JP2020104028A - 塗装用プログラム作成装置、塗装用プログラムの作成方法 - Google Patents

塗装用プログラム作成装置、塗装用プログラムの作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】適切な塗装条件を設定する作業負担を軽減する。【解決手段】塗装用プログラム作成装置70は、外部情報受信部72と、ガン位置情報取得部74と、塗装経路設定部76と、塗装条件設定部78とを備える。外部情報受信部72は、手吹き塗装中において撮像装置60が撮像した撮像画像を継続的に受信するとともに、手吹き塗装中における塗装条件を検出するセンサ24の検出情報を撮像画像の受信に並行して受信する。ガン位置情報取得部74は、撮像画像に基づいて、手吹き塗装中におけるハンドガン30の位置を示すガン位置情報を継続的に取得する。塗装経路設定部76は、ガン位置情報に基づいて、自動ガン116の塗装経路を設定する。塗装条件設定部78は、塗装経路設定部76によって設定された塗装経路に沿って塗装する際の塗装条件を、検出情報に基づいて設定する。【選択図】図1

Description

本発明は塗装用プログラム作成装置及び塗装用プログラムの作成方法に関するものである。
従来、予め記憶された三次元塗装経路に沿って塗装ガンを移動させながら塗装する塗装ロボットが知られている。このような塗装ロボットによる塗装では、予め様々な塗装条件(例えば、塗料の吐出量など)を設定しておく必要があり、例えば、特許文献1では、入力装置(データ入力部55)の操作によって各塗装条件が設定される。
特開平5−76805号公報
しかし、特許文献1の方法で塗装条件を設定する場合、入力者が自身の感覚で設定値を入力することとなるので、適切な設定値を見極めるためのノウハウが必要となり、また、その塗装条件で実際に塗装した結果に基づき設定値を調整していく作業が必要となる。このため、適切な塗装条件を設定する際の作業負担が大きいという問題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、適切な塗装条件を設定する際の作業負担を軽減することが可能な技術を提供することを目的とする。
第1の発明の塗装用プログラム作成装置は、
手吹き塗装におけるハンドガンの動作を撮像装置で撮像した撮像画像に基づいて、自動塗装における自動ガンの塗装経路を設定する塗装用プログラム作成装置であって、
前記手吹き塗装中において前記撮像装置が撮像した前記撮像画像を継続的に受信するとともに、前記手吹き塗装中における塗装条件を検出するセンサの検出情報を前記撮像画像の受信に並行して受信する外部情報受信部と、
前記撮像画像に基づいて、前記手吹き塗装中におけるハンドガンの位置を示すガン位置情報を継続的に取得するガン位置情報取得部と、
前記ガン位置情報に基づいて、前記自動ガンの塗装経路を設定する塗装経路設定部と、
前記塗装経路設定部によって設定された塗装経路に沿って塗装する際の塗装条件を、前記検出情報に基づいて設定する塗装条件設定部と、
を備えたところに特徴を有する。
第2の発明の塗装用プログラムの作成方法は、
手吹き塗装におけるハンドガンの動作を撮像装置で撮像した撮像画像に基づいて、自動塗装における自動ガンの塗装経路を設定する塗装用プログラムの作成方法であって、
前記手吹き塗装中において前記撮像装置が撮像した前記撮像画像を継続的に受信するとともに、前記手吹き塗装中における塗装条件を検出するセンサの検出情報を前記撮像画像の受信に並行して受信する第1工程と、
前記撮像画像に基づいて、前記手吹き塗装中におけるハンドガンの位置を示すガン位置情報を継続的に取得する第2工程と、
前記ガン位置情報に基づいて、前記自動ガンの塗装経路を設定する第3工程と、
前記第3工程において設定された塗装経路に沿って塗装する際の塗装条件を、前記検出情報に基づいて設定する第4工程と、
を備えたところに特徴を有する。
第1の発明の塗装用プログラム作成装置によれば、自動塗装における自動ガンの塗装経路の設定に用いられるガン位置情報の取得に並行して、手吹き塗装中における塗装条件を取得することができる。したがって、この取得した塗装条件を利用することによって、自動塗装における適切な塗装条件を自動的に設定することができるので、適切な塗装条件を設定する作業負担を軽減することができる。
第2の発明の塗装用プログラムの作成方法によれば、第1の発明の塗装用プログラム作成装置と同様の効果を奏することができる。
実施例1の塗装用プログラム作成システムの構成を概略的に示した説明図である。 塗装用プログラム作成装置が行うプログラム作成処理の流れを示すフローチャートである。 塗装用プログラム作成装置が取得したデータを概念的に示した説明図である。 自動塗装装置の構成を概略的に示した説明図である。
(1)第1の発明において、検出情報は、少なくとも手吹き塗装中にハンドガンが吐出した塗料の総量を示す情報を含んでいてもよい。塗装条件設定部は、検出情報が示す手吹き塗装中に吐出された塗料の総量と手吹き塗装に費やした時間とに基づき、自動ガンの単位時間当たりの吐出量を設定するようにしてもよい。
手吹き塗装の際における塗料の吐出量を計測する方法として、例えば、塗料供給源からハンドガンに向けて塗料を供給する塗料供給路に流量計を設置し、その流量計によって計測することが考えられる。しかし、塗料が流量計で計測されてからハンドガンによって吐出されるまでにはタイムラグがあり、また、流量計で計測された塗料が全てハンドガンによって吐出されるわけではない。このため、手吹き塗装に並行して取得した計測値をそのまま各ガン位置に対応した吐出量として塗装条件を設定しても、同じ塗装条件を再現することができないだけでなく、制御も複雑になるという事情がある。こうした状況下において、この構成では、手吹き塗装中における吐出量と手吹き塗装に費やした時間とに基づき、自動ガンの単位時間当たりの吐出量を設定するようにしている。したがって、手吹き塗装において吐出された塗料と概ね同じ量の塗料を、全体的にバランスよく割り振ることができ、且つ制御の複雑化を抑制することもできる。
(2)第1の発明の塗装用プログラム作成装置は、作業者が被塗装物の設置されるターンテーブルを回転させながら行う手吹き塗装の動作を、被塗装物の設置される自動テーブルを回転させながら行う自動塗装として再現するためのプログラムを作成するものであってもよい。検出情報は、少なくとも手吹き塗装中におけるターンテーブルの回転位置を示すテーブル位置情報を含んでいてもよい。塗装条件設定部は、テーブル位置情報に基づいて、塗装経路に沿って移動する自動ガンの位置に対応した自動テーブルの回転位置を設定するようにしてもよい。
作業者がターンテーブル(被塗装物)の回転位置を任意に動かしながら行う手吹き塗装の動作を再現させるためには、自動塗装における自動テーブル(被塗装物)の回転位置なども塗装条件として設定する必要がある。しかし、作業者が任意に動かしたターンテーブルの回転位置を自動ガンの塗装経路に対応させることは非常に困難であり、回転中のターンテーブルの動作を再現させる場合にはなおさらである。この点、上記構成によれば、手吹き塗装中におけるターンテーブル(被塗装物)の位置情報を随時取得することができるので、ターンテーブルが回転中であるか否かに関わらず、この位置情報に基づき、自動ガンの塗装経路に対応した自動テーブル(被塗装物)の回転位置を容易に設定することが可能となる。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図4を参照して説明する。
<塗装用プログラム作成システム100の構成>
図1に示す塗装用プログラム作成システム100は、自動塗装装置110による自動塗装を行うために用いられる塗装用プログラムを作成するシステムである。この塗装用プログラム作成システム100は、手吹き塗装を行うための塗装装置20と、塗装装置20による手吹き塗装の動作を撮像する撮像装置60と、撮像装置60が撮像した撮像画像に基づいて塗装用プログラムを作成する塗装用プログラム作成装置70と、塗装用プログラム作成装置70を操作するための入力装置90とを備える。
塗装装置20は、例えば被塗装物10を静電塗装する装置である。この塗装装置20は、上面に被塗装物10が設置されるターンテーブル22と、ターンテーブル22上に設置された被塗装物10に向けて塗料を吐出させるハンドガン30と、ハンドガン30に向けて塗料を供給する塗料供給源40と、ハンドガン30に向けて圧縮エアを供給するエア供給源50と、を有する。
ターンテーブル22は、基台23に回転可能に保持されている。ターンテーブル22は、時計周り方向及び反時計回り方向の両方向に回転可能となっており、作業者の操作に応じて任意の方向へ回転するようになっている。操作方法は限定されず、例えば、作業者が手で直接操作するようにしてもよいし、ターンテーブル22を駆動するモータを設け、作業者がリモコンによって遠隔操作するようにしてもよい。
基台23には、ターンテーブル22の回転位置を検出する回転位置検出センサ24A(センサ24)が設けられている。被塗装物10は、ターンテーブル22上に位置決めされた状態で設置される。ゆえに、被塗装物10の回転位置は、ターンテーブル22の回転位置に対応する。即ち、回転位置検出センサ24Aは、ターンテーブル22の回転位置を検出することで、被塗装物10の回転位置を検出することができる。
ハンドガン30は、例えば静電塗装ガンであり、ガン本体31と、ガン本体31に設けられたレバー状の操作部32と、塗料を吐出するノズル33と、ノズル33から吐出する塗料の量を調整する雄ねじ状の塗料用調整部34と、ノズル33から吐出するエアの量を調整する雄ねじ状のエア用調整部35と、位置検出の目印となるマーカ39とを有する。ノズル33には、塗料を吐出する塗料用吐出口と、霧化用エアを吐出する霧化用エア吐出口と、パターン用エアを吐出するパターン用エア吐出口とが形成されている。
ガン本体31には、塗料受入口36が形成されており、この塗料受入口36には塗料供給路42を介して塗料供給源40が接続されている。塗料供給源40は、不図示の塗料ポンプ及び塗料タンクを有している。塗料タンク内には、塗料(例えば導電性塗料)が貯留されており、この塗料タンク内の塗料が塗料ポンプによって、塗料供給路42を介し、ハンドガン30に供給される。ハンドガン30に供給された塗料は、不図示のニードル弁によって堰き止められ、操作部32が操作されてニードル弁が塗料の流路を開放することによって、ノズル33の塗料用吐出口から吐出される。逆に、操作部32が操作されなくなると、ニードル弁が塗料の流路を閉塞し、ノズル33の塗料用吐出口から塗料が吐出されなくなる。ノズル33から吐出される塗料の量は、作業者が塗料用調整部34を操作することによって調整可能となっている。また、塗料供給路42には、塗料の流量を計測する流量計24B(センサ24)が設けられている。
ガン本体31には、エア受入口37が形成されており、このエア受入口37には、エア供給路52を介してエア供給源50が接続されている。エア供給源50は、コンプレッサを有しており、エア供給路52を介して、ハンドガン30に圧縮エアを供給する。ハンドガン30に供給されたエアは、不図示の開閉弁によって堰き止められ、操作部32が操作されて開閉弁がエアの流路を開放することによって、ノズル33の霧化用エア吐出口とパターン用エア吐出口とから吐出される。この霧化用エア吐出口から吐出される霧化用エアによって、塗料吐出口から吐出された塗料が霧状に変化する。また、塗料吐出口から吐出された塗料は、パターン用エア吐出口から吐出されるパターン用エアに応じたパターンとなる。操作部32が操作されなくなると、ノズル33の霧化用エア吐出口及びパターン用エア吐出口からエアが吐出されなくなる。ノズル33から吐出されるエアの量は、作業者がエア用調整部35を操作することによって調整可能となっている。
撮像装置60は、例えば動画を撮像可能なカメラであり、少なくとも3つ(図1に示す例では4つ)設けられている。撮像装置60の各々は、ハンドガン30における手吹き塗装の動作を継続的に撮像するものであり、撮像した撮像画像を塗装用プログラム作成装置70に随時送信する。
塗装用プログラム作成装置70は、例えばパソコンとして構成されており、外部の機器と信号を送受信するための入出力インターフェース、CPU等のプロセッサ、ROMやRAM等のメモリなどを有している。塗装用プログラム作成装置70は、外部情報受信部72と、ガン位置情報取得部74と、塗装経路設定部76と、塗装条件設定部78とを有している。
外部情報受信部72は、手吹き塗装中において撮像装置60が撮像した撮像画像を継続的に受信する。更に、外部情報受信部72は、手吹き塗装中における塗装条件を検出するセンサ24の検出情報を撮像画像の受信に並行して受信する(塗装用プログラム作成方法における第1工程の一例に相当)。即ち、外部情報受信部72は、手吹き塗装中において、撮像画像の受信と同時進行で、センサ24の検出情報を受信する。換言すると、外部情報受信部72は、撮像装置60による撮像中において常にセンサ24の検出情報を継続的に受信する。具体的には、外部情報受信部72は、回転位置検出センサ24Aが検出したターンテーブル22の回転位置を示すテーブル位置情報を撮像画像の受信に並行して継続的に受信する。また、流量計24Bによって検出された手吹き塗装中にハンドガン30が吐出した塗料の流量を示す吐出量情報を撮像画像の受信に並行して継続的に受信する。
ガン位置情報取得部74は、外部情報受信部72が受信した撮像画像に基づいて、手吹き塗装中におけるハンドガン30の位置を示すガン位置情報を継続的に取得する(塗装用プログラム作成方法における第2工程の一例に相当)。具体的には、少なくとも3つの撮像装置60が各々撮像した撮像画像に基づいて、三次元空間におけるハンドガン30の位置及び向きを特定し、この特定した情報をガン位置情報として取得する。即ち、ガン位置情報には、ハンドガン30の位置を示す情報だけでなく、各位置におけるハンドガン30の向きを示す情報も含まれる。また、ガン位置情報取得部74は、ハンドガン30の位置及び向きを特定する際に、ハンドガン30のマーカ39の位置を基準とする。
塗装経路設定部76は、ガン位置情報取得部74が取得したガン位置情報に基づいて、自動ガン116の塗装経路を設定する(塗装用プログラム作成方法における第3工程の一例に相当)。
塗装条件設定部78は、塗装経路設定部76によって設定された塗装経路に沿って塗装する際の塗装条件を、外部情報受信部72が受信したセンサ24(本実施例では、回転位置検出センサ24A、流量計24B)の検出情報に基づいて設定する(塗装用プログラム作成方法における第4工程の一例に相当)。例えば、塗装経路設定部76は、テーブル位置情報に基づいて、塗装経路に沿って移動する自動ガン116の位置に対応した自動テーブル112の回転位置を設定する。また、塗装経路設定部76は、吐出量情報が示す手吹き塗装中に吐出された塗料の総量と手吹き塗装に費やした時間とに基づき、自動ガン116の単位時間当たりの吐出量を設定する。
入力装置90は、例えばリモコンとして構成されており、入力装置90に対してトレース開始操作(例えば入力装置90に設けられたトレース開始ボタンの押圧)が行われると、塗装用プログラム作成装置70に向けてトレースの開始を指示する信号を出力する。また、入力装置90は、入力装置90に向けてトレース終了操作(例えば入力装置90に設けられたトレース終了ボタンの押圧)が行われると、塗装用プログラム作成装置70に対してトレースの終了を指示する信号を出力する。ここで、トレースとは、手吹き塗装中におけるハンドガン30のガン位置情報及びセンサ24の検出情報を継続的に取得する作業のことをいう。
<塗装用プログラム作成処理>
次に、塗装用プログラム作成装置70によって行われる塗装用プログラム作成処理について説明する。塗装用プログラム作成装置70は、電源がオン状態になると、図2に示す塗装用プログラム作成処理を繰り返し実行する。
塗装用プログラム作成装置70は、塗装用プログラム作成処理において、まず、トレース開始操作が行われたか否かを判断する(ステップS10)。塗装用プログラム作成装置70は、入力装置90からトレースの開始を指示する信号を受信すると、トレース開始操作が行われたと判断する。塗装用プログラム作成装置70は、トレース開始操作が行われていないと判断した場合には(ステップS10:NO)、トレース開始操作が行われたと判断するまでステップS10の処理を繰り返す。そして、トレース開始操作が行われたと判断すると(ステップS10:YES)、トレース(ステップS11〜S15の処理)を開始する。
塗装用プログラム作成装置70は、トレース開始操作が行われたと判断すると(ステップS10:YES)、撮像装置60が撮像した撮像画像の受信、及び各種センサ24が検出した検出情報の受信を開始する(ステップS11)。また、トレース時間(手吹き塗装の時間)の計測を開始する。そして、ハンドガン30のガン位置情報、ターンテーブル22のテーブル位置情報、及び所定期間における塗料の吐出量を取得する(ステップS12〜S14)。そして、トレース終了操作が行われたか否かを判断する(ステップS15)。
塗装用プログラム作成装置70は、トレース終了操作が行われていないと判断した場合には(ステップS15:NO)、ステップS12の処理に戻る。即ち、塗装用プログラム作成装置70は、トレース終了操作が行われたと判断するまで、所定期間(例えば120分の1秒)ごとにステップS12〜S14の処理を繰り返し行う。これにより、ガン位置情報、テーブル位置情報及び塗料吐出量が所定期間ごとに取得され、図3に示すような履歴データが作成される。こうすることで、各ガン位置情報(ガン位置)に対応した塗装条件(テーブル位置情報及び塗料吐出量)が記憶される。また、所定期間における塗料の吐出量として、前回の取得時期から今回の取得時期までの所定期間(例えば120分の1秒)に吐出された塗料の吐出量が取得される。
塗装用プログラム作成装置70は、入力装置90からトレースの終了を指示する信号を受信すると、トレース終了操作が行われたと判断する。塗装用プログラム作成装置70は、トレース終了操作が行われたと判断すると(ステップS15:YES)、トレース時間(手吹き塗装の時間)を確定するとともに、取得したガン位置情報に基づいて、自動塗装における自動ガン116の塗装経路を設定する(ステップS16)。具体的には、取得したガン位置情報を間引きしたり、塗装経路が滑らかになるように補正したりすることで塗装経路を設定する。
また、塗装用プログラム作成装置70は、トレース終了操作が行われたと判断すると(ステップS15:YES)、センサ24が検出した検出情報に基づいて、自動塗装における塗装条件を設定する(ステップS17)。具体的には、テーブル位置情報に基づいて、自動塗装における塗装経路に対応した自動テーブル112の回転位置を設定する。本実施例では、塗装経路を構成する各ガン位置について、各ガン位置を示すガン位置情報に対応して記憶されたテーブル位置情報が示す自動テーブル112の回転位置を設定する。また、吐出量情報に基づいて、自動塗装における単位時間当たりの塗料の吐出量を設定する。本実施例では、所定期間ごとに取得された塗料の吐出量を全て積算することで、「手吹き塗装における塗料の吐出量の総量」を算出する。そして、「手吹き塗装における塗料の吐出量の総量」を「手吹き塗装の時間」で除算することによって、「単位時間当たりの塗料の吐出量」を算出する。こうして算出した「単位時間当たりの塗料の吐出量」を、自動塗装における単位時間当たりの塗料の吐出量として設定する。なお、「手吹き塗装の時間」は、本実施例では、トレース開始(手吹き塗装開始)からトレース終了(手吹き塗装終了)までの経過時間とするが、これに限定されない。例えば、ハンドガン30の操作部32のON/OFF状態を検出可能な構成とし、トレース中(手吹き塗装中)におけるON状態の時間の積算値を算出して、これを「手吹き塗装の時間」としてもよい。
塗装用プログラム作成装置70は、塗装経路及び塗装条件の設定が終了すると、塗装用プログラム作成処理を終了する。
このようにして作成された塗装用プログラムは、各設定値がユーザによって修正可能となっている。このため、実際に塗装用プログラムに従って自動塗装を行ってみた結果に基づき、より塗装精度が上がるように修正することができる。
<塗装用プログラムを用いた自動塗装>
次に、塗装用プログラム作成装置70が作成した塗装用プログラムを用いて行う自動塗装の動作について説明する。
図4に示す自動塗装装置110は、塗装用プログラム作成装置70が作成した塗装用プログラムに従って、被塗装物10を自動的に塗装する装置である。この自動塗装装置110は、自動テーブル112と、自動テーブル112上に設置された被塗装物10を塗装する塗装ロボット114と、塗装ロボット114の動作を制御する制御装置140とを備える。
塗装ロボット114は、複数の軸を有する多関節ロボットであり、先端部に自動ガン116が設けられている。塗装ロボット114には、塗料供給路122を介して塗料供給源120が接続されており、この塗料供給源120から塗装ロボット114に向けて塗料が供給される。塗料供給源120の構成は、手吹き塗装用の塗料供給源40と同じである。また、塗装ロボット114には、エア供給路132を介してエア供給源130が接続されており、このエア供給源130から塗装ロボット114に向けて圧縮エアが供給される。エア供給源130の構成は、手吹き塗装用のエア供給源50と同じである。
制御装置140は、例えばマイクロコントローラを備えて構成されており、外部の機器と信号を送受信するための入出力インターフェース、CPU等のプロセッサ、ROMやRAM等のメモリなどを有している。この制御装置140は、塗装用プログラム作成装置70によって作成された塗装用プログラムを記憶しており、この塗装用プログラムに従って、基台113に回転可能に保持された自動テーブル112、塗装ロボット114、塗料供給路122を開閉する電磁弁124、及びエア供給路132を開閉する電磁弁134の動作を制御する。
具体的には、制御装置140は、自動塗装の開始条件(例えばユーザによる自動塗装開始操作が行われたこと)が成立すると、塗装用プログラムに記憶されている単位時間当たりの吐出量の塗料が塗装ロボット114に供給されるように、電磁弁124を駆動するとともに、圧縮エアが塗装ロボット114に供給されるように電磁弁134を駆動する。そして、塗装用プログラムに記憶された塗装経路に沿って自動ガン116の向きを適宜変えながら自動ガン116を移動させるとともに、自動ガン116の移動に伴って自動テーブル112を駆動する駆動部118(例えばモータ)を制御することで、自動テーブル112を自動ガン116の位置に対応した回転位置に移動させる。そして、自動塗装の終了条件(例えば自動ガン116が塗装経路の最終位置に到達したこと)が成立すると、自動塗装を終了する。
<実施例1の効果>
塗装用プログラム作成装置70は、手吹き塗装におけるハンドガン30の動作を撮像装置60で撮像した撮像画像に基づいて、自動塗装における自動ガン116の塗装経路を設定する装置であって、外部情報受信部72と、ガン位置情報取得部74と、塗装経路設定部76と、塗装条件設定部78とを備える。外部情報受信部72は、手吹き塗装中において撮像装置60が撮像した撮像画像を継続的に受信するとともに、手吹き塗装中における塗装条件を検出するセンサ24の検出情報を撮像画像の受信に並行して受信する。ガン位置情報取得部74は、撮像画像に基づいて、手吹き塗装中におけるハンドガン30の位置を示すガン位置情報を継続的に取得する。塗装経路設定部76は、ガン位置情報に基づいて、自動ガン116の塗装経路を設定する。塗装条件設定部78は、塗装経路設定部76によって設定された塗装経路に沿って塗装する際の塗装条件を、検出情報に基づいて設定する。
この塗装用プログラム作成装置70によれば、自動塗装における自動ガン116の塗装経路の設定に用いられるガン位置情報の取得に並行して、手吹き塗装中における塗装条件を取得することができる。したがって、この取得した塗装条件を利用することによって、自動塗装における適切な塗装条件を自動的に設定することができるので、適切な塗装条件を設定する作業負担を軽減することができる。
更に、検出情報は、少なくとも手吹き塗装中にハンドガン30が吐出した塗料の総量を示す情報を含んでいる。そして、塗装条件設定部78は、検出情報が示す手吹き塗装中に吐出された塗料の総量と手吹き塗装に費やした時間とに基づき、自動ガン116の単位時間当たりの吐出量を設定する。
手吹き塗装の際における塗料の吐出量を計測する方法として、例えば、塗料供給源40からハンドガン30に向けて塗料を供給する塗料供給路42に流量計24Bを設置し、その流量計24Bによって計測することが考えられる。しかし、塗料が流量計24Bで計測されてからハンドガン30によって吐出されるまでにはタイムラグがあり、また、流量計24Bで計測された塗料が全てハンドガン30によって吐出されるわけではない。このため、手吹き塗装に並行して取得した計測値をそのまま各ガン位置に対応した吐出量として塗装条件を設定しても、同じ塗装条件を再現することができないだけでなく、制御も複雑になるという事情がある。こうした状況下において、この構成では、手吹き塗装中における吐出量と手吹き塗装に費やした時間とに基づき、自動ガン116の単位時間当たりの吐出量を設定するようにしている。したがって、手吹き塗装において吐出された塗料と概ね同じ量の塗料を、全体的にバランスよく割り振ることができ、且つ制御の複雑化を抑制することもできる。
更に、塗装用プログラム作成装置70は、作業者が被塗装物10の設置されるターンテーブル22を回転させながら行う手吹き塗装の動作を、被塗装物10の設置される自動テーブル112を回転させながら行う自動塗装として再現するためのプログラムを作成する装置である。検出情報は、少なくとも手吹き塗装中におけるターンテーブル22の回転位置を示すテーブル位置情報を含んでいる。塗装条件設定部78は、テーブル位置情報に基づいて、塗装経路に沿って移動する自動ガン116の位置に対応した自動テーブル112の回転位置を設定する。
作業者がターンテーブル22(被塗装物10)の回転位置を任意に動かしながら行う手吹き塗装の動作を再現させるためには、自動塗装における自動テーブル112(被塗装物10)の回転位置なども塗装条件として設定する必要がある。しかし、作業者が任意に動かしたターンテーブル22の回転位置を塗装経路に対応させることは非常に困難であり、回転中のターンテーブル22の動作を再現させる場合にはなおさらである。この点、この構成によれば、手吹き塗装中におけるターンテーブル22(被塗装物10)の位置情報を随時取得することができるので、ターンテーブル22が回転中であるか否かに関わらず、この位置情報に基づき、自動ガン116の塗装経路に対応した自動テーブル112(被塗装物10)の回転位置を容易に設定することが可能となる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば 次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施例1では、塗装用プログラム作成装置70が、所定期間ごとの塗料の吐出量を記憶するようにしたが、手吹き塗装中における塗料の吐出量の総量を把握することができればよいので、所定期間ごとに取得した塗料の吐出量の積算値を記憶するようにしてもよい。
上記実施例1では、センサ24の検出情報をガン位置情報と対応付けて記憶するようにしたが、センサ24の検出情報及びガン位置情報を各々手吹き塗装中における経過時間に対応させて記憶するようにしてもよい。この構成であっても、自動塗装における経過時間に対応させて塗装条件を設定することで、ガン位置に対応した塗装条件を設定することができる。
10…被塗装物
22…ターンテーブル
24…センサ
30…ハンドガン
60…撮像装置
70…塗装用プログラム作成装置
72…外部情報受信部
74…ガン位置情報取得部
76…塗装経路設定部
78…塗装条件設定部
112…自動テーブル
116…自動ガン

Claims (4)

  1. 手吹き塗装におけるハンドガンの動作を撮像装置で撮像した撮像画像に基づいて、自動塗装における自動ガンの塗装経路を設定する塗装用プログラム作成装置であって、
    前記手吹き塗装中において前記撮像装置が撮像した前記撮像画像を継続的に受信するとともに、前記手吹き塗装中における塗装条件を検出するセンサの検出情報を前記撮像画像の受信に並行して受信する外部情報受信部と、
    前記撮像画像に基づいて、前記手吹き塗装中におけるハンドガンの位置を示すガン位置情報を継続的に取得するガン位置情報取得部と、
    前記ガン位置情報に基づいて、前記自動ガンの塗装経路を設定する塗装経路設定部と、
    前記塗装経路設定部によって設定された塗装経路に沿って塗装する際の塗装条件を、前記検出情報に基づいて設定する塗装条件設定部と、
    を備えることを特徴とする塗装用プログラム作成装置。
  2. 前記検出情報は、少なくとも前記手吹き塗装中に前記ハンドガンが吐出した塗料の総量を示す情報を含んでおり、
    前記塗装条件設定部は、前記検出情報が示す前記手吹き塗装中に吐出された塗料の総量と前記手吹き塗装に費やした時間とに基づき、前記自動ガンの単位時間当たりの吐出量を設定することを特徴とする請求項1に記載の塗装用プログラム作成装置。
  3. 作業者が被塗装物の設置されるターンテーブルを回転させながら行う手吹き塗装の動作を、被塗装物の設置される自動テーブルを回転させながら行う自動塗装として再現するためのプログラムを作成する塗装用プログラム作成装置であって、
    前記検出情報は、少なくとも前記手吹き塗装中における前記ターンテーブルの回転位置を示すテーブル位置情報を含んでおり、
    前記塗装条件設定部は、前記テーブル位置情報に基づいて、前記塗装経路に沿って移動する前記自動ガンの位置に対応した前記自動テーブルの回転位置を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗装用プログラム作成装置。
  4. 手吹き塗装におけるハンドガンの動作を撮像装置で撮像した撮像画像に基づいて、自動塗装における自動ガンの塗装経路を設定する塗装用プログラムの作成方法であって、
    前記手吹き塗装中において前記撮像装置が撮像した前記撮像画像を継続的に受信するとともに、前記手吹き塗装中における塗装条件を検出するセンサの検出情報を前記撮像画像の受信に並行して受信する第1工程と、
    前記撮像画像に基づいて、前記手吹き塗装中におけるハンドガンの位置を示すガン位置情報を継続的に取得する第2工程と、
    前記ガン位置情報に基づいて、前記自動ガンの塗装経路を設定する第3工程と、
    前記第3工程において設定された塗装経路に沿って塗装する際の塗装条件を、前記検出情報に基づいて設定する第4工程と、
    を備えることを特徴とする塗装用プログラムの作成方法。
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