JP2011246974A - 作業機および取付けピン組立て体 - Google Patents

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大二郎 伊藤
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耕三 石田
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Keita Muto
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    • E02F9/2841Retaining means, e.g. pins resilient

Abstract

【課題】取付けピン組立て体が貫通孔から抜け落ちてしまうことを確実に回避しつつ、貫通孔内における取付けピン組立て体のガタツキを防止することが可能な作業機および取付けピン組立て体を提供する。
【解決手段】取付けピン組立て体4は、ツース2がアダプタ3から脱落しないように取り付けるための部材であって、取付けピンユニット11と、ボルト12a,12bと、ワッシャー13a,13bと、ブシュ14a,14bと、を有している。取付けピンユニット11は、弾性部材70、第1取付けピン71、第2取付けピン72を組み合わせて構成されており、偏心した位置に配置された貫通孔2a,3aに挿入される。
【選択図】図5

Description

本発明は、掘削具が取り付けられた作業機およびその掘削具を作業機に取り付けるピン組立て体に関する。
油圧ショベル等の作業車両に搭載された作業機には、様々な掘削具が取り付けられている。例えば、油圧ショベルに搭載されるバケット(作業機)には、掘削側の先端部分に、ツース(掘削具)が取り付けられている。
バケットの掘削側の先端部分に取り付けられるツースは、掘削作業時に磨耗したり破損したりする。このため、磨耗や破損したツースは、必要に応じて交換される。
特許文献1には、このようなツースをバケットのアダプタに対して取り付ける構造について開示されている。
具体的には、上記公報に開示された取付け構造では、バケットのアダプタとツースとに形成された貫通孔に取付けピン(第1・第2取付けピン)を挿入し、アダプタからツースが脱落しないように取り付けている。そして、第1取付けピンの雄ネジと第2取付けピンの雌ネジとが螺合されることによって、アダプタの孔に挿入された弾性部材が、第1取付けピンと第2取付けピンとに挟まれて軸方向に圧縮され、径方向に膨張する。これにより、弾性部材の孔の内壁面に対する密着度が増すため、アダプタおよびツースの貫通孔に挿入された第1・第2取付けピンが抜け落ちることを防止している。
しかしながら、上記従来の作業機では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された作業機の掘削具では、取付けピンのほぼ中央部分に配置された弾性部材の径方向における膨張によって弾性部材が貫通孔の内周面に対して当接することで、取付けピン組立て体が貫通孔から抜け落ちないように構成されている。しかし、このような構成では、取付けピン組立て体が弾性部材の部分でのみ支持されることになり、貫通孔の内部において取付けピン組立て体のガタツキが生じるおそれがある。
このような取付けピン組立て体のガタツキは、取付けピン組立て体に対して大きな負荷が加わる原因となるおそれがあるため好ましくない。
さらに、抜け止め防止のために弾性部材を用いているため、作業機の使用や経年変化等により弾性部材が劣化する等した場合には、取付けピン組立て体が貫通孔から抜け落ちてしまうことを確実に防止することができないおそれがある。
本発明の課題は、取付けピン組立て体が貫通孔から抜け落ちてしまうことを確実に回避しつつ、貫通孔内における取付けピン組立て体のガタツキを防止することが可能な作業機および取付けピン組立て体を提供することにある。
第1の発明に係る作業機は、掘削作業を行うために作業車両に装着される作業機であって、掘削具と、作業機側のアダプタと、取付けピンユニットと、ブシュと、外れ止め部材と、を備えている。掘削具は、第1貫通孔を有し、掘削作業によって消耗する。作業機側のアダプタは、掘削具を用いた作業中に掛かる負荷を受けるように掘削具に対して当接する当接面と、掘削具が取り付けられた状態で第1貫通孔に対して偏心した位置に形成された第2貫通孔とを有する。取付けピンユニットは、雄ネジが形成された第1取付けピンと、第1取付けピンの雄ネジに螺合する雌ネジが形成された第2取付けピンと、第1取付けピンの雄ネジと第2取付けピンの雌ネジとが螺合することにより第1取付けピンと第2取付けピンとに挟まれて軸方向に圧縮されて径方向に膨張して第2貫通孔の内周面の一部に当接する弾性部材と、を有している。そして、取付けピンユニットは、掘削具のアダプタへの装着状態において掘削具とアダプタとを貫通するように配置された第1・第2貫通孔に挿入される。ブシュは、第1・第2取付けピンの外径よりも大きな外径を有する円筒状の部材であって、円筒状の内側に取付けピンユニットが挿入され、貫通孔内における取付けピンの両端に配置される。外れ止め部材は、取付けピンユニットの両端において、アダプタとの間に挟み込むようにしてブシュが取付けピンから外れることを防ぐ。
ここでは、第1・第2取付けピンの雄ネジと雌ネジとを螺合させることで、これらに挟まれた弾性部材が径方向に膨張する。このとき、弾性部材は、アダプタに形成された第2貫通孔の内周面の一部に当接し、取付けピンユニットとブシュと外れ止め部材とを含む取付けピン組立て体の軸位置を移動させる。ここで、上記第2貫通孔は、掘削具に形成された第1貫通孔に対して偏心した位置に形成されている。
これにより、弾性部材の径方向における膨張によって取付けピン組立て体の軸位置が移動することで、取付けピンユニットの両端であって第1貫通孔内にそれぞれ配置されたブシュの外周面が、第1貫通孔の内周面の一部に当接した状態を形成することができる。この結果、取付けピン組立て体は、中程、両端の3箇所において、第1・第2貫通孔に対して当接することができるため、第1・第2貫通孔内における取付けピン組立て体のガタツキを効果的に防止することができる。
また、仮に、経年劣化等によって弾性部材による径方向への膨張量が減少する等した場合でも、取付けピン組立て体の両端部にはブシュ、外れ止め部材が取り付けられているため、取付けピン組立て体が第1・第2貫通孔から抜け落ちてしまうことはない。
以上のことから、貫通孔内における取付けピン組立て体のガタツキを防止しつつ、取付けピン組立て体が貫通孔から抜け落ちてしまうことを確実に回避することができる。
第2の発明に係る作業機は、第1の発明に係る作業機であって、ブシュは、取付けピンに対して回動自在に取り付けられている。
ここでは、円柱状の取付けピンの外周面と円筒状のブシュの内周面との間に隙間を設けて、ブシュが取付けピンに対して回動可能な状態としている。
これにより、掘削具がアダプタから離間する方向に負荷が掛かった場合には、その負荷は掘削具からブシュに対して伝達されるが、ブシュが取付けピンの外周において回転することで、負荷の一部を逃がすことができる。よって、掘削具がアダプタから離間する方向への負荷が掛かった場合でも、取付けピンに掛かる負荷を効果的に低減することができる。
第3の発明に係る作業機は、第1の発明に係る作業機であって、第1貫通孔は、第2貫通孔に対して掘削具の先端方向に偏心した位置に形成されている。
ここで、取付けピン組立て体の中心軸は、第1貫通孔の中心線と略一致している。
これにより、取付けピン組立て体の中程では、掘削具の先端方向の箇所が第2貫通孔に当接し、両端では掘削具の後端、すなわちアダプタと当接する側の方向の箇所が第1貫通孔に当接することができる。よって、取付けピン組立て体は、掘削具に加わる負荷を直接受けることなく、また、がたつき無く掘削具がアダプタから抜けるのを防止することができる。
第4の発明に係る作業機は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る作業機であって、取付けピンの軸方向において互いに対向するブシュとアダプタとの対向面の間、あるいはブシュと外れ止め部材との対向面の間には、第1の隙間が形成される。
ここでは、取付けピンの軸方向において互いに対向するブシュ側とアダプタ側との対向面同士の間、あるいはブシュと外れ止め部材との対向面同士の間に、所定の隙間(第1の隙間)を設けている。つまり、アダプタにおける第2貫通孔の両端が開口した側面、あるいは外れ止め部材の側面と、ブシュにおけるその対向面との間に隙間(遊び)はある状態で、取付けピンが取り付けられている。
これにより、アダプタの第2貫通孔に挿入された取付けピンは、アダプタの両側面に対して締め付けられていないものの、ブシュが抜け止めとして機能するため、取付けピンに大きな負荷を掛けることなく、掘削具とアダプタとを接続することができる。
第5の発明に係る作業機は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る作業機であって、外れ止め部材は、ボルト部材とワッシャーとを有する。
ここでは、取付けピンの両端からブシュが外れないようにする外れ止め部材として、ボルト部材とワッシャーとを用いている。
これにより、取付けピンの両端に形成された雌ネジに対して、ワッシャーを介してボルト部材の雄ネジを螺合させることで、アダプタとワッシャーとの間においてブシュが取付けピンに沿って移動可能とすることができる。
第6の発明に係る作業機は、第1から第5の発明のいずれか1つに係る作業機であって、掘削具は、爪部材、エッジ保護部材を含む。
ここでは、作業機の掘削具として、バケットやリッパの爪部材(ツース)、リッパやバケット、サイドシュラウドのエッジ保護部材(エッジプロテクタ)を用いている。
これにより、上述した取付け構造を採用して各種掘削具を取り付けることで、取付けピンの耐久性を向上させて、長期使用に耐えうる構造を提供することができる。
第7の発明に係る取付けピン組立て体は、作業機の掘削具が作業機側のアダプタに対して脱落することを防止するために、掘削具がアダプタに対して取り付けられた状態で掘削具とアダプタとを貫通するように配置される掘削具に形成された第1貫通孔と第1貫通孔に対して偏心するようにアダプタに形成された第2貫通孔とに挿入される。そして、取付けピン組立て体は、取付けピンユニットと、ブシュと、外れ止め部材と、を備えている。取付けピンユニットは、雄ネジが形成された第1取付けピンと、第1取付けピンの雄ネジに螺合する雌ネジが形成された第2取付けピンと、弾性部材と、を有している。さらに、取付けピンユニットは、掘削具のアダプタへの装着状態において掘削具とアダプタとを貫通するように配置された第1・第2貫通孔とに挿入される。弾性部材は、第1取付けピンの雄ネジと第2取付けピンの雌ネジとが螺合することにより、第1取付けピンと第2取付けピンとに挟まれて軸方向に圧縮されて径方向に膨張し、第2貫通孔の内周面の一部に当接する。ブシュは、取付けピンの外径よりも大きな外径を有する円筒状の部材であって、円筒状の内側に取付けピンが挿入され、第1貫通孔内における取付けピンの両端にそれぞれ配置される。外れ止め部材は、取付けピンの両端においてブシュが取付けピンの両端から外れることを防止する。
ここでは、第1・第2取付けピンの雄ネジと雌ネジとを螺合させることで、これらに挟まれた弾性部材が径方向に膨張する。このとき、弾性部材は、アダプタに形成された第2貫通孔の内周面の一部に当接し、取付けピンユニットとブシュと外れ止め部材とを含む取付けピン組立て体の軸位置を移動させる。ここで、上記第2貫通孔は、掘削具に形成された第1貫通孔に対して偏心した位置に形成されている。
これにより、弾性部材の径方向における膨張によって取付けピン組立て体の軸位置が移動することで、取付けピンユニットの両端であって第1貫通孔内にそれぞれ配置されたブシュの外周面が、第1貫通孔の内周面の一部に当接した状態を形成することができる。この結果、取付けピン組立て体は、中程、両端の3箇所において、第1・第2貫通孔に対して当接することができるため、第1・第2貫通孔内における取付けピン組立て体のガタツキを効果的に防止することができる。
また、仮に、経年劣化等によって弾性部材による径方向への膨張量が減少する等した場合でも、取付けピン組立て体の両端部にはブシュ、外れ止め部材が取り付けられているため、取付けピン組立て体が第1・第2貫通孔から抜け落ちてしまうことはない。
以上のことから、貫通孔内における取付けピン組立て体のガタツキを防止しつつ、取付けピン組立て体が貫通孔から抜け落ちてしまうことを確実に回避することができる。
本発明に係る作業機によれば、貫通孔内における取付けピン組立て体のガタツキを防止しつつ、取付けピン組立て体が貫通孔から抜け落ちてしまうことを確実に回避することができる。
本発明の一実施形態に係るバケットのツースの取付け構造を示す斜視図。 図1のツースの取付け構造付近を拡大した分解斜視図。 (a)は、図2の取付け構造に含まれる取付けピンユニットの構成を示す側面図。(b)は、ボルトの構成を示す側面図。(c)は、ワッシャーの構成を示す側面図。(d)は、ブシュの構成を示す側面図。 図3(a)の取付けピンユニットの構成を示す分解図。 (a),(b)は、図2のツースの取付け構造の構成を示す側面模式図と断面図。 (a),(b)は、図2のツースの取付け構造の取付け工程を示す断面図。 (a)は、図5(b)のAA線矢視断面図。(b)は、図5(b)のBB線矢視断面図。(c)は、図5(b)のCC線矢視断面図。 本発明の他の実施形態に係るリッパのツースの取付け構造を示す斜視図。 図8のツースの取付け構造付近を拡大した分解斜視図。 図9のツースの取付け構造部分の断面図。 本発明のさらに他の実施形態に係るバケットのツース間プロテクタの取付け構造を示す斜視図。 (a)は、図11のツース間プロテクタの取付け構造付近を拡大した部分断面図。(b)は、(a)のX方向から見た側面図。 本発明のさらに他の実施形態に係るバケットのサイドシュラウドの取付け構造を示す斜視図。
(実施形態1)
本発明の一実施形態に係る作業機および取付けピン組立て体が採用されたバケットのツース取付け構造について、図1〜図7(c)を用いて説明すれば以下の通りである。
[バケット1のツース2の取付け構造]
本実施形態に係るバケット(作業機)1のツース(爪部材、掘削具)2の取付け構造は、図1に示すように、バケット1に対してツース2を取り付けるための構造であって、ツース2と、アダプタ3と、取付けピン組立て体4とを備えている。
(ツース2)
ツース2は、油圧ショベル等の作業機械のアームの先端に装着されたバケット1によって掘削を行うためにバケット1の掘削部分の先端に取り付けられた爪状の部材であって、図1に示すように、先端に向かって薄くなるクサビ状の外形を有している。そして、ツース2は、図2に示すように、空洞部V1と、貫通孔(第1貫通孔)2aと、側壁部2bと、当接面2c(図5(a)等参照)と、を有している。
空洞部V1は、ツース2の後端から先端方向に向かってツース2の内部に形成された凹部である。この空洞部V1には、後述するアダプタ3の挿入部3bが挿入される。
貫通孔2aは、ツース2の側面から空洞部V1まで貫通しており、ツース2の長手方向(ツース2の後端と先端とを結ぶ方向)に直交する方向に沿って形成されている。そして、この貫通孔2aには、後述する取付けピン組立て体4が挿入される。貫通孔2aは、後述する取付けピン組立て体4のブシュ14a,14bの外径よりも若干大きな内径を有している。
側壁部2bは、ツース2の内部に形成された空洞部V1の両側面を形成し、上述した貫通孔2aが形成されている。
当接面2cは、図5(a)に示すように、ツース2内に空洞部V1を形成する内壁面であって、後述するアダプタ3側の当接面3bbに対して当接する。
(アダプタ3)
アダプタ3は、図1に示すように、バケット1における一端に複数設けられており、それぞれに上述したツース2が取り付けられる。そして、アダプタ3は、図2に示すように、貫通孔(第2貫通孔)3aと、挿入部3bと、を有している。
貫通孔3aは、アダプタ3を幅方向に貫通しており、挿入部3bの側壁部3baに形成されている。そして、この貫通孔3aには、上記貫通孔2aと同様に、取付けピン組立て体4が挿入される。貫通孔3aは、取付けピン組立て体4の取付けピンユニット11の外径よりも大きな内径を有している。このため、上述した貫通孔2aと比較して、内径が小さい。さらに、貫通孔3aは、図5(a)および図5(b)に示すように、ツース2をアダプタ3に取り付けた状態において、ツース2側の貫通孔2aに対して偏心した位置に形成されている。つまり、ツース2をアダプタ3に取り付けた状態において、貫通孔2aの中心と貫通孔3aの中心とは、貫通孔2aの中心が貫通孔3aの中心よりもツース2の先端方向にあって、ツース2の長手方向においてずれた位置に配置されている。
挿入部3bは、ツース2内に形成された空洞部V1の凹部形状に合わせて形成されており、ツース2の空洞部V1に対して挿入される。また、挿入部3bは、ツース2の空洞部V1に挿入されると、空洞部V1を形成するツース2の内壁面側に設けられた当接面2cに対して当接面3bbにおいて当接する。
当接面3bbは、図5(a)に示すように、ツース2がアダプタ3に取り付けられた状態において、ツース2側の当接面2cに対して当接する挿入部3bの外壁面である。
(取付けピン組立て体4)
取付けピン組立て体4は、ツース2がアダプタ3から脱落しないように取り付けるための部材であって、図2に示すように、ツース2がアダプタ3に対して取り付けられた状態において、ツース2とアダプタ3とを貫通する貫通孔2aと貫通孔3aとに挿入される。そして、取付けピン組立て体4は、図2に示すように、取付けピンユニット11と、ボルト(外れ止め部材)12a,12bと、ワッシャー(外れ止め部材)13a,13bと、ブシュ14a,14bと、を有している。
取付けピンユニット11は、図3(a)に示すように、複数の部材を組み合わせて構成される円柱状のピンであって、後述するボルト12a,12bが螺合する雌ネジ11a,11bが両端に形成されている。また、組み立てられた状態の取付けピンユニット11の軸方向長さは、アダプタ3の貫通孔3aの長さと2つのブシュ14a,14bの長さとの和よりも大きい。取付けピンユニット11は、弾性部材70、第1取付けピン71、第2取付けピン72を組み合わせて構成されている。
弾性部材70は、天然ゴムなどの弾性材料によって形成されており、図4に示すように、円筒状の外形を有する。弾性部材70には、軸方向に貫通する貫通孔70aが設けられており、この貫通孔70aに第1取付けピン71の雄ネジ部71aが挿入される。弾性部材70は、非圧縮状態において、その外径が第1取付けピン71の大径部71bおよび第2取付けピン72の外径と同じ、または僅かに大きい。そして、弾性部材70の内径、すなわち貫通孔70aの径は、雄ネジ部71aの外径より大きく、かつ大径部71bおよび第2取付けピン72の外径より小さい。また、弾性部材70は、アダプタ3の貫通孔3aに挿入され、第1取付けピン71の雄ネジ部71aと第2取付けピン72の雌ネジ部72aとが螺合される。これにより、弾性部材70は、第1取付けピン71と第2取付けピン72とに挟まれて軸方向に圧縮され、軸方向に交差する径方向に膨張する。
第1取付けピン71は、第2取付けピン72と螺合して取付けピンユニット11を構成する部材であって、図4に示すように、雄ネジ部71aと、大径部71bと、を有している。
雄ネジ部71aは、弾性部材70の貫通孔70aに挿入され、第2取付けピン72の雌ネジ部72aに螺合する円筒状の部分であって、円筒状の表面に雄ネジ用の溝が形成されている。
大径部71bは、雄ネジ部71aと連結するように設けられており、雄ネジ部71aよりも大径の円筒状の形状を有している。また、大径部71bは、雄ネジ部71aよりも大径であるため、大径部71bと雄ネジ部71aとの接続部分には、段差が形成される。さらに、大径部71bの外側端面には、ボルト12bが螺合する雌ネジ11bが形成されている。
第2取付けピン72は、第1取付けピン71と螺合する円筒状の部材であって、第1取付けピン71の雄ネジ部71aが挿入される雌ネジ部72aが、連結側の端面に形成されている。雌ネジ部72aは、円柱状の孔であって、その内周面には雌ネジ用の溝が形成されている。第2取付けピン72は、第1取付けピン71の大径部71bとほぼ同径の円柱形状を有している。また、第2取付けピン72の外側端面には、ボルト12aが螺合する雌ネジ11aが形成されている。
ボルト12a,12bは、図3(b)に示すように、一般的な形状を有する金属製の締結部材であって、取付けピンユニット11の両端に形成された雌ネジ11a,11bに対して雄ネジ部分が螺合する。
ワッシャー13a,13bは、図3(c)に示すように、中央部にボルト12a,12bが挿入される貫通孔が形成され取付けピンユニット11の外径よりも大きい外径を有する略円盤形状を有する金属製の部材である。そして、ワッシャー13a,13bは、ボルト12a,12bによって取付けピンユニット11の両端面に固定され、ブシュ14a,14bが取付けピンユニット11から外れないように設けられている。
ブシュ14a,14bは、図3(d)に示すように、中央部に取付けピンユニット11が挿入される貫通孔が形成された略円筒形状の金属製の部材であって、ボルト12a,12bおよびワッシャー13a,13bによって取付けピンユニット11の両端に設けられている。ブシュ14a,14bの内径は、取付けピンユニット11が挿入されるように取付けピンユニット11の外径よりも若干大きく、ワッシャー13a,13bの外径よりも小さい寸法となっている。そのため、ブシュ14a,14bは、取付けピンユニット11の外周面において回動可能となっており、かつワッシャー13a,13bとアダプタ3との間において移動可能となっている。
本実施形態の取付けピン組立て体4は、以上のような構成を有しており、ツース2とアダプタ3とを貫通する貫通孔2a,3a内に挿入されることで、アダプタ3に対してツース2が脱落しないように固定している。
ここで、油圧ショベル等によるバケット1を用いた掘削作業中等において、ツース2に対して衝撃が付与された場合には、その衝撃力はツース2をアダプタ3側へと押し込む方向に作用する。このとき、ツース2へ付与された衝撃力は、ツース2内部に形成された空洞部V1を形成する当接面2cからアダプタ3の挿入部の外壁面(当接面3bb)において受け止められる。よって、掘削作業中等にツース2に対して付与される衝撃力は、ツース2とアダプタ3とを接続する取付けピン組立て体4には作用しない。これは、ブシュ14a,14bの外周面とツース2の第1貫通孔2a,2aの内壁面との間に隙間が設けられているためである。
つまり、本実施形態では、取付けピン組立て体4は、ツース2がアダプタ3から離間する方向に力が付与された際に、ツース2がアダプタ3から脱落防止用の抜け止めとしてのみ機能する。
<ツース2の取付け構造>
ここで、上述した各部材を用いたツース2の取付け構造について、さらに詳しく説明すれば以下の通りである。
すなわち、図5(a)および図5(b)に示すように、ツース2の内部に形成された空洞部V1に対してアダプタ3の挿入部3bが挿入された状態で、取付けピン組立て体4が、ツース2とアダプタ3とを幅方向に貫通する貫通孔2aと貫通孔3aとに挿入される。
取付けピン組立て体4の取り付け手順は、以下の通りである。
まず、第2取付けピン72をブシュ14aの中央孔に挿入した後、第2取付けピン72の外側の端面にワッシャー13aおよびボルト12aを取り付ける。このとき、ボルト12aは、第2取付けピン72の外側の端面に形成された雌ネジ11aに螺合する。
次に、図6(a)に示すように、ブシュ14a、ワッシャー13aおよびボルト12aが外側の端面に取り付けられた第2取付けピン72を、ツース2側の貫通孔2a、アダプタ3側の貫通孔3a内に挿入する。このとき、第2取付けピン72の先端は、アダプタ3側の貫通孔3aの中程まで達する。
次に、第1取付けピン71の挿入側から弾性部材70の貫通孔70a、ブシュ14bの中央孔に挿入した後、第1取付けピン71の外側の端面にワッシャー13bおよびボルト12bを取り付ける。このとき、ボルト12bは、第1取付けピン71の外側の端面に形成された雌ネジ11bに螺合する。
次に、図6(a)に示すように、ブシュ14b、ワッシャー13bおよびボルト12bが外側の端面に取り付けられた第1取付けピン71を、第2取付けピン72とは反対側(図6(a)の右側)から貫通孔2a,3aに挿入していく。
次に、第2取付けピン72側のボルト12aを工具で固定しながら、第1取付けピン71側のボルト12bを工具で回転させ、第1取付けピン71の雄ネジ部71aと第2取付けピン72の雌ネジ部72aとを螺合させる。
このとき、雄ネジ部71aが雌ネジ部72aに対してしっかり螺合すると、第1・第2取付けピン71,72の間に挟まれた弾性部材70には、軸方向に圧力が付与される。これにより、弾性部材70は、図6(b)の矢印に示す径方向に膨張してアダプタ3の貫通孔3aの内壁面に当接する。
この弾性部材70の径方向への膨張(寸法変化)によって、取付けピン組立て体4は全体として、ツース2の先端とは反対方向に移動する。このとき、ブシュ14a,14bの外周面の一部が、ツース2の貫通孔2aのツース2の先端とは反対側の内周面の一部に対して当接した状態となる。
ここで、上述したように、ツース2とアダプタ3とに形成された貫通孔2a,3aは、偏心した位置に配置されている。
これにより、取付けピン組立て体4は、貫通孔3a内におけるツース2の先端側の1箇所(図5中のX1)と、左右両方の貫通孔2a内におけるツース2の先端とは反対側の2箇所(図5中のX2,X3)との計3箇所において支持されることとなる。この結果、装着状態における取付けピン組立て体4のガタツキを防止することができる。
ここで、取付けピン組立て体4の装着状態における貫通孔2a,3a内での取付けピン組立て体4の位置について、図7(a)〜図7(c)を用いて説明すれば以下の通りである。
図7(a)〜図7(c)は、それぞれ図5(b)に示すAA線、BB線、CC線の矢視断面図である。
すなわち、図7(a)に示すように、貫通孔3a内では、取付けピン組立て体4の弾性部材70のツース2の先端側の外周面が貫通孔3aの内壁面に当接して隙間無しの状態となっており、ツース2の先端とは反対側の外周面と貫通孔3aの内周面との間には隙間有りの状態となっている。
そして、図7(b)に示すように、貫通孔3a内では、取付けピン組立て体4の第2取付けピン72のツース2の先端側の外周面が貫通孔3aの内壁面に当接して隙間無しの状態となっており、ツース2の先端とは反対側の外周面と貫通孔3aの内周面との間には隙間有りの状態となっている。
さらに、図7(c)に示すように、貫通孔2a内では、取付けピン組立て体4のブシュ14aのツース2の先端側の外周面と貫通孔2aの内壁面との間に隙間有りの状態となっており、ツース2の先端とは反対側の外周面と貫通孔2aの内周面との間には隙間無しの状態となっている。なお、ブシュ14aの先端側外周面と貫通孔2aの内壁面との間の隙間はごく小さいため、図7(c)では視認できるように図示されていない。
以上ことから、装着状態における取付けピン組立て体4は、アダプタ3の貫通孔3a内におけるツース2の先端側の内周面において略中央部分が1箇所支持され、かつツース2の貫通孔2a内におけるツース2の先端とは反対側の内周面において両端部分が2箇所支持される。これにより、取付けピン組立て体4は、中央と両端の計3箇所において貫通孔2a,3aの内周面と当接して支持されるため、取付けピン組立て体4のガタツキの発生を効果的に防止することができる。
また、ブシュ14a,14bは、図5(b)に示すように、ツース2側の貫通孔2a内に配置され、アダプタ3の両側の側壁部3baの外側にそれぞれ配置される。これにより、ツース2の脱落防止用の取付けピン組立て体4が貫通孔2a,3aから抜け落ちてしまうことを回避することができる。
また、本実施形態のツース2の取付け構造では、図5(b)に示す取付けピン組立て体4が挿入されたツース2の取り付け状態において、ブシュ14a,14bとアダプタ3の側壁部3baとが互いに対向する面の間には、所定の隙間が形成されている。さらに、ブシュ14a,14bの外周面とツース2の貫通孔2aの内周面との間にも、所定の隙間が形成されている。
つまり、取付けピン組立て体4は、アダプタ3の両方の側壁部3baを挟み込むように左右のブシュ14a,14bが配置されているものの、ブシュ14a,14bは側壁部3baに対して当接しておらず、取付けピンユニット11の軸方向において遊びが設けられている。さらに、略円筒状のブシュ14a,14bの外周面は、径方向において隙間を介してツース2の貫通孔2aの内周面に対向している。
このため、例えば、掘削作業中等においてツース2に対して衝撃力が付与された場合には、ツース2にはアダプタ3方向に力が付与される。このとき、衝撃力は、ツース2とアダプタ3とが接触しているツース2側の当接面2cから伝達され、アダプタ3の挿入部3b側の当接面3bbにおいて受け止められる。よって、取付けピン組立て体4に対して衝撃力が付与されることはない。
一方、何らかの理由により、ツース2をアダプタ3から離間させる方向に力が付与された場合には、ツース2のアダプタ3に対する相対的な移動によって、ツース2の貫通孔2aの内周面が、取付けピン組立て体4のブシュ14a,14bの外周面に対して接触する。このとき、ツース2からブシュ14a,14bに対して付与される力の一部は、ブシュ14a,14bの回動によって効果的に逃がされる。よって、ツース2からブシュ14a,14bの外周面に対して力が伝達された場合でも、取付けピンユニット11に対して大きな負荷が掛かることはない。
これにより、取付けピン組立て体4に対して、掘削作業中等にツース2に付与される大きな衝撃力が付与されることはないため、取付けピンユニット11が段差部分等で折れてしまうことを防止することができる。
(実施形態2)
本発明の他の実施形態に係る作業機が採用されたリッパ装置(作業機)20について、図8〜図10を用いて説明すれば以下の通りである。
本実施形態のリッパ装置20は、ブルドーザ等の作業機械のリア側に設けられる掘削用の作業機であって、図8に示すように、ビーム21と、シャンク(アダプタ)22と、プロテクタ(保護部材、掘削具)23と、リッパポイント(爪部材、掘削具)24と、を備えている。
ビーム21は、ブルドーザ等の車体部と接続されており、図示しない油圧シリンダを駆動することによって、リッパ装置20の先端部分(リッパポイント24)を回動(チルト)させて地面に対して接触させたり離間させたりする。
シャンク22は、図9に示すように、ビーム21に対して取り付けられる板状の部材であって、掘削側の先端部分が屈曲して尖った形状を有している。そして、シャンク22の先端部分には、プロテクタ23やリッパポイント24が取り付けられる。
プロテクタ23は、図9に示すように、シャンク22の屈曲部分における屈曲内側の面を保護する部材であって、取付けピン組立て体25によって上下の端部が固定されている。
リッパポイント24は、図9に示すように、シャンク22の屈曲部分における尖った先端部を覆う部材であって、掘削作業等によって磨耗や破損した場合には掘削具として交換される。そして、リッパポイント24は、取付けピン組立て体26によってシャンク22の先端部分に固定されている。
取付けピン組立て体25は、図9に示すように、上述した実施形態1の取付けピン組立て体4と同様の構成を有しており、シャンク22とプロテクタ23とを2箇所で貫通する貫通孔22a,22bおよび貫通孔23a,23bに挿入、取付けされる。
取付けピン組立て体26は、図9に示すように、上述した実施形態1の取付けピン組立て体4と同様の構成を有しており、シャンク22とリッパポイント24とを貫通する貫通孔22cおよび貫通孔24aに挿入、取付けされる。
上記取付けピン組立て体25,26は、ほぼ同じ構成であるから、ここでは、リッパポイント24側の取付けピン組立て体26を例として挙げて説明する。
リッパポイント24は、図9に示すように、後端から先端方向に向かって内部に形成された空洞部V2を有している。リッパポイント24をシャンク22の先端部分に取り付ける際には、この空洞部V2内にシャンク22の尖った先端部分を挿入して固定する。このとき、リッパポイント24の空洞部V2内では、シャンク22の先端部分を構成する面が当接した状態となっている。
取付けピン組立て体26は、リッパポイント24がシャンク22から脱落しないように取り付けるための部材であって、図10に示すように、リッパポイント24がシャンク22に対して取り付けられた状態において、リッパポイント24側の貫通孔24aとシャンク22側の貫通孔22cとに挿入される。そして、取付けピン組立て体26は、取付けピンユニット31と、ボルト(外れ止め部材)32a,32bと、ワッシャー(外れ止め部材)33a,33bと、ブシュ34a,34bと、を有している。
なお、取付けピンユニット31、ボルト32a,32b、ワッシャー33a,33b、およびブシュ34a,34bについては、上記実施形態1の取付けピンユニット11、ボルト12a,12b、ワッシャー13a,13b、およびブシュ14a,14bと同じ機能を有する部材であるから、ここでは説明を省略する。また、リッパポイント24側の貫通孔24aとシャンク22側の貫通孔22cとについては、上記実施形態1のツース2側の貫通孔2aとアダプタ3側の貫通孔3aとの関係と同様に、互いに偏心した位置に配置されている。
そして、上記実施形態1と同様に、取付けピンユニット31の構成によって、取付けピン組立て体26が、貫通孔24a,22c内において3箇所支持されている。さらに、ブシュ34a,34bの外周面と貫通孔24aの内周面との間、ブシュ34a,34bとシャンク22とが互いに対向する面の間にも、それぞれ隙間が形成されている。
本実施形態の取付けピン組立て体26は、以上のような構成を有しており、リッパポイント24とシャンク22とを貫通する貫通孔22c,24a内に挿入されることで、ガタツキが生じないように、かつシャンク22に対してリッパポイント24が脱落しないように取り付けられている。
ここで、ブルドーザ等によるリッパ装置20を用いた掘削作業中等において、リッパポイント24に対して衝撃が付与された場合には、その衝撃力はリッパポイント24をシャンク22側へと押し込む方向に作用する。このとき、リッパポイント24へ付与された衝撃力は、リッパポイント24内部に形成された空洞部V2を形成する当接面からシャンク22の挿入部分の外壁面において受け止められる。よって、掘削作業中等にリッパポイント24に対して付与される衝撃力は、リッパポイント24とシャンク22とを接続する取付けピン組立て体26には作用しない。
つまり、本実施形態では、取付けピン組立て体26は、リッパポイント24がシャンク22から離間する方向に力が付与された際に、リッパポイント24がシャンク22から脱落防止用の抜け止めとしてのみ機能する。
以上のことから、本実施形態の取付けピン組立て体26を用いたリッパポイント24の取付け構造では、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
また、同様の構成を有する取付けピン組立て体25を用いたプロテクタ23の取付け構造においても、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施形態3)
本発明の他の実施形態に係る作業機が採用されたバケット(作業機)50について、図11〜図12(b)を用いて説明すれば以下の通りである。
本実施形態のバケット50は、ブルドーザやホイールローダ等の作業機械のフロント部分に装着される作業機であって、図11に示すように、掘削部分における先端に、複数のツース(爪部材、掘削具)51と、複数のツース間プロテクタ(保護部材、掘削具)52と、が取り付けられている。
ツース51は、掘削作業を行うためにバケット50の先端部分に取り付けられた爪部材であって、上記実施形態1のツース2と同様に、内部に空洞部を有している。そして、バケット50における先端部分に形成された挿入部50aが、ツース51内部の空洞部分に挿入される。そして、ツース51と挿入部50aとを貫通する貫通孔50aa,51aに取付けピン組立て体53が挿入されることで、ツース51が挿入部50aに対して固定される。
ツース間プロテクタ52は、複数のツース51の間にそれぞれ取り付けられており、バケット50のエッジ部分を保護する部材であって、上記実施形態1のツース2と同様に、内部に空洞部を有している。そして、バケット50における先端部分に形成された挿入部50bが、ツース間プロテクタ52内部の空洞部分に挿入される。そして、ツース間プロテクタ52と挿入部50bとを貫通する貫通孔50ba,52aに取付けピン組立て体54が挿入されることで、ツース間プロテクタ52が挿入部50bに対して固定される。
上記取付けピン組立て体53,54は、上記実施形態1の取付けピン組立て体4とほぼ同じ構成であるから、ここでは、ツース間プロテクタ52側の取付けピン組立て体54を例として挙げて説明する。
取付けピン組立て体54は、ツース間プロテクタ52がバケット50の先端部分から脱落しないように固定するための部材であって、図12(a)に示すように、ツース間プロテクタ52が挿入部50bに対して取り付けられた状態において、ツース間プロテクタ52側の貫通孔52aと挿入部50b側の貫通孔50baとに挿入される。
また、ツース間プロテクタ52側の貫通孔52aと挿入部50b側の貫通孔50baとについても、実施形態1のツース2側の貫通孔2aとアダプタ3側の貫通孔3aとの関係と同様に、互いに偏心した位置に配置されている。
挿入部50bは、図12(b)に示すように、バケット50の底面から上方に向かって立設されている。そして、ツース間プロテクタ52は、図12(a)に示すように、挿入部50bの取付け側の側面50bbにおいて当接している。これにより、掘削作業中等においてツース間プロテクタ52に付与された衝撃力は、挿入部50bの側面50bbにおいて受け止められ、取付けピン組立て体54にはほとんど伝達されない。
また、掘削作業等における外力によって、ツース間プロテクタ52が挿入部50bから離脱する方向に移動して、ツース間プロテクタ52と挿入部50bとが衝突すると、その外力の一部はブシュの回動によって逃がされる。よって、取付けピン組立て体54に付与される外力を効果的に低減することができる。
そして、取付けピン組立て体54は、上記実施形態1の取付けピン組立て体4と同様の構成を有している。
なお、取付けピン組立て体54については、上記実施形態1の取付けピン組立て体4と同じ構成であるから、ここではその説明を省略する。取付けピン組立て体53についても同様である。
以上のことから、本実施形態の取付けピン組立て体54を用いたツース間プロテクタ52の取付け構造では、貫通孔52a,50ba内における取付けピン組立て体54のガタツキの発生を防止しつつ、取付けピン組立て体54の脱落を防止できるという、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
また、同様の構成を有する取付けピン組立て体53を用いたツース51の取付け構造においても、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態1,2,3では、油圧ショベルのバケットのツース、ブルドーザのリッパ装置のリッパポイントおよびプロテクタ、バケットのツースおよびツース間プロテクタ等の掘削具の取付け構造を備えた作業機に対して、本発明を適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図13に示すように、油圧ショベルのバケット101のサイドシュラウド(保護部材、掘削具)61,62の取付け構造に対して、本発明を適用することも可能である。
サイドシュラウド61,62は、バケット101の側面101a,101bにおける掘削側寄りに取り付けられるバケット101のエッジ部分を保護する部材である。
サイドシュラウド61は、サイドシュラウド61とバケット101の側面101aとを貫通する貫通孔61a,63aに対して取付けピン組立て体64が挿入され、2箇所で固定されている。
サイドシュラウド62も同様に、サイドシュラウド62とバケット101の側面101bとを貫通する貫通孔62a,63bに対して取付けピン組立て体64が挿入され、2箇所で固定されている。
ここで、取付けピン組立て体64は、上記実施形態1,2,3で説明した取付けピン組立て体4等と同様の構成を備えている。
これにより、本発明をバケット101のサイドシュラウド61,62の取付け構造に適用した場合でも、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
(B)
上記実施形態では、外れ止め部材として、ボルトとワッシャーとが別部材のものを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ワッシャーが一体化されたボルトを外れ止め部材として用いてもよい。
本発明の作業機は、貫通孔内における取付けピン組立て体のガタツキを防止しつつ、取付けピン組立て体が貫通孔から抜け落ちてしまうことを確実に回避することができるという効果を奏することから、各種掘削具の取付け構造に対して広く適用可能である。
1 バケット(作業機)
2 ツース(爪部材、掘削具)
2a 貫通孔(第1貫通孔)
2b 側壁部
2c 当接面
3 アダプタ
3a 貫通孔(第2貫通孔)
3b 挿入部
3ba 側壁部
3bb 当接面
4 取付けピン組立て体
11 取付けピンユニット
11a,11b 雌ネジ
12a,12b ボルト(外れ止め部材)
13a,13b ワッシャー(外れ止め部材)
14a,14b ブシュ
20 リッパ装置(作業機)
21 ビーム
22 シャンク(アダプタ)
22a,22b,22c 貫通孔(第2貫通孔)
23 プロテクタ(保護部材、掘削具)
23a,23b 貫通孔(第1貫通孔)
24 リッパポイント(爪部材、掘削具)
24a 貫通孔(第2貫通孔)
25,26 取付けピン組立て体
31 取付けピンユニット
32a,32b ボルト(外れ止め部材)
33a,33b ワッシャー(外れ止め部材)
34a,34b ブシュ
50 バケット(作業機)
50a 挿入部
50aa 貫通孔(第2貫通孔)
50b 挿入部
50ba 貫通孔(第2貫通孔)
50bb 側面
51 ツース
51a 貫通孔(第1貫通孔)
52 ツース間プロテクタ
52a 貫通孔(第1貫通孔)
53,54 取付けピン組立て体
61,62 サイドシュラウド(保護部材、掘削具)
61a,62a 貫通孔(第1貫通孔)
63a,63b 貫通孔(第2貫通孔)
64 取付けピン組立て体
70 弾性部材
70a 貫通孔
71 第1取付けピン
71a 雄ネジ部
71b 大径部
72 第2取付けピン
72a 雌ネジ部
101 バケット
101a,101b 側面
V1,V2 空洞部
国際公開第2009/020175号(2009年2月12日国際公開)

Claims (7)

  1. 掘削作業を行うために作業車両に装着される作業機であって、
    第1貫通孔を有し、掘削作業によって消耗する掘削具と、
    前記掘削具を用いた作業中に掛かる負荷を受けるように前記掘削具に対して当接する当接面と、前記掘削具が取り付けられた状態で前記第1貫通孔に対して偏心した位置に形成された第2貫通孔とを有する作業機側のアダプタと、
    雄ネジが形成された第1取付けピンと、前記第1取付けピンの雄ネジに螺合する雌ネジが形成された第2取付けピンと、前記第1取付けピンの前記雄ネジと前記第2取付けピンの前記雌ネジとが螺合することにより前記第1取付けピンと前記第2取付けピンとに挟まれて軸方向に圧縮されて径方向に膨張して前記第2貫通孔の内周面の一部に当接する弾性部材と、を有し、前記掘削具の前記アダプタへの装着状態において前記掘削具と前記アダプタとを貫通するように配置された前記第1・第2貫通孔に挿入される取付けピンユニットと、
    前記第1・第2取付けピンの外径よりも大きな外径を有する円筒状の部材であって、前記円筒状の内側に前記取付けピンユニットが挿入され、前記貫通孔内における前記取付けピンの両端に配置されるブシュと、
    前記取付けピンユニットの両端において、前記アダプタとの間に挟み込むようにして前記ブシュが前記取付けピンから外れることを防ぐ外れ止め部材と、
    を備えている作業機。
  2. 前記ブシュは、前記取付けピンに対して回動自在に取り付けられている、
    請求項1に記載の作業機。
  3. 前記第1貫通孔は、前記第2貫通孔に対して前記掘削具の先端方向に偏心した位置に形成されている、
    請求項1に記載の作業機。
  4. 前記取付けピンの軸方向において互いに対向する前記ブシュと前記アダプタとの対向面の間、あるいは前記ブシュと前記外れ止め部材との対向面の間には、第1の隙間が形成される、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の作業機。
  5. 前記外れ止め部材は、ボルト部材とワッシャーとを有する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の作業機。
  6. 前記掘削具は、爪部材、エッジ保護部材を含む、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の作業機。
  7. 作業機の掘削具が作業機側のアダプタに対して脱落することを防止するために、前記掘削具が前記アダプタに対して取り付けられた状態で前記掘削具と前記アダプタとを貫通するように配置される前記掘削具に形成された第1貫通孔と前記第1貫通孔に対して偏心するように前記アダプタに形成された第2貫通孔とに挿入される取付けピン組立て体であって、
    雄ネジが形成された第1取付けピンと、前記第1取付けピンの雄ネジに螺合する雌ネジが形成された第2取付けピンと、前記第1取付けピンの前記雄ネジと前記第2取付けピンの前記雌ネジとが螺合することにより前記第1取付けピンと前記第2取付けピンとに挟まれて軸方向に圧縮されて径方向に膨張して前記第2貫通孔の内周面の一部に当接する弾性部材と、を有し、前記掘削具の前記アダプタへの装着状態において前記掘削具と前記アダプタとを貫通するように配置された前記第1・第2貫通孔とに挿入される取付けピンユニットと、
    前記取付けピンの外径よりも大きな外径を有する円筒状の部材であって、前記円筒状の内側に前記取付けピンが挿入され、前記第1貫通孔内における前記取付けピンの両端にそれぞれ配置されるブシュと、
    前記取付けピンの両端において前記ブシュが前記取付けピンの両端から外れることを防止する外れ止め部材と、
    を備えている取付けピン組立て体。
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