吐出する。吐出された溶融フィラメントFMが冷却によって固化することで、台座5上には、造形材料層MLが形成される。また、吐出ノズル18は、形成した造形材料層ML上に、溶融フィラメントFMを、線状に押し出すようにして吐出する操作を繰り返す。この繰返しの吐出により、造形材料層ML上に新たな造形材料層MLが順次積層され、造形物Mが形成される。
図1に戻り説明を続ける。本実施の形態では、吐出部10は、2つの吐出ノズルを有する。2つの吐出ノズルを、第1の吐出ノズル、第2の吐出ノズル、と称して説明する。
第1の吐出ノズルは、上述した吐出ノズル18であり、造形物Mを構成する造形材料であるフィラメントFを溶融して吐出する。
第2の吐出ノズルは、サポート材のフィラメントを溶融して吐出する。なお、図1に示す例では、第1の吐出ノズルである吐出ノズル18の奥側に、第2の吐出ノズルが配置されている。なお、吐出部10に設けられる吐出ノズルの数は2個に限らず任意である。
サポート材は、熱可塑性を有する材料で構成されていればよく、構成材料は限定されない。例えば、サポート材は、造形材料と同じ熱可塑性樹脂で構成されていてもよいし、異なる熱可塑性樹脂で構成されていてもよい。
サポート材の吐出によって形成されるサポート部は、最終的には、形成された造形物Mから除去される。なお、サポート材は、台座5と同じ材料で構成してもよい。本実施の形態では、サポート材と台座5が、同じ材料で構成されている場合を、一例として説明する。
サポート材のフィラメント(以下、サポートフィラメントSFと称する場合がある)、および造形材料のフィラメントFは、加熱ブロック15によって各々溶融され、各々に対応する第2の吐出ノズルおよび吐出ノズル18(第1の吐出ノズル)から吐出される。
また、造形装置1には、加熱部20Aが設けられている。加熱部20Aは、加熱部20の一例である。なお、造形装置1は、1つの加熱部20Aを備えていてもよいし、複数の加熱部20Aを備えていてもよい。
加熱部20Aは、加熱対象領域Rを加熱する。加熱対象領域Rは、加熱部20Aが加熱する対象の領域である。
加熱対象領域Rは、本実施の形態では、台座5上に形成された造形材料層ML上の加熱対象領域R3、第1接合領域R1、および、第2接合領域R2である。第1接合領域R1および第2接合領域R2の詳細は後述する。
加熱部20Aは、回転ステージ19によって支持されている。回転ステージ19は、搬送部の一例である。
図3は、加熱部20Aおよび回転ステージ19を拡大して示した模式図である。回転ステージ19は、異なる複数の方向から加熱対象領域Rを加熱するように、加熱部20Aを搬送する。本実施の形態では、加熱部20Aは、吐出ノズル18を中心に回転する。加熱部20Aは、回転ステージRSの回転に伴い回転移動する。
これにより、加熱部20Aは、異なる複数の方向から加熱対象領域Rを加熱することができる。
また、加熱部20Aは、吐出ノズル18の移動方向に常に追従して、吐出ノズル18によって溶融フィラメントFMの吐出される直前の加熱対象領域Rを加熱することができる。すなわち、加熱部20Aは、吐出ノズル18の移動方向が変わっても、吐出ノズル18による吐出に先回りして、吐出対象領域を加熱対象領域Rとして加熱することが可能である。
また、加熱部20Aを、加熱対象領域Rを中心に回転させることで、加熱対象領域Rを連続して加熱することが可能となる。具体的には加熱部20Aを、吐出ノズル18を中心に回転させることで、吐出ノズル18による造形物Mの形成時には、溶融フィラメントFMを吐出される直前の造形材料層MLを、常に加熱することが可能となる。
図1に戻り説明を続ける。本実施の形態では、加熱部20Aは、加熱源21として、レーザ光源21Aを備える。レーザ光源21Aは、レーザ光を照射する。レーザ光は、例えば、半導体レーザである。レーザ光の照射波長は、例えば、445nmである。
すなわち、本実施の形態では、加熱部20Aは、レーザ光の照射によって、加熱対象領域Rを加熱する。例えば、レーザ光源21Aは、台座5上に形成された造形材料層ML上における、次に溶融フィラメントFMの吐出される加熱対象領域R3に、レーザ光を照射する。このため、本実施の形態では、加熱部20Aは、非接触で且つ局所的に、遠方から加熱対象領域Rを加熱することができる。
吐出部10および加熱部20Aは、X軸駆動軸31によって、X軸方向(矢印X方向)にスライド移動可能に保持されている。X軸駆動軸31は、鉛直方向(矢印Z方向)に対して直交する平面における一方向(矢印X軸方向)に長い駆動軸である。X軸駆動軸31には、X軸駆動モータ32が設けられている。吐出部10および加熱部20Aは、X軸駆動モータ32の駆動力により、X軸方向へ移動する。
X軸駆動モータ32は、Y軸駆動軸33Aに沿ってスライド移動可能に保持されている。Y軸駆動軸33Aは、鉛直方向(矢印Z方向)に対して直交する平面における、X軸方向に直交する方向(矢印Y方向)に長い駆動軸である。Y軸駆動軸33Aには、Y軸駆動モータ33が設けられている。吐出部10、加熱部20A、およびX軸駆動モータ32は、Y軸駆動モータ33の駆動力により、Y軸方向へ移動する。
造形テーブル3は、鉛直方向(矢印Z方向)に長いZ軸駆動軸34、および、ガイド軸35に通され、鉛直方向に沿って移動可能に保持されている。Z軸駆動軸34には、Z軸駆動モータ36が設けられている。造形テーブル3は、Z軸駆動モータ36の駆動力により、鉛直方向へ移動する。造形テーブル3には、積載された造形物Mを加熱するための加熱機構が設けられていてもよい。
このため、造形装置1は、造形テーブル3上に載置された台座5上の任意の領域を、加熱部20Aによって加熱可能な構成となっている。また、同様に、造形装置1は、造形テーブル3上に載置された台座5上の任意の領域に、溶融フィラメントFMや溶融サポート材SMを吐出可能な構成となっている。
また、造形装置1は、クリーニングブラシ37およびダストボックス38を備える。クリーニングブラシ37は、吐出ノズル18の先端周辺をクリーニングする。例えば、クリーニングブラシ37は、吐出ノズル18の周辺に飛散した造形材料などによる粉塵を、ダストボックス38へ集積させる。
また、本実施の形態では、造形装置1は、接合部7を備える。接合部7は、取っ手部材Hを台座5または造形物Mへ接合する機構である。
本実施の形態では、接合部7は、造形物Mの形成された台座5に、取っ手部材Hを接合する形態を一例として説明する。なお、取っ手部材Hは、造形物Mに直接接合してもよい。この場合、台座5を設けない構成としてもよい。
取っ手部材Hは、台座5上に形成された造形物Mを次工程へ搬送する時に、造形物Mを把持するときの取っ手として機能する部材である。次工程とは、造形物Mの塗装や、造形物Mの切削などの工程である。取っ手部材Hは、造形物Mを次工程へ搬送するときに、機械や人などによって把持される部材である。取っ手部材Hの把持によって、造形物Mを次工程へ搬送することで、造形物Mに直接触れることが抑制され、造形物Mに傷がつくことを抑制することができる。
取っ手部材Hは、造形物Mの造形が開始される前に、予め作製されている。取っ手部材Hの作製方法は限定されない。例えば、取っ手部材Hは、公知の射出成形等の方法を用いて、予め作製されている。そして、取っ手部材Hは、接合部7によって、造形物Mの形成された台座5上に接合される。
取っ手部材Hは、熱可塑性を有する材料で構成されていればよく、構成材料は限定されない。例えば、取っ手部材Hは、造形材料と同じ熱可塑性樹脂で構成されていてもよいし、異なる熱可塑性樹脂で構成されていてもよい。また、造形材料、台座5の構成材料、サポート材の構成材料、および取っ手部材Hの構成材料は、同じであってもよいし、少なくとも1部が異なっていてもよい。
例えば、造形物Mの造形材料と取っ手部材Hを、熱可塑性および非水溶性を有する材料で構成する。また、台座5を、熱可塑性および水溶性を有する材料で構成する。この場合、台座5上に形成された造形物Mおよび台座5に取り付けられた取っ手部材Hを、水に浸すことで、造形物Mを取っ手部材Hおよび台座5から容易に分離することができる。また、取っ手部材Hを、他の台座5へ接合する対象とすることができ、再利用可能とすることができる。
取っ手部材Hの形状は限定されない。本実施の形態では、取っ手部材Hが、円柱状である場合を一例として説明する。なお、取っ手部材Hの形状は、造形物Mを搬送するときの取っ手としての機能を実現可能な形状であればよく、円柱状に限定されない。例えば、取っ手部材Hの形状は、長手方向の少なくとも一部の領域が屈曲した形状(例えば、アーチ状など)であってもよい。
本実施の形態では、接合部7は、アーム部7Aと、保持部9Bと、駆動部7C、駆動部7Dとを備える。
保持部7Bは、予め作製された取っ手部材Hを把持する機構である。
保持部7Bは、アーム部7Aを介して造形テーブル3によって支持されている。アーム部7Aは、伸縮可能に構成されている。アーム部7Aには、駆動部7Dが設けられている。駆動部7Dによる駆動によって、アーム部7Aは伸縮駆動する。また、保持部7Bには、駆動部7Cが設けられている。駆動部7Cの駆動によって、保持部7Bは、取っ手部材Hの保持や取っ手部材Hの保持解除などを行う。
例えば、駆動部7Cおよび駆動部7Dの駆動によって、保持部7Bによって保持された取っ手部材Hは、加熱部20Aによって加熱可能な位置に移動された後に、台座5上に運ばれて接合される(詳細後述)。
なお、接合部7は、予め作製された取っ手部材Hを加熱した後に台座5または造形物Mに接合する事の可能な機構および構成であればよく、その機構および構成は、上記形態に限定されない。
図4は、造形装置1のハードウェア構成図の一例である。造形装置1は、制御部100を有する。制御部100は、CPUあるいは回路などによって構築されている。制御部100は、造形装置1に設けられた各部と電気的に接続されている。
造形装置1は、X軸座標検知機構105Aと、Y軸座標検知機構105Bと、Z軸座標検知機構K105Cと、を備える。
X軸座標検知機構105Aは、吐出部10および加熱部20AのX軸方向位置を検知する。X軸座標検知機構105Aは、X軸方向検知結果を制御部100へ送信する。制御部100は、X軸方向検知結果に基づいてX軸駆動モータ32の駆動を制御することで、吐出部10および加熱部20Aを目標のX軸方向位置へ移動させる。
Y軸座標検知機構105Bは、吐出部10および加熱部20AのY軸方向位置を検知する。Y軸座標検知機構105Bは、Y軸方向検知結果を、制御部100へ送信する。制御部100は、Y軸方向検知結果に基づいてY軸駆動モータ33の駆動を制御することで、吐出部10および加熱部20Aを目標のY軸方向位置へ移動させる。
Z軸座標検知機構105Cは、造形テーブル3のZ軸方向位置を検知する。Z軸座標検知機構105Cは、Z軸方向検知結果を、制御部100へ送信する。制御部100は、Z軸方向検知結果に基づいてZ軸駆動モータ36の駆動を制御することで、造形テーブル3を目標のZ軸方向位置へ移動させる。すなわち、制御部100は、Z軸駆動モータ36の駆動を制御することで、造形テーブル3上に載置された台座5や、造形テーブル3によって支持されている接合部7を、目標のZ軸方向位置へ移動させる。
このように、制御部100は、吐出部10、加熱部20A、接合部7、および造形テーブル3の移動を制御することにより、吐出部10、加熱部20A、接合部7、および造形テーブル3の相対的な三次元位置を、目標の三次元位置に移動させる。
さらに、制御部100は、エクストルーダ11、冷却ブロック12、加熱ブロック15、吐出ノズル18、レーザ光源21A、クリーニングブラシ37、回転ステージRS、撮像モジュール101、ねじり回転機構102、径測定部103、温度センサ104、および接合部7の各駆動部(駆動部7C、駆動部7D、保持部7B)に制御信号を送信することで、これらの駆動を制御する。
温度センサ104は、加熱対象領域Rの温度を測定する(詳細後述)。側面冷却部39は、造形物Mの側面を冷却する(詳細後述)。
次に、造形装置1による造形材料層MLの積層の一例を説明する。図5は、造形材料層MLの積層の一例を示す説明図である。
本実施の形態では、加熱部20Aは、レーザ光源21Aから照射されるレーザ光Lを用いて、造形材料層MLにおける加熱対象領域R3を加熱する。吐出部10は、加熱された造形材料層ML上に溶融フィラメントFMを吐出する。
詳細には、加熱部20Aのレーザ光源21Aは、形成された造形3材料層ML上における、溶融フィラメントFMが次に吐出される加熱対象領域R3に、選択的にレーザ光Lを照射する。この照射により、加熱部20Aは、造形材料層ML上における加熱対象領域Rを、再加熱する。再加熱とは、溶融フィラメントFMが冷却されて固化した後に、再度加熱することを表す。再加熱の温度は特に限定されないが、形成済の造形材料層MLの融点以上の温度であることが好ましい。
加熱対象領域Rの温度は、温度センサ104によって測定される(図4参照)。温度センサ104は、測定部の一例である。本実施形態では、温度センサ104は、レーザ光源21Aの近傍に配置されている。温度センサ104は、温度測定結果を、制御部100へ出力する。制御部100は、温度測定結果に基づいてレーザ光源21Aのレーザ出力を制御することで、加熱対象領域Rに加える熱の温度を調整する。
すなわち、加熱部20Aは、温度センサ104によって測定された温度に基づいて、加熱対象領域Rを加熱する。このため、加熱部20Aは、目標温度となるように、加熱対象領域Rを安定して加熱することができる。
形成済の造形材料層MLの表面を再加熱することで、造形材料層MLにおける、再加熱された加熱対象領域R3と、該加熱対象領域R3に吐出された溶融フィラメントFMと、の温度差が小さくなり、これらの構成材料が混ざり合うことで、これらの層間の接着性が向上する。
図6は、造形材料層MLの積層の詳細例を示す模式図である。以下では、吐出部10による造形中の造形材料層MLおよびサポート層SLを、上層Lnと表す。サポート層SLは、サポート材によって形成された層である。また、上層Lnの一つ下の層を下層Ln−1、下層Ln−1の一つ下の層を下層Ln−2と表す。また、図6中の矢印Wは、吐出部10の移動経路(ツールパス)を示す。なお、図6には、吐出部10のツールパスが分かるように、吐出された溶融フィラメントFMや溶融サポート材SMを、楕円柱で模式的に示した。このため、吐出された溶融フィラメントFMや溶融サポート材SMの間に空隙が形成されているが、実際には、空隙が形成されないように造形することが好ましい。
図6(A)は、下層Ln−1を再加熱しながら上層Lnを形成するときの造形物Mを示す模式図である。下層Ln−1を再加熱しながら上層Lnを形成すると、下層Ln−1の造形材料層MLが溶融した状態で、上層Lnの造形材料層MLを形成できる。このため、層間の接着性が向上する。しかし、造形物Mの外形面OSが変形する場合がある。
図6(B)は、下層Ln−1を再加熱しながら上層Lnを形成するときの造形物Mを示す模式図である。図6(B)の例では、造形材料層MLの形成時に、造形材料層MLの端部に、溶融サポート材SMによるサポート層SLを形成する。造形材料層MLの端部とは、造形材料層MLにおける、鉛直方向(矢印Z方向)に直交する平面(矢印X方向と矢印Y方向による二次元平面)の端部である。
この場合、下層Ln−1を再加熱しながら上層Lnを形成しても、溶融サポート材SMの吐出によって形成されたサポート部Sによって、造形物Mが支えらえる。この場合、層間の接着性向上と、造形物Mの外形面OSの変形の抑制、の両立を図ることができる。このため、制御部100は、造形物Mの形成時に、造形物Mを構成する複数の造形材料層MLの各々の端部に、第2の吐出部によって溶融サポート材SMを吐出することで、造形材料層MLおよびサポート層SLを積層するように、制御することが好ましい。
次に、側面冷却部39について説明する。図7は、側面冷却部39による冷却の説明図である。側面冷却部39は、造形物Mの側面、すなわち延長方向(図1中、矢印Z方向)に対して平行な面を冷却する。側面冷却部39は、造形物Mの側面を冷却可能な冷却源であればよい。側面冷却部39は、例えば、ファンである。
側面冷却部39は、吐出部10による造形材料層MLの形成時に、造形物Mの側面に冷却風を送る。造形材料層MLの形成時に、造形物Mの側面に冷却風を送ることで、造形材料層MLの形成時に、造形材料層MLの側面の外形が崩れて造形精度が劣化することを抑制することができる。
図1に戻り説明を続ける。次に、接合部7による取っ手部材Hの台座5への接合について説明する。
上述したように、接合部7は、取っ手部材Hを台座5または造形物Mへ接合する機構である。また、上述したように、本実施の形態では、接合部7は、取っ手部材Hを台座5へ接合する形態を、一例として説明する。
ここで、本実施の形態では、加熱部20Aは、台座5上に形成された造形材料層MLに加えて、第1接合領域R1および第2接合領域R2を加熱する。
図8は、第1接合領域R1の説明図である。第1接合領域R1は、台座5および造形物Mの少なくとも一方における、取っ手部材Hを接合する対象の領域である。本実施の形態では、一例として、第1接合領域R1が、台座5上における一部の領域である場合を説明する。詳細には、第1接合領域R1は、台座5における、造形物Mの形成された領域以外の領域内の、所定の領域である。
第1接合領域R1は、加熱部20Aによって加熱されることで、第1接合領域R1の少なくとも表面が、半溶融状態とされる。
なお、第1接合領域R1は、台座5または造形物Mにおける、熱により半溶融状態とされた領域であればよい。このため、第1接合領域R1は、予め作製された台座5上に台座5の構成材料を溶融して吐出した領域であってもよいし、造形材料層ML上における半溶融状態の領域であってもよい。
図9は、第2接合領域R2の説明図である。図9(A)は、取っ手部材Hにおける第2接合領域R2の説明図である。第2接合領域R2は、取っ手部材Hにおける、第1接合領域R1に接合させる対象の領域である。取っ手部材Hが円柱状である場合、第2接合領域R2は、取っ手部材Hにおける長尺方向の一端面である。
図9(B)は、加熱部20Aによる第2接合領域R2の加熱の説明図である。接合部7は、駆動部7Cおよび駆動部7Dを駆動することで、保持部7Bによって保持された取っ手部材Hの第2接合領域R2を、加熱部20Aのレーザ光源21Aによって加熱可能な位置に移動させる。すると、加熱部20Aは、取っ手部材Hの第2接合領域R2を加熱する。この加熱によって、取っ手部材Hの第2接合領域R2は、半溶融状態となる。
そして、駆動部7Cおよび駆動部7Dの駆動によって、保持部7Bによって保持され、加熱部20Aによって第2接合領域R2を加熱された取っ手部材Hは、台座5上に運ばれ、第1接合領域R1と第2接合領域R2とが密着するように接合される。
図10は、第1接合領域R1と第2接合領域R2との接合の一例を示す説明図である。接合部7は、レーザ光源21Aによって加熱された第2接合領域R2を、台座5におけるレーザ光源21Aによって加熱された第2接合領域R2に接合する。
このように、第1接合領域R1および第2接合領域R2を加熱することで、加熱された第1接合領域R1および加熱された第2接合領域R2の温度差が小さくなり、これらの構成材料が混ざり合うことで、取っ手部材Hおよび台座5の接着性が向上する。
この第1接合領域R1と第2接合領域R2の接合によって、台座5上に取っ手部材Hが取付けられる。このため、造形物Mの造形時に、複数の材料層を積層させた取っ手部材Hをあわせて造形する手法に比べて、短時間で、且つ、高い接着性で取っ手部材Hを取り付けることができる。
図11は、取っ手部材Hの取り付けられた造形物Mの一例を示す模式図である。図11に示すように、本実施の形態では、台座5上に、造形物Mおよび取っ手部材Hが形成される。
なお、取っ手部材Hの数は、1つに限定されない。例えば、より安全に造形物Mを搬送する観点から、2つ以上の取っ手部材Hを、台座5上に取り付けてもよい。
また、上述したように、接合部7は、造形物Mに取っ手部材Hを接合してもよい。この場合、第1接合領域R1を、形成された造形物M上の領域として、上記と同様にして、第1接合領域R1と第2接合領域R2を接合すればよい。
なお、接合部7による取っ手部材Hの接合は、造形物Mの造形が終了したタイミングであってもよいし、造形物Mの造形中であってもよい。造形物Mの造形中に取っ手部材Hを接合する場合には、制御部100は、例えば、以下の処理を行えばよい。例えば、制御部100は、吐出ノズル18の次の吐出位置が、台座5における第1接合領域R1に近い位置に来たときに、台座5上の第1接合領域R1の加熱と、保持部7Bによって保持されている取っ手部材Hの第2接合領域R2の加熱と、第2接合領域R2の第1接合領域R1への接合と、を行うように、接合部7および加熱部20Aを制御すればよい。
次に、本実施の形態の造形装置1が実行する造形処理の手順を説明する。図12は、本実施の形態の造形装置1が実行する、造形処理の手順の一例を示す、フローチャートである。
まず、造形装置1の制御部100は、造形物Mの造形データを受付けると、図12に示す処理ルーチンを実行する。造形データは、造形物Mを構成する造形材料層MLごとの画像データによって構成されている。また、造形テーブル3上には、台座5が載置されているものとする。
造形装置1の制御部100は、X軸駆動モータ32またはY軸駆動モータ33を駆動して、吐出部10をX軸またはY軸方向に移動させる。吐出部10が移動している間に、制御部100は、造形データのうち、最下層の画像データに基づいて、吐出ノズル18から溶融フィラメントFMを吐出する。これによって、造形装置1は、台座5上に、画像データに応じた造形材料層MLを形成する(ステップS11)。
次に、加熱部20Aが、台座5上に直前に形成された造形材料層ML上の加熱対象領域R3へレーザ光Lを照射し、該加熱対象領域R3を加熱する(ステップS12)。ステップS12の処理によって、直前に形成された造形材料層MLにおける加熱対象領域R3が再溶融する。
次に、制御部100は、造形データにおける、直前に形成した造形材料層MLの上に積層する造形材料層MLの画像データを読取る。そして、制御部100は、該画像データに基づいて、吐出ノズル18から溶融フィラメントFMを吐出する。これによって、造形装置1は、直前に形成され、加熱部20Aによって加熱された造形材料層MLに、画像データに応じた造形材料層MLを形成する(ステップS13)。
なお、制御部100は、ステップS12の処理と、ステップS13の処理と、の一部が並列で実行されるように制御してもよい。この場合、吐出部10は、例えば、直前に形成した造形材料層MLにレーザ光Lを照射する処理を開始してから、照射範囲全体へのレーザの照射が完了する前に、次の造形材料層ML用の溶融フィラメントFMの吐出を開始する。
次に、側面冷却部39が、ステップS13の処理によって形成された造形材料層MLの側面を冷却する(ステップS14)。
次に、制御部100は、造形データにおける、最表層の造形材料層MLを形成したか否かを判断する(ステップS15)。ステップS15で否定判断すると(ステップS15:No)、上記ステップS12へ戻る。ステップS15で肯定判断すると(ステップS15:Yes)、ステップS16へ進む。
次に、制御部100は、台座5上における、第1接合領域R1を加熱するように、加熱部20Aを制御する(ステップS16)。
次に、制御部100は、接合部7によって保持された取っ手部材Hにおける、第2接合領域R2を加熱するように、接合部7を制御する(ステップS17)。
なお、ステップS16およびステップS17の処理順は、逆であってもよい。また、ステップS16とステップS17の処理の少なくとも一部を、並列で行ってもよい。
そして、制御部100は、取っ手部材Hの第2接合領域R2を、台座5の第1接合領域R1へ接合するように、接合部7を制御する(ステップS18)。ステップS18の処理によって、台座5に取っ手部材Hが取付けられる。そして、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施の形態の造形装置1は、吐出部10と、加熱部20Aと、接合部7と、を備える。吐出部10は、溶融フィラメントFM(溶融した造形材料)を吐出して造形材料層MLを積層させ、台座5上に造形物Mを形成する。加熱部20Aは、台座5および造形物Mの少なくとも一方の第1接合領域R1と、造形物Mを把持するための取っ手部材Hの第2接合領域R2と、を加熱する。接合部7は、加熱された第1接合領域R1と加熱された第2接合領域R2とを接合する。
このように、本実施の形態では、造形材料層MLを積層させて、台座5上に造形物Mを形成する。また、本実施の形態では、台座5または造形物Mにおける加熱された第1接合領域R1と、取っ手部材Hにおける加熱された第2接合領域R2と、を接合する。
このため、造形物Mの造形時に、複数の材料層を積層させた取っ手部材Hをあわせて造形する手法に比べて、短時間で、且つ、高い接着性で、取っ手部材Hを取り付けることができる。
従って、本実施の形態の造形装置1では、接着性の高い取っ手部材Hの取り付けられた造形物Mを、容易に提供することができる。
また、加熱部20Aは、形成された造形材料層MLを加熱する。吐出部10は、加熱された造形材料層MLに、溶融フィラメントFM(溶融した造形材料)を吐出して造形材料層MLを積層させる。
また、搬送部(回転ステージRS)は、異なる複数の方向から加熱対象領域Rを加熱するように、加熱部20Aを搬送する。
温度センサ104(測定部)は、加熱部20Aによる加熱対象領域Rの温度を測定する。加熱部20Aは、温度センサ104によって測定された温度に基づいて、加熱対象領域Rを加熱する。加熱部20Aは、レーザ光Lを照射する。
また、本実施の形態の造形装置1は、複数の加熱部20Aを備えていてもよい。複数の加熱部20Aを備えることで、加熱部20による加熱時間が短縮され、造形物Mの造形時間の短縮および取っ手部材Hの取付け時間の短縮を図ることができる。
(変形例1)
上記実施の形態では、加熱対象領域Rを加熱する加熱部20として、レーザ光を照射する加熱部20Aを用いた形態を説明した。しかし、加熱部20は、レーザ光を照射することで加熱対象領域Rを加熱する形態に限定されない。
上記実施の形態では、加熱対象領域Rを加熱する加熱部20として、レーザ光を照射する加熱部20Aを用いた形態を説明した。しかし、加熱部20は、レーザ光を照射することで加熱対象領域Rを加熱する形態に限定されない。
例えば、加熱部20は、加熱した空気を送風する機構であってもよい。図13は、本変形例の造形装置1Bの一例を示す模式図である。造形装置1Bは、加熱部20Aに代えて加熱部20Bを備えた点以外は、上記実施の形態の造形装置1と同様である(図1も参照)。
加熱部20Bは、温風源21Bを備える。温風源21Bは、温風を加熱対象領域R3に向かって送風する。温風源21Bは、加熱対象領域Rの構成材料の融点以上の温度の風を送風可能な機構であればよい。温風源21Bは、例えば、ヒータやファンである。
また同様に、加熱部20Bは、取っ手部材Hの第2接合領域R2や台座5の第1接合領域R1に向かって温風を送風することで、これらの第2接合領域R2および第1接合領域R1を加熱する。
このため、本変形例では、加熱部20Bは、非接触で且つ局所的に、遠方から加熱対象領域R(第1接合領域R1、第2接合領域R2、加熱対象領域R3)を加熱することができる。
このように、加熱部20は、加熱した空気を送風する加熱部20Bであってもよい。
(変形例2)
上記実施の形態および上記変形例では、加熱対象領域Rを加熱する加熱部20が、加熱対象領域Rに対して非接触で該加熱対象領域Rを加熱する形態を説明した。しかし、加熱部20は、加熱対象領域Rを接触加熱する形態であってもよい。
上記実施の形態および上記変形例では、加熱対象領域Rを加熱する加熱部20が、加熱対象領域Rに対して非接触で該加熱対象領域Rを加熱する形態を説明した。しかし、加熱部20は、加熱対象領域Rを接触加熱する形態であってもよい。
図14は、本変形例の造形装置1Cの一例を示す模式図である。造形装置1Cは、加熱部20Aに代えて加熱部20Cを備えた点以外は、上記実施の形態の造形装置1と同様である(図1も参照)。
加熱部20Cは、冷却ブロック22と、ガイド24と、接触加熱源21Cと、を備える。接触加熱源21Cは、加熱対象領域Rを接触加熱する。
接触加熱源21Cは、加熱ブロック25と、加熱プレート28と、を備える。加熱プレート28は、造形材料層MLに接触することで、造形材料層MLの加熱対象領域R3を加熱および加圧する。
加熱ブロック25は、加熱プレート28を加熱する。加熱ブロック25は、ヒータなどの熱源26と、加熱プレート28の温度を制御するための熱電対27と、を備える。
冷却ブロック22は、加熱ブロック25からの熱伝導を防ぐための機構である。冷却ブロック22は、冷却源23を備える。加熱ブロック25と冷却ブロック22との間には、ガイド24が設けられている。
加熱部20Cは、X軸駆動軸31(図1参照)に対し、連結部材を介して、スライド移動可能に保持されている。加熱部20Cは、加熱ブロック25によって加熱されて高温になる。その熱がX軸駆動モータ32に伝わるのを低減するため、フィラメントガイド14等を含めた移送路およびガイド24は、低熱伝導性であることが好ましい。
加熱プレート28における、鉛直方向(矢印Z方向)下流側端部は、吐出ノズル18の下端より、造形材料層MLの1層分、低い位置(より鉛直方向下流側)に配置されている。吐出部10および加熱部20Cを、図14に示すXA方向に走査しながら、溶融フィラメントFMを吐出すると同時に、加熱プレート28は、造形中の造形材料層MLの一つ下の造形材料層MLを接触加熱により再加熱する。これにより、造形中の造形材料層MLと、一つ下の造形材料層MLとの温度差が小さくなり、層間で材料が混ざり合う。このため、造形物Mの層間強度が向上する。
また同様に、加熱プレート28は、取っ手部材Hの第2接合領域R2や台座5の第1接合領域R1に接触することで、これらの第2接合領域R2および第1接合領域R1を加熱する。
このため、本変形例では、加熱部20Cは、局所的に加熱対象領域R(第1接合領域R1、第2接合領域R2、加熱対象領域R3)を加熱することができる。
このように、加熱部20は、加熱対象領域Rを接触加熱する加熱部20Cであってもよい。
(変形例3)
加熱対象領域Rを接触加熱する形態は、変形例2に示す形態に限定されない。
加熱対象領域Rを接触加熱する形態は、変形例2に示す形態に限定されない。
図15は、本変形例の造形装置1Dの一例を示す模式図である。造形装置1Dは、加熱部20Aに代えて加熱部20Dを備えた点以外は、上記実施の形態の造形装置1と同様である。
加熱部20Dは、冷却ブロック22と、ガイド24と、接触加熱源21Dと、を備える。接触加熱源21Dは、加熱対象領域Rを接触加熱する。冷却ブロック22およびガイド24は、変形例2と同様である。
接触加熱源21Dは、タップノズル28Dと、加熱ブロック25と、を備える。加熱ブロック25は、上記変形例2と同様である。すなわち、接触加熱源21Dは、加熱プレート28に替えてタップノズル28Dを備える点以外は、変形例2の接触加熱源21Cと同様である。
タップノズル28Dは、加熱ブロック25によって加熱される。タップノズル28Dは、モータ等の動力により、造形物Mを鉛直方向に繰り返しタップする。このタップ動作により、タップノズル28Dは、造形材料層MLの加熱対象領域R3を加熱および加圧する。これにより、造形中の造形材料層MLと、一つ下の造形材料層MLとの温度差が小さくなり、層間で材料が混ざり合う。このため、造形物Mの層間強度が向上する。
また、吐出部10は、造形材料層MLにおける、タップ動作によって凹んだ加熱対象領域R3を埋めるように、溶融フィラメントFMを吐出する。このため、造形材料層MLの最表面の形状を平滑にすることができる。
また同様に、タップノズル28Dは、取っ手部材Hの第2接合領域R2や台座5の第1接合領域R1に対するタップ動作により、これらの第2接合領域R2および第1接合領域R1を加熱する。
このように、加熱部20は、加熱対象領域R(第1接合領域R1、第2接合領域R2、加熱対象領域R3)を接触加熱する加熱部20Dであってもよい。
(変形例4)
加熱対象領域Rを接触加熱する形態は、変形例2および変形例3に示す形態に限定されない。
加熱対象領域Rを接触加熱する形態は、変形例2および変形例3に示す形態に限定されない。
図16は、本変形例の造形装置1Eの一例を示す模式図である。造形装置1Eは、加熱部20Aに代えて加熱部20Eを備えた点以外は、上記実施の形態の造形装置1と同様である。
加熱部20Eは、加熱対象領域Rを溶融および加圧する接触加熱源21Eを備える。接触加熱源21Eは、加熱源21の一例である。接触加熱源21Eには、超音波振動機構が搭載されている。接触加熱源21Eは、超音波振動機構によって発生された超音波の振動を造形材料層MLへ伝達することで、加熱対象領域R3を溶融する。造形物Mに超音波の振動が伝達されると、造形物Mにおける各造形材料層MLが溶着して接合する。
なお、接触加熱源21Eの数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。複数の接触加熱源21Eを備えた構成の場合には、各々のホーンの形状は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また同様に、接触加熱源21Eは、取っ手部材Hの第2接合領域R2や台座5の第1接合領域R1に超音波振動を与えることで、これらの第2接合領域R2および第1接合領域R1を溶融する。
このように、加熱部20は、加熱対象領域R(第1接合領域R1、第2接合領域R2、加熱対象領域R3)を超音波の振動によって溶融する加熱部20Eであってもよい。
―ハードウェア構成―
図17は、造形装置1、造形装置1B、造形装置1C、造形装置1D、および造形装置1Eの各々に設けられた制御部100の、ハードウェア構成の一例を示す模式図である。
図17は、造形装置1、造形装置1B、造形装置1C、造形装置1D、および造形装置1Eの各々に設けられた制御部100の、ハードウェア構成の一例を示す模式図である。
造形装置1、造形装置1B、造形装置1C、造形装置1D、および造形装置1Eの各々は、CPU250と、ROM(Read Only Memory)260と、RAM(Random Access Memory)270と、HDD(Hard Disk Drive)280と、通信I/F(インターフェース)240と、を備え、バス210を介して相互に接続されている。
CPU250は、造形装置1、造形装置1B、造形装置1C、造形装置1D、および造形装置1Eの動作を統括的に制御する。CPU250は、RAM270をワークエリアとし、ROM260またはHDD280などに格納されたプログラムを実行することで、造形装置1、造形装置1B、造形装置1C、造形装置1D、および造形装置1Eの動作を制御する。
HDD280は、プログラムやデータなどを格納する。通信I/F240は、ネットワーク200を介して他の装置や機器と通信するためのインターフェースである。
なお、上述した実施の形態および変形例における、造形装置1、造形装置1B、造形装置1C、造形装置1D、および造形装置1Eの各々で実行する上記処理を実行するためのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、各種プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
また、上述した実施の形態および変形例における、造形装置1、造形装置1B、造形装置1C、造形装置1D、および造形装置1Eの各々で実行されるプログラムは、上記各機能部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、例えば、CPU250(プロセッサ回路)がROM260またはHDD280からプログラムを読み出して実行することにより、上述した各機能部がRAM270(主記憶)上にロードされ、上述した各機能部がRAM270(主記憶)上に生成されるようになっている。なお、造形装置1、造形装置1B、造形装置1C、造形装置1D、および造形装置1Eの一部または全部の機能を、ASIC(Application SpecI/Fic Integrated Circuit)やFPGA(Field−Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアを用いて実現することも可能である。
なお、上記には、実施の形態および変形例を説明したが、上記実施の形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施の形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施の形態および変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1、1B、1C、1D、1E 造形装置
7 接合部
10 吐出部
19 回転ステージ
20、20A、20B、20C、20D、20E 加熱部
104 温度センサ
7 接合部
10 吐出部
19 回転ステージ
20、20A、20B、20C、20D、20E 加熱部
104 温度センサ
Claims (8)
- 溶融した造形材料を吐出して造形材料層を積層させ、台座上に造形物を形成する吐出部と、
前記台座および前記造形物の少なくとも一方の第1接合領域と、前記造形物を把持するための取っ手部材の第2接合領域と、を加熱する加熱部と、
加熱された前記第1接合領域と加熱された前記第2接合領域とを接合する接合部と、
を備える、造形装置。 - 前記加熱部は、形成された前記造形材料層を加熱し、
前記吐出部は、加熱された前記造形材料層に、溶融した前記造形材料を吐出して前記造形材料層を積層させる、
請求項1に記載の造形装置。 - 異なる複数の方向から加熱対象領域を加熱するように、前記加熱部を搬送する搬送部を備える、
請求項1または請求項2に記載の造形装置。 - 前記加熱部による加熱対象領域の温度を測定する測定部を備え、
前記加熱部は、前記測定部によって測定された温度に基づいて、加熱対象領域を加熱する、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の造形装置。 - 前記加熱部は、レーザ光を照射する、
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の造形装置。 - 前記加熱部は、
加熱した空気を送風する、
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の造形装置。 - 前記加熱部は、
加熱対象領域を接触加熱する、
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の造形装置。 - 複数の前記加熱部を備える、
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の造形装置。
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