JP2020114968A - アタッチメント - Google Patents

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裕明 菊地
Hiroaki Kikuchi
裕明 菊地
高広 木船
Takahiro Kibune
高広 木船
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Abstract

【課題】ロックピンの抜け出しを好適に防止でき、ロックピンによる取替部材と支持部材との固定状態を良好に維持できるアタッチメントを提供する。【解決手段】ツース1(アタッチメント)は、ショベルのバケットに設けられる支持部材10と、支持部材10に取り付けられる取替部材20と、取替部材20の延在方向と直交する側方の位置にて支持部材10に設けられる溝15と、側方の位置にて取替部材20に設けられる孔25と、孔25及び溝15により形成される内部空間Aに嵌入され、取替部材20と支持部材10とを連結固定する、ロックピン30と、を備える。ロックピン30は、内部空間Aに嵌入された状態では、その長手方向が取替部材20の延在方向に沿って配置され、支持部材10の溝15を先端側に押圧し、取替部材20の孔25の内周面26を基端側に押圧する。【選択図】図10

Description

本開示は、アタッチメントに関する。
対象物に取り付けられるアタッチメントの一例として、ショベルに搭載されるバケットの掘削側の先端部分に脱着可能に取り付けられる複数のツース(掘削具)が挙げられる。ツースは、バケットに固定される基端側の支持部材と、この支持部材に嵌合される先端側の取替部材とを備える。取替部材は、支持部材に取り付けられた状態で、例えばロックピンを貫通させることで支持部材に連結固定される(特許文献1)。
特開2014−70447号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるロックピンを貫通させる構造では、ショベルの作業中に伝達される振動等の外力によってロックピンが抜け出す場合がある。
本開示は、ロックピンの抜け出しを好適に防止でき、ロックピンによる取替部材と支持部材との固定状態を良好に維持できるアタッチメントを提供することを目的とする。
本発明の実施形態の一観点に係るアタッチメントは、対象物に取り付けられるアタッチメントであって、前記対象物に設けられる支持部材と、前記支持部材の先端の凸部が挿入される凹部が基端に設けられ、所定方向に突出して延在する取替部材と、前記取替部材の延在方向と交差する側方の位置にて前記支持部材に設けられる溝と、前記側方の位置にて前記取替部材に設けられ、前記取替部材が前記支持部材に嵌合した状態において前記溝の一部が露出するよう配置される孔と、前記孔及び前記溝により形成される内部空間に嵌入され、前記取替部材と前記支持部材とを連結固定する、ロックピンと、を備え、前記ロックピンは、前記内部空間に嵌入された状態では、その長手方向が前記取替部材の延在方向に沿って配置され、前記支持部材の溝を前記長手方向の一方側に押圧し、前記取替部材の孔の内周面を前記長手方向の他方側に押圧する。
本開示によれば、ロックピンの抜け出しを好適に防止でき、ロックピンによる取替部材と支持部材との固定状態を良好に維持できるアタッチメントを提供することができる。
第1実施形態に係るツース(アタッチメント)の組立斜視図 図1に示すツースの分解斜視図 ツースのx方向に沿った縦断面図 図3中のA−A断面図であり、第1支持面を示す図 図3中のB−B断面図であり、第2支持面を示す図 第1実施形態に係るロックピンの分解斜視図 図6に示すロックピンの組立斜視図 ロックピンの取り付け手順の第1段階(解放状態)を示す図 ロックピンの取り付け手順の第2段階(中間状態)を示す図 ロックピンの取り付け手順の第3段階(固定状態)を示す図 第2実施形態に係るツース(アタッチメント)の組立斜視図 図11に示すツースの分解斜視図 ツースのx方向に沿った縦断面図 図13中のA−A断面図であり、第1支持面を示す図 図13中のB−B断面図であり、第2支持面を示す図 第2実施形態に係るロックピンの斜視図 ロックピンの取り付け手順の第1段階(解放状態)を示す図 ロックピンの取り付け手順の第2段階(中間状態)を示す図 ロックピンの取り付け手順の第3段階(固定状態)を示す図
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
以下の実施形態では、実施形態に係るアタッチメントの一例としてのツース1、100を例示して説明する。
各図において、x方向、y方向、z方向は互いに垂直な方向である。x方向はツース1、100の支持部材10、110に対する取替部材20、120の嵌合方向であり、取付状態のロックピン30、130の長手方向である。y方向はツース1、100の幅方向である。z方向はツース1、100の高さ方向であり、ロックピン30、130を溝に嵌合する際の回転軸の方向である。
[第1実施形態]
図1〜図10を参照して第1実施形態を説明する。
まず図1〜図5を参照して第1実施形態に係るツース1の構成を説明する。図1は、第1実施形態に係るツース1(アタッチメント)の組立斜視図である。図2は、図1に示すツース1の分解斜視図である。図3はツース1のx方向に沿った縦断面図である。図4は、図3中のA−A断面図であり、第1支持面12a、12bを示す図である。図5は、図3中のB−B断面図であり、第2支持面13a、13bを示す図である。
ツース1は、例えばショベルのバケット(対象物)の掘削側の先端部分に複数設けられる。ツース1は、バケット先端部分からx方向に突出し、かつ、y方向に沿って略等間隔で複数個が並設される。以下の説明では、ツース1の延在方向のうちx負方向側を「基端側」、x正方向側を「先端側」とも表記する。
図1、図2に示すように、ツース1は、支持部材10、取替部材20、ロックピン30を備える。
支持部材10は、ツース1の基端側に配置され、バケットの先端部分に固定される。
取替部材20は、ツース1の先端側に配置され、支持部材10に嵌合されて脱着可能に取り付けられる。取替部材20は、爪状の部材であって、ショベルの掘削作業等の繰り返しによって摩耗した場合には、支持部材10から取り外されて交換することができる。
ロックピン30は、支持部材10に嵌合された取替部材20を連結固定するために装着される。
図2、図3に示すように、支持部材10の先端側の端部にはx正方向に突出した凸部11が設けられる。図3に示すように、取替部材20の基端側の端部には、この凸部11が嵌合する凹部21が設けられる。
凸部11は、z方向の寸法が基端から先端になるほど小さくなるくさび状であり、z正方向側、z負方向側の主面11a、11bは共に傾斜面となっている。凸部11のz正方向側の主面11aには、第1支持面12aと第2支持面13aとが設けられる。第1支持面12aと第2支持面13aは、共にz正方向側に突出した曲面であり、y方向の両側から中央にかけて徐々に突出し、y方向の中央が最もz正方向側に突出する凸曲面である。第1支持面12aは、この傾斜状の主面11aの基端側に設けられ、第2支持面13aは第1支持面12aより先端側に設けられる。第1支持面12aの頭頂部は、第2支持面13aの頭頂部よりz正方向側に突出している。すなわち、第1支持面12aと第2支持面13aは、凸部11の主面11a上に二段の凸曲面を形成している。
同様に、凸部11のz負方向側の主面11bにも、第1支持面12bと第2支持面13bとが設けられる。第1支持面12bと第2支持面13bは、共にz負方向側に突出した曲面であり、y方向の両側から中央にかけて徐々に突出し、y方向の中央が最もz負方向側に突出する凸曲面である。第1支持面12bは、この傾斜状の主面11bの基端側に設けられ、第2支持面13bは第1支持面12bより先端側に設けられる。第1支持面12bの頭頂部は、第2支持面13bの頭頂部よりz負方向側に突出している。すなわち、第1支持面12bと第2支持面13bは、凸部11の主面11b上に二段の凸曲面を形成している。
二段の凸曲面は、凸部11の先端側の段のほうが基端側の段より幅が小さく形成される。すなわち、第2支持面13a,13bのy方向の寸法は、第1支持面12a,12bのものより小さい。第1支持面12a,12bと第2支持面13a,13bの頭頂部のy方向の位置は同一であるので、第2支持面13a,13bは、第1支持面12a,12bより幅方向両側が中心側に狭まっている。また、二段の凸曲面の各段はテーパー状に形成される。すなわち、第1支持面12a,12bと第2支持面13a,13bは、それぞれxy平面に対して傾斜するよう形成されている。第1支持面12a,12bと第2支持面13a,13bの傾斜角度は、相互に同一でも相違してもよいし、主面11a、11bの傾斜角度と同一でも相違してもよい。
一方、取替部材20の凹部21には、第1曲面22a,22bと、第2曲面23a,23bとが設けられる。第1曲面22a,22bと、第2曲面23a,23bは、凸部11が凹部21に嵌合するときにそれぞれ第1支持面12a,12b、第2支持面13a,13bと対向する位置に設けられ、第1支持面12a,12b、第2支持面13a,13bと嵌合可能な二段の凹曲面である。これにより、取替部材20が支持部材10に嵌合する状態では、図4、図5に示すように、第1支持面12a,12bがそれぞれ第1曲面22a,22bと嵌合し、第2支持面13a,13bがそれぞれ第2曲面23a,23bと嵌合した状態で、凸部11が凹部21に挿入されている。これにより、取替部材20が支持部材10に取り付けられたときに、支持部材10に対して取替部材20のy方向のガタが抑制される。
なお、凸部11に設けられる第1支持面12a,12b、第2支持面13a,13bは、x方向に沿って3以上の支持面を設け、三段以上の多段の凸曲面を形成する構成でもよい。この場合、凹部21にも、支持面と同数の曲面が設けられ、三段以上の多段の凹曲面が形成される。ここで、多段の凸曲面とは、支持部材10の先端側の曲面が基端側の曲面より凸部11のz方向中央に接近するよう段差のついた複数の凸曲面をいう。同様に、多段の凹曲面とは、取替部材20の基端側の曲面が先端側の曲面より凹部21のz方向中央から離間するよう段差のついた複数の凹曲面をいう。
また、図1、図2に示すように、取替部材20の基端側の端面には、x負方向側に突出する一対の耳部24が設けられている。一方、支持部材10には、取替部材20が支持部材10に嵌合する状態のときにこの耳部24が嵌合する一対の凹状部14が設けられている。耳部24と凹状部14は、それぞれ取替部材20及び支持部材10のy方向の両端に設けられる。これにより、取替部材20が支持部材10に取り付けられたときに、支持部材10に対して取替部材20のz方向のガタが抑制される。
図2に示すように、ロックピン30は、y正方向側から取替部材20及び支持部材10に取り付けられる。支持部材10のy正方向側の側面には、ロックピン30が嵌合するための溝15が設けられる。取替部材20には、ロックピン30を内側の支持部材10の溝15まで誘導するための孔25が設けられる。
孔25は、取替部材20が支持部材10に嵌合した状態において、溝15の一部が露出するよう配置される。支持部材10に取替部材20が組み付けられたときに、溝15と孔25とは、取替部材20の側面に開口する内部空間A(図8参照)を形成する。この内部空間Aはロックピン30と略同形状であり、ロックピン30は、この内部空間Aに嵌入されることで、取替部材20と支持部材10とを連結固定する。
なお、図4に示すように、取替部材20の孔25がy正方向側に設けられるのに対して、支持部材10の溝15はy正方向側の他に、y負方向側にも設けてもよい。これにより、取替部材20の方向をx軸まわりに180°回転させて支持部材10に嵌合した状態でも、ロックピン30により取替部材20を支持部材10に固定できる。取替部材20は、バケットに取り付けた状態では、z正方向側またはz負方向側の主面20a、20bのいずれか一方が主に掘削面となり摩耗が進みやすい。そこで図4のように支持部材10のy方向両側に溝15を一対設けることにより、取替部材20をローテーションでき、すなわち、取替部材20の方向をx軸まわりに180°回転させて掘削面となる主面を入れ替えることができるので、取替部材20を長寿命化できる。
ここで、溝15は、支持部材10のy方向の側面に設けられるが、この側面とは、支持部材10の延在方向(x方向)と直交し、かつ、図4に示すように、支持部材10の凸部11の一対の主面11a、11bの対向方向(z方向)と直交する側方の位置にある面である。同様に、孔25は、取替部材20のy方向の側面に設けられるが、この側面とは、取替部材20の延在方向(x方向)と直交し、かつ、図4に示すように、取替部材20の一対の主面20a、20bの対向方向(z方向)と直交する側方の位置にある面である。なお、溝15及び孔25が設けられる側方の位置は、必ずしも支持部材10及び取替部材20の延在方向(x方向)と直交しなくてもよく、少なくとも交差して延在方向と異なる方向であればよい。
なお、本実施形態では、y正方向側から単一のロックピン30で固定する構成を例示したが、例えばy方向両側から2つのロックピンで固定する構成でもよい。この場合、取替部材20のy負方向側にも孔25と同様の孔が設けられる。
図2に加えて図6、図7を参照して、第1実施形態に係るロックピン30の構成を説明する。図6は、第1実施形態に係るロックピン30の分解斜視図である。図7は、図6に示すロックピン30の組立斜視図である。
図2、図6、図7に示すように、ロックピン30は、本体31と、ブロック32と、ボルト33と、回動部34とを有する。
本体31は、例えばJIS規格に規定される機械構造用炭素鋼、機械構造用合金鋼(たとえばS45C、SCM435のほか、同等量の炭素を含むSMn鋼、SCr鋼、SCM鋼、SNCM鋼など)、工具鋼、鋳鋼などの金属製であり、溝15と孔25とにより形成される一方向に延びる内部空間に嵌入可能な形状であり、長手方向を有する物体である。本体31のx正方向側の一端部37には、本体31とは別部材の回動部34が設けられる。回動部34は、例えば硬質ゴムなどの弾性材料で形成され、z軸とほぼ並行に設けられる回転軸35の周りを回動可能に本体31の一端部37に取り付けられている。
なお、回動部34を形成する弾性材料は、ショア硬さが40〜90程度のものが好ましく、ショア硬さが80程度のものがより好ましい。
ブロック32は、本体31との対向面に本体31側に突出する突起36を有する。この突起36は、回動部34と接触する位置に設けられ、ボルト33によってブロック32が本体31に密着して固定されたときに、突起36が回動部34を押圧して回動させるようになっている。ブロック32、ボルト33も、本体31と同様に例えば機械構造用炭素鋼などの金属製である。なお、ツース1の支持部材10や取替部材20も、本体31と同様に機械構造用炭素鋼などの金属製である。
本体31の一端部37には、本体31の短手方向の厚みが薄く形成された凹部37aが設けられる。凹部37aは回転軸35の方向(z負方向)に凹んで形成されており、回動部34はこの凹部37aに配置される。本体31の凹部37aがある側の表面と、回動部34の表面とは、ほぼ段差なく面一になっている。このように、回動部34のz方向寸法に合わせて本体31に凹部37aを設けることにより、回動部34の設置によるロックピン30のz方向寸法の増加を抑制している。
したがって、z方向から視たときに、回動部34は、本体31の一端部37と重畳し、y方向から視たときには一端部37と並列となる。図6に示すように、本体31からブロック32が離間している状態では、回動部34と一端部37のx正方向側の先端部分の位置はほぼ一致している。一方、図7に示すように、ブロック32が本体31に密着固定されて回動部34が回動すると、回動部34の先端位置が、一端部37の先端位置よりx正方向側に突出するようになっている。
回動部34のx方向またはy方向に面する周面のうち、本体31からブロック32が離間している状態のときにx正方向側の端面となる部分は、略円弧状の凸曲面34aが形成されている。同様に、本体31の一端部37も、凸曲面34aとほぼ同じ曲率の略円弧状の凸曲面で形成されている。
なお、回動部34の回転軸35は、本実施形態ではロックピン30の長手方向と直交する方向(z方向)に配置されるが、回転軸35の軸方向はロックピン30の長手方向と交差する方向であればよい。
図8〜図10を参照して、ロックピン30による取替部材20の支持部材10への固定構造を説明する。図8は、ロックピン30の取り付け手順(ロック方法)の第1段階(解放状態)を示す図である。図9は、ロックピン30の取り付け手順の第2段階(中間状態)を示す図である。図10は、ロックピン30の取り付け手順の第3段階(固定状態)を示す図である。図8〜図10では、ツース1のx−y平面に沿った断面図が、ロックピン30の取り付け部分を拡大視して図示されている。
図8に示すように、支持部材10に取替部材20が組み付けられたときに、溝15と孔25とは、取替部材20の側面に開口する内部空間Aを形成する。この内部空間Aは、孔25から支持部材の先端側(x正方向)へロックピン30を挿入し、ロックピン30の先端が最奥部(凹曲面15a)に突き当たった状態で、ロックピン30の先端を中心としてロックピン30の本体31を溝15の方向に回動させることによって、ロックピン30が嵌入されるよう形成される。つまり、内部空間Aの最深部がピボット軸受のように機能して、ロックピン30はピボットのように機能する。
このような内部空間Aを形成するために、溝15は、x正方向側(ツース1の先端側)になるほど深さが増すように、底面15bが傾斜状となるよう形成されている。溝15のx正方向側の端部は、z軸と平行な中心軸Cを中心とする略円弧状に形成される凹曲面15aである。溝15の平面状の底面15bは、溝15のx負方向側端部から傾斜して凹曲面15aと連続的に接続されている。
溝15の凹曲面15aは、ロックピン30の回動部34の凸曲面34aと略同一の曲率半径で形成されており、ロックピン30の凸曲面34aが突き当たって嵌合した状態で、中心軸Cを回動中心としてロックピン30を回動可能となっている。つまり、溝15の凹曲面15aは、ロックピン30の回動部34の凸曲面34aを受ける軸受として機能する。
溝15の底面15bは、ロックピン30の本体31の底面部38が密着できるように、本体31の底面部38とほぼ同じ寸法で形成されている。これにより、ロックピン30の本体31が溝15の底面15bの全域を塞ぐことができる。
ロックピン30の取り付け手順の第1段階(解放状態)では、図8に示すように、ロックピン30の本体31が孔25から支持部材10の先端側に挿入され、ロックピン30の回動部34の凸曲面34aが溝15の凹曲面15aに突き当たる。
次に、本体31の他端部40側の押圧面39を溝15の方向に押し込むと、回動部34の凸曲面34aが溝15の凹曲面15aに沿って中心軸Cを中心として(図8では反時計回り)に回動するので、ロックピン30の本体31は中心軸Cを回動中心として回動しながら、孔25に進入していく。最終的に、図9に示すロックピン30の取り付け手順の第2段階(中間状態)のように、本体31は底面部38が溝15の底面15bと当接する位置まで回動して、内部空間Aに嵌入される。このとき、本体31の基端側の他端部40は、孔25のx負方向側の内周面26と当接する。これにより、ロックピン30の本体31が内部空間Aと隙間なく嵌合し、溝15と孔25とを塞いだ状態となる。
次に、孔25の外側からボルト33により本体31にブロック32が組み付けられる。ブロック32は、突起36が本体31の回動部34と接触する状態で、ボルト33がブロック32の貫通孔41を通って本体31のネジ穴42に螺合されることで、本体31に固定される。
そして、図10に示すように、ロックピン30の取り付け手順の第3段階(固定状態)では、ブロック32の底面が本体31の上面と接触する位置までボルト33がねじ込まれると、y負方向に突出するブロック32の突起36が、y正方向側を向き突起36と対向する回動部34の受け面34bを押圧する。これにより、回動部34が回転軸35を回動中心として(図10の例では反時計回り)に回動して、この結果、回動部34の先端34cが本体31の一端部37よりx正方向側に突出し、ロックピン30の長手方向の全長が伸びる。
この結果、ロックピン30の回動部34の先端34cが溝15の壁面(凹曲面15a)をx正方向側に押圧し、かつ、ロックピン30の本体31の基端側の他端部40が孔25の内周面26をx負方向側に押圧する状態となる。すなわち、ロックピン30によって、取替部材20が基端側に押圧された状態となり、取替部材20が支持部材10に対して先端側に抜けないように固定された状態となる。
回動部34の回転軸35は、ロックピン30を図8の第1段階から図9の第2段階に亘って凹曲面15aに沿って回動させる際の中心軸Cとはずれた位置に設けられる。このように回動部34は中心軸Cに対して偏心することによって、ブロック32により押圧されたときに先端34cが本体31より突き出るよう構成されている。なお、回動部34はブロック32の押圧に応じて突き出る構成であればよく、本実施形態の偏心とは異なる構成でもよい。例えば、回転軸35が中心軸Cと同一位置でも、回動部34のz方向視の形状を、回動によって回動部34の一部が本体31から突き出る形状にする構成でもよい。
図10の固定状態からロックピン30を取り外す手順は以下のとおりである。まず図10の固定状態からボルト33を緩めてブロック32を本体31から取り外して、図9の中間状態にする。次に、本体31の他端部40に孔25から外に出る方向(図9の例では時計回り方向)に外力を加える。外力の付加は、作業員の手で行っても良いし、器具を用いてもよい。これにより、図9の中間状態から図8の解放状態までロックピン130を時計回りに回動させて、本体31を孔25から取り外し、図8の解放状態まで遷移させる。次いで、図8の開放状態からロックピン30を他端部40側に引っ張って、回動部34を溝15及び孔25から抜き出し、ロックピン30が内部空間Aから取り外される。
第1実施形態の作用、効果を説明する。第1実施形態のツース1は、ショベルのバケットに設けられる支持部材10と、支持部材10の先端の凸部11が挿入される凹部12が基端に設けられ、所定方向(x方向)に突出して延在する取替部材20と、取替部材20の延在方向と交差する側方(y方向)の位置にて支持部材10に設けられる溝15と、側方の位置にて取替部材20に設けられ、取替部材20が支持部材10に嵌合した状態において溝15の一部が露出するよう配置される孔25と、孔25及び溝15により形成される内部空間Aに嵌入され、取替部材20と支持部材10とを連結固定する、ロックピン30と、を備える。ロックピン30は、内部空間Aに嵌入された状態では、その長手方向が取替部材20の延在方向に沿って配置され、支持部材10の溝15を長手方向の一方側(先端側)に押圧し、取替部材20の孔25の内周面26を長手方向の他方側(基端側)に押圧する。
特許文献1に記載される、ロックピンを支持部材10及び取替部材20に貫通させる構造では、主に支持部材10や取替部材20の幅方向(y方向またはz方向)にロックピンが挿入されて、貫通孔の両側の開口からロックピンの両端部が露出する。このため、ショベルの作業中に伝達される振動等の外力によって、ロックピンが貫通孔の両開口のいずれかから抜け出す場合がある。
これに対して第1実施形態のツース1では、ロックピン30は、嵌入時にはその長手方向が取替部材20の延在方向(x方向)に沿って配置され、その両端がそれぞれ支持部材10の溝15と取替部材20の孔25の内周面26と接触する状態となる。このため、ロックピン30の両端は露出しない。また、ロックピン30の両端は、それぞれ支持部材10の溝15と取替部材20の孔25の内周面26とを逆方向に押圧するので、ロックピン30は支持部材10及び取替部材20に対して強固に取り付けられる。これらの構成により、ロックピン30はショベルの作業中に発生する振動等の外力に対して頑強となるので、ロックピン30の抜け出しを好適に防止できる。これにより、ロックピン30による取替部材20と支持部材10との固定状態を良好に維持できる。また、ロックピン30の長手方向が取替部材20の脱着方向に沿う状態でロックピン30が内部空間Aに嵌合されて、取替部材20と支持部材10とを連結固定するので、取替部材20が支持部材10に対して先端側に抜けるのをより強固に抑制できる。
また、第1実施形態のツース1では、孔25及び溝15により形成される内部空間Aは、孔25から支持部材10の先端側へロックピン30を挿入し、ロックピン30の先端が最奥部に突き当たった状態で、その先端を中心としてロックピン30の本体31を溝15の方向に回動させることによって、ロックピン30が嵌入されるよう形成される。
この構成により、ロックピン30は内部空間Aの最奥まで挿入して突き当て、その後に溝15側に倒して内部空間Aに嵌合されるので、ロックピン30は支持部材10の先端側の一方向にしか挿入できず、逆方向に挿入するなどの入れ間違いなど、ロックピン30の誤取付を防止できる。また、摩耗や劣化が早い弾性材料で形成される回動部34が内部空間Aの最奥に配置され、ロックピン30の外部に露出する部分は金属製の部品となるので、ロックピン30の劣化も抑制できる。
また、第1実施形態のツース1では、ロックピン30の本体31は、溝15の底面15bの全域を塞ぐ形状で形成される。これにより、ロックピン30と溝15や孔25との隙間に異物が進入することを防止できるので、進入した異物によってロックピン30が摩耗するのを防止できる。また、ロックピン30と内部空間Aとの隙間に異物が入らないことによって、ロックピン30を内部空間Aから取り外しやすくできる。
また、第1実施形態のツース1では、ロックピン30は、回動部34が孔25から外部に露出しないように内部空間Aに嵌合される。これにより、変形しやすく摩耗しやすい弾性材料で形成される回動部34が、外部に露出しないように保護できるので、ロックピン30の劣化を抑制できる。
また、第1実施形態のツース1では、取替部材20の凹部21には、第1支持面12aと第2支持面13aの凸形状とそれぞれ嵌合する凹形状の第1曲面22a及び第2曲面23aが、取替部材20の延在方向に沿って並設され、同様に、第1支持面12bと第2支持面13bの凸形状とそれぞれ嵌合する凹形状の第1曲面22b及び第2曲面23bが、取替部材20の延在方向に沿って並設される。これにより、支持部材10に対して取替部材20の幅方向(y方向)のガタを好適に抑制できる。
なお、第1実施形態では、内部空間Aは、孔25から支持部材の先端側(x正方向)へロックピン30を挿入して回動させることで、ロックピン30を嵌入する構成を例示したが、ロックピン30の挿入方向が一方向であればよく、上記実施形態とは反対に、孔25から支持部材の基端側(x負方向)へロックピン30を挿入して回動させる構成でもよい。
また、第1実施形態では、アタッチメントの一例としてショベルのバケットに取り付けるツース1を例示したが、アタッチメントはツース1以外の物でもよいし、アタッチメントの取り付け対象は、例えば耕運機の爪の取り付け構造など、バケット以外の物に取り付ける構成でもよい。
第1実施形態では、ロックピン30の回動部34は、その全体が弾性材料で形成される構成を例示したが、少なくとも溝15の凹曲面15aと接触する部分が弾性材料で形成できればよく、他の部分は本体31など同様に金属材料で形成する構成でもよい。
また、上記実施形態では、ロックピン30の回動部34が弾性材料で形成される構成を例示したが、回動部34は溝15の凹曲面15aを押圧する力を発生できればよく、弾性材料以外の弾性体で形成されてもよい。弾性体の回動部34としては、例えば、回動部34の溝15の凹曲面15aと接触する部分を板ばね等のばねで形成する構成が挙げられる。
[第2実施形態]
図11〜図19を参照して第2実施形態を説明する。
まず図11〜図5を参照して第2実施形態に係るツース100の構成を説明する。図11は、実施形態に係るツース100(アタッチメント)の組立斜視図である。図12は、図11に示すツース100の分解斜視図である。図13はツース100のx方向に沿った縦断面図である。図14は、図13中のA−A断面図であり、第1支持面112a、112bを示す図である。図15は、図13中のB−B断面図であり、第2支持面113a、113bを示す図である。
図11〜図15に示すように、第2実施形態のツース100は、ロックピン130の形状、取付構造が、第1実施形態のツース1と異なる。
図11、図12に示すように、ツース100は、支持部材110、取替部材120、ロックピン130を備える。
支持部材110は、ツース100の基端側に配置され、バケットの先端部分に固定される。
取替部材120は、ツース100の先端側に配置され、支持部材110に嵌合されて脱着可能に取り付けられる。取替部材120は、爪状の部材であって、ショベルの掘削作業等の繰り返しによって摩耗した場合には、支持部材110から取り外されて交換することができる。
ロックピン130は、支持部材110に嵌合された取替部材120を連結固定するために装着される。
図12、図13に示すように、支持部材110の先端側の端部にはx正方向に突出した凸部111が設けられる。図13に示すように、取替部材120の基端側の端部には、この凸部111が嵌合する凹部121が設けられる。
凸部111は、z方向の寸法が基端から先端になるほど小さくなるくさび状であり、z正方向側、z負方向側の主面111a、111bは共に傾斜面となっている。凸部111のz正方向側の主面111aには、第1支持面112aと第2支持面113aとが設けられる。第1支持面112aと第2支持面113aは、共にz正方向側に突出した凸曲面であり、y方向の両側から中央にかけて徐々に突出し、y方向の中央が最もz正方向側に突出する曲面である。第1支持面112aは、この傾斜状の主面111aの基端側に設けられ、第2支持面113aは第1支持面112aより先端側に設けられる。第1支持面112aの頭頂部は、第2支持面113aの頭頂部よりz正方向側に突出している。すなわち、第1支持面112aと第2支持面113aは、凸部111の主面111a上に二段の凸曲面を形成している。
同様に、凸部111のz負方向側の主面111bにも、第1支持面112bと第2支持面113bとが設けられる。第1支持面112bと第2支持面113bは、共にz負方向側に突出した曲面であり、y方向の両側から中央にかけて徐々に突出し、y方向の中央が最もz負方向側に突出する凸曲面である。第1支持面112bは、この傾斜状の主面111bの基端側に設けられ、第2支持面113bは第1支持面112bより先端側に設けられる。第1支持面112bの頭頂部は、第2支持面113bの頭頂部よりz負方向側に突出している。すなわち、第1支持面112bと第2支持面113bは、凸部111の主面111b上に二段の凸曲面を形成している。
二段の凸曲面は、凸部111の先端側の段のほうが基端側の段より幅が小さく形成される。すなわち、第2支持面113a,113bのy方向の寸法は、第1支持面112a,112bのものより小さい。第1支持面112a,112bと第2支持面113a,113bの頭頂部のy方向の位置は同一であるので、第2支持面113a,113bは、第1支持面112a,112bより幅方向両側が中心側に狭まっている。また、二段の凸曲面の各段はテーパー状に形成される。すなわち、第1支持面112a,112bと第2支持面113a,113bは、それぞれxy平面に対して傾斜するよう形成されている。第1支持面112a,112bと第2支持面113a,113bの傾斜角度は、相互に同一でも相違してもよいし、主面111a、111bの傾斜角度と同一でも相違してもよい。
一方、取替部材120の凹部121には、第1曲面122a,122bと、第2曲面123a,123bとが設けられる。第1曲面122a,122bと、第2曲面123a,123bは、凸部111が凹部121に嵌合するときにそれぞれ第1支持面112a,112b、第2支持面113a,113bと対向する位置に設けられ、第1支持面112a,112b、第2支持面113a,113bと嵌合可能な二段の凹曲面である。これにより、取替部材120が支持部材110に嵌合する状態では、図14、図15に示すように、第1支持面112a,112bがそれぞれ第1曲面122a,122bと嵌合し、第2支持面113a,113bがそれぞれ第2曲面123a,123bと嵌合した状態で、凸部111が凹部121に挿入されている。これにより、取替部材120が支持部材110に取り付けられたときに、支持部材110に対して取替部材120のy方向のガタが抑制される。
なお、凸部111に設けられる第1支持面112a,112b、第2支持面113a,113bは、x方向に沿って3以上の支持面を設け、三段以上の多段の凸曲面を形成する構成でもよい。この場合、凹部121にも、支持面と同数の曲面が設けられ、三段以上の多段の凹曲面が形成される。
また、図11、図12に示すように、取替部材120の基端側の端面には、x負方向側に突出する一対の耳部124が設けられている。一方、支持部材110には、取替部材120が支持部材110に嵌合する状態のときにこの耳部124が嵌合する一対の凹状部114が設けられている。耳部124と凹状部114は、それぞれ取替部材120及び支持部材110のy方向の両端に設けられる。これにより、取替部材120が支持部材110に取り付けられたときに、支持部材110に対して取替部材120のz方向のガタが抑制される。
図12に示すように、ロックピン130は、y正方向側から取替部材120及び支持部材110に取り付けられる。支持部材110のy正方向側の側面には、ロックピン130が嵌合するための溝115が設けられる。取替部材120には、ロックピン130を内側の支持部材110の溝115まで誘導するための孔125が設けられる。
孔125は、取替部材120が支持部材110に嵌合した状態において、溝115の一部が露出するよう配置される。支持部材110に取替部材120が組み付けられたときに、溝115と孔125とは、取替部材120の側面に開口する内部空間A(図17参照)を形成する。この内部空間Aはロックピン130と略同形状であり、ロックピン130は、この内部空間Aに嵌入されることで、取替部材120と支持部材110とを連結固定する。
なお、図14に示すように、取替部材120の孔125がy正方向側に設けられるのに対して、支持部材110の溝115はy正方向側の他に、y負方向側にも設けてもよい。これにより、取替部材120の方向をx軸まわりに180°回転させて支持部材110に嵌合した状態でも、ロックピン130により取替部材120を支持部材110に固定できる。取替部材120は、バケットに取り付けた状態では、z正方向側またはz負方向側の主面120a、120bのいずれか一方が主に掘削面となり摩耗が進みやすい。そこで図14のように支持部材110のy方向両側に溝115を一対設けることにより、取替部材120をローテーションでき、すなわち、取替部材120の方向をx軸まわりに180°回転させて掘削面となる主面を入れ替えることができるので、取替部材120を長寿命化できる。
ここで、溝115は、支持部材110のy方向の側面に設けられるが、この側面とは、支持部材110の延在方向(x方向)と直交し、かつ、図14に示すように、支持部材110の凸部111の一対の主面111a、111bの対向方向(z方向)と直交する側方の位置にある面である。同様に、孔125は、取替部材120のy方向の側面に設けられるが、この側面とは、取替部材120の延在方向(x方向)と直交し、かつ、図14に示すように、取替部材120の一対の主面120a、120bの対向方向(z方向)と直交する側方の位置にある面である。なお、溝115及び孔125が設けられる側方の位置は、必ずしも支持部材110及び取替部材120の延在方向(x方向)と直交しなくてもよく、少なくとも交差して延在方向と異なる方向であればよい。
なお、本実施形態では、y正方向側から単一のロックピン130で固定する構成を例示したが、例えばy方向両側から2つのロックピンで固定する構成でもよい。この場合、取替部材120のy負方向側にも孔125と同様の孔が設けられる。
図12に加えて図16を参照して、第2実施形態に係るロックピン130の構成を説明する。図16は、第2実施形態に係るロックピン130の斜視図である。
図12、図16に示すように、ロックピン130は、基端部131と、先端部132とを有する。
基端部131は例えばJIS規格に規定される機械構造用炭素鋼、機械構造用合金鋼(たとえばS45C、SCM435のほか、同等量の炭素を含むSMn鋼、SCr鋼、SCM鋼、SNCM鋼など)、工具鋼、鋳鋼などの金属製である。先端部132は例えば硬質ゴムなどの弾性材料で形成され、基端部131の一端側(x正方向側)に連続的に形成される。基端部131と先端部132は、溝115と孔125とにより形成される一方向に延びる内部空間Aに嵌入可能な形状であり、長手方向を有するよう一体的に形成される。基端部131と先端部132との配列方向がロックピン130の長手方向である。
なお、先端部132を形成する弾性材料は、ショア硬さが40〜90程度のものが好ましく、ショア硬さが80程度のものがより好ましい。
先端部132のうち基端部131と反対側の端部には、略円弧状の凸曲面132aが形成されている。ロックピン130は短手方向(y方向)に対向する底面133と上面134とを有する。底面133はy負方向側に面し、内部空間Aへの装着時に溝115の底面115bと対向する。上面134はy正方向側に面する。凸曲面132aは、底面133から連続的に形成され、かつ、上面134に対してy方向に突出する。
基端部131のうち先端部132と反対側の端部には、階段状に形成された段差面131aが形成されている。段差面131aは、ロックピン130の底面133に近いほどx負方向側に突出する量が大きくなるよう形成されている。
図17〜図19を参照して、ロックピン130による取替部材120の支持部材110への固定構造を説明する。図17は、ロックピン130の取り付け手順(ロック方法)の第1段階(解放状態)を示す図である。図18は、ロックピン130の取り付け手順の第2段階(中間状態)を示す図である。図19は、ロックピン130の取り付け手順の第3段階(固定状態)を示す図である。図17〜図19では、ツース100のx−y平面に沿った断面図が、ロックピン130の取り付け部分を拡大視して図示されている。
図17に示すように、支持部材110に取替部材120が組み付けられたときに、溝115と孔125とは、取替部材120の側面に開口する内部空間Aを形成する。この内部空間Aは、孔125から支持部材の先端側(x正方向)へロックピン130を挿入し、ロックピン130の先端部132が最奥部(凹曲面115a)に突き当たった状態で、先端部132を長手方向に押圧して弾性圧縮しつつ、ロックピン130の先端部132を中心としてロックピン130を溝115の方向に回動させることによって、ロックピン130が嵌入されるよう形成される。つまり、内部空間Aの最深部がピボット軸受のように機能して、ロックピン130はピボットのように機能する。
このような内部空間Aを形成するために、溝115は、x正方向側(ツース100の先端側)になるほど深さが増すように、底面115bが傾斜状となるよう形成されている。溝115のx正方向側の端部は、z軸と平行な中心軸Cを中心とする略円弧状に形成される凹曲面115aである。溝115の平面状の底面115bは、溝115のx負方向側端部から傾斜して凹曲面115aと連続的に接続されている。
溝115の凹曲面115aは、ロックピン130の先端部132の凸曲面132aと略同一の曲率半径で形成されており、ロックピン130の凸曲面132aが突き当たって嵌合した状態で、中心軸Cを回動中心としてロックピン130を回動可能となっている。つまり、溝115の凹曲面115aは、ロックピン130の先端部132の凸曲面132aを受ける軸受として機能する。
溝115の底面115bは、ロックピン130の底面133が密着できるように、底面133とほぼ同じ寸法で形成されている。これにより、ロックピン130が溝115の底面115bの全域を塞ぐことができる。
ロックピン130の取り付け手順の第1段階(解放状態)では、図17に示すように、ロックピン130の先端部132が孔125から支持部材110の先端側に挿入され、ロックピン130の先端部132の凸曲面132aが溝115の凹曲面115aに突き当たる。
次に、基端部131を溝115の方向に押し込むと、先端部132の凸曲面132aが溝115の凹曲面115aに沿って中心軸Cを中心として(図17では反時計回り)に回動するので、ロックピン130の基端部131は中心軸Cを回動中心として回動しながら、孔125に進入していく。
なお、孔125のx負方向側の内周面126は、基端部131の段差面131aと嵌合するよう段差状に形成されており、段差面131aとは反対に、孔125の外側(y正方向側)に近いほどx正方向側に突出する量が大きくなるよう形成されている。このため、ロックピン130は通常時の長手方向の寸法では段差面131aが孔125の内周面126に引っかかってそれ以上基端部131が孔125に進入できない。ここで、先端部132は弾性材料で形成されているため、基端部131側から先端部132側へ押圧することで、ロックピン130の長手方向寸法を収縮させて、これにより基端部131を孔125に進入させることができる。
図18に示すロックピン130の取り付け手順の第2段階(中間状態)では、ロックピン130の基端部131が途中まで孔125に進入している状態である。このとき、基端部131の段差面131aは、孔125のx負方向側の内周面126の段差形状とその一部が嵌合している。
図18の中間状態から引き続き基端部131側から先端部132側へ押圧しつつ、基端部131を溝115の方向に押し込んで回動させる。これにより、最終的に、図19に示すロックピン130の取り付け手順の第3段階(固定状態)のように、ロックピン130の底面部133が溝115の底面115bと当接する位置まで回動して、ロックピン130が内部空間Aに嵌入される。このとき、基端部131の段差面131aは、孔125のx負方向側の内周面126の段差形状とその全体が嵌合する。これにより、ロックピン130が内部空間Aと隙間なく嵌合し、溝115と孔125とを塞いだ状態となる。
このとき、ロックピン130は、先端部132が長手方向に弾性圧縮した状態で内部空間Aに嵌入された後に先端部132が弾性復帰してロックピン130の全長が伸びる。これにより、先端部132が支持部材110の溝115の壁面(凹曲面115a)をx正方向に押圧し、基端部131が、取替部材129の孔125の内周面126をx負方向側に押圧する状態となる。すなわち、ロックピン130によって、取替部材120が基端側に押圧された状態となり、取替部材120が支持部材110に対して先端側に抜けないように固定された状態となる。
図19の固定状態からロックピン130を取り外す手順は以下のとおりである。まず図19の固定状態から基端部131の段差面131aに先端部132の方向へ外力を加える。外力の付加は、作業員の手で行っても良いし、器具を用いてもよい。先端部132がこの外力によって収縮して、段差面131aと孔125の内周面126との間に隙間ができ、基端部131を孔125から外側へ取り出すようにロックピンを回動可能となる。図18の中間状態のようにロックピン130を時計回りに回動させて、基端部131を孔125から取り外し、図17の解放状態まで遷移させる。次いで、図17の開放状態からロックピン130を段差面131a側に引っ張って、先端部132を溝115及び孔125から抜き出し、ロックピン130が内部空間Aから取り外される。
第2実施形態の作用、効果を説明する。第2実施形態のツース100は、ショベルのバケットに設けられる支持部材110と、支持部材110の先端の凸部111が挿入される凹部112が基端に設けられ、所定方向(x方向)に突出して延在する取替部材120と、取替部材120の延在方向と交差する側方(y方向)の位置にて支持部材110に設けられる溝115と、側方の位置にて取替部材120に設けられ、取替部材120が支持部材110に嵌合した状態において溝115の一部が露出するよう配置される孔125と、孔125及び溝115により形成される内部空間Aに嵌入され、取替部材120と支持部材110とを連結固定するロックピン130と、を備える。ロックピン130は、内部空間Aに嵌入された状態では、その長手方向が取替部材120の延在方向に沿って配置され、支持部材110の溝115を長手方向の一方側(先端側)に押圧し、取替部材120の孔125の内周面126を長手方向の他方側(基端側)に押圧する。
このように第2実施形態のツース100は、ロックピン130の嵌合時の状態が第1実施形態のロックピン30と同様なので、第1実施形態と同様の作用、効果を奏する。
また、第2実施形態のツース100では、ロックピン130は、先端部132が長手方向に弾性圧縮した状態で内部空間Aに嵌入された後に、先端部132が弾性復帰してロックピン130の全長が伸びることによって、先端部132が支持部材110の溝115を長手方向の一方側(先端側)に押圧し、基端部131が、取替部材120の孔125の内周面126を長手方向の他方側(基端側)に押圧する。
この構成により、ロックピン130を内部空間A内でさらに溝115及び孔125との密着性を高めることができ、支持部材110の抜けと、内部空間Aへの異物混入をさらに抑制できる。
また、第2実施形態のツース100では、ロックピン130は、先端部132とは反対側の基端部131の他端に階段状に形成された段差面131aを有し、孔125は、内周面のうちロックピン130の嵌合時に段差面131aと対向する面126に段差面131aと嵌合する段差形状が形成される。
この構成により、ロックピン130の内部空間Aへの嵌合の度合を作業者に容易に視認させることができる。例えば、作業者は、孔125の内周面126に対して、ロックピン130の段差面131aのどの段まで挿入されているかをみれば、ロックピン130をさらに溝115側へ押し込むことができるのか、または、ロックピン130が内部空間Aに完全に嵌合しているかなどを容易に把握できる。これにより、ロックピン130の取り付け作業の作業効率を向上できる。
第2実施形態では、内部空間Aは、孔125から支持部材の先端側(x正方向)へロックピン130を挿入して回動させることで、ロックピン130を嵌入する構成を例示したが、ロックピン130の挿入方向が一方向であればよく、上記実施形態とは反対に、孔125から支持部材の基端側(x負方向)へロックピン130を挿入して回動させる構成でもよい。
第2実施形態では、アタッチメントの一例としてショベルのバケットに取り付けるツース100を例示したが、アタッチメントはツース100以外の物でもよいし、アタッチメントの取り付け対象は、例えば耕運機の爪の取り付け構造など、バケット以外の物に取り付ける構成でもよい。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
上記実施形態では、ツース1、100の支持部材10、110に取替部材20、120を固定するためのロックピンとして、第1実施形態のロックピン30と第2実施形態のロックピン130を例示したが、ロックピンの構成はこれらのものに限られない。ロックピンは、少なくとも取替部材20、120と支持部材10、110とを連結固定することができる要素であればよい。
1、100 ツース(アタッチメント)
10、110 支持部材
11、111 凸部
11a、11b、111a、111b 主面
12a、12b、112a、112b 第1支持面(凸曲面)
13a、13b、113a、113b 第2支持面(凸曲面)
14、114 凹状部
15、115 溝
15a、115a 凹曲面
15b、115b 底面
20、120 取替部材
20a、20b、120a、120b 主面
21、121 凹部
22a、22b、122a、122b 第1曲面(凹曲面)
23a、23b、123a、123b 第2曲面(凹曲面)
24、124 耳部
25、125 孔
26、126 孔の内周面
30、130 ロックピン
31 本体
32 ブロック
33 ボルト
34 回動部
34a 凸曲面
35 回転軸
36 ブロックの突起
37 本体の一端部
37a 凹部
131 基端部
132 先端部
132a 凸曲面
A 内部空間

Claims (10)

  1. 対象物に取り付けられるアタッチメントであって、
    前記対象物に設けられる支持部材と、
    前記支持部材の先端の凸部が挿入される凹部が基端に設けられ、所定方向に突出して延在する取替部材と、
    前記取替部材の延在方向と交差する側方の位置にて前記支持部材に設けられる溝と、
    前記側方の位置にて前記取替部材に設けられ、前記取替部材が前記支持部材に嵌合した状態において前記溝の一部が露出するよう配置される孔と、
    前記孔及び前記溝により形成される内部空間に嵌入され、前記取替部材と前記支持部材とを連結固定する、ロックピンと、
    を備え、
    前記ロックピンは、前記内部空間に嵌入された状態では、その長手方向が前記取替部材の延在方向に沿って配置され、前記支持部材の溝を前記長手方向の一方側に押圧し、前記取替部材の孔の内周面を前記長手方向の他方側に押圧する、
    アタッチメント。
  2. 前記孔及び前記溝により形成される前記内部空間は、
    前記孔から前記支持部材の先端側または基端側の一方へ前記ロックピンを挿入し、弾性体で形成される前記ロックピンの先端が最奥部に突き当たった状態で、前記先端を中心として前記ロックピンを前記溝の方向に回動させることによって、前記ロックピンが嵌入されるよう形成される、
    請求項1に記載のアタッチメント。
  3. 前記溝は、前記支持部材の先端側または基端側が深くなるよう傾斜状に形成され、
    前記孔は、溝の深いほうの端部が露出しない位置に配置され、
    前記ロックピンの前記先端は略円弧状の凸曲面を有し、
    前記溝の深いほうの前記端部は、前記凸曲面と略同一の曲率半径で形成される凹曲面を有する、
    請求項1または2に記載のアタッチメント。
  4. 前記ロックピンは、前記溝の底面の全域を塞ぐ形状で形成される、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のアタッチメント。
  5. 前記ロックピンは、弾性体で形成される前記先端が前記孔から外部に露出しないように前記内部空間に嵌合される、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のアタッチメント。
  6. 前記支持部材は、前記対象物に複数個が並設され、
    前記溝は、前記支持部材の並設方向の両側に設けられる、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のアタッチメント。
  7. 前記対象物は、ショベルのバケットであり、
    前記支持部材、前記取替部材、及び前記ロックピンは、前記バケットの掘削側の先端部分に設けられるツースを構成する、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のアタッチメント。
  8. 前記ロックピンは、
    金属製の本体と、
    少なくとも一部が弾性体で形成され、前記本体の一端に前記本体の長手方向と交差する回転軸まわりで回動可能に取り付けられ、回動によって前記一端より先に突出可能な回動部と、
    前記本体に着脱可能に取り付けられるブロックと、
    を有し、
    前記ブロックは、前記本体に取り付けられたとき、前記回動部を回動方向に押圧して回動させ、
    前記ロックピンは、前記内部空間への嵌入時には前記回動部が前記本体の一端より内側に配置され、前記内部空間への嵌入後に前記ブロックにより前記回動部が回動することによって全長が伸ばされる、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のアタッチメント。
  9. 前記ロックピンは、
    金属製の基端部と、
    前記ロックピンの長手方向に沿って前記基端部の一端側に形成された弾性材料の先端部と、を備え、
    前記先端部が前記基端部側から押圧されて収縮した状態で前記内部空間へ嵌入され、前記内部空間への嵌入後に前記先端部が弾性復帰することによってその全長が嵌入時より伸ばされる、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のアタッチメント。
  10. 前記支持部材の前記凸部には、前記取替部材の延在方向に沿って多段の凸曲面が設けられ、
    前記取替部材の前記凹部には、前記多段の支持面の凸形状とそれぞれ嵌合する多段の凹曲面が、前記取替部材の延在方向に沿って設けられる、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載のアタッチメント。
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