JP2020116509A - 塗装用プログラム作成装置、塗装用プログラムの作成方法 - Google Patents

塗装用プログラム作成装置、塗装用プログラムの作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塗装経路の再現性の低下を抑制しつつ、位置情報の間引きを行うことが可能な技術を提供する。【解決手段】塗装用プログラム作成装置70は、外部情報受信部72と、ガン位置情報取得部74と、間引き部76とを備える。外部情報受信部72は、手吹き塗装中において撮像装置60が撮像した撮像画像を継続的に受信する。ガン位置情報取得部74は、撮像画像に基づいて、手吹き塗装中におけるハンドガン30の位置を示すガン位置情報を継続的に取得する。間引き部76は、3つのガン位置情報によって特定される3つのガン位置を取得した順に第1位置、第2位置、第3位置と定義した上で、第1位置、第2位置及び第3位置がなす角度に基づいて第1位置と第3位置の間のガン位置に対応するガン位置情報について間引きするか否かを判断する。【選択図】図1

Description

本発明は塗装用プログラム作成装置及び塗装用プログラムの作成方法に関するものである。
特許文献1には、塗装用プログラムの作成において、手吹き塗装におけるハンドガンの動作をカメラで検出して位置情報を継続的に取得し、この位置情報に基づいて自動塗装における塗装経路を設定することが開示されている。また、特許文献1には、取得した全ての位置情報を再現するのではなく、一部間引きすることも開示されている。
特開昭61−273607号公報
しかし、位置情報を間引く場合、単に規則的に間引くだけでは、折り返し位置などが間引かれて、塗装経路の再現性が低下するおそれがある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、塗装経路の再現性の低下を抑制しつつ、位置情報の間引きを行うことが可能な技術を提供することを目的とするものである。
第1の発明の塗装用プログラム作成装置は、
手吹き塗装におけるハンドガンの動作を撮像装置で撮像した撮像画像に基づいて、自動塗装における自動ガンの塗装経路を設定する塗装用プログラム作成装置であって、
前記手吹き塗装中において前記撮像装置が撮像した前記撮像画像を継続的に受信する外部情報受信部と、
前記撮像画像に基づいて、前記手吹き塗装中におけるハンドガンの位置を示すガン位置情報を継続的に取得するガン位置情報取得部と、
3つの前記ガン位置情報によって特定される3つのガン位置を取得した順に第1位置、第2位置、第3位置と定義した上で、前記第1位置、前記第2位置及び前記第3位置がなす角度に基づき、前記第1位置と前記第3位置の間の前記ガン位置に対応する前記ガン位置情報について間引きするか否かを判断する間引き部と、
を備えたところに特徴を有する。
第2の発明の塗装用プログラムの作成方法は、
手吹き塗装におけるハンドガンの動作を撮像装置で撮像した撮像画像に基づいて、自動塗装における自動ガンの塗装経路を設定する塗装用プログラムの作成方法であって、
前記手吹き塗装中において前記撮像装置が撮像した前記撮像画像を継続的に受信する第1工程と、
前記撮像画像に基づいて、前記手吹き塗装中におけるハンドガンの位置を示すガン位置情報を継続的に取得する第2工程と、
3つの前記ガン位置情報によって特定される3つのガン位置を取得した順に第1位置、第2位置、第3位置と定義した上で、前記第1位置、前記第2位置及び前記第3位置がなす角度に基づき、前記第1位置と前記第3位置の間の前記ガン位置に対応する前記ガン位置情報について間引きするか否かを判断する第3工程と、
を備えたところに特徴を有する。
3つのガン位置情報によって特定される3つのガン位置が直線状に並んでいる場合には、その間の位置情報を間引きしても塗装経路の再現性に対する影響は小さい。これに対し、3つのガン位置が直線状に並んでいない場合には、その間の位置情報を間引きすると、塗装経路の再現性が低下してしまう。第1の発明の塗装用プログラム作成装置では、3つのガン位置がなす角度に基づいて、これらの3つのガン位置が直線状に並んでいるか否かを判定することができ、その結果に基づいてその間のガン位置情報について間引きするか否かを判断することができる。従って、塗装経路の再現性の低下を抑制しつつ、ガン位置情報の間引きを行うことができる。
第2の発明の塗装用プログラムの作成方法によれば、第1の発明の塗装用プログラム作成装置と同様の効果を奏することができる。
実施例1の塗装用プログラム作成システムの構成を概略的に示した説明図である。 塗装用プログラム作成装置が行うプログラム作成処理の流れを示すフローチャートである。 間引き処理の流れを示すフローチャートである。 (A)は、塗装用プログラム作成装置が取得したガン位置情報に対応するガン位置を概念的に示した説明図である。(B)は、間引き後位置情報に対応するガン位置を概念的に示した説明図である。 (A)は、連続する3つの間引き後位置情報によって特定される3つのガン位置が所定角度以上の角度をなす状態を示した説明図である。(B)は、連続する3つの間引き後位置情報によって特定される3つのガン位置が所定角度未満の角度をなす状態を示した説明図である。(C)は、仮間引きしたガン位置情報を復活させる様子を概念的に示した説明図である。 自動塗装装置の構成を概略的に示した説明図である。 実施例2の塗装用プログラム作成システムの構成を概略的に示した説明図である。 間引き処理の流れを示すフローチャートである。 (A)は、ガン位置PA2のガン位置情報について間引きするか否か判断する様子を概念的に示した説明図である。(B)は、ガン位置PA2のガン位置情報を間引きした後、ガン位置PA3のガン位置情報について間引きするか否かを判断する様子を概念的に示した説明図である。(C)は、ガン位置PA2のガン位置情報を間引きした後、更にガン位置PA3のガン位置情報を間引きした状態を概念的に示した説明図である。 (A)は、ガン位置PA29のガン位置情報について間引きするか否か判断する様子を概念的に示した説明図である。(B)は、ガン位置PA2のガン位置情報を間引きせず、ガン位置PA30以降のガン位置情報を間引きした状態を概念的に示した説明図である。
(1)第1の発明において、間引き部は、仮間引き部と、復活部とを備えるようにしてもよい。仮間引き部は、ガン位置情報取得部によって取得された複数のガン位置情報を予め決められた規則に従って仮間引きすることで、複数の間引き後位置情報を残存させるようにしてもよい。復活部は、複数の間引き後位置情報のうち、連続する3つの間引き後位置情報によって特定される3つのガン位置を第1位置、第2位置及び第3位置と定義した上で、第1位置、第2位置及び第3位置がなす角度が所定角度未満であることを条件として、第1位置と第3位置の間で仮間引きされたガン位置情報の少なくとも一部を復活させるようにしてもよい。
この構成によれば、ガン位置情報を規則的に仮間引きした後、必要な位置情報を後から復活させるようにしているので、全てのガン位置情報について間引きするか否かを判断する場合と比較して、間引きに要する処理負担を軽減することができる。
(2)復活部は、複数の間引き後位置情報のうち、第2位置を基点として第1位置側と第3位置側のそれぞれ所定数のガン位置に対応するガン位置情報を復活させるようにしてもよい。
この構成によれば、折り返し位置である可能性が高い位置情報を重点的に復活させることができる。
(3)間引き部は、ガン位置情報取得部が取得したガン位置情報のうち連続する3つのガン位置情報によって特定される3つのガン位置を第1位置、第2位置及び第3位置と定義した上で、第1位置、第2位置及び第3位置がなす角度が所定角度以上であることを条件として第2位置を間引きするようにしてもよい。
この構成によれば、直線状に並んでいる位置情報については間引きする一方、直線状に並んでいない位置情報については確実に残すことができる。従って、塗装経路の再現性を確保しつつ、再現に必要なガン位置情報を減らすことができる。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図6を参照して説明する。
<塗装用プログラム作成システム100の構成>
図1に示す塗装用プログラム作成システム100は、自動塗装装置110による自動塗装を行うために用いられる塗装用プログラムを作成するシステムである。この塗装用プログラム作成システム100は、手吹き塗装を行うための塗装装置20と、塗装装置20による手吹き塗装の動作を撮像する撮像装置60と、撮像装置60が撮像した撮像画像に基づいて塗装用プログラムを作成する塗装用プログラム作成装置70と、塗装用プログラム作成装置70を操作するための入力装置90とを備える。
塗装装置20は、例えば被塗装物10を静電塗装する装置である。この塗装装置20は、上面に被塗装物10が設置されるターンテーブル22と、ターンテーブル22上に設置された被塗装物10に向けて塗料を吐出するハンドガン30と、ハンドガン30に向けて塗料を供給する塗料供給源40と、ハンドガン30に向けて圧縮エアを供給するエア供給源50と、を有する。
ターンテーブル22は、基台23に回転可能に保持されている。ターンテーブル22は、時計周り方向及び反時計回り方向の両方向に回転可能となっており、作業者の操作に応じて任意の方向へ回転するようになっている。操作方法は限定されず、例えば、作業者が手で直接操作するようにしてもよいし、ターンテーブル22を駆動するモータを設け、作業者がリモコンによって遠隔操作するようにしてもよい。
ハンドガン30は、例えば静電塗装ガンであり、ガン本体31と、ガン本体31に設けられたレバー状の操作部32と、塗料を吐出するノズル33と、ノズル33から吐出する塗料の量を調整する雄ねじ状の塗料用調整部34と、ノズル33から吐出するエアの量を調整する雄ねじ状のエア用調整部35と、位置検出の目印となるマーカ39とを有する。ノズル33には、塗料を吐出する塗料用吐出口と、霧化用エアを吐出する霧化用エア吐出口と、パターン用エアを吐出するパターン用エア吐出口とが形成されている。
ガン本体31には、塗料受入口36が形成されており、この塗料受入口36には塗料供給路42を介して塗料供給源40が接続されている。塗料供給源40は、不図示の塗料ポンプ及び塗料タンクを有している。塗料タンク内には、塗料(例えば導電性塗料)が貯留されており、この塗料タンク内の塗料が塗料ポンプによって、塗料供給路42を介し、ハンドガン30に供給される。ハンドガン30に供給された塗料は、不図示のニードル弁によって堰き止められ、操作部32が操作されてニードル弁が塗料の流路を開放することによって、ノズル33の塗料用吐出口から吐出される。逆に、操作部32が操作されなくなると、ニードル弁が塗料の流路を閉塞し、ノズル33の塗料用吐出口から塗料が吐出されなくなる。ノズル33から吐出される塗料の量は、作業者が塗料用調整部34を操作することによって調整可能となっている。
ガン本体31には、エア受入口37が形成されており、このエア受入口37には、エア供給路52を介してエア供給源50が接続されている。エア供給源50は、コンプレッサを有しており、エア供給路52を介して、ハンドガン30に圧縮エアを供給する。ハンドガン30に供給されたエアは、不図示の開閉弁によって堰き止められ、操作部32が操作されて開閉弁がエアの流路を開放することによって、ノズル33の霧化用エア吐出口やパターン用エア吐出口などから吐出される。この霧化用エア吐出口から吐出される霧化用エアによって、塗料吐出口から吐出された塗料が霧状に変化する。また、塗料吐出口から吐出された塗料は、パターン用エア吐出口から吐出されるパターン用エアに応じたパターンとなる。操作部32が操作されなくなると、ノズル33の霧化用エア吐出口及びパターン用エア吐出口からエアが吐出されなくなる。ノズル33から吐出されるエアの量は、作業者がエア用調整部35を操作することによって調整可能となっている。
撮像装置60は、例えばカメラであり、少なくとも3つ(図1に示す例では4つ)設けられている。撮像装置60の各々は、ハンドガン30における手吹き塗装の動作を継続的に撮像するものであり、撮像した撮像画像を塗装用プログラム作成装置70に随時送信する。
塗装用プログラム作成装置70は、例えばパソコンとして構成されており、外部の機器と信号を送受信するための入出力インターフェース、CPU等のプロセッサ、ROMやRAM等のメモリなどを有している。塗装用プログラム作成装置70は、外部情報受信部72と、ガン位置情報取得部74と、間引き部76とを有している。
外部情報受信部72は、手吹き塗装中において撮像装置60が撮像した撮像画像を継続的に受信する(塗装用プログラム作成方法における第1工程の一例に相当)。
ガン位置情報取得部74は、外部情報受信部72が受信した撮像画像に基づいて、手吹き塗装中におけるハンドガン30の位置を示すガン位置情報を継続的に取得する(塗装用プログラム作成方法における第2工程の一例に相当)。具体的には、少なくとも3つの撮像装置60が各々撮像した撮像画像に基づいて、三次元空間におけるハンドガン30の位置及び向きを特定し、この特定した情報をガン位置情報として取得する。即ち、ガン位置情報には、ハンドガン30の位置を示す情報だけでなく、各位置におけるハンドガン30の向きを示す情報も含まれる。また、ガン位置情報取得部74は、ハンドガン30の位置及び向きを特定する際に、ハンドガン30のマーカ39の位置を基準とする。
間引き部76は、3つのガン位置情報によって特定される3つのガン位置を取得した順に第1位置、第2位置、第3位置と定義した上で、第1位置、第2位置及び第3位置がなす角度に基づいて第1位置と第3位置の間のガン位置に対応するガン位置情報について間引きするか否かを判断する(塗装用プログラム作成方法における第3工程の一例に相当)。
間引き部76は、仮間引き部78と、復活部80とを有する。仮間引き部78は、ガン位置情報取得部74によって取得された複数のガン位置情報を予め決められた規則に従って仮間引きすることで、複数の間引き後位置情報を残存させる。換言すると、仮間引きによって残存したガン位置情報が間引き後位置情報である。ここで、仮間引きとは、後で復活する可能性を残した状態での間引きのことをいう。即ち、仮間引きは、塗装経路を構成するガン位置情報の一部のみを一時的に除外するだけであり、除外したガン位置情報を完全に消去するわけではない。「予め決められた規則」としては、「取得した順に、1つのガン位置情報を仮間引きせずに残した後、所定数(本実施例では11)のガン位置情報を連続して仮間引きするという作業を繰り返す規則」を採用している。この規則によれば、複数のガン位置情報を等間隔で簡単に仮間引きすることができる。また、これにより、ガン位置情報は、所定数分の1(本実施例では12分の1)に仮間引きされる。
復活部80は、複数の間引き後位置情報のうち、連続する3つの間引き後位置情報によって特定される3つのガン位置を取得した順に第1位置、第2位置及び第3位置と定義した上で、第1位置、第2位置及び第3位置がなす角度が所定角度未満であることを条件として、第1位置と第3位置の間で仮間引きされたガン位置情報の少なくとも一部を復活させる。
入力装置90は、例えばリモコンとして構成されており、入力装置90に対してトレース開始操作(例えば入力装置90に設けられたトレース開始ボタンの押圧)が行われると、塗装用プログラム作成装置70に向けてトレースの開始を指示する信号を出力する。また、入力装置90は、入力装置90に向けてトレース終了操作(例えば入力装置90に設けられたトレース終了ボタンの押圧)が行われると、塗装用プログラム作成装置70に対してトレースの終了を指示する信号を出力する。ここで、トレースとは、手吹き塗装中におけるハンドガン30のガン位置情報を継続的に取得する作業のことをいう。
<塗装用プログラム作成処理>
次に、塗装用プログラム作成装置70によって行われる塗装用プログラム作成処理について説明する。塗装用プログラム作成装置70は、電源がオン状態になると、図2に示す塗装用プログラム作成処理を繰り返し実行する。
塗装用プログラム作成装置70は、塗装用プログラム作成処理において、まず、トレース開始操作が行われたか否かを判断する(ステップS10)。塗装用プログラム作成装置70は、入力装置90からトレースの開始を指示する信号を受信すると、トレース開始操作が行われたと判断する。塗装用プログラム作成装置70は、トレース開始操作が行われていないと判断した場合には(ステップS10:NO)、トレース開始操作が行われたと判断するまでステップS10の処理を繰り返す。そして、トレース開始操作が行われたと判断すると(ステップS10:YES)、トレース(ステップS11〜S13の処理)を開始する。
塗装用プログラム作成装置70は、トレース開始操作が行われたと判断すると(ステップS10:YES)、撮像装置60が撮像した撮像画像の受信を開始する(ステップS11)。そして、ハンドガン30のガン位置情報を取得する(ステップS12)。そして、トレース終了操作が行われたか否かを判断する(ステップS13)。
塗装用プログラム作成装置70は、トレース終了操作が行われていないと判断した場合には(ステップS13:NO)、ステップS12の処理に戻る。即ち、塗装用プログラム作成装置70は、トレース終了操作が行われたと判断するまで、所定期間(例えば120分の1秒)ごとにステップS12の処理を繰り返し行う。これにより、ガン位置情報が所定期間ごとに取得される。
塗装用プログラム作成装置70は、入力装置90からトレースの終了を指示する信号を受信すると、トレース終了操作が行われたと判断する。塗装用プログラム作成装置70は、トレース終了操作が行われたと判断すると(ステップS13:YES)、取得したガン位置情報を必要に応じて間引きする間引き処理を行う(ステップS14)。
間引き処理では、図3に示すように、取得したガン位置情報を上述した規則に従って所定数分の1(本実施例1では12分の1)に仮間引きする(ステップS21)。ここでは、図4(A)のように、ガン位置PA1,PA2,PA3,・・・PAm(mは自然数であり、ガン位置情報の取得数に相当する)に対応するガン位置情報を取得した場合の例について説明する。まず、図4(B)に示すように、1個目のガン位置PA1に対応するガン位置情報を残して、2〜12個目のガン位置PA2〜PA12に対応するガン位置情報を仮間引きする。そして、13個目のガン位置PA13に対応するガン位置情報を残して、14〜24個目のガン位置PA14〜PA24に対応するガン位置情報を仮間引きする。更に、25個目のガン位置PA25に対応するガン位置情報を残して、26〜36個目のガン位置PA26〜PA36に対応するガン位置情報を仮間引きする。この処理を繰り返して、最終のガン位置情報に対応するガン位置PAmまで到達すると、仮間引きが完了となる。この仮間引きによって残ったガン位置情報(間引き後位置情報)に対応するガン位置をPB1,PB2,PB3,・・・PBn(nは自然数であり、間引き後位置情報の数に相当する)と定義する。
仮間引きが完了すると、仮間引きしたガン位置情報のうち必要なガン位置情報を復活させる復活処理(ステップS22〜S27)を行う。復活処理では、連続する3つの間引き後位置情報によって特定される3つのガン位置PBk−1、PBk、PBk+1(kは変数であり、「2」〜「n−1」の自然数)がなす角度が所定角度(例えば90°)未満であるか否かを判定する(ステップS23)。なお、本実施例1では、ガン位置PBk−1が「第1位置」に相当し、ガン位置PBkが「第2位置」に相当し、ガン位置PBk+1が「第3位置」に相当する。
ステップS23での判定の結果、所定角度未満であると判定した場合に、ガン位置PBk又はガン位置PBkの近傍のガン位置が折り返し位置であると判断して、ガン位置PBk−1からガン位置PBk+1までの間のガン位置に対応するガン位置情報のうち仮間引きされたガン位置情報の一部又は全てを抽出する(ステップS25)。本実施例1では、PBkの前後所定数(ガン位置PBk−1とガン位置PBkとの間で仮間引きされたガン位置情報の数以下であり、ガン位置PBkとガン位置PBk+1との間で仮間引きされたガン位置情報の数以下。図3に示す例では5つ。)のガン位置情報を抽出する。そして、抽出したガン位置情報を間引き後位置情報と統合することで復活させる(ステップS25)。逆に、ステップS23での判定の結果、所定角度未満でないと判定した場合には、ガン位置PBk及びガン位置PBkの近傍のガン位置が折り返し位置でないと判断して、ガン位置PBkの近傍のガン位置を復活させない。
具体的には、まず、kに初期値である「2」をセットする(ステップS22)。そして、PB1、PB2、PB3がなす角度が所定角度未満であるか否かを判定する(ステップS23)。PB1、PB2、PB3がなす角度θB1は、図5(A)に示すように、所定角度θth1(例えば90°)以上となっている。ゆえに、PB1、PB2、PB3がなす角度が所定角度未満でないと判定して(ステップS23:NO)、ステップS26に移る。そして、kが最終値の「n−1」であるか否かを判定する(ステップS26)。その結果、最終値でないと判定した場合には(ステップS26:NO)、「k+1」を「k」とする(ステップS27)。即ち、kに1加算するので、ここでは、kが「3」となる。そして、ステップS23の処理に戻る。
ステップS23では、PB2、PB3、PB4がなす角度が所定角度未満であるか否かを判定する。図5(B)に示すように、PB2、PB3、PB4がなす角度θB2は、所定角度θth1未満となっている。ゆえに、PB2、PB3、PB4がなす角度が所定角度未満であると判定し(ステップS23:YES)、図5(C)に示すように、PB3の前後5つのガン位置(PA20〜PA24、PA26〜PA30)に対応するガン位置情報を抽出し(ステップS24)、抽出したガン位置情報を復活させて間引き後位置情報と統合することで自動塗装用(自動ガン116)の塗装経路を設定する(ステップS25)。そして、ステップS26に移り、kが最終値の「n−1」であるか否かを判定する(ステップS26)。このようにステップS23〜S27の処理を繰り返し、ステップS26において、kが最終値の「n−1」であると判定すると(ステップS26:YES)、間引き処理を終了して、プログラム作成処理を終了する。
このようにして作成された塗装用プログラムは、各設定値がユーザによって修正可能となっている。このため、実際に塗装用プログラムに従って自動塗装を行ってみた結果に基づき、より塗装精度が上がるように修正することができる。
<塗装用プログラムを用いた自動塗装>
次に、塗装用プログラム作成装置70が作成した塗装用プログラムを用いて行う自動塗装の動作について説明する。
図6に示す自動塗装装置110は、塗装用プログラム作成装置70が作成した塗装用プログラムに従って、被塗装物10を自動的に塗装する装置である。この自動塗装装置110は、自動テーブル112と、自動テーブル112上に設置された被塗装物10を塗装する塗装ロボット114と、塗装ロボット114の動作を制御する制御装置140とを備える。
塗装ロボット114は、複数の軸を有する多関節ロボットであり、先端部に自動ガン116が設けられている。塗装ロボット114には、塗料供給路122を介して塗料供給源120が接続されており、この塗料供給源120から塗装ロボット114に向けて塗料が供給される。塗料供給源120の構成は、手吹き塗装用の塗料供給源40と同じである。また、塗装ロボット114には、エア供給路132を介してエア供給源130が接続されており、このエア供給源130から塗装ロボット114に向けて圧縮エアが供給される。エア供給源130の構成は、手吹き塗装用のエア供給源50と同じである。
制御装置140は、例えばマイクロコントローラを備えて構成されており、外部の機器を信号を送受信するための入出力インターフェース、CPU等のプロセッサ、ROMやRAM等のメモリなどを有している。この制御装置140は、塗装用プログラム作成装置70によって作成された塗装用プログラムを記憶しており、この塗装用プログラムに従って、基台113に回転可能に保持された自動テーブル112、塗装ロボット114、塗料供給路122を開閉する電磁弁124、及びエア供給路132を開閉する電磁弁134の動作を制御する。
具体的には、制御装置140は、自動塗装の開始条件(例えばユーザによる自動塗装開始操作が行われたこと)が成立すると、塗装用プログラムに記憶されている単位時間当たりの吐出量の塗料が塗装ロボット114に供給されるように、電磁弁124を駆動するとともに、圧縮エアが塗装ロボット114に供給されるように電磁弁134を駆動する。そして、塗装用プログラムに記憶された塗装経路に沿って自動ガン116の向きを適宜変えながら自動ガン116を移動させるとともに、自動ガン116の移動に伴って自動テーブル112を駆動する駆動部118(例えばモータ)を制御することで、自動テーブル112を自動ガン116の位置に対応した回転位置に移動させる。そして、自動塗装の終了条件(例えば自動ガン116が塗装経路の最終位置に到達したこと)が成立すると、自動塗装を終了する。
<実施例1の効果>
塗装用プログラム作成装置70は、手吹き塗装におけるハンドガン30の動作を撮像装置60で撮像した撮像画像に基づいて、自動塗装における自動ガン116の塗装経路を設定する装置であって、外部情報受信部72と、ガン位置情報取得部74と、間引き部76とを備える。外部情報受信部72は、手吹き塗装中において撮像装置60が撮像した撮像画像を継続的に受信する。ガン位置情報取得部74は、撮像画像に基づいて、手吹き塗装中におけるハンドガン30の位置を示すガン位置情報を継続的に取得する。間引き部76は、3つのガン位置情報によって特定される3つのガン位置を取得した順に第1位置、第2位置、第3位置と定義した上で、第1位置、第2位置及び第3位置がなす角度に基づいて第1位置と第3位置の間のガン位置に対応するガン位置情報について間引きするか否かを判断する。
3つのガン位置情報によって特定される3つのガン位置が直線状に並んでいる場合には、その間の位置情報を間引きしても塗装経路の再現性に対する影響は小さい。これに対し、3つのガン位置が直線状に並んでいない場合には、その間の位置情報を間引きすると、塗装経路の再現性が低下してしまう。この塗装用プログラム作成装置70では、3つのガン位置がなす角度に基づいて、これらの3つのガン位置が直線状に並んでいるか否かを判定することができ、その結果に基づいてその間のガン位置情報について間引きするか否かを判断することができる。従って、塗装経路の再現性の低下を抑制しつつ、ガン位置情報の間引きを行うことができる。
更に、間引き部76は、仮間引き部78と、復活部80とを備える。仮間引き部78は、ガン位置情報取得部74によって取得された複数のガン位置情報を予め決められた規則に従って仮間引きすることで、複数の間引き後位置情報を残存させる。復活部80は、複数の間引き後位置情報のうち、連続する3つの間引き後位置情報によって特定される3つのガン位置PBk−1、PBk、PBk+1がなす角度が所定角度θth1未満であることを条件として、ガン位置PBk−1とガン位置PBk+1との間で仮間引きされたガン位置情報の少なくとも一部を復活させる。
この構成によれば、ガン位置情報を規則的に仮間引きした後、必要な位置情報を後から復活させるようにしているので、全てのガン位置情報について間引きするか否かを判断する場合と比較して、間引きに要する処理負担を軽減することができる。
更に、復活部80は、複数の間引き後位置情報のうち、ガン位置PBkを基点としてガン位置PBk−1側とガン位置PBk+1側のそれぞれ所定数のガン位置に対応するガン位置情報を復活させる。
この構成によれば、折り返し位置である可能性が高い位置情報を重点的に復活させることができる。
<実施例2>
実施例2の塗装用プログラム作成システム200は、実施例1の塗装用プログラム作成システム100とは、間引き処理の方法が異なり、その他の構成は同じである。以下、図7〜図10を参照して、実施例2について説明する。なお、実施例1の塗装用プログラム作成システム100と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
塗装用プログラム作成システム200は、図7に示すように、塗装装置20と、撮像装置60と、塗装用プログラム作成装置270と、入力装置90とを備える。塗装用プログラム作成装置270は、外部情報受信部72と、ガン位置情報取得部74と、間引き部276とを有している。
間引き部276は、ガン位置情報取得部74が取得したガン位置情報のうち連続する3つのガン位置情報によって特定される3つのガン位置PAj−1、PAj、PAj+1(jは変数であり、「2」〜「m−1」の自然数)がなす角度が所定角度以上であることを条件として第2位置を間引きする。なお、実施例2では、ガン位置PAj−1が「第1位置」に相当し、ガン位置PAjが「第2位置」に相当し、ガン位置PAj+1が「第3位置」に相当する。
<間引き処理>
実施例2の塗装用プログラム作成装置270は、プログラム作成処理においてトレースが完了すると、間引き処理を行う。間引き処理では、取得した全てのガン位置情報のうち連続する3つのガン位置情報によって特定される3つのガン位置PAj−1、PAj、PAj+1がなす角度が、所定角度θth2(例えば90°)以上であるか否かを判定する(ステップS32)。そして、所定角度θth2以上であると判定した場合には(ステップS32:YES)、ガン位置PAjが折り返し位置でないと判断して、ガン位置PAjに対応するガン位置情報を間引きする。これに対し、所定角度θth2以上でないと判定した場合には(ステップS32:NO)、ガン位置PAjが折り返し位置であると判断して、ガン位置PAjに対応するガン位置情報を間引きせずに残す。
具体的には、図8のフローチャートに示すように、まず、jに初期値である「2」をセットする(ステップS31)。そして、ガン位置PA1、PA2、PA3がなす角度が、所定角度θth2以上であるか否かを判定する(ステップS32)。図9(A)に示す例では、ガン位置PA1、PA2、PA3がなす角度θA1が、所定角度θth2以上となっている。ゆえに、ガン位置PA1、PA2、PA3がなす角度が、所定角度θth2以上であると判定して(ステップS32:YES)、図9(B)に示すように、PA2を間引きする(ステップS33)。そして、jが最終値である「m−1」であるか否かを判定する(ステップS34)。
jが最終値でない場合には(ステップS34:NO)、間引き処理を継続すべく、jを「j+1」として(ステップS35)、ステップS32に戻る。ここでは、jを「2」から「3」にする。そして、ガン位置PA2、PA3、PA4がなす角度が、所定角度θth2以上であるか否かを判定する(ステップS32)。図9(B)に示す例では、ガン位置PA2、PA3、PA4がなす角度θA2が、所定角度θth2以上となっている。ゆえに、ガン位置PA2、PA3、PA4がなす角度が、所定角度θth2以上であると判定して(ステップS32:YES)、図9(C)に示すように、PA3を間引きする(ステップS33)。
このように、ステップS32〜S35の処理を繰り返し行い、ステップS35にて、jに「29」がセットされると、ガン位置PA28、PA29、PA30がなす角度が、所定角度θth2以上であるか否かを判定する(ステップS32)。図10(A)に示す例では、ガン位置PA28、PA29、PA30がなす角度は、所定角度θth2未満となっている。ゆえに、ガン位置PA28、PA29、PA30がなす角度が、所定角度θth2以上でないと判定して(ステップS32:NO)、PA29が折り返し位置であると判断し、ガン位置PA29に対応するガン位置情報を間引かないようにする。その後、再び、ステップS32〜S35の処理を繰り返し行い、図10(B)に示すように、ガン位置PA30以降のガン位置に対応するガン位置情報を間引きする。
このように、ステップS32〜S35の処理を繰り返し行い、ステップS34にて、jに最終値がセットされていると判定すると(ステップS34:YES)、間引き処理を終了する。そして、間引き処理の終了後に残った経路のガン位置情報により自動塗装用(自動ガン116用)の塗装経路を設定してから、プログラム作成処理を終了する。
<実施例2の効果>
実施例2の塗装用プログラム作成装置270の間引き部276は、ガン位置情報取得部74が取得したガン位置情報のうち連続する3つのガン位置情報によって特定される3つのガン位置PAj−1、PAj、PAj+1がなす角度が所定角度θth2以上であることを条件としてガン位置PAjを間引きする。
この構成によれば、直線状に並んでいる位置情報については間引きする一方、直線状に並んでいない位置情報については確実に残すことができる。従って、塗装経路の再現性を確保しつつ、再現に必要なガン位置情報を減らすことができる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば 次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施例1,2では、トレースが完了してから間引き処理を行うようにしたが、トレースと並行して間引き処理を行うようにしてもよい。
30…ハンドガン
60…撮像装置
70,270…塗装用プログラム作成装置
72…外部情報受信部
74…ガン位置情報取得部
76…間引き部
78…仮間引き部
80…復活部
116…自動ガン

Claims (5)

  1. 手吹き塗装におけるハンドガンの動作を撮像装置で撮像した撮像画像に基づいて、自動塗装における自動ガンの塗装経路を設定する塗装用プログラム作成装置であって、
    前記手吹き塗装中において前記撮像装置が撮像した前記撮像画像を継続的に受信する外部情報受信部と、
    前記撮像画像に基づいて、前記手吹き塗装中におけるハンドガンの位置を示すガン位置情報を継続的に取得するガン位置情報取得部と、
    3つの前記ガン位置情報によって特定される3つのガン位置を取得した順に第1位置、第2位置、第3位置と定義した上で、前記第1位置、前記第2位置及び前記第3位置がなす角度に基づき、前記第1位置と前記第3位置の間の前記ガン位置に対応する前記ガン位置情報について間引きするか否かを判断する間引き部と、
    を備えることを特徴とする塗装用プログラム作成装置。
  2. 前記間引き部は、
    前記ガン位置情報取得部によって取得された複数の前記ガン位置情報を予め決められた規則に従って仮間引きすることで、複数の間引き後位置情報を残存させる仮間引き部と、
    複数の前記間引き後位置情報のうち、連続する3つの前記間引き後位置情報によって特定される3つの前記ガン位置を前記第1位置、前記第2位置及び前記第3位置と定義した上で、前記第1位置、前記第2位置及び前記第3位置がなす角度が所定角度未満であることを条件として、前記第1位置と前記第3位置の間で仮間引きされた前記ガン位置情報の少なくとも一部を復活させる復活部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の塗装用プログラム作成装置。
  3. 前記復活部は、複数の前記間引き後位置情報のうち、前記第2位置を基点として前記第1位置側と前記第3位置側のそれぞれ所定数の前記ガン位置に対応する前記ガン位置情報を復活させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の塗装用プログラム作成装置。
  4. 前記間引き部は、前記ガン位置情報取得部が取得した前記ガン位置情報のうち連続する3つの前記ガン位置情報によって特定される3つの前記ガン位置を前記第1位置、前記第2位置及び前記第3位置と定義した上で、前記第1位置、前記第2位置及び前記第3位置がなす角度が所定角度以上であることを条件として前記第2位置を間引きする
    ことを特徴とする請求項1に記載の塗装用プログラム作成装置。
  5. 手吹き塗装におけるハンドガンの動作を撮像装置で撮像した撮像画像に基づいて、自動塗装における自動ガンの塗装経路を設定する塗装用プログラムの作成方法であって、
    前記手吹き塗装中において前記撮像装置が撮像した前記撮像画像を継続的に受信する第1工程と、
    前記撮像画像に基づいて、前記手吹き塗装中におけるハンドガンの位置を示すガン位置情報を継続的に取得する第2工程と、
    3つの前記ガン位置情報によって特定される3つのガン位置を取得した順に第1位置、第2位置、第3位置と定義した上で、前記第1位置、前記第2位置及び前記第3位置がなす角度に基づき、前記第1位置と前記第3位置の間の前記ガン位置に対応する前記ガン位置情報について間引きするか否かを判断する第3工程と、
    を備えることを特徴とする塗装用プログラムの作成方法。
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